JPH11258459A - 光ファイバコネクタ - Google Patents

光ファイバコネクタ

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JPH11258459A
JPH11258459A JP403999A JP403999A JPH11258459A JP H11258459 A JPH11258459 A JP H11258459A JP 403999 A JP403999 A JP 403999A JP 403999 A JP403999 A JP 403999A JP H11258459 A JPH11258459 A JP H11258459A
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JP
Japan
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optical fiber
pressing member
adhesive
groove
fiber connector
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JP403999A
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Inventor
Masaru Yui
大 油井
Tomokane Hirose
智財 広瀬
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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  • Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度特性の良好な光ファイバコネクタを提供
する。 【解決手段】 光ファイバ3は、被覆部3bが被覆載置
部1bに載置され、被覆を除去した裸ファイバ3aがV
溝1aに配置され、押圧部材2で押圧して、接着剤4で
固定されている。押圧部材の長さをV溝の長さより長く
して、押圧部材の下面がV溝の後方へ延長するようにし
た。押圧部材を延長させたことによって、接着剤が押圧
部材の上方へ這いあがる量を少なくでき、接着剤の固化
の際の収縮や、温度変化による接着剤の膨張・収縮を抑
えて、光ファイバの及ぼす応力を小さくでき、損失増を
小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路等の光デ
バイスに光ファイバを接続するために用いられる、光フ
ァイバを固定した光ファイバコネクタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】特許第2557164号公報には、前方
にV溝を有し、後方にV溝から段差をもって形成された
被覆載置部が設けられた基板を用いて、被覆光ファイバ
の被覆を除去して露出させた裸ファイバをV溝に整列さ
せ、被覆部分を被覆載置部に載置して、裸ファイバを押
圧部材によってV溝に押しつけ、接着剤によって光ファ
イバを固定した光ファイバコネクタが記載されている。
押圧部材の長さとV溝の長さはほぼ等しく、したがっ
て、被覆載置部の段差と押圧部材の後端がほぼ一致して
いる。被覆載置部の段差は、光ファイバの被覆部の直径
の約1/2であり、光ファイバを被覆載置部に載置した
ときに、光ファイバがV溝の中心に位置する。
【0003】図13は、このような光ファイバコネクタ
を説明するためのもので、図13(A)は光ファイバを
配置する前の斜視図、図13(B)は光ファイバを把持
した状態の斜視図、図13(C)は光ファイバの中心を
とおる縦断面図である。図中、1は基板、1aはV溝、
1bは被覆載置部、2は押圧部材、3は被覆光ファイ
バ、3aは裸ファイバ、3bは被覆部、4は接着剤であ
る。なお、図13(B)では接着剤の図示を省略した。
【0004】図13(A)に示すように、基板1の前方
には、上面にV溝1aが形成され、後方に段差をもって
被覆載置部1bが形成されている。被覆光ファイバ3の
被覆を除去して露出させた裸ファイバをV溝1aに配列
させて、図13(B)に示すように、上から押圧部材2
によって押さえつけた状態で、V溝1aと押圧部材2と
の間の裸ファイバの周囲、ならびに、被覆載置部に載置
された光ファイバの周囲に、接着剤4を注入して、光フ
ァイバ3を固定する。例えば、裸ファイバ3aの外径は
125μm、被覆部3bの外径は250μmである。V
溝1aに載置されている裸ファイバ3aの中心と被覆載
置部1bの上面との段差は125μmであり、V溝1a
に載置された裸ファイバ3aから被覆部3bにかけて、
光ファイバコネクタ内においては、図13(C)に示す
ように、光ファイバの中心はほぼ直線となるように位置
されている。なお、前端の端面は、導波路等と接続する
ために研磨される。通常は、反射戻り光を低減させるた
め8゜に斜め研磨される。
【0005】光ファイバコネクタと、導波路との接続例
について説明しておく。図14は、光ファイバコネクタ
の使用状態の一例を説明するためのものであり、図14
(A)は側面図、図14(B)は平面図である。なお、
内部を見易くするために、細線で図示した。図中、1
1,11’は光ファイバコネクタ、12.12’は8心
のテープ状光ファイバ心線、13は導波路チップ、14
は導波路である。導波路チップ13の両端面は、8゜の
傾斜角度に研磨され、両側から調心されて光ファイバコ
ネクタ11,11’が接着される。導波路チップ13に
は、導波路14で4組のカプラが形成されており、両側
の8つのポートがそれぞれ両側の光ファイバコネクタ1
1,11’のテープ状光ファイバ心線12,12’に結
合されており、合波・分波を行なう。
【0006】図13に戻って説明する。図13(C)に
示すように、光ファイバコネクタの各部材と光ファイバ
が接着剤で固定された状態においては、光ファイバの中
心がほぼ直線状であると説明したが、実際は、接着剤を
硬化させるときに接着剤が収縮する。また、使用環境温
度が変化すると接着剤の膨張収縮が生じる。このような
接着剤の体積変化は、光ファイバコネクタの各構成部材
の変形を引き起こし、光ファイバに応力を与え、光ファ
イバコネクタが接続された光導波路などのデバイスの温
度特性を劣化させる。図13(B),(C)に示すよう
に、被覆載置部の段差部分と押圧部材2の後端面とがほ
ぼ一致しているから、接着剤4は、押圧部材2の後端面
に沿って上方に這いあがり、V溝後部の接着剤の量が多
くなる。
【0007】図15に低温時と高温時における光ファイ
バコネクタの変形の様子を模式図で示す。低温時には、
接着剤4が収縮し、図15(A)に示すように、押圧部
材2の後方の角部であるA部において、裸ファイバ3a
に局所的な応力が加えられる。また、高温時には、図1
5(B)に示すように、V溝の角部であるB部におい
て、裸ファイバ3aに局所的な応力が加わられる。この
ような応力は、V溝後部の接着剤の量が多いと大きくな
る。モデル計算によると、室温から60℃の温度変化が
あるとA部またはB部で約2kg/mm2 の応力が裸フ
ァイバ3aに加わることが分かった。実際には、接着剤
の一般的な特性から、低温になるほどヤング率は大きく
なるので、低温時と高温時とでは発生する応力は、ヤン
グ率が大きい低温時の方が、裸ファイバに加えられる応
力が大きくなる。さらに、接着剤の硬化による収縮は常
に伴うので、A部に加わる応力を減らすことが重要とな
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、温度特性、特に低温時にお
ける温度特性が良好な光ファイバコネクタを提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、光ファイバの被覆を除去して露出させた裸ファイバ
をV溝を有する基板に整列させ、前記裸ファイバを第1
の押圧部材によってV溝に押しつけ、接着剤によって光
ファイバを固定した光ファイバコネクタにおいて、前記
第1の押圧部材の押圧面は前記V溝の後方へ延びている
ことを特徴とするものである。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の光ファイバコネクタにおいて、前記第1の押圧部材の
後端部に前記光ファイバの被覆部の先端が接触している
ことを特徴とするものである。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の光ファイバコネクタにおいて、前記第1の押
圧部材の後端下面が、面取り加工処理もしくは曲面加工
処理がされていることを特徴とするものである。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれか1項に記載の光ファイバコネクタにおい
て、前記基板がシリコンで形成され、前記第1の押圧部
材が紫外線透過性材料で形成されていることを特徴とす
るものである。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれか1項に記載の光ファイバコネクタにおい
て、前記第1の押圧部材の後方に第2の押圧部材が設け
られていることを特徴とするものである。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の光ファイバコネクタにおいて、前記基板がシリコンで
形成され、前記第1の押圧部材および前記第2の押圧部
材が紫外線透過性材料で形成されていることを特徴とす
るものである。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項1ないし
6のいずれか1項に記載の光ファイバコネクタにおい
て、前記押圧部材と前記V溝に挟まれる裸ファイバの長
さが2mm以上であることを特徴とするものである。
【0016】請求項8に記載の発明は、請求項1ないし
7のいずれか1項に記載の光ファイバコネクタにおい
て、前記接着剤として、硬化収縮量が7%以下の接着剤
を用いることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の光ファイバコネ
クタの第1の実施の形態を説明するためのもので、図1
(A)は基板の斜視図、図1(B)は光ファイバを把持
した状態の斜視図、図1(C)は光ファイバの中心をと
おる縦断面図である。図中、図13と同様の部分には同
じ符号を付して説明を省略する。この実施の形態では、
押圧部材2の長さをV溝1aの長さより長くして、押圧
部材4の下面である押圧面がV溝1aの後方へ延長する
ようにした。延長部分は、V溝の下面と同一平面である
ことが望ましいが、多少上方へ持ち上がるようにしても
よい。V溝の下面と同一平面である場合は、接着剤の量
をもっとも少なくできる。押圧部材2を延長させたこと
によって、接着剤4が押圧部材2の上方へ這いあがる量
を少なくでき、接着剤全体の量も少なくできるから、接
着剤の固化の際の収縮や、温度変化による接着剤の膨張
・収縮を小さく抑えることができ、光ファイバに及ぼさ
れる応力を小さくでき、損失増を小さくできる。
【0018】製造工程を具体例とともに説明するが、本
発明は、具体例に数値に限定されるものではない。裸フ
ァイバの外径が125μm、被覆外径が250μmの光
ファイバを用いた場合を例にして説明する。
【0019】図1(A)に示した基板1は、シリコン製
基板に1本または複数本のV溝を形成されたものであ
る。V溝はダイサーにより加工すると容易に精度良く作
製できる。V溝1aの形状は、裸ファイバがV溝1aの
両側面に接して配置されたとき、裸ファイバがV溝形成
面の上面より20μm程度、上方に出るような角度と深
さにされている。
【0020】図1(B),(C)を参照して説明する。
単心の被覆光ファイバの1本または複数本の先端部の被
覆を除去して、裸ファイバ3aを露出させて、V構内に
整列させると同時に、石英ガラス製の押圧部材2で裸フ
ァイバ3aを押圧し、裸ファイバ3aが押圧部材2と接
するようにV構内に固定する。次に、接着剤4を流し込
み、基板1、押圧部材2、裸ファイバ3aを接着すると
ともに、基板1の後方の段差部として形成された被覆載
置部1bに載せられている光ファイバの被覆部1bを基
板1に接着する。押圧部材2は、V溝の後端より約25
0μm長くなるようにした。このようにして構成された
光ファイバコネクタでは、V溝の後端部の面と押圧部材
2の後端面が同一平面とならず、押圧部材2がV溝の後
方の光ファイバの一部を覆うようにして延長されている
ことによって、押圧部材2の上方に這いあがる接着剤の
量を少なくできる。
【0021】なお、光ファイバコネクタに把持される光
ファイバは、上述したような単心の光ファイバに限られ
るものではなく、複数本の光ファイバを並行してならべ
て共通被覆を施したテープ状光ファイバを用いることも
できる。
【0022】接着剤4により各部材と光ファイバが固定
された基板1の前端は、押圧部材2の前面とともに、導
波路等と接続するために研磨される。通常は、反射戻り
光を低減させるため8゜に斜め研磨される。
【0023】このようにして製造された光ファイバコネ
クタの使用の態様の一例を図2に示す。図中、5,5’
は光ファイバコネクタ、6,6’はテープ状光ファイ
バ、7は導波路チップである。テープ状光ファイバ6,
6’はこの例では、8心のテープ状光ファイバを用い
た。導波路チップ7は、1×8分岐導波路とした。テー
プ状光ファイバ6の1心の光ファイバから光を入れ、導
波路チップ7の分岐導波路を通った光を8心の光ファイ
バコネクタ5’で受光し、導波路と光ファイバの光軸を
調整して最大パワーが得られるように調心する。調心
後、導波路チップ7と光ファイバコネクタ5,5’の接
統部に屈折率整合の取れた接着剤を流し込み硬化させ固
定して、導波路モジュールが作製できる。
【0024】上記のように作製された導波路モジュール
の温度特性を図3に示す。図には、比較例として、従来
構造の光ファイバコネクタで作製された導波路モジュー
ルの結果も示してある。それぞれ8心の平均値である。
従来構造の光ファイバコネクタによる導波路モジュール
では、特に低温側で接着剤の収縮により応力を受け、
0.3〜0.4dBの損失変動が見られるが、本発明の
光ファイバコネクタによる導波路モジュールでは、損失
変動は約0.1dBに低減されている。なお、高温の時
には、接着剤の量が少ないことと、接着剤のヤング率が
低くなるため、大きな損失増加は起こらない。
【0025】図4は、本発明の光ファイバコネクタの第
2の実施の形態を説明するためのもので、図4(A)は
光ファイバコネクタの斜視図、図4(B)は第2の押圧
部材の斜視図、図4(C)は光ファイバの中心をとおる
縦断面図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号
を付して説明を省略する。8は押圧部材である。この実
施の形態では、V溝に配置された裸ファイバを押圧する
押圧部材2の後方に、第2の押圧部材8を設けた。押圧
部材8を設けたことによって、図4(C)に示すよう
に、接着剤4が不必要に押圧部材2の後方に盛られるこ
とがなく、また、誤って接着剤の量を多くしてしまった
場合でも、押圧部材2の後方に接着剤が這いあがること
がなく、接着剤4の量を減らすことができる。接着剤4
の量を少なくできることは、低温における接着剤4の収
縮量を減らすことができ、光ファイバに与える応力を少
なくでき、損失増加を抑えることができる。また、押圧
部材8の高さを一定にできることによって、常に一定量
の接着剤で接着することができ、サンプルごとによる特
性のばらつきを低減できる。一例では、押圧部材8は、
図4(B)に示すように、両側部に高さを規制する脚部
を設けたことによって接着剤の量を減らし、しかも、一
定にすることができる。また、押圧部材8には脚部を設
けずに平板状とし、被覆載置部の両側に所定の高さの側
壁を形成し、その上に押圧部材8を載置するようにする
など位置決め部材を設けることによっても、押圧部材8
の高さを一定にして接着剤4の量を減らし、しかも、一
定にすることができる。
【0026】図5は、本発明の光ファイバコネクタの第
3の実施の形態を説明するためのもので、光ファイバの
中心をとおる縦断面図である。図中、図1と同様の部分
には同じ符号を付して説明を省略する。この実施の形態
では、押圧部材2の後端部に光ファイバの被覆部3bの
先端を接触させるようにした。接着剤の量を減らせると
ともに、被覆部3bが常に一定の位置になるので、組み
立てやすく、サンプルごとの特性のばらつきも抑えるこ
とができる。
【0027】図6は、本発明の光ファイバコネクタの第
4の実施の形態を説明するためのもので、光ファイバの
中心をとおる縦断面図である。図中、図1と同様の部分
には同じ符号を付して説明を省略する。9は曲面部であ
る。この実施の形態では、押圧部材2の後部下端に面取
り、もしくは、曲面加工を行なったものである。押圧部
材2より後方の押圧部材近傍において、光ファイバが下
方に曲げられていることは上述した各実施の形態と同様
であるが、曲面部9を設けたことにより、接着剤4が収
縮して、光ファイバが上方へ曲げられた場合に、押圧部
材2の角部で光ファイバに応力を低減することができ
る。この実施の形態の押圧部材は、第2および第3の実
施の形態の押圧部材においても、適用できるものであ
る。
【0028】なお、基板の材料としては、上述したシリ
コンの他に、ガラス、成形樹脂体、セラミックなどV溝
が加工できる材料であれば、適当なものを用いることが
できる。しかし、光ファイバの材料であるガラスの膨張
係数に近い膨張係数をもつ材料が望ましい。押圧部材の
材料も同様であるが、紫外線硬化型接着剤を使用する場
合には、紫外線に対して透明であることが望ましい。導
波路には石英系導波路の他に、高分子導波路、半導体導
波路などを適用してもよい。
【0029】基板に対して、光ファイバ、押圧部材等を
固定する接着剤には、すばやく硬化できる紫外線硬化型
接着剤のほか、熱硬化型接着剤やホットメルトなども使
用できる。光ファイバへ応力を与えることを考えると、
ヤング率、膨張係数、硬化収縮率はできるだけ小さい方
が好ましい。導波路との接続に用いる接着剤は、導波路
と光ファイバとで屈折率整合が取れたUV硬化型接着剤
が望ましいが、熱硬化型接着剤も使用可能である。
【0030】上述した実施の形態における基板1のV溝
1aについて考察する。図7は、図1(C)で説明した
と同様の光ファイバコネクタの断面図である。図1と同
様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。LはV
溝の長さであり、裸ファイバ3aが押圧部材2と基板1
のV溝に挟まれる長さでもある。この図に示した基板1
では、V溝の長さLは図1の基板のV溝の長さに比べて
短い。
【0031】この長さLについて検討したところ、Lが
短いと問題が生じることが分かった。本発明では、上述
したように、押圧部材2の押圧面はV溝の後方へ延びて
いる。この押圧部材2でV溝に載置された裸ファイバ3
aを押圧する際に、押圧部材2とV溝に挟まれる裸ファ
イバ3aの長さLが短いと、裸ファイバ3aと押圧部材
2によって押圧力を受ける部分の接触面積が小さくな
り、均等な圧力で裸ファイバ3aを加圧できず、傾きや
すくなる。この状態を模式的に図8に示す。矢印に示す
方向から押圧力を加えた際に、押圧部材2が傾くと、裸
ファイバ3aを正確に整列できなくなり、ファイバの配
列ピッチは設計値からずれてしまう。また、V溝の後端
部で裸ファイバ3aが局所的な歪みを受けて、損失が増
大するという問題もある。
【0032】接着剤の収縮による問題点については図1
5(A)で説明したが、この接着剤の収縮による押圧部
材の変位は、環境温度による変化だけで無く、接着剤を
硬化させる時にも生じる。特に、V溝後方の接着剤の量
が多いと、接着剤の硬化収縮により押圧部材は後方に引
き摺られて、図9に示すように、押圧部材2が傾く。し
たがって、接着剤を塗布する前に裸ファィバをV溝に接
触できたとしても、硬化のときに、接着剤4の収縮によ
って、V溝から裸ファイバ3aが外れてしまう。また、
最悪の時は、押圧部材が外れるという危険性をともな
い、信頼性の低いコネクタになる。
【0033】V溝における裸ファイバの納まりを図10
に示す。図10(A)は、正常の状態である。裸ファイ
バ3aは、基板1のV溝1aの両側の傾斜面と押圧部材
2の下面とに挟まれて、断面では3点接触となってい
る。図8,図9で説明したように、押圧部材が傾くと、
図10(B)に示すように、裸ファイバ3aがV溝から
浮き上がり、3点接触ができず、整列乱れが生じる。
【0034】図11は、本発明の光ファイバコネクタの
第5の実施の形態を説明するためのもので、光ファイバ
の中心をとおる縦断面図である。図中、図1と同様の部
分には同じ符号を付して説明を省略する。この実施の形
態では、V溝の長さLを2mm以上とした。したがっ
て、押圧部材とV溝に挟まれる裸ファイバの長さも2m
m以上である。押圧部材とV溝に挟まれる裸ファイバの
長さを2mm以上にすることにより、接着剤の収縮に伴
う押圧部材の変位量を少なくし、ファイバに加わる局所
的な応力を低減でき、温度特性の優れ、また長期的に信
頼性の高い光ファイバコネクタである。
【0035】また、接着剤4は、その硬化の際の収縮量
である硬化収縮量が小さい接着剤を用いるのがよい。用
いる接着剤の量が多い場合には、硬化収縮量が大きいと
図15(A)で説明したような基板の曲がりや、図9で
説明したような押圧部材の傾きが大きくなる。特に、図
9で説明した押圧部材の傾きは、硬化収縮量が大きい接
着剤では生じやすい。そこで、本発明では、接着剤は、
その硬化収縮量が7%以下の接着剤を用いることによっ
て、硬化収縮の影響を抑えることができる。
【0036】第5の実施の形態の具体例では、Lは4.
0mmとした。この場合の裸ファイバの配列ピッチの設
計値からのズレ量は0.40μmであるのに対し、Lが
0.25mmの場合のズレ量は1.19μmであり、L
を1.5mmとした場合のズレ量は2.99μmであっ
た。なお、この評価は、16心のファイバアレイを用い
て、光ファイバコネクタを20本を作製して測定した平
均値である。押圧部材とV溝とに挟まれる裸ファイバ部
の長さが短くなると、設計値からのズレ量は大きくなっ
た。この原因は、押圧部材が傾いたことによるものと推
測される。
【0037】さらに、以上のように作製された光ファイ
バコネクタを用いて図2で説明したような導波路モジュ
ールを構成して温度特性を測定した結果を図12に示
す。図12で下方に示した図は、導波路モジュールに与
えた試験環境の温度サイクルを示すもので、−40℃〜
85℃の温度変化を4サイクル行なった。図12で上方
に示した図は、温度変化に伴う損失変動量を示すもの
で、押圧部材とV溝に挟まれる裸ファイバの長さが1.
5mmの場合の損失変動量は±0.4dBであるのに対
し、押圧部材とV溝に挟まれる裸ファイバの長さが4.
0mmの場合の損失変動量は±0.1dB以内に低減さ
れている。また、実用上はLが2mm以上であれば、損
失変動量を押さえることができた。
【0038】なお、Lを2mm以上とする実施の形態
は、図11に示した光ファイバコネクタに限られるもの
ではなく、図4〜図6で説明した実施の形態においても
同様に適用できるものである。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1,2,7,8に記載の発明によれば、接着剤の量を減
らすことができ、接着剤の硬化の際の収縮、および、温
度変化による接着剤の膨張・収縮を小さくでき、接着剤
の膨張・収縮が引き起こす光ファイバへの応力を低減で
き、温度特性が良好な光ファイバコネクタを提供するこ
とができる。
【0040】請求項3に記載の発明によれば、第1のV
溝に対する押圧部材の後端下面が、面取り加工処理もし
くは曲面加工処理がされていることにより、光ファイバ
への局部的な応力をさらに低減することができる。
【0041】請求項5に記載の発明によれば、第2の押
圧部材を設けたことにより、接着剤の量を、さらに減ら
すことができるとともに、接着剤の量を一定にでき、サ
ンプルごとの特性ばらつきを低減することができる。
【0042】請求項4,6に記載の発明によれば、光フ
ァイバコネクタを製造する際の接着剤として好適な紫外
線硬化型接着剤を用いることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバコネクタの第1の実施の形
態を説明するためのもので、(A)は基板の斜視図、
(B)は光ファイバを把持した状態の斜視図、(C)は
光ファイバの中心をとおる縦断面図である。
【図2】本発明の光ファイバコネクタの使用の態様の一
例の説明図である。
【図3】図2の導波路モジュールの温度特性を示す線図
である。
【図4】本発明の光ファイバコネクタの第2の実施の形
態を説明するためのもので、(A)は光ファイバコネク
タの斜視図、(B)は第2の押圧部材の斜視図、(C)
は光ファイバの中心をとおる縦断面図である。
【図5】本発明の光ファイバコネクタの第3の実施の形
態を説明するためのもので、光ファイバの中心をとおる
縦断面図である。
【図6】本発明の光ファイバコネクタの第4の実施の形
態を説明するためのもので、光ファイバの中心をとおる
縦断面図である。
【図7】押圧部材とV溝に挟まれる裸ファイバの長さが
短い光ファイバコネクタの光ファイバの中心をとおる断
面図である。
【図8】図7の光ファイバコネクタにおける加圧状態を
説明するための光ファイバの中心をとおる断面図であ
る。
【図9】図7の光ファイバコネクタにおける接着剤の硬
化状態を説明するための光ファイバの中心をとおる断面
図である。
【図10】V溝における裸ファイバの納まりを説明する
ための断面図である。
【図11】本発明の光ファイバコネクタの第5の実施の
形態を説明するための光ファイバの中心をとおる縦断面
図である。
【図12】光ファイバコネクタを用いて導波路モジュー
ルを構成して温度特性を測定した結果の説明図である。
【図13】従来の光ファイバコネクタを説明するための
もので、(A)は光ファイバを配置する前の斜視図、
(B)は光ファイバを把持した状態の斜視図、(C)は
光ファイバの中心をとおる縦断面図である。
【図14】光ファイバコネクタの使用状態の一例を説明
するためのものであり、(A)は側面図、(B)は平面
図である。
【図15】低温時と高温時における光ファイバコネクタ
の変形の様子を示す模式図である。
【符号の説明】
1…基板、1a…V溝、1b…被覆載置部、2…押圧部
材、3…光ファイバ、3a…裸ファイバ、3b…被覆
部、4…接着剤、5,5’…光ファイバコネクタ、6,
6’…テープ状光ファイバ、7…導波路チップ、8…押
圧部材、9…曲面部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバの被覆を除去して露出させた
    裸ファイバをV溝を有する基板に整列させ、前記裸ファ
    イバを第1の押圧部材によってV溝に押しつけ、接着剤
    によって光ファイバを固定した光ファイバコネクタにお
    いて、前記第1の押圧部材の押圧面は前記V溝の後方へ
    延びていることを特徴とする光ファイバコネクタ。
  2. 【請求項2】 前記第1の押圧部材の後端部に前記光フ
    ァイバの被覆部の先端が接触していることを特徴とする
    請求項1に記載の光ファイバコネクタ。
  3. 【請求項3】 前記第1の押圧部材の後端下面が、面取
    り加工処理もしくは曲面加工処理がされていることを特
    徴とする請求項1または2に記載の光ファイバコネク
    タ。
  4. 【請求項4】 前記基板がシリコンで形成され、前記第
    1の押圧部材が紫外線透過性材料で形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    光ファイバコネクタ。
  5. 【請求項5】 前記第1の押圧部材の後方に第2の押圧
    部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれか1項に記載の光ファイバコネクタ。
  6. 【請求項6】 前記基板がシリコンで形成され、前記第
    1の押圧部材および前記第2の押圧部材が紫外線透過性
    材料で形成されていることを特徴とする請求項5に記載
    の光ファイバコネクタ。
  7. 【請求項7】 前記押圧部材と前記V溝に挟まれる裸フ
    ァイバの長さが2mm以上であることを特徴とする請求
    項1ないし6のいずれか1項に記載の光ファイバコネク
    タ。
  8. 【請求項8】 前記接着剤として、硬化収縮量が7%以
    下の接着剤を用いることを特徴とする請求項1ないし7
    のいずれか1項に記載の光ファイバコネクタ。
JP403999A 1998-01-12 1999-01-11 光ファイバコネクタ Pending JPH11258459A (ja)

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