本発明の実施の形態としての実施例を図面を利用して説明する。本発明は、弾球遊技機に備えた変動入賞装置の振り分け機構に特徴を有するものである。まず、弾球遊技機として、いわゆる第1種のパチンコ機を例に取り、その構造を図1〜図5を利用して説明する。
本実施例のパチンコ機Aの前面構造を図1を利用して説明する。パチンコ機Aの前面部は、本体枠2と、中枠4と、前面枠6と、上皿部8と、下皿部10と、施錠装置12とから構成されている。本体枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠4は、全体がプラスチック製で、枠体部(図示略)と下板部(図示略)とを有して、本体枠2の内周側に嵌合し取り付けられている。ここで、枠体部は、上端から下方へ中枠4全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠6の枠飾りランプ用レンズ6bに対応して、左側に賞球表示LED(図示略)及び賞球表示LED基板6d(図15参照)が、右側にストップ表示LED(図示略)及びストップ表示LED基板6f(図15参照)が配設されている。また、下板部は、下端から上方へ中枠4全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部8に形成されたスピーカ面8aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音を発生させるスピーカ(図示略)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット18(図5参照)に上皿部8に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。さらに、下方には、下皿部10が設けられ、右端中央には、施錠装置12が設けられている。
下皿部10は、灰皿や球抜きレバー等を備えて、パチンコ機Aの内部から遊技球を排出するための排出口10cが開設され、右端に発射装置ユニット18を操作する発射ハンドル16が設けられている。また、この発射ハンドル16には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ16aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ16bが配置されている。施錠装置12は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠6を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
前面枠6は、全体がプラスチック製であり、遊技盤20を前方から視認するべく、遊技盤20に形成された遊技領域22の形状に対応して上側が略円弧状を呈し、全体が略弾丸形状に開設された開口部6aを有している。そして、その裏面には、開口部6aに応じてガラス板が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示略)が装着されている。また、この前面枠6は、パチンコ機Aの前面全体の約2/3のサイズを占め、本体枠2の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ6bが設けられ、このレンズ6b内部には、開口部6a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板6g(図15参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
上皿部8は、前面枠6の下側で、中枠4の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部8dには、球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。また、パチンコ機Aの内部から遊技球を排出するための排出口8cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカ面8aが形成され、左端の裏面には、音量スイッチ基板9(図15参照)が設けられている。パチンコ機Aの左端側には、プリペイドカードユニット14が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造を図2を利用して説明する。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって、後述する裏機構盤120(図5参照)により保持され、その表面に設けられた外レール21と内レール23とにより略円形状に形成される遊技領域22内に、特別図柄表示装置40と、第1種始動口(普通電動役物)50と、変動入賞装置60と、各種入賞口28、30等と、多数の障害釘39と、一対のランプ風車24、26や一対の風車33、35等が配設されて、構成されている。
特別図柄表示装置40は、遊技領域22の略中央部に配置され、センター役物42と、液晶表示盤46とを備えている。ここで、液晶表示盤46は、複数種類の特別図柄(図示略)等を変動表示するもので、その映像表示面は略長方形状を呈している。また、この液晶表示盤46は、遊技球が第1種始動口(普通電動役物)50に入球することにより、その映像表示面に表示される各特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、特別図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示すると、変動入賞装置60に配設された後述する大入賞装置70が開放される。また、センター役物42は、液晶表示盤46の前面周辺部に額縁状で突設して装着され、普通図柄表示装置44と、翼状部43、45と、ステージ41とを備えている。
普通図柄表示装置44は、センター役物42上部中央に配置され、7セグメント表示器44aと、普通図柄保留表示LED44bとを有している。また、この普通図柄表示装置44の両側にはそれぞれ、略翼状に延びた翼状部43、45が配設されている。さらに、その下側には、4個の丸形の緑色LEDで構成され、並列状に特別図柄保留表示LED48bが設けられている。これは、第1種始動口(普通電動役物)50に入球した遊技球の数を4個まで保留とし、入球ごとに順次点灯シフト表示するものである。そして、液晶表示盤46で次の特別図柄の変動表示が開始するたびに、保留数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED48bは消灯される。7セグメント表示器44aは、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、後述する左右の普通図柄作動ゲート36、38のいずれかを遊技球が通過することにより、変動して所定時間経過後に1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば、「7」で停止表示すると、第1種始動口(普通電動役物)50が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。
普通図柄保留表示LED44bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器44aの両側に2個ずつに分けて配置されている。これは、左右の普通図柄始動ゲート36、38を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯シフト表示するものである。次の7セグメント表示器44aの変動表示が開始するたびに、保留数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED44bは消灯される。翼状部43、45は、上述したように、センター役物42上部から側部にかけて中空状に形成され、上部内部には、複数個の遊技効果ランプ48r(図3参照)が配設されている。また、各外側部上端には、遊技球の通過口43a、45aがそれぞれ設けられ、各内側部下端には、遊技球の通過口出口(図示略)がそれぞれ設けられて、これらの通過口と通過口出口間にはそれぞれ、図示しない通過筒部が設けられている。そして、各通過口43a、45aから入った遊技球は、各通過筒部を通過して各通過口出口から飛び出し、ステージ41上を転動する。
ステージ41は、センター役物42下部に配置され、各通過口出口からの遊技球を中央寄りに集めつつ、さらに、遊技盤20面上を流下させるべく、一部傾斜状に形成されている。第1種始動口(普通電動役物)50は、特別図柄表示装置40におけるセンター役物42に有するステージ41の中央直下に配設され、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。内部には、遊技球の通過を検知する第1種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ50s(図4参照)が備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能な開放状態となり、一対の翼片部が閉じると、遊技球の入球困難な閉鎖状態となる。
変動入賞装置60は、上記第1種始動口(普通電動役物)50の下方に配設され、前面側が略逆台形状に形成された基板66に、大入賞装置70と、左入賞口62と、右入賞口64とを備えている。ここで、大入賞装置70は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口72(図7参照)と、この大入賞口72を開放・閉鎖する開閉板74等を備えており、詳しくは後述する。また、左入賞口62は、大入賞装置70の左斜め上方に配設されて、内部に左入賞口通過検知スイッチ62s(図4参照)が設けられている。さらに、右入賞口64は、大入賞装置70の右斜め上方に配設されて、内部に右入賞口通過検知スイッチ64s(図4参照)が設けられている。
アウト口37は、変動入賞装置60における大入賞装置70の中央直下に配設されている。バック球防止部材55は、アウト口37の下部に設けられ、遊技領域22に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止するものである。ファール球防止部材25は、内レール23の先端部に取り付けられ、返しゴム27は、ファール球防止部材25の位置とは略正反対側の、遊技盤20の右半分側の位置であって、外レール21に沿って嵌合状に取り付けられている。一対のランプ風車24、26はそれぞれ、特別図柄表示装置40から左右斜め上方に配設されている。左上入賞口28及び右上入賞口30はそれぞれ、特別図柄表示装置40から左右両側方に配設されている。左下入賞口32及び右下入賞口34はそれぞれ、特別図柄表示装置40から左右斜め下方に配設されている。
左普通図柄作動ゲート36及び右普通図柄作動ゲート38はそれぞれ、第1種始動口(普通電動役物)50の左右両側に配設され、内部に左、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、38s(図4参照)がそれぞれ設けられている。上述したように、遊技球がこれらの通過検知スイッチ36s、38sのいずれかを通過することにより、普通図柄表示装置44における7セグメント表示器44aが作動する。一対の風車33、35はそれぞれ、特別図柄表示装置40から左右両側方であって、特別図柄表示装置40と左上入賞口28又は右上入賞口30間に配設されている。一対のサイドランプ29、31はそれぞれ、遊技領域22の左右両端部において、縦帯状で相対称状に配設されている。なお、多数の障害釘39は、以上説明した各装置等との位置バランスを考慮して、遊技領域22にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
次に、本実施例の遊技盤20上に位置する各種LED、ランプと、これらの基板について図3を利用して説明する。遊技盤20における遊技領域22には、センター役物42に備える普通図柄表示装置44に、4個の丸形の普通図柄保留表示LED44b用の略長方形状の基板44fが配設されている。また、この基板44fの下側であって、左右の翼状部43、45周辺に、4個の丸形の特別図柄保留表示LED48b及び4個の遊技効果ランプ48r兼用の基板48fが配設されている。また、一対のランプ風車24、26の位置には、2個の丸形の遊技効果ランプ24r、26rを各ランプ風車軸の両側にそれぞれ備えた略円形状の基板24f、26fが配設されている。また、一対のサイドランプ29、31の位置には、3個の丸形の遊技効果ランプ29r、31rを縦列にそれぞれ備えた略縦帯状のサイドランプ基板29f、31fが配設されている。
また、左上入賞口28の位置には、1個の丸形の遊技効果ランプ28rを略中心に備えた略V字状の左上入賞口基板28fが、右上入賞口30の位置には、1個の丸形の遊技効果ランプ30rを略中心に備えた略V字状の左上入賞口基板30fが、配設されている。また、左下入賞口32の位置には、1個の丸形の遊技効果ランプ32rを略中心に備えた略U字状の左下入賞口基板32fが、右下入賞口34の位置には、1個の丸形の遊技効果ランプ34rを略中心に備えた略U字状の左上入賞口基板34fが、配設されている。さらに、第1種始動口(普通電動役物)50の位置には、2個の丸形の遊技効果ランプ50rを並列に備えた略コ字状の第1種始動口(普通電動役物)基板50fが配設されている。
次に、本実施例の遊技盤20の裏面側の球経路及びスイッチ等の配設について図4を利用して説明する。遊技盤20の中央部には、略横楕円形状のセンター役物取付用貫設孔42hが設けられ、このセンター役物取付用貫設孔42hの左右斜め上側には、円形状のランプ風車取付用貫設孔24h、26hが、左右側方には、略だるま形状の左上入賞口取付用貫設孔28h及び右上入賞口取付用貫設孔30hが、左右斜め下側には、略楕円形状の左下入賞口取付用貫設孔32h及び右下入賞口取付用貫設孔34hが、中央直下には、略逆円錐台形状の第1種始動口取付用貫設孔50hが、それぞれ設けられている。また、左上入賞口取付用貫設孔28h及び右上入賞口取付用貫設孔30hそれぞれの外側には、縦長孔状のサイドランプ取付用貫設孔29h、31hが設けられている。さらに、第1種始動口取付用貫設孔50hの下側には、略逆台形状の変動入賞装置取付用貫設孔60hが設けられている。
また、第1種始動口(普通電動役物)50の裏側には、第1種始動口(普通電動役物)ソレノイド52が配設され、その内部には、上述したように、第1種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ50sが配設されている。左、右普通図柄作動ゲート36、38の内部には、上述したように、普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、38sがそれぞれ配設されている。さらに、変動入賞装置60に形成された大入賞装置70には、開閉板74を開閉するための大入賞口ソレノイド78が配設され、その内側に可動ガイド部材ソレノイド94が配設され、その左側には、カウント通過検知スイッチ86とカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ84とが並設されている。なお、上述したように、左入賞口62及び右入賞口64の内部にもそれぞれ、左入賞口通過検知スイッチ62s、右入賞口通過検知スイッチ64sが配設されている。
さらに、遊技盤20の裏面側には、後述する機構盤120において、左上入賞口28、左下入賞口32、第1種始動口(普通電動役物)50及び左入賞口62を接続した左セーフ球集合樋100と、右上入賞口30、右下入賞口34及び右入賞口64を接続した右セーフ球集合樋102とが配設され、続いて下流側に、左セーフ球集合樋100及び右セーフ球集合樋102の下端がそれぞれ臨み、漏斗状に形成されているセーフ球大集合樋104が設けられている。また、アウト口37の裏側から漏斗状にアウト球集合樋106が配設されている。セーフ球大集合樋104の下流端には、ユニット化された入賞球排出装置110が配設されている。この入賞球排出装置110には、少なくとも入賞球排出ソレノイド112、入賞球検知レバー114、116及び入賞球検知スイッチ118が配設されている。
次に、本実施例のパチンコ機Aの裏面構造について図5を利用して説明する。前面枠6は、中枠4にあって前面枠6の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ168により、開閉可能に支持されている。機構盤120は、本体枠2にあって機構盤120の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ122により、開閉可能に支持されている。遊技盤20は、中枠4の表面側に着脱可能に固定されている。上端側にあるヒンジ168の配設位置から見て左側には、タンク球切れ検知スイッチ124をタンク底部に備えた賞球タンク126と、この賞球タンク126に接続されるタンクレール128とが取り付けられている。また、タンクレール128の右端には、球抜きレバー130が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ132が、さらに、その下流側には、賞球払出装置134が配設されている。
続いて、遊技球の振り分け部136が、賞球払出装置134の下流側に設けられている。タンクレール128の下側には、特別図柄表示装置40における液晶表示盤46を格納した蓋付きの裏ケース138が、裏ケース138の下側には、後述する主制御部210である主制御基板(図15参照)を格納した主制御基板ケース140がそれぞれ設けられている。主制御基板ケース140の左側には、発射装置制御基板404(図15参照)を格納した発射装置制御基板ケース142、タッチ感度調整つまみ144、球飛び強弱調整つまみ146及び発射制御集合中継基板148が設けられている。機構盤120の左下方部には、上述した発射装置ユニット18が、同じく右下方部には、補給球詰まり、下皿部満タン、主電源電圧異常、発射停止、主制御基板通信異常、賞球モータ異常などを7セグメントLEDで表示する枠状態表示器150を備えた枠制御部400である枠制御基板(図15参照)を格納した枠制御基板ケース152が設けられている。
一方、機構盤120の右上端部には、ヒューズボックス154、電源スイッチ156、電源ターミナル基板158及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板160が設けられている。また、外部から電力の供給を受けるための電源ケーブル172も端子基板160の下側に配設されている。枠制御基板を格納した枠制御基板ケース152からは接続ケーブル162が上方へ延出し、電源ケーブル164を備えたプリペイドカードユニット14に接続されている。また、機構盤120の略中央下端部には、下皿部用球通路部材166が設けられている。
次に、本実施例の変動入賞装置60につき、特に、大入賞装置70に関して、図6〜図10を利用して説明する。図6は、変動入賞装置60を示す斜視図であり、図7は、変動入賞装置60を示す正面図であり、図8は、変動入賞装置60を示す背面図であり、図9は、図7に示すX−X線断面図であり、図10は、図7に示すY−Y線断面図である。変動入賞装置60は、上述したように、その主要部は、基板66と、大入賞装置70と、左入賞口62と、右入賞口64とを有している。
基板66は、図6に示すように、板状体66pと、箱状体66cとから構成されている。板状体66pは、正面視すると略逆台形状に形成され、その前面左右端近傍の上部には、左入賞口62及び右入賞口64が突設され、同じく中央部には、大入賞口72(図7参照)が帯状に貫設され、その他の前面には、装飾用の凹部が多数形成されている。なお、この変動入賞装置60自体を遊技盤20の表面側に取り付けるための略円形状の穴部が、4箇所設けられている。箱状体66cは、板状体66pの後面側で左入賞口62と右入賞口64間に形成され、その内部空間は区画されており、後述する大入賞装置70の各部材が配設されている。左入賞口62は、遊技球1個が入球可能の受け口状に形成され、その後部には、上述したセーフ球大集合樋104に臨む樋62tが配設されている。右入賞口64は、遊技球1個が入球可能の受け口状に形成され、その後部には、上述したセーフ球大集合樋104に臨む樋64tが配設されている。
次に、大入賞装置70は、開閉板74と、大入賞口ソレノイド78と、連動杆76、96と、固定ガイド部材90と、可動ガイド部材92と、可動ガイド部材ソレノイド94と、特定領域80と、特定領域外領域82とから構成されている。開閉板74は、図6、図7及び図9に示すように、基板66の板状体66pに形成された大入賞口72を開放状態又は閉鎖状態にするためのものであり、略長方形状であって、大入賞口72を塞いだ閉鎖状態の場合に1個の遊技球も入球できない程度のサイズを有し、内面の左右の短辺縁側にはそれぞれ、突起縁部74a、74bが形成されている。また、突起縁部74aで開閉板74の下側長辺寄りに長さの異なる2本のピン71a、71bが、突起縁部74bで同じく下側長辺寄りに1本のピン73がそれぞれ、外側に向けて立設されている。なお、これらのピン71aとピン71bとは、所定の間隔を開けて形成されている。また、ピン71a及びピン73は、基板66の箱状体66c内部に形成され、平面視すると略L字形状に形成された凹室75(図9参照)の区画壁でそれぞれ軸受状に支持されている。さらに、ピン71bは、後述する連動杆76と係合している。
大入賞口ソレノイド78は、図7及び図9に示すように、開閉板74を前後方向に回動させるためのものであり、板状体66pの後面側であって凹室75の左方側の箱状体66c内部に配設され、プランジャが下向きで作動するようになっている。そして、このプランジャの先端には、クランク状に形成され他端側がピン71bと係合している連動杆76が固着されている。従って、この大入賞口ソレノイド78の作動により、連動杆76を介して開閉板74が上述したピン71aとピン73とを枢軸として前後方向に回動する。なお、この連動杆76は、凹室75の左側の区画壁に形成された略長方形状の穴部に挿通され、この穴部の範囲内で上下運動を行う。特定領域80及び特定領域外領域82は、図9に示すように、凹室75の右奥底部に並設されている。この特定領域80内部には、上述したカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ84が、特定領域外領域82内部には、上述したカウント通過検知スイッチ86が、それぞれ配設されている。
以下、大入賞装置70における遊技球の振り分け機構の構成について説明する。固定ガイド部材90は、大入賞口72から入球した遊技球を特定領域80又は特定領域外領域82に誘導するためのものであり、板状体であって、少なくとも遊技球1個が通過可能の幅を有している。そして、固定ガイド部材90は、図9に示すように、平面視すると台形状を呈して、凹室75の右奥底部に並設された特定領域80及び特定領域外領域82の前側において、左上から右下に傾斜し固定して設けられている。
可動ガイド部材92は、大入賞口72から入球した遊技球を特定領域80又は特定領域外領域82に誘導するためのものであり、稼働後は、特定領域外領域82のみに誘導するためのものである。固定ガイド部材90と同様、板状体であって、少なくとも遊技球1個が通過可能の幅を有している。そして、可動ガイド部材92は、図9に示すように、平面視すると逆台形状を呈して、凹室75内の左端側から特定領域外領域82の前側において、稼働前位置は、左上から右下へ傾斜し、固定ガイド部材90と連なるように設定されている。また、可動ガイド部材92の左端には、この可動ガイド部材92を上下方向に回動させるための支点92aが、下面略中央には、作用点92bが設けられている(図12参照)。なお、固定ガイド部材90とこの可動ガイド部材92との境目が、平面視すると斜線状、すなわち、手前から奥に向かって右上がりで形成されているのは(図9参照)、可動ガイド部材92が稼働した後に、固定ガイド部材90との間に形成される段差によって特定領域80に対する障害を設定し、遊技球を特定領域外領域82へ正確に誘導し易くするためである。
可動ガイド部材ソレノイド94は、可動ガイド部材92を上下方向に回動させるためのものであり、図9に示すように、凹室75の外側の左後部に配設され、プランジャが下向きで作動するようになっている。そして、このプランジャの先端には、可動ガイド部材92の作用点92bと接続される連動杆96が固着されている。従って、この可動ガイド部材ソレノイド94の作動により、連動杆96を介して可動ガイド部材92の作用点92bが上下方向に作動し、可動ガイド部材92が支点92aを中心として上下方向に回動する。また、連動杆96は、凹室75の奥壁に形成された縦長孔状の穴部75a(図12参照)に挿通され、この穴部の範囲内で上下運動を行う。
次に、本実施例の大入賞装置70における振り分け機構の作用について図9及び図11〜図14を利用して説明する。なお、図11〜図14は、図9のZ−Z線で切断された変動入賞装置60における大入賞装置70の要部を示す説明図である。まず、図9に示すように、大入賞口72が開放状態で、すなわち、大入賞口ソレノイド78がプランジャを上昇させると、連動杆76も上昇し、その係合しているピン71bを時計回りに回転させ、開閉板74がピン71a、73を枢軸として略垂直状から略水平状に前方へ回動し、手前側に開いた状態となっている場合で、この開閉板74の作動開始と同時に又は大入賞口72の開放直後に、可動ガイド部材ソレノイド94が、そのプランジャを上昇させることにより、連動杆96を最上点まで上昇させ、可動ガイド部材92の作用点92bも最上点まで上昇し、可動ガイド部材92が支点92aを中心として上方向に回動し、固定ガイド部材90と連なる一律の傾斜角度で設定される。
そして、遊技盤20面上を次々と流下してきた遊技球が、この大入賞口72から凹室75内に入球すると、そのほとんどが可動ガイド部材92又は固定ガイド部材90上に載りその傾斜に沿って転動し、右奥底部で左から順に並設されている特定領域外領域82又は特定領域80に導かれ、カウント通過検知スイッチ86又はカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ84を通過する。少なくとも1個の遊技球が、特定領域80のカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ84を通過すると、簡略には、その入賞検知信号が中継基板500を介して主制御部210に送信され、この入賞検知信号に基づいて主制御部210におけるCPU212が、可動ガイド部材ソレノイド94に作動を指示する(図15参照)。
次に、図13及び図14に示すように、この指示を受けた可動ガイド部材ソレノイド94は、プランジャを下降させることにより、連動杆96が最下点まで下降し、可動ガイド部材92が支点92aを中心として下方向に回動して停止する。すなわち、可動ガイド部材92の右端側がさらに下がって傾斜角度が急の状態を呈する。従って、固定ガイド部材90との間に大きな段差が生じ、この後に入球したすべての遊技球は、可動ガイド部材92の急な傾斜に沿って転動した後、この段差に当たって特定領域外領域82にスムーズに導かれる。よって、遊技球は、特定領域80へ入球しない。そして、通常、特定領域80に入球した遊技球数と、特定領域外領域82に入球した遊技球数との合計が10個に達すると、図11及び図12に示すように、大入賞口ソレノイド78はプランジャを下降させ、連動杆76も下降して、その係合しているピン71bを反時計回りに回転させ、開閉板74がピン71a、73を枢軸として略水平状から略垂直状に後方へ回動し、大入賞口72を閉鎖状態にする。以上のようにして、大入賞装置70における振り分け機構は作動する。
なお、本実施例では、固定ガイド部材90と可動ガイド部材92との境目の形状を斜線状としているが、この形状にかかわらず、スムーズに遊技球が特定領域外領域に入球可能であることを条件として、例えば、直線状、波線状、円弧状等であってもよい。
本実施例の変動入賞装置60、とりわけ、大入賞装置70における振り分け機構によれば、凹室75の右奥底部だけに特定領域80及び特定領域外領域82を並設しているので、遊技球の振り分け機構である可動ガイド部材92の傾動方向を逆方向へ変換する必要がなく、可動ガイド部材92を左上から右下にかけて固定ガイド部材90と連続させ一律の傾斜角度で設定することができ、遊技球の各領域への入球速度を比較的高めることができる。その結果、変動入賞装置60の1回当たりの作動時間を短縮することが可能となり、特別遊技の時間も比較的短縮することができる。また、特定領域外領域82前までに至る可動ガイド部材92の傾動方向の逆方向への変換がないため、可動ガイド部材92の振幅を比較的小幅に抑えることができるので、振り分け機構をコンパクト化することができる。また、可動ガイド部材92と固定ガイド部材90との間に、遊技球1個が通常では乗り越えられない段差を形成することができるので、遊技球の正確な振り分けができる。さらに、本実施例の変動入賞装置60、とりわけ、大入賞装置70における振り分け機構を備えたパチンコ機Aによれば、特に、トータル的にパチンコ機Aの稼働時間の高効率化を図ることができる。
次に、上記実施例の変動入賞装置60の変形例、とりわけ、大入賞装置70の変形例について図21及び図22を利用して説明する。図21は大入賞装置70’の可動ガイド部材の作動機構の要部を示す説明図であり、図22は、図9のZ−Z線で切断された変動入賞装置60における大入賞装置70’の要部を示す説明図である。上記実施例の大入賞装置70の振り分け機構の改良点というのは、遊技球の振り分けを一層正確にできる点である。すなわち、図21に示すように、可動ガイド部材を直接、可動ガイド部材ソレノイドのプランジャに直結させることにより、振り分け機構全体の作動を従来よりも素早く行おうとしたものである。以下、この改良点について説明する。
まず、本変形例の大入賞装置70’における遊技球の振り分け機構の構成について説明する。なお、上記実施例と同一の構成部材については同じ番号を付するものとする。固定ガイド部材90’は、上記固定ガイド部材90と同様に板状体であり、少なくとも遊技球1個が通過可能の幅を有している。但し、上記固定ガイド部材90とは異なり、平面視すると略長方形状を呈し、また、凹室75の左端側から右奥底部に配設された特定領域外領域82の前側までにおいて、左上から右下にかけて傾斜し固定して設けられている。
可動ガイド部材92’は、上記可動ガイド部材92と同様に、少なくとも遊技球1個が通過可能の幅を有し、可動ガイド部材ソレノイド94’により垂直(上下)方向に移動させられるものであるが、図21に示すように、その配置は、上記可動ガイド部材92とは異なり、固定ガイド部材90’の右端側へのほぼ延長線上で、特定領域80の前側から凹室75の右端外側にかけて設けられている。そして、この可動ガイド部材92’は、側面視すると略S字状を呈し、球受け部921と、支持部922とにより構成されている。球受け部921は、遊技球の特定領域80への誘導を円滑にするため、緩やかに特定領域80方向へ傾斜し、かつ、可動ガイド部材92’が上方向に移動した際に、球受け部921上に居残ってしまった遊技球があった場合にその遊技球を固定ガイド部材90’側へ誘導するため、緩やかに傾斜している。また、支持部922は、球受け部921を支持し、可動ガイド部材ソレノイド94’のプランジャの先端に直結している。
なお、図22に示すように、稼動前位置は、球受け部921の先端が、固定ガイド部材90’の右端の高さ位置よりも、その高さが少し下がった位置(最下点)にあって、段差を生ずるように配置される。このように段差を形成するのは、上述したように、球受け部921には固定ガイド部材90’側に向けて若干の傾斜があり、この傾斜によって、可動ガイド部材92’までに一旦誘導されて、特定領域80に入球しようとした遊技球が逆流しないようにするためである。また、稼動後位置も、図22に示すように、球受け部921の先端が、固定ガイド部材90’の左端の高さ位置と略同一の高さに上昇した位置(最上点)である。
可動ガイド部材ソレノイド94’は、可動ガイド部材92’をその球受け部921を水平状に保ったまま垂直(上下)方向に移動させるためのものである。図22に示すように、凹室75の右端外側に配設され、プランジャが上向きに作動するようになっている。そして、このプランジャの先端が、可動ガイド部材92’の支持部922と直接連結されている。従って、この可動ガイド部材ソレノイド94’の作動により、支持部922が迅速に上下動し、これに伴って球受け部921も迅速に上下動する。なお、球受け部921の移動範囲は、プランジャの移動距離に比例する。
次に、本変形例の大入賞装置70’における振り分け機構の作用について説明する。まず、図9に示すように、大入賞口72が開放状態である場合において、すなわち、開閉板74が手前側に開いた状態となっている場合に、可動ガイド部材ソレノイド94’は作動せず、可動ガイド部材92’の球受け部921は最下点で維持されている。従って、遊技盤20面上を次々と流下してきた遊技球が、大入賞口72から凹室75内に入球すると、固定ガイド部材90’上に載りその傾斜に沿って転動して可動ガイド部材92’の球受け部921へ到達する。そして、右奥底部に配設されている特定領域80に誘導され入球すると、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ84を通過する。1個目の遊技球がカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ84を通過すると、簡略には、上記大入賞装置70と同様に、その入賞検知信号が中継基板500を介して主制御部210に送信され、この入賞検知信号に基づいて主制御部210におけるCPU212が、可動ガイド部材ソレノイド94’に作動を指示する(図15参照)。
次に、この指示を受けた可動ガイド部材ソレノイド94’が励磁されプランジャを上昇させることにより、可動ガイド部材92’が最下点から最上点まで素早く上昇して停止する。従って、固定ガイド部材90’の右端側と可動ガイド部材92’の球受け部921の先端との間に遊技球1個を支える程度の段差が形成される。よって、2個目以降の遊技球も、上述したように、固定ガイド部材90’上に載りその傾斜に沿って転動してくるが、この段差により特定領域80へ入球することは阻止され、その後のすべての遊技球は特定領域外領域82へ入球することになり、カウント通過検知スイッチ86を通過する。そして、その後特定領域80に入球した遊技球数と特定領域外領域82に入球した遊技球数の総数が10個に達すると、開閉板74が大入賞口72を閉鎖状態とする。この閉鎖状態になると同時に、可動ガイド部材ソレノイド94’は消磁され上昇状態のプランジャが下降して、可動ガイド部材92’が最下点に戻る。以上のようにして、大入賞装置70’における振り分け機構は作動する。
なお、上記実施例又は変形例では、凹室75の右奥底部に特定領域80及び特定領域外領域82を並設しているが、左奥底部にこれらを並設してもよい。従って、この場合には、固定ガイド部材90、90’、可動ガイド部材92、92’等の振り分け機構自体も上記実施例又は変形例とは対称状に配設されることになる。
本変形例の大入賞装置70’における振り分け機構によれば、可動ガイド部材92’が可動ガイド部材ソレノイド94’に直結され、円弧運動でなく直線運動を行うので、可動ガイド部材92’の垂直(上下)方向の移動が一層迅速となり、1ラウンドにおける特定領域80への入球を可能な限り1個に留めることができる。従って、凹室75内に角度のある傾斜状の固定ガイド部材90’を採用して遊技球の入球速度を上昇させるとともに、特定領域80と特定領域外領域82への遊技球の振り分けを可動ガイド部材92’により、先の実施例よりも一層正確に行うことができる。また、リンク等の連結部材が介在しないことから、遊技球の振り分け機構のより一層のコンパクト化を図ることが可能となる。
次に、本実施例のパチンコ機Aの電子制御装置200について図15〜図20を利用して説明する。まず、電子制御装置200は、主制御部210と、枠制御部400と、主制御部210と通信を行う特別図柄制御部300とを含んで構成されている。主制御部210は、CPU212と、RAM214と、ROM216と、入出力インターフェイス218とをバス220により相互に接続したものである。そして、CPU212は、ROM216に格納された制御プログラム216aにより、RAM214をワークエリアとしてパチンコ機A全体を制御する。また、主制御部210は、特別図柄制御部300とともに、表示態様制御を行う。しかも、ROM216に記憶された当否判定プログラム216bにより、CPU212が主体となって当否判定制御を行う。
中継基板500には、タッチスイッチ16a、発射停止スイッチ16b、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ38s、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、カウント検知スイッチ86、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ84、ヴォリュームスイッチ502、左入賞口通過検知スイッチ62s、右入賞口通過検知スイッチ64s、タンク球切れ検知スイッチ124及び補給球切れ検知スイッチ132等が接続され、中継基板500の出力端子は、入出力インターフェイス218と接続されている。また、第1種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ50s及び入賞球検知スイッチ118も、入出力インターフェイス218に接続されている。
枠制御部400は、主制御部210と同様の演算回路を含み構成され(詳細は省略)、その入力端子が入出力インターフェイス218と接続するとともに、出力端子には、枠飾りランプ基板6g、各種ランプ基板24f、26f、29f、30f、31f、32f、34f、50f、各種LED基板6d、6f、48f、音量スイッチ基板9、普通図柄表示装置基板44f、各種ソレノイド52等、入賞球排出ソレノイド112、サウンドジェネレーター402、賞球払出装置134、発射装置制御基板404等が接続されている。さらに、入出力インターフェイス218には、電源ターミナル基板158及び特別図柄制御部300が接続されている。
主制御部210から枠制御部400へのデータ伝送方式の概略は、以下の通りである。主制御部210から枠制御部400へは、一方向形式でデータが伝送される。但し、入賞球検知スイッチ118からの入賞球検知信号は、枠制御部400と主制御部210とにハード的に分配されるように形成されている。
次に、賞球動作は、以下の順序で実行される。まず、主制御部210は、遊技球がカウント検知スイッチ86又はカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ84を通過したら、15個賞球回数を1インクリメントし、第1種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ50sを通過したら、6個賞球回数を1インクリメントする。次いで、入賞球検知スイッチ118は、入賞球検知信号を主制御部210と枠制御部400とに送信する。そして、主制御部210は、入賞球検知スイッチ118からの入賞球検知信号を受け取ると、枠制御部400に対して賞球個数データを送信する。
そして、15個賞球回数が0でなければ15個の賞球個数データが、6個賞球回数が0でなければ6個の賞球個数データがそれぞれ伝送される。それ以外の場合、例えば、左右入賞口62、64の通過検知スイッチ62s、64sの通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データが送られる。賞球個数データの送信は、入賞球検知信号がOFFされるまで繰り返される。続いて、枠制御部400は、入賞球検知スイッチ118からの入賞球検知信号と、主制御部210からの賞球個数データとを受け取り、賞球払出装置134を作動させる。また、枠制御部400は、入賞球排出ソレノイド112を消・励磁させて(入賞球1個を排出する)、入賞球検知信号をOFFさせる。
次に、本実施例の特別図柄制御部300の電気的構成について図16を利用して説明する。特別図柄制御部300は、CPU302と、RAM304と、ROM306と、入力ポート308と、VDP(Video Display Processor)312と、これらを相互に接続するバス310と、VDP312からの出力信号を受け取るD/A変換器314と、D/A変換器314からの信号を特別図柄表示装置40に出力する液晶表示盤用出力ポート316等から構成されている。特別図柄制御部300のCPU302は、主制御部210からの指示に基づき、ROM306に格納された画像表示制御プログラム306aにより、VDP312とともにRAM304をワークエリアとして、後述する特別図柄表示装置40の表示態様制御を行う。なお、画像表示に使用する画像データは、ROM306に格納されている。具体的には、図16に示すように、特別図柄表示装置40における液晶表示盤46(図2参照)に表示する特別図柄の画像データ306bと、通常時にその特別図柄の背景として表示する通常背景画像の画像データ306cと、リーチ時にその特別図柄の背景として表示するリーチ背景画像の画像データ306d等を含む。特別図柄の各画像データは、図柄番号と対応づけた形で記憶されている。
主制御部210と特別図柄制御部300とは、バス230で接続され、主制御部210から特別図柄制御部300への一方向形式でのデータ通信が行われている。このバス230は、例えば、8本のデータバスと16本のアドレスバスとを有している。主制御部210は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを作成し、特別図柄制御部300へ送信する。
また、主制御部210は、第1種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ50s、カウント検知スイッチ86、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ84等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び、特別遊技状態などが判別される。また、始動入賞が検知されると、乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動又は確定などの表示態様制御のためのデータが作成される。なお、枠飾りランプ基板6g等の各種ランプやサウンドジェネレーター402は、主制御部210からの指示を受けた枠制御部400により、特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様(全回転、コマ送り、逆進、図柄の拡大・縮小など)、特別遊技態様、及び、遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその態様は制御される。
次に、主制御部210と特別図柄制御部300とにより実行される各種ジョブのうち、主要なジョブについて以下に説明する。まず、主制御部210により実行されるメインジョブについて図17を利用して説明する。これは、主制御部210のROM216に格納されたプログラムに基づき、CPU212により実行されるものである。すなわち、スタックポインタをRAM214の所定のアドレスに設定した後(S10)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブが実行され(S190)、終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄保留数の表示態様データや、特別図柄保留数の表示態様データなどが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、RAM214の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリ(図示略)などが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。なお、汎用カウントメモリ(図示略)は、ユーザリセットごとの「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。また、音楽作成ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの作成が行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、発射停止検知信号、タッチ検知信号、ヴォリューム検知信号、カウント検知信号、特定領域通過検知信号、普通図柄作動ゲート検知信号、左右入賞口通過検知信号などの各種信号が中継基板500を介して主制御部210に取り込まれ、また、第1種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ50sから第1種始動口入賞検知信号が、入賞球検知スイッチ118から入賞球検知信号がそれぞれ取り込まれる。
さらに、カウント検知スイッチ86又はカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ84に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)、特別図柄メインジョブ(S90)から音声ジョブ(S110)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
特別図柄メインジョブ(S90)においては、主制御部210と特別図柄制御部300とが協調して動作するために必要なデータに関するジョブが実行される。このジョブについては後述する。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄保留数の表示態様データの作成が行われる。音声ジョブ(S110)では、遊技状態に応じた音声のデータが出力される。この後、再び、カウント検知スイッチ86又はカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ84に異常があるか否かが判定され(S120)、異常がなければ(S120:YES)、各フラグの状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び、残余時間ジョブ(S180)が実行される。各種スイッチに異常がある場合には(S120:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
賞球信号ジョブ(S150)においては、賞球払出しに関するデータの作成や出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの作成が行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理のためのコマンドの入出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しや、汎用乱数メモリ(図示略)の更新が行われる。
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、始動入賞時の当否判定についての当否判定ジョブと、それに伴う特別図柄の表示態様を決定する特別図柄メインジョブに関して以下に説明する。なお、これらのジョブで使用する各種メモリは、図15に示すRAM214に格納され、代表的なもの(214a〜214i)を図19に示す。まず、当否判定ジョブの概略の流れを図18を利用して説明する。S200において始動入賞があったかどうかを確認し、YESであれば、S210において特別図柄保留数メモリ214bに記憶されている保留数Nを1インクリメントする。この保留数Nが一定値(本実施例では「4」)を超えていれば、その始動入賞は無効となり、S250へスキップする。また、一定値内の保留数であれば、S230において、特別図柄当否判定乱数(以下、判定乱数ともいう)を発生させ(プログラム発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ判定乱数値を、S240において、特別図柄当否判定乱数メモリ214a(以下、判定乱数メモリともいう)に記憶する。このメモリは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
次に、S250において、判定乱数メモリ214aから記憶している最も古い先頭の判定乱数値を読み出す。そして、S260において、大当り番号メモリ214gから大当り番号を読み出し、S270において、上記判定乱数値との比較を行い、両者が一致していれば大当り判定となり、一致していなければ外れ判定となる。大当り判定の場合には、S280に進み、大当り図柄決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を大当り図柄決定乱数メモリ214cに記憶する。また、「大当り」という判定結果(本実施例では「1」)を判定結果メモリ214iに記憶する。この大当り図柄決定乱数値で指定される特別図柄は、特別図柄画像データ306b(図16参照)に基づいて、液晶表示盤46(図2参照)に、変動表示状態を経た後、定められた配列態様で表示される(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)。
一方、外れ判定となった場合は、S270からS310に進み、外れリーチジョブを行うかどうかを乱数により決定する。すなわち、S310において、リーチジョブ決定乱数を発生させ、これを読み込み、他方、S320において、リーチ番号メモリ214hに記憶されているリーチ番号を読み出す。S330において、両者が一致していれば外れリーチジョブに、一致していなければ通常外れジョブとなる。外れリーチジョブの場合は、S340へ進み、少なくとも揃えるべき2つの特別図柄(例えば、3種類の特別図柄のうち、左図柄と右図柄)を、大当り図柄決定乱数(別途乱数を発生させるようにしてもよい)を使用して決定する(S340、S350)。また、S360において、外れ中図柄を乱数により同様に決定し、S370において、決定した乱数値を外れ中図柄番号メモリ214fに記憶する。また、S380において、「外れリーチ」という判定結果(本実施例では「2」)を判定結果メモリ214iに記憶する。一方、通常外れジョブの場合は、S390に進み、各特別図柄(例えば、左図柄、右図柄及び中図柄)をそれぞれ乱数により決定し、決定した各乱数値をそれぞれ対応する外れ番号メモリに記憶する(S390〜S440)。また、S450において、「通常外れ」という判定結果(本実施例では「3」)を判定結果メモリ214iに記憶する。
次に、特別図柄メインジョブの概略の流れを図20を利用して説明する。まず、S500において、特別図柄表示装置40における液晶表示盤46(図2参照)上で各特別図柄の変動表示を開始させる。例えば、左図柄及び右図柄を下から上へ、中図柄を上から下へスクロール変動させる。次いで、S510において、判定結果メモリ214iから図18で得られた各入賞に対する判定結果を読み出す。具体的には、大当り判定(「1」)の場合は(S520:YES)、S600に進み、大当り番号を大当り番号メモリ214gから読み出し、液晶表示盤46上で大当りのリーチアクションを表示するリーチジョブS601を経て、図柄確定ジョブS602で各特別図柄を、例えば、左図柄、右図柄、中図柄を同一図柄に揃えて停止表示させ確定させる。一方、外れリーチ判定(「2」)の場合は(S530:YES)、S590に進み、大当り図柄番号(少なくとも揃えるべき2つの特別図柄、例えば、左図柄番号と右図柄番号)と、外れ中図柄番号とを各メモリ214c、214fから読み出し、液晶表示盤46上で外れリーチのリーチアクションを表示するリーチジョブS591であって、各特別図柄を、例えば、左図柄及び右図柄は同一図柄に揃えつつ、図柄確定ジョブS592で最終的に同一図柄の左図柄及び右図柄とともに、中図柄を他の図柄とは異なる図柄で停止表示させ確定させる。また、通常外れ判定(「3」)の場合は(S540:YES)、S550に進み、外れ各図柄番号を外れ番号メモリ214d、214e、214fからそれぞれ読み出し、S560〜S580に進んで、各特別図柄を(例えば、左図柄、右図柄及び中図柄)それぞれ異なる図柄で、相互にずれたタイミングで停止表示させ確定させる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、また、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者の通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。また、本発明は、第1種のパチンコ機以外にも、いわゆる権利物、羽根物、アレンジボールと呼ばれている機種、一般電役などの種々の弾球遊技機への適用も可能である。