JP4048564B2 - 光素子結合構造体及び光ファイバー構造体 - Google Patents

光素子結合構造体及び光ファイバー構造体 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバー構造体に関し、更に詳細には、光ファイバーと光導波路とを結合させた光ファイバー構造体である光素子結合構造体に関する。
また、本発明は、基板に設けられたV字形断面の溝によって位置決めされた光ファイバーが基板と押え部材との間に接着剤によって固定された光ファイバー構造体に関する。
従来から、光ファイバー構造体の一例として、V字形断面の溝と光導波路とが一体に形成され、V字形断面の溝に配置した光ファイバーと光導波路とを結合させた光素子結合構造体(光モジュール)が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。かかる光素子結合構造体を、特許文献1及び3に開示されている光素子結合構造体を例にして以下に説明する。
図7は、特許文献1に開示されている光素子結合構造体である。光素子結合構造体70は、光ファイバー72と、光ファイバー72と整列させるべき光導波路74が形成された基板76とを有している。基板76は、光ファイバー72を載せたときに光ファイバー72と光導波路74とが整列するように形成されたV字形断面の溝78と、この溝78の光導波路74側に形成された凹部80とを有している。
光ファイバー72を、その先端部が凹部80に突出するようにV字形断面の溝78に配置し、更に、光ファイバー72の先端を光導波路74の入口に当接させる。それにより、光ファイバー72と光導波路74とが整列し、即ち、心出しされる。次いで、光ファイバー72とV字形断面の溝78とを接着剤によって固着する。それにより、光ファイバー72と光導波路74との間の整列状態を維持することができる。
図8は、特許文献3に開示されている光素子結合構造体である。光素子結合構造体90は、光ファイバー91と、光ファイバー91と整列させるべき光導波路92が形成された基板93と、光ファイバー91を固定するための固定溝94と、固定溝94に設けられた接着剤分離溝95とを有している。光ファイバー91と光導波路92との間には、紫外線硬化型の端面接続用接着剤96が少量滴下され、光ファイバー91と基板93の固定溝94との間には、固定用接着剤97が塗布されている。
光ファイバー91と光導波路92とを心出しした状態で、それらの間に滴下された紫外線硬化型接着剤96を硬化させることにより、光ファイバー91と光導波路とを確実に接着する。次いで、固定用接着剤97を硬化させることにより、光ファイバー91と基板93とを接着する。端面接続用接着剤96と固定用接着剤97とが接着剤分離溝95によって分離されているので、固定用接着剤97が硬化するときに収縮しても、端面接続用接着剤96が固定用接着剤に引っ張られることが防止され、その結果、光ファイバー91と光導波路92との間の心ずれを防止することができる。光素子結合構造体90の室温約25度における結合損失は0.5dB以下に押えられている。
また、従来から、光ファイバー構造体の他の例として、基板に設けられたV字形断面の溝によって位置決めされた光ファイバーが基板と押え部材との間に接着剤によって固定されている光ファイバー構造体が知られている。かかる光ファイバー構造体は、例えば、光ファイバーアレイ、V字形断面の溝と光導波路とが一体に形成され、V字形断面の溝に配置した光ファイバーと光導波路とを結合させた光素子結合構造体(光モジュール)、光ファイバーアレイと光導波路とを結合させた光素子結合構造体(光モジュール)等として知られている(例えば、特許文献4参照)。
図26は、V字形断面の溝と光導波路とが一体に形成され、V字形断面の溝に配置した光ファイバーと光導波路とを結合させた光素子結合構造体(光モジュール)の一例を部分的に断面にした正面図である。また、図27は、図26の線XXVII−XXVIIにおける断面図である。光素子結合構造体200は、端面202aを有し且つ長手方向に延びる上流側光ファイバー202と、この上流側光ファイバー202の端面202aと対向する向きに配置された端面204aを有し且つ長手方向に延びる下流側光ファイバー204と、上流側光ファイバー202から下流側光ファイバー204に光が伝達されるようにそれらの間に設けられた光導波路206とを有している。光素子結合構造体200は、更に、上流側光ファイバー202及び下流側光ファイバー204を受入れて位置決めするためのV字形断面の溝208が設けられた基板210と、上流側光ファイバー202及び下流側光ファイバー204をそれぞれ、それらの上から覆い且つこれらの光ファイバー202、204を基板210に向かって押え付ける押えブロック212、214と、基板210、光ファイバー202、204及び押えブロック212、214を互いに固定するためにそれらの間の空間に充填された接着剤216とを有している。押えブロック212,214は、上流側光ファイバー202及び下流側光ファイバー204と接触する接触面218を有している。
この光素子結合構造体200では、上流側光ファイバー202を伝播してきた光は、光導波路206を通って下流側光ファイバー204に伝達される。
特開平1−126608号公報(第1図) 特開2001−281479号公報(段落0017及び図1) 特開2000−105324号公報(請求項1、段落0052及び図1b) 特開2003−322744号公報(図1〜図5)
例えば、引用文献4に開示された光素子結合構造体200において、上流側光ファイバー202から光導波路206に光が伝達されるとき、及び、光導波路206から下流側光ファイバー204に光が伝達されるとき、伝達される光パワーに、結合損失と呼ばれる損失が生じる。この結合損失は、上流側の光パワー(Pi)に対する下流側の光パワー(Po)の比をデシベル単位で表したもの(10log10(Po/Pi))である。
図26及び図27に示した光素子結合構造体200の結合損失、即ち、上流側光ファイバー202と光導波路206との間の結合損失、又は、光導波路206と下流側光ファイバー204との間の結合損失は、接着剤の粘度及び周囲温度の変化に応じて変動することがある。このことを、図28及び図29を参照して説明する。図28は、周囲温度が+25℃、即ち、光ファイバー202、204を基板210のV字形断面の溝208に固定したときとほぼ同じ温度における、接着剤216の粘度と結合損失の測定値との関係を示す図である。また、図29は、周囲温度が−40℃〜+85℃にわたって変化したときにおける、接着剤216の粘度と結合損失の測定値の変動との関係を示す図である。
図28及び図29から分かるように、接着剤216の粘度が比較的低い場合には、+25℃における光素子結合構造体200の結合損失は比較的小さいが(図28参照)、温度が−40℃〜+85℃にわたって変化したとき、結合損失の変動は比較的大きい(図29参照)。結果として、+25℃における光素子結合構造体200の結合損失が小さくても、−40℃又は+85℃における光素子結合構造体200の結合損失がかなり大きくなる。
また、接着剤216の粘度が比較的高い場合には、+25℃における光素子結合構造体200の結合損失は比較的大きいが(図28参照)、温度が−40℃〜+85℃にわたって変化したときの結合損失の変動は比較的小さい(図29参照)。結果として、温度が+25℃、−40℃又は+85℃における光素子結合構造体200の結合損失は比較的大きいまま、あまり変動しない。
なお、図30は接着剤の弾性率と粘度の関係を示す図である。図30から分かるように、接着剤の粘度と弾性率との間には比例関係があり、接着剤の粘度が高くなると、弾性率も高くなる。従って、結合損失は、接着剤の粘度及び周囲温度の変化に応じて変動するだけでなく、接着剤の弾性率に応じて変動する。
一方、近年、光インターネット回線網が各家庭に普及するようになってきた。各家庭への光インターネット回線の提供は、回線提供側の光ファイバーを光スプリッタによって複数本の光ファイバーに分岐し、分岐させた光ファイバーを各家庭に引込むことによって行う方法が主流になりつつある。この光スプリッタに、上述した光ファイバーと光導波路とを結合する光素子結合構造体が使用されている。光スプリッタは、例えば、各家庭の近くの電柱に取付けられたボックスの中に配置されるため、周囲環境の温度の影響を受ける。特に、かかるボックス内の温度は、大気の温度変化よりも大きく変化することがある。その結果、上述した光素子結合構造体を利用した光スプリッタを介して各家庭に伝送される光の損失即ち光素子結合構造体の結合損失が、周囲環境の温度変化によって変動し、即ち、増大することがある。
従って、周囲温度及び光ファイバー構造体の温度が、例えば、−40℃〜+85℃にわたって変化したとき、光素子結合構造体200の結合損失が所定のレベル以下であることが好ましい。所定のレベルは、好ましくは、0.6dBであり、更に好ましくは、0.5dBであり、更に好ましくは、0.4dBである。また、特許文献3に開示された光素子結合構造体90において、25℃における結合損失0.5dB以下が達成されているが、結合損失を更に軽減することが望ましく、結合損失0.2dB以下が好ましい。
そこで、本発明は、周囲環境の温度変化による光の伝送損失変動即ち結合損失変動を軽減することができる、光ファイバーと光導波路とを結合する光素子結合構造体を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、比較的高い粘度の接着剤を使用したときの結合損失を改善することができる光ファイバー構造体を提供することを第2の目的としている。
また、本発明は、温度が−40℃〜+85℃にわたって変化したときの結合損失を所定のレベル以下にすることができる光ファイバー構造体を提供することを第3の目的としている。
上述した光素子結合構造体の結合損失変動について詳細に検討したところ、光ファイバーとV字形断面の溝との間の接着剤が周囲環境の温度変化によって膨張又は収縮することにより、光ファイバーがV字形断面の溝に対して相対移動し、それに伴って光ファイバーの先端部と光導波路との間に相対移動が生じ、その結果、両者の心がずれ、光素子結合構造体の結合損失が増大していることが分かった。
そこで、上記第1の目的を達成するために、本発明の第1の側面による光素子結合構造体は、光ファイバーと光導波路とを結合する光素子結合構造体であって、光ファイバーと、光ファイバーと整列させるべき光導波路が形成された基板と、を有し、基板は、光ファイバーを載せたときに光ファイバーと光導波路とが整列するように形成され且つ上向きに開放したV字形断面の溝と、この溝よりも下方に延び且つ上向きに開放した空間をV字形断面の溝の光導波路側に形成する凹部と、を有し、光ファイバーは、その先端部が凹部に突出するようにV字形断面の溝に配置され且つそこに光ファイバー用接着剤によって固着され、光ファイバーの先端部と光導波路とが、それらの間及び凹部に充填された光ファイバー用結合剤によって結合されていることを特徴としている。
このように構成された本発明による光素子結合構造体によれば、光ファイバーを、その先端部が凹部に突出するようにV字形断面の溝に配置し、更に、光ファイバーの先端を光導波路に当接させる。それにより、光ファイバーと光導波路とが整列し、即ち、心出しされる。実際には、光ファイバーと光導波路との間には、わずかな隙間がある。次いで、光ファイバーとV字形断面の溝とを光ファイバー用接着剤によって固着させる。更に、光ファイバーの先端部と光導波路の間及び凹部に光ファイバー用結合剤を充填し、光ファイバーの先端部と光導波路とを結合させる。それにより、光ファイバーと光導波路との間の整列状態を維持することができる。
詳細には、周囲環境の温度変化により、光ファイバーとV字形断面の溝との間に充填された光ファイバー用接着剤が膨張したり収縮したりする。このとき、従来技術の光素子結合構造体では、光ファイバーの先端部と光導波路との間の相対移動が生じ、両者の心がずれ、光の伝送損失即ち結合損失を増大させる。これに対して本発明による光素子結合構造体では、光ファイバーの先端部と光導波路とを光ファイバー用結合剤で結合しているので、光ファイバーの先端部と光導波路との間の相対移動が規制される。それにより、光素子結合構造体の結合損失を軽減させることができる。
また、凹部がV字形断面の溝の光導波路側に形成され、光ファイバーの先端部が凹部に突出するように配置されているという構成により、後述する実施形態の説明で明らかになるように、互いに異なる光ファイバー接着剤と光ファイバー結合剤とが接触していても光素子結合構造体の結合損失を軽減させることができる。この凹部は、V字形断面の溝を異方性エッチングによって形成した時に生じた溝の斜面をダイシング加工等によって除去する工程と同時に形成可能であり、特許文献3に開示されている接着剤分離溝95をわざわざ設ける必要もないし、凹部だけを形成する工程を単独で追加する必要もない。また、ダイシング加工時の砥粒条件を適当に選択すれば、導波路端面の鏡面化が可能である。それにより、端面反射減衰量を減少させ、光素子結合構造体の結合損失を更に低減させることができる。
本発明の第1の側面による光素子結合構造体の実施形態において、好ましくは、基板は、更に、V字形断面の溝が形成された上面を有し、光素子結合構造体は、更に、上面と共に光ファイバーを挟むように且つ上面から間隔を隔てるように配置された押え部材を有し、この押え部材は、光ファイバーの上にかぶさるように配置された光ファイバーの外径よりも幅広の溝を有し、光ファイバー用接着剤は、更に、幅広の溝と光ファイバーとの間及び押え部材と上面との間に充填される。
このように構成された光素子結合構造体では、光ファイバーは、それとV字形断面の溝との間に充填された光ファイバー用接着剤及び光ファイバーと押え部材の幅広の溝との間に充填された光ファイバー用接着剤とによって基板に固着されている。即ち、光ファイバーは、概略的には、その下方部分1箇所、即ち、光ファイバーとV字形断面の溝との間に充填された光ファイバー用接着剤と、その上方部分2箇所、即ち、光ファイバーの両側と幅広の溝との間に充填された光ファイバー用接着剤の合計3箇所で支持される。それにより、周囲温度が変化して光ファイバー用接着剤の膨張又は収縮したとき、V字形断面の溝に対する光ファイバーの相対移動が規制され、それに伴い、光導波路に対する光ファイバーの先端部の相対移動も規制される。その結果、光素子結合構造体の結合損失を更に軽減することができる。
上記第1の側面による実施形態の光素子結合構造体において、光ファイバー用接着剤と光ファイバー用結合剤とは、同じ接着剤であっても良いし、異なる組成物であっても良いが、好ましくは、それらの弾性率は0.01〜0.5GPaであり、それらの線膨張係数は40〜300ppm/℃である。また、それらの粘度は、好ましくは、100〜1,000mPa・sである。
上記第1の側面による実施形態の光素子結合構造体において、好ましくは、光ファイバー用接着剤と光ファイバー用結合剤とは同じ接着剤である。光ファイバー用接着剤と光ファイバー用結合剤とが同じ接着剤である場合には、接着又は結合に使用する組成物が1種類で済むため、製造工程の簡素化を図ることができる。
本発明の第1の側面による実施形態において、好ましくは、光素子結合構造体は、光ファイバーの先端部及び光ファイバー用結合剤を覆うように塗布された封止材を更に有し、封止材の弾性率は、光ファイバー用接着剤及び光ファイバー用結合剤の弾性率よりも大きい。
このように構成された光素子結合構造体では、光ファイバーの先端部と光導波路との間に充填された光ファイバー用結合剤が周囲温度の変化によって膨張又は収縮し、ひずみが発生する。しかしながら、封止材が光ファイバー用結合剤よりも大きい弾性率を有しているので、光ファイバー用結合剤のひずみを封止材によって規制することができる。それにより、光ファイバーの先端部と光導波路との間の相対移動を規制し、その結果、光の結合損失変動を軽減することができる。更に、封止材は、光ファイバー用結合剤と異なり、透明性の低い樹脂を使用することが可能になる。また、封止材に透湿度の小さい樹脂等を使用することが有利である。
上記第1の側面による実施形態の光素子結合構造体において、好ましくは、光ファイバー用接着剤と光ファイバー用結合剤とは同じ接着剤である。また、上記第1の側面による実施形態の光素子結合構造体において、光ファイバー用接着剤と光ファイバー用結合剤とは、同じ接着剤であっても良いし、異なる組成物であっても良いが、好ましくは、それらの弾性率は0.01〜3.0GPaであり且つそれらの線膨張係数は40〜300ppm/℃であり、封止材の弾性率は5〜20GPaであり且つその線膨張係数は5〜30ppm/℃である。また、それらの粘度は、好ましくは、光ファイバー用接着剤及び光ファイバー用結合剤が100〜8,000mPa・sで、封止材が10,000〜200,000mPa・sである。
本発明の第1の側面による実施形態において、好ましくは、光ファイバー用接着剤と光ファイバー用結合剤とは異なる組成物であり、光ファイバー用結合剤の弾性率は、光ファイバー用接着剤の弾性率よりも小さい。
このように構成された光素子結合構造体では、光ファイバー用接着剤と光ファイバー用結合剤が異なる組成物であるため、両者が同じ接着剤である場合よりも、光ファイバーの先端部と光導波路との間の相対移動を規制することができる。詳細には、周囲環境の温度が変化した場合、光ファイバー用接着剤も光ファイバー用結合剤も膨張又は収縮する。もし両者が同じ接着剤であれば、両者は同じ割合で膨張又は収縮する。これに対して、光ファイバー用結合剤の弾性率が光ファイバー用接着剤よりも低い弾性率であれば、同じ温度変化に対して、光ファイバー用結合剤の膨張又は収縮の割合を光ファイバー用接着剤の膨張又は収縮の割合よりも小さくすることができる。それにより、光ファイバーとV字形断面の溝との間に相対移動が生じたとしても、光ファイバーと光導波路との間の相対移動を規制し、その結果、光素子結合構造体の結合損失変動を軽減することができる。また、光ファイバー用接着剤は、光ファイバーをV字形断面の溝に固着させるためだけに用いられるため、透明性や屈折率整合性が不要になり、かかる性質を有しない接着剤を選択することが可能になる。また、耐湿接着性の高い接着剤等を使用することが有利である。
上記第1の側面による実施形態の光素子結合構造体において、好ましくは、光ファイバー用結合剤は、更に、光ファイバーの先端部を覆って光ファイバーと光導波路を封止するように塗布される。
このように構成された光素子結合構造体では、光ファイバー用結合剤が、光ファイバーと光導波路の間にだけ充填されている場合よりも、周囲環境の温度変化による光ファイバー用結合剤の膨張及び収縮が規制される。それにより、光ファイバーと光導波路との間の相対移動を規制し、その結果、光素子結合構造体の結合損失変動を更に軽減することができる。
また、上記第1の側面による実施形態の光素子結合構造体において、好ましくは、光ファイバー用結合剤の弾性率は10−6〜10−3GPaであり且つその線膨張係数は100〜400ppm/℃であり、光ファイバー用接着剤の弾性率は0.01〜3.0GPaであり且つその線膨張係数は20〜100ppm/℃である。また、それらの粘度は、好ましくは、光ファイバー用結合剤が1,000〜5,000mPa・s、光ファイバー用接着剤が5,000〜100,000mPa・sである。
また、引用文献4に開示された光ファイバー構造体に関し、本願の発明者は、粘度が比較的高い接着剤216を使用したとき、+25℃における結合損失が大きくなる原因を追求するために、粘度が比較的高い接着剤216を使用した光素子結合構造体(光ファイバー構造体)100の断面を金属顕微鏡で観察した。その結果、基板210のV字形断面の溝208と光ファイバー202、204との間の隙間に接着剤216が残留していることを確認した。本願発明は、V字形断面の溝と光ファイバーとの間の隙間に残留する接着剤を少なくすることに鋭意努力した結果なし得た発明である。
上述した本発明の第2の目的を達成するために、本発明の第2の側面による光ファイバー構造体は、端面を有し且つ長手方向に延びる光ファイバーと、光ファイバーを受入れて位置決めするためのV字形断面の溝が設けられた基板と、光ファイバーをその上から覆い且つ光ファイバーを基板に向かって押え付ける押え部材と、基板、光ファイバー及び押え部材を互いに固定するためにそれらの間の空間に充填された接着剤と、有する光ファイバー構造体であって、押え部材は、光ファイバーの端面側から長手方向に順番に隣接して設けられた第1の接触部分、中間部分及び第2の接触部分を有し、光ファイバーを押え部材によって基板に向かって押え付けたとき、押え部材の第1の接触部分及び第2の接触部分が、光ファイバーに接触して光ファイバーを基板に向かって押え付け、押え部材の中間部分は、接着剤を介して光ファイバーと間隔をおいていることを特徴としている。
このように構成された本発明による光ファイバー構造体によれば、押え部材によって光ファイバーを基板に押し付けたとき、光ファイバーと基板のV字形断面の溝との間の余分な接着剤が押しのけられ、接着剤が光ファイバーと溝との間の隙間から流出する。光ファイバーと溝との間の距離が接近したとき、押え部材の第1の接触部分及び第2の接触部分が接触している光ファイバーの部分は、基板に向かって強制的に押し付けられる。これに対し、押え部材の中間部分と間隔をおいている光ファイバーの部分は、強制的には、基板に向かって押し付けられない。従って、特に接着剤の粘度が比較的高い場合、余分な接着剤は、基板に向って強制的に押し付けられている光ファイバーの部分、即ち、第1の接触部分及び第2の接触部分に対応する光ファイバーの部分と溝との間の隙間から流出しないで、中間部分と間隔をおいている光ファイバーの部分、即ち、中間部分に対応する光ファイバーの部分と溝との間の隙間から流出する。それにより、第1の接触部分及び第2の接触部分に対応する光ファイバーの部分を基板の溝により近づけることが可能になる。好ましくは、かかる光ファイバーの部分を基板の溝に実質的に接触させることができる。このことは、光ファイバーを、結合損失が最も少ない設計上の位置に近づけることを意味する。その結果、比較的高い粘度の接着剤を使用したときであっても、光ファイバー構造体の結合損失を改善することができる。もちろん、比較的低い粘度の接着剤を使用した光ファイバー構造体も、本発明に含まれる。
これに対し、従来技術の光ファイバー構造体では、光ファイバーを押え部材によって基板に押し付けることにより、光ファイバーと溝との間の距離が接近したとき、光ファイバーと基板のV字形断面の溝との間の余分な接着剤は、押えブロックの長手方向の全長にわたって、光ファイバーと溝との間の隙間から流出しにくくなる。特に接着剤の粘度が比較的高い場合、光ファイバーと溝との間の隙間に接着剤が残留してしまう。それにより、光ファイバーは、設計上の位置と異なる位置に位置決めされ、結合損失が大きくなる。
本発明の第2の側面による実施形態において、好ましくは、光ファイバーは、互いに平行に設けられた複数の光ファイバーから構成され、複数の光ファイバーに対応するV字形断面の溝が基板に設けられる。
このように構成された光ファイバー構造体では、光ファイバーと溝との間の隙間から光ファイバーと光ファイバーとの間の空間に流出した余分な接着剤が更に、押え部材の中間部分と光ファイバーとの間の空間を通って光ファイバーの上を越え、長手方向に対して横方向に流れる。それにより、押えブロックの第1の部分及び第2の部分に対応する光ファイバーの部分を溝により近づけるように、余分な接着剤が流れる。その結果、複数の光ファイバーの各々に対する結合損失を改善することができる。
このことは、特に、互いに整列するV字形断面の溝と光導波路コアとが一体に形成される光ファイバー構造体に有用である。また、隣接した光ファイバーのピッチをより均一にすることができるので、光ファイバーアレイを有する光ファイバー構造体にも有用である。
これに対し、従来技術の光ファイバー構造体では、押えブロックがその長手方向の全長にわたって光ファイバーと接触しているので、光ファイバーと光ファイバーとの間の空間に流出した余分な接着剤は、光ファイバーの上を越えて流れることはできない。従って、光ファイバーと溝との間の隙間に接着剤が残留しやすくなる。
本発明の第2の側面による実施形態において、好ましくは、押え部材の第1の接触部分は、光ファイバーと接触して光ファイバーを基板に向かって押し付けるための接触面と、長手方向を中心に接触面の両側に設けられ且つ基板と対向する対向面と、を有し、接触面は、対向面に対する凹み部を構成し、この凹み部の両側に位置する対向面と基板との間の距離は、20〜40μmである。
このように構成された光ファイバー構造体では、押えブロックと基板とを確実に固定することができると共に、光ファイバー構造体の温度変化に対する結合損失の変動をより少なくすることができる。即ち、対抗面と基板との間の距離が大きくなりすぎると、押えブロックと基板との間の接着力が低下し、対向面と基板との間の距離が小さくなりすぎると、温度が変化したときに接着剤が光ファイバーに及ぼす応力が増大し、光ファイバー構造体の結合損失を悪化させる。
また、対向面が長手方向を中心に接触面の両側、即ち、横方向に設けられているので、押えブロック及び基板が光ファイバーに対してほぼ対称に配置される。それにより、温度が変化したときに接着剤が光ファイバーに及ぼす応力が相殺され、光ファイバー構造体の結合損失の低下を防止することができる。
本発明の第2の側面による実施形態において、接着剤の粘度は、好ましくは10,000〜50,000mPa・s、より好ましくは20,000〜40,000mPa・sである。また、接着剤の弾性率は、好ましくは0.01〜3.0GPaであり、線膨張係数は好ましくは20〜100ppm/℃である。
このように構成された光ファイバー構造体では、温度変化に対する光ファイバーの結合損失の変動が比較的小さくなる。従って、例えば、温度が−40℃〜+85℃にわたって変化したときの結合損失を所定のレベル以下にすることができ、本発明の第3の目的が達成される。所定のレベルは、好ましくは、0.5dB、更に好ましくは、0.4dBである。
本発明の第2の側面による実施形態において、好ましくは、第1の接触部分の長手方向長さは、光ファイバーの直径の0.5〜3倍である。
このように構成された光ファイバー構造体では、押え部材の第1の接触部分により光ファイバーを確実に基板の溝に近づけ、光ファイバーの結合損失を改善することができる。即ち、第1の接触部分の長手方向長さが短すぎると、光ファイバーを基板に押付ける力が不足しやすくなり、第1の接触部分の長手方向長さが長すぎると、従来技術の光ファイバー構造体の構造に近づくことになる。
本発明の第2の側面による実施形態において、好ましくは、基板は、V字形断面の溝が設けられた上面を有し、中間部分は、基板の上面と対向し且つ光ファイバーを横断する平らな下面を有する。
このように構成された光ファイバー構造体では、比較的容易な加工により、光ファイバー構造体の結合損失を改善することが可能である。
また、本発明の第2の目的を達成するために、本発明による光ファイバー構造体は、端面を有し且つ長手方向に延びる光ファイバーと、光ファイバーを受入れて位置決めするためのV字形断面の溝が設けられた基板と、光ファイバーをその上から覆い且つ光ファイバーを基板に向かって押え付ける押え部材と、基板、光ファイバー及び押え部材を互いに固定するためにそれらの間の空間に充填された接着剤と、有する光ファイバー構造体であって、基板は、光ファイバーの端面側から長手方向に順番に隣接して設けられた第1の溝付き部分、中間部分及び第2の溝付き部分を有し、基板の第1の溝付き部分及び第2の溝付き部分に、V字形断面の溝が設けられ、基板の中間部分は、接着剤を介して光ファイバーと間隔をおいていることを特徴としている。
このように構成された本発明による光ファイバー構造体によれば、押え部材によって光ファイバーを基板に押し付けたとき、光ファイバーと基板のV字形断面の溝との間の余分な接着剤が押しのけられ、接着剤が光ファイバーと溝との間の隙間から流出する。光ファイバーと溝との間の距離が接近したとき、基板の第1の溝付き部分及び第2の溝付き部分に受入れられる光ファイバーの部分は、基板に向かって強制的に押し付けられる。これに対し、基板の中間部分と間隔をおいている光ファイバーの部分は、強制的には、基板に向かって押し付けられない。従って、特に接着剤の粘度が比較的高い場合、余分な接着剤は、基板に向って強制的に押し付けられている光ファイバーの部分、即ち、第1の溝付き部分及び第2の溝付き部分に対応する光ファイバーの部分と溝との間の隙間から流出しないで、中間部分と間隔をおいている光ファイバーの部分、即ち、中間部分に対応する光ファイバーの部分と中間部分との間の空間から流出する。それにより、第1の溝付き部分及び第2の溝付き部分に対応する光ファイバーの部分を基板の溝により近づけることが可能になる。好ましくは、かかる光ファイバーの部分を基板の溝に実質的に接触させることができる。このことは、光ファイバーを、結合損失が最も少ない設計上の位置に近づけることを意味する。その結果、比較的高い粘度の接着剤を使用したときであっても、光ファイバー構造体の結合損失を改善することができる。もちろん、比較的低い粘度の接着剤を使用した光ファイバー構造体も、本発明に含まれる。
本発明の第2の側面による実施形態において、光ファイバー構造体は、光ファイバーアレイであってもよいし、V字形断面の溝と光導波路とが一体に結合され、V字形断面の溝に配置した光ファイバーと光導波路とを結合させた光素子結合構造体(光モジュール)であってもよいし、光ファイバーアレイと光導波路とを結合させた光素子結合構造体(光モジュール)であってもよい。
本発明による光ファイバーと光導波路とを結合する光素子結合構造体によれば、周囲環境の温度変化による光の結合損失変動を軽減することができる。
上述したように、本発明の光ファイバー構造体は、比較的高い粘度の接着剤を使用したときの結合損失を改善することができる。
また、本発明の光ファイバー構造体は、温度が−40℃〜+85℃にわたって変化したときの結合損失を所定のレベル以下にすることができる。
以下、図面を参照して、本発明の第1の側面による光素子結合構造体の4つの実施形態を詳細に説明する。最初に、本発明の第1の側面による第1の実施形態を図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明の第1の側面による第1の実施形態である光ファイバー及び光導波路の光素子結合構造体の、部分的に断面にした正面図であり、図2は、図1の線II−IIにおける断面図である。
図1及び図2に示すように、光ファイバーと光導波路とを結合する光素子結合構造体1は、光ファイバー2と、この光ファイバー2と整列させるべき光導波路4が形成された基板6とを有している。光ファイバー2は、入口側光ファイバー2aと出口側光ファイバー2bとを有し、入口側光ファイバー2aの中を伝わってきた光が光導波路4を通って出口側光ファイバー2bに伝わるように、入口側光ファイバー2aのコア2cの端面2dと光導波路4の入口端面4aとが整列し、光導波路4の出口端面4bと出口側光ファイバー2bのコア2eの端面2fとが整列している。入口側光ファイバー2a及び出口側光ファイバー2bは、1本でもあっても良いし、横方向に複数設けられ、即ち、アレイ状であっても良い。例えば、入口側光ファイバー2aが1本であり、出口側光ファイバー2bがアレイ状であれば、光素子結合構造体1は光スプリッタとして機能し、入口側光ファイバー2aがアレイ状であり出口側光ファイバー2bが1本であれば、光素子結合構造体1は光結合器として機能する。光素子結合構造体1の入口側の構造と出口側の構造とは同様であるので、以下、入口側の構造のみについて説明し、出口側の構造の説明は省略する。
基板6は、光ファイバー2を載せたときに光ファイバー2と光導波路4とが整列するように形成され且つ上向きに開放したV字形断面の溝8と、この溝8よりも下方に延び且つ上向きに開放した空間をV字形断面の溝8の光導波路4側に形成する凹部10とを有している。詳細には、基板6は、ベース部12から上方に延び、光ファイバー2を支持するための光ファイバー支持部14と、この光ファイバー支持部14と間隔を隔ててベース部12から上方に延び、上部に光導波路4が形成された光導波路部16とを有し、光ファイバー支持部14と光導波路部16との間に凹部10が形成されている。V字形断面の溝8は、光ファイバー支持部14の上面14aに形成されている。V字形断面の溝8及び光導波路4は、V字形断面の溝8の上に既知の外径(例えば125μm)の光ファイバー2を載せたときに光ファイバー2と光導波路4とが整列するように形成されている。凹部10の底面10aは、光ファイバー支持部14の上面14aとほぼ平行に形成され、凹部10の2つの側面10bは、底面10aとほぼ垂直に形成されている。凹部10の光ファイバー長手方向の長さは、例えば、100〜150μmである。
光ファイバー2は、その先端部18が凹部10に突出するようにV字形断面の溝8に配置されており、それにより、光ファイバー2と光導波路4とが整列している。光ファイバー2aの端面2dは、光導波路4の入口端面4aに当接されることが好ましいが、実際には、それらの自動組立てを容易にするため、光ファイバー2aの端面2dと光導波路4の入口端面4aとの間には、約10〜20μmの隙間が生じている。又、光ファイバー2は、それとV字形端面の溝8との間の空間20に充填された光ファイバー用接着剤22によってV字形断面の溝8に固着されている。
更に、光ファイバー2の先端部18と光導波路4とは、それらの間及び凹部10に充填された光ファイバー用結合剤24によって結合されている。光ファイバー用結合剤24は、光ファイバー2から光導波路4へ伝送される光が通過するため、光に対して透明であり(透明性)且つ適当な屈折率を有する(屈折率整合性)ことが必要であり、屈折率調整剤として使用されているものであることが好ましい。光ファイバー用結合剤24は、紫外線硬化樹脂又は可視光硬化樹脂等の光硬化型接着剤であっても良いし、それに熱硬化触媒が予め添加された光熱併用硬化型接着剤であっても良いし、ゲル状の組成物であってもよいし、充填剤であってもよい。光硬化型接着剤は、例えば、ダイキン製紫外線硬化型エポキシ系樹脂「UV2100」である。また、光熱併用硬化型接着剤は、紫外線硬化型エポキシ系樹脂又は紫外線硬化型アクリル系樹脂等であり、例えば、EMI製紫外線熱硬化型エポキシ系樹脂「3553HM」である。
光ファイバー用接着剤22は、光ファイバー用結合剤24と同様の組成物であることが好ましい。更に、光ファイバー用接着剤22と光ファイバー用結合剤24とは、同じ接着剤であることが好ましいが、異なる組成物であっても良い。図1では、光ファイバー用接着剤22と光ファイバー用結合剤24とが同じ接着剤である場合を示している。
本発明の第1の側面による第1の実施形態による光ファイバー及び光導波路の光素子結合構造体1の製造方法の一例は、以下の通りである。シリコン、高分子材料等で作られた基板6を準備し、V字形断面の溝8を、フォトリソグラフィにより作成したレジストパターンに従って異方性エッチングを施すことによって形成する。次いで、V字形断面の溝8を形成した基板6に光導波路4を形成する。詳細に説明すると、光導波路4を高分子材料で形成する場合には、スピン塗布や鋳型などによりクラッド層及びその上のコア層を形成した後、フォトリソグラフィ、反応性イオンエッチングなどのプロセス加工や、型押し等の機械加工を施してコア層から矩形断面のコアを形成し、更に、上記と同様の方法によりコアを覆うようにクラッド層を形成して、光導波路4を形成する。また、光導波路4を石英で形成する場合には、火炎堆積法やCVD法などにより基板6の上に石英層を形成し、ドライエッチングなどのプロセス加工により矩形の石英コアにした後、コアを覆うようにクラッド層を形成して、光導波路4を形成する。V字形断面の溝8の形成工程及び光導波路4の形成工程は、光ファイバー2をV字形断面の溝8に載せたときに光ファイバー2と光導波路4とが整列するV字形断面の溝8と光導波路4との位置関係が得られるように行われる。次いで、ドライエッチングやダイシング加工等により、V字形断面の溝8に載せた光ファイバーaの端面2dが光導波路4の入口端面4aに当接できるように、凹部10を形成する。次いで、光ファイバー用接着剤22をV字形断面の溝8に塗布する。光ファイバー2の先端部18が凹部10に突出するように光ファイバー2をV字形断面の溝8に配置し、それにより、光ファイバー2と光導波路4とを接着させる。次いで、光ファイバー用結合剤24を、光ファイバー2aの端面2dと光導波路4の入口端面4aとの間及び凹部10に充填し、それにより、光ファイバー2の先端部18と光導波路4とを結合させる。
次に、本発明の第1の側面による光素子結合構造体の第2の実施形態を図3及び図4を参照して説明する。図3は、本発明の第1の側面による第2の実施形態である光素子結合構造体の、部分的に断面にした正面図であり、図4は、図3の線IV−IVにおける断面図である。
本発明の第1の側面による第2の実施形態である光ファイバー及び光導波路の光素子結合構造体は、後述する押え部材を追加したこと以外、上述した第1の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体と同様である。従って、第1の側面による第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付してその説明を省略し、以下、異なる部分のみ説明する。
図3及び図4に示すように、本発明の第1の側面による第2の実施形態である光素子結合構造体30は、光ファイバー支持部14の上面14aと共に光ファイバー2を挟むように且つ上面14aから間隔を隔てて配置された押え部材32を有している。押え部材32は、ガラス又は高分子材料等で作られるのが好ましい。押え部材32は、光ファイバー2の上にかぶさるように配置された光ファイバー2の外径よりも幅広の溝34を有している。幅広の溝34の断面形状は、矩形であっても良いし、U字形等であっても良い。幅広の溝34と光ファイバー2との間には、光ファイバー用接着剤22が充填される空間36が光ファイバー2の両側に形成される。光ファイバー用接着剤22は、幅広の溝34と光ファイバー2との間及び押え部材32と光ファイバー支持部14の上面14aとの間に充填されている。
本実施形態の光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24は、第1の側面による第1の実施形態の光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24と同様のものである。更に、光ファイバー用接着剤22と光ファイバー用結合剤24とは、同じ接着剤であることが好ましいが、異なる組成物であっても良い。図3では、図1と同様、光ファイバー用接着剤22と光ファイバー用結合剤24とが同じ接着剤である場合を示している。
更に、光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24の弾性率、線膨張係数及びガラス転移点を適当に選択することにより、周囲環境の温度変化による光ファイバー2と光導波路4との間の相対移動量、即ち、光導波路4への光の挿入損失変動即ち結合損失変動を小さくすることができる。光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24の弾性率は0.01〜0.5GPaであり、その線膨張係数は40〜300ppm/℃であることが好ましく、そのガラス転移温度Tgは100℃以上であり且つ周囲環境の温度よりも15℃以上高いことが好ましい。また、光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24の粘度は100〜1,000mPa・sが好ましく、100〜500mPa・sがより好ましい。光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24は、例えば、NTT−AT製紫外線硬化型アクリル系樹脂「AT8224」である。
本発明の第1の側面による第2の実施形態による光素子結合構造体30の製造方法の一例は、上述した第1の側面による第1の実施形態による光素子結合構造体1の製造方法に追加して、適量の光ファイバー用接着剤22を光ファイバー2の上に塗布し、押え部材32の幅広の溝36を光ファイバー2の上にかぶせる工程を行えば良い。
次に、本発明の第1の側面による光素子結合構造体の第3の実施形態を、図5を参照して説明する。図5は、本発明の第1の側面による第3の実施形態である光素子結合構造体の、部分的に断面にした正面図である。
本発明の第1の側面による第3の実施形態である光素子結合構造体は、後述する封止材を追加したこと以外、上述した第1の側面による第2の実施形態である光素子結合構造体と同様である。従って、第1の側面による第2の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付してその説明を省略し、以下、異なる部分のみを説明する。なお、第1の側面による第3の実施形態である光素子結合構造体の断面図は、第1の側面による第2の実施形態である光素子結合構造体の断面図である図4と同様であるため、それを省略する。
図5に示すように、本発明の第1の側面による第3の実施形態である光素子結合構造体40は、光ファイバー2の先端部18及び光ファイバー用結合剤24を覆うように塗布された封止材42を有している。封止材42は、更に、押え部材32と結合され、基板6の導波路部16の上に延び、出口側の封止材と連結している。
本発明の第1の側面による第3の実施形態の光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24は、第1の側面による第1の実施形態の光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24と同様のものである。光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24とは、同じ接着剤であっても良いし、異なる組成物であっても良いが、以下、両者が同じ接着剤であるものとして説明する。図5では、光ファイバー用接着剤22と光ファイバー用結合剤24とが同じ接着剤44である場合を示している。接着剤44は、例えば、EMI製紫外線硬化型エポキシ系樹脂「3553HM」である。
封止材42は、接着剤44と異なる組成物である。更に、光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24の弾性率が封止材42の弾性率よりも小さいことが好ましい。封止材42は、光ファイバー用結合剤24と異なり、透明性のない接着剤であっても良い。また、封止材42は、エポキシ系の樹脂であっても良いし、無溶剤型の液状封止材(例えば、日立化成工業製無溶剤型液状封止材「CEL−C−1900」)であっても良い。エポキシ系の樹脂を使用する場合、高湿環境での長寿命化を達成するために透湿度の小さいものを使用することが好ましい。
また、上述の接着剤44及び封止材42の弾性率、線膨張係数及びガラス転移温度Tgを適当に選択することにより、周囲環境の温度変化による光ファイバー2と光導波路4との間の相対移動量、即ち、光導波路4への結合損失変動を小さくすることができる。光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24の弾性率は0.01〜3.0GPaであり、その線膨張係数は40〜300ppm/℃であることが好ましく、そのガラス転移温度Tgは100℃以上であり且つ周囲環境の温度よりも15℃以上高いことが好ましい。光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24の粘度は、100〜8,000mPa・sが好ましく、100〜2,000mPa・sがより好ましい。また、封止材42の弾性率は5〜20GPaであり、その線膨張係数は5〜30ppm/℃であることが好ましく、そのガラス転移温度Tgは100℃以上であり且つ周囲環境の温度よりも15℃以上高いことが好ましい。封止材42の粘度は、10,000〜200,000mPa・sが好ましく、10,000〜100,000mPa・sがより好ましい。この場合、接着剤44は、例えば、ダイキン製紫外線硬化型エポキシ系樹脂「UV2100」であり、封止材は、例えば、日立化成工業製無溶剤型液状封止材「CEL−C−1900」である。
本発明の第1の側面による第3の実施形態である光素子結合構造体の製造方法の一例は、上述した第1の側面による第2の実施形態である光素子結合構造体の製造工程に加えて、封止材42を、光ファイバー2の先端部18及び光ファイバー用結合剤24を覆うように塗布する工程を行えば良い。
次に、本発明の第1の側面による光素子結合構造体の第4の実施形態を図6を参照して説明する。図6は、本発明の第1の側面による第4の実施形態である光素子結合構造体の、部分的に断面にした正面図である。
本発明の第1の側面による第4の実施形態である光素子結合構造体50は、光ファイバー用接着剤と光ファイバー用結合剤の組合わせが異なること及び光ファイバー用結合剤の塗布範囲が異なること以外、上述した第1の側面による第2の実施形態である光素子結合構造体30と類似する。従って、第1の側面による第2の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付してその説明を省略し、以下、異なる部分のみ説明する。なお、第1の側面による第4の実施形態である光素子結合構造体の断面図は、第1の側面による第2の実施形態である光素子結合構造体の断面図である図4と同様であるため、それを省略する。
本実施形態においては、光ファイバー用結合剤52と光ファイバー用接着剤22とは、異なる組成物である。更に、光ファイバー用結合剤52の弾性率は、光ファイバー用接着剤22の弾性率よりも小さいことが好ましい。
また、光ファイバー用結合剤52は、第1の側面による第2の実施形態の光ファイバー用結合剤24が充填されている領域に加えて、光ファイバーの先端部を覆って光ファイバーと光導波路を封止するように塗布されている。光ファイバー用結合剤52は、更に、押え部材32と結合され、基板6の導波路部16の上に延び、出口側の光ファイバー用結合剤と連結している。しかしながら、光ファイバー用結合剤52が、第1の側面による第2の実施形態の光ファイバー用結合剤24と同様、光ファイバー2の先端部18と光導波路4との間及び凹部10の領域に充填されているだけであっても良い。
光ファイバー用接着剤22は、第1の側面による第1の実施形態と同様の組成物であっても良いし、光透過性又は屈折率整合性がない接着剤であっても良い。また、光ファイバー用接着剤22は、耐湿接着性が高いものであっても良い。光ファイバー用接着剤22は、例えば、EMI製紫外線熱硬化型エポキシ系樹脂「3553HM」、協立化学製紫外線硬化型エポキシ系樹脂「WR8774」及び「WR8775」である。光ファイバー用結合剤52は、接着剤であってもよいし、ゲル状の組成物であってもよいし、充填剤であってもよい。光ファイバー用結合剤52は、例えば、協立化学製カチオン硬化型シリコーン樹脂「WR8962H」である。
また、上述の光ファイバー用結合剤52及び光ファイバー用接着剤22の弾性率、線膨張係数及びガラス転移温度Tgを適当に選択することにより、周囲環境の温度変化による光ファイバー2と光導波路4との間の相対移動量、即ち、光導波路4への結合損失変動を小さくすることができる。光ファイバー用結合剤52の弾性率は10−6〜10−3GPaであり、その線膨張係数は100〜400ppm/℃であることが好ましく、そのガラス転移温度Tgは任意である。光ファイバー用結合剤52の粘度は、1,000〜5,000mPa・sが好ましく、2,000〜3,000mPa・sがより好ましい。また、光ファイバー用接着剤22の弾性率は0.01〜3.0GPaであり、その線膨張係数は20〜100ppm/℃であることが好ましく、そのガラス転移温度Tgは100℃以上であり且つ周囲環境の温度よりも15℃以上高いことが好ましい。光ファイバー用接着剤22の粘度は、5,000〜100,000mPa・sが好ましく、5,000〜50,000mPa・sがより好ましい。この場合、光ファイバー用接着剤22は、例えば、協立化学製紫外線硬化型エポキシ系樹脂「WR8774」及び「WR8775」であり、光ファイバー用結合剤52は、例えば、協立化学製カチオン硬化型シリコーン樹脂「WR8962H」である。
本発明の第1の側面による第4の実施形態による光ファイバー及び光導波路の光素子結合構造体の製造方法の一例は、上述した第1の側面による第2の実施形態による光素子結合構造体の製造工程に加えて、光ファイバー用結合剤を、光ファイバーの先端部を覆って光ファイバーと光導波路を封止するように塗布すれば良い。
〔実験例〕
上述した本発明の第1の側面による各実施形態についての実験例を以下に説明する。各実験例に共通に用いた条件は、次の通りである。光ファイバー2は、外径125μmのものを使用した。また、基板6は、単結晶であり異方性エッチングが容易なシリコンを使用した。押え部材32は、光ファイバー用接着剤22の紫外線硬化を可能にするために透明であり、しかも、基板6の材料であるシリコンと同じ線膨張係数(3.2ppm/℃)を有するパイレックス(登録商標)ガラスを使用した。
第1の側面による第1の実施形態の実験例1においては、光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24として、弾性率が2.4GPaで、線膨張係数が107ppm/℃で、粘度が250mPa・sで、ガラス転移温度Tgが129℃であり、化学式が
Figure 0004048564
で、Rfが
Figure 0004048564
で表されるフッ素化エポキシ化合物を主成分とする紫外線硬化型エポキシ系樹脂(例えば、ダイキン製「UV2100」)を使用した(「オプトエレクトロニクス材料の開発と応用技術」(2001年2月9日株式会社技術情報協会発行)90頁の表1に記載されたフッ素化エポキシ化合物参照)。周囲環境の温度が65℃変化したときの光ファイバー2と光導波路4との間の相対移動量は0.8μmであり、光導波路4への光の結合損失変動は0.8dBであった。
第1の側面による第2の実施形態の実験例2Aにおいては、光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24として、実験例1と同様、弾性率が2.4GPaで、線膨張係数が107ppm/℃で、粘度が250mPa・sで、ガラス転移温度Tgが129℃であり、上記(式1)でRfが上記(式2)で表されるフッ素化エポキシ化合物を主成分とする紫外線硬化型エポキシ系樹脂(例えば、ダイキン製「UV2100」)を使用した。周囲環境の温度が65℃変化したときの光ファイバー2と光導波路4との間の相対移動量は0.4μmであり、光導波路4への光の結合損失変動は0.4dBであった。
第1の側面による第2の実施形態の実験例2Bにおいては、光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24として、弾性率が0.05GPaで、線膨張係数が200ppm/℃で、粘度が180mPa・sで、ガラス転移温度Tgが111℃であり、化学式が
Figure 0004048564
で表されるフッ素化エポキシアクリレート化合物を主成分とする紫外線硬化型アクリル系樹脂(例えば、NTT−AT製「AT8224」))使用した(「オプトエレクトロニクス材料の開発と応用技術」(2001年2月9日株式会社技術情報協会発行)91頁の表2に記載されたフッ素化エポキシアクリレート化合物参照)。周囲環境の温度が65℃変化したときの光ファイバー2と光導波路4との間の相対移動量は0.2μmであり、光導波路4への光の結合損失変動は0.2dBであった。
第1の側面による第3の実施形態の実験例3においては、光ファイバー用接着剤22及び光ファイバー用結合剤24として、実験例1及び2Aと同様、弾性率が2.4GPaで、線膨張係数が107ppm/℃で、粘度が250mPa・sで、ガラス転移温度Tgが129℃であり、上記(式1)でRfが上記(式2)で表されるフッ素化エポキシ化合物を主成分とする紫外線硬化型エポキシ系樹脂(例えば、ダイキン製「UV2100」)を使用し、封止材42として、弾性率が15.3GPaで、線膨張係数が13.4ppm/℃で、ガラス転移温度Tgが210℃である無溶剤型液状封止材(例えば、日立化成工業製「CEL−C−1900」)を使用した。周囲環境の温度が65℃変化したときの光ファイバー2と光導波路4との間の相対移動量は0.25μmであり、光導波路4への光の結合損失変動は0.2dBであった。
第1の側面による第4の実施形態の実験例4においては、光ファイバー用接着剤22として、弾性率が2.5GPaで、線膨張係数が62ppm/℃で、粘度が30,000mPa・sで、ガラス転移温度Tgが158℃である紫外線硬化型エポキシ系樹脂(例えば、協立化学製「WR8774」)を使用し、光ファイバー用結合剤52として、弾性率が5x10GPaで、線膨張係数が300ppm/℃で、粘度が2,800mPa・sで、ガラス転移温度Tgが−123℃であるカチオン硬化型シリコーン樹脂(例えば、協立化学製「WR8962H」)を使用した(特開2004−196977号公報に記載のカチオン硬化型シリコーン樹脂参照)。周囲環境の温度が65℃変化したときの光ファイバー2と光導波路4との間の相対移動量は0.1μmであり、光導波路4への光の結合損失変動は0.2dBであった。
また、上述した第1の側面による第4の実施形態の実験例4において、光ファイバー用接着剤22として、上述した紫外線硬化型エポキシ系樹脂の代わりに、弾性率2.5GPaで、線膨張係数が88ppm/℃で、粘度が7000mPa・sで、ガラス転移温度が145℃である紫外線硬化型エポキシ系樹脂(例えば、協立化学製「WR8775」)を使用した場合、周囲環境の温度が65℃変化したときの光ファイバー2と光導波路4との間の相対移動量は0.1μmであり、光導波路4への光の結合損失変動は0.2dBであった。
なお、実験例では使用していないが、上述したEMI製紫外線熱硬化型エポキシ系樹脂「3553HM」は、弾性率が1.0GPaで、線膨張係数が55ppm/℃で、粘度が1000mPa・sで、ガラス転移温度Tgが120℃である。
上述した接着剤及び封止材の弾性率、線膨張係数及びガラス転移温度Tgの測定方法は以下のとおりである。
弾性率の測定は、JIS−K7127「プラスチックフィルム及びシートの引張試験方法」に従って測定した。
線膨張係数の測定は、TMA(熱機械分析)法を用いて測定した。測定条件は、5℃/分の引張りモードである。温度を20℃から100℃まで変化させ、25℃のときの測定値を記載した。
ガラス転移温度の測定は、DMA(動的粘弾性率測定)法を用いて測定した。具体的には、レオメトリック・サイエンティフィック製の動的粘弾性率測定装置(溶融粘弾性測定用型式ARES)を使用し、試料を引張モードで振動させながら、温度を20℃から300℃まで昇温速度3℃/分で変化させ、装置によって演算されたガラス転移温度を採用した。
粘度の測定は、JIS−Z8803「粘度測定方法」の円すい−平板形回転粘度計による粘度測定方法に従って測定した。具体的には東京計器製のE形粘度計(型式VPU−3B)を使用し、25℃の環境条件で測定値を記載した。
以下、図面を参照して、本発明の第2の側面による光ファイバー構造体の3つの実施形態を詳細に説明する。
先ず、図9〜図13を参照して、本発明の第2の側面による光ファイバー構造体の第1の実施形態を説明する。図9は、本発明の第2の側面による第1の実施形態である、V字形断面の溝と光導波路とが一体に形成された光素子結合構造体を部分的に断面にした正面図である。また、図10〜図13はそれぞれ、図1の線X−X、線XI−XI、線XII−XII及び線XIII−XIIIにおける断面図である。
図9〜図13に示すように、本発明の第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101は、端面102aを有し且つ長手方向に延びる上流側光ファイバー102と、この上流側光ファイバー102の端面102aと対向する向きに配置された端面104aを有し且つ長手方向に延びる下流側光ファイバー104と、上流側光ファイバー102から下流側光ファイバー104に光が伝達されるようにそれらの間に設けられた光導波路106とを有している。光素子結合構造体101は、更に、上流側光ファイバー102及び下流側光ファイバー104を受入れて位置決めするためのV字形断面の溝108が設けられた基板110と、上流側光ファイバー102をその上から覆い且つ上流側光ファイバー102を基板110に向かって押え付ける上流側押えブロック112と、下流側光ファイバー104をその上から覆い且つ下流側光ファイバー104を基板110に向かって押え付ける下流側押えブロック114と、基板110、光ファイバー102、104及び押えブロック112、114を互いに固定するためにそれらの間の空間に充填された接着剤116とを有している。
上流側光ファイバー102及び下流側光ファイバー104はそれぞれ、光ファイバーコア102b、104bと、その周りに配置された光ファイバークラッド102c、104cとを有している。光導波路106は、上流側光ファイバー102及び下流側光ファイバー104の光ファイバーコア102b、104bと整列する光導波路コア106aと、その周りに形成された光導波路クラッド106bとを有している。上流側光ファイバー102は、長手方向に対して横方向に互いに平行に設けられた複数の光ファイバーから構成されている。本実施形態では、上流側光ファイバー102が2本設けられ、下流側光ファイバー104が1本設けられ、光素子結合構造体101は光結合器を構成している。従って、光導波路コア106aの上流端部106cは、2本の上流側光ファイバー102と整列するように2本設けられ、この2本の光導波路コア106aは、その下流端部106dに向かうにつれて近づいて1本に結合され、下流端部106dにおいて、1本の下流側光ファイバー104と整列している。光ファイバー102、104の径は、例えば、125μmである。また、光ファイバーコア102a、104aは、例えば、石英で形成されている。光導波路コア106aは、例えば、高分子材料又は石英で形成されている。
基板110は、上流側光ファイバー102、光導波路106、下流側光ファイバー104に共通の基板である。基板110は、上流側光ファイバー102が固定されている上流部110aと、光導波路106が一体に形成されている中間部110bと、下流側光ファイバー104が固定されている下流部110cとを有している。上流部110aと中間部110bとの間及び中間部110bと下流部110cとの間にはそれぞれ、上方向及び横方向に開口した上流側凹部118及び下流側凹部120が形成されている。上流側凹部118は、上流部110aの下流側端面118aと中間部110b及び光導波路106の上流側端面118bとによって構成されている。これら下流側端面118a及び上流側端面118bは、互いに平行であり、下方に向かうにつれて上流側に傾斜している。また、下流側凹部120は、中間部110b及び光導波路106の下流側端面120aと下流部110cの上流側端面120bとによって構成されている。これら下流側端面120a及び上流側端面120bは、互いに平行であり、下方に向かうにつれて下流側に傾斜している。上流側凹部118及び下流側凹部120の長手方向の幅は、約100〜200μmであり、上下方向に対する傾斜角度は、約4〜8度である。
上流部110aには、上流側光ファイバー102が上流側凹部118に突出するように配置され、下流部110bには、下流側光ファイバー104が下流側凹部120に突出するように配置されている。上流側光ファイバー102の端面102a及び下流側光ファイバー104の端面104aは、光導波路106にできるだけ近接していることが好ましいが、実際には、光ファイバー102、104の自動組立てを容易にするために、光ファイバー102、104の端面102a、104aと光導波路106との間には、約10〜20μmの隙間が設けられている。
基板110の上流部110aは、複数の上流側光ファイバー102に対応するV字形断面の溝108が設けられた平らな上面122を有している。本実施形態では、上面122に、2本の上流側光ファイバー102を受入れて位置決めするために長手方向に延び且つ互いに横方向に平行に配置された2つのV字形断面の溝108が設けられている。V字形断面の溝108は各々、2つの溝面124によって構成されている。2つの溝面124は、既知の外径の上流側光ファイバー102が2つの溝面124に当接して配置されたときに上流側光ファイバー102と光導波路106とがサブミクロンの精度で位置合わせされるように形成されている。上流側光ファイバー102が溝108に配置されているとき、上流側光ファイバー102と溝面124とが最も接近する2つの箇所126と、上流側光ファイバー102と溝面124とによって包囲される空間128とが形成されている。
上流側押えブロック112は、上流側光ファイバー102の端面102a側から長手方向に順に隣接して設けられた接触部分130a、中間部分132a及び接触部分130bを有している。本実施形態では、接触部分130a、130bは、上流側押えブロック112の長手方向両端部に設けられ、その間に中間部分132aが1つ設けられている。接触部分130a、130bは、上流側光ファイバー102を上流側押え部材112によって基板110に向かって押え付けたとき、上流側光ファイバー102に接触して上流側光ファイバー102を基板110に向かって押え付ける部分である。中間部分132aは、上流側光ファイバー102を上流側押え部材112によって基板110に向かって押え付けたとき、接着剤116を介して上流側光ファイバー102と間隔をおいている部分である。
図10に示すように、接触部分130aは、長手方向に上流側光ファイバー102と接触して上流側光ファイバー102を基板110に向かって押し付けるための接触面134と、上流側光ファイバー102を中心に接触面134の両側に設けられ且つ基板110の上面122と対向する対向面136とを有している。本実施形態では、接触面134は、対向面136に対する凹み部を構成し、上流側光ファイバー102を囲むように湾曲している。凹み部の両側に位置する対向面136と基板110の上面122との間には、隙間が設けられている。対向面136と基板110の上面122との間の距離は、好ましくは、20μm〜40μmであり、更に好ましくは、20μm〜30μmである。
接触部分130bは、接触部分130aと同様の構造を有しているので、その説明を省略する。
中間部分132aは、基板110の上面122と対向し且つ上流側光ファイバー102を横断する平らな下面138を有している。本実施形態では、下面138は、基板110の上面122とほぼ平行な平面である。従って、中間部分132aの下面138と基板110の上面122との間の距離は、接触部分130a、130bの対向面136と基板110の上面122との間の距離よりも大きくなっている。
接触部分130a、130bの長手方向長さは、好ましくは、上流側光ファイバー102の直径の0.5〜5倍、更に好ましくは、2〜3倍であることが好ましい。また、中間部分132aの長手方向長さは、好ましくは、上流側光ファイバー102の直径の1〜8倍、更に好ましくは、5〜7倍であることが好ましい。従って、上流側光ファイバー102の直径が125μmである場合、接触部分130a、130bの長手方向長さは、好ましくは、60〜625μm、更に好ましくは、250〜375μmである。また、中間部分132aの長手方向長さは、好ましくは、125〜1000μm、更に好ましくは、625〜875μmである。
図9、図12及び図13に示すように、基板110の下流部110c及び下流側押えブロック114はそれぞれ、上流側光ファイバー102の本数から下流側光ファイバー104の本数に対応させた構造の変更以外、光導波路106を中心に基板110の上流部110a及び上流側押えブロック112と対称に構成されている。従って、基板110の上流部110a及び上流側押えブロック112と共通する基板110の下流部110c及び下流側押えブロック114の構成要素に同じ参照符号を付し、それらの説明を省略する。また、下流側押えブロック114の接触部分130a及び中間部分132aにおける光素子結合構造体101の断面はそれぞれ、図12及び図13である。
接着剤116の粘度は任意であるが、温度変化による光素子結合構造体101の結合損失の変動を小さくするために、好ましくは、10,000〜50,000mPa・sであり、さらに好ましくは、20,000〜40,000mPa・sである。接着剤116の弾性率及び線膨張係数も任意であるが、好ましくは、弾性率は0.01〜3.0GPaであり、線膨張係数は20〜100ppm/℃である。接着剤116は、例えば、協立化学製紫外線硬化型エポキシ系樹脂「WR8774」(粘度30,000mPa・s、弾性率が2.5GPa、線膨張係数62ppm/℃)である。
また、上流側凹部118及び下流側凹部120には、接着剤116と異なる種類の結合剤144が充填されている。結合剤144は、光ファイバーから光導波路へ伝送される光が通過するため、光に対して透明であることが必要である。また、結合剤144の屈折率は、光ファイバーコア102b、104bの屈折率とほぼ同じ屈折率を有することが好ましい。結合剤144は、接着剤であってもよいし、ゲル状の組成物であってもよいし、充填剤であってもよい。結合剤144は、例えば、協立化学製カチオン硬化型シリコーン樹脂「WR8962H」である。
次に、本発明の第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101の製造方法の一例を説明する。シリコン、高分子材料等で作られた基板110を準備し、V字形断面の溝108を、フォトリソグラフィにより作成したレジストパターンに従って異方性エッチングを施すことによって形成する。次いで、V字形断面の溝108を形成した基板110に光導波路106を形成する。詳細に説明すると、光導波路106を高分子材料で形成する場合には、スピン塗布や鋳型などによりクラッド層106b及びその上のコア層を形成した後、フォトリソグラフィ、反応性イオンエッチングなどのプロセス加工や、型押し等の機械加工を施してコア層から矩形断面の光導波路コア106aを形成し、更に、上記と同様の方法により光導波路コア106aを覆うようにクラッド層106bを形成して、光導波路106を形成する。また、光導波路106を石英で形成する場合には、火炎堆積法やCVD法などにより基板110の上に石英層を形成し、ドライエッチングなどのプロセス加工により矩形の石英コア106aにした後、コア106aを覆うようにクラッド層106bを形成して、光導波路106を形成する。V字形断面の溝108の形成工程及び光導波路106の形成工程は、光ファイバー102、104を溝108の溝面124に載せたときに光ファイバー102、104と光導波路106とがサブミクロンの精度で位置合わせされるような溝面124と光導波路106との位置関係が得られるように行われる。次いで、ダイシング加工等により、上流側凹部118及び下流側凹部120を形成する。
次いで、基板110の溝108及び上面122に適量の接着剤116を塗布する。光ファイバー102、104の端面102a、104aがそれぞれ上流側凹部118及び下流側凹部120に突出するように、光ファイバー102、104を溝124面に配置する。必要であれば、適量の接着剤116を光ファイバー102、104の上に追加塗布する。押え部材112、114を光ファイバー102、104の上から所定の圧力で所定時間押すことにより、光ファイバー102、104を溝面124に近づける。このとき、押え部材112、114と基板110との間に気泡が入らないように注意する。
詳細には、接触部分130a、130bの断面における光ファイバー102、104と溝108との間の空間128内にある接着剤116は、接触部分130a、130bの断面における光ファイバー102、104と溝面124との間の隙間126から流出しないで(図10及び図12参照)、中間部分132aの断面における光ファイバー102、104と溝108との間の空間128内に移動する(図11及び図13参照)。次いで、中間部分132aの断面における光ファイバー102、104と溝面124との間の隙間126から流出し、押えブロック112、114の下面138と基板110の上面122との間の空間に移動する(図11及び図13参照)。また、上流側押えブロック112の接触部分130a、130bの断面において、2本の光ファイバー102の間の空間内にある接着剤116(図10参照)は、中間部分132aの断面における2本の光ファイバー102の間の空間内に移動する(図11参照)。次いで、接着剤116は、光ファイバー102の上を越えて移動する。それにより、接着部分130a、130bにおいて、光ファイバー102、104がV字形断面の溝108の溝面に124にしっかりと押し付けられる。
その後、接着剤116を、例えば紫外線照射により硬化させ、基板110、光ファイバー102、104及び押え部材112、114を互いに固定する。次に、結合剤144を上流側凹部118及び下流側凹部120に塗布し、例えば紫外線照射により硬化させる。
次に、図14を参照して本発明の第2の側面による光ファイバー構造体の第2の実施形態を説明する。図14は、本発明の第2の側面による第2の実施形態である、V字形断面の溝と光導波路とが一体に形成された光素子結合構造体を部分的に断面にした正面図である。
本発明の第2の側面による第2の実施形態である光素子結合構造体150は、上述した第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101の上流側押えブロック112及び下流側押えブロック114の代わりにそれぞれ上流側押えブロック152及び下流側押えブロック154が設けられていること以外、光素子結合構造体101と同様の構造を有している。従って、以下、第2の側面による第1の実施形態と共通する構成要素に同様の番号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
光素子結合構造体150は、上流側光ファイバー102をその上から覆い且つ上流側光ファイバー102を基板110に向かって押え付ける上流側押えブロック152と、下流側光ファイバー104をその上から覆い且つ下流側光ファイバー104を基板110に向かって押え付ける下流側押えブロック154とを有している。
上流側押えブロック152は、上流側光ファイバー102の端面102a側から長手方向に隣接して且つ互い違いに設けられた5つの接触部分156a〜156e及び4つの中間部分158a〜158dを有している。本実施形態では、接触部分156a及び156eは、上流側押えブロック152の長手方向両端部に設けられている。接触部分156a〜156eは、上流側光ファイバー102を上流側押え部材152によって基板110に向かって押え付けたとき、上流側光ファイバー102に接触して上流側光ファイバー102を基板110に向かって押え付ける部分である。中間部分158aは、上流側光ファイバー102を上流側押え部材112によって基板110に向かって押え付けたとき、接着剤116を介して上流側光ファイバー102と間隔をおいている部分である。
接触部分156a〜156eの各々は、第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101の接触部分130aと同様の構成要素を有している(図10参照)。また、中間部分158a〜158dの各々は、第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体1の中間部分132aと同様の構成要素を有している(図11参照)。従って、第2の側面による第1の実施形態と同様の構成要素については、同じ参照符号を付し、接触部分156a〜156e及び中間部分158a〜158dの構成要素の説明を省略する。
また、下流側押えブロック154は、上流側光ファイバー102の本数から下流側光ファイバー104の本数に対応させた構造以外、光導波路106を中心に下流側押えブロック152と対称に構成されている。従って、上流側押えブロック152と共通する下流側押えブロック154の構成要素に同じ参照符号を付し、それらの説明を省略する。また、下流側押えブロック154の接触部分156a〜156e及び中間部分158a〜158dにおける光素子結合構造体150の断面はそれぞれ、第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101の下流側押えブロック114の接触部分130a及び中間部分132aにおける断面(それぞれ図12及び図13参照)と同じである。
本発明の第2の側面による第2の実施形態である光素子結合構造体150の製造方法の一例は、第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101の上流側押えブロック112及び下流側押えブロック114の代わりにそれぞれ上流側押えブロック152及び下流側押えブロック154を用いていること以外、第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101の製造方法と同様であるので、その説明を省略する。
次に、図15〜図19を参照して本発明の第2の側面による光ファイバー構造体の第3の実施形態を説明する。図15は、本発明の第2の側面による第3の実施形態である、V字形断面の溝と光導波路とが一体に形成された光素子結合構造体を部分的に断面にした正面図である。また、図16〜図19はそれぞれ、図7の線XVI−XVI、線XVII−XVII、線XVIII−XVIII及び線XIX−XIXにおける断面図である。
本発明の第2の側面による第3実施形態である光素子結合構造体170は、上述した第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101の基板110の上流部110a及び下流部110cそれぞれの代わりに上流部110d及び下流部110eが設けられ、押えブロック112、114それぞれの代わりに押えブロック172、174が設けられていること以外、光素子結合構造体101と同様の構造を有している。従って、以下、第2の側面による第1の実施形態と異なる構成要素だけを説明し、第2の側面による第1の実施形態と共通する構成要素には第2の側面による第1の実施形態と同じ参照符号を付し、それらの説明を省略する。
図16及び図17に示すように、上流側押えブロック172は、第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101の上流側押えブロック112の接触部分130aと同様の構造を有している。従って、接触部分130aと同様の上流側押えブロック172の構成要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
基板110の上流部110dは、上流側光ファイバー102の端面102a側から長手方向に順に隣接して設けられた溝付き部分178a、中間部分180a及び溝付き部分178bを有している。本実施形態では、溝付き部分178a及び178bは、上流部110dの長手方向両端部に設けられ、中間部分180aは、それらの間に設けられている。
図16に示すように、溝付き部分178aは、第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101の上流部110dと同様の構造を有している。また、溝付き部分178bは、溝付き部分178aと同様の構造を有している。従って、光素子結合構造体101と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
図17に示すように、中間部分180aは、上流側光ファイバー102を上流側押えブロック172によって基板110に向かって押え付けたとき、接着剤116を介して上流側光ファイバー102と間隔をおいている。また、中間部分180aは、上流側押えブロック172と対向し且つ上流側光ファイバー102aを横断する平らな上面182を有している。本実施形態では、上面182は、溝付き部分178aの上面122とほぼ平行な平面である。上面182には、溝付き部分178a、178bの溝108の一部分が連続して設けられるが、それらが設けられていなくても良い。中間部分180aの上面182と上流側押えブロック172の対向面136との間の距離は、溝付き部分178a、178bの上面122と上流側押えブロック172の対向面136との間の距離よりも大きくなっている。
溝付き部分178a、178bの長手方向長さは、上流側光ファイバー102の直径の2〜3倍であることが好ましい。また、中間部分180aの長手方向長さは、上流側光ファイバー102の直径の5倍よりも大きいことが好ましい。従って、上流側光ファイバー102の直径が125μmである場合、溝付き部分178a、178bの長手方向長さは、約250〜375μmであることが好ましく、中間部分180aの長手方向長さは、625μmよりも大きいことが好ましい。
図15、図18及び図19に示すように、基板110の下流部110e及び下流側押えブロック174はそれぞれ、上流側光ファイバー102の本数に対応する構造から下流側光ファイバー104の本数に対応させた構造以外、光導波路106を中心に基板110の上流部110d及び上流側押えブロック172と対称に構成されている。従って、基板110の上流部110d及び上流側押えブロック172と共通する基板110の下流部110e及び下流側押えブロック174の構成要素に同じ参照符号を付し、それらの説明を省略する。また、下流側押えブロック174の第1の溝付き部分178a及び中間部分180aにおける光素子結合構造体101の断面はそれぞれ、図18及び図19である。
本発明の第2の側面による第3の実施形態である光素子結合構造体170の製造方法の一例は、第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101の上流側押えブロック112及び下流側押えブロック114の代わりにそれぞれ上流側押えブロック172及び下流側押えブロック174を用いていること、V字形断面の溝108を形成した後、ダイシング加工等により、基板110の上面182を形成する工程を追加すること以外、第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101の製造方法と同様であるので、その説明を省略する。
次に、上述した本発明の第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101及び第2の側面による第2の実施形態である光素子結合構造体150の実施例と、従来技術の光素子結合構造体200の比較例について説明する。これら3つの光素子結合構造体は、光ファイバー102,104,202、204の直径が125μm、押えブロック112、114、152、154、212、214の対向面136と基板110、210の上面122との間の距離が30μm、押えブロック112、114、152、154、212、214の長手方向長さが1350μmであった。接着剤116は、協立化学製紫外線硬化型エポキシ系樹脂「WR8774」(粘度30,000mPa・s、弾性率が2.5GPa、線膨張係数62ppm/℃)を採用した。
光素子結合構造体101では、第1の接触部分130aの長手方向長さが300μm(光ファイバーの直径の2.4倍)であり、中間部分132aの長手方向長さが750μm(光ファイバーの直径の6倍)であった。
光素子結合構造体150では、第1の接触部分130aの長手方向長さが110μm(光ファイバーの直径の0.89倍)であり、中間部分132aの長手方向長さが200μm(光ファイバーの直径の1.6倍)であった。
光素子結合構造体200では、全長1350μmが第1の接触部分に相当し、中間部分は存在しない。
押えブロックを112、114、152、154、212、214を光ファイバー102,104,202、204の上から適当な圧力で適当な時間押した結果、+25℃における結合損失は、光素子結合構造体101が0〜0.04dB、光素子結合構造体150が0.13〜0.47dBであり、光素子結合構造体200が0.77〜1.05dBであった(図28参照)。このように、本発明による光素子結合構造体では、比較的高い粘度の接着剤を使用したときの結合損失を、従来技術の光素子結合構造体よりも改善することができた。
また、図29に示したように、協立化学製紫外線硬化型エポキシ系樹脂「WR8774」(粘度30,000mPa・s)を使用した場合、温度が−40℃〜+85℃にわたって変化したときの結合損失の変動は、0.26dBである。従って、温度が−40℃〜+85℃にわたって変化したときの結合損失は、+25℃における結合損失を中心に変動するので、光素子結合構造体101が0.13〜0.17dB、光素子結合構造体150が0.26〜0.60dB、光素子結合構造体200が0.90〜1.18になる。このように、本発明による光素子結合構造体では、温度が−40℃〜+85℃にわたって変化したときの結合損失を0.6dB以下、又は、0.4dB以下にすることができる。
図20は、押えブロック112の接触部分130aにおいて長手方向に対する横方向に切断した本発明による光素子結合構造体101の実施例の断面を金属顕微鏡で見たときの概略図である。また、図21は、押えブロック212において長手方向に対する横方向に切断した従来技術の光素子結合構造体200の比較例の断面を金属顕微鏡で見たときの概略図である。
図20及び図21から分かるように、本発明による光素子結合構造体101では、光ファイバー102と溝108との間の隙間がほぼ0μmであり、光ファイバー102と溝108とが実質的に接触し、それらの間の隙間に接着剤116が存在していなかった。これに対し、従来技術の光素子結合構造体200では、光ファイバー202と溝208との間の0.5〜1.0μmの隙間に接着剤216が残留していた。なお、押えブロック112の中間部分132aにおいて長手方向に対する横方向に切断した本発明による光素子結合構造体101の実施例の断面を金属顕微鏡で見たとき、光ファイバー102と溝108との間の0.5〜1.0μmの隙間に接着剤が残留していた。
図22は、本発明の第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体101の上述した実施例における、+25℃での接着剤144の厚み、即ち、対向面136と基板110の上面122との間の距離と結合損失との関係を示す図である。図22から分かるように、接着剤厚みが20〜40μmのとき、結合損失を0.5dB以下にすることができた。また、接着剤厚みがそれよりも小さいとき、光ファイバー102、104にかかる応力が増大し、それに応じて結合損失も増大した。また、接着剤厚みがそれよりも大きいとき、光ファイバー102、104の接着力が低下し、それに応じて結合損失も増大した。また、接着剤厚みが30μmの場合、結合損失を0.2dB以下にすることができた。
図23は、図22と同じ実施例において、温度を−40℃〜+85℃にわたって変化させたときの接着剤厚みと結合損失変動との関係を示す図である。図23から分かるように、接着剤厚みが10〜30μmのとき、結合損失変動を0.3dB以下にすることができた。接着剤厚みがそれよりも大きいとき、光ファイバーの接着力が低下し、それに応じて結合損失変動も増大した。
図24は、図22と同じ実施例においてプレッシャクッカーテスト(試験条件:121℃、100%RH,2atm、100時間保持)を行ったときの、接着剤厚みと結合損失変動との関係を示す図である。図24から分かるように、接着剤厚みが30μmよりも大きいとき、光ファイバーの接着力が低下し、それに応じて結合損失変動も増大した。なお、図24はプレッシャクッカーテスト後に結合損失が増大した場合を正として図の縦軸を規定している。
図25は、図22と同じ実施例において接着剤厚みを20μmとして、85℃/85%RHの高温高湿試験を行ったときの結合損失変動を示す図である。図24から分かるように、結合損失変動は、5000時間にわたって±0.2dBの範囲内に入った。なお、図25は高温高湿試験後に結合損失が増大した場合を負として縦軸を規定している。
以上、本発明の第2の側面による光ファイバー構造体の実施形態を説明したけれども、本発明は、上述した第2の側面による実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内での種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されることは言うまでもない。
上述した本発明の第2の側面による実施形態では、本発明による光ファイバー構造体を、V字形断面の溝と光導波路とが一体に形成された光素子結合構造体101、150,170として説明したけれども、光ファイバー構造体は、光ファイバーアレイであっても良いし、光ファイバーアレイと光導波路とが接着剤で連結された光素子結合構造体等であっても良い。
また、上述の本発明の第2の側面による実施形態では、光素子結合構造体101、150,170を、2本の上流側光ファイバー102及び1本の下流側光ファイバー104を有する光結合器として説明したけれども、上流側光ファイバー102の本数及び下流側光ファイバー104の本数は任意である。例えば、上流側光ファイバー102の本数を1本とし、下流側光ファイバー104の本数を複数本とし、光導波路106をそれに対応した構造にすることにより、光ファイバー構造体を光スプリッタとして形成してもよい。
また、上述した本発明の第2の側面による第1及び第2の実施形態では、押えブロック112、114、152,154,172,174の接触面134が湾曲し、その両側に基板110の上面122と対向する対向面136が設けられていたけれども、押えブロック112、114、152,154,172,174が光ファイバー102、104と接触してそれらを基板110に向かって押え付けることができれば、接触面134及び対向面136の形状は任意である。例えば、接触面134及び対向面136が1つの平面又は湾曲面を構成していても良いし、接触面134と対向面136との間が階段状になっていても良い。
また、上述した本発明の第2の側面による第1及び第2の実施形態では、押えブロック112、114、152,154の中間部分132a〜132dの下面138を平面としたけれども、光ファイバー102、104と間隔をおいていれば、下面138の形状は任意である。例えば、光ファイバー102、104を包囲するように湾曲していても良いし、下面138の横方向両端部が隣接した接触部分130a〜130eの対向面136と連続していても良い。
また、上述した本発明の第2の側面による第3の実施形態では、基板110の中間部分180aの上面182を平面としたけれども、光ファイバー102、104と間隔をおいていれば、上面182の形状は任意である。例えば、光ファイバー102、104を包囲するように湾曲していても良いし、上面182の横方向両端部が隣接した溝付き部分180a、180bの上面122と連続していても良い。
また、本発明の第2の側面による第1及び第2の実施形態の押えブロック112、114、152,154において、接触部分130a〜130eの個数は任意であるが、少なくとも2つの接触部分を設けることが好ましい。少なくとも2つの接触部分を設けることにより、押えブロック112、114、152,154が安定的に基板110に固定され、温度変化によって接着剤116が光ファイバー102、104に及ぼす応力を軽減することができる。また、接触部分130a〜130eが押えブロック112、114、152,154の長手方向両端部に設けられる必要はなく、中間部分132a〜132dが押えブロック112、114、152,154の長手方向端部に設けられても良い。また、接触部分130a〜130eの長手方向長さは、所定の結合損失を満たせば、任意である。
また、本発明の第2の側面による第1及び第2の実施形態の光ファイバー102、104の端面102a,104aの最も近くに設けられた接触部分130aは、光ファイバー102、104の端面102a、104aに近い方が好ましい。しかしながら、上述した第2の側面による実施形態のように、所定の結合損失を満たせば、光ファイバー102、104の端面102a、104aから離れた位置に接触部分130aを設けても良い。
また、上述した第2の側面による第1及び第2の実施形態の接触部分130a〜130eの変形形態は、第2の側面による第3の実施形態の溝付き部分180a、180bについても同様に当てはまる。
[図1]本発明の第1の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体の、部分的に断面にした正面図である。
[図2]図1の線II−IIにおける断面図である。
[図3]本発明の第1の側面による第2の実施形態である光素子結合構造体の、部分的に断面にした正面図である。
[図4]図3の線IV−IVにおける断面図である。
[図5]本発明の第1の側面による第3の実施形態である光素子結合構造体の、部分的に断面にした正面図である。
[図6]本発明の第1の側面による第4の実施形態である光素子結合構造体の、部分的に断面にした正面図である。
[図7]従来技術の光素子結合構造体の正面図である。
[図8]従来技術の光素子結合構造体の正面断面図である。
[図9]本発明の第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体を部分的に断面にした正面図である。
[図10]図9の線X−Xにおける断面図である。
[図11]図9の線XI−XIにおける断面図である。
[図12]図9の線XII−XIIにおける断面図である。
[図13]図9の線XIII−XIIIにおける断面図である。
[図14]本発明の第2の側面による第2の実施形態である光素子結合構造体を部分的に断面にした正面図である。
[図15]本発明の第2の側面による第3の実施形態である光素子結合構造体を部分的に断面にした正面図である。
[図16]図15の線XVI−XVIにおける断面図である。
[図17]図15の線XVII−XVIIにおける断面図である。
[図18]図15の線XVIII−XVIIIにおける断面図である。
[図19]図15の線XIX−XIXにおける断面図である。
[図20]押えブロックの接触部分において横方向に切断した、本発明の第2の側面による第1の実施形態である光素子結合構造体の実施例の断面を顕微鏡で見たときの概略図である。
[図21]押えブロックにおいて横方向に切断した、従来技術の光素子結合構造体の比較例の断面を顕微鏡で見たときの概略図である。
[図22]接着剤厚みと結合損失との関係の実験例を示す図である。
[図23]接着剤厚みと結合損失変動との関係の実験例を示す図である。
[図24]プレッシャクッカーテストを行ったときの接着剤厚みと結合損失変動との関係の実験例を示す図である。
[図25]高温高湿試験を行ったときの結合損失変動の実験例を示す図である。
[図26]従来技術の光素子結合構造体を部分的に断面にした正面図である。
[図27]図26の線XXVII−XXVIIにおける断面図である。
[図28]周囲温度+25℃における、接着剤の粘度と結合損失の測定値との関係を示す図である。
[図29]周囲温度が−40℃〜+85℃にわたって変化したときにおける、接着剤の粘度と結合損失の測定値の変動との関係を示す図である。
[図30]接着剤の弾性率と粘度の関係を示す図である。

Claims (11)

  1. 端面を有し且つ長手方向に延びる光ファイバーと、前記光ファイバーを受入れて位置決めするためのV字形断面の溝が設けられた基板と、前記光ファイバーをその上から覆い且つ前記光ファイバーを前記基板に向かって押え付ける押え部材と、前記基板、前記光ファイバー及び前記押え部材を互いに固定するためにそれらの間の空間に充填された接着剤とを、有する光ファイバー構造体であって、
    前記押え部材は、前記光ファイバーの端面側から長手方向に順番に隣接して設けられた第1の接触部分、中間部分及び第2の接触部分を有し、前記光ファイバーを前記押え部材によって前記基板に向かって押え付けたとき、前記押え部材の第1の接触部分及び第2の接触部分が、前記光ファイバーに接触して前記光ファイバーを前記基板に向かって押え付け、前記押え部材の中間部分は、前記接着剤を介して前記光ファイバーと間隔をおいていることを特徴とする光ファイバー構造体。
  2. 前記光ファイバーは、互いに平行に設けられた複数の光ファイバーから構成され、前記複数の光ファイバーに対応する前記V字形断面の溝が前記基板に設けられることを特徴とする請求項に記載の光ファイバー構造体。
  3. 前記押え部材の第1の接触部分は、前記光ファイバーと接触して前記光ファイバーを基板に向かって押し付けるための接触面と、前記光ファイバーを中心に前記接触面の両側に設けられ且つ前記基板と対向する対向面と、を有し、前記接触面は、前記対向面に対する凹み部を構成し、この凹み部の両側に位置する前記対向面と前記基板との間の距離は、20〜40μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバー構造体。
  4. 前記接着剤の粘度は10,000〜50,000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光ファイバー構造体。
  5. 前記接着剤の弾性率は、0.01〜3.0GPaであり、その線膨張係数は20〜100ppm/℃であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光ファイバー構造体。
  6. 前記第1の接触部分の長手方向長さは、前記光ファイバーの直径の0.5〜3倍であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光ファイバー構造体。
  7. 前記基板は、前記V字形断面の溝が設けられた上面を有し、前記中間部分は、前記基板の上面と対向し且つ前記光ファイバーを横断する平らな下面を有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の光ファイバー構造体。
  8. 端面を有し且つ長手方向に延びる光ファイバーと、前記光ファイバーを受入れて位置決めするためのV字形断面の溝が設けられた基板と、前記光ファイバーをその上から覆い且つ前記光ファイバーを前記基板に向かって押え付ける押え部材と、前記基板、前記光ファイバー及び前記押え部材を互いに固定するためにそれらの間の空間に充填された接着剤とを、有する光ファイバー構造体であって、
    前記基板は、前記光ファイバーの端面側から長手方向に順番に隣接して設けられた第1の溝付き部分、中間部分及び第2の溝付き部分を有し、前記基板の第1の溝付き部分及び第2の溝付き部分に、前記V字形断面の溝が設けられ、前記基板の中間部分は、前記接着剤を介して前記光ファイバーと間隔をおいていることを特徴とする光ファイバー構造体。
  9. 前記光ファイバー構造体は、光ファイバーアレイであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の光ファイバー構造体。
  10. 前記光ファイバー構造体は、前記V字形断面の溝と光導波路とが一体に結合され、V字形断面の溝に配置した光ファイバーと光導波路とを結合させた光素子結合構造体であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の光ファイバー構造体。
  11. 前記光ファイバー構造体は、光ファイバーアレイと光導波路とを結合させた光素子結合構造体であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の光ファイバー構造体。
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