JP4048396B2 - 板状材への加圧方法及び加圧装置 - Google Patents

板状材への加圧方法及び加圧装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は板状材への加圧方法及び加圧装置に係り、特に、ガラス、金属、シリコンウェーハ、フォトマスク、セラミック等の板状材の研磨並びに物体表面同士の貼り付け技術に応用することができる板状材への加圧方法及び加圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な研磨装置は、図15に示す如く、研磨テーブル1上にテーブルパッド2を介して被加工物(例えば、ガラス基板)3が保持され、その上方に研磨パッド4を有した研磨定盤5が設けられている。研磨定盤5は被加工物3の傾斜に追従できるように回転シャフト6に任意の方向に揺動自在に支持されており、回転シャフト6は支持点を介して研磨定盤5に図中下方への押し付け力と回転運動力とを付与するようになっている。
【0003】
そして、図示せぬ研磨液供給手段から研磨液が供給されるとともに、研磨定盤5が被加工物3に押し付けられた状態で被加工物3に対して相対運動し、被加工物3が研磨される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の研磨装置では、研磨定盤5は回転シャフト6の支持点を介して押圧されるため、研磨定盤6が大型化すると研磨圧力が加圧点付近に集中して加圧分布が不均一となり、被加工物3の面を均一に研磨できないという欠点がある。また、加圧分布を均一にすべく、研磨定盤の剛性を極端に高めると、研磨パッドがツルーイング定盤のうねり形状を転写してしまい、研磨中の面圧分布を均一化できないという欠点がある。
【0005】
他方、均一面圧を得る方法として、図16に示すように流体7を密封したバッグ8のような弾性体を介して被加工物3に圧力を付与することが考えられる。かかる構成は接触面全面に均一面圧を与え、被加工物3の表面を均一な研磨代で研磨できるが、大小あらゆるピッチのうねり(凹凸)に対して弾性体が追従することになり、本来除去したい細かな凹凸の形状が研磨後もそのまま残ってしまうという問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、加圧分布を均一にし、さらに、様々なピッチの表面うねりをもつ板状材に対して、所望のピッチ長のうねりに対して選択的に追従させることができる加圧方法及び加圧装置を提供することを目的とする。また、かかる方法を用いて、被加工面を略全面均一に除去し、さらに、目標とするうねりを選択的に除去することができる研磨装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1記載の発明は、板状材に対向して配置した定盤の背面に圧力を加えて板状材と定盤とを対向させる板状材への加圧方法であって、板状材に加圧接触させたときに、板状材の特定のピッチ長の表面うねりに倣うことができるように、前記ピッチ長に応じて定盤の剛性を適正化し、定盤を板状材に向けて多点加圧または面加圧することによって、定盤を前記特定のピッチ長のうねりに沿うように変形させつつ板状材と定盤とを対向させることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、圧力を付与すると、定盤はその剛性に応じて板状材の特定のうねりに沿って変形し、板状材に対して略均一面圧により接触する。
また、この方法発明を具現化する装置を提供すべく、請求項2記載の発明は、板状材に対向して配置された定盤と、該定盤の背面に配置され、定盤を支持する支持体と、定盤と支持体の間に配置され、定盤を多点加圧又は面加圧可能な加圧手段と、を備えた板状材への加圧装置であって、定盤は、前記加圧手段により板状材の特定のピッチ長の表面うねりに倣うことができるように、前記ピッチ長に応じて剛性が適正化されていることを特徴としている。
【0009】
また、板状材への加圧に加えて、板状材と定盤とを摺動させる場合は、請求項3に記載のごとく、定盤と支持体との間に、定盤の支持体に対する平面方向の動きを拘束する拘束手段を備えることが好ましい。このようにして、定盤と板状材との摺動を確実に行うことができる。
また、前記方法発明を具現化する装置を提供すべく、請求項4記載の発明は、板状材に対向して配置された定盤と、定盤の背面に配置され、該定盤を支持する第1支持体と、定盤と第1支持体の間に配置され、定盤を面加圧可能な面加圧手段と、第1支持体の背面に配置され、該第1支持体を支持する第2支持体と、第1支持体と第2支持体の間に配置され、第1支持体を多点加圧可能な加圧手段と、を備えた板状材への加圧装置であって、定盤は、前記面加圧手段により板状材の特定のピッチ長の表面うねりに倣うことができるように、前記ピッチ長に応じて剛性が適正化されていることを特徴としている。
【0010】
請求項7記載の発明は、上述した板状材への加圧装置を研磨装置に応用したものであり、前記定盤に相当する研磨定盤に研磨部材が設けられ、被加工物たる前記板状材と前記研磨部材とを相対的に摺動させて板状材の表面を研磨する研磨装置に適用したことを特徴としている。
かかる研磨装置によれば、いろいろなピッチの表面うねりをもつ被加工物に対して、全面略均一に且つ目標とするうねりを選択的に除去することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る板状材への加圧方法及び加圧装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の実施の形態に係る研磨装置の原理を示す概念図である。研磨定盤10の背面(図1において上面)には複数の空気バネ(加圧手段に相当)12、12、12が一定の間隔Lで配列され、研磨定盤10はこれら空気バネ12、…を介して支持プレート(支持体に相当)14と連結される。各空気バネ12は支持プレート14に固設されている。
【0012】
ここで、空気バネ(加圧手段)12は、研磨定盤10を多点加圧可能なだけでなく、支持プレート(支持体)14の平面方向の動きを研磨定盤10に伝達することができる。
支持プレート14は、図示せぬ加圧シリンダーと連結された回転シャフトの下端部に固着されており、加圧シリンダーからの圧力は各空気バネ12、…を介して複数点でFz1 、Fz2 、Fz3 …として研磨定盤10に伝達されるとともに、研磨定盤10は回転シャフトを中心に水平面内で偏心回転可能となっている。
【0013】
こうして、研磨定盤10には、回転シャフトを介してテーブル方向(図中下方)への押し付け力と回転運動力とが付与される。尚、研磨定盤10を同一平面内で任意に移動させるように回転シャフトを移動可能に構成してもよい。
かかる構成によって、加圧シリンダーの圧力は加圧点に相当する各空気バネ12に均等に分配され、これら複数の加圧点からの押し付け力の重ね合わせによって研磨定盤10の下面に均一な圧力が加わるようになっている。
【0014】
このようなマルチシリンダーポリシング(MCP)機構において、各空気バネ12の配列間隔(加圧点ピッチ)Lと、研磨定盤10の剛性とを最適化することによって、均一面加圧を実現し、目標とするピッチ長のうねり(凹凸)を選択的に均一除去することが可能となる。
次に、研磨定盤の剛性の最適化について説明する。
【0015】
以下、被加工物としてガラス基板を研磨する場合を例に説明する。図2に示したように、被加工物たるガラス基板(板状材に相当)16の表面には20〜30mmのピッチで高さ約0.2μmのうねり(マイクロコルゲーション)18が存在しており、研磨によってこのマイクロコルゲーション18の凹凸を除去することが望まれている。尚、図中符号20は研磨テーブル、符号22はテーブルパッドである。
【0016】
一方、図3に示したように研磨定盤10に固着された研磨パッド(研磨部材)24をドレッシングするためのドレス定盤26の表面には、約200mmのピッチで高さ約10〜20μm程度のうねりが存在している。従って、研磨パッド24を平滑にドレッシングするには、このドレス定盤26のうねりに追従して研磨定盤10がたわんで、研磨パッド24の下面とドレス定盤26の上面とが密着した状態で接触する必要がある。
【0017】
かかる条件を考慮して研磨定盤10の剛性を定める。例えば、研磨定盤10をアルミ合金で形成し、研磨定盤10が適正な剛性となるようにその最適な板厚が選択される。尚、研磨定盤10の材質はアルミ合金に限らず、適度な剛性を持つ他の材料でもよい。
図4及び図5には、アルミ合金の板厚の違いによるピッチ長さと研磨定盤の最大たわみ量の関係を示すグラフの一例が示されている。尚、各グラフは、定盤サイズが幅320mm、面圧が180gf/cm2の条件下で得られたものである。
【0018】
先ず、研磨定盤10がドレス定盤26の凹凸に倣うという条件から、図4のグラフを参照して、200mmピッチで10μm(0.01mm)の凹凸に倣うためには板厚が19mm以下であるという制限が求まる。また、200mmピッチで20μmの凹凸に倣うには板厚が15mm以下であるという制限が求まる。 一方、ガラス基板16のマイクロコルゲーション18を除去するという条件から、マイクロコルゲーション18の高さに相当する0.2μmの凹凸をその10分の1の高さ(0.02μm)程度に除去するものと想定し、図5のグラフを参照して、30mmのピッチで0.02μm以上たわまないためには板厚が12mm以上であるという制限が求まる。以上の考察から、上記想定した条件の下では研磨定盤10の板厚を12mm〜15mm程度とすることが望ましい。
【0019】
次に、上記の如く構成された研磨装置の作用について説明する。
板厚の選択によって剛性が適正化された研磨定盤10に研磨パッド24を固着し、この研磨パッド24を図6(a)に示したようにドレス定盤26に押し付けてドレッシングする。このとき、研磨定盤10は空気バネ12…を介して伝達される分布荷重によってドレス定盤26の表面の凹凸に追従して変形し、研磨パッド24の表面とドレス定盤26の表面とが均一面圧で接触する。かかる面接触によって、研磨パッド24は平滑にドレッシングされる。図6(b)にはドレッシング終了後の研磨定盤10及び研磨パッド24の様子が示されている。
【0020】
ドレッシングによって平滑面となった研磨パッド24を図6(c)に示すように被加工物たるガラス基板16に押し当てると、研磨定盤10は空気バネ12…を介して伝達される分布荷重によってガラス基板16の大きなうねりに倣って変形するが、マイクロコルゲーション18程度の小さなうねりに対しては追従しない。従って、ガラス基板16の大きなうねりに対しては均一加圧が可能であり、目標とするマイクロコルゲーション18を選択的に除去することができる。
【0021】
上記実施の形態では、研磨定盤10の板厚tによってその剛性を適正化する場合を例に説明したが、研磨定盤10の剛性の適正化方法はこれに限られない。例えば、図7に示すように、研磨定盤10を高剛性材料で形成し、その背面側に加圧方向と平行な方向に切り込まれた切り込み溝38を設けて剛性を調整することも可能である。同図では、切り込み溝38を一定の間隔(100〜200mm)で形成した例が示されているが、切り込み溝38の深さ、幅、間隔、数によって研磨定盤10の剛性が定まる。
【0022】
図7中に示した矢印は、加圧点と加圧方向を示しており、図では省略されているが、各加圧点に図1で示したものと同様に空気バネ12を介して押し付け力が付与される。
かかる構成の研磨定盤10を用いて被加工物たるガラス基板16を研磨する場合にも、図8に示したように被加工物たるガラス基板16の大きなうねりに倣って研磨定盤10は変形するが、マイクロコルゲーション18程度の小さなうねりに対しては追従しない。従って、ガラス基板16の大きなうねりの面に対しては均一加圧が可能であり、目標とするマイクロコルゲーション18を均一な研磨代で除去することができる。
【0023】
図1乃至図8で説明したMCP機構は研磨ヘッドを大型化しても研磨圧分布を均一にすることができるという利点を有し、特に大型のガラス基板を研磨するため研磨装置への適用が可能である。
図9には、図1で説明したMCPの原理を採用した大型の研磨ヘッドの一例が示されている。この研磨ヘッド40は、研磨下定盤42と、支持体に相当する研磨上定盤44と、両定盤の間に配置される加圧手段に相当する空気バネ46、46…と、積層ゴム48を用いた拘束手段に相当する複数の回り止め機構50、50…とから構成される。そして、研磨上定盤44の上面中央部に図示せぬ回転シャフトの軸が固定される。各空気バネ46は、所定の間隔を隔てて合計11個設けられ、研磨下定盤42はこれら空気バネ46、46…を介して多点加圧される。
【0024】
回り止め機構50は、回転シャフトの軸の周囲に前後左右合計4か所の対称位置に設けられている。即ち、研磨下定盤42の背面(図9において上面)には、矩形状の枠部52が4か所形成されており、研磨上定盤44の下面側にはこれら枠部52に対応する位置に取付部54が突設されている。
各取付部54がそれぞれ対応する枠部52に挿入されるとともに、各取付部54には2つの円柱状の積層ゴム48の一端が固定され、該積層ゴム48の他端は枠部52の壁面に固定される。この場合、取付部54を挟んで配置される2つの積層ゴム48、48は同軸上に配置される。積層ゴム48は軸線方向の力に対しては変形し難く、軸線と直交する方向の力に対しては変形し易いという性質を有しており、研磨上定盤44に連結された回転シャフトの回転力は、各積層ゴム48の軸線方向に作用して取付部54を介して研磨下定盤42に伝達される。
【0025】
かかる構成の研磨ヘッド40によれば、図10に示したように回転シャフト(不図示)から研磨上定盤44に付与された荷重は空気バネ46、46…を介して研磨下定盤42に伝達され、研磨テーブル20上に配置されたガラス基板(被加工物)16を略均一面圧で研磨することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0026】
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る研磨装置の原理を示す概念図である。この研磨装置は、図1で説明した空気バネ12から成る加圧手段に代えて、単一の弾性体60を用いて面加圧している点で図1に示した形態と異なる。
即ち、高い剛性を有する研磨上定盤(支持体に相当)62の下面には、多孔質ゴムパッド等、ポアソン比が低い柔軟材料から成る単一の弾性体60が接着されている。この弾性体60が研磨下定盤64の変形に柔軟に追従して、研磨下定盤64の背面に対して、一様な面加圧を与えるようになっている。
【0027】
尚、研磨下定盤64が研磨対象たるガラス基板16のマイクロコルゲーション18には追従せず、それよりも大きなうねりに対して倣うように、研磨下定盤64の剛性を適正な値に設定する点は図1で説明した実施の形態と同様である。
このように、高剛性の研磨上定盤62と適正剛性を持つ研磨下定盤64との間に柔軟な弾性体60を介在させた層構造を有する研磨ヘッドの作用は、以下の通りである。
【0028】
研磨上定盤62に連結された回転シャフト(不図示)から研磨上定盤62に対して押圧力及び回転力が付与されると、その押圧力は弾性体60を介して研磨下定盤64に伝達される。このとき、研磨下定盤64はガラス基板16表面の大きなうねりに倣って変形する。また、弾性体60も研磨下定盤64の変形に応じて柔軟に変形し、研磨下定盤64の背面に均一面圧を付与する。これにより、研磨圧分布が均一となり、ガラス基板16のマイクロコルゲーション18のみを選択的に且つ、均一な研磨代で研磨除去することができる。
【0029】
なお、上記の実施の形態では、研磨上定盤62と研磨下定盤64は弾性体60を介して接着により一体化するようにしているが、次のように吸着により一体化するようにしてもよい。
図13に示すように、研磨上定盤62の下面には横2本のエア溝66A、66B及び縦4本のエア溝68A、68B、68C、68Dが形成されており、これらのエア溝66A、66B、68A〜68Dは互いにクロスして格子状に形成されている。また、エア溝68Dには図12に示すエア貫通孔70が連通され、このエア貫通孔70は、研磨上定盤62の上部開口部に接続された配管72を介して図示しない真空ポンプに連結される。
【0030】
弾性体60は研磨上定盤62の下面に貼着されており、該弾性体60には図13に示すように、前記エア溝66A、66B、68A〜68Dに対応してスリット76A、76B、78A〜78Dが形成されている。
また、前記研磨上定盤62の下面には図12に示すように、弾性体60を囲むようにループ状の溝80が形成されており、この溝80にOリング82が装着されている。
【0031】
前記のごとく構成された研磨定盤において、研磨下定盤64を研磨上定盤62に吸着させる方法について説明すると、まず、研磨下定盤64の上面に研磨上定盤62のOリング82を押し当てる。この時、前記Oリング82は、研磨上定盤62の下面の外縁に沿って装着されているので、研磨下定盤62の上面の外縁が前記Oリング82に密着されることになる。この状態で前記真空ポンプを駆動すると、研磨上定盤62と研磨下定盤64とOリング82とで囲まれる空間の空気が、エア溝66A、66B、68A〜68Dを介して貫通孔70に吸引され、そして、配管72を介して真空ポンプに吸引される。この時、エア溝66A、66B、68A〜68Dによる吸引作用によって、Oリング82で囲まれる弾性体60の全面が研磨下定盤64の上面を均一に吸引し、これにより、研磨下定盤64の上面が弾性体60に均一に真空吸着される。そしてこの結果、研磨下定盤64が研磨上定盤62に安定して吸着保持される。
【0032】
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る研磨装置の原理を示す概念図である。同図に示すように、この研磨装置は研磨上定盤の上面を多点加圧している点で上述した第2の実施の形態の研磨装置と異なっている。
すなわち、研磨上定盤(第1支持体に相当)62の背面には複数の空気バネ(多点加圧手段に相当)84、84、…が一定の間隔で配列され、研磨上定盤62はこれら空気バネ84、84、…を介して支持プレート(第2支持体に相当)86と連結されている。
【0033】
ここで、空気バネ84は、研磨上定盤62を多点加圧可能なだけでなく、支持プレート86の平面方向の動きを研磨上定盤62に伝達することができる。支持プレート86は、図示しない加圧シリンダーと連結された回転シャフトの下端部に固着されており、加圧シリンダーからの圧力は各空気バネ84、84、…を介して複数点で研磨上定盤62に伝達される。
【0034】
以上の構成によって、加圧シリンダーの圧力は各空気バネ84、84、…によって、研磨上定盤62の上面に均一に分配される。そして、研磨上定盤62の上面に均一に分配された圧力は、弾性体60(面加圧手段に相当)を介して研磨下定盤64の下面に均一に伝達される。
なお、研磨下定盤64は、ガラス基板16のマイクロコルゲーション18には追従しないが、それよりも大きなうねりに対して倣うように剛性が適正化されている点は上述した第2の実施の形態と同様である。
【0035】
このように、研磨上定盤62を空気バネ84、84、…によって多点加圧した構造を有する研磨ヘッドの作用は、以下の通りである。
回転シャフト(不図示)から支持プレート86に対して押圧力及び回転力が付与されると、その押圧力は空気バネ84、84、…を介して研磨上定盤62に伝達される。このとき、研磨上定盤62には回転シャフトから与えられた圧力が均一に分布される。
【0036】
研磨上定盤62に伝達された押圧力は、弾性体60を介して研磨下定盤64に伝達される。このとき、研磨下定盤64はガラス基板表面の大きなうねりに倣って変形する。また、弾性体60も研磨下定盤64の変形に応じて柔軟に変形し、研磨下定盤64の背面に均一面圧を付与する。これにより研磨圧分布が均一となり、ガラス基板のマイクロコルゲーションのみを選択的に、かつ均一な研磨代で研磨除去することができる。
【0037】
このように第3の実施の形態の研磨装置では、空気バネ84、84、…の配置によらず選択的に除去したいうねりに対して最適な剛性の研磨定盤を構成できるため、図1で説明した多点加圧のみの研磨装置よりも、より均一かつ効率的に研磨加工ができる。
また、研磨ヘッドが大型化する場合、本実施の形態のように多点加圧と面加圧とを組み合わせることにより、弾性体による面加圧のみからなる第2の実施の形態の構成に比べ研磨定盤を軽量化することができる。このため全体のシステムを単純化することができる。
【0038】
上述した各実施の形態では、ガラス基板16を被加工物とする場合を例に説明したが、被加工物はガラスに限らず、金属、シリコンウェーハ、フォトマスク、セラミック等の他の材料でもよい。また、研磨装置だけでなく、ラップ装置や研削装置にも適用できる。
また、上記各実施の形態では、本発明を研磨技術に適用した場合を例に説明したが、本発明は、材料同士の貼り付けなど、一般に2つの物体の表面同士を面接触させる面合わせ技術として広く応用することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る板状材への加圧方法及び加圧装置によれば、板状材の特定のピッチ長の表面うねりに対して定盤が倣うように定盤の剛性を最適化するとともに、この定盤の背面に加圧手段を介して適正な分布荷重を付与するようにしたので、様々なピッチの表面うねりをもつ板状材に対して選択的に面接触させることができる。
【0040】
かかる方法を研磨技術に適用すれば、様々なピッチの表面うねりをもつ被加工物に対し、目標とするうねりを選択的に均一に除去することができ、研磨時間の短縮化を図ることができる。
また、本発明を用いれば、研磨圧分布が一定となる大型の研磨ヘッドを実現することができ、大型の板状材を研磨する大板研磨装置の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたマルチシリンダーポリシングの原理を示す概念図
【図2】被加工物たるガラス基板の側断面図
【図3】本発明の実施の形態に係る研磨装置の要部側面図
【図4】図3に示した研磨定盤が倣う曲面のピッチ長と最大たわみ量の関係を示すグラフ
【図5】図3に示した研磨定盤が倣う曲面のピッチ長と最大たわみ量の関係を示すグラフ
【図6】本発明の実施の形態に係る研磨装置の作用を説明するために用いた側面図
【図7】研磨定盤の他の形態例を示す側面図
【図8】図7に示した研磨定盤を用いた研磨装置の作用を説明するために用いた側面図
【図9】マルチシリンダーポリシングの原理を採用した研磨ヘッドの構造例を示す斜視図
【図10】図9に示した研磨ヘッドを用いた研磨装置の要部側面図
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る研磨装置の原理を示す概念図
【図12】研磨定盤の他の形態例を示す側面図
【図13】図12に示した研磨上定盤の底面図
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る研磨装置の原理を示す概念図
【図15】従来の研磨装置の要部構成を示す側面図
【図16】流体バッグを用いて均一面圧を付与する研磨装置の概念図
【符号の説明】
10、78…研磨定盤
12、46、84…空気バネ(加圧手段、多点加圧手段)
14、86…支持プレート(支持体、第2支持体)
16、74…ガラス基板(板状材)
18…マイクロコルゲーション
20…研磨テーブル
22…テーブルパッド
24…研磨パッド(研磨部材)
38…切り込み溝
42、64…研磨下定盤
44、62…研磨上定盤(支持体、第1支持体)
48…拘束手段
60…弾性体(加圧手段、面加圧手段)

Claims (7)

  1. 板状材に対向して配置した定盤の背面に圧力を加えて板状材と定盤とを対向させる板状材への加圧方法であって、
    板状材に加圧接触させたときに、板状材の特定のピッチ長の表面うねりに倣うことができるように、前記ピッチ長に応じて定盤の剛性を適正化し、
    定盤を板状材に向けて多点加圧または面加圧することによって、定盤を前記特定のピッチ長のうねりに沿うように変形させつつ板状材と定盤とを対向させることを特徴とする板状材への加圧方法。
  2. 板状材に対向して配置された定盤と、
    該定盤の背面に配置され、定盤を支持する支持体と、
    定盤と支持体の間に配置され、定盤を多点加圧又は面加圧可能な加圧手段と、
    を備えた板状材への加圧装置であって、
    定盤は、前記加圧手段により板状材の特定のピッチ長の表面うねりに倣うことができるように、前記ピッチ長に応じて剛性が適正化されていることを特徴とする板状材への加圧装置。
  3. 定盤の支持体に対する平面方向の動きを拘束する拘束手段を備えることを特徴とする請求項2記載の板状材への加圧装置。
  4. 板状材に対向して配置された定盤と、
    定盤の背面に配置され、該定盤を支持する第1支持体と、
    定盤と第1支持体の間に配置され、定盤を面加圧可能な面加圧手段と、
    第1支持体の背面に配置され、該第1支持体を支持する第2支持体と、
    第1支持体と第2支持体の間に配置され、第1支持体を多点加圧可能な加圧手段と、
    を備えた板状材への加圧装置であって、
    定盤は、前記面加圧手段により板状材の特定のピッチ長の表面うねりに倣うことができるように、前記ピッチ長に応じて剛性が適正化されていることを特徴とする板状材への加圧装置。
  5. 前記加圧手段として空気バネを用いることを特徴とする請求項2、3又は4記載の板状材への加圧装置。
  6. 前記面加圧手段は、前記定盤と前記第1支持体との間に介在させたシート状の弾性体であることを特徴とする請求項4又は5記載の板状材への加圧装置。
  7. 定盤に研磨部材が設けられ、被加工物たる前記板状材と前記研磨部材とを相対的に摺動させて板状材の表面を研磨する研磨装置に適用されることを特徴とする請求項2、3、4、5又は6記載の板状材への加圧装置。
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