JP3329034B2 - 半導体基板の研磨装置 - Google Patents

半導体基板の研磨装置

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JP3329034B2
JP3329034B2 JP30093893A JP30093893A JP3329034B2 JP 3329034 B2 JP3329034 B2 JP 3329034B2 JP 30093893 A JP30093893 A JP 30093893A JP 30093893 A JP30093893 A JP 30093893A JP 3329034 B2 JP3329034 B2 JP 3329034B2
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polishing
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、研磨用回転キャリア
に取り付けられた基板吸着用プレートの半導体基板取付
部に取り付けられた半導体基板(ウェーハ) を、研磨
布を介在させて、研磨定盤に対向させ、半導体基板の表
面を研磨布により研磨する半導体基板の研磨装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ULSIの高集積化が進むにつれ、微細
パターンを加工する上でチップ内のデバイス段差を低減
する要求が益々高まっている。特に、積層配線構造を必
須としているロジックICでは、これが深刻な問題とな
っている。この問題を解決するためにグローバル平担化
の検討が行われてきている。
【0003】そして、グローバル平担化を達成できる技
術として、特に、化学機械研磨(Chemical−M
ecanical−Polishing,以下、CM
Pと略す)法が注目を浴びている。
【0004】そして、CMP法において、RIEやPV
D等のプロセスマージンをより広げ、フォトリソのアラ
イメントマークの検出をより容易に行う必要から、同一
半導体基板の面内における、或いは半導体基板同士の間
における、研磨量(研磨除去速度)の均一性向上が重要
なテーマとなっている。
【0005】ここに、CMP法の研磨量は一般的にプレ
ストン(Preston)式; (dT/dt)=k×
P×(ds/dt)で表すことができる。ここに、T:
膜厚,k:比例定数,P:加工圧力,s:基板内任意点
の変位量(移動量),t:時間である。kは被研磨材質
と、研磨剤及び研磨布によって決まる定数である。ま
た、基板内のds/dtの分布は、研磨定盤と研磨用回
転キャリアの角速度を等しくすることで均一化すること
ができる。即ち、図7に示す、枚葉式の一軸系の研磨装
置において、研磨円盤(円O1)の中心を原点として
X,Y軸をとり、研磨円盤の角速度をω1,研磨用回転
キャリアとともに回転する半導体基板(円O2)の角速
度をω2とすると、半導体基板上の任意点Pの速度uは
u=(R1+R2)ω1−R2ω2=(ω1−ω2)R
2+ω1R1となる。ここでR1は研磨円盤(円O1)
の中心と半導体基板(円O2)の中心との間の距離ベク
トル,R2は半導体基板(円O2)の中心と任意点Pと
の間の距離ベクトルである。従ってω1=ω2のときu
=ω1R1となり、R2に依存せず、ω1とR1のみの
関数となるためω1とR1を固定させれば、uは基板内
で一定のベクトル量を持つことになる。即ち速度分布が
なくなる。
【0006】従って、プレストン式において、k及び
(ds/dt)は基板内で均一化できるため、研磨量を
均一にするためには、研磨圧力Pの面内分布を均一にす
ることが重要になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半導体
基板には研磨定盤に貼り付けられた研磨布が当接するた
めに、研磨布の半導体基板に対する押圧力は、どうして
も半導体基板の周辺部でより大きくなるという問題があ
る(参照;CMPセミナーテキスト1993年2月2
3,24日号71〜85頁:土肥俊郎著,主催(株)リ
アライズ社) 。即ち、図8(a)に示すように、通常
の研磨では、基板吸着用プレートはできる限り平担面に
近付けているため、これに吸着される半導体基板61も
平担面となり、この平板状態の半導体基板61に研磨布
62が当接し、所定の加工圧力Wが作用すると、研磨布
62の弾性変形に伴い、圧力Pが基板周辺に集中する。
従ってこの状態で研磨すると研磨量(研磨除去速度)も
基板周辺が大きく(同図(b))、最終的には、圧力分
布がより均一になる基板形状状態で、研磨加工が終了す
る(同図(C))。
【0008】上記の研磨布の弾性変形に伴う圧力の基板
周辺への集中の問題は、基板吸着用プレートの平担度,
研磨定盤の平担度,研磨布の厚みむら,回転時の研磨定
盤の面ぶれ等の研磨装置,研磨布等の製作精度に伴う加
工圧力Pの不均一性の問題等,製作精度の向上により十
分に解決可能な問題と異なり、研磨機構が本来有する構
造上の問題であるので、研磨精度を十分に向上させるた
めには、その構造上の欠陥を十分に解消することが極め
て重要である。
【0009】そこで本発明の目的は、上記の構造上の欠
陥を十分に解消して、研磨布の半導体基板に対する押圧
力の均一性を確保し、以て研磨量の均一性を得ることが
可能な半導体基板の研磨装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、半導体基板を保持可能な半導体基板取付
部を備えた基板吸着用プレートと、基板吸着用プレート
を支持する研磨用回転キャリアと、基板吸着用プレート
に対向配置される研磨定盤と、研磨定盤上に配置される
研磨布とを備えた半導体基板の研磨装置において、研磨
用回転キャリアと基板吸着用プレートとの間に又は基板
吸着用プレート内に、幅可変素材が、半導体基板取付部
の外表面を外方に膨らんだ湾曲面形状にするとともに湾
曲面形状を変化可能な状態で介在されている。
【0011】研磨布が半導体基板取付部に保持された半
導体基板を押圧することにより、半導体基板取付部の外
表面に沿って半導体基板が湾曲されてもよい。
【0012】幅可変素材と半導体基板取付部との間に硬
球が介在していてもよい。
【0013】幅可変素材を駆動して半導体基板取付部の
外表面の湾曲面形状を変化可能である場合に、基板吸着
用プレートは半導体基板取付部の外側位置において、半
導体基板取付部の外側位置の剛性を低減するための切欠
部が円周方向に形成されていてもよい。
【0014】幅可変素材を駆動して半導体基板取付部の
外表面の湾曲面形状を変化可能である場合に、半導体基
板取付部はステンレス鋼又はリン青銅で形成されてお
り、かつ半導体基板取付部の外表面はテフロンコートさ
れていてもよい。
【0015】
【作用】研磨除去速度はプレストン式から研磨圧力が等
しいとき、均一にすることができる。従って予め半導体
基板を湾曲させて、研磨布を押圧したときの圧力分布が
より均一となるようにして研磨を行えば、より均一な基
板面内の研磨量分布が得られる。そして研磨終了後、半
導体基板の湾曲を元の平板状態に戻せば、最終的により
均一な研磨量分布を有する平板状の半導体基板が得られ
る。ところで、半導体基板は基板吸着用プレートの半導
体基板取付部の外表面に取り付けられるので、研磨用回
転キャリアと基板吸着用プレートとの間に又は基板吸着
用プレート内に幅可変素材を介在させて、これを駆動さ
せることにより、半導体基板取付部の外表面を湾曲面と
し、半導体基板をこれに沿って湾曲させれば、半導体基
板を湾曲させることができる。さらに幅可変素材を駆動
させて、半導体基板取付部の外表面の湾曲面形状を任意
に変えることができる。これにより、半導体基板が半導
体基板取付部に保持され、研磨布に押圧された状態にお
いて、研磨布の厚み、弾性率や加工圧力の大小等に応じ
て、半導体基板における研磨圧力分布がより均一となる
ように、半導体基板取付部の外表面の湾曲面形状を変化
させることが可能である。
【0016】半導体基板を半導体基板取付部の外表面に
取付けた後、半導体基板を研磨布に押圧すると、研磨布
は所定の厚みを有しかつ所定の弾性を有しているので、
半導体基板は、研磨布に押し返されて、半導体基板取付
部の外表面に沿って湾曲する。従って別段の半導体基板
を外表面に沿って湾曲させる手段を設けなくとも、これ
により、半導体基板を湾曲させることができる。
【0017】幅可変素材と半導体基板取付部との間に硬
球が介在していると、幅可変素材は半導体基板取付部
に、面としてではなく点として、変位力を与えるので、
半導体基板取付部の外表面に、より歪みのない滑らかな
湾曲面形状を与えることができる。
【0018】幅可変素材により半導体基板取付部を湾曲
させる場合に、基板吸着用プレートの半導体基板取付部
の外側位置にこの部分の剛性を低減する切欠部を形成す
ることにより、半導体基板取付部の端部付近の湾曲を十
分に得ることができる。
【0019】幅可変素材により半導体基板取付部を湾曲
させる場合には、半導体基板取付部をステンレス鋼又は
リン青銅とすることにより、塑性変形が防止され、ま
た、剪断応力に十分に耐えることができるので、所望の
湾曲面を維持し、かつ繰り返して、その湾曲面を作るこ
とが可能になる。また、外表面にテフロンコートしてあ
ることにより、半導体基板への金属不純物の混入が防止
される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。まず、本発明の第1実施例について説明す
る。本実施例は枚葉式の一軸系の研磨装置の例であり、
図2において、キャリア支持軸1に研磨用回転キャリア
2が取り付けられている。本実施例において、キャリア
支持軸1は後述の研磨定盤と等しい角速度で回転するよ
う、構成される。
【0021】そして研磨用回転キャリア2には、基板吸
着用プレート3が取り付けられている。基板吸着用プレ
ート3には、外周部に、基板固定用ガイド3aが設けて
ある。基板固定用ガイド3aの内側が半導体基板取付部
3bとなる。基板固定用ガイド3aは研磨中に半導体基
板が半導体基板取付部3bから抜け出ることを防止す
る。半導体基板取付部3bの外表面3cは半導体基板の
取付面であり、外方に膨らんだ湾曲面形状になってい
る。半導体基板取付部3bには不図示の吸着孔が設けて
ある。吸着孔は半導体基板取付部3bと同軸に、基板固
定用ガイド3aに比較的に近い位置の所定径(例えば半
導体基板の径の2/3の径)の円周上に例えば8個設け
てある(図5参照)。 吸着孔の後方には不図示の真空
ポンプが接続され、これを駆動することにより吸着孔か
ら外気を吸い込む。この吸引力により半導体基板は外表
面3cに吸い付けられてハンドリング,搬送される。外
表面の湾曲面形状3cは、後述するように半導体基板を
研磨布に押圧したときに、吸着孔による吸引力とも相俟
って、半導体基板の形状が押圧力がより均一な所定の湾
曲面形状になるように、その形状が決定される。また、
湾曲面形状3cは、半導体基板の厚さや、研磨布の厚
み、弾性率や加工圧力の大小等の研磨条件により複数種
類、用意される。半導体基板取付部3bは基板吸着用プ
レート3と一体になっており、化学的に侵されず、荷重
に対して変形の少ない材質,例えばセラミック,ガラス
等の材質により、製作される。なお、耐圧力性に優れか
つ耐久性に富んだものであればプラスチックであっても
よい。
【0022】次に、不図示の研磨定盤は円板状に形成さ
れており、ステンレス鋼,セラミックス等の化学的に侵
されない材質で形成してある。
【0023】次に、不図示の研磨布は、一定の研磨能力
を持ち、一定の摩擦抵抗,適度の弾性率(硬さ) ,厚
さがありまた、耐薬品性にも優れた材質、例えば発泡ウ
レタン,不織布,人工皮革等の材質が用いられ、研磨定
盤に貼り付けられる。
【0024】本実施例はこのように構成してあり、所定
位置で、基板吸着用プレート3の外表面3cに半導体基
板を吸着させる。この状態で、吸着孔は基板固定用ガイ
ド3aに比較的近い位置にあるので、半導体基板は外表
面3cに沿ってある程度の曲率で湾曲している。そして
これを搬送して、研磨定盤に貼り付けられた研磨布に所
定の加工圧力で押圧し、かつ真空ポンプのバルブを閉
じ、真空ポンプを停止する。すると、半導体基板は研磨
布から押し返されるので、半導体基板が外表面3cに沿
って湾曲する。なお、半導体基板の端部は、研磨布から
押し返される力と半導体基板自体の弾性力によるこれを
戻そうとする力の双方が働くので、必ずしも外表面3c
に密着しなくてもよい。なお、真空ポンプのバルブを閉
じて吸着孔の真空状態を維持しており、従って吸着孔か
らの吸着によっても半導体基板の湾曲力が生じているの
で、半導体基板は研磨布からの押し返し力及び吸着孔か
らの吸引力の双方の力により、その湾曲面形状が形成さ
れている。このようにして半導体基板が湾曲され、基板
面内の圧力分布がより均一となり、従ってこの状態で研
磨すると、プレストン式 ;(dT/dt)=k×P×
(ds/dt)により、より均一な基板面内の研磨量分
布が得られる。
【0025】半導体基板を湾曲面形状としたときに研磨
除去速度を基板の中心部(Center)と周辺部(E
dge)とで比較した実験を図3,図4に基づいて説明
する。5インチ基板を用い、その中心部が周辺部に対し
て凸形状となるように、半導体基板取付部の外表面を円
弧形状にし、その中心部と周辺部とに変位量を与えた。
研磨条件は、加工圧力を493g/cm2とし、研磨布
にH−1(Rodelニッタ社製)を用い、研磨定盤回
転数を30rpm,研磨用回転キャリア回転数を30r
pmとした。そして第1実施例と同様にして半導体を湾
曲して研磨した。図3により、半導体基板を湾曲させな
いとき(横軸0の位置)には、半導体基板の周辺部の研
磨除去速度が中心部のそれよりかなり大きくなってい
る。外表面の中心部と周辺部との間に約18μmの変位
を与えたときには研磨除去速度の差が小さくなり、外表
面の中心部と周辺部との間に約30μmの変位を与えた
ときには研磨除去速度の差が更に小さくなり、外表面の
中心部と周辺部との間に約50μmの変位を与えたとき
には、逆に半導体基板の中心部の除去速度が周辺部の除
去速度よりも大きくなっている。これらより、図3の直
線で示す関係が得られ、外表面の中心部と周辺部との間
に約34μmの変位を与えたときに半導体基板の中心部
と周辺部との研磨除去速度がほぼ一致すると予想され
る。図4はこれらの除去速度の差を割合として示したグ
ラフである。縦軸は、[ (除去速度の最大値一除去速
度の最小値)/(2×除去速度の平均値)]の数値で表
してある。
【0026】次に本発明の第2実施例を説明する。図5
において、キャリア支持軸11に取り付けられた研磨用
回転キャリア12と、これに取り付けられている基板吸
着用プレート13との当接内部は、軸方向にそれらの双
方に亘って、かつ、径方向に基板固定用ガイド13aの
位置にまで伸びた、空間部14が形成されており、半導
体基板取付部13bは湾曲可能なように所定の肉厚に形
成され、外表面13cは後述する幅可変素材15を駆動
しない状態で平担面に形成してある。そして、中央部に
おいて、研磨用回転キャリア12と基板吸着用プレート
13とは、互いに近づく所定断面積の延伸部12d,1
3dを有し、延伸部12d,13dの先端面間は、幅可
変素材15の幅に略等しい幅の間隙部16になってい
る。
【0027】半導体基板取付部13bは湾曲形状を維持
し、かつ幅可変素材15の同一駆動により同一の湾曲面
形状を再現することが好ましいので、十分な弾性を有
し、容易に塑性変形を起こさない材質であることが望ま
れる。また、湾曲した半導体基板取付部13bは幅可変
素材15の位置で支持されて加工圧力を受け、この加工
圧力が半導体基板取付部13bに伝わるので、半導体基
板取付部13bは剪断応力に十分に耐え得る素材である
ことが望まれる。更に、半導体装置製造プロセスは半導
体素子の信頼性を確保するために金属不純物の混入を極
端に嫌うので、半導体基板取付部13bの材質として金
属成分を含んでいる場合には半導体基板との当接部に金
属不純物の遮蔽膜を形成することが好ましい。従って、
特に、半導体基板取付部13bはステンレス鋼又はリン
青銅で形成されており、かつ外表面13cはテフロンコ
ートされていることが好ましい。ここにテフロンとはポ
リテトラフルオロエチレンをいう。なお、半導体基板取
付部13bは耐圧力性に富み、弾性材質であればプラス
チックを用いてもよい。なお、半導体基板取付部13b
は基板吸着用プレート13本体と一体に形成されてもよ
く、また別個に製作して基板吸着用プレート13本体に
固定(図示省略)されてもよい。次に、吸着孔18は半
導体基板取付部13bと同軸に、基板固定用ガイド13
aに比較的に近い位置の所定径(例えば半導体基板の径
の2/3の径)の円周上に8個設けてある。そして吸着
孔18は空間部14内で不図示のチューブに連結され、
更に不図示の真空ポンプに接続され、これを駆動するこ
とにより吸着孔から外気を吸い込む。この吸引力により
半導体基板は外表面13cに吸い付けられてハンドリン
グ,搬送される。外表面の湾曲面形状13cは、第1実
施例と同様に、吸着力及び研磨布からの押し返し力によ
り半導体基板の形状が抑圧力がより均一な所定の湾曲面
形状になるように、その形状が決定される。
【0028】間隙部16には幅可変素材15が取り付け
られる。幅可変素材15とは、電気力や磁力等の制御力
を作用させて、その幅を可変可能な素材のことであり、
例えば、ピエゾ素子,超磁歪合金等を用いる。制御力に
より幅可変素材15を駆動させると、幅可変素材15の
幅が大きくなり、延伸部12d及び13dの先端面に当
接して、延伸部12d,13d間を押し広げようとする
ので、半導体基板取付部13b、即ちその外表面13c
が湾曲面形状となる。
【0029】次に、研磨布の種類,加工圧力,半導体基
板の厚さ・種類等の研磨条件と、そのときに求める圧力
分布が得られる幅可変素材の幅との関係を、テーブルデ
ータとして作成しておく。
【0030】このように構成してあり、半導体基板を外
表面に吸着させる前,吸着させた後又は研磨布に押圧し
た後に、研磨布の種類,加工圧力,半導体基板の厚さ・
種類等の研磨条件により、テーブルデータに基づいて、
幅可変素材の設定幅を定め、この幅となるように制御力
を作用させる。すると、半導体基板を研磨布に押圧した
状態において、第1実施例と同様に、吸着力及び研磨布
からの押し返し力によって、半導体基板に所定の湾曲面
形状が形成され、この状態で、研磨を行う。これによ
り、目的とする均一な研磨量分布の半導体基板が得られ
る。次に、研磨条件が変わった場合にはテーブルデータ
により幅可変素材15の幅を変えて、これにより研磨を
行う。
【0031】なお、半導体基板取付部13bをステンレ
ス鋼又はリン青銅で形成したので、所定の湾曲面形状を
維持し、かつ繰り返し再現性が確保される。また外表面
13cはテフロンコートされているので、本研磨装置の
使用において外表面13cに吸着される半導体基板への
金属不純物の混入が大きく防止される。
【0032】本実施例において、幅可変素材の数と位置
は、外表面の湾曲面形状が最適となるように設定するこ
とができる。例えば図6は半導体基板取付部23bの中
心部に1個,半導体取付部23bの中心と端部との略中
間の位置に円周状に等間隔に8個の幅可変素材25を設
けたものである。そして、中心と端部との略中間の位置
に配置された8個の幅可変素材25の設定幅を、中心部
の幅可変素材25の設定幅より小さい幅とすることによ
り、中心と端部との略中間の位置付近においても十分に
好ましい曲率を持った、最適な外表面23cの湾曲面形
状を得ることができる。
【0033】次に本発明の第3実施例を説明する。図1
において、基板吸着用プレート33には、径方向に基板
固定用ガイド33aの内端面33dの延長線上にまで伸
び、軸方向に外表面33cの近傍にまで伸びた空間部3
4が形成されている。そして、空間部34内に、中心部
に1個,半導体基板取付部33bの中心と端部との間の
距離の約3等分の各位置にそれぞれ、円周状に等間隔に
6個及び8個の幅可変素材35が、研磨用回転キャリア
32に固着して配置してある。そして各幅可変素材35
の先端面の中心部と半導体基板取付部33bとの間に硬
球37が配置してある。硬球37は幅可変素材35に固
着してあってもよく、半導体基板取付部33bに固着し
てあってもよく、双方に固着してあってもよく、また、
空間部34内に配置された1個の保持器(図示省略)の
各孔に硬球37を配置して硬球37を幅可変素材35及
び半導体基板取付部33bのいずれにも固着せずに保持
してもよい。硬球37には硬い材質が用いられ、例えば
鋼等の金属球等が用いられる。
【0034】次に、基板固定用ガイド33aの外側にお
いて基板固定用ガイド33aの外端面33eの延長上の
位置まで、かつ、全円周に亘って、切欠部33fが形成
されており、所定肉厚の半導体基板取付部33bがその
肉厚のまま基板固定用ガイド33aの外側まで延長され
た構成になっている。
【0035】他の構成は第2実施例と同様であるので、
説明を省略する。
【0036】本実施例はこのように構成してあり、幅可
変素材35を駆動すると、各幅可変素材はその制御力に
応じた幅の拡大を生じ半導体基板取付部33bの外表面
33cを所定の湾曲面形状にする。幅可変素材35を中
心部の他に、基板取付部33bの径の約3等分の各円周
上にも配置してあるので、これらの部分においても十分
に好ましい曲率を持った外表面33cが得られる。ま
た、幅可変素材35の平担先端面を直接基板取付部33
bに接触させる場合には幅可変素材35の平担先端面の
部分で基板取付部33bが平担面になり、外表面33c
の湾曲面からこの平担面になるところで湾曲の急変が生
じ、従って圧力分布に歪みができて、研磨むらを生じる
おそれがあるが、本実施例では、幅可変素材35の幅の
拡大は鋼球37を介して点接触で基板取付部33bに伝
えられるので上記の問題が生じず歪みのない圧力分布が
得られる。更に、基板取付部33bが湾曲するときに基
板吸着用プレート33の基板取付部33b外側の部分の
剛性が高いと、基板取付部33bの端部リング状部分で
基板取付部33bが十分に湾曲できず、即ちこのリング
状部分で平担面となりこの部分の圧力分布が大きくなる
が、切欠部33fが設けてあるので、切欠部33fがせ
ばまることにより、基板固定ガイド33a近傍を支点と
して基板取付部33bの端部リング状部分でも十分に回
転して、この部分の十分な湾曲が可能になる。なお、上
記のリング状部分で圧力が高いと基板中心部に向かう研
磨剤の供給量が減少し基板中心部の研磨除去速度の低下
の原因になるが、上記の切欠部33fを設けることによ
り基板中心部に十分に研磨剤を供給することが可能にな
る。
【0037】上記実施例において半導体基板の湾曲は吸
着孔からの吸着力及び研磨布からの押し返し力の双方の
力により行うとしたが、半導体基板の湾曲を研磨布から
の押し返し力のみにより行ってもよい。
【0038】本発明は、半導体基板の研磨圧力を面内の
各部分で変化させて研磨を行う場合にも利用することが
できる。即ち、例えば、半導体基板の表面に所定厚さの
膜を形成した場合にその膜厚に不均一性があった場合
に、この不均一性に対応させて、半導体基板取付部の外
表面を所定形状に湾曲させ、これに半導体基板を当接し
て、半導体基板を湾曲させると、膜厚の厚いところおよ
び薄いところでそれぞれ研磨布との押圧力を大きくおよ
び小さくすることができ、従ってこれにより研磨を行う
と、厚い膜厚の部分をより多く研磨し、薄い膜厚の部分
をより少なく研磨し、従って、残膜厚をより等しくする
ことができる。このように本発明は半導体基板の面内の
研磨圧力の高精度な制御に利用することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、研
磨圧力分布をより高精度に制御することができ、従っ
て、半導体基板の研磨加工においてその研磨量を高精度
に制御することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第3実施例の要部の説明図であり、同
図(a)は断面図,同図(b)は下面図である。
【図2】本発明の第1実施例の要部の説明図であり、同
図(a)は断面図,同図(b)は下面図である。
【図3】本発明の第1実施例において、半導体基板の湾
曲の割合を変えた場合の半導体基板中心部と半導体基板
周辺部との研磨除去速度の違いを示すグラフである。
【図4】図3のグラフにおいて、半導体基板の湾曲の割
合を変えた場合の研磨除去速度の均一性の程度を示すグ
ラフである。
【図5】本発明の第2実施例の要部の説明図であり、同
図(a)は断面図,同図(b)は下面図である。
【図6】本発明の第2実施例の他の形態の要部の説明図
であり、同図(a)は断面図,同図(b)は下面図であ
る。
【図7】研磨定盤の回転と研磨用回転キャリアの回転の
相対的関係の説明図である。
【図8】従来の研磨における加工断面形状及び基板内圧
力分布の変化の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
2,12,32 研磨用回転キャリア 3,13,33 基板吸着用プレート 3b,13b,23b,33b 半導体基板取付部 3c,13c,23c,33c 外表面 15,25,35 幅可変素材 37 硬球 33f 切欠部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 B24B 37/00 B24B 37/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板を保持可能な半導体基板取付
    部を備えた基板吸着用プレートと、上記基板吸着用プレ
    ートを支持する研磨用回転キャリアと、上記基板吸着用
    プレートに対向配置される研磨定盤と、当該研磨定盤上
    に配置される研磨布とを備えた半導体基板の研磨装置に
    おいて、 上記研磨用回転キャリアと上記基板吸着用プレートとの
    間に又は上記基板吸着用プレート内に、幅可変素材が、
    上記半導体基板取付部の外表面を外方に膨らんだ湾曲面
    形状にするとともに当該湾曲面形状を変化可能な状態で
    介在されていることを特徴とする半導体基板の研磨装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記研磨布が上記半
    導体基板取付部に保持された半導体基板を押圧すること
    により、上記半導体基板取付部の外表面に沿って上記半
    導体基板が湾曲されることを特徴とする半導体基板の研
    磨装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、上記幅
    可変素材と上記半導体基板取付部との間に硬球が介在し
    ていることを特徴とする半導体基板の研磨装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか1つに
    おいて、上記基板吸着用プレートは上記半導体基板取付
    部の外側位置において、上記半導体基板取付部の外側位
    置の剛性を低減するための切欠部が円周方向に形成され
    ていることを特徴とする半導体基板の研磨装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか1つに
    おいて、上記半導体基板取付部はステンレス鋼又はリン
    青銅で形成されており、かつ上記半導体基板取付部の外
    表面はテフロンコートされていることを特徴とする半導
    体基板の研磨装置。
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