JP4048562B2 - 水栓装置 - Google Patents

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本発明は、水栓装置に係わり、特に、開閉弁の開閉により止水状態と吐水状態を切り替える水栓装置に関する。
従来から、押し釦を押し込み操作することにより、弁体の開閉を止水状態と吐水状態の2状態に切り替え制御するようにした水栓装置が知られている。
例えば、実開昭58−4862号公報(特許文献1)には、押し釦を押し込むだけでワンタッチで弁の開閉操作を行うことができるノック式の水栓装置が開示されている。具体的には、押し釦が押し込み棒の上端に固定され、この押し込み棒の下端が栓切替機構を介して弁軸に接続され、押し釦操作で、この栓切替機構により、弁軸の下端の上下方向位置が変化し、吐水状態と止水状態が切り替わるようになっている。
また、特開2001−304443号公報(特許文献2)には、パイロット式の開閉弁を使用した水栓装置が開示されている。具体的には、パイロット弁をパイロット孔に対して押ボタン側に配設し、そのパイロット弁を押ボタンの押し込みと一体に押込移動させてパイロット孔の弁座に押し付け、閉弁運動させることにより、閉弁操作開始後速やかにパイロット弁を閉弁完了させるようにしたものである。
実開昭58−4862号公報 特開2001−304443号公報
上述した特許文献1及び2に開示された水栓装置は、何れも、押し釦が、弁体を操作するための軸部に固定されているため、押し込み操作時に、押し釦自体が振動する(暴れる)ことはない。
しかしながら、これらの従来の水栓装置においては、押し釦の周縁部を押す操作(偏押し操作)をすると、モーメントが発生し、このモーメントが開閉機構部や押釦部に作用し、作動不良を起こす可能性がある。
そのため、本発明者らは、このようなモーメントによる作動不良を防止するために、水栓装置において、水栓本体にその一端が軸線を中心に揺動可能に取り付ける押し釦の構造を採用すること検討した。しかしながら、このような押し釦構造を用いた場合、押し釦を押圧操作すると、押し釦自体が振動し(暴れ)、使用者の押し釦の操作感が低下するという新たな問題が発生する。
そこで、本発明は、押し釦を操作するとき、押し釦自体が振動する(暴れる)ことを防止して、良好な操作感を得ることができる水栓装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、開閉弁の開閉により止水状態と吐水状態を切り替える水栓装置であって、開閉弁を収納する水栓本体と、この水栓本体又は水栓本体に取り付けられた部材にその一端が軸線を中心に揺動可能に取り付けられ、押圧操作するごとに開閉弁を閉じて止水状態とすると共に開閉弁を開いて吐水状態とする押し釦と、吐水状態のとき、押し釦の下側面が開閉弁の上端部に当接した状態で、押し釦と水栓本体又は部材の間で押し釦に対して下向きの力を作用させる付勢手段と、を有し、押し釦は、止水状態のときは、水栓本体又は部材の表面とほぼ面一となるように、また、吐水状態のときは、水栓本体又は部材の表面より上方に位置するように設けられ、付勢手段は、少なくとも、吐水状態のとき、押し釦に対して下向きの力を作用させるように設けられており、付勢手段は、止水状態のとき、押し釦に対して吐水状態のときより小さな下向きの力を作用させるか、又は、力が作用しないように構成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、押し釦が、水栓本体又は部材にその一端が軸線を中心に揺動可能に取り付けられているので、押し釦の周縁部を押す操作(偏押し操作)をしても、開閉弁にモーメントが発生せず、開閉弁の動きが安定し、それにより、吐水及び止水の作動が安定する。さらに、使用者が、押し釦を押圧操作して止水状態から吐水状態とするとき、付勢手段が押し釦と水栓本体又は部材の間で押し釦に対して下向きの力を作用させるので、押し釦自体が振動する(暴れる)を防止することができる。
また、このように構成した本発明によれば、押し釦は、止水状態のときは、水栓本体又は部材の表面とほぼ面一となるように、また、吐水状態のときは、水栓本体又は部材の表面より上方に位置するように設けられているので、使用者は、止水状態と吐水状態を死視覚的に容易に認識することができ、特に、吐水状態を確実に認識することができる。また、付勢手段が、吐水状態のとき、押し釦に対して下向きの力を作用させるように設けられているので、押し釦自体が振動する(暴れる)を防止することができる。
さらに、このように構成された本発明によれば、通常時である止水状態のとき、付勢手段が、押し釦に対して吐水状態のときより小さな下向きの力を作用させるか、又は、力が作用しないので、付勢手段の永久変形の発生を防止することができる。
また、本発明は、開閉弁の開閉により止水状態と吐水状態を切り替える水栓装置であって、開閉弁を収納する水栓本体と、この水栓本体又は水栓本体に取り付けられた部材にその一端が軸線を中心に揺動可能に取り付けられ、押圧操作するごとに開閉弁を閉じて止水状態とすると共に開閉弁を開いて吐水状態とする押し釦と、吐水状態のとき、押し釦の下側面が開閉弁の上端部に当接した状態で、押し釦と水栓本体又は部材の間で押し釦に対して下向きの力を作用させる付勢手段と、を有し、押し釦は、止水状態のときは、水栓本体又は部材の表面とほぼ面一となるように、また、吐水状態のときは、水栓本体又は部材の表面より上方に位置するように設けられ、付勢手段は、少なくとも、吐水状態のとき、押し釦に対して下向きの力を作用させるように設けられており、付勢手段は、押し釦の端の軸線から所定距離だけ離れた位置に設けられていることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、押し釦に小さな押圧力を作用した場合であっても、付勢手段により必要な押し付け力を得ることができる。
また、本発明は、開閉弁の開閉により止水状態と吐水状態を切り替える水栓装置であって、開閉弁を収納する水栓本体と、この水栓本体又は水栓本体に取り付けられた部材にその一端が軸線を中心に揺動可能に取り付けられ、押圧操作するごとに開閉弁を閉じて止水状態とすると共に開閉弁を開いて吐水状態とする押し釦と、吐水状態のとき、押し釦の下側面が開閉弁の上端部に当接した状態で、押し釦と水栓本体又は部材の間で押し釦に対して下向きの力を作用させる付勢手段と、を有し、押し釦は、止水状態のときは、水栓本体又は部材の表面とほぼ面一となるように、また、吐水状態のときは、水栓本体又は部材の表面より上方に位置するように設けられ、付勢手段は、少なくとも、吐水状態のとき、押し釦に対して下向きの力を作用させるように設けられており、押し釦及び付勢手段は、樹脂により一体成形されていることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、押し釦及び付勢手段を樹脂により一体成形するようにしているので、容易で且つ低コストで製作することができる。
本発明において、好ましくは、付勢手段は、押し釦の軸線の回りに取り付けられたコイルばねである。
このように構成された本発明によれば、簡易な構造により、必要な押し付け力を作用させて、押し釦自体が振動する(暴れる)を防止することができる。
本発明によれば、好ましくは、水栓装置は、カラン吐水とシャワー吐水を行う湯水混合水栓であり、押し釦は、カラン吐水用のカラン用押し釦とシャワー吐水用のシャワー用押し釦からなる。
また、本発明は、開閉弁の開閉により止水状態と吐水状態を切り替える水栓装置であって、開閉弁を収納する水栓本体と、この水栓本体又は水栓本体に取り付けられた部材にその一端が軸線を中心に揺動可能に取り付けられ、押圧操作するごとに開閉弁の操作部を押して、開閉弁を閉じて止水状態とすると共に開閉弁を開いて吐水状態とする押し釦と、押し釦の後側面が、開閉弁の操作部に押し付けられるように、押し釦に付勢力を作用させる付勢手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、使用者が、押し釦を押圧操作して止水状態から吐水状態とするとき、付勢手段が押し釦の後側面を開閉弁の操作部に押し付ける付勢力を作用させるので、押し釦自体が振動する(暴れる)のを防止することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、押し釦の揺動運動に抵抗する抵抗力を押し釦に作用させる抵抗手段を有する。
このように構成された本発明においては、使用者が、押し釦を押圧操作して止水状態から吐水状態とするとき、付勢手段による付勢力に加えて、抵抗手段が押し釦の揺動運動に抵抗する抵抗力を作用させるので、より効果的に押し釦自体が振動する(暴れる)のを防止することができる。
本発明において、好ましくは、抵抗手段は、抵抗手段と押し釦との間の摩擦力、又は、抵抗手段と水栓本体又は水栓本体に取り付けられた部材との間の摩擦力を抵抗力として作用させる。
このように構成された本発明によれば、抵抗手段と押し釦との間の摩擦力、又は、抵抗手段と水栓本体又は水栓本体に取り付けられた部材との間の摩擦力によって押し釦自体が振動する(暴れる)のを防止することができる。
本発明において、好ましくは、抵抗手段は、押し釦と水栓本体又は水栓本体に取り付けられた部材との間に、軸線を取り囲むように配置されたドーナツ形の円板である。
このように構成された本発明によれば、簡易な構造により、必要な抵抗力を作用させて、押し釦自体が振動する(暴れる)のを防止することができる。
以上説明したように、本発明の水栓装置によれば、押し釦を操作するとき、押し釦自体が振動する(暴れる)ことを防止して、良好な操作感を得ることができる。
以下に添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
先ず、図1乃至図15により、本発明の第1実施形態による水栓装置、及び、この水栓装置に使用されるパイロット式開閉弁装置を説明する。
図1は本発明の第1実施形態である湯水混合水栓を示す全体斜視図である。
図1に示すように、符号1は、湯水混合水栓を示し、この湯水混合水栓1は、湯水混合水栓1の設置面である壁面2から突出して設けられている。この湯水混合水栓1は、水栓本体3(図2参照)の一部である板状の断熱カバー4を備え、この断熱カバー4に、温度調整用ダイヤル6、カラン吐水用のカラン用押し釦8、シャワー吐水用のシャワー用押し釦10がそれぞれ設けられている。また、湯水混合水栓1は、下面側が断熱カバー12で被われている。
温度調整用ダイヤル6により所望の水温が設定され、湯水の混合比が調整されて、適温の吐水がなされる。また、カラン用押し釦8を操作することでカランから吐水され、シャワー吐水用押し釦10を操作することでシャワーヘッドからシャワー吐水がなされる。
ここで、シャワー用押し釦10は、カラン用押し釦8より、大きな形に形成されており、使用者の操作性を向上させている。
また、カラン用押し釦8及びシャワー用押し釦10を、温度調整用ダイヤル6よりも使用者に近い位置に配置することにより、操作性を向上させている。
また、カラン用押し釦8及びシャワー用押し釦10のそれぞれ操作面を板状の断熱カバー4とほぼ同一面上に設けることにより、操作性を向上させている。
さらに、カラン用押し釦8及びシャワー用押し釦10にはそれぞれ凸部等を持つ滑り止め14が設けられている。
混合水栓1の前方下面側付近には、カラン吐水口16及びシャワー吐水口18がそれぞれ設けられている。シャワー吐水口18には図示しないシャワーヘッドに連通したシャワーホース20が接続されている。
また、湯水混合水栓1の右側面及び左側面には、図2にそれらの一部が示されているが、止水栓22の調整部、並びに、フィルター及び逆止弁24のメンテナンス口が設けられている。右側面のものは湯水混合水栓1に流入する水用のものであり、左側面のものは湯用のものである。
湯水混合水栓1の壁固定面には、給水管26(図2参照)及び給湯管を接続する接続部がそれぞれ設けられている。
使用者は、温度調整用ダイヤル6により所望の温度を設定するとともに、カラン吐水を得たい場合はカラン用押し釦8を、シャワー吐水を得たい場合はシャワー用押し釦10を押すことにより、直ちに、所望の温度の混合水の吐水を得ることができる。そして、各押し釦8、10を再度押すと、止水されるようになっている。
このときの湯水混合水栓1内における湯水の流れを説明すると、先ず、給水管26、給湯管から湯水混合水栓1内に流入した湯水は、湯用、水用それぞれに設けられた止水栓22により適当な流量に絞られ、湯用、水用それぞれに設けられたフィルターおよび逆止弁24を通過し、温度調節弁に流入する。温度調節弁はサーモスタット式の湯水混合弁であり、湯と水は所望の設定された温度に自動調整され、湯水混合水が温度調節弁から流出する。その後、湯水混合水はカラン用、シャワー用それぞれに設けられた後述する開閉弁ユニット(パイロット式開閉弁装置)30,32(図2には開閉弁装置32のみが示されている)を経て、カランおよびシャワーノズルから吐水される。
次に、図2及び図3により、本実施形態の湯水混合水栓に使用されるパイロット式開閉弁装置の基本構造を説明する。図2は、本発明の実施形態に使用されるパイロット式開閉弁装置の湯水混合水栓への取り付け状態を示す斜視図であり、図3は、パイロット式開閉弁装置の基本構造を示す概略図である。
図2に示すように、パイロット開閉弁装置である開閉弁ユニット30,32(図2には開閉弁装置32のみが示されている)が、ぞれぞれ、湯水混合水栓1のカラン用押し釦8及びシャワー用押し釦10の下面側に接触して設けられている。これらの開閉弁ユニット30,32は、それぞれ、開閉弁ユニット取付用ナット34により、湯水混合水栓1の本体側に取り付けられている。この開閉弁ユニット取付用ナット34は、その上端に延長部34aが形成されており、開閉弁ユニット30,32内に水が浸入するのを防止している。
これ以降、カラン用の開閉弁ユニット30と、シャワー用の開閉弁ユニット32は、同一構造となっているため、シャワー用の開閉弁ユニット32についてのみ説明する。
ここでは、開閉弁ユニット32の詳細構造を説明する前に、図3により、開閉弁ユニット(パイロット式開閉弁装置)の基本構造を説明する。
図3に示すように、開閉弁ユニット32は、使用者がシャワー用の押し釦10(図2参照)を押すとこの押圧操作により下方に押される操作部36と、操作部36にその基端が結合された押し棒38と、この押し棒38の先端に設けられたパイロット弁40とを備えている。ここで、押し棒38の先端(下端)とパイロット弁40との間には緩衝手段であるコイルばね42が設けられている。開閉弁ユニット32は、更に、パイロット弁40の下方に、パイロット弁口(圧力開放穴)44を備えパイロット弁40がこのパイロット弁口44に当接及び解離するダイヤフラム式の主弁46と、この主弁46の背面に形成され押し棒38、パイロット弁40及びコイルばね42を収納する圧力室48を形成するためのハウジング50と、主弁46の表面が着座及び離座する弁座52とを備えている。また、ハウジング50の押し棒38が挿通される部分には、シール部材54が設けられている。さらに、主弁46の外周側には、小穴(一次圧流入口)56が形成されている。
次に、開閉弁ユニット32の基本動作を説明する。この開閉弁ユニット32においては、圧力室48内に設けられたパイロット弁40を、主弁46のパイロット弁口44に当接及び解離させることで、パイロット弁40を開閉し、止水と吐水を切り替えるようになっている。
先ず、吐水状態から止水状態に切り替えるときは、押し棒38によりパイロット弁40をパイロット弁口44に当接する方向に押さなければならない。このとき、押し棒38は、その断面積に相当する面積に作用する水圧により上向きの力を受け、さらに、シール部材54による摺動摩擦抵抗があり、これらに抗して操作部36を押す必要があるが、この力(操作力)は小さな値である。
次に、パイロット弁40が主弁46のパイロット弁口44に当接すると、一次側通水路の一次圧の水が小穴56を通って圧力室48内に流入し、これに伴い、主弁46が遅い速度で、弁座52に向って移動する。これにより、主弁46が弁座52に着座し、止水状態に切り替わる。
さらに、この開閉弁ユニット32では、緩衝手段であるコイルばね42を、押し棒38とパイロット弁40との間、即ち、圧力室48内に設けたので、このコイルばね42には、パイロット弁40がパイロット弁口44に当接するまでは力は作用せず、さらに、詳細は後述するように、パイロット弁40がパイロット弁口44に当接した以降も小さな力を作用させればよい。
また、止水状態から吐水状態に切り替えるときは、操作部36を押せば、後述するパイロット弁切替保持機構62及び付勢用ばね69により、パイロット弁40が主弁46のパイロット弁口(圧力開放穴)44から解離し、それにより、圧力室48が開放され、主弁46が弁座52から離座し、吐水状態となる(図5参照)。
なお、開閉弁ユニット32では、上述したように、主弁46の移動速度を意図的に小さくしているが、これは、主弁46の閉止時のウォーターハンマーの発生を抑えるためである。即ち、主弁46に設けられた小穴56から圧力室48に一次側の水が流入することで圧力室48内が一次圧の水で満たされ、主弁46が弁座52の方向に移動するが、小穴56を通常非常に小さな径としているので、圧力室48への水の流入速度が抑えられ、これにより、主弁46の移動速度(閉止速度)を抑え、主弁閉止時のウォーターハンマーの発生を抑えるようにしている。
次に、図4及び図5により、開閉弁ユニット(パイロット式開閉弁装置)32の構造をより具体的に説明する。図4は開閉弁ユニット(パイロット式開閉弁装置)における止水状態(閉状態)を示す断面図であり、図5は開閉弁ユニット(パイロット式開閉弁装置)における吐水状態(開状態)を示す断面図である。
先ず、図4に示すように、開閉弁ユニット32は、図3により既に説明した、操作部36、押し棒38、パイロット弁40、緩衝手段であるコイルばね42、パイロット弁口(圧力開放穴)44を備えたダイヤフラム式の主弁46、圧力室48を形成するためのハウジング50(50a,50b)、弁座52、シール部材54、小穴56を備えている。
次に、上述した小穴(一次圧流入口)56には、クリーニング用のピン58が挿入されており、小穴56の一次圧流入口の通水面積を絞っている。これにより、上述したように、一次圧の圧力室への流入速度を抑制することで主弁46の閉止速度を緩やかにし、閉止時に発生するウォーターハンマーを低減できるようにしている。
圧力室48を形成するハウジング50は、主にパイロット弁40が配置された空間を取り囲む第1ハウジング50aと、主弁46の背面側の空間を取り囲む第2ハウジング50bから構成されている。
また、最外周側には、操作部36、第1ハウジング50a、第2ハウジング50b、弁座52の4つの部品を組み付けることにより、開閉弁ユニット32を組み立てるための組付ナット60が配置されている。
開閉弁ユニット32は、さらに、パイロット弁切替保持機構62を備えている。このパイロット弁切替保持機構62は、上述したカラン用押し釦8及びシャワー用押し釦10に連動しており、これらの押し釦8,10を押す毎に、即ち、操作部36が押される毎に、パイロット弁40の吐水状態位置と止水状態位置の切り替えを繰り返すと共にパイロット弁40を吐水状態位置及び止水状態位置に保持する機能を有する。
このパイロット弁切替保持機構62は、一般にノック式ボールペンのノック機構などで使用される機構でもよいが、本実施形態では、図4に示すように、操作部36と連動して移動するピン64と、第1ハウジング50aの外周面に形成されピン64の下方側が弾性変形しながらこれに沿って移動する逆ハート形状のカム溝66と、止水状態(閉状態)でピン64を保持する保持用突起68から形成されたハートカム機構である。
ここで、図6により、パイロット弁切替保持機構(ハートカム機構)62の詳細構造及び動作を説明する。図6は、開閉弁ユニットに使用されるパイロット弁切替保持機構(ハートカム機構)を示す拡大図である。図6に示すように、使用者が押し釦108,110の押圧操作をするごとに、ピン64の下端部64aは、a位置(止水状態)、b位置(押込み状態)、c位置(吐水状態)、d位置(押込み状態)の順序で,移動する。即ち、a位置(止水状態)においては、ピン64の下端部64aが、保持用突起64により保持されており、止水状態が保持されている。次に、止水状態から吐水状態に吐水操作すると、ピン64の下端部64aは、カム溝66の形状に沿って移動し、b位置(押込み状態)まで下がり、その後、c位置(吐水状態)まで移動し、この位置で、吐水状態が保持される。次に、吐水状態から止水状態に止水操作すると、ピン64の下端部64aは、c位置(吐水状態)から、カム溝66の形状に沿って移動し、d位置(押込み状態)まで下がり、その後、a位置(吐水状態)まで移動し、この位置で、止水状態が保持される。
パイロット弁切替保持機構62がハートカム機構であるので、圧力室48をシールするシール部材54に、押し棒38の往復運動(上下運動)のみが作用し、上述したノック機構のように押し棒38の回転運動が作用しないため、シール部材54への負担が少なくなり、高い信頼性が得られる。
また、図4及び図5に示すように、符号69は、付勢用ばねであり、この付勢用ばね69により、止水状態から吐水状態に切替操作する際、即ち、押し釦8,10が押された際、パイロット弁切替保持機構62による止水状態位置における保持が解除され、操作部36が上方に付勢され、パイロット弁40が弁体42から解離し、容易に吐水状態に切り替えることができるようになっている。
次に、押し棒38とパイロット弁40の結合部について説明する。図4及び図5に示すように、押し棒38の先端(下端)であって圧力室48の内部には、上述したように、押し棒38のストローク方向の移動距離(変位量)を吸収する緩衝手段であるコイルばね42が設けられている。押し棒38の先端(下端)に大径部38aが形成され、さらに、パイロット弁40の先端には、パッキン40aが装着されている。パイロット弁40は、中空部40bを有し、この中空部40bにコイルばね42を内蔵している。パイロット弁40の上側には、押し棒38が摺動可能に挿入される挿入穴40cが形成されている。パイロット弁40は、弾性変形可能な樹脂材料で作られており、組立て時は、パイロット弁40を変形させながら、押し棒38を挿入穴40cに挿入し、中空部40b内に押し棒38の大径部38aを収納するようにしている。ここで、コイルばね42は押し棒38とパイロット弁40とを引き離す方向に作用している。
これにより、止水状態から吐水状態に切り替える吐水操作時には、コイルばね42の付勢力により押し棒38の先端の大径部38aとパイロット弁40の上側が係合し、それにより、パイロット弁40は、押し棒38の動きと連動し、主弁46に形成されたパイロット弁口44から離座する(図5参照)。
吐水状態から止水状態に切り替える止水操作時には、パイロット弁40が主弁46に形成されたパイロット弁口44に当接するとき、押し棒38の大径部38aは、パイロット弁40の上側から離れて下降するが、押し棒38のストローク方向の移動距離(変位量)はコイルばね42により吸収される(図4参照)。
これにより、上述したように、止水操作時において、(1) パイロット弁40がパイロット弁口44に当接するまでと、(2) パイロット弁40がパイロット弁口44に当接した以降の両方において、操作力に差(ムラ)がなくなり、操作感が好ましいものとなる。
さらに、開閉弁ユニット32において、押し棒38には、上述したように、圧力室48内の水圧により受ける上向きの力(押し棒38の断面積に相当する面積に作用する水圧)が作用するので、操作部36における操作力を小さくするためには、押し棒38の径は、出来る限り小さいのが好ましい。例えば、押し棒38を、主弁46のパイロット弁口44よりも小径に形成するようにしても良い(図示せず)。これにより、高水圧時にも、操作力(押し力)を低くすることができるとともに確実な止水性を確保できる。
さらに、パイロット弁40は、止水時、つまりパイロット弁40がパイロット弁口44に着座しているとき、パイロット弁40は、一次圧を受け、その結果、パイロット弁40がパイロット弁口44へ着座する方向に力が働き、止水機能が確実となる。
さらに、押し棒38は、ステンレス鋼にて形成されている。このため、押し棒38を小径とした場合であっても、水中の使用に対して十分な耐食性が得られ、信頼性が向上する。
次に、図7により、上述したパイロット式開閉弁装置(開閉弁ユニット)によれば、緩衝手段であるコイルばねに作用する荷重(ばね荷重)が小さくなり、それにより、ばね定数を小さくでき、その結果、良好な操作感を得ることができ、コンパクト化を図ることができるので、以下その理由を説明する。
ここでは、押し棒38の直径が2mm、水圧が0.75MPa(水道圧の最大値)、シール部材54の摺動摩擦抵抗に抗する力が0.6Nであるという条件を例として説明する。
図7は、本実施形態に使用されるパイロット式開閉弁装置による止水操作時(吐水状態から止水状態への切替時)の操作部36の移動距離(変位量)(mm)と操作力F(N)との関係を示した線図である。図8は、本実施形態に使用されるパイロット式開閉弁装置による止水操作時の操作部36の移動距離(変位量)(mm)とコイルばねに作用するばね荷重(N)との関係を示した線図である。ここで、d0は止水操作開始時の位置、d1はパイロット弁40がパイロット弁口44に当接する位置、d2は操作部36がパイロット弁切替保持機構62により移動(変位)可能な最下端の位置を示している。
先ず、本実施形態においては、コイルばね42は、組付け時にごく小さな荷重(例えば、0.1N)を作用させた状態でパイロット弁40の中空部40bに取り付けられている。
次に、d0の位置からd1の位置までの間、即ち、パイロット弁40がパイロット弁口44に当接するまでは、押し棒38には、上述した水圧により受ける力2.4N(=押し棒の断面積×水圧=3.14mm2 ×0.75MPa)及びシール部材54の摺動摩擦抵抗に抗する力0.6Nの合力に釣り合う操作力3N(=2.4N+0.6N)が作用している。この結果、図7に示すように、パイロット弁40がパイロット弁口44に当接するまでは、操作力Fは、3Nとなる。
一方、パイロット弁40がパイロット弁口44に当接するまで(d0の位置からd1の位置までの間)は、図7に示すように、コイルばね42には、荷重は作用していない、即ち、ばね荷重はゼロである。
次に、パイロット弁40がパイロット弁口44に当接した以降において、操作力によりコイルばね42をたわます必要があるが、このコイルばね42には、パイロット弁40がパイロット弁口44に当接するまで、ほとんど荷重が作用していないので、コイルばね42をたわませるために作用するばね荷重は、極めて小さな荷重(ほぼゼロ)で良い。それゆえ、本実施形態に使用されるパイロット式開閉弁装置では、操作部36が移動(変位)可能な最下端の位置d2において、ばね荷重が.0.4N程度の値となるような小さな値のばね定数を設定した。
具体的に説明すると、パイロット弁40がパイロット弁口44に当接した以降、即ち、操作部の移動距離がd1からd2まで変化するときのコイルばね42のたわみ量(δ)は、4mmである。ここで、組付け時のばね荷重をゼロとした場合、コイルばね42のばね定数は、0.1N/mm(=0.4N/4mm)となり、組付け時のばね荷重を0.1Nとした場合には、0.075N/mm(=(0.4‐0.1)N/4mm)となる。
ここで、本実施形態のパイロット式開閉弁装置(開閉弁ユニット)における緩衝手段であるコイルばねのばね定数の好ましい範囲を説明する。
先ず、本実施形態では、0.01〜2N/mmの範囲が好ましく、コイルばねのばね定数をこの範囲に設定することにより、止水操作時において、(1) パイロット弁40がパイロット弁口44に当接するまでと、(2) パイロット弁40がパイロット弁口44に当接した以降の両方において、操作力に差(ムラ)がなくなり、操作感が好ましいものとなる。
次に、パイロット弁40がパイロット弁口44に当接するまで(d0からd1の間)の操作力(3N)を初期操作力とした場合、パイロット弁40がパイロット弁口44に当接した以降に付加される操作力(ばね荷重)が、この初期操作力の値(3N)以下であれば、止水操作時において、(1) パイロット弁40がパイロット弁口44に当接するまでと、(2) パイロット弁40がパイロット弁口44に当接した以降の両方において、操作力に差(ムラ)がなくなり、操作感がより好ましいものとなる。この場合には、コイルばねのばね定数を、0.01〜P1d2π/(4δ)N/mmと設定すればよい。ここで、δはコイルばねのたわみ量(mm)、P1 は水圧(MPa)、dは押し棒部の直径(mm)である。
また、上述した場合についてより具体的に説明すると、押し棒の直径が2mm、水圧が0.75MPa(水道圧の最大値)、コイルばね42のたわみ量が4mmである場合には、コイルばねのばね定数は、0.01〜0.75N/mm(=3N/4mm)となる。
このため、本実施形態では、コイルばねのばね定数を、0.01〜0.75N/mmの範囲に設定するようにしても良く、それにより、(1) パイロット弁40がパイロット弁口44に当接するまでと、(2) パイロット弁40がパイロット弁口44に当接した以降の両方において、操作力に差(ムラ)がなくなり、操作感がより好ましいものとなる。
上述した本実施形態におけるコイルばねのばね定数の最少値は、コイルばねのばね定数を小さくするために必要な条件である、コイルばねのばね腺材の径を小さくする、コイルばねの巻数を少なくする、コイルばねの径を増やすという3つの条件に基づいて、0.01N/mmに設定した。
このように、本実施形態では、コイルばね42のばね定数を、小さく設定することができる。
その結果、図7から明らかであるが、上述したように、止水操作時において、(1) パイロット弁40がパイロット弁口44に当接するまでと、(2) パイロット弁40がパイロット弁口44に当接した以降の両方において、操作力に差(ムラ)がなくなり、操作感が好ましいものとなる。
さらに、本実施形態によれば、図8から明らかなように、ばねに作用するばね荷重が小さくなり、良好な操作感を得ることができ、さらに、コンパクト化することができる。
さらに、シャワー用押し釦10等を強く押してパイロット弁40をパイロット弁口44に急速に当接させて弁を閉じる場合、コイルばね42のばね定数を小さな値に設定し、それにより、ばね荷重を小さくしているので、主弁46の移動速度を遅くすることができ、その結果、主弁に作用する瞬間的な大きな負荷の発生が防止され、ダイヤフラムの寿命を長くすることができる。
次に、図9乃至図15により、湯水混合水栓のカラン用押し釦及びシャワー用押し釦の構造を具体的に説明する。
図9は、図2に示された湯水混合水栓1の部品である板状の断熱カバー4、カラン用押し釦8及びシャワー用押し釦10の組立体を示す斜視図である。また、図10は、この組立体のシャワー用押し釦10を押した場合を示す表側から見た斜視図であり、図11は、図10に示す組立体を裏側から見た斜視図である。図12は、シャワー用押し釦10を表側から見た斜視図であり、図13は、図12のシャワー用押し釦10を裏側から見た斜視図である。ここで、カラン用押し釦8とシャワー用押し釦10は同じ構造であるため、ここでは、シャワー用押し釦10を例として説明する。
図9乃至図13に示すように、シャワー用押し釦10は、釦操作部80と、水栓本体3の一部である断熱カバー4に取り付けるためのアーム部82と、断熱カバー4に対して付勢した状態にする付勢手段である板ばね部84とから構成されている。これらの釦操作部80、アーム部82及び板ばね部84は、一体的に形成され、材質はポリプロピレンである。
シャワー用押し釦10のアーム部82の先端の両側には、それぞれ取付用の突起82aが形成され、これらの突起82aが、断熱カバー4に設けられた取付用のフランジ4aの凹部に嵌め込まれ、組み付けられるようになっている。組み付けた状態で、シャワー用押し釦10は、断熱カバー4のフランジ4aの凹部及びそれ自身のアーム82の突起82aにより形成される軸線Aを中心にして揺動可能となっている。
本実施形態においては、 このように押し釦が、水栓本体又は部材にその一端が軸線を中心に揺動可能に取り付けられているので、押し釦の周縁部を押す操作(偏押し操作)をしても、開閉弁にモーメントが発生せず、開閉弁の動きが安定し、それにより、吐水及び止水の作動が安定する。
シャワー用押し釦10の板ばね部84は、基端側がアーム部82に結合された一対の弾性変形可能な変形部84aと、この変形部84aの先端に設けられた当接部84bとにより構成されている。また、この板ばね部84のアーム部82への結合位置84cは、揺動中心であるアーム部82の突起82a(軸線A)から所定距離離れた位置に設定されている。これにより、板ばね部84が断熱カバー4の裏面側に押しつけられた際に、変形部84aが弾性変形し、必要な押し付け力を得ることができるようになっている。
次に、このシャワー用押し釦10の操作の仕方を説明する。図2に示すように、開閉弁ユニット30,32(図2は開閉弁ユニット32のみを示す)が、それぞれ、湯水混合水栓1のカラン用押し釦8及びシャワー用押し釦10の下面側に接触して設けられている。
また、図4に示すように、開閉弁ユニット32は、止水状態(閉状態)では、
シャワー用押し釦10の下面側に接触する操作部36の頂部36aの位置は、パイロット弁切替保持機構62により、レベルL0となっている。このレベルL0は、図2に示すように、シャワー用押し釦10の上面と、断熱カバー4の上面(表面)とは同じレベルとなる位置である。なお、レベルL0の状態は、図14(a)に示された位置である。
次に、図5に示すように、開閉弁ユニット32は、吐水状態(開状態)では、
シャワー用押し釦10の下面側に接触する操作部36の頂部36aの位置は、パイロット弁切替保持機構62により、レベルL1となっている。このレベルL1の位置は、図2に示されたレベルL0よりも、h1だけ、高い位置となっている。レベルL1の状態は、図14(c)に示された位置である。
図14は、使用者がシャワー用押し釦10を操作するときの各レベルを示す側面図である。図14(a)は、止水状態(閉状態)を示しており、このとき、シャワー用押し釦10の上面と、断熱カバー4の上面(表面)は同じレベルとなっている。
この状態において、板ばね部84の当接部84bは、断熱カバー4の裏面と非接触又は僅かに接触した状態となっている。これにより、止水状態では、板ばね部84には付勢力が発生しないようにし、永久変形の発生を防止している。
図14(b)は止水状態から吐水状態に切り替える際に使用者が押圧したときの状態を示しており過渡的な状態である。図14(c)は、使用者が、図14(b)の状態から吐水操作を終了したときの状態を示している。この場合、シャワー用押し釦10の上面が、断熱カバー4よりh1だけ高い位置となっている。このとき、図15に示すように、シャワー用押し釦10は、断熱カバー4の裏面側に押しつけられるので、板ばね部84の変形部84aが弾性変形し、それにより、シャワー用押し釦10と断熱カバー4との間で、シャワー用押し釦10に対し下向きの力が作用する。
この結果、使用者が、止水状態から吐水状態とするための吐水操作をした時、
シャワー用押し釦10は、板ばね部84により、下方に押し付けられるので、釦自体が振動する(暴れる)ことを防止することができる。
次に、図16により、湯水混合水栓のカラン用押し釦及びシャワー用押し釦の構造の他の例を説明する。
図16に示すように、このシャワー用押し釦10には、上述した例と同様に、釦操作部80と、断熱カバー4に取り付けるためのアーム部82と、断熱カバー4に対して付勢した状態にするための板ばね部86とから構成されている。この例の板ばね部86は、アーム部82に平行に延びるように形成されており、基端86aが操作部80の裏面に結合され、先端86bが、断熱カバー4の裏面に押し付けられるようになっている。また、基端86aと先端86bの間は、弾性変形可能な変形部86cとなっており、この変形部86cが弾性変形することにより、吐水操作時に、シャワー用押し釦10の上面が断熱カバー4の上面(表面)より高い位置にあるとき、シャワー用押し釦10を下方に押しつけるようになっている。
この結果、この例でも、使用者が、止水状態から吐水状態とするための吐水操作をした時、シャワー用押し釦10は、板ばね部86により、下方に押し付けられるので、釦自体が振動(暴れる)ことを防止することができる。
次に、図17乃至図20により、第1実施形態におけるカラン用押し釦及びシャワー用押し釦の断熱カバーへの取り付け方法を説明する。
ここでは、例として、シャワー用押し釦10を断熱カバー4に取り付ける方法を説明する。先ず、図17に示すように、シャワー用押し釦10を、断熱カバー4に対し真下から近づけ、アーム部82の先端の突起82aを断熱カバー4のフランジ4aの凹部に挿入する。このとき、図19(a)に示すように、フランジ4aの凹部の入口4bの幅が、扁平形状の突起82aの厚みよりも若干大きく形成されているため、容易に挿入することができる。
図18(a)及び図19(b)は、このアーム部82の突起82aが断熱カバー4のフランジ4aの凹部に挿入された状態を示している。この状態から、シャワー用押し釦10を時計回りに回動させると、図18(b)に示すように、シャワー用押し釦10の釦操作部80の内側面の一部P1が断熱カバー4に当接する。このとき、アーム部80を弾性変形させて、強制的に押し込み、図18(c)及び図19(c)に示す位置まで回動させ、取付を完了する。
このようにしてカラン用押し釦8及びシャワー用押し釦10が取り付けられた断熱カバー4が、その後、水栓本体3に取り付けられる。
一方、湯水混合水栓のメンテナンス時には、カラン用押し釦8及びシャワー用押し釦10が取り付けられた断熱カバー4を水栓本体3から取り外す必要がある。このような場合でも、本実施形態では、図20に示すように、例えば、シャワー用押し釦10の釦操作部80の内側面の一部P2が断熱カバー4に当接し、シャワー用押し釦10が断熱カバー4から容易に外れないようなっている。この結果、本実施形態によれば、メンテナンス性が向上する。
次に、図21乃至図28により、本発明の第2実施形態による湯水混合水栓を説明する。
図21は、本発明の第2実施形態による湯水混合水栓を示す全体斜視図であり、図22は、図21に示す湯水混合水栓の部品を展開して示す展開図である。
図21及び図22に示すように、符号101は、第2実施形態による湯水混合水栓を示し、この湯水混合水栓101は、湯水混合水栓1の設置面である壁面から突出して設けられている。この湯水混合水栓101は、水栓本体102を備え、この水栓本体102に、温度調整用ダイヤル106及び押ボタンユニット107が取り付けられている。この押ボタンユニット107は、カラン吐水用のカラン用押し釦108、シャワー吐水用のシャワー用押し釦110、及び、これらの押し釦108,110が取り付けられるベースプレート111から構成されている。
温度調整用ダイヤル106により所望の水温が設定され、湯水の混合比が調整されて、適温の吐水がなされる。また、カラン用押し釦108を操作することでカランから吐水され、シャワー吐水用押し釦110を操作することでシャワーヘッドからシャワー吐水がなされる。
ここで、カラン用押し釦108及びシャワー用押し釦110のそれぞれの操作面を水栓本体102の表面とほぼ同一面上に設けることにより、操作性を向上させている。
カラン用押し釦108の取付け位置の水栓本体102の前方下面側には、カラン吐水口116が設けられ、また、シャワー用押し釦110の取付け位置の水栓本体102の後方下面側には、シャワー吐水口118(図2参照)が設けられている。カラン吐水口116には、カラン吐水管117が接続され、また、シャワー吐水口118には図示しないシャワーヘッドに連通したシャワーホース120が接続されている。
使用者は、温度調整用ダイヤル106により所望の温度を設定するとともに、カラン吐水を得たい場合はカラン用押し釦108を、シャワー吐水を得たい場合はシャワー用押し釦110を押すことにより、所望の温度の混合水の吐水を得ることができる。そして、各押し釦108、110を再度押すと、止水されるようになっている。
このときの湯水混合水栓101内における湯水の流れを説明すると、先ず、給水管、給湯管から湯水混合水栓101内に流入した湯水は、湯用、水用それぞれに設けられた止水栓により適当な流量に絞られ、湯用、水用それぞれに設けられたフィルターおよび逆止弁を通過し、温度調節弁に流入する。温度調節弁はサーモスタット式の湯水混合弁であり、湯と水は所望の設定された温度に自動調整され、湯水混合水が温度調節弁から流出する。
その後、湯水混合水はカラン用、シャワー用それぞれに設けられた開閉弁ユニット(パイロット式開閉弁装置)130,132を経て、カランおよびシャワーノズルから吐水される。
ここで、開閉弁ユニット130,132は、それぞれ、開閉弁ユニット取付用ナット134により、水栓本体102に固定されるようになっている。ここで、開閉弁ユニット130,132は、第1実施形態における開閉弁ユニット30,32と同一構造であるため、説明は省略する。
また、押ボタンユニット107も、固定用ビス135により、水栓本体102に固定されるようになっている。
次に、図23乃至図28により、押ボタンユニット107の詳細構造を説明する。図23は押ボタンユニット107の部品を展開して示す展開図、図24は押し釦108(110)を裏側から見た斜視図、図25は押ボタンユニット107の正面図、図26は図25のB−B線に沿って見た断面図、図27は使用者が押し釦108(110)を操作するときの押し釦の各レベルを示す湯水混合水栓の部分断面図、図28は止水時の押し釦の状態(図28(a))と吐水時の押し釦の状態(図28(b))を示す側面図である。
図23に示すように、押ボタンユニット107は、上述したように、ベースプレート111と、このベースプレート111に取り付けられるカラン用押し釦108及びシャワー用押し釦110を備えている。押ボタンユニット107は、さらに、これらの押し釦108,110をベースプレート111に取り付けたとき、押し釦108,110をベースプレート111に押し付けるための付勢手段であるコイルばね140、及び、押し釦108,110を操作しても、止水状態を保持して吐水状態とならないようにするための誤操作防止用のロック機構142を備えている。
次に、図24に示すように、押し釦108(110)は、その一端側に一対の支持軸144(144a,144b)が設けられ、この支持軸144のうちの長い方の支持軸144aには、コイルばね140が取り付けられている(図26参照)。また、押し釦108(110)の裏面側には、開閉弁ユニット130(132)の操作部36と当接して使用者の押圧力を伝達する操作用突起146が一体的に設けられている。
図26に示すように、取付時には、先ず、押し釦108(110)の支持軸144aに、コイルばね140を装着し、次に、ベースプレート111に取り付ける。具体的には、シャワー用押し釦108の支持軸144aは、ベースプレート111の取付用溝148を形成する突起150(150a,150b)に当接し、弾性変形して内側にたわみ、突起150を乗り越えて、取付用溝148内に回動可能に取り付けられる。
図27(a)は、止水時の押し釦の状態(閉状態)を示しており、このとき、押し釦108(110)の上面と、水栓本体102の上面(表面)は同じレベルとなっている。この止水状態(閉状態)時、開閉弁ユニット130(132)において、押し釦108(110)の裏面側(下面側)の操作用突起146に接触する操作部36の位置は、パイロット弁切替保持機構(ハートカム機構)62により、レベルL0となっている。なお、この止水時、パイロット弁切替保持機構(ハートカム機構)62は、そのピン64の下端部64aが、図6に示すa位置(止水状態)に保持された状態となっている。
次に、止水状態から吐水状態に切り替えるときは、図27(b)に示すように、押し釦108(110)は、パイロット弁切替保持機構(ハートカム機構)62が解除されるため、一旦、最下方位置まで下がる。なお、このとき、パイロット弁切替保持機構(ハートカム機構)62は、そのピン64の下端部64aが、図6に示すb位置(釦押込み状態)まで下がった状態となっている。
次に、図27(b)の状態から吐水操作を終了したときは、図27(c)に示す状態となり、このとき、押し釦108(110)の上面が、水栓本体102よりh1だけ高い位置となっている。具体的には、この吐水状態時、開閉弁ユニット130(132)において、押し釦108(110)の操作用突起146に接触する操作部36の位置は、パイロット弁切替保持機構62により、レベルL1となっている。このレベルL1の位置は、レベルL0よりも、h1だけ、高い位置となっており、その結果、押し釦108(110)が、水栓本体102の表面よりも、上方に位置するようになっている。なお、この吐水時、パイロット弁切替保持機構(ハートカム機構)62は、そのピン64の下端部64aが、図6に示すc位置(吐水状態)に保持された状態となっている。
図28(a)に示すように、止水時、押し釦108(110)は、押し釦108(110)とベースプレート111との間で作用するコイルばね140による比較的に小さな付勢力により、または、付勢力がほぼゼロの状態で、開閉弁ユニット130(132)の操作部36に対して、下方に押し付けられている。また、図28(b)に示すように、吐水時、押し釦108(110)は、コイルばね140による比較的に大きな付勢力により、下方に押し付けられている。
このように、本実施形態によれば、使用者が、止水状態から吐水状態とするための吐水操作をした時、押し釦108(110)は、コイルばね140により、下方に押し付けられるので、釦自体が振動する(暴れる)ことを防止することができる。また、使用者が、吐水状態から止水状態とするための止水操作をした時も、同様に、押し釦108(110)は、コイルばね140により、ベースプレート111、即ち、下方に押し付けられるので、釦自体が振動する(暴れる)ことを防止することができる。
次に、ロック機構142を説明する。ロック機構142は、図23に示すように、一体的に形成された4つのロック用突起152を備えている。また、押し釦108(110)は、図24に示すように、それぞれ、一体的に形成された2つのロック用リブ154を備えている。このロック機構142は、図25に示すように、使用者が操作することにより、ぞれぞれ、右方向R及び左方向Lに移動可能となっている。
使用者が、湯水混合水栓101を使用しないときには、ロック機構142を右方向Rに移動させて、4つのロック用突起152を、ロック用リブ154にぞれぞれ当接させて、押し釦108(110)をロックして、押圧しても下降しないようにして、誤操作を防止している。
一方、湯水混合水栓101の使用時には、使用者は、ロック機構142を左方向Lに移動させて、4つのロック用突起152を、ロック用リブ154から離し、押し釦108(110)のロックを解除し、押圧すると下降して、吐水状態に切り替わるようになっている。
このロック機構142により、湯水混合水栓101を使用しないとき、使用者が誤って、押し釦108(110)を操作しても、押し釦がロックされているため、吐水状態とはならず、湯水が高温の場合に生じる危険を回避することができる。
次に、図29乃至図35Cを参照して、本発明の第3実施形態による水栓装置である湯水混合水栓を説明する。図29は本発明の第3実施形態による湯水混合水栓の一部を示す斜視図であり、図30は、図29のXXX-XXX線に沿って切断した側面断面図であり、図31は、図29のXXXI-XXXI線に沿って切断した側面断面図である。
図29乃至図32に示すように、本発明の第3実施形態による湯水混合水栓201は、水栓本体202と、この水栓本体202を覆うカバー204と、水栓本体202の前端部に取り付けられる取付プレート205と、水栓本体202に保持された開閉弁ユニット32と、を有する。さらに、湯水混合水栓201は、水栓本体202の前端部に取付プレート205を覆うように取り付けられる固定プレート206と、この固定プレート206に回動可能に取り付けられる押し釦208と、この押し釦208と固定プレート206との間に挟まれる抵抗部材210と、固定プレート206に取り付けられ、押し釦208を付勢する板ばね212と、を有する。
水栓本体202は、温度調整弁(図示せず)によって適温に調整された湯水混合水を、開閉弁ユニット32に導き、吐水口22aから吐水させるように構成されている。水栓本体202は、湯水混合水栓201を取り付ける壁面2からほぼ直角に突出するように配置され、その前端部には開閉弁ユニット32を受け入れるように構成されている。さらに、水栓本体202は、その下部に吐水口202aを備え、温度調整弁(図示せず)から水栓本体202に流入した湯水混合水を、開閉弁ユニットを介して吐水口202aから吐出させるように構成されている。
カバー204は、水栓本体202の周囲を覆うように形成された上下に分割可能なカバーであり、湯水混合水栓201を取り付ける壁面2からほぼ直角に突出するように取り付けられる。また、カバー204の下部には、水栓本体202の吐水口202aを露出させるための穴が設けられている。
取付プレート205は、概ね半円形の金属板であり、4本のビス205a(1本のみ図示)で水栓本体202の前端部に取り付けられる。また、取付プレート205には、固定プレート206を取り付けるための取付座(図示せず)が形成されており、この取付座(図示せず)に固定プレート206がビス止めされる。
次に、図32乃至図34を参照して、固定プレート206及び押し釦208を説明する。また、図32(a)は、本発明の第3実施形態による湯水混合水栓201の押し釦208を固定プレート206に組み付けた状態を、押し釦208の背面側から見た立面図であり、図32(b)は、(a)において一点鎖線で囲んだ押し釦208と固定プレート206の組み付け部分を拡大して示す部分拡大展開斜視図である。さらに、図33は押し釦208の背面図であり、図34は固定プレート206の背面図である。
固定プレート206は、概ね半円形板状の部材であり、その板面には補強用のリブが形成されている。固定プレート206の前面側の上方両端部には、押し釦208を回動可能に取り付けるための釦取付け部206aが形成されている。また、固定プレート206の背面側には、固定プレート206を取付プレート205に取り付けるための突起206b及び206cが形成されている。固定プレート206は、突起206cに形成された爪を取付プレート205の下端に係合させ、突起206bに形成された穴を通してビス(図示せず)を取付プレート205の取付座(図示せず)に螺合させることによって取付プレート205に固定される。さらに、固定プレート206には、水栓本体202に受け入れられている開閉弁ユニット32の操作部36を固定プレート206の前面側に露出させるための穴206dが形成されている。また、固定プレート206の上辺中央には、長方形状の切欠が形成されており、この切欠の底部から上方に向って延びるように、ステンレス製の板ばね212が取り付けられている。本実施形態においては、固定プレート206は、樹脂製である。
押し釦208は、正面から見ると概ね半円形、側面から見ると概ね扇形形状の、背面側が開放したカップ状の形状を有し、取付プレート205及び固定プレート206を背面側に受け入れる大きさに形成されている。押し釦208の背面側には、その上方の両側面から内方に向けて、軸線である2つの回動軸208aが形成されている。この2つの回動軸208aが、固定プレート206の釦取付け部206aに形成された穴に受け入れられることによって、押し釦208が固定プレート206に回動自在に支持される。また、各回動軸208aの基部の周囲には、放射状に延びる拡張部208bが形成されている。さらに、押し釦208の背面側下部中央には、当接部208cが形成されてている。押し釦208が押圧操作されて押し込まれると、この当接部208cが固定プレート206に当接して、押し釦208の動きが規制される。また、押し釦208の背面側上部中央には、板ばね係合突起208dが形成されている。この板ばね係合突起208dが、固定プレート206に取り付けられた板ばね212の先端部と係合することによって、押し釦208は、押し釦208が押し込まれる方向(後方)に向って付勢される。さらに、押し釦208の背面側には、操作部押圧突起208eが形成されている。押し釦208を押圧操作すると、この操作部押圧突起208eが水栓本体202から取付プレート205及び固定プレート206を通って突出している開閉弁ユニット32の操作部36を押して、開閉弁ユニット32を開閉操作することができる。本実施形態においては、押し釦208は樹脂製であり、表面には金属のメッキが施されている。
図32(b)に示すように、抵抗手段である抵抗部材210は、ドーナツ形の円板状であり、押し釦208と固定プレート206の間に挟み込まれる。即ち、押し釦208を固定プレート206に組み付ける際に、抵抗部材210を押し釦208の一方の回動軸208aに通し、各回動軸208aが固定プレート206の釦取付け部206aに形成された各穴に受け入れられるようにする。これにより、抵抗部材210は、図32(a)に示すように、回動軸208aの周囲の拡張部208bと釦取付け部206aの間に挟まれる。抵抗部材210は、その厚さが、釦取付け部206aと拡張部208bの間の隙間よりも僅かに大きく形成されているので、押し釦208を固定プレート206に組み付けると、押し釦208は僅かに弾性変形される。この弾性変形した押し釦208の復元力により、抵抗部材210は、押し釦208と固定プレート206の間に挟み付けられ、押し釦208に摩擦力が付与される。換言すれば、組み付けられる固定プレート206と押し釦208との間の隙間よりも僅かに厚い抵抗部材210を選択してそれらの間に挟み込むことにより、固定プレート206と押し釦208との間に適正な摩擦力が作用するようにする。固定プレート206と押し釦208との間の隙間が大きい場合には、両方の回動軸208aに抵抗部材210を取り付けても良い。組み付けるべき固定プレート206と押し釦208との間の隙間に合わせて抵抗部材210を選択することにより、固定プレート206及び押し釦208の成形誤差、又は押し釦208に施されたメッキの厚さのばらつきによらず、固定プレート206と押し釦208との間に適正な摩擦力を作用させることができる。
次に、図4乃至図6及び図35A乃至図35Cを参照して、本発明の第3実施形態による湯水混合水栓201の作用を説明する。図35Aは開閉弁ユニット32が止水状態にあるときの押し釦208の位置を示し、図35Bは開閉弁ユニット32の操作部36を最大に押し込んだときの押し釦208の位置を示し、図35Cは開閉弁ユニット32が吐水状態にあるときの押し釦208の位置を示す側面断面図である。
まず、開閉弁ユニット32が、図4に示すような止水状態にあるときは、開閉弁ユニット32のパイロット弁切換保持機構62は、図6におけるaの状態にある。また、このとき、押し釦208は、図35Aに示す位置にあり、操作部押圧突起208eが開閉弁ユニット32の操作部に当接している。さらに、固定プレート206に取り付けられた板ばね212は、押し釦208の板ばね係合突起208dに当接して僅かに湾曲されている。この板ばね212の復元力によって、押し釦208は後方に向って、即ち、押し釦208を押し込む方向に付勢されている。
次に、湯水混合水栓201の使用者が、押し釦208を押すと、押し釦208は、図35Bに示す位置に移動する。このとき、押し釦208の当接部208cが固定プレート206と当接して、押し釦208の動きを規制する。また、このとき、操作部押圧突起208eが操作部36を押し込んで、パイロット弁切換保持機構62を、図6におけるbの状態にする。一方、板ばね212の湾曲量は減じるので、板ばね212が押し釦208に作用させる付勢力は減少する。
次に、湯水混合水栓201の使用者が押し釦208を離すと、開閉弁ユニット32の付勢用ばね69の付勢力により、開閉弁ユニット32の操作部36が、図5に示す位置に押し戻され、吐水状態となる。このとき、パイロット弁切換保持機構62は、図6におけるcの状態になる。操作部36が図5に示す位置に押し戻されると、押し釦208は、操作部36によって前方に押され、図35Cの位置に移動される。一方、板ばね212は、押し釦208を押し込む方向に付勢しているが、板ばね212による付勢力は付勢用ばね69の付勢力よりも小さいので、付勢用ばね69の付勢力が板ばね212による付勢力に打ち勝って、押し釦208を図35Cの位置に移動させる。押し釦208が付勢用ばね69の付勢力によって前方に押されると、押し釦208に作用する慣性力により、押し釦208は図35Cの位置を通り越して前方に移動しようとする。しかしながら、押し釦208には、板ばね212による押し釦208を後方に押す付勢力が作用しているので、押し釦208の前方への行過ぎが防止される。さらに、押し釦208には抵抗部材210が取り付けられており、この抵抗部材210によって、押し釦208の動きに抵抗する摩擦力が及ぼされる。このため、押し釦208の慣性と、付勢用ばね69及び板ばね212による付勢力によって生起される振動を素早く減衰させることができる。これにより、押し釦208は、振動することなく、図35Cに示す位置を殆ど通り過ぎることなく、図35Bの位置から図35Cの位置へ速やかに移動する。
湯水混合水栓201の使用者が再び押し釦208を押すと、開閉弁ユニット32は図4に示すような止水状態となり、パイロット弁切換保持機構62は、図6におけるaの状態に復帰し、押し釦208も図35Aに示す状態に復帰する。
本発明の第3実施形態の湯水混合水栓201によれば、押し釦208に板ばね212及び抵抗部材210を設けたので、押し釦を操作するとき、押し釦自体が振動する(暴れる)ことを防止して、良好な操作感を得ることができる。特に、本実施形態においては、付勢手段である板ばねの他に抵抗手段である抵抗部材が取り付けられているので、押し釦が大型で、その慣性が大きい場合においても、押し釦の振動を効果的に防止することができる。また、本実施形態においては、押し釦と固定プレートとの間に抵抗部材を挟み込んでいるので、金属のメッキが施された押し釦と樹脂製の固定プレートが摺動することによる固定プレートの摩耗を減じることができる。
また、上述した実施形態においては、抵抗部材はドーナツ形の円板状であったが、変形例として、スプリングワッシャーやコイルばねを抵抗部材として使用しても良い。この場合には、抵抗部材自体の弾性変形により、抵抗部材によって及ぼされる抵抗力を調整することができる。
本発明の第1実施形態である湯水混合水栓を示す全体斜視図である。 本発明の実施形態に使用されるパイロット式開閉弁装置の湯水混合水栓への取り付け状態を示す斜視図である。 パイロット式開閉弁装置の基本構造を示す概略図である。 開閉弁ユニット(パイロット式開閉弁装置)における止水状態(閉状態)を示す断面図である。 開閉弁ユニット(パイロット式開閉弁装置)における吐水状態(開状態)を示す断面図である。 開閉弁ユニットに使用されるパイロット弁切替保持機構(ハートカム機構)を示す拡大図である。 本実施形態による止水操作時の操作部の移動距離(変位量)と操作力Fとの関係を示した線図である。 本実施形態による止水操作時の操作部の移動距離(変位量)とコイルばねに作用するばね荷重(N)との関係を示した線図である。 図2に示された湯水混合水栓の部品である板状の断熱カバー、カラン用押し釦及びシャワー用押し釦の組立体を示す斜視図である。 図9に示す組立体のシャワー用押し釦を押した場合を示す表側から見た斜視図である。 図10に示す組立体を裏側から見た斜視図である。 シャワー用押し釦を表側から見た斜視図である。 図12のシャワー用押し釦を裏側から見た斜視図である。 使用者がシャワー用押し釦を操作するときの各レベルを示す側面図である。 シャワー用押し釦が断熱カバーの裏面側に押しつけられて板ばね部の変形部が弾性変形している状態を示す部分正面図である。 湯水混合水栓のカラン用押し釦及びシャワー用押し釦の構造の他の例を示す斜視図である。 第1実施形態によるカラン用押し釦及びシャワー用押し釦の取り付け方法を示すための押し釦及び断熱カバーを示す斜視図である。 第1実施形態によるカラン用押し釦及びシャワー用押し釦の取り付け方法の各工程を示す側面図ある。 第1実施形態によるカラン用押し釦及びシャワー用押し釦の取り付け方法の各工程における押し釦のアーム部の突起と断熱カバーのフランジを示す部分側面図である。 第1実施形態によるメンテナンス時に水栓本体から取り外された押し釦及び断熱カバーを示す斜視図ある。 本発明の第2実施形態による湯水混合水栓を示す全体斜視図である。 図21に示す湯水混合水栓の部品を展開して示す展開図である。 第2実施形態による押ボタンユニットの部品を展開して示す展開図である。 第2実施形態による押し釦を裏側から見た斜視図である。 第2実施形態による押ボタンユニットを示す正面図である。 図25のB−B線に沿って見た断面図である。 使用者が押し釦を操作するときの押し釦の各レベルを示す混合水栓の部分断面図である。 第2実施形態の押し釦による止水状態(図28(a))と吐水状態(図28(b))を示す側面図である。 本発明の第3実施形態による湯水混合水栓の全体を示す斜視図である。 図29のXXX-XXX線に沿って切断した側面断面図である。 図29のXXXI-XXXI線に沿って切断した側面断面図である。 (a)本発明の第3実施形態による湯水混合水栓の押し釦を固定プレートに組み付けた状態を示す背面図、及び(b)押し釦と固定プレートの組み付け部分を拡大して示す部分拡大展開斜視図である。 本発明の第3実施形態による湯水混合水栓の押し釦の背面図である。 本発明の第3実施形態による湯水混合水栓の固定プレートの背面図である。 開閉弁ユニットが止水状態にあるときの押し釦の位置を示す側面断面図である。 開閉弁ユニットの操作部を完全に押し込んだときの押し釦の位置を示す側面断面図である。 開閉弁ユニットが吐水状態にあるときの押し釦の位置を示す側面断面図である。
符号の説明
1,101,201 湯水混合水栓
3,102,202 水栓本体
4,204 断熱カバー
8,108,208 カラン用押し釦
10,110 シャワー用押し釦
16,116,202a カラン吐水口
18,118 シャワー吐水口
30,32,130,132 開閉弁ユニット(パイロット式開閉弁装置)
34,134 開閉弁ユニット取付用ナット
36 操作部
38 押し棒
40 パイロット弁
44 パイロット弁口(圧力開放穴)
46 ダイヤフラム式の主弁
48 圧力室
50 ハウジング
52 弁座
54 シール部材
56 小穴(一次圧流入口)
58 クリーニング用のピン
60 組付ナット
62 パイロット弁切替保持機構
80 釦操作部
82 アーム部
82a 突起
84 板ばね部(付勢手段)
84a 変形部
84b 当接部
84c 結合位置
107 押ボタンユニット
111 ベースプレート
117 カラン吐水管
135 固定用ビス
140 コイルばね(付勢手段)
142 ロック機構
144 支持軸
146 操作用突起
205 取付プレート
206 固定プレート
210 抵抗部材
212 板ばね

Claims (5)

  1. 開閉弁の開閉により止水状態と吐水状態を切り替える水栓装置であって、
    上記開閉弁を収納する水栓本体と、
    この水栓本体又は水栓本体に取り付けられた部材にその一端が軸線を中心に揺動可能に取り付けられ、押圧操作するごとに開閉弁を閉じて止水状態とすると共に開閉弁を開いて吐水状態とする押し釦と、
    吐水状態のとき、上記押し釦の下側面が上記開閉弁の上端部に当接した状態で、上記押し釦と上記水栓本体又は上記部材の間で上記押し釦に対して下向きの力を作用させる付勢手段と、を有し、
    上記押し釦は、止水状態のときは、上記水栓本体又は上記部材の表面とほぼ面一となるように、また、吐水状態のときは、上記水栓本体又は上記部材の表面より上方に位置するように設けられ、上記付勢手段は、少なくとも、吐水状態のとき、上記押し釦に対して下向きの力を作用させるように設けられており、
    上記付勢手段は、止水状態のとき、上記押し釦に対して吐水状態のときより小さな下向きの力を作用させるか、又は、力が作用しないように構成されていることを特徴とする水栓装置。
  2. 開閉弁の開閉により止水状態と吐水状態を切り替える水栓装置であって、
    上記開閉弁を収納する水栓本体と、
    この水栓本体又は水栓本体に取り付けられた部材にその一端が軸線を中心に揺動可能に取り付けられ、押圧操作するごとに開閉弁を閉じて止水状態とすると共に開閉弁を開いて吐水状態とする押し釦と、
    吐水状態のとき、上記押し釦の下側面が上記開閉弁の上端部に当接した状態で、上記押し釦と上記水栓本体又は上記部材の間で上記押し釦に対して下向きの力を作用させる付勢手段と、を有し、
    上記押し釦は、止水状態のときは、上記水栓本体又は上記部材の表面とほぼ面一となるように、また、吐水状態のときは、上記水栓本体又は上記部材の表面より上方に位置するように設けられ、上記付勢手段は、少なくとも、吐水状態のとき、上記押し釦に対して下向きの力を作用させるように設けられており、
    上記付勢手段は、上記押し釦の端の軸線から所定距離だけ離れた位置に設けられていることを特徴とする水栓装置。
  3. 開閉弁の開閉により止水状態と吐水状態を切り替える水栓装置であって、
    上記開閉弁を収納する水栓本体と、
    この水栓本体又は水栓本体に取り付けられた部材にその一端が軸線を中心に揺動可能に取り付けられ、押圧操作するごとに開閉弁を閉じて止水状態とすると共に開閉弁を開いて吐水状態とする押し釦と、
    吐水状態のとき、上記押し釦の下側面が上記開閉弁の上端部に当接した状態で、上記押し釦と上記水栓本体又は上記部材の間で上記押し釦に対して下向きの力を作用させる付勢手段と、を有し、
    上記押し釦は、止水状態のときは、上記水栓本体又は上記部材の表面とほぼ面一となるように、また、吐水状態のときは、上記水栓本体又は上記部材の表面より上方に位置するように設けられ、上記付勢手段は、少なくとも、吐水状態のとき、上記押し釦に対して下向きの力を作用させるように設けられており、
    上記押し釦及び上記付勢手段は、樹脂により一体成形されていることを特徴とする水栓装置。
  4. 上記付勢手段は、上記押し釦の軸線の回りに取り付けられたコイルばねである請求項1記載の水栓装置。
  5. 上記水栓装置は、カラン吐水とシャワー吐水を行う湯水混合水栓であり、上記押し釦は、カラン吐水用のカラン用押し釦とシャワー吐水用のシャワー用押し釦からなる請求項1乃至4の何れか1項に記載の水栓装置。
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