JP4048153B2 - 昇降式荷積みプラットフォーム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トラック等に対して荷物を積み降ろしする際に荷物を載せて昇降する荷積みプラットフォームの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、上述の如き荷積みプラットフォームでは、基端側にトーションバーが内装されており、使用時の水平姿勢から不使用時の垂直姿勢に移行して格納する際には、格納動作を補助するために上記トーションバーの捻り力により助勢されながら回動するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、荷積みプラットフォームとして、複数個のAl合金製押出材からなる成形ブロックを並列配置して隣り合う成形ブロックを互いに嵌合連結することにより1枚物の板状に構成したものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
この特許文献2では、プラットフォーム表面側及び裏面側の2箇所の嵌合部のうちプラットフォーム表面側の嵌合部では、隣り合う成形ブロックの嵌合突起を相手側の嵌合凹部に嵌合させた状態で、両嵌合突起間に連結ピンを圧入する一方、プラットフォーム裏面側の嵌合部では、一方側の嵌合突起を他方側の嵌合凹部にに嵌合させた状態で、嵌合凹部側の開口端縁を相手側に溶接することにより、隣り合う成形ブロックを一体に結合している。
【0005】
【特許文献1】
特開昭57−80937号公報(第2頁、第4図)
【特許文献2】
特開平9−66767号公報(第3頁、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の特許文献1のような荷積みプラットフォームにおいて、トーションバーを荷積みプラットフォームの基端側に内装するために、荷積みプラットフォームの基端側を基端表面側成形ブロック構成材と基端裏面側成形ブロック構成材とに分割し、基端表面側成形ブロック構成材と基端裏面側成形ブロック構成材との間にトーションバーを介装した状態で、これら基端表面側成形ブロック構成材及び基端裏面側成形ブロック構成材の両端部分を互いに当接させて当接箇所を溶接することにより、基端表面側成形ブロック構成材と基端裏面側成形ブロック構成材とを結合して一体に組み付けることが考えられる。
【0007】
あるいは、ボルトを上記当接箇所に上下に嵌挿してボルト止めすることにより、基端表面側成形ブロック構成材と基端裏面側成形ブロック構成材とを結合して一体に組み付けることも考えられる。
【0008】
しかし、前者の溶接による結合方式では、溶接時の熱影響で荷積みプラットフォームに歪みが発生することがある。また、一旦溶接してしまうと取り外しが困難でメンテナンス性が悪い。
【0009】
後者のボルト止めによる結合方式では、両端部分の当接箇所にボルト挿入孔をそれぞれ穿設しなければならず、手間が掛かる。さらには、荷重が荷積みプラットフォームに上方から掛かると、ボルトが上下方向に引っ張られて破損したり、緩みが生じて結合強度が低下する。
【0010】
一方、特許文献2による結合方式では、連結ピンの圧入作業と溶接作業とが必要で組付作業が煩雑になるとともに、溶接により熱歪みが発生するとともに取り外しが困難でメンテナンス性が悪い。
【0011】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、溶接による熱歪みがなく、取り外しが容易でメンテナンスが簡単で、しかも組付効率が良く、さらには結合強度に優れた荷積みプラットフォームを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、嵌合方式とボルト止め方式とを適正に併用したことを特徴とする。
【0013】
具体的には、請求項1に記載の発明は、使用時には、車体固定側の支柱に昇降フレームを案内させて水平姿勢で垂直に昇降する一方、使用時の水平姿勢から不使用時の垂直姿勢に移行する際には、基端側に内装されたトーションバーの捻り力により助勢されながら回動して垂直姿勢で格納されるように構成された昇降式荷積みプラットフォームを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0014】
すなわち、請求項1に記載の発明は、少なくとも基端側は、基端表面側成形ブロック構成材と基端裏面側成形ブロック構成材とに分割され、これら基端表面側成形ブロック構成材及び基端裏面側成形ブロック構成材のプラットフォーム基端側及び先端側の両端部分は、プラットフォーム基端側又は先端側から互いに嵌合され、そのうち一方の嵌合部はボルト止めされて組み付けられていることを特徴とする。
【0015】
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、基端表面側成形ブロック構成材の両端部分と基端裏面側成形ブロック構成材の両端部分とをプラットフォーム基端側又は先端側から互いに嵌合させ、そのうち一方の嵌合部をボルト止めするだけであるので、溶接作業や連結ピンの圧入作業がいらず、しかも、片側だけボルト止めするだけでよく、簡単に荷積みプラットフォームが組み付けられるとともに、取り外しが容易でメンテナンス性が向上する。また、溶接による熱歪みが発生しない。さらに、ボルト止めは嵌合部であるため、荷積みプラットフォームに掛かる荷重は上記嵌合部に掛かってボルトには掛からず、ボルトが破損したり緩まず、強固な結合強度が確保される。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、基端表面側成形ブロック構成材と基端裏面側成形ブロック構成材との嵌合部には、嵌合方向に傾斜して互いに接触する傾斜面がそれぞれ形成され、嵌合時に一方の傾斜面が他方の傾斜面を摺接しながら案内されるようになっていることを特徴とする。
【0017】
上記の構成により、請求項2に記載の発明では、基端表面側成形ブロック構成材と基端裏面側成形ブロック構成材との嵌合が各々の傾斜面による摺接案内によりスムーズに行われ、しかも、嵌合状態で各々の傾斜面が接触しているため、ガタ付くことなく結合強度が保障される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0019】
図4及び図5はこの発明の実施の形態に係る荷積みプラットフォーム1が適用されたトラックTを示し、上記荷積みプラットフォーム1はトラックTの荷物収容室t1後端に設置されている。この荷物収容室t1は後端に観音開きの2枚の扉t2を備え、上記荷積みプラットフォーム1は、使用時には、車体固定側の車幅方向両端の支柱t3に昇降フレームt4を図示しない昇降装置の作動によりガイドさせて図4のような水平姿勢で垂直に昇降する一方、使用時の水平姿勢から不使用時の垂直姿勢に移行する際には、上記扉t2を閉じた状態で、基端側に内装された2本のトーションバーBの捻り力により助勢されながら回動して、扉t2外面に沿って図5のような垂直姿勢で格納されるように構成されている。上記トーションバーBは、両端が同じ方向にそれぞれ直角に折り曲げられていて荷積みプラットフォーム1を構成する後述する基端側成形ブロック3に内装され、一方の折曲端部が上記支柱t3側に固定されているとともに、他方の折曲端部が上記基端側成形ブロック3内に配置された固定プレート2に固定され、荷積みプラットフォーム1の垂直姿勢から水平姿勢への下向きの回動動作により捻られて捻り力を発生するようになっている。
【0020】
図3に示すように、上記荷積みプラットフォーム1は、4個の例えばAl合金等の軽金属製押出材や引抜材からなる成形ブロック3〜6を並列配置して隣り合う成形ブロックの係合突起7を互いに係合連結することにより1枚物の板状に構成されている。以下、上記成形ブロック3〜6を、基端側から順に基端側成形ブロック3、第1中間成形ブロック4、第2中間成形ブロック5及び先端成形ブロック6という。この成形ブロックの数はトラックTの大きさによって適宜決定されるものである。
【0021】
上記基端側成形ブロック3は、図1及び図2に拡大詳示するように、基端表面側成形ブロック構成材8と基端裏面側成形ブロック構成材9とに分割されている。上記基端表面側成形ブロック構成材8は、断面略コの字状に形成され、表面部8aとこの表面部8a両端から垂下する側面部8b,8cとからなり、一方(図で左側)の側面部8b外面には、嵌合部としての断面略コの字状の第1嵌合凹条部8dが形成され、その下側には嵌合部としての断面略矩形の第1嵌合凸条部8eが突設され、この第1嵌合凸条部8eにはボルト挿入孔8fがプラットフォーム基端側から先端側に向かう方向に貫通形成されている。他方(図で右側)の側面部8c内面下端には、嵌合部としての断面略コの字状の第2嵌合凹条部8gが形成されている。
【0022】
一方、上記基端裏面側成形ブロック構成材9は、断面略L字状に形成され、裏面部9aとこの裏面部9aの一端(図で左側)から上方に立ち上がる側面部9bとからなり、上記側面部9b内面上端には、嵌合部としての断面略矩形の第2嵌合凸条部9cが突設され、その下側には嵌合部としての断面略コの字状の第3嵌合凹条部9dが形成され、この第3嵌合凹条部9dにはボルト挿入孔9fがプラットフォーム基端側から先端側に向かう方向に貫通形成されている。上記裏面部9aの先端(図で右端)には、嵌合部としての断面略矩形の第3嵌合凸条部9eがプラットフォーム先端側に向かって突設されている。これら基端表面側成形ブロック構成材8及び基端裏面側成形ブロック構成材9のプラットフォーム基端側及び先端側の両端部分、つまり第1嵌合凹条部8dと第2嵌合凸条部9c、第1嵌合凸条部8eと第3嵌合凹条部9d、第2嵌合凹条部8gと第3嵌合凸条部9eは、プラットフォーム基端側又は先端側から互いに嵌合され、そのうち一方の嵌合部である第1嵌合凸条部8eと第3嵌合凹条部9dは、ボルト挿入孔8f,9fにボルト10が挿入されて内部からナット11を螺合締結させることによりボルト止めされて一体に組み付けられている。なお、上記のボルト10及びナット11による螺合締結の代わりに、ボルト挿入孔8fにネジ加工を施し、ボルト10を上記ボルト挿入孔8fに螺合させることにより、第1嵌合凸条部8eと第3嵌合凹条部9dとを締結してもよい。
【0023】
また、上記基端表面側成形ブロック構成材8と基端裏面側成形ブロック構成材9との嵌合部、つまり第1嵌合凹条部8d上面、第2嵌合凸条部9c上面、第1嵌合凸条部8e下面、第3嵌合凹条部9d下面、第2嵌合凹条部8g上面及び第3嵌合凸条部9e上面には、嵌合方向に傾斜して互いに接触する傾斜面Dがそれぞれ形成され、嵌合時に一方の傾斜面Dが他方の傾斜面Dを摺接しながら案内されるようになっている。
【0024】
上記成形ブロック3〜6は、隣り合う成形ブロックの係合突起7を互いに係合させて1枚物の板状に連結されて組み付けられ、これら成形ブロック3〜6の両サイドには、図4及び図5に示すように、側面板12が設けられている。また、各成形ブロック3〜6の表面部には、多数の滑り止め用の突条13が突設されている。
【0025】
このように、この実施の形態では、基端側成形ブロック3を基端表面側成形ブロック構成材8と基端裏面側成形ブロック構成材9とに分割し、これら基端表面側成形ブロック構成材8及び基端裏面側成形ブロック構成材9のプラットフォーム基端側及び先端側の両端部分をプラットフォーム基端側又は先端側から互いに嵌合させ、そのうち一方の嵌合部である第1嵌合凸条部8eと第3嵌合凹条部9dとをボルト止めして組み付けていることから、溶接作業や連結ピンの圧入作業をする必要がなく、しかも、片側だけボルト止めするだけでよく、簡単に荷積みプラットフォーム1を組み付けることができるとともに、取り外しが容易でメンテナンス性を良好にすることができる。また、溶接による熱歪みをなくすことができる。さらに、嵌合部(第1嵌合凸条部8eと第3嵌合凹条部9d)でボルト止めしていることから、荷積みプラットフォーム1に掛かる荷重を上記嵌合部(第1嵌合凸条部8eと第3嵌合凹条部9d)に掛けてボルト10に掛からないようにすることができ、ボルト10の破損や緩みをなくして結合強度を強固にすることができる。
【0026】
さらに、基端表面側成形ブロック構成材8と基端裏面側成形ブロック構成材9との各嵌合部に嵌合方向に傾斜して互いに接触する傾斜面Dをそれぞれ形成し、嵌合時に一方の傾斜面Dを他方の傾斜面Dに摺接させながら案内するようにしていることから、基端表面側成形ブロック構成材8と基端裏面側成形ブロック構成材9との嵌合を各々の傾斜面Dによる摺接案内によりスムーズに行わせることができ、しかも、嵌合状態で各々の傾斜面Dを接触させているので、ガタ付くことなく結合強度を保障することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、基端表面側成形ブロック構成材及び基端裏面側成形ブロック構成材のプラットフォーム基端側及び先端側の両端部分をプラットフォーム基端側又は先端側から互いに嵌合し、そのうち一方の嵌合部をボルト止めしたので、溶接作業や連結ピンの圧入作業が不要で、ボルト止めも片側だけでよく、荷積みプラットフォームを簡単に組み付けることができるとともに、取り外しも容易でメンテナンス性を良好にすることができる。また、溶接による熱歪みも解消することができる。さらに、ボルト止めを嵌合部で行うので、荷積みプラットフォームに掛かる荷重を上記嵌合部で受けてボルトに掛からないようすることができ、ボルトの破損や緩みを防止して強固な結合強度を確保することができる。
【0028】
請求項2に係る発明によれば、基端表面側成形ブロック構成材と基端裏面側成形ブロック構成材との嵌合部に嵌合方向に傾斜して互いに接触する傾斜面を形成し、嵌合時に一方の傾斜面を他方の傾斜面に摺接させながら案内するようにしたので、両者の嵌合をスムーズに行うことができ、しかも、嵌合状態で各々の傾斜面の接触によりガタ付くことなく結合強度を保障することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基端表面側成形ブロック構成材と基端裏面側成形ブロック構成材とを組み付けた状態で一部破断して示す要部拡大側面図である。
【図2】組付け前の基端表面側成形ブロック構成材と基端裏面側成形ブロック構成材とを一部破断して示す要部拡大側面図である。
【図3】この発明の実施の形態に係る昇降式荷積みプラットフォームにおいて側面板を組み付ける前の状態の側面図である。
【図4】この発明の実施の形態に係る昇降式荷積みプラットフォームを備えたトラックにおいて荷積みプラットフォームが使用状態にある後方斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態に係る昇降式荷積みプラットフォームを備えたトラックにおいて荷積みプラットフォームが格納状態にある後方斜視図である。
【符号の説明】
1 荷積みプラットフォーム
8 基端表面側成形ブロック構成材
8d 第1嵌合凹条部
8e 第1嵌合凸条部
8g 第2嵌合凹条部
9 基端裏面側成形ブロック構成材
9c 第2嵌合凸条部
9d 第3嵌合凹条部
9e 第3嵌合凸条部
10 ボルト
B トーションバー
D 傾斜面
t3 支柱
t4 昇降フレーム

Claims (2)

  1. 使用時には、車体固定側の支柱に昇降フレームを案内させて水平姿勢で垂直に昇降する一方、使用時の水平姿勢から不使用時の垂直姿勢に移行する際には、基端側に内装されたトーションバーの捻り力により助勢されながら回動して垂直姿勢で格納されるように構成された昇降式荷積みプラットフォームであって、
    少なくとも基端側は、基端表面側成形ブロック構成材と基端裏面側成形ブロック構成材とに分割され、
    これら基端表面側成形ブロック構成材及び基端裏面側成形ブロック構成材のプラットフォーム基端側及び先端側の両端部分は、プラットフォーム基端側又は先端側から互いに嵌合され、そのうち一方の嵌合部はボルト止めされて組み付けられていることを特徴とする昇降式荷積みプラットフォーム。
  2. 請求項1記載の昇降式荷積みプラットフォームにおいて、
    基端表面側成形ブロック構成材と基端裏面側成形ブロック構成材との嵌合部には、嵌合方向に傾斜して互いに接触する傾斜面がそれぞれ形成され、嵌合時に一方の傾斜面が他方の傾斜面を摺接しながら案内されるようになっていることを特徴とする昇降式荷積みプラットフォーム。
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