JP4049283B2 - マルチビーム描画方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチビームで描画を行う方法および装置に関し、より特定的には、円筒形状を有し、その中心軸の周りに回転される感材または版材に対して、中心軸に平行な副走査方向に沿って配置された複数の発光素子からなり副走査方向に沿って移動される光素子列が発するマルチビームを照射することにより描画を行う方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、輪転機で用いられる刷版(円筒形状の版材に画像に応じた多数のセルが刻まれたもの)を制作する際には、予め原板(オリジナルフィルム)を制作し、それを版材に焼き付けることが行われていた。この場合、原板を制作するための画像記録装置としては、ドラムに固着されて回転するフィルムをマルチビームで走査するドラム型スキャナが多く用いられていた。
図14は、従来のマルチビーム式(ドラム型)スキャナの要部の構成を示す図である。図14において、従来のマルチビーム式スキャナは、その中心軸141aが矢印Xで示される副走査方向に平行となるように置かれたドラム141と、マルチチャンネル光学ヘッド142とを備えている。ドラム141には、その側面に沿って感材143(フィルム)が固着される。マルチチャンネル光学ヘッド142は、副走査方向Xに沿って配置された複数のLD142aと、複数のLD142aが発したビームをドラム表面で結像させるためのレンズ142bとを含む(参照番号144で示されているのがビームの像)。
ドラム141は、図示しないモータで駆動されて矢印Yで示される主走査方向とは逆向きに回転し、一方、マルチチャンネル光学ヘッド142は、図示しない別のモータで駆動されて副走査方向Xに沿って移動する。その際、マルチチャンネル光学ヘッド142は、ドラム141が1回転する間に、像144の長さに相当する距離だけ移動する。これにより、感材143には、スパイラル(螺旋)状に2次元画像が描かれていく(この描画方式をスパイラル描画と呼ぶことにする)。
このように、図14のスキャナでは、複数のLD142aを含むマルチチャンネル光学ヘッド142で感材143を走査しているので、LD142aの数に応じた高速な描画が行える。
【0003】
さて最近、刷版制作の際、上記のように原板を版材に焼き付ける代わりに、版材に直接レーザビームを照射して画像を描く直接製版(CTP)が行われるようになってきた。CTPで刷版を制作すれば、原板制作、焼き付けの手間が省けるので、刷版制作に要する時間が大幅に短縮される。この場合、版材に画像を描くための画像記録装置としては、例えば図14のスキャナにおいて、ドラム141に代えて版材を設け、複数のLD142aを、版材にピットを刻むことができるような高出力LDとすればよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図14のスキャナや、上記のような従来のCTP用マルチビーム式スキャナでは、複数のLDを含むマルチチャンネル光学ヘッドでスパイラル描画を行うので、得られる画像には、LDの数に応じた歪みが生じる。
そこで、図14のスキャナでは、スパイラル描画の結果として生じる歪み(スパイラル歪み)を、例えば露光開始のタイミングを主走査毎に順次ずらすことによって、補正していた(以下、これを従来のスパイラル補正と呼ぶ)。
【0005】
こうして補正して得られた画像(のイメージ)を、補正しなかった場合に得られるであろう画像と共に、図15に示す。図15に示すように、補正が行われなかった場合、本来長方形であるべき画像(上段)は、副走査方向Xに沿って歪み(スパイラル歪み)が生じ、左右の辺(副走査方向Xに平行でない2つの辺)が主走査方向Yに対して傾斜した(以下、これら左右の辺を斜辺と呼ぶ)平行四辺形となる(中段)。一方、従来のスパイラル補正が行われた場合、上記の平行四辺形は、斜辺に沿って分割(ここでは4等分)されたうえ、得られた4つの平行四辺形(の互いに対応する各頂点)が斜辺に対して垂直な直線(図中一点鎖線で示される)に沿って配置されたような図形となる(下段)。下段の図形は、分割数が多いほど、その形状が上段の図形、すなわち本来の長方形に近づく。
【0006】
このように、従来のスパイラル補正によって得られる画像は、スパイラル歪みは解消されているものの、主走査方向Y(および副走査方向X)に対して傾斜している。そのため、図14のスキャナで描画して得られた原板を版材へと焼き付ける際に、版材に焼き付けられた画像が版材の輪郭線に対して傾斜しないように、原板を画像とは逆向きに傾斜させて焼き付けを行っていた。こうして制作された版材を用いて紙面上に印刷された印刷画像には、スパイラル歪みも、紙面の輪郭線に対する傾斜も存在しない。
【0007】
一方、上記のような従来のCTP用マルチビーム式スキャナでも、図14のスキャナの場合と同様にしてスパイラル歪みを解消することはできる。しかしながら、従来のCTP用マルチビーム式スキャナの場合、版材に対して直接ビームを照射して描画を行うので、版材には、その輪郭線に対して傾斜した画像が刻まれ、従って、それを用いて印刷された印刷画像は、紙面の輪郭線に対して傾斜してしまう問題があった。
なお、図14のスキャナにおいても、原板に描かれた画像が傾斜していなければ、焼き付け時、原板を画像とは逆向きに傾斜させて焼き付ける必要がなくなる(付言すれば、図14のスキャナでは、例えば原板にパンチ穴をあける機構を設け、原板に画像の傾斜の度合いを示すパンチ穴をあけるようにしていたが、画像が傾斜することがなくなれば、この機構は不要となる)。
【0008】
それゆえに、本発明の目的は、スパイラル歪みのない画像を、例えば主走査方向に対して傾斜しないように描画できるようなマルチビーム描画方法および装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、円筒形状を有し、その中心軸の周りに回転される感材または版材に対して、当該中心軸に平行な副走査方向に沿って配置された複数の発光素子からなり、当該副走査方向に沿って移動される発光素子列が発するマルチビームを照射することにより描画を行うマルチビーム描画方法であって、
マルチビームを生成するための、複数の画素データが副走査方向とは垂直な主走査方向に沿って、かつ各発光素子と対応づけられて並列的に配置されたチャンネルパラレルデータに対して、各画素データを、当該画素データの主走査方向に関する位置に応じたチャンネル数だけ、副走査方向とは逆向きにシフトさせることにより、副走査方向に沿って生じるスパイラル歪みを補正する補正ステップと、
発光素子列に含まれ、発光可能な発光素子のみを最も多く含む有効発光素子列において最も副走査方向下流側に位置する発光素子からのビームが、発光素子列に含まれる発光素子の中で最も副走査方向上流側に位置する発光素子が補正前のチャンネルパラレルデータに応じて駆動されたときの描画開始位置において結像可能となるように、発光素子列を副走査方向について移動させる初期位置調整ステップと、
感材または版材を回転させながら、発光素子列を副走査方向に所定の速度で移動させるとともに、感材または版材に対して、補正済みチャンネルパラレルデータに応じて描画を行う描画ステップとを備えている。
【0010】
上記第1の発明によれば、スパイラル歪みを生じさせることなく、マルチビーム描画を行うことができる。しかも、マルチビームを生成するためのチャンネルパラレルデータに対して、そこに含まれる各画素データを副走査方向に沿ってシフトさせているので、画像が主走査方向に対して傾斜することがない。また、上記第1の発明によれば、発光素子列に含まれ、発光可能な発光素子のみを最も多く含む有効発光素子列において最も副走査方向下流側に位置する発光素子からのビームが、発光素子列に含まれる発光素子の中で最も副走査方向上流側に位置する発光素子が補正前のチャンネルパラレルデータに応じて駆動されたときの描画開始位置において結像可能となるように、発光素子列を副走査方向について移動させるため、スパイラル補正をしない他の描画装置によって描画される画像の感材または版材上の位置と、上記第1の発明に係る描画方法を採用した描画装置によって描画される画像の感材または版材上の位置とを一致させることができる。これにより、上記第1の発明に係る描画装置による描画後の工程における作業者の負担を軽減することができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、発光素子列に含まれる発光素子の内、破損している発光素子を検出する検出ステップと、
検出ステップにおいて検出された発光素子で分断されてできる2以上の部分的発光素子列の内、それぞれに含まれる発光素子の数が最も多い部分的発光素子列の1つを有効発光素子列として選択する選択ステップとをさらに備え、
初期位置調整ステップは、選択ステップにおいて選択された有効発光素子列に含まれる発光素子の内、当該有効発光素子列において最も副走査方向下流側に位置する発光素子からのビームが、発光素子列に含まれる発光素子の中で最も副走査方向上流側に位置する発光素子が補正前のチャンネルパラレルデータに応じて駆動されたときの描画開始位置において結像可能となるように、発光素子列を副走査方向に移動させるステップであることを特徴とする。
【0012】
上記第2の発明によれば、発光素子列に含まれる発光素子の内、一部の発光素子が破損したとしても、残りの破損していない発光素子を用いて、スパイラル補正をしながら描画処理をすることができる。さらに、上記第2の発明に係る描画装置による描画後の工程における作業者の負担を軽減することができる。
【0013】
第3の発明は、第2の発明において、所定の速度は、有効発光素子列に含まれる発光素子の数に基づいて設定される。
【0014】
上記第3の発明によれば、発光素子列に含まれる発光素子の内、一部の発光素子が破損したとしても、残りの破損していない発光素子の数に応じた移動速度で発光素子列を副走査方向に移動させることができる。
第4の発明は、円筒形状を有し、その中心軸の周りに回転される感材または版材に対して、当該中心軸に平行な副走査方向に沿って配置された複数の発光素子からなり、当該副走査方向に沿って移動される発光素子列が発するマルチビームを照射することにより描画を行うマルチビーム描画装置であって、
マルチビームを生成するための、複数の画素データが副走査方向とは垂直な主走査方向に沿って、かつ各発光素子と対応づけられて並列的に配置されたチャンネルパラレルデータに対して、各画素データを、当該画素データの主走査方向に関する位置に応じたチャンネル数だけ、副走査方向とは逆向きにシフトさせることにより、副走査方向に沿って生じるスパイラル歪みを補正する補正手段と、
発光素子列に含まれ、発光可能な発光素子のみを最も多く含む有効発光素子列において最も副走査方向下流側に位置する発光素子からのビームが、発光素子列に含まれる発光素子の中で最も副走査方向上流側に位置する発光素子が補正前のチャンネルパラレルデータに応じて駆動されたときの描画開始位置において結像可能となるように、発光素子列を副走査方向について移動させる初期位置調整手段と、
感材または版材を回転させながら、発光素子列を副走査方向に所定の速度で移動させるとともに、感材または版材に対して、補正済みチャンネルパラレルデータに応じて描画を行う描画手段とを備える。
第5の発明は、第4の発明において、発光素子列に含まれる発光素子の内、破損している発光素子を検出する検出手段と、
検出手段によって検出された発光素子で分断されてできる2以上の部分的発光素子列の内、それぞれに含まれる発光素子の数が最も多い部分的発光素子列の1つを有効発光素子列として選択する選択手段とをさらに備え、
初期位置調整手段は、選択手段によって選択された有効発光素子列に含まれる発光素子の内、当該有効発光素子列において最も副走査方向下流側に位置する発光素子からのビームが、発光素子列に含まれる発光素子の中で最も副走査方向上流側に位置する発光素子が補正前のチャンネルパラレルデータに応じて駆動されたときの描画開始位置において結像可能となるように、発光素子列を副走査方向に移動させることを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明において、所定の速度は、有効発光素子列に含まれる発光素子の数に基づいて設定される。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るCTP用マルチビーム式ドラム型スキャナの構成を示す模式図、図2は、図1のスキャナの電気的な構成を示すブロック図である。図1において、CTP用マルチビーム式ドラム型スキャナ(以下、これを単にマルチビーム式スキャナと呼ぶ)は、その中心軸10aが矢印Xで示される副走査方向に平行となるように置かれた円筒形状の版材10と、版材10を矢印Yで示される主走査方向とは逆向きに回転させるための版材駆動用モータ11と、マルチチャンネル光学ヘッド12と、マルチチャンネル光学ヘッド12を副走査方向Xに沿って移動させるための光学ヘッド駆動用モータ13とを備えている。マルチチャンネル光学ヘッド12は、副走査方向Xに沿って配置された複数の(高出力)LD12aと、複数のLD12aが発したビームを版材表面で結像させるためのレンズ12bとを含む(参照番号14で示されているのがビームの像)。
【0016】
版材10は、版材駆動用モータ11によって駆動されて主走査方向Yとは逆向きに回転し、一方、マルチチャンネル光学ヘッド12は、光学ヘッド駆動用モータ13によって駆動されて副走査方向Xに沿って移動する。マルチチャンネル光学ヘッド12は、版材10が1回転する間に、複数のLD12aが発するマルチビームの像14の長さ14a(LD12aの直径dとLD12aの個数とレンズ12bの光学倍率との積)に相当する距離だけ移動する(以下、この距離を光学ヘッドの移動速度と呼ぶ)。これにより、版材10には、スパイラル(螺旋)曲線に沿うように2次元画像が描かれていく(図3参照)。なお版材10の回転速度は、描画開始前、予め決められた選択肢の中から、描こうとする画像の解像度に応じてオペレータが選択する。一方、マルチチャンネル光学ヘッド12の移動速度は、描画開始前、複数のLD12aの破損状態に応じて、CPU28(図2参照)が決定する。
【0017】
図2において、マルチビーム式スキャナは、インターフェース20、パラレル/シリアルコンバータ21、ラインバッファ22aおよび22b、シリアル/チャンネルパラレルコンバータ23、スパイラル補正部24、LDチャンネルドライバ25、第1〜第nLD12a、第1〜第nセンサ26、ヘッド速度調整部27およびCPU28を備えている。
【0018】
ここで予め、図1のマルチビーム式スキャナの動作の概要を説明しておく。
図1のスキャナは、次の2つの特徴を有する。その第1は、スパイラル曲線に沿うように描画が行われた結果生じる画像の歪みを補正(以下、これをスパイラル補正と呼ぶ)できること、その第2は、マルチチャンネル光学ヘッド12に含まれる一部のLD12aが破損していても、描画処理を行えることである。つまり、図1のスキャナは、一部のLD12aが破損している場合には、LD12aの破損状態に応じ、マルチチャンネル光学ヘッド12の駆動速度と、スパイラル補正の際の補正量(後述)とを調整したうえ、描画処理を行う。
【0019】
上記第1の特徴に関し、図1のマルチビーム式スキャナにおいて、仮にスパイラル補正が行われなかったとした場合に得られるであろう画像、およびスパイラル補正して得られる画像のイメージを図4に示す。図4に示すように、スパイラル補正が行われなかった場合、本来長方形であるべき画像(上段)は、副走査方向Xに沿って歪み(スパイラル歪み)が生じ、左右の辺(副走査方向Xに平行でない2つの辺)が主走査方向Yに対して傾斜した(以下、これら左右の辺を斜辺と呼ぶ)平行四辺形となる(中段上)。
【0020】
そこで、マルチビームを生成するための画像データに対して、各データを、その画素データの主走査方向Yにおける位置に応じて、副走査方向Xとは逆向きにシフトさせる(中段下;なお、斜線部にはダミーのデータを入れておく)。こうして、スパイラル補正が行われた場合、上記の平行四辺形は、主走査方向Yに沿って分割(ここでは4等分)されたうえ、得られた4つの平行四辺形(の互いに対応する各頂点)が主走査方向Yに平行な直線(図中点線で示される)に沿って配置されたような図形となる(下段)。下段の図形は、分割数が多いほど、その形状が上段の図形、すなわち本来の長方形に近づく。
【0021】
上記第2の特徴に関し、例えばマルチチャンネル光学ヘッド12のチャンネル数を10としたとき、そこに含まれる10個のLD12a(第1〜第10LD)のうち、第6DLが破損した場合、破損以降、そのLDと第7〜第10LDとが放棄(消灯)され、第1〜第5の5個のLD12aによって描画が行われる。つまり、第6LDの破損以降、上記の10チャンネル光学ヘッドは、5チャンネル光学ヘッドとして機能する(図5参照)。従って、破損以降のスパイラル補正も、5チャンネル光学ヘッドの場合と同様に行われることになる。
また、例えば上記の10チャンネル光学ヘッドの第8LDが破損した場合、破損以降、そのLDと第9および第10LDとが放棄され、第1〜第7の7個のLD12aによって描画が行われる。つまり、第8LDの破損後、上記の10チャンネル光学ヘッドは、7チャンネル光学ヘッドとして機能する(図6参照)。従って、破損以降のスパイラル補正も、7チャンネル光学ヘッドの場合と同様に行われることになる。
【0022】
また、例えば上記10チャンネル光学ヘッドの第5および第8の2個のLD12aが破損した場合、破損以降、それらのLDと第6および第7LD、および第9および第10LDとが放棄され、第1〜第4の4個のLD12aによって描画が行われる。つまり、第5および第8LDの破損後、上記10チャンネル光学ヘッドは、4チャンネル光学ヘッドとして機能する(図7参照)。従って、破損以降のスパイラル補正も、4チャンネル光学ヘッドの場合と同様に行われることになる。
また、例えば上記10チャンネル光学ヘッドの第2および第9の2個のLD12aが破損した場合、破損以降、それらのLDと第1LDおよび第10LDとが放棄され、第3〜第8の6個のLD12aによって描画が行われる。つまり、第2および第9LDの破損後、上記10チャンネル光学ヘッドは、6チャンネル光学ヘッドとして機能する(図8参照)。従って、破損以降のスパイラル補正も、6チャンネル光学ヘッドの場合と同様に行われることになる。
【0023】
すなわち、nチャンネル光学ヘッドのn個のLD12a(第1〜第nLD)のうち、k個(ただし、k=1,2,…,n−1)のLD12aが破損した場合、破損以降、それら破損LDに挟まれるように位置する、1以上の連続する非破損LDからなる各LD列のうち、そこに含まれるLD12aの数が最も多いLD列(以下、これを有効LD列と呼ぶ)を用いて、描画が行われる(以下、有効LD列に含まれるLD12aの数を有効チャンネル数と呼ぶ)。LD12aの破損によって有効チャンネル数がt(ただし、t=1,2,…,n−1)となった場合、上記のnチャンネル光学ヘッドは、tチャンネル光学ヘッドとして機能する。従って、破損以降のスパイラル補正も、(LD破損のない状態の)tチャンネル光学ヘッドの場合と同様に行われることになる。
【0024】
さて、再び図2に戻り、各ブロックの動作を説明する。図2において、マルチビーム式スキャナへは、画像データ(所定のフォーマットを持つパラレルデータ)が、インターフェース20を介して入力される。インターフェース20は、CPU28の制御を受け、入力されたパラレルデータをパラレル/シリアルコンバータ21へと出力する。
【0025】
パラレル/シリアルコンバータ21では、図9に示すようなパラレル/シリアル変換が行われる。すなわち、パラレル/シリアルコンバータ21へ入力される画像データは、各n個の画素データを含む複数のデータ列{T(1)、T(2)、…、T(m)}が互いに並列的に配置されたパラレル形式のフォーマットを持つ。ここで、nはマルチチャンネル光学ヘッド12のチャンネル数、mは画像の主走査方向Yのピクセル数である。パラレル/シリアルコンバータ21は、所定のシーケンスに従い、上記のデータ列{T(1)、T(2)、…、T(m)}に含まれる全ビットを1列に並べ替える変換処理を行う。そして、変換して得られたシリアルデータを、ラインバッファ22aまたは22bへと出力する。
【0026】
ラインバッファ22aおよび22bによって、1つのトグルバッファが構成されている。すなわち、例えばラインバッファ22aへとシリアルデータが書き込まれているとき、ラインバッファ22bからは、先に書き込み済みのシリアルデータを読み出す処理が平行して行われている。
【0027】
シリアル/チャンネルパラレルコンバータ23は、CPU28の制御を受け、ラインバッファ22aまたは22bから読み出されたシリアルデータを、nチャンネル光学ヘッド(12)によるスパイラル描画に適したパラレル形式のフォーマットを持つチャンネルパラレルデータに変換する。シリアル/チャンネルパラレル変換して得られるチャンネルパラレルデータのフォーマットを図10に示す。図10では、副走査方向Xにnチャンネル、主走査方向Yにmピクセルの、合計m*n個の画素データで1つのグループが構成される。そして、各グループがそれぞれ1回の主走査と対応する。
【0028】
ここでint(α)は、αを超えない最大の整数を意味し、α=m/nである。各枠内の3個の数はそれぞれ、グループ番号、(副走査方向Xに沿った)チャンネル番号、(主走査方向Yに沿った)ピクセル番号である(図11も共通)。なお、LD12aが破損して有効チャンネル数がtとなった場合には、チャンネルパラレルデータは、図10においてnをtに、すなわちα(=m/n)をα’(=m/t)に置き換えたものとなる。
【0029】
スパイラル補正部24は、CPU28の制御を受け、シリアル/チャンネルパラレルコンバータ23が変換して得られたチャンネルパラレルデータに対して、スパイラル補正を行う。チャンネルパラレルデータは、スパイラル補正によって、int(α)ピクセル毎に、副走査方向Xとは逆向きに、順次1ピクセルずつシフトされていく。スパイラル補正して得られた補正済みチャンネルパラレルデータのフォーマットを図11に示す。
【0030】
図11において、例えば第{int(α)+1}ピクセル〜第{int(2α)}ピクセルの範囲の画素データは、第1ピクセル〜第{int(α)}ピクセルの範囲の画素データに対して、副走査方向Xとは逆向きに1チャンネル分だけシフトされている。同様に第{int(2α)+1}ピクセル〜第{int(3α)}ピクセルの範囲の画素データは、第{int(α)+1}ピクセル〜第{int(2α)}ピクセルの範囲の画素データに対して、副走査方向Xとは逆向きに1チャンネル分だけシフトされている。
【0031】
LDチャンネルドライバ25は、スパイラル補正部24からの補正済みチャンネルパラレルデータに応じて、第1〜第nLD12aを駆動する。第1〜第nセンサ26は、それぞれ第1〜第nLD12aからのビームを検知する。ヘッド速度調整部27は、CPU28の指示を受け、光学ヘッド駆動用モータ13を制御して、マルチチャンネル光学ヘッド12の移動速度を調整する。
【0032】
CPU28は、第1〜第nセンサ26の検知結果に基づいて、シリアル/チャンネルパラレルコンバータ23、スパイラル補正部24およびヘッド速度調整部27に対し、初期設定処理(後述)を行う。なお、CPU28が処理を行うためのプログラムは、CPU28に付随して設けられたROM(図示せず)に予め記憶されている。またはフロッピーディスク、CD−ROMなどの携帯型記録媒体を介して、あるいは通信回線を通じて図1のスキャナへと供給されてもよい。この場合、供給されたプログラムは、CPU28に付随して設けられたRAM(図示せず)へと転送され、そこに記憶される。
【0033】
以上のように構成されたマルチビーム式スキャナについて、以下、その動作を説明する。なお、ここではマルチビームのチャンネル数を10(上記n=10)として説明する。
図12は、図2のCPU28が描画開始時に実行する初期設定処理を示すフローチャートである。図12において、描画開始時、CPU28は最初、全てのLD12a(第1〜第10LD)を点灯させる(ステップS101)。そして、いずれか1つのLD12a(ここでは第1LD)をチェック対象として選択し(ステップS102)、選択された(第1)LD12aと対応するセンサ26(第1センサ)に指示して、その(第1)LD12aからの光量を計測させる(ステップS103)。応じて(第1)センサ26は、(第1)LD12aからの光量を計測し、計測値をCPU28へ通知する。
【0034】
CPU28は次に、通知された計測値を予め決められたしきい値とを比較することによって、その(第1)LD12aが破損しているか否かを判断する(ステップS104)。そして、判断結果が肯定である場合、その(第1)LD12aの番号(1)を破損チャンネル番号として記憶し(ステップS105)、その後ステップS106へ進む。ステップS104の判断結果が否定である場合には、CPU28は、そのままステップS106へと進む。
ステップS106では、全LD12aについて破損チェックを終えたか否かが判断される。そして、判断結果が否定である場合、CPU28は、チェック対象として次のLD12a(ここでは第2LD)を選択し(ステップS107)、その後ステップS103へと戻って、上記と同様の処理(破損チェック)を繰り返す。
【0035】
ステップS106で全LDのチェックが終了したと判断された場合、CPU28は、ステップS105で記憶した破損チャンネル番号に基づいて、描画に用いるLD列、すなわち有効LD列を決定する処理を行う(ステップS108)。
【0036】
上記ステップS108の決定処理は、以下のようにして行われる。例えば、
(1)破損LDがない場合、第1LDから第10LDまでのLD列をそのまま有効LD列に決定する。
(2)破損LDが1個である場合、そのLDを第kLD(ただしkは、1<k<10を満たす任意の整数)とすると、第1LDから第(k−1)LDまでのLD列、および第(k+1)LDから第10LDまでのLD列について、それぞれに含まれるLDの数を相互に比較する。そして、それらのLD列のうちLD数が多い方のLD列を有効LD列に決定する。
なお、第1LDが破損した場合、第2LDから第10LDまでのLD列を、第10LDが破損した場合、第1LDから第9LDまでのLD列を、それぞれ有効LD列に決定する。
【0037】
(3)破損LDが2個である場合、それらのLDを第kLD、第k’LD(ただしk、k’は、2<k+1<k’<10を満たす任意の整数)とすると、第1LDから第(k−1)LDまでのLD列、第(k+1)LDから第(k’−1)LDまでのLD列、および第(k’+1)LDから第10LDまでのLD列について、それぞれに含まれるLDの数を相互に比較する。そして、それらのLD列のうちLD数が最も多いLD列を有効LD列に決定する。
なお、第1LDおよび第k’LD(ただしk’は、2<k’<10を満たす任意の整数)が破損した場合、第2LDから第(k’−1)LDまでのLD列、第(k’+1)LDから第10LDまでのLD列について、それぞれに含まれるLDの数を相互に比較する。そして、それらのLD列のうちLD数が多い方のLD列を有効LD列に決定する。
また、第kLDおよび第10LD(ただしkは、1<k<9を満たす任意の整数)が破損した場合、第1LDから第(k−1)LDまでのLD列、および第(k+1)LDから第9LDまでのLD列について、それぞれに含まれるLDの数を相互に比較する。そして、それらのLD列のうちLD数が多い方のLD列を有効LD列に決定する。
また、第1LDおよび第10LDが破損した場合、第2LDから第9LDまでのLD列を有効LD列に決定する。
【0038】
3個以上のLDが破損した場合にも、上記と同様にして有効LD列を決定できる。
すなわち、マルチチャンネル光学ヘッド12に含まれる全てのLD12aで構成されるLD列において1以上のLD12aが破損した場合、それら破損したLD12aによって分断されてできた、非破損LD12aからなる複数のLD列のうち、そこに含まれるLD12aの数が最も多いLD列を有効LD列に決定する。
【0039】
次にCPU28は、(描画時にラインバッファ22aまたは22bから読み出される)シリアルデータを、ステップS108で決定された有効LD列によるスパイラル描画に適するようなチャンネルパラレルデータに変換するよう、シリアル/チャンネルパラレルコンバータ23に対して初期設定を行う(ステップS109)。この初期設定によって、ステップS108で決定された有効LD列が例えば8個のLDを含み(ここでは第2LDが破損し、第3LD〜第10LDからなるLD列が有効LD列となったとする)、8チャンネルでスパイラル描画が行われるとした場合、シリアル/チャンネルパラレルコンバータ23は描画時、シリアルデータを、副走査方向Xに8チャンネル(8画素)分のデータ幅を持つようなチャンネルパラレルデータに変換することになる。
【0040】
さらにCPU28は、ステップS108で決定された有効LD列によるスパイラル描画に適するようなスパイラル補正係数を算出する(ステップS110)。ここでいうスパイラル補正係数は、チャンネルパラレルデータにおいて、チャンネルパラレルデータを、副走査方向Xとは逆向きに1チャンネルずつ順次シフトしていくようなスパイラル補正を、主走査方向Yに沿って何ピクセル毎に実行するかを指し、画像の主走査方向Yのデータサイズをmピクセル、有効LD列に含まれるLD数をt(つまりtチャンネルで描画を行う)とした場合、int(m/t)で表される。従ってCPU28は、画像の主走査方向Yのデータサイズと、ステップS108で決定された有効LD列に含まれるLD数に基づいて、スパイラル補正係数を算出できる。
【0041】
すなわち、例えば8チャンネルビームによって、主走査方向Yのデータサイズが80ピクセルの画像を描く場合、スパイラル補正係数は、int(80/8)=10となる。このとき、スパイラル補正後のチャンネルパラレルデータでは、例えば主走査方向Yに沿って第11ピクセル〜第20ピクセルのデータは、第1ピクセル〜第10ピクセルのデータに対して、副走査方向Xとは逆向きに1チャンネル分だけシフトされている。同様に、第21ピクセル〜第30ピクセルのデータは、第11ピクセル〜第20ピクセルのデータに対して、副走査方向Xとは逆向きに1チャンネル分だけシフトされている。
【0042】
CPU28は次に、スパイラル補正部24が描画時、ステップS108で決定された有効LD列によるスパイラル描画に適するようなスパイラル補正を行うよう、ステップS110で算出したスパイラル補正係数に基づき、スパイラル補正部24に対して初期設定を行う(ステップS111)。
【0043】
CPU28は次に、ステップS108で決定された有効LD列によるスパイラル描画に適するような光学ヘッドの移動速度を算出する(ステップS112)。
【0044】
上記ステップS112の算出処理は、例えば次のようにして行われる。すなわち、ステップS108で決定された有効LD列によってスパイラル描画を行う場合、有効LD列が設けられたマルチチャンネル光学ヘッド12は、版材10が1回転する間に、上記の有効LD列が発するマルチビームの像の長さ(1個のLDの直径dとLD個数とレンズ12bの光学倍率との積)に相当する距離だけ移動すればよい。そこで、CPU28は、テップS108で決定された有効LD列に含まれるLD12aの数tと、LD12aの直径dと、レンズ12bの光学倍率とに基づいて、光学ヘッドの移動速度t*d*(光学倍率)を算出する。
【0045】
そしてCPU28は、ステップS112で算出された速度でマルチチャンネル光学ヘッド12が移動するよう、ヘッド速度調整部27に対して初期設定を行い(ステップS113)、その後、初期設定に関する処理を終了する。
なおステップS113では、CPU28によって、描画開始時、有効LD列に含まれるLD12aのうち最も進行方向側に位置するもの(ここでは第10LD)からのビームが、本来第1LDからのビームが照査されるべき描画開始位置において結像するよう、マルチチャンネル光学ヘッド12の初期位置調整も行われる。
【0046】
以上のようにしてCPU28が初期設定を行い、それが完了すると、図1のスキャナは、描画動作を開始する。
すなわち、インターフェース20を介して図1のスキャナへと供給された画像データ(例えばラスタスキャン用パラレルデータ)は、パラレル/シリアルコンバータ21によっていったんシリアルデータに変換された後、ラインバッファ22aへと書き込まれる。ラインバッファ22aへの書き込みが終了すると、引き続いてラインバッファ22bへの書き込みが開始され、同時に、ラインバッファ22aから(先に書き込まれた)シリアルデータの読み出し処理も実行される。
【0047】
ラインバッファ22aから読み出されたシリアルデータは、シリアル/チャンネルパラレルコンバータ23によって、マルチビーム(ここでは8チャンネルビーム)によるスパイラル描画に適したチャンネルパラレルデータに変換される。変換して得られたチャンネルパラレルデータは、スパイラル補正部24へと与えられ、そこでスパイラル補正される。すなわち、主走査方向Yに80ピクセルのデータ長を持つチャンネルパラレルデータは、主走査方向Yに沿って10ピクセル毎に、副走査方向Xとは逆向きに1チャンネルずつ、順次シフトされる。
【0048】
スパイラル補正済みのチャンネルパラレルデータは、LDチャンネルドライバ25へと与えられる。LDチャンネルドライバ25は、与えられたデータに応じて、破損した第2LDと放棄された第1LDとを除く8個のLD12aで構成される有効LD列、すなわち第3〜第10LD12aを駆動する。第3〜第10LD12aから発せられたビームは、レンズ12bによって収束され、版材駆動用モータ11によって駆動されて一定速度で回転する版材10上において結像する。一方、マルチチャンネル光学ヘッド12は、上記のようにして初期設定された光学ヘッド駆動用モータ13によって駆動され、8チャンネルによるスパイラル描画に適した速度で副走査方向Xに沿って移動していく。それにより、感材上には2次元画像が描かれていく。
【0049】
こうして描画して得られた刷版(版材10に画像を描いたもの)を用いて印刷した画像は、図13に示すように、その輪郭線が主走査方向Yに沿って扁平した8つの合同な平行四辺形(副走査方向Xに8個、主走査方向Yに10個の80画素で構成されるのも)を、主走査方向Yに沿って互いに重ねたような形状を有する。各平行四辺形の対応する各頂点は、いずれも紙面の縦の輪郭線に平行な直線上にあり、最上位の平行四辺形の上底と最下位の平行四辺形の下底は、紙面の横の輪郭線に平行である(つまり画像は、紙面の輪郭線に対して傾斜しない)。
【0050】
なお、図13において、太線で囲まれた領域が、1回の主走査で描画されるエリアである。従って、図中○印で示される、チャンネルシリアルデータの段階において同一グループに属していた80*8個の画素は、スパイラル補正によって一部の画素が隣のグループ側へとシフトされ、その結果、上記領域の外側にはみ出した(10+20+…+70)個の画素が、別の(直前の)主走査によって描かれることになる。なお第1回および最終回の主走査において、画素データが欠落したエリアについては、例えばダミーのデータを用いて描画する。
【0051】
以上のように、本実施形態によれば、複数のLDのうち一部が破損した状態でも描画処理を行える。その結果、破損したLDの交換修理を終えるまで描画を行えない不都合がなくなるので、破損しやすい高出力LDを用いて版材への直接描画も行える。
【0052】
また、スパイラル歪みを生じさせることなく、マルチビーム描画を行うことができる。しかも、マルチビームを生成するためのチャンネルパラレルデータに対して、そこに含まれる各画素データを副走査方向に沿ってシフトさせているので、画像が主走査方向に対して傾斜することがない。
【0053】
なお、本実施形態では、高出力LD(半導体レーザ)を用いて版材に直接描画したが、図14のスキャナのように、ドラムに感材(フィルム)を固着し、感材に描画する場合でも、複数のLDのうち一部が破損した状態で描画処理を行えることに変わりはない。また、LDに代えて、炭酸ガスレーザなどの他の発光素子を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るCTP用マルチビーム式ドラム型スキャナの要部の構成を示す模式図である。
【図2】図1のスキャナの電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】図1の版材10に、スパイラル(螺旋)曲線に沿うように2次元画像が描かれていくイメージを示す図である。
【図4】図1のスキャナにおいて、仮にスパイラル補正が行われなかったとした場合に得られるであろう画像、およびスパイラル補正して得られる画像のイメージを示す図である。
【図5】図1のスキャナ(10チャンネル)において、第6LDが破損した時、どのLD列を用いて描画が行われるかを示す図である。
【図6】図1のスキャナ(10チャンネル)において、第8LDが破損した時、どのLD列を用いて描画が行われるかを示す図である。
【図7】図1のスキャナ(10チャンネル)において、第5および第8LDが破損した時、どのLD列を用いて描画が行われるかを示す図である。
【図8】図1のスキャナ(10チャンネル)において、第2および第9LDが破損した時、どのLD列を用いて描画が行われるかを示す図である。
【図9】図2のパラレル/シリアルコンバータ21において行われるパラレル/シリアル変換を説明するための図である。
【図10】図2のシリアル/チャンネルパラレルコンバータ23が変換して得られるチャンネルパラレルデータのフォーマットを示す図である。
【図11】図2のスパイラル補正部24が補正して得られる補正済みチャンネルパラレルデータのフォーマットを示す図である。
【図12】図2のCPU28が描画開始時に実行する初期設定処理を示すフローチャートである。
【図13】図1のスキャナで描画して得られた刷版(描画済み版材10)を用いて、紙面上に印刷された画像のイメージを示す図である。
【図14】従来のマルチビーム式(ドラム型)スキャナの要部の構成を示す模式図である。
【図15】図14のスキャナにおいて、仮にスパイラル補正が行われなかったとした場合に得られるであろう画像、および(従来の)スパイラル補正して得られる画像のイメージを示す図である。
【符号の説明】
10…版材
11…版材駆動用モータ
12…マルチチャンネル光学ヘッド
12a…LD
12b…レンズ
13…光学ヘッド駆動用モータ
14…(LDからのビームの)像
14a…像の長さ
20…インターフェース
21…パラレル/シリアルコンバータ
22a、22b…ラインバッファ
23…シリアル/チャンネルパラレルコンバータ
24…スパイラル補正部
25…LDチャンネルドライバ
26…センサ
27…ヘッド速度調整部
28…CPU
X…副走査方向
Y…主走査方向
d…1個のLDの直径
Claims (6)
- 円筒形状を有し、その中心軸の周りに回転される感材または版材に対して、当該中心軸に平行な副走査方向に沿って配置された複数の発光素子からなり、当該副走査方向に沿って移動される発光素子列が発するマルチビームを照射することにより描画を行うマルチビーム描画方法であって、
前記マルチビームを生成するための、複数の画素データが前記副走査方向とは垂直な主走査方向に沿って、かつ各前記発光素子と対応づけられて並列的に配置されたチャンネルパラレルデータに対して、各前記画素データを、当該画素データの前記主走査方向に関する位置に応じたチャンネル数だけ、前記副走査方向とは逆向きにシフトさせることにより、前記副走査方向に沿って生じるスパイラル歪みを補正する補正ステップと、
前記発光素子列に含まれ、発光可能な前記発光素子のみを最も多く含む有効発光素子列において最も副走査方向下流側に位置する前記発光素子からのビームが、前記発光素子列に含まれる前記発光素子の中で最も副走査方向上流側に位置する前記発光素子が前記補正前の前記チャンネルパラレルデータに応じて駆動されたときの描画開始位置において結像可能となるように、前記発光素子列を前記副走査方向について移動させる初期位置調整ステップと、
前記感材または版材を回転させながら、前記発光素子列を前記副走査方向に所定の速度で移動させるとともに、前記感材または版材に対して、補正済みチャンネルパラレルデータに応じて描画を行う描画ステップとを備える、マルチビーム描画方法。 - 前記発光素子列に含まれる前記発光素子の内、破損している前記発光素子を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおいて検出された前記発光素子で分断されてできる2以上の部分的発光素子列の内、それぞれに含まれる前記発光素子の数が最も多い前記部分的発光素子列の1つを前記有効発光素子列として選択する選択ステップとをさらに備え、
前記初期位置調整ステップは、前記選択ステップにおいて選択された前記有効発光素子列に含まれる前記発光素子の内、当該有効発光素子列において最も副走査方向下流側に位置する前記発光素子からのビームが、前記発光素子列に含まれる前記発光素子の中で最も副走査方向上流側に位置する前記発光素子が前記補正前の前記チャンネルパラレルデータに応じて駆動されたときの描画開始位置において結像可能となるように、前記発光素子列を前記副走査方向に移動させるステップであることを特徴とする、請求項1に記載のマルチビーム描画方法。 - 前記所定の速度は、前記有効発光素子列に含まれる前記発光素子の数に基づいて設定される、請求項2に記載のマルチビーム描画方法。
- 円筒形状を有し、その中心軸の周りに回転される感材または版材に対して、当該中心軸に平行な副走査方向に沿って配置された複数の発光素子からなり、当該副走査方向に沿って移動される発光素子列が発するマルチビームを照射することにより描画を行うマルチビーム描画装置であって、
前記マルチビームを生成するための、複数の画素データが前記副走査方向とは垂直な主走査方向に沿って、かつ各前記発光素子と対応づけられて並列的に配置されたチャンネルパラレルデータに対して、各前記画素データを、当該画素データの前記主走査方向に関する位置に応じたチャンネル数だけ、前記副走査方向とは逆向きにシフトさせることにより、前記副走査方向に沿って生じるスパイラル歪みを補正する補正手段と、
前記発光素子列に含まれ、発光可能な前記発光素子のみを最も多く含む有効発光素子列において最も副走査方向下流側に位置する前記発光素子からのビームが、前記発光素子列に含まれる前記発光素子の中で最も副走査方向上流側に位置する前記発光素子が前記補正前の前記チャンネルパラレルデータに応じて駆動されたときの描画開始位置において結像可能となるように、前記発光素子列を前記副走査方向について移動させる初期位置調整手段と、
前記感材または版材を回転させながら、前記発光素子列を前記副走査方向に所定の速度で移動させるとともに、前記感材または版材に対して、補正済みチャンネルパラレルデータに応じて描画を行う描画手段とを備える、マルチビーム描画装置。 - 前記発光素子列に含まれる前記発光素子の内、破損している前記発光素子を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記発光素子で分断されてできる2以上の部分的発光素子列の内、それぞれに含まれる前記発光素子の数が最も多い前記部分的発光素子列の1つを前記有効発光素子列として選択する選択手段とをさらに備え、
前記初期位置調整手段は、前記選択手段によって選択された前記有効発光素子列に含まれる前記発光素子の内、当該有効発光素子列において最も副走査方向下流側に位置する前記発光素子からのビームが、前記発光素子列に含まれる前記発光素子の中で最も副走査方向上流側に位置する前記発光素子が前記補正前の前記チャンネルパラレルデータに応じて駆動されたときの描画開始位置において結像可能となるように、前記発光素子列を前記副走査方向に移動させることを特徴とする、請求項4に記載のマルチビーム描画装置。 - 前記所定の速度は、前記有効発光素子列に含まれる前記発光素子の数に基づいて設定される、請求項5に記載のマルチビーム描画装置。
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