JP2002539028A - 折りたたみ式屋根を備えた転換式乗物のロールバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、乗物本体と一体となり、引っ込み位置と、屋根（１）が開いているとき、乗物が転覆した場合に乗客を守るため、乗物のパッケージ棚（３）の上でロールバー（５）が十分に突出する位置との間において移動可能なロールバー（５）に関するものである。ロールバー（５）は、ロールバーの頂部で相互に関節結合した２つのロールバーの要素（５ａ）からなり、各ロールバーの要素（５）の下端部（５ｂ）は、乗物のパッケージ棚に平行であり、上記棚の真下に位置する直線にそってスライドすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、乗物が転覆した場合に、乗客を守るため、折りたたみ式屋根を備え
た転換式乗物のロールバーに関するものである。

【０００１】 乗物本体と一体となり（integral）、乗物上に取り付けられた折りたたみ式屋
根と両立できる引っ込め位置と、屋根が開いているとき、乗物の後部棚板の上の
方に、乗物が転覆した場合に、乗客を守るため、ロールバーが十分に突出する位
置との間において可動である、保護用ロールバーを有する転換式乗物が知られて
いる。

【０００２】 上記乗物の機能性を最適化するには、特に、非常に短い乗物に対して、後ろの
乗客はできるかぎり後ろに着席しなければならず、折りたたみ式屋根は、できる
かぎりトランクの中において前のほうに出さなければならない。屋根の傾斜と後
部棚板の前方への回転との組み合わせにおける、これら２つの要求は、ロールバ
ーの取付けをパッケージ棚板の前にある領域に制限する。

【０００３】 このロールバーは、屋根が閉められるときは屋根によって拘束されており、屋
根が後ろのトランクで折りたたまれているときは、乗物が転覆した場合に乗客を
十分に守るため、乗客の頭の上に位置する場所まで上げなければならない。

【０００４】 そのうえ、ロールバーが取り付けられる場所は、ロールバーとフレームとの間
の剛直な接合を提供するために、乗物のフレーム、つまり縁の部分上に、接続し
なければならない。

【０００５】 本発明の一つの目的は、上記目的を達成する保護用ロールバーを提供すること
にある。

【０００６】 本発明によれば、この保護用ロールバーは、ロールバーの頂部において相互に
関節結合した二つのロールバーの要素からなり、各ロールバーの要素の下端部は
、乗物の後部棚板に平行であり、上記棚板の真下に位置する直線にそって、関節
部が上記直線に近づくにつれて、両ロールバーの要素の２つの下端部が相互に遠
ざかる第一の位置と、関節部が上記直線から遠ざかるにつれて、両ロールバーの
要素の２つの下端部が相互に近づく第２の位置との間をスライドすることができ
ることを特徴とする。

【０００７】 この構成をとることにより、ロールバーが第１の位置にあるとき、ロールバー
はトランクの中の利用できる場所を侵害しないし、トランクと乗客の客室との間
における使用可能な場所を侵害しない。

【０００８】 実際に、両方の位置において、ロールバーの２つの下端部は、折りたたみ式屋
根が通過して、トランクの内側にしまわれるために、引込み式の後部棚板の前方
に配置され得る直線上に位置している。

【０００９】 好ましくは、保護用ロールバーは、上記直線にそって、間隔をあけて、一直線
に並んだ、２つのロールバーからなる。

【００１０】 また、好ましくは、１つのロールバーの要素の各下端部には、上記直線に沿っ
て延びたレールに嵌められた（fitted）車輪が備えられている。

【００１１】 本発明の有利な実施の形態によると、ロールバーの要素の下端部を、ともに近
づけること、または、遠ざけることは、ネジを切った連接棒のネジやまのピッチ
が他方のネジ部（threadings）と比較して一方のネジ部（threadings）では反対
にされている、ロールバーの要素の下端部と一体となった（integral）ネジ部（
threadings）を対応してかみ合わせるネジを切った１本の連接棒の回転によって
制御される。

【００１２】 １つのネジを切った連接棒の回転は、この屋根が乗物の上に取り付けている位
置と屋根が乗物のトランクの中にしまわれている位置との間で、モータによって
、または、折りたたみ式屋根のピボットのような動きをとおして制御される。

【００１３】 本発明の他の特徴と利点とは、以下の記述から、さらに明確に理解することが
できるであろう。

【００１４】 非制限的な具体例として添えられた図面において、 図１は、本発明による保護用ロールバーを備えた転換式乗物の概要の一部分の
縦断面図である。

【００１５】 図２は、ロールバーの両方の位置を詳細に示した、拡大された縦断面図である
。

【００１６】 図３は、両ロールバーとそれらの制御付属品とを示したパース図である。

【００１７】 図４は、図３の詳細を示す。

【００１８】 図５は、１つのロールバーとスライディングレールとの平面図を示す。

【００１９】 図６は、図５の平面ＶＩ−ＶＩ上でえられる断面図である。

【００２０】 図７は、両ロールバーの要素の下端部の動きを制御するネジを切った連接棒を
示すパース図である。

【００２１】 図１および図２は、屋根１の後部の窓４の真下にある後部棚板３を前方に傾け
たのち、後部トランク２の中にしまうことができる折りたたみ式屋根１を備えた
１つの転換式乗物を示す。

【００２２】 この後部棚板３の前には、フレームに接続された部品６と一体となる（integr
al）１つのロールバー５がある。このロールバー５は、乗物に取り付けられる折
りたたみ式屋根１と両立する引っ込め位置と、屋根が開いているとき、乗物が転
覆した場合に乗客Ｐを守るため、乗物の後部棚板３の上にロールバーが十分に突
出する（図２の鎖状の線によって示される）位置との間で移動可能である。

【００２３】 本発明によれば、（図３および図５を参照）、ロールバー５は、ロールバー５
の頂部付近の７で相互に関節結合した、２つのロールバーの要素５ａからなる。

【００２４】 各ロールバーの要素５ａの下端部５ｂは、乗物の後部棚板３に平行であり、上
記棚板の真下に位置する直線Ｄにそって、関節部が上記直線Ｄに近づくにつれて
、ロールバーの要素の２つの下端部５ｂが相互に遠ざかる第一の位置と、関節部
７が上記直線Ｄから遠ざかるにつれて、ロールバーの要素の２つの下端部５ｂが
相互に近づく第２の位置との間をスライドすることができる。

【００２５】 図３に示すように、上記乗物は、直線Ｄにそって、間隔をあけて、一直線に並
んだ、２つのロールバー５からなる。

【００２６】 図５および図６は、直線Ｄにそって延びたレール９に嵌められた（fitted）車
輪８を備えている、１つのロールバーの要素５ａの各下端部５ｂを示している。

【００２７】 他の点において、ロールバーの要素５ａの下端部５ｂを、ともに近づけること
、または、遠ざけることは、ロールバーの要素５ａの下端部５ｂと一体となった
（integral）ネジ部１１（図７参照）を対応してかみ合わせるネジを切った１本
の連接棒１０の回転によって制御される。

【００２８】 他方、図５に示すように、ネジを切った連接棒１０のねじやまのピッチは、上
記で述べた動作が、ロールバーの要素５ａの下端部５ｂをともに近づけるように
、または、遠ざけるように、他方のネジ部（threadings）と比較して一方のネジ
部（threadings）では反対にされている。

【００２９】 ネジを切った連接棒１０の回転は電気モータによって制御され得る。

【００３０】 ネジを切った連接棒１０の回転は、この屋根１が乗物上に取り付けられた位置
と、屋根１が乗物のトランク２の中にしまわれた位置との間において、軸１２（
図２および図３参照）のまわりに、折りたたみ式屋根１のピボットのような動作
を通して同様に制御され得る。

【００３１】 折りたたみ式屋根１のピボットのような動作と、ネジを切った連接棒１０の回
転との間の伝達は、適切なギア比を得るために、互いに噛み合わせた一連の小歯
車１３、１４、１５と、ギザギザを付けたベルト１６（図４参照）とで、なされ
る。

【００３２】 図３はさらに、それぞれのロールバーの要素５ａの下端部５ｂが、乗物のパッ
ケージ棚板の前に延びた中空の梁７の中に形成される延長された凹部１７と結合
することを示している。もちろん、延長された凹部１７の長さは、ここより上で
記載した２つの位置の間でロールバーの要素５ａの下端部５ｂの動作をさせるに
は十分である。

【００３３】 装置の操作を記載すると、以下のようになる。

【００３４】 モータ２０は、シャフト１９と両小歯車１４と１５を介して、屋根１に接続さ
れた噛み合った小歯車１３の回転を生じさせる。

【００３５】 屋根１の後方への回転は、ギザギザを付けたベルト１６を通して、ネジを切っ
た連接棒１０の回転を生じさせる。

【００３６】 ネジを切った連接棒の回転は、ネジ部１１（threadings）によって、ロールバ
ーの要素５ａの下端部５ｂの直動の動きを生じる。

【００３７】 ロールバー５は、図２、図３、および、図５に示すように、引っ込んだ位置と
直立した位置との間を、このように動く。

【００３８】 反対側へのロールバー５の動きは、屋根がしまわれるときに生じる。

【００３９】 屋根１の回転とネジを切った連接棒１０の回転とは、分離したモータ２０とモ
ータ２１とによって制御される。その場合において、ギザギザを付けたベルト１
６による、シャフト１９とネジを切った連接棒１０との接続は抑制され得る。

【００４０】 言うまでもなく、本発明は上記記載例に限られるのではなく、本発明の範囲か
らそれることなく、数多くの変形がなされる場合がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、本発明による保護用ロールバーを備えた転換式乗物の概要の一部分の
縦断面図である。

【図２】 図２は、ロールバーの両方の位置を詳細に示した、拡大された縦断面図である
。

【図３】 図３は、両ロールバーとそれらの制御付属品とを示したパース図である。

【図４】 図４は、図３の詳細を示す。

【図５】 図５は、１つのロールバーとスライディングレールとの平面図を示す。

【図６】 図６は、図５の平面ＶＩ−ＶＩ上でえられる断面図である。

【図７】 図７は、両ロールバーの要素の下端部の動きを制御するネジを切った連接棒を
示すパース図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ケヴォー，ジェラール フランス，79140 セリゼイ，ル ペーン， アミ ファルム（番地なし)

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗物の本体と一体となり、乗物に取付けられた折りたたみ式屋根（１）と両立
   できる引っ込み位置と、屋根（１）が開いているとき、乗物が転覆した場合に乗
   客（Ｐ）を守るため、乗物のパッケージ棚（３）の上でロールバー（５）が十分
   に突出する位置との間でロールバー（５）が可動な折りたたみ式屋根（１）を備
   えた転換式乗物の保護用ロールバーにおいて、 上記ロールバー（５）は、該ロールバーの頂部で相互に関節結合した２つのロ
   ールバーの要素（５ａ）からなり、それぞれのロールバーの要素（５）の下端部
   （５ｂ）は、乗物の後部棚（３）に平行であり、上記棚の真下に位置する直線（
   Ｄ）にそってスライド可能であり、かつ、関節部（７）が上記直線（Ｄ）に近づ
   くにつれて、両ロールバーの要素（５ａ）の２つの下端部（５ｂ）が相互に遠ざ
   かる第１の位置と、関節部（７）が上記直線（Ｄ）から遠ざかるにつれて、両ロ
   ールバーの要素の２つの下端部（５ｂ）が相互に近づく第２の位置との間をスラ
   イドすることができることを特徴とする折りたたみ式屋根（１）を備えた転換式
   乗物の保護用ロールバー。
2. 【請求項２】 保護用ロールバーが、上記直線（Ｄ）にそって、間隔をあけて、一直線に並ん
   だ、２つのロールバー（５）からなることを特徴とする請求項１記載の保護用ロ
   ールバー。
3. 【請求項３】 １つのロールバーの要素（５）の各下端部（５ｂ）は、上記直線にそって延び
   るレール（９）に嵌められた（fitted）車輪（８）を備えていることを特徴とす
   る請求項１又は２記載の保護用ロールバー。
4. 【請求項４】 ロールバーの要素（５）の下端部（５ｂ）を、ともに近づけること、または、
   遠ざけることは、ロールバーの要素の下端部（５ｂ）と一体となったネジ部（１
   １）を対応してかみ合わせるネジを切った１本の連接棒（１０）の回転によって
   制御され、ネジを切った連接棒（１０）のネジやまのピッチが他方のネジ部と比
   較して一方のネジ部では反対にされていることを特徴とする請求項１〜３のいず
   れか一項に記載の保護用ロールバー。
5. 【請求項５】 ネジを切った連接棒（１０）の回転は、モータ（２１）によって制御されるこ
   とを特徴とする請求項４記載の保護用ロールバー。
6. 【請求項６】 ネジを切った連接棒（１０）の回転は、この屋根（１）が乗物に取り付けられ
   る位置と、屋根が乗物のトランクの中にしまわれる位置との間で、折りたたみ式
   屋根（１）のピボットのような動作を通して制御されることを特徴とする請求項
   ４記載の保護用ロールバー。
7. 【請求項７】 折りたたみ式屋根（１）のピボットのような動作と、ネジを切った連接棒（１
   ０）の回転との間の伝達は、適切なギア比を得るために、互いに噛み合わせた一
   連の小歯車（１３、１４、１５）によってなされ得ることを特徴とする請求項６
   記載の保護用ロールバー。
8. 【請求項８】 それぞれのロールバーの要素（５ａ）の下端部（５ｂ）は、乗物の後部棚（３
   ）の前に延びた中空の梁（６）の中に形成される延長された凹部（１７）と結合
   しており、延長された凹部（１７）の長さは、上記第１の位置と第２の位置との
   間でロールバーの要素（５ａ）の上記下端部（５ｂ）の動作をさせるには十分で
   あることを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記載の保護用ロールバー。