JP2005163990A - 水栓装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 押し釦を誤って操作してしまったり、押し釦が偶発的に押されてしまうことによって不意に高温の湯が吐出されるという危険を回避することができる水栓装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、止水状態と吐水状態を切り替える開閉弁が水栓本体に取付けられている水栓装置である。開閉弁(132)は、圧力開放穴を備え止水状態と吐水状態を切り替える主弁(46)と、圧力開放穴を開閉するように配置された温度応動弁(51)と、水栓装置から吐水されるべき水の温度が高くなると、温度応動弁が圧力開放穴に当接するように温度応動弁を移動させる応動弁駆動手段(53、57)と、温度応動弁が圧力開放穴に当接すると内部の圧力が上昇して主弁が閉鎖される方向に主弁を押す圧力室(48)と、を有することを特徴としている。
【選択図】 図12

Description

本発明は、水栓装置に係わり、特に、開閉弁の開閉により止水状態と吐水状態を切り替える水栓装置に関する。
従来から、押し釦を操作することにより、弁体の開閉を止水状態と吐水状態の2状態に切り替え制御するようにした水栓装置が知られている。
例えば、特開平10−169801号公報(特許文献1)には、押し釦として、支軸を中心に揺動するシーソー式のレバーを設け、その押し釦を押圧操作することにより、ダイヤフラム式の開閉弁の弁体を開位置及び閉位置に位置させることにより、止水状態と吐水状態を切り替えるようにした水栓装置が知られている。
特開平10−169801号公報
上述した特許文献1のように押し釦により止水状態と吐水状態を切り替え制御するような水栓装置は、ワンタッチで止水、吐水操作を行うことができるので、非常に操作性に優れている。その反面、水栓装置の誤操作により、不意に吐水されてしまうこともある。特に、吐水温度を高温に設定しているとき、シャワーから不意に吐水されると、熱湯を身体に被ってしまうことになり問題がある。また、地震等により、落下物があり、その落下物により、押し釦が偶発的に作動し、高温の湯が吐水される場合もあり、問題がある。さらに、子供が誤って又はいたずらで押し釦を操作して、高温の湯を被ってしまうという問題が生じる。
そこで、本発明は、従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、押し釦を誤って操作してしまったり、押し釦が偶発的に押されてしまうことによって不意に高温の湯が吐出されるという危険を回避することができる水栓装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、本発明は、止水状態と吐水状態を切り替える開閉弁が水栓本体に取付けられている水栓装置であって、この開閉弁が、使用者の操作により移動され、止水状態と吐水状態を切り替える主弁と、水栓装置から吐水されるべき水の温度が高くなると、主弁が閉鎖するように主弁を移動させる主弁駆動手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、水栓装置は開閉弁を有し、この開閉弁は、使用者の操作により開閉される主弁を備えている。この主弁はまた、主弁駆動手段によっても駆動され、水の温度が高くなると、閉鎖するように移動される。
このように構成された本発明によれば、水栓装置から不意に高温の水が吐水されるのを防止することができる。
また、本発明は、止水状態と吐水状態を切り替える開閉弁が水栓本体に取付けられている水栓装置であって、この開閉弁が、圧力開放穴を備え止水状態と吐水状態を切り替える主弁と、圧力開放穴を開閉するように配置された温度応動弁と、水栓装置から吐水されるべき水の温度が高くなると、温度応動弁が圧力開放穴に当接するように温度応動弁を移動させる応動弁駆動手段と、温度応動弁が圧力開放穴に当接すると内部の圧力が上昇して主弁が閉鎖される方向に主弁を押す圧力室と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、水栓装置から吐水されるべき水の温度が高くなると、応動弁駆動手段は、温度応動弁を圧力開放穴の方に移動させ、温度応動弁を圧力開放穴に当接させる。温度応動弁が圧力開放穴に当接すると、圧力室内の圧力が高くなるので、この圧力によって主弁が閉鎖する方向に押圧され、主弁が閉鎖される。
このように構成された本発明によれば、水栓装置から不意に高温の水が吐水される危険を回避することができる。
本発明において、好ましくは、開閉弁が、さらに、止水状態と吐水状態を切り替える際に操作される操作部と、この操作部の操作によって圧力開放穴を開閉するように、圧力室の内部に配置されたパイロット弁と、を有する。
このように構成された本発明においては、開閉弁を開閉操作するために操作部を操作すると、圧力室内に配置されたパイロット弁が移動され、主弁に設けられた圧力開放穴が開閉される。圧力開放穴がパイロット弁によって閉鎖されると、圧力室の圧力が上昇し、この圧力によって主弁が閉鎖する方向に押圧され、主弁が閉鎖される。
このように構成された本発明によれば、水栓装置から不意に高温の水が吐水されるのを防止することができる。
本発明において、好ましくは、応動弁駆動手段が、圧力室の外部に配置され、温度応動弁が、パイロット弁の反対側から圧力開放穴に当接する。
このように構成された本発明においては、操作部の操作によって移動されるパイロット弁は、圧力室の内部から圧力開放穴を開閉し、応動弁駆動手段によって駆動される温度応動弁は、圧力室の外部から圧力開放穴を開閉して、主弁の止水状態と吐水状態を切り替える。
このように構成された本発明によれば、水栓装置から不意に高温の水が吐水されるのを防止することができる。
本発明において、好ましくは、圧力開放穴は、その温度応動弁が当接する部分に切欠部が形成され、温度応動弁が圧力開放穴に当接したとき、圧力開放穴が完全に閉鎖されない。
このように構成された本発明においては、応動弁駆動手段によって温度応動弁が圧力開放穴に当接された後も水栓本体内の水が少しずつ開閉弁から流出するので、温度応動弁が作動した後、水栓装置から吐出されるべき水の温度を低温に設定することによって、作動した温度応動弁を容易に非作動状態に復帰させることができる。
本発明において、好ましくは、応動弁駆動手段が形状記憶合金製のコイルバネであり、水栓装置から吐水されるべき水の温度が高くなるとコイルバネが伸張又は圧縮して温度応動弁を駆動する。
このように構成された本発明によれば、水栓装置から吐水されるべき水の温度が高くなったとき温度応動弁を移動させる応動弁駆動手段を、簡単な機構で構成することができる。
本発明の水栓装置によれば、押し釦を誤って操作してしまったり、押し釦が偶発的に押されてしまうことによって不意に高温の湯が吐出されるという危険を回避することができる。
以下に添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
先ず、図1乃至図5により、本発明の第1実施形態の水栓装置である湯水混合水栓の基本構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態による湯水混合水栓を示す全体斜視図であり、図2は、図1に示された湯水混合水栓の平面図であり、図3は、図1に示す湯水混合水栓の部品を展開して示す展開図であり、図4は、本実施形態の水栓本体を示す平面図であり、図5は図4のA−A線、B−B線及びC−C線に沿って見た断面図である。
図1及び図2に示すように、符号101は、本実施形態による湯水混合水栓を示し、この湯水混合水栓101は、湯水混合水栓101の設置面である壁面から突出して設けられている。この湯水混合水栓101は、水栓本体102を備え、この水栓本体102に、温度調整用ダイヤル104及び押ボタンユニット106が取り付けられている。この押ボタンユニット106は、カラン吐水用のカラン用押し釦108、シャワー吐水用のシャワー用押し釦110、これらの押し釦108,110が取り付けられるベースプレート112、及び、押し釦108,110をロックして止水状態を保持するロック機構142から構成されている。
温度調整用ダイヤル104により所望の水温が設定され、湯水の混合比が調整されて、適温の吐水がなされる。また、カラン用押し釦108を操作することでカランから吐水され、シャワー吐水用押し釦110を操作することでシャワーヘッドからシャワー吐水がなされる。
カラン用押し釦108の取付け位置の前方下面側には、カラン吐水口116が設けられ、また、シャワー用押し釦110の取付け位置の背面側には、シャワー吐水口118(図3参照)が設けられている。カラン吐水口116には、カラン吐水管120が接続され、また、シャワー吐水口118には図示しないシャワーヘッドに連通したシャワーホース122が接続されている。
使用者は、温度調整用ダイヤル104により所望の温度を設定するとともに、カラン吐水を得たい場合はカラン用押し釦108を、シャワー吐水を得たい場合はシャワー用押し釦110を押すことにより、直ちに、所望の温度の混合水の吐水を得ることができる。そして、各押し釦108、110を再度押すと、止水されるようになっている。
本実施形態によれば、温度調整用ダイヤル104、カラン用押し釦108及びシャワー用押し釦110の順番で、水栓本体102上に配置され、さらに、カラン用押し釦108の位置及びカラン吐水口116の位置が上方から見てほぼ一致するようになっている。
次に、湯水混合水栓101内における湯水の流れを説明すると、先ず、給水管、給湯管から湯水混合水栓101内に流入した湯水は、湯用、水用それぞれに設けられた止水栓により適当な流量に絞られ、湯用、水用それぞれに設けられたフィルターおよび逆止弁を通過し、温度調節弁に流入する。温度調節弁はサーモスタット式の湯水混合弁であり、湯と水は所望の設定された温度に自動調整され、湯水混合水が温度調節弁から流出する。その後、湯水混合水はカラン用、シャワー用それぞれに設けられた開閉弁(パイロット式開閉弁装置)130,132を経て、カランおよびシャワーヘッドから吐水される。
図3に示すように、開閉弁130,132は、それぞれ、開閉弁取付用ナット134により、水栓本体102に固定されるようになっている。ここで、開閉弁130,132の詳細構造は、図12乃至図16により後述する。
また、押ボタンユニット106も、固定用ビス136により、水栓本体102に固定されるようになっている。
ここで、図5(a)は、図4に示す水栓本体をA−A線に沿って見た断面図であり、図5(b)は水栓本体をB−B線に沿って見た断面図であり、図5(c)は水栓本体をC−C線に沿って見た断面図である。
図4及び図5に示すように、水栓本体102には、その背部から、湯及び水が供給されるが、その前方側では、ほぼ水及び温度調整された水(温調水)のみが流れるようになっているので、水栓本体102に触れても火傷することがないので、断熱カバー等を設ける必要がない。
次に、図6乃至図11により、押ボタンユニット106の詳細構造を説明する。図6は押ボタンユニット106の部品を展開して示す展開図、図7は押し釦108(110)を裏側から見た斜視図、図8は押ボタンユニット106の正面図、図9は図8のD−D線に沿って見た断面図、図10は使用者が押し釦108(110)を操作するときの押し釦の各レベルを示す湯水混合水栓の部分断面図、図11は止水時の押し釦の状態(図11(a))と吐水時の押し釦の状態(図11(b))を示す側面図である。
図6に示すように、押ボタンユニット106は、上述したように、ベースプレート112と、このベースプレート112に取り付けられるカラン用押し釦108及びシャワー用押し釦110を備えている。
また、ベースプレート112は、カラン用押し釦108及びシャワー用押し釦110の間にこれらの押し釦を仕切る仕切り部138を一体的に備えている。これにより、使用者が、カラン用押し釦108及びシャワー用押し釦110を操作するときの誤操作を簡易な構造により防止することができる。
さらに、押ボタンユニット106は、これらの押し釦108,110をベースプレート112に取り付けたとき、押し釦108,110をベースプレート112に押し付けるためのコイルバネ140、及び、押し釦108,110を操作しても、止水状態を保持して吐水状態とならないようにするための誤操作防止用のロック機構142を備えている。
次に、図7に示すように、押し釦108(110)は、その一端側に一対の支持軸144(144a,144b)が設けられ、この支持軸144のうちの長い方の支持軸144aには、コイルバネ140が取り付けられている(図9参照)。また、押し釦108(110)の裏面側には、開閉弁130(132)の操作部36(図13参照)と当接して使用者の押圧力を伝達する操作用突起146が一体的に設けられている。
図9に示すように、取付時には、先ず、押し釦108(110)の支持軸144aに、コイルバネ140を装着し、次に、ベースプレート112に取り付ける。具体的には、シャワー用押し釦108の支持軸144aは、ベースプレート112の取付用溝148を形成する突起150(150a,150b)に当接し、弾性変形して内側にたわみ、突起150を乗り越えて、取付用溝148内に回動可能に取り付けられる。
図10(a)は、ロック解除時の止水状態(閉状態)を示しており、このとき、押し釦108(110)の上面と、水栓本体102の上面(表面)は同じレベルとなっている。この止水状態(閉状態)時、開閉弁130(132)において、押し釦108(110)の裏面側(下面側)の操作用突起146に接触する操作部36(図13参照)の位置は、パイロット弁切替保持機構(ハートカム機構)62(図16参照)により、レベルL0となっている。
次に、止水状態から吐水状態に切り替えるときは、図10(b)に示すように、押し釦108(110)は、パイロット弁切替保持機構(ハートカム機構)62が解除されるため、一旦、最下方位置まで下がる。
次に、図10(b)の状態から吐水操作を終了したときは、図10(c)に示す状態となり、このとき、押し釦108(110)の上面が、水栓本体102よりh1だけ高い位置となっている。具体的には、この吐水状態時、開閉弁130(132)において、押し釦108(110)の操作用突起146に接触する操作部36の位置は、パイロット弁切替保持機構62により、レベルL1となっている。このレベルL1の位置は、レベルL0よりも、h1だけ、高い位置となっており、その結果、押し釦108(110)が、水栓本体103の表面よりも、上方に位置するようになっている。
図11(a)に示すように、止水状態のときは、押し釦108(110)は、押し釦108(110)とベースプレート112との間で作用するコイルバネ140による比較的に小さな付勢力により、または、付勢力がほぼゼロの状態で、開閉弁130(132)の操作部36に対して、下方に押し付けられている。また、図11(b)に示すように、吐水状態のときは、押し釦108(110)は、コイルバネ140による比較的に大きな付勢力により、下方に押し付けられている。
このため、使用者が、止水状態から吐水状態とするための吐水操作をした時、押し釦108(110)は、コイルバネ140により、ベースプレート112、即ち、下方に押し付けられるので、釦自体が振動する(暴れる)ことを防止することができる。
次に、図12により、パイロット式開閉弁装置であるシャワー用の開閉弁132の基本構造を説明する。
図12に示すように、開閉弁132は、使用者がシャワー用の押し釦110を押すとこの押圧操作により下方に押される操作部36と、操作部36にその基端が結合された押し棒38と、この押し棒38の先端に設けられたパイロット弁40とを備えている。ここで、押し棒38先端(下端)の大径部38aとパイロット弁40との間には緩衝手段であるコイルバネ42が設けられている。開閉弁132は、更に,パイロット弁40の下方に、パイロット弁口(圧力開放穴)44を備えパイロット弁40がこのパイロット弁口44に当接及び解離するダイヤフラム式の主弁46と、この主弁46の背面に形成され押し棒38、パイロット弁40及びコイルバネ42を収納する圧力室48を形成するためのハウジング50と、主弁46の表面が着座及び離座する弁座52とを備えている。また、ハウジング50の押し棒38が挿通される部分には、シール部材54が設けられている。さらに、主弁46の外周側には、小穴(一次圧流入口)56が形成されている。操作部36とハウジング50の間には、付勢用バネ69が配置され、操作部36を上方に付勢している。また、弁座52の下方にはステイ部49が設けられており、このステイ部49の中央に形成された穴が摺動軸55を上下方向に摺動可能に受け入れている。摺動軸55の先端(上端)には温度応動弁51が取付けられている。温度応動弁51とステイ部49の上面との間には駆動バネ53が配置され、温度応動弁51を上方のパイロット弁口44の方に向って付勢している。また、摺動軸55の下端には留め部材55aが取付けられており、この留め部材55aとステイ部49の下面との間にバイアスバネ57が配置されて、温度応動弁51をパイロット弁口44から離れる方向に付勢している。本実施形態において、駆動バネ53は、形状記憶合金(SMA)製のコイルバネであり、温度が上昇すると伸張するように形成されている。また、本実施形態において、バイアスバネ57は、ステンレス鋼製のコイルバネであり、温度によりその長さは変化しない。常温においては、駆動バネ53が発生するバネ荷重と、バイアスバネ57が発生するバネ荷重は、温度応動弁51がパイロット弁口44から離れた位置で釣り合い、温度応動弁51がパイロット弁口44の下方で静止するように構成されている。
次に、シャワー用の開閉弁132の基本動作を説明する。この開閉弁132においては、圧力室48内に設けられたパイロット弁40を、主弁46のパイロット弁口44に当接及び解離させることで、パイロット弁口44を開閉し、これによりダイヤフラム式の主弁46の止水と吐水を切り替えるようになっている。
先ず、吐水状態から止水状態に切り替えるときは、付勢用バネ69の付勢力に抗して押し棒38によりパイロット弁40をパイロット弁口44に当接する方向に押す。このとき、押し棒38には、圧力室48内の水圧による力、シール部材54による摺動摩擦抵抗も作用するので、これらの力にも打ち勝つ力で操作部36を押す必要がある。
次に、パイロット弁40が主弁46のパイロット弁口44に当接してパイロット弁口44が閉鎖されると、主弁46の小穴56を通って圧力室48内に流入した一次側通水路の水が圧力室48内に溜って、圧力室48内の圧力が上昇する。これにより、ダイヤフラム式の主弁46が圧力室48内の圧力に押されて下方に移動し、やがて主弁46が弁座52に着座して、止水状態に切り替わる。なお、小穴56は小さく形成されているため、圧力室48内の圧力上昇は緩やかであり、主弁46は遅い速度で弁座52に着座する。これは、主弁46の閉止時のウォーターハンマーの発生を抑えるためである。吐水状態から操作部36を一回押し下げると、操作部36は、後述するパイロット弁切替保持機構により、押し下げられた位置に維持される。この状態では、パイロット弁40はパイロット弁口44に当接したままであるので、圧力室48内は一次側通水路の圧力に維持され、主弁46は弁座52に着座した状態に保持される。
さらに、この開閉弁132では、緩衝手段であるコイルバネ42を、押し棒38とパイロット弁40との間、即ち、圧力室48内に設けたので、このコイルバネ42には、圧力室48内の圧力により押し棒38を圧力室48外に押し戻す力は作用しない。このため、コイルバネ42には非常に弱いバネを使用することができる。コイルバネ42は非常に弱いバネであるため、パイロット弁40がパイロット弁口44に当接した後、コイルバネ42を押し縮めるために必要とされる力は非常に小さく、パイロット弁40がパイロット弁口44に当接する前後における操作力の変化は非常に少ない。
また、止水状態において操作部を一回押すと、パイロット弁切替保持機構により押し下げられた位置に維持されていた操作部36が、付勢用バネ69の付勢力によって押し上げられ、元の位置に復帰する。操作部36が元の位置に復帰すると、押し棒38を介して操作部36に連結されているパイロット弁40がパイロット弁口(圧力開放穴)44から引き離される。パイロット弁40がパイロット弁口44から離れてパイロット弁口44が開放されると、圧力室48内の圧力が低下するので、主弁46を弁座52に押し付ける力が作用しなくなる。このため、ダイヤフラム式の主弁46は、ダイヤフラムが元の形状に戻ることによって弁座52から離座し、吐水状態となる。
次に、図13乃至図16により、開閉弁(パイロット式開閉弁装置)132の構造をより具体的に説明する。図13は開閉弁(パイロット式開閉弁装置)における止水状態(閉状態)を示す断面図であり、図14は開閉弁(パイロット式開閉弁装置)における吐水状態(開状態)を示す断面図であり、図15は温度応動弁の作用により止水状態にされる直前の開閉弁の断面図である。また、図16はパイロット弁切替保持機構62の作用を示す拡大図である。
先ず、図13に示すように、開閉弁132は、図12により既に説明した、操作部36、押し棒38、パイロット弁40、緩衝手段であるコイルバネ42、パイロット弁口(圧力開放穴)44を備えたダイヤフラム式の主弁46、圧力室48を形成するためのハウジング50(50a,50b)、弁座52、シール部材54、小穴56、付勢用バネ69を備えている。さらに、図12に示したように、開閉弁132は、ステイ部49、温度応動弁51、摺動軸55、駆動バネ53、バイアスバネ57を備えている。
次に、上述した小穴(一次圧流入口)56には、クリーニング用のピン58が挿入されており、小穴56の一次圧流入口の通水面積を絞っている。これにより、上述したように、一次圧の圧力室への流入速度を抑制することで主弁46の閉止速度を緩やかにし、閉止時に発生するウォーターハンマーを低減できるようにしている。
圧力室48を形成するハウジング50は、主にパイロット弁40が配置された空間を取り囲む第1ハウジング50aと、主弁46の背面側の空間を取り囲む第2ハウジング50bから構成されている。
また、最外周側には、操作部36、第1ハウジング50a、第2ハウジング50b、弁座52の4つの部品を組み付けることにより、開閉弁32を組み立てるための組付ナット60が配置されている。さらに、付勢用バネ69は、第1ハウジング50aと操作部36との間に配置され、操作部36を第1ハウジング50aに対して上方に付勢している。
さらに、第1ハウジング50aの外側には、パイロット弁切替保持機構62が設けられている。このパイロット弁切替保持機構62は、一般にノック式ボールペンのノック機構などで使用される機構でもよいが、本実施形態では、図13乃至15に示すように、操作部36と連動して移動するピン64と、第1ハウジング50aの外周面に形成されピン64の下方側が弾性変形しながらこれに沿って移動する逆ハート形状のカム溝66と、止水状態(閉状態)でピン64を保持する保持用突起68から形成されたハートカム機構である。
ここで、図16により、パイロット弁切替保持機構(ハートカム機構)62の詳細構造及び動作を説明する。図16は、開閉弁に使用されるパイロット弁切替保持機構(ハートカム機構)を示す拡大図である。図16に示すように、使用者が押し釦108,110の押圧操作をするごとに、ピン64の下端部64aは、a位置(止水状態)、b位置(押込み状態)、c位置(吐水状態)、d位置(押込み状態)の順序で,移動する。即ち、a位置(止水状態)においては、ピン64の下端部64aが、保持用突起68により保持されており、止水状態が保持されている。次に、止水状態から吐水状態に吐水操作すると、ピン64の下端部64aは、カム溝66の形状に沿って移動し、b位置(押込み状態)まで下がり、その後、c位置(吐水状態)まで移動し、この位置で、吐水状態が保持される。次に、吐水状態から止水状態に止水操作すると、ピン64の下端部64aは、c位置(吐水状態)から、カム溝66の形状に沿って移動し、d位置(押込み状態)まで下がり、その後、a位置(吐水状態)まで移動し、この位置で、止水状態が保持される。
パイロット弁切替保持機構62がハートカム機構であるので、圧力室48をシールするシール部材54に、押し棒38の往復運動(上下運動)のみが作用し、上述したノック機構のように押し棒38の回転運動が作用しないため、シール部材54への負担が少なくなり、高い信頼性が得られる。
また、図13及び図14に示すように、付勢用バネ69により、止水状態から吐水状態に切替操作する際、即ち、押し釦8,10が押された際、パイロット弁切替保持機構62による止水状態位置における保持が解除され、操作部36が上方に付勢され、パイロット弁40が弁体42から解離し、容易に吐水状態に切り替えることができるようになっている。
次に、押し棒38とパイロット弁40の結合部について説明する。図13乃至図15に示すように、押し棒38の先端(下端)であって圧力室48の内部には、上述したように、押し棒38のストローク方向の移動距離(変位量)を吸収する緩衝手段であるコイルばね42が設けられている。押し棒38の先端(下端)に大径部38aが形成され、さらに、パイロット弁40の先端には、パッキン40aが装着されている。パイロット弁40は、中空部40bを有し、この中空部40bにコイルばね42を内蔵している。パイロット弁40の上側には、押し棒38が摺動可能に挿入される挿入穴40cが形成されている。パイロット弁40は、弾性変形可能な樹脂材料で作られており、組立て時は、パイロット弁40を変形させながら、押し棒38を挿入穴40cに挿入し、中空部40b内に押し棒38の大径部38aを収納するようにしている。ここで、コイルばね42は押し棒38とパイロット弁40とを引き離す方向に作用している。
これにより、止水状態から吐水状態に切り替える吐水操作時には、コイルばね42の付勢力により押し棒38の先端の大径部38aとパイロット弁40の上側が係合し、それにより、パイロット弁40は、押し棒38の動きと連動し、主弁46に形成されたパイロット弁口44から離座する(図14参照)。
吐水状態から止水状態に切り替える止水操作時には、パイロット弁40が主弁46に形成されたパイロット弁口44に当接するとき、押し棒38の大径部38aは、パイロット弁40の上側から離れて下降するが、押し棒38のストローク方向の移動距離(変位量)はコイルばね42により吸収される(図13参照)。
次に、温度応動弁51の駆動機構について説明する。図13乃至図15に示すように、ステイ部49は、円柱形のボス部49aを、このボス部49aから半径方向外方に延びる4本のアーム部49bにより、開閉弁132の出口の中央に支持するように構成されている。ボス部49aの中心には穴が設けられ、この穴が摺動軸55を上下方向に摺動自在に支持している。摺動軸55の先端(上端)には、温度応動弁51が設けられ、温度応動弁51の上面にはパッキン51aが取付けられている。ボス部49aの上面と温度応動弁51の間には、駆動バネ53が配置され、温度応動弁51を上方に付勢している。また、バイアスバネ57が、摺動軸55の下端に取付けられた留め部材55aとボス部49aの下面との間に配置され、温度応動弁51を下方に付勢している。この構造により、温度応動弁51は、駆動バネ53及びバイアスバネ57によって夫々上下に付勢されるので、これらのバネの付勢力が釣り合った位置で静止する。本実施形態において、駆動バネ53、摺動軸55、及びバイアスバネ57は、応動弁駆動手段を構成する。また、本実施形態において、温度応動弁51と、応動弁駆動手段と、圧力室48は、主弁駆動手段を構成する。
常温においては、駆動バネ53の付勢力とバイアスバネ57の付勢力は、温度応動弁51がパイロット弁口44から離れた位置で釣り合うので、温度応動弁51はパイロット弁口44に当接せず、パイロット弁口44は開放される。開閉弁132から高温の水(例えば、45゜Cよりも高温の水)が吐出された場合には、高温の水によって駆動バネ53が加熱されるので、形状記憶合金製の駆動バネ53は、伸張しようとする。駆動バネ53が伸張すると駆動バネ53による付勢力が増大するので、駆動バネ53の付勢力はバイアスバネ57の付勢力に打ち勝って、温度応動弁51を上方に移動させ、温度応動弁51はパイロット弁口44に当接する(図15の状態)。温度応動弁51がパイロット弁口44に当接すると、小穴56を通って圧力室48内に流入した高温の水は、パイロット弁口44を通って外部に出ることができなくなるので、圧力室48内の圧力が上昇し、主弁46が下方の弁座52に向って移動され、開閉弁132は閉鎖される。この際、温度応動弁51は駆動バネ53によって上方に付勢されているので、主弁46は温度応動弁51から上方に向う力を受けるが、圧力室48内の圧力による力は、これに打ち勝って主弁46を下方に移動させる。
また、図15(b)に示すように、パイロット弁口44の下面には切欠部44aが形成されているので、温度応動弁51がパイロット弁口44に当接してもパイロット弁口44は完全には閉鎖されず、切欠部44aを通って圧力室48内の高温の水が僅かに流出する。従って、温度応動弁51の作用により主弁46が閉鎖され、開閉弁132に流入している高温の水が少しずつパイロット弁口44の切欠部44aから流出している状態においては、駆動バネ53は、切欠部44aから流出する高温の水によって加熱され続けるので、伸張した状態に維持される。また、温度調整用ダイヤル104の調整等によって開閉弁132に流入する水が低温になると、圧力室48及び水栓本体102内に溜まっていた高温の水は切欠部44aから流出し、その後、低温の水が切欠部44aから流出するので、低温の水によって駆動バネ53が冷却される。駆動バネ53の温度が低下すると、駆動バネ53による付勢力は弱くなるので、駆動バネ53はバイアスバネ57の付勢力によって圧縮され、温度応動弁51はパイロット弁口44から離れる。温度応動弁51がパイロット弁口44から離れ、パイロット弁口44が開放されると、圧力室48内の圧力が低下するので、主弁46が弁座52から離れ、開閉弁132が吐水状態に復帰する。本実施形態においては、パイロット弁口44の直径は2mmであり、切欠部44aによって形成される通水路の断面積は直径1mmの円とほぼ同一である。
このように、パイロット弁口44の下面に切欠部44aを設け、圧力室48内の水が少しずつ外部に洩れるようにすることで、圧力室48内の圧力を高圧に保持しながら、開閉弁132に高温の水が流入しているときには確実に止水状態を維持し、開閉弁132に流入する水が所定温度以下になったときには開閉弁を吐水状態に復帰させることができる。
図17は、形状記憶合金製のコイルバネである駆動バネ53が発生する付勢力と温度の関係の一例を示すグラフである。図17に示すように、駆動バネ53は、シャワーヘッドから不意に吐水すると問題がある約45゜Cに近づくと急激に付勢力が増大するように構成されている。この付勢力の増大により、開閉弁132から吐水される水の温度が上昇すると、駆動バネ53の付勢力がバイアスバネ57の付勢力に打ち勝って、温度応動弁51を上方に押し上げる。
ここで、駆動バネ53及びバイアスバネ57が満たさなければならない条件を検討する。即ち、駆動バネ53によって付勢された温度応動弁51は、主弁46を押し上げる方向に力を作用させるので、温度応動弁51が主弁46に作用させる力が強すぎると主弁46が弁座52から離れてしまうからである。まず、開閉弁132に流入する水の圧力の最低値をP1min、主弁46の弁座径をDとすると、圧力室48内の水圧が主弁46を弁座52に押し付ける力は、最低で、(D/2)2π×P1minとなる。一方、温度応動弁51が主弁46を押し上げる力は、駆動バネ53による付勢力をFs、バイアスバネ57による付勢力をFbとすると、これらの差Fs−Fbとして与えられる。従って、
(D/2)2π×P1min>Fs−Fb (数式1)
の条件が満たされるように駆動バネ53の付勢力Fs、バイアスバネ57の付勢力Fbを決定すれば良い。ここで、D=9mm、P1min=0.05MPaとすれば、Fs−Fb<3.2Nと計算される。また、温度応動弁51を上方に移動させるためには殆ど力を必要としないので、Fs−Fbの値は、正の値であれば非常に小さい値で良い。従って、温度応動弁51がパイロット弁口44に当接する位置において、これらの条件を満たすように、駆動バネ53及びバイアスバネ57のバネ定数、及びそれらの保持条件を決定すれば良い。
以上、温度応動弁の駆動機構を説明したが、変形例として、駆動バネ53をステイ部49の下側に、バイアスバネ57をステイ部49の上側に配置するように構成することもできる。この場合においては、ステイ部49の下側に配置された駆動バネ53は温度応動弁51を上方に引き上げ、バイアスバネ57は温度応動弁51を下方に引き下げるように構成する。さらに、形状記憶合金製の駆動バネ53を、高温に晒されると長さが縮小して温度応動弁51を上方に引き上げる力が増大するように構成しておくことにより、高温に晒されたとき、駆動バネ53が温度応動弁51を上方に引き上げる力が、バイアスバネ57が温度応動弁51を下方に引き下げる力に打ち勝って、温度応動弁51がパイロット弁口44に当接するようになる。次いで、駆動バネ53が低温になると、駆動バネ53が温度応動弁51を上方に引き上げる力が減少し、バイアスバネ57が温度応動弁51を下方に引き下げる力によって、温度応動弁51がパイロット弁口44から引き離される。
以上、シャワーからの吐水、止水を切り換えるパイロット式開閉弁装置である開閉弁132を説明したが、カランからの吐水、止水を切り換える開閉弁130の構成及び作用もほぼ同一である。ただし、カランについては、浴槽に差し湯をする場合等、高温の水を吐水させる必要があるので、本実施形態においては、開閉弁130には、高温の水の吐水を防止する機構を設けていない。即ち、開閉弁130には、ステイ部49、温度応動弁51、駆動バネ53、摺動軸55及びバイアスバネ57が設けられていない。しかしながら、適用によっては、カラン用の開閉弁130にシャワー用の開閉弁132と同一の開閉弁を使用しても良いし、或いは、温度応動弁が作動する温度が開閉弁132よりも高くなるように構成した開閉弁をカラン用に使用しても良い。
次に、図18を参照して、本発明の第2実施形態の水栓装置を説明する。本実施形態の水栓装置は、シャワー用の開閉弁とカラン用の開閉弁の配置が、第1実施形態とは異なる。従って、同様の構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。図18は、本発明の第2実施形態の水栓装置の断面図を示す。図18に示すように、本実施形態の水栓装置180は、水栓本体102と、温度調整用ダイヤル104と、サーモスタット式の湯水混合弁182と、シャワー用の開閉弁132と、カラン用の開閉弁130と、を有する。また、シャワー用の開閉弁132には、第1実施形態と同様の温度応動弁51(図18には図示せず)等の高温の水の吐水を防止する機構が設けられており、カラン用の開閉弁130には、この機構は設けられていない。
図18に示すように、水栓本体102に流入した湯及び水は、温度調整用ダイヤル104の設定に基づいて湯水混合弁182によって混合され、適温に調整される。適温に調整された水は、まず、シャワー用の開閉弁132に流れ、次いで、カラン用の開閉弁130に流れるように構成されている。シャワー用の開閉弁132を操作して吐水状態とすると、湯水混合弁182を経て適温に調整された水が、シャワー吐水口118から吐水される。また、カラン用の開閉弁130を操作して吐水状態とすると、湯水混合弁182を経て適温に調整された水が、シャワー用の開閉弁132の周囲を通ってカラン用の開閉弁130に至り、カラン吐水管120から吐水される。
シャワー用の開閉弁132及びカラン用の開閉弁130がこのように配置されていると、シャワー吐水口118から高温の水を吐水させようとして温度応動弁51が作用した後、シャワー用の開閉弁132を素早く通常の吐水状態に復帰させることができる。即ち、シャワー用の開閉弁132から高温の水を吐水させようとすると、駆動バネ53(図18には図示せず)が加熱され、温度応動弁51が作動して開閉弁132を止水状態にする。次に、温度調整用ダイヤル104を低温に設定してシャワー用の開閉弁132の吐水操作を行ったとしても、駆動バネ53が冷却されて温度が下がるまでは温度応動弁51が作用しているので、開閉弁132をすぐに通常の吐水状態に復帰させることはできない。そこで、カラン用の開閉弁130を吐水状態に切り替えることによってカラン吐水管120から吐水させると、水栓本体102の中に溜まっていた高温の水がカラン吐水管120から速やかに排出されるので、湯水混合弁182とカラン用の開閉弁130の間にあるシャワー用の開閉弁132も速やかに冷却される。これにより、駆動バネ53の温度が速やかに低下するので、温度応動弁51も速やかに非作動状態(温度応動弁51がパイロット弁口から離れた状態)に復帰し、シャワーヘッドから吐水を行うことができるようになる。
本発明の第2実施形態の水栓装置によれば、温度応動弁の作用によりシャワー用の開閉弁が止水状態になった後、設定温度を下げてカランから吐水させることにより、速やかにシャワー用の開閉弁を吐水状態に復帰させることができる。
次に、図19及び図20を参照して、本発明の第3実施形態の水栓装置である湯水混合水栓を説明する。図19は本発明の第3実施形態の湯水混合水栓の全体斜視図であり、図20(a)は湯水混合水栓のシャワー用押し釦操作可能状態における平面図であり、(b)は左側面図、(c)は右側面断面図である。なお、図20(c)は、図20(a)のN−N線に沿って取られた断面図であり、図20(a)は、図20(b)のM−M線に沿った階段断面図として示されている。本発明の第3実施形態の湯水混合水栓は、水栓本体の形状が第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第3実施形態の第1実施形態とは異なる点のみ説明し、同様の構成要素については同一の参照番号を付して説明を省略する。
図19及び20に示すように、符号201は、本実施形態による湯水混合水栓を示し、この湯水混合水栓201は、湯水混合水栓201の設置面である壁面から突出して設けられている。この湯水混合水栓201は、水栓本体202と水栓本体202の上面を覆うカバー203を備え、この水栓本体202の上面に、温度調整用ダイヤル204及び2つの押し釦208、210が取り付けられている。また、図20(c)に示すように、各押し釦208、210の下には、カラン用、シャワー用の開閉弁230、232(232のみ図示)が夫々配置されている。これらの各開閉弁の構成は第1実施形態における開閉弁130、132と夫々同様であるので説明を省略する。
水栓本体202に流入した湯及び水は、温度調整用ダイヤル204の設定に基づいた比率で混合され適温に調整される。使用者が、押し釦208を押すと、その下方に位置する開閉弁230が開状態となり、カラン吐水口216から適温に調整された水が吐出される。また、押し釦210を押すと、その下方に位置する開閉弁233が開状態となり、シャワー吐水口218から適温に調整された水が吐出される。温度調整用ダイヤル204には、高温吐水用釦209が設けられており、温度調整用ダイヤル204を高温に設定する場合には、高温吐水用釦209を押しながら温度調整用ダイヤル204を回転させなければ、温度調整用ダイヤル204が高温側まで回らないように構成されている。
このように構成された本発明の第3実施形態によれば、開閉弁232を操作してシャワーヘッドから高温の水を吐水させようとすると、開閉弁232の内部に設けられた温度応動弁(図19、20には図示せず)が作動して、開閉弁232を止水状態にする。これにより、高温の水をシャワーヘッドから不意に吐水させるという危険を回避することができる。
次に、図21を参照して、本発明の第4実施形態による湯水混合水栓を説明する。本実施形態の湯水混合水栓は、一方の押し釦を押すと湯と水の混合水が直接カランから吐水され、他方の押し釦を押すと湯と水の混合水が、浄水器を介して吐水される点が、第3実施形態とは異なる。従って、ここでは、第4実施形態の第3実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。
図21は、本発明の第4実施形態による湯水混合水栓の全体斜視図である。図21に示すように、符号301は、本実施形態による湯水混合水栓を示し、この湯水混合水栓301は、湯水混合水栓301の設置面である壁面から突出して設けられている。この湯水混合水栓301は、水栓本体202と水栓本体202の上面を覆うカバー203を備え、この水栓本体202の上面に、温度調整用ダイヤル204及び2つの押し釦208、210が取り付けられている。また、各押し釦208、210の下には、原水吐水用、浄水器吐水用の開閉弁ユニット(図示せず)が夫々配置されている。これにより、原水吐水用押し釦208を押すと湯と水が混合され適温に調整された混合水がカラン吐水口216を通ってカランから吐出され、浄水器吐水用押し釦210を押すと混合水が浄水器吐水口304を通って浄水器302に流入して浄水され、浄水器の吐出口302aから吐出する。なお、各開閉弁ユニットの構成は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
浄水器吐水用の開閉弁ユニット(図示せず)は、水栓装置から吐水される水が、浄水器に流入させると浄水器のフィルターを損傷してしまう温度、例えば、60゜C以上になると、主弁が閉鎖されるように構成されている。これにより、温度調整用ダイヤル204を高温に設定しているとき、浄水器吐水用押し釦210を誤って押し、浄水器302のフィルターを損傷してしまうことが回避される。なお、吐水される水が高温になると主弁を閉鎖させる機構の構成は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
本発明の第4実施形態の湯水混合水栓によれば、高温設定時における浄水器吐水用押し釦の誤操作や、浄水器吐水用押し釦の上への落下物により、浄水器に高温の水を流入させ、浄水器のフィルターを損傷してしまうことを回避することができる。
以上、本発明の水栓装置の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態では、水栓装置は、シャワー用及びカラン用の2つの開閉弁を備えていたが、水栓装置の開閉弁の数は、1つでも良いし、3つ以上でも良い。また、高温設定時に吐水できなくなる開閉弁は、少なくとも1つ備えられていれば良い。さらに、上述した実施形態では水栓装置は浴室用のものであるが、台所用等、任意の用途の水栓装置に本発明を適用することができる。また、上述した実施形態では、応動弁駆動手段として2本のコイルバネを使用しているが、応動弁駆動手段として、板バネ、ゴム等、温度応動弁を駆動することができる任意の部材を使用することができる。
また、上述した実施形態では、圧力室の外部に温度応動弁及び応動弁駆動手段を配置していたが、図22に示すように、温度応動弁をパイロット弁と兼用にし、応動弁駆動手段を圧力室の内部に配置するように本発明を構成することもできる。図22に示す変形例では、押し棒38先端の大径部38aの上側にバイアスバネ190が、下側に駆動バネ192が配置されている。この変形例において、操作部36を操作することにより押し棒38が下方に移動すると、パイロット弁(温度応動弁)40が圧力開放穴44を閉鎖して、主弁46を閉鎖方向に移動させる。また、押し棒38が吐水状態の位置にある場合でも、圧力室内に高温の水が流入すると、駆動バネ192が伸張してバイアスバネ190の付勢力に打ち勝って、パイロット弁40を下方に移動させる。これにより、圧力開放穴44が閉鎖され、主弁46も閉鎖されて止水状態となる。
本発明の第1実施形態による湯水混合水栓を示す全体斜視図である。 図1に示された湯水混合水栓の平面図である。 図1に示す湯水混合水栓の部品を展開して示す展開図である。 本発明の実施形態の水栓本体を示す平面図である。 図4のA−A線、B−B線及びC−C線に沿って見た断面図である。 本発明の実施形態による押ボタンユニットの部品を展開して示す展開図である。 本発明の実施形態による押し釦を裏側から見た斜視図である。 本発明の実施形態による押ボタンユニットを示す正面図である。 図8のD−D線に沿って見た断面図である。 使用者が押し釦を操作するときの押し釦の各レベルを示す混合水栓の部分断面図である。 本発明の実施形態の押し釦による止水状態(図11(a))と吐水状態(図11(b))を示す側面図である。 本発明の実施形態の開閉弁の基本構造を示す概略図である。 開閉弁における止水状態(閉状態)を示す断面図である。 開閉弁における吐水状態(開状態)を示す断面図である。 温度応動弁が作動して止水状態になっている開閉弁を示す断面図である。 開閉弁に使用されるパイロット弁切換保持機構(ハートカム機構)を示す拡大図である。 付勢バネの温度と、付勢バネが発生する付勢力の関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態による湯水混合水栓を示す断面図である。 本発明の第3実施形態による湯水混合水栓を示す全体斜視図である。 図19に示された湯水混合水栓の平面図(a)、左側面図(b)、右側面断面図(c)である。 本発明の第4実施形態による湯水混合水栓を示す全体斜視図である。 本発明における開閉弁の変形例の基本構造を示す概略図である。
符号の説明
36 操作部
38 押し棒
40 パイロット弁
42 コイルバネ
44 パイロット弁口(圧力開放穴)
46 主弁
48 圧力室
49 ステイ部
50 ハウジング
51 温度応動弁
52 弁座
53 駆動バネ
54 シール部材
55 摺動軸
56 小穴(一次圧流入口)
58 ピン
60 組付ナット
62 パイロット弁切替保持機構
64 ピン
66 カム溝
68 保持用突起
101 湯水混合水栓
102 水栓本体
104 温度調整用ダイヤル
106 押ボタンユニット
108 カラン用押し釦
110 シャワー用押し釦
112 ベースプレート
116 カラン吐水口
118 シャワー吐水口
120 カラン吐水管
130,132 開閉弁(パイロット式開閉弁装置)
134 開閉弁取付用ナット
136 固定用ビス
138 仕切り部
140 コイルバネ
142 ロック機構
144 支持軸
146 操作用突起
148 取付用溝
150 突起
180 本発明の第2実施形態による湯水混合水栓
182 湯水混合弁
201 本発明の第3実施形態による湯水混合水栓
202 水栓本体
204 温度調整用ダイヤル
208 カラン用押し釦
209 高温吐水用釦
210 シャワー用押し釦
216 カラン吐水口
218 シャワー吐水口
232 開閉弁
301 本発明の第4実施形態による湯水混合水栓
302 浄水器

Claims (6)

  1. 止水状態と吐水状態を切り替える開閉弁が水栓本体に取付けられている水栓装置であって、
    この開閉弁が、
    使用者の操作により移動され、止水状態と吐水状態を切り替える主弁と、
    上記水栓装置から吐水されるべき水の温度が高くなると、上記主弁が閉鎖するように上記主弁を移動させる主弁駆動手段と、
    を有することを特徴とする水栓装置。
  2. 止水状態と吐水状態を切り替える開閉弁が水栓本体に取付けられている水栓装置であって、
    この開閉弁が、
    圧力開放穴を備え止水状態と吐水状態を切り替える主弁と、
    上記圧力開放穴を開閉するように配置された温度応動弁と、
    上記水栓装置から吐水されるべき水の温度が高くなると、上記温度応動弁が上記圧力開放穴に当接するように上記温度応動弁を移動させる応動弁駆動手段と、
    上記温度応動弁が上記圧力開放穴に当接すると内部の圧力が上昇して上記主弁が閉鎖される方向に上記主弁を押す圧力室と、
    を有することを特徴とする水栓装置。
  3. 上記開閉弁が、さらに、止水状態と吐水状態を切り替える際に操作される操作部と、この操作部の操作によって上記圧力開放穴を開閉するように、上記圧力室の内部に配置されたパイロット弁と、を有することを特徴とする請求項2記載の水栓装置。
  4. 上記応動弁駆動手段が、上記圧力室の外部に配置され、上記温度応動弁が、上記パイロット弁の反対側から上記圧力開放穴に当接する請求項3記載の水栓装置。
  5. 上記圧力開放穴は、その上記温度応動弁が当接する部分に切欠部が形成され、上記温度応動弁が上記圧力開放穴に当接したとき、上記圧力開放穴が完全に閉鎖されない請求項2乃至4の何れか1項に記載の水栓装置。
  6. 上記応動弁駆動手段が形状記憶合金製のコイルバネであり、上記水栓装置から吐水されるべき水の温度が高くなると上記コイルバネが伸張又は圧縮して上記温度応動弁を駆動する請求項2乃至5の何れか1項に記載の水栓装置。
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