JP4047933B2 - 改善されたノイズ特性を提供するための段階的かみ合い及びフランク逃げ面を有するランダムかみ合いローラチェーンスプロケット - Google Patents
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Description
本出願は、1996年12月19日に出願された米国仮出願番号60/032,379の利益を主張する。
発明の背景
本発明は、自動車用のタイミングチェーン技術に関する。本発明は、特に、自動車用のカムシャフトの駆動用途の単方向ローラチェーンスプロケットと関連して用いられ、特に上記用途を参照して説明される。しかしながら、本発明は、チェーン伝動に伴うノイズレベルの低減が望まれる、他のタイプのチェーン伝動システム及び用途と関連して用いられてもよい。
自動車用エンジンのカムシャフトの駆動に用いられるローラチェーンスプロケットは、典型的にはISO(国際標準化機構)規格606:1994(E)に沿って製造される。ISO-606規格は、短ピッチ精密ローラチェーン及び関連するチェーンホイール又はスプロケットの要件を特定している。
図1は、ISO-606に準拠したスプロケットの対称な歯溝の形状を示している。歯溝は、1つの歯のフランク(即ち側面)から隣接する歯のフランクに及ぶ連続したすみ肉即ち歯底半径Riを有する。リンクピッチPを有するチェーンは、歯溝と接触する直径D1のローラを有する。ISOスプロケットは、同じく長さPの弦ピッチと、歯底直径D2と、Z個の歯とを有する。歯フランク半径Rf、ピッチ円直径PD、歯先直径OD、歯角A(360°/Zに等しい)、及びローラ位置付け角度αが、ISO-606準拠スプロケットを更に規定する。最大及び最小ローラ位置付け角度αは、以下のように規定される。
αmax=(140°−90°)/Z 及び αmin=(120°−90°)/Z
図2を参照すると、例示的なISO-606準拠ローラチェーン伝動システム10は、矢印11で示される時計回り方向に回転する。チェーン伝動システム10は、駆動スプロケット12、従動スプロケット14、及び多数のローラ18を有するローラチェーン16を含む。スプロケット12、14、及びチェーン16は、それぞれ概ねISO-606規格に準拠している。
ローラチェーン16はスプロケット12及び14の周りに噛合して巻きついており、これらのスプロケット間に延びる2つのスパン、即ちゆるみストランド20と張りストランド22とを有する。ローラチェーン16には矢印24で示される張力がかかっている。張りストランド22はチェーンガイド26によって従動スプロケット14から駆動スプロケット12へと誘導されてもよい。第1ローラ28は、駆動スプロケット12上に12時の位置でかみ合う開始点で示されている。第2ローラ30は第1ローラ28に隣接しており、次に駆動スプロケット12とかみ合うローラである。
チェーン伝動システムは、望ましくないノイズを構成する要素を複数有する。ローラチェーン伝動ノイズの主な発生源は、かみ合い中、ローラがスパンを離れてスプロケットと衝突する際に生じる音である。その結果生じる衝撃音は、チェーンがスプロケットとかみ合う頻度と概ね等しい頻度で繰り返される。衝撃音の大きさは、かみ合いプロセス中に吸収されなくてはならない衝撃エネルギー(EA)の関数である。吸収される衝撃エネルギーは、エンジン回転数、チェーン質量、及びかみ合い開始点でのチェーンとスプロケットとの間の衝撃速度に関係している。衝撃速度は、チェーン対スプロケットの噛合の幾何学的形状によって影響を受け、噛合フランク圧力角γ(図3)がファクターであるとき、以下の通りである。
衝撃エネルギー(EA)の式は、チェーン伝動運動が準静解析モデルと概ね一致し、スプロケットがスパンからローラを引き寄せる際、フランク及び歯底半径の接点TP(図3)でローラ対スプロケットの駆動接触が生じることを前提としている。
図3に示されるように、圧力角γは、噛合ローラ30の中心から噛合フランク半径Rf及び歯底半径Riの接点TPを垂直に通って延びる線Aと、理論上のピッチ直径PD上に完全に位置付けられた想像上のローラの中心及び理論上のピッチ直径PD上に完全に位置付けられたときの噛合ローラ30の中心を結ぶ線Bとの間の角度として定められる。図27のリストに示されているローラ位置付け角度α及び圧力角γは、上記に定められた式から計算される。αが最大であるとき、γは最小であることを認識されたい。図3の例示的な18歯のISO-606準拠のスプロケット12は、図27に示されている12.5°から22.5°の範囲の圧力角γを有することになる。
図3は、駆動スプロケット12が矢印11の方向に回転する際の、噛合経路(破線のローラ)及びローラ30(実線)のかみ合い接触位置も示している。図3は、チェーンピッチ及びスプロケット弦ピッチが両方とも理論上のピッチPに等しい状態でチェーンローラ28が最大実体スプロケットの歯底直径D2に位置付けられている、理論上の事例を示している。この理論上の事例では、ローラ噛合開始点で生じるノイズは、ローラが移動して駆動接触する際の、ローラ30が歯底曲面Riと衝突する結果の半径方向の要素FIrと、同じローラ30が点TPで噛合歯フランクと衝突して生じる接線方向の要素FItとを有する。まず半径方向の衝撃が生じ、ほぼ同時に接線方向の衝撃が続くと信じられる。ローラ30が点TPで駆動接触しているときの、噛合フランク接点TPを通って作用し、接点TPに実質的に垂直な、ローラ衝撃速度VAが示されている。
衝撃エネルギー(EA)の式は、かみ合い中の接線方向のローラ衝撃のみを説明している。実際のローラの噛合は、接線方向及び半径方向の衝撃(生じる順序は問わない)を有すると思われ、従って、衝撃エネルギー(EA)の式と一致しないように見えるであろう。この、準静モデルを方向性ツールとして有益に用いることによって、かみ合い開始点での接線方向のローラ対スプロケットの衝突中に吸収されなければならない衝撃エネルギーを低減するために調整され得る、それらの特徴を解析できる。かみ合い中の半径方向の衝突及びそのノイズレベルに及ぼす影響は、衝撃エネルギー(EA)の式から離れて評価できる。
特徴の寸法公差から生じる実際の条件の下では、通常、チェーンとスプロケットとの間にピッチの不整合が存在し、使用によって構成要素が摩耗するにつれて不整合が増す。このピッチ不整合によってかみ合い衝撃点が移動され、歯底曲面Riでは半径方向の衝突がまだ生じるが、D2では必ずしも生じなくなる。接線方向の衝突は、通常、点TPに近接しているが、この接触は、実際のチェーン対スプロケットのピッチ不整合の関数として、歯底半径Riの噛合側という高い位置や、又は噛合フランク半径Rf上の点TPから半径方向に外側にも生じ得る。
上述の衝撃エネルギー(EA)の式によって予測されたように、噛合フランク圧力角γを小さくすると、ローラチェーン伝動に伴うかみ合いノイズレベルが低減される。単にローラ位置付け角度αを大きし、効果的に両方のフランクに対する圧力角を小さくすることによって達成され得る、対称な歯形を維持しながらの圧力角γの削減は可能であるが、推奨しない。この歯形は、述べられたように、ローラがスプロケットラップ(折返し)(以下に述べる)の周りを移動するにつれて、摩耗したチェーンが、はるかに急な傾きと整合し、ローラがラップを離れる前に必ずコーストフランク上により高く乗ることを必要とする。
チェーン伝動ノイズの別の発生源は、部分的に、軸の捩り振動及びチェーンとスプロケットとの僅かな寸法的不正確さによって生じる広帯域の機械的ノイズである。より大きな程度で広帯域機械的ノイズレベルの一因となっているのは、ローラがスプロケットラップの周りを移動するにつれて、摩耗したローラチェーンとスプロケットとの間で生じる、間欠的又は振動接触である。詳細には、通常のチェーン伝動システムの摩耗は、スプロケットの歯面の摩耗及びチェーンの摩耗から成る。チェーンの摩耗はチェーン接合部のベアリングの摩耗によって生じ、ピッチの伸張として特徴づけることができる。摩耗したチェーンがISO規格スプロケットとかみ合うと、1つのローラだけが駆動接触して最大負荷条件で負荷がかかると信じられる。
再び図2を参照すると、噛合の際に、ローラが駆動スプロケットラップ32に入ると、最大負荷での駆動接触が生じる。駆動接触し、最大負荷条件で負荷をかけられている噛合ローラ28が示されている。ローラ28への負荷は、本質的にはかみ合い衝撃負荷及びチェーン張力負荷である。ローラ28前方のラップ32内にある次の幾つかのローラにチェーン張力負荷が分配されるが、分配率は累進的に減少する。ローラ28の(及びより小さい程度でラップ内の次の幾つかのローラに対する)負荷は、ローラとスプロケット歯底曲面34との確実な又は堅固な接触を維持するように働く。
ローラ36はゆるみストランド20に入る前の駆動スプロケットラップ32内の最後のローラである。ローラ36も駆動スプロケット12と堅固に接触しているが、歯底曲面34上の幾分高い(例えば半径方向に外側の)点にある。ローラ28及び36並びに、チェーン張力負荷を分け合うローラ28前方の幾つかのローラを除き、駆動スプロケットラップ32内の残りのローラは、スプロケット歯底曲面34と堅固に接触していないので、従って、ラップの周りを移動する際にスプロケット歯底曲面に対して自由に振動し、それによって望ましくない広帯域機械的ノイズ発生の一因となる。
ローラ38は、張りストランド22に入る前の従動スプロケット14のスプロケットラップ40内の最後のローラである。ローラ38はスプロケット14と駆動接触している。駆動スプロケットラップ32内のローラ36のように、スプロケットラップ40内のローラ42は従動スプロケット14の歯底半径44と固く接触しているが、一般に歯底直径においてはそのようではない。
スプロケットの歯の間にピッチ線間隙(PLC)を備えると、ローラチェーンが摩耗した際、スプロケットラップ内でのチェーンローラとスプロケットとの堅固な接触を促すことが知られている。歯溝に加えられたピッチ線間隙の量は、歯溝の中心にあって、歯底直径D2のセグメントを形成する短い弧の長さを定める。歯底すみ肉半径Riはフランク半径RF及び歯底直径弧セグメントに接する。歯形は依然として対称であるが、Riはもはや1つのフランク半径から隣接するフランク半径へと連続するすみ肉半径ではない。これはチェーン伝動システムの広帯域機械的ノイズ要素を低減する効果を有する。しかしながら、スプロケットの歯の間にピッチ線間隙を加えても、衝撃時のローラ対スプロケットの衝突によって生じるチェーン伝動ノイズは低減されない。
弦動作、即ち弦の上昇及び下降は、特に高速でのチェーン伝動の動作の滑らかさ及びノイズレベルに影響を及ぼす別の重要な要因である。弦動作は、かみ合い中にチェーンが自由スパンからスプロケットに入る際に生じ、チェーンの移動に垂直な方向だがチェーン及びスプロケットと同一面内の、自由チェーン運動を生じ得る。弦動作から生じたこのチェーンの運動は、かみ合いノイズレベルに好ましくないノイズレベル要素を与えるので、従って、ローラチェーン伝動に特有の弦動作の低減は有益である。
図4a及び図4bは、18歯のISO-606準拠の、9.525mmの弦ピッチを有するスプロケットの弦動作を示している。弦上昇45は、従来的に、スプロケットが角度A/2を回転する際のチェーン中心線の変位として定義されてもよく、rcが弦半径、又はスプロケットの中心から長さPのピッチ弦への距離であり、rpが実際の理論上のピッチ半径であり、Zがスプロケットの歯の数であるとき、
弦の上昇=rp−rc=rp[1−cos(180°/Z]
である。
短ピッチチェーンは、同じようなピッチ半径を有するより長いピッチのチェーンと比べて低減された弦動作を提供する。図4a及び図4bは、駆動スプロケットのみを示しており、従動スプロケット(図示せず)も18歯を有し、示されている駆動スプロケットと同位相であることを前提としている。言い換えれば、T=0(図4a)では、両方のスプロケットが12時の位置に歯の中心を有する。従って、準静条件下でのこのチェーン伝動配置は、弦上昇の距離と等しい距離を上下に一様に動く、上部即ち張りストランドを有する。T=0では、ローラ46はかみ合い開始点にあり、弦ピッチPは張りストランドと水平且つ同一線上にある。T=0+(A/2)(図4b)では、ローラ46は12時の位置に移動している。
多くのチェーン伝動では、駆動及び従動スプロケットはサイズが異なり、必ずしも同位相ではないであろう。チェーンガイド26(図2)は、本質的には、自由スパンにおけるチェーンストランドの振動を制御する目的を有する。ガイド対チェーンの境界面の幾何学的形状も、アーティキュレーションのためにその長さに渡って弦が上昇及び下降を許される、自由スパンチェーンの長さを定める。図5は図2の拡大図であり、第1ローラ28を噛合開始点で示し、第2ローラ30をスプロケット12とかみ合おうとしている次のローラとして示している。この例では、チェーンガイド26は、チェーンガイド26と噛合ローラ28との間に延びる5つの支持されていない、即ち“自由”なリンクピッチを除く、張りストランド22の噛合部を制御及び誘導する。この例の張りストランド22の噛合部に対するこの支持されていないリンクピッチの長さは、ローラ28が12時の位置にあるとき、水平である。
図6及び7を参照すると、駆動スプロケット12が時計回り方向に回転されると、ωが準静噛合幾何学によって決定された追加回転角度であるとき、ローラ28を新たな角度位置(A/2)+ωに前進させ、ローラ28は完全に位置付けられ、ローラ30はスプロケットとの噛合の瞬間である。図6に示されるように、ローラ30のかみ合い開始点では、ローラ28は位置付けられて歯底曲面とD2で堅固に接触しているとみなされ、直線はローラ28からチェーンピン中心部48へのチェーンスパンであると仮定され、チェーンピン中心部48の周りをピン48から噛合ローラ30への支持されていない、即ち“自由”なスパンが回転すると考えられる。
弦動作の結果、噛合自由スパンは、ローラ噛合幾何学を満足するために、もはや水平ではない。これは、駆動及び従動スプロケットが同数の歯を有しスプロケットの歯が同位相であるので、弦動作が、水平経路以外で、張りストランドの一様な運動を生じさせる、図4aで説明されたチェーン伝動とは対照的である。直線の仮定は準静モデルでのみ有効であることを認識されたい。直線の仮定からの移動又は逸脱の量は、駆動力、チェーン制御装置、並びに伝動及びスプロケットの幾何学形状の関数である。チェーンガイド26の位置及びチェーンの境界面の形状は、ローラかみ合いプロセス中の、弦の上昇及び下降の結果としてアーティキュレーションが起こる、自由スパンピッチの数を決定する。
図7に最もよく示されるように、ローラ28及び30がスプロケットの歯底曲面とD2で堅固に接触していると仮定すると、弦の上昇は、ローラ30が、示されている初期かみ合い位置から現在ローラ28が占める位置まで移動するにつれての、ローラ30の中心(ピッチ直径PDに位置する)の張りスパン22の経路からの垂直変位である。
従って、上述の要求を満たし前述の不都合等を克服する一方で、より良い、より都合の良い結果を提供する、新たな改良されたローラチェーン伝動システムを開発することが望ましい。
発明の概要
本発明の1つの態様に従い、スプロケットが開示される。スプロケットは、第1の噛合フランクと、第1の噛合歯底と、該第1の噛合フランクと該第1の噛合歯底との間に位置決めされる第1のフラットとを含む第1の歯形を、それぞれが有する第1の複数のスプロケット歯を備え、第1のローラが、スプロケットとのかみ合いの開始時点において、前記第1のフラットと最初に接触する、第1の複数のスプロケット歯を含む。このスプロケットは、前記第1の歯形とは異なっていて、第2の噛合フランクと、第2の噛合歯底と、該第2の噛合歯底には接し該第2の噛合フランクからは離れた第2のフラットとを含む第2の歯形を、それぞれが有する第2の複数のスプロケット歯を備え、第2のローラが、スプロケットとのかみ合いの開始時点において、前記第2のフラットと最初に接触する、第2の複数のスプロケット歯を更に含む。
本発明の別の態様に従い、スプロケットが開示される。スプロケットは、第1ローラとスプロケットとのかみ合い開始点で第1ローラとの接線方向の接触を提供するために構成された第1の非対称な歯形を個々に有する第1の複数のスプロケット歯と、第2ローラとスプロケットとのかみ合い開始点で第2ローラとの半径方向の接触を提供するために構成された第2の非対称な歯形を個々に有する第2の複数のスプロケット歯とを含む。
本発明の更なる態様に従い、単方向ローラチェーン伝動システムが開示される。単方向ローラチェーン伝動システムは、第1のスプロケットと、第2のスプロケットと、該第1及び第2のスプロケットと噛合接触したローラを有するローラチェーンとを含む。第1及び第2スプロケットの少なくとも1つは、第1の噛合フランクと、第1の噛合歯底と、該第1の噛合フランクと該第1の噛合歯底との間に位置決めされる第1のフラットとを含む第1の歯形を、それぞれが有する第1の複数のスプロケット歯を備え、第1のローラが、スプロケットとのかみ合いの開始時点において、前記第1のフラットと最初に接触する、第1の複数のスプロケット歯を含む。第1及び第2スプロケットの少なくとも1つは、前記第1の1歯形とは異なっていて、第2の噛合フランクと、第2の噛合歯底と、該第2の噛合歯底には接し該第2の噛合フランクからは離れた第2のフラットとを含む第2の歯形を、それぞれが有する第2の複数のスプロケット歯を備え、第2のローラが、スプロケットとのかみ合いの開始時点において、前記第2のフラットと最初に接触する、第2の複数のスプロケット歯も含む。
本発明の更に別の態様に従い、スプロケットとかみ合うローラチェーンのかみ合い衝撃頻度を修正する方法が開示される。この方法は、(a)前記スプロケットを回転させて、第1のローラの第1のスプロケット歯とのかみ合いの開始時点において、前記ローラチェーンの第1のローラを第1のスプロケット歯の噛合フランクと接線方向に接触させ、(b)前記スプロケットを回転させて、第2のローラの第2のスプロケット歯とのかみ合いの開始時点において、前記ローラチェーンの第2のローラを第2のスプロケット歯の歯底面と半径方向に接触させる。
本発明の1つの長所は、噛合歯面に、かみ合い接触の第1歯形から第2歯形への交替を促すフランクフラットを取り入れた、ローラチェーンスプロケットの提供である。
本発明の別の長所は、噛合歯面に、最初のローラ対第1スプロケット歯形の接触と最初のローラ対第2スプロケット歯形の接触との間の時間遅延に影響を及ぼすフランクフラットを取り入れた、ローラチェーンスプロケットの提供である。
本発明の別の長所は、最初のローラ対第1噛合フランクの接触、及びそのローラ対第2噛合フランクの接触のリズムを変えるために、第1歯形の噛合歯面に、第1歯形の最初のローラ対噛合フランクの接触頻度を第2歯形の最初のローラ対噛合フランクの接触に関係して段階的に行うことを容易にするフランクフラットを取り入れた、ローラチェーンスプロケットの提供である。
本発明の別の長所は、“段階的”ローラ対スプロケットの衝撃を容易にするために、スプロケットとローラチェーンとの間に追加のピッチ不整合を取り入れた、ローラチェーンスプロケットの提供である。
本発明の更に別の長所は、歯溝の間隙を提供するために、噛合フランク、コーストフランク、又は噛合フランクとコーストフランクの両方に傾斜歯底曲面を取り入れた、ローラチェーンスプロケットの提供である。
本発明の更に別の長所は、かみ合い中のローラ対スプロケットの衝突によって生じる衝撃ノイズを最小にするローラチェーンスプロケットの提供である。
本発明の更なる長所は、スプロケットラップ内の負荷のかかっていないローラによって生じる広帯域機械的ノイズを最小にするローラチェーンスプロケットの提供である。
本発明の更なる別の長所は、完全にかみ合う際に、まず接線方向の衝撃が生じ、続いて半径方向の衝撃が生じる、“段階的”ローラ衝撃を提供するローラチェーンスプロケットの提供である。
本発明の更なる別の長所は、よりゆるやかな負荷の転移に備え、それによってローラ対スプロケットの衝撃及びそこから生じる特有のノイズを最小にするために、ローラの噛合をかなりの時間間隔に渡って広げるローラチェーンスプロケットの提供である。
本発明の更なる別の長所は、チェーン伝動システムのノイズレベルを、いずれかの歯形を単独で用いた場合に生じるであろうノイズレベルより低く低減するために協働する異なる歯形を取り入れた、2組のスプロケット歯を有するローラチェーンスプロケットの提供である。
本発明の更なる長所は、以下の好ましい実施の形態の詳細な説明を読み且つ理解すれば、通常の知識を有する当業者に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
本発明は、種々の構成要素及び構成要素の配置、ならびに種々のステップ及びステップの配置において形をなし得るものである。図面は好適な実施形態を示す目的のみを有するものであって、本発明の権利範囲を制限するものと解されてはならない。
図1は、ISO-606準拠のローラチェーンスプロケットのための対称な歯溝形状を示す。
図2は、ISO-606準拠の駆動スプロケット、従動スプロケット、及びローラチェーンを有する例示的なローラチェーン伝動システムである。
図3は、ISO-606準拠の駆動スプロケットが時計方向に回転する際の伝動位置における噛合経路(破線)及びローラ(実線)を示す。
図4aは、例示的な18歯のスプロケットと噛合を開始する際のローラを示す。
図4bは、時計方向に回転され、ローラが12時の位置に来たときの図4aの駆動スプロケットを示す。
図5は、1つのローラが歯溝に完全に位置付けられ、第2のローラが駆動スプロケットと噛合する直前の、図2の駆動スプロケットの拡大図である。
図6は、時計方向に回転され、第2のローラが最初に駆動スプロケットに接触したときの図5の駆動スプロケットを示す。
図7は、理論において、第2のローラが駆動スプロケットの歯底面と最初に接触すること(即ち、半径方向の衝撃)を示す、図6の拡大図である。
図8は、本発明の特徴を組み込んだローラチェーン駆動スプロケット及び従動スプロケットを備えるローラチェーン伝動システムを示す。
図9は、本発明の一実施形態に従った、非対称の歯溝形状を有する図8のローラチェーン駆動スプロケットを示す。
図10は、スプロケットと2点接触しているローラを示す、図9の非対称歯溝形状の拡大図である。
図11は、図8の駆動スプロケットが時計方向に回転する際のローラの噛合経路(破線)及び完全噛合の瞬間(実線)を示す。
図12は、第1のローラが歯溝に完全に位置付けられ、次のローラとして第2のローラがローラチェーンの張りスパンから受け取られる直前の図8の駆動スプロケットの拡大図である。
図13は、時計方向に回転され、第2のローラが駆動スプロケットと最初に接触したときの図12の駆動スプロケットを示す。
図14は、駆動スプロケットと2点接触関係にある第1のローラ、及び駆動スプロケットと最初の接線接触関係にある第2のローラを示す図13の拡大図である。
図14aは、図14の駆動スプロケットが時計方向に回転される際の第1及び第2のローラの前進を示す。
図14bは、時計方向に回転され、第2のローラが12時の位置の、完全噛合の瞬間へと前進された図14の駆動スプロケットの拡大図である。
図15は、本発明の他の実施形態に従った非対称の歯溝形状を有するローラチェーン駆動スプロケットを示す。
図16は、ローラが駆動スプロケットラップの周囲を移動する際の接触前進を示す図8の部分拡大図である。
図17は、図16のスプロケットのラップを出るローラの拡大図である。
図18は、本発明の他の実施形態に従った非対称の歯溝形状を有するローラチェーンスプロケットを示す。
図19は、本発明の更に別の実施形態に従った非対称の歯溝形状を有するローラチェーンスプロケットを示す。
図20は、本発明の特徴を組み込んだ例示的なランダム噛合ローラチェーンスプロケットの側面図である。
図21は、本発明に従った噛合フランク逃げ面及び歯溝の間隙を組み込んだ非対称歯溝形状を示す、図20のスプロケットの拡大図である。
図21aは、フランク逃げ面及び歯溝の間隙を備える傾斜歯底面を示す、図21のスプロケットの拡大図である。
図22は、フランク逃げ面のみを備える、図21aの傾斜歯底面の他の実施形態である。
図23は、図21の非対称歯溝形状を上に重ねた図9の非対称歯溝形状を示す。
図24は、スプロケットが時計方向に回転される際の第1のローラの図20のスプロケットとの噛合前進、及び第2の隣接するローラの図20のスプロケットとの噛合を示す。
図25は、第1のローラが2点接触状態にあり、第2のローラが最初の接線接触状態にあり、及び第3のローラが駆動スプロケットと噛合する直前の状態にある、図20のスプロケットを示す。
図26は、時計方向に回転され、第3のローラがスプロケットの歯底面において最初の噛合の瞬間にある図25のスプロケットを示す。
図27は、多数の異なるISO-606準拠のスプロケットサイズについてローラ位置付け角度α及び圧力角γをリストした表である。
図28は、種々のスプロケットサイズの3つの異なる非対称歯溝形状(1〜3)について最大ベータ(β)角及び対応する圧力角(γ)をリストした表である。
好適な実施形態の詳細な説明
図8を参照すると、ローラチェーン伝動システム110は本発明の特徴を組み込んだ駆動スプロケット112及び従動スプロケット114を含む。ローラチェーン伝動システム110は、スプロケット112及び114の周囲と噛合し、取り巻く複数のローラ118を有するローラチェーン116を更に含む。ローラチェーンは矢印11で示されるように時計方向に回転する。
ローラチェーン116はスプロケット間に延出する2つのスパン、即ち緩みストランド120と張りストランド122を有する。ローラチェーン116には、矢印124で示されるように張力がかかっている。張りストランド122の中央部は従動スプロケット114から駆動スプロケット112までの間チェーンガイド126を用いてガイドされてもよい。第1のローラ128駆動スプロケット112上の12時の位置に完全に位置付けられている。第2のローラ130は第1のローラ128と隣接し、駆動スプロケット112と噛合する直前の状態にある。
本発明の非対称歯形状の説明を容易にするために、駆動スプロケット112のみを参照する。しかしながら、本発明の非対称歯形状は従動スプロケット114にも、またアイドラスプロケット、逆方向に回転するバランスシャフトと関連されたスプロケットなど他のタイプのスプロケットにも同様に適用され得る。
次に図9及び図10を参照すると、スプロケット112は噛合フランク(歯元の面)134を有する第1の歯132、及びコースト即ち解放フランク138を有する第2の歯136を含む。噛合フランク134及びコーストフランク138は協働し、噛合ローラ128(破線で示す)を受け取る歯溝140を画定する。噛合ローラ128はローラ直径D1を有し、歯溝140内に2点接触状態で完全に位置付けられた状態で示されており、これに関しては以下に詳述する。より詳細には、噛合ローラ128は、歯溝内に完全に位置付けられたとき、各スプロケットの歯表面または面に沿って軸方向に(即ち、図面の平面と直交する方向に)延出する2本のラインB及びCと接触する。しかしながら、説明を容易にする目的で、ラインA、B及びCは歯溝内での接触点として示すものとする。
噛合フランク134は、フランクフラット144の半径方向の外端部と接する半径Rfを有する。非対称噛合フランク半径RfはISO-606規格により特徴付けられるRfISO半径よりも小さい。しかしながら、非対称噛合フランク半径Rfの大きさは、ローラの嵌合(噛合)及び解放の幾何学的形状を満たしている一方で、可及的に大きくなくてはならない。フランクフラット144の位置は、ローラが点B及びCでスプロケットと接触している場合に、フラットの向きが点B及びローラ128の中心を通過するラインと垂直即ち直交する状態で、角度βにより定義される。点Bから半径方向外側に延出するフランクフラットの長さは、第1の接触点Aにおけるスプロケット112とローラ128とのフランクフラット144に沿った最初の接線方向の衝撃と、それに続く点Cにおける半径方向の衝撃との間の時間的遅れに影響を与える。ローラは、点Aでのその最初の接線接触からローラが完全に噛合する点B及びCの2点接触位置に移動するまで、フランクフラットとの接触を保つと考えられる。ローラとスプロケットとの噛合開始時に所望の最初のローラ接触点Aを得るために、圧力角γ、チェーンとスプロケットとの間のピッチの不整合、及びフランクフラットの長さを変えることができる。
チェーンピツチ長さに関係なく、フランク(接線)接触は常に最初に起こり、次いで点Cで半径方向の接触が起こることを認識されたい。これと対称的に、1点接触(例えば、1ライン接触)を組み込んだ公知の歯溝形状(例えば、ISO-606準拠及び非対称)では、噛合ローラは半径方向に接触した後、伝動位置に移動しなくてはならない。従って圧力角γは、噛合ローラがフランク半径/歯底面半径の接点で接触することを前提としている。従って、公知の1点/1ライン歯溝形状の噛合接触位置は、どの位置で半径方向の衝撃ならびに接線方向の衝撃が発生するかを決定するにあたって、ピッチに「敏感」である。
噛合フランクローラ位置付け角β(図9参照)及び解放フランクローラ位置付け角β’をISO-606のローラ位置付け角α(破線で示されたISO形状)と置きかえる。圧力角γは噛合フランクローラ位置付け角βの関数である。即ち、βが増加すればγは減少する。最小非対称圧力角は下記式より決定される。
γmin=βmax−(αmax/2+γISO min)
従って、図28に示されているようにβmax=(αmax/2+γISO min)であるとき非対称圧力角γmin=0である。図28は、3つの異なる非対称歯溝形状(1〜3)の幾つかのスプロケットサイズについて最大ベータ(β)角とそれに対応する圧力角(γ)をリストしている。噛合フランク圧力角γの減少は接線方向の衝撃力成分FIA(図14参照)を減少させ、従って噛合開始時における接線方向の衝撃ノイズの全ノイズレベルに対する寄与率を減少させることを認識されたい。
即ち、衝撃力FIAは、更に圧力角γと関係する衝撃速度の関数である。圧力角γの減少に伴い、噛合開始時におけるチェーンとスプロケットとの間の衝撃速度においてこれに対応する減少が生じる。更に最小圧力角γは、噛合の「多段階化(staging)」を更に増加させまたは最大化するために接線接触位置AとBとの間の離間即ち距離をより大きくすることを容易にする。好適な実施形態では、噛合フランク圧力角γはローラとスプロケットとの段階的な衝撃を最適化するために約−2.0°乃至約+5°の範囲をとる。
ここで記載されている実施形態において、ローラ位置付け角βは最大実体状態においてISOのαmax/2よりも大きく、βは所望の噛合フランク圧力角γが達成されるまで調節可能である。例えば、図9のローラ位置付け角βは0より小さい、即ち負の値の圧力角γを提供する。負の圧力角γは、正の圧力角γを有する図3のISO-606準拠の歯形状と対比することにより図11に最もよく示されている。「公称(nominal)」システムまたは摩耗を伴うシステムにおいて、チェーンとスプロケットとの理論上の境界のための小さい負の圧力角により、ゼロ(0)に近い圧力角γが好都合に与えられると考えられている。しかしながら、噛合フランクローラ位置付け角βはISO-606の最小圧力角よりも小さい値を有するあらゆる噛合フランク圧力角γを提供するよう好都合に調節されてもよい。
再び図9及び図10を参照すると、第1の歯底半径Riはフランクフラット144の半径方向内側端部に接し、また傾斜歯底面146の半径方向外側端部に接する。図10から最もよくわかるように、点B及びCにおける完全に噛合した2点/2ライン接触を容易にするために、歯底半径Riの最大値はローラ半径の最小値0.5D1と等しいかまたは下回っていなくてはならない。よって、このことは噛合フランク134におけるRiと2点/2ライン噛合におけるローラ128との間に小さな間隙を定義する。フランクフラット144と傾斜歯底面146は、噛合時に2点/2ラインローラ接触ならびにローラ128に対し所要の隙間Riの確保を容易にするため、それぞれ点Bと点Cの内側に延出していなくてはならない。第2の歯底半径Ri’はライン150で傾斜歯底面146の半径方向内側端部と接する。コーストフランクは半径Rf’を有し、その弧の中心は解放側のローラ位置付け角β’により定義される。半径Rf’はISO-606の範囲の値をとり得る。
傾斜歯底面146は、歯溝の間隙(TSC)を定義する有限長さを有する平面である。歯溝の間隙は、チェーンピッチの特定程度の伸びΔPを順応させることによりチェーンピッチの伸びまたはチェーンの摩耗を補償する。換言すると、歯溝の間隙TSCは摩損したチェーンのローラがスプロケットの歯の傾斜歯底面と堅固な接触を維持することを可能とする。加えて、傾斜歯底面146は半径方向の反作用力を減少させ、これにより全ノイズレベルに対するローラの半径方向衝撃ノイズの寄与率を減少させることを容易にする。
傾斜歯底面146は特定のチェーン伝動の幾何学的形状及びチェーンピッチの伸びを満たすのに必要なあらゆる角度φに傾斜されることができる。図9に示されるように、傾斜歯底面角φはローラ128の中心とスプロケット中心を通るライン152から、第2のライン154に至るまでの角度を測定される。第2のライン154もローラ128の中心と点Cを通過する。傾斜歯底面146はライン154と直交し、傾斜歯底面は半径方向内側にライン150まで延出し、そこで傾斜歯底面はRi’と接する。ここに記載している実施形態では、傾斜歯底面角φは約20°乃至約35°であることが好ましい。
図12は図8の拡大図であり、スプロケット歯形状の厚さ即ち幅全体にわたり2点/2ライン接触で完全に噛合した第1のローラ128、及びスプロケット112と噛合う直前の、次のローラとしての第2のローラ130を示している。ISO-606準拠の伝動システム10の場合のように、チェーンガイド126が、チェーンガイド126と噛合ローラ128との間に延出する5つの支持されないリンクピッチ以外(及び従動スプロケットとチェーンガイドとの間に延出する支持されないリンクピッチ以外)の張りストランド122の中心部を制御し誘導する。張りストランド122はローラ128が12時の位置にあるとき水平である。
図13は、ローラ130のスプロケットとの噛合の瞬間により決定される時計方向(A/2)+ωに回転された駆動スプロケット112を示す。直線はローラ128からチェーンピン中心156までのチェーンスパンと想定されており、チェーンピン中心156の廻りをピン中心156から噛合ローラ130までの支持されないスパンが回転すると考えられている。この直線の想定は準静的モデルにおいてのみ有効であることを認識されたい。前述した移動の量(即ち、直線の想定からの偏差)は伝動力学ならびに伝動及びスプロケットの幾何学的形状の関数である。
ローラ130について、噛合開始時のスプロケット接触はISO-606の場合よりも早く起こり、この故に弦の上昇量が減少し、また同様に重要なことには、最初の接触が噛合フランク上の点Aにおいて所望の圧力角γで好都合に起こることを可能とする。更に、ローラ130との半径方向のスプロケットの接触は、全ノイズレベルに寄与していながら、スプロケットの回転がローラ130を12時の位置に配置して初めて起こる。このことを段階的噛合とよぶ。
図14は図13の拡大図であり、ローラ130の噛合開始をより明確に示している。噛合開始の直前にローラ128は張りストランドの全負荷FTB+Fφを支持していると想定され、この負荷は力のベクトル矢印で示されている。実際には、この矢印は張りストランドのチェーン力に対する反作用力を表している。ローラ130の噛合の瞬間に、衝撃力ベクトルFIAとして示される接線方向の衝撃が発生する。接線方向の衝撃は張りストランドのチェーン負荷と同じではない。特に、衝撃負荷即ち衝撃力は衝撃速度VAに関係する。2つの物体間の衝突時に衝撃が発生し、結果的に比較的短時間にわたって比較的大きな力となることが知られている。半径方向の衝撃力ベクトルFICは、半径方向の衝撃はスプロケットがローラ130を12時の位置に配置するのに十分なだけ回転するまでは発生しないという意味で矢印の輪郭のみ示されている。
図14aは、ローラ128及び130の図14で示したものと同じローラ位置(実線)を示しているが、更に、ローラ130が12時の位置において2点/2ライン噛合に達した際のスプロケット形状に対するローラ位置(破線)を示す。チェーンとスプロケットとの間のピッチの不整合の結果として、ローラ128は新しい位置に移動しなくてはならない。詳細には、ローラ130が最初の接触から完全噛合まで移動するとき、ローラ128は歯溝を前進する。しかしながら、チェーンジョイントに小さい隙間が存在するためローラ128に必要とされる前進の量は減少する。噛合開始時に更に起こることは、ローラ128からローラ130への張りストランド負荷の移動である。
非対称形状により、前述した「段階的」噛合が提供される。詳細には、図14を再び参照すると、点Aの接線接触は噛合開始時に、関連する衝撃力FIAを伴って起こる。ローラ130は、スプロケットの回転がローラを完全噛合まで移動させ、結果として点Cで半径方向に接触させる間、噛合フランク134と堅固な接触を維持すると考えられる。半径方向の衝撃力FIC(輪郭として示された力のベクトル)は、スプロケットがローラ130を点Cで半径方向に接触させるのに十分なほど回転するまでは発生しない。
図14bは、スプロケット112がローラ130を12時の位置における完全噛合の瞬間まで前進させるために回転されていることを除き、図14を拡大した図である。この完全噛合の瞬間には、半径方向の衝撃力FICが発生し、張りストランドの負荷の移動が完了したと考えられる。結果として半径方向の衝撃力FICを伴う、点Cにおけるローラ130の半径方向の衝突の瞬間には、接線方向の衝撃力FIAは既に発生しており、もはやファクターではない。ローラとスプロケットとの接線方向及び半径方向における衝突の間の時間的遅れ(「段階的」噛合)は、より長い時間にわたる噛合プロセス中に吸収されるべき衝撃エネルギーを効果的に発散し、これにより噛合頻度において、発生したノイズレベルへのその寄草与率を減少させる。更に、本実施形態の非対称スプロケット歯形状は、噛合いつつあるローラ130がその点Aにおける最初の噛合からから完全な2点噛合位置まで移動する際に、完全に噛合したローラ128から噛合しつつあるローラ130へ張りストランド負荷をより漸進的に移動させることを好都合に可能にすると考えられている。
再び図14を参照すると、本実施形態の非対称形状における弦の上昇(及び降下)とは、ローラ130が最初の噛合接触点Aから現時点ではローラ128が占めている噛合位置まで移動する際の、張りストランド122の経路からのローラ130の中心の垂直な変位である。ローラが最初の接線接触から完全噛合まで移動する際、ローラ130は噛合フランク134との堅固な接触を維持し、従って弦の上昇は点AとBとの間の距離が増大すれば弦の上昇が減少すると考えられている。図14に示されているように、チェーンピッチPCはスプロケットl12の弦ピッチPSよりも好都合に大きい。
次に図15を参照すると、傾斜歯底面146(図10参照)の長さはゼロ(0)であってもよく、この場合傾斜歯底面146はなくなり、歯底半径R1’が点Cで歯底面とローラ128とに接することが可能となる。即ち、R1’は点Cでショートフラットと接し、このフラットがR1と接する。傾斜歯底面146がない場合、噛合しているフランク圧力角γは一般的にある正の値から0の範囲にあるが、通常はゼロを下回らないであろう。この理由は、負のγ値はローラがRfを妨げることなくスプロケットラップ60(図16参照)を出ることができるよう、弦ピッチを減少させることを必要とするためである。
図16は、ラップ60内にある全てのローラについて、ローラのスプロケット112の形状への接触を示す。ローラ128は、示されているように完全な2点噛合状態にある。ライン160は各ローラについて接触点を示し、またローラがラップの周囲を移動する際に接触前進していることを示す。スプロケットとローラチェーンとの間に本質的に存在するピッチの不整合のために、ローラがスプロケットラップの周囲を前進する際にローラはコースト側のフランクを上昇する。弦ピッチを更にかなり減少させることにより、ローラがコースト側のフランクを上昇する度合が高まる。
圧力角γが負の値を有する場合には弦ピッチの減少が必要であることに留意することは重要である。そうしなければ、図16及び図17に示されるように、ローラ136は、ラップ60を出てスパンに戻る際に(最大実体スプロケット及び理論上のピッチ(最短)チェーンによって)噛合フランクに干渉する。即ち、弦ピッチの減少は、ローラ136が噛合フランクに隙間163を保持しながらラップ60を出ることを可能とする。更に、減少された弦ピッチは前述した段階的な噛合を助ける。図17は、ラップ60におけるローラの接触前進を示しており、更に、浅いβ’角と歯溝の間隙TSCがなぜラップ内のローラのローラ-スプロケット間の堅固な接触を維持することを助けるかを示す役割を有する。
加えて、解放フランクローラ位置付け角β’(図9参照)はαmin/2と等しいかまたは下回る最大値を有するよう調節されてもよい。この減少されたローラ位置付け角β’は、ローラがスプロケットを離れてスパンに入る際のより迅速な分離を促進する。また、この減少された角β’は、摩損したチェーン内のローラが、ラップ内のスプロケットの周囲を移動する際にコーストフランク表面をより厳しくない角度まで上昇することを可能とする。従って、弦ピッチの減少は、本実施形態で用いられた場合には、小さい値でなくてはならない。
上述した非対称歯形状の特徴は、ノイズの減少という本発明の利点を提供するチェーンとスプロケットとの噛合における運動学から実質上逸脱することなく変更され得ることが意図されている。例えば、噛合非対称フランク形状はインボリュートの形状に近似されたものをつくることができるし、また解放非対称フランク形状は他のインボリュートの形状に近いものをつくることができる。非対称歯形状に対する僅かな変更は、製造及び品質制御上の理由あるいは単に部分的な寸法を改良するために行われる。これらの変更は本明細書に開示される本発明の権利範囲に包含されている。
さらなる実施の形態において、噛合フランク傾斜歯底面146(図9)は、図18に示したようなコーストフランク傾斜歯底面164と置き換えてもよい。コーストフランク傾斜歯底面164は、傾斜歯底面146に関して上述したのと同様に、歯溝の間隙(TSC)を備える。さらに、噛合フランク傾斜歯底面164は、チェーンが摩耗するにつれて、ローラを好ましい半径方向外側の位置へ都合良く動かす。
あるいは、コーストフランク傾斜歯底面164は、図19に示したような噛合フランク傾斜歯底面146と共に備えられてもよい。噛合フランク傾斜歯底面146及びコーストフランク傾斜歯底面164は共に、前述したのと同様に、歯溝の間隙(TSC)を提供するために協働する。
ここで図20を参照するが、上述した図9、15、18及び19の非対称歯形の実施の形態のうちのいずれを、ランダム噛合ローラチェーンスプロケット300に用いてもよい。スプロケット300は、18歯スプロケットで示されている。しかし、スプロケット300は、所望のより多い又はより少ない歯を有していてもよい。スプロケット300は、第1のグループの任意に位置決めされたスプロケット歯302を備えており、このスプロケット歯302はそれぞれ、図9、15、18及び19に示したフランクフラット144を含む歯形を有する。さらに、スプロケット歯302は、図9、15、18及び19に示したような傾斜歯底面l46、164を備えていなくてもよいし、その一方あるいは両方を備えていてもよい。残りのスプロケット歯304(スプロケット歯1、3、4、9、13、14及び16)は、スプロケットの周囲にランダムに位置決めされ、第1のグループのスプロケット歯302の歯形とは異なる歯形を有する。さらに以下に述べるように、この第1のグループのスプロケット歯302及び第2のグループのスプロケット歯304は共に、チェーン伝動システムのノイズレベルを、どちらか一方の歯形だけを用いた場合に生じるノイズレベルよりも低くするために協働する。
図21は、スプロケット歯304のうちの1つの歯の典型的な歯形を示している。噛合フランク306及び隣接した歯のコースト又は解放フランク308は共に、(想像線で示した)噛合ローラ314を受ける歯溝310を画定するために協働する。噛合ローラ314は、ローラ直径D1を有しており、歯溝310内に一点(線)で接触して完全に位置付けられた状態で示されている。図21aを見れば最もよくわかるように、噛合ローラ314は、かみ合いの開始時点では噛合フランク306と接触せず、すぐ次にスパンから完全かみ合い歯底接触点へと動く。この完全かみ合い歯底接触点は、傾斜歯底面316上の、接触点Cの半径方向外側で噛合フランク306の方向に位置する接触点C’である。接触点C’はローラと歯との接触線であり、この接触線はスプロケットの各歯面に沿って軸方向に(即ち、図の平面に対して直角の方向に)延びる。
図21及び21aに示したように、第1の又は噛合歯底半径Riは、ライン319で傾斜歯底面316に接しており、また角度βで画定されるRfにも接している。歯形304に関してローラとフランクとの接触は生じないので、角度βは、特にローラとのかみ合いの開始時点に対して関数の条件とはならない。Riは歯形304のISO−606歯底半径に等しくすることができる、ということは注意すべきである。
傾斜歯底面の点Cからライン319における半径方向外側の端部までの長さは、設計寿命を通して予想されるどんなチェーンピッチの伸び(摩耗)に対しても、絶対にローラが噛合フランクと接触しないようにするのに必要とされる、フランクオフセットの量によって決定される。好適な実施の形態において、フランクオフセット323は約0.025〜約0.13mmの範囲である。フランクオフセット323は傾斜歯底面316の延長部であり、この延長部は傾斜歯底面146に関して上述したのと同様に歯溝の間隙(TSC)を形成する。
前述したように、歯溝の間隙は、特定量のチェーンピッチの伸びに適応して、チェーンピッチの伸び又はチェーンの摩耗を補う。つまり、歯溝の間隙TSCは、摩耗したチェーンのローラを、スプロケット歯の傾斜歯底面としっかりと接触した状態に維持する。さらに、傾斜歯底面316は半径方向の反作用力を容易に減少させ、これにより、ノイズレベル全体に対するローラの半径方向の衝撃ノイズの寄与率が減少する。
傾斜歯底面316は、特定のチェーン伝動形状寸法及びチェーンピッチの伸びを満たすのに必要な、あらゆる角度φで傾斜していてもよい。傾斜歯底面角度φは、ローラ314の中心とスプロケットの中心とを通るライン320から、ローラ314の中心と接触点Cとを通る第2のライン322までの大きさである。傾斜歯底面316はライン322と直角をなし、またこの傾斜歯底面はRi’に接するライン318まで半径方向内側に延びる。今述べている実施の形態において、傾斜歯底面角度φは約20°〜約35°の範囲であるのが好ましい。
図22は、歯溝の間隙TSCがないもう1つ別の歯形304の実施の形態を示している。つまり、傾斜歯底面のライン318からライン322までの平面部分がない。従って、歯形304の点Cから歯溝の解放側の外側又は歯先円直径までの部分は、図15に示した歯形と実質的に同一である。傾斜歯底面316のライン322からライン329までの残りの平面部分323は、上述したような噛合フランクオフセットを形成するだけの機能を果たす。
噛合フランク傾斜歯底面のライン318からライン322までの部分は、図18のようなコーストフランク傾斜歯底面164と置き換えてもよい、ということは認識すべきである。つまり、歯形304は、図18に示したスプロケット112の接触点Cからコーストフランク138の外径までの部分と実質的に同一であってもよい。コーストフランク傾斜歯底面164は、傾斜歯底面316と同様に、歯溝の間隙(TSC)を備える。さらに、このコーストフランク傾斜歯底面は、チェーンが摩耗するにつれて、ローラを好ましい半径方向外側の位置へ都合良く動かす。あるいは、コーストフランク傾斜歯底面164は、図19のような噛合フランク傾斜歯底面316と共に備えられてもよい。従って、歯形304はまた、図19に示したスプロケット112の接触点Cからコーストフランク138の外径までの部分とも実質的に同一であってよい。
ピッチの不整合は、1つの状態−最短ピッチ(最短が理論ピッチ)のチェーン及び最大実体スプロケットで定義される理論状態を除いて、チェーンとスプロケットとの整合に関して必ず生じるものである。従ってこの理論状態は、チェーンとスプロケットとのピッチ不整合関係の公差範囲の1つの限界(ゼロ、又はピッチ不整合なし)を画定する。もう一方の限界は、最長に作られたチェーンが、最小実体状態のスプロケット−即ち、最小歯形のスプロケットと共に用いられるときに画定される。この限界が最大のピッチ不整合となる。従ってピッチ不整合範囲は、部分的特徴の公差によって決定される。
さらなるピッチの不整合は、歯形302に対する点Aでの最初の接線方向接触と点B及びCでの完全位置付け接触との間において、より大きな時間の遅れ又は「段階的」かみ合いを引き起こすために導入されてもよい。歯形302の段階的接触は、最初の接触を噛合フランクのより高い位置で生じさせるフランクフラット144により高められる、ということは認識すべきである。歯形304は接線方向に接触しないので、ローラとスプロケットとが最初に接触する点及びリズムは歯形302、304それぞれによって変わり、かみ合い頻度ノイズレベルは低下する。
スプロケットの弦ピッチは、ローラと歯との「段階的」接触を容易にするために、チェーンのピッチよりも短くする必要がある。また、弦ピッチを短くすると、ローラがスプロケットラップを出てストランドに戻るとき、ローラとフランクとに間隙ができる。追加の弦ピッチは、使用の際、約0.005〜約0.030mmの範囲が好ましい。
歯形302に対する段階的ローラ接触は、実質的にISO−606規格よりも小さいスプロケット歯圧力角γを設けることによって、さらに促進させることができる。ゼロ(0)に等しい又は非常に近い圧力角γ、あるいは負の圧力角さえも考えられる。
図23は、歯形302と重なった歯形304を示している。噛合ローラは、歯形302の噛合フランクに沿った点Aでの最初の接線方向接触の開始時点において示されている。噛合ローラは、図9に関して前述したように、完全かみ合い状態で点B及びCに位置付けられるまで、噛合フランクと接触した状態を保つ。歯形304は歯形302に重なっており、噛合ローラが、歯形304の傾斜歯底面(図21a及び22参照)と半径方向にのみ接触し、歯形304と接線方向には接触しないことを示している。
歯形304の圧力角γは、ローラが噛合フランクに接触しないので、ローラかみ合いの開始時点においては関数の効果を持たない。歯形302の圧力角γ302は負の値で示されている。従って、γminは小さな負の値であってよく、γmaxはISO−606の最小圧力角γよりも小さな値である正の値であってよい。この結果、スプロケット300(図20)の歯形302に対するローラとスプロケットとの最初の接触は点Aで生じ、その後完全噛合接触が点B及びCで生じる。スプロケット300は上述したように、さらに短くした弦ピッチを備えていてもいなくてもよいし、歯溝の間隙(TSC)を備えていてもいなくてもよい。
図24は、スプロケット歯302における点Aでの最初の接触(想像線)から完全に位置付けされた2点接触(実線)への、さらなるローラ342の噛合径路、及び、ランダム噛合スプロケット300の隣接したスプロケット歯304に噛合する、ローラ314の噛合径路を示している。ローラ314のかみ合いの開始時点において、チェーン荷重のほんの一部の移動が歯304に関して生じ、この歯304はその割り当てられた荷重を受け取る。しかし、歯302は、噛合ローラがもう1つ別の歯304と付随フランクで接触してかみ合うまで、チェーン荷重の大部分を保持し続ける。図24の参照符号lは、歯302に対する点Aでの最初の接触から点B及びCでの完全かみ合い接触までの「段階」の量を示している。
図25及び26は、歯形302と歯形304との間のかみ合いの遅れを示している。特に、図25に示したように、スプロケット300は、歯形302を備えたスプロケット歯と2点で接触して完全に位置付けられた状態の、さらなるローラ344を有する。ローラ342は、同じく歯形302を備えた第2のスプロケット歯の点Aで最初に接線方向に接触したときにおいて示されている。ローラ314は、スパンにある次のローラであり、歯形304を備えたスプロケット歯とかみ合う。スプロケット300は、ローラ342が、点Aである最初の接触位置から、12時の位置である歯形302と2点で接触して完全にかみ合って位置付けられた位置へ動くように、角度τを介して回転しなければならない。
図26に関しては、ローラ314が歯形304とのかみ合いの開始時点のところにくるまで、時計回りの方向に回転された図25のスプロケット300が示されている。ここではスプロケット300は、ローラ314を12時の位置に位置付けさせるのに、より小さな角度κを介して回転しなければならない。従って、スプロケット300は、噛合ローラが歯形302に完全に位置付けられるように、さらなる角度τ−κを介して回転しなければならない。
再び図20を参照すると、2組の歯形302、304がランダムパターンで配列されており、ローラとスプロケットとが最初に接触する点及びリズムを変えることによってかみ合い衝撃頻度は修正される。しかし、この2組の歯形302、304は、多くの異なるランダムパターンで配列することができる。さらに、この2組の歯形302、304は、同様に作用する多くの規則的なパターンで配列することができる、ということも考えられる。これら全ての場合において、スプロケットの2組の異なる歯形の配列は、全てが実質的に同一の形状をしたスプロケット歯である場合と通常関連するまたその場合に引き起こされる、かみ合い頻度衝撃ノイズをばらばらにする手段となる。かみ合い頻度ノイズは、ローラとスプロケットとが最初に接触する点及びリズムを変えることによって減少する。
チェーン伝動において一般に最小のスプロケットであるクランクシャフトスプロケットが、通常ノイズの主な原因となる。典型的により大きな従動カムシャフトスプロケットもまた発生するノイズレベルの一因となるが、一般にクランクシャフトスプロケットよりもその程度は小さい。しかし、特に従動スプロケットが駆動スプロケットとほぼ同じサイズか又は駆動スプロケットよりも小さいと、バランスシャフトスプロケット及びポンプスプロケットを備える場合のように、従動スプロケットが主にノイズを発生させることもある。従って、本発明の特徴はまた、カムシャフト又は従動スプロケットに関しても、都合よく用いることができる。
図20〜26の歯形の特徴は、本発明であるノイズの減少という利点をもたらすチェーンとスプロケットとのかみ合い運動学から実質的にそれなければ、わずかに変更することができる、ということは認識すべきである。例えば、噛合非対称フランク形状はインボリュート形状に近似することができ、また解放非対称フランク形状は異なるインボリュート形状に近似することができる。歯形に対するわずかな変更は、製造及び/又は品質制御のため、あるいは単に部品の大きさを改善するために行われる。
本発明は好適な実施の形態に関して述べた。明らかに、他者が本明細書を読み理解したときには変更する点を思い浮かべるであろう。その変更が添付した請求の範囲又はそれと同等の内容の範囲内であれば本発明に含まれる、ということが意図される。
Claims (3)
- ローラチェーンに噛合うスプロケットであって、
第1の非対称歯形を有する複数の第1スプロケット歯と、前記第1の非対称歯形とは異なる第2の非対称歯形を有する複数の第2スプロケット歯とを有し、前記複数の第1スプロケット歯と前記複数の第2スプロケット歯とは、前記スプロケット上において単一の円周状の歯列中に配列され、
前記第1の非対称歯形は、凸にカーブした噛合フランク面と、凹にカーブした噛合歯底面と、前記凸にカーブした噛合フランク面と前記凹にカーブした噛合歯底面との間に延在する平面とを包含し、
前記複数の第1スプロケット歯の1つに噛合うチェーンローラは、前記第1の非対称歯形における前記凸にカーブした噛合フランク面と前記凹にカーブした噛合歯底面との間の平面に最初に接触し、
前記第2の非対称歯形は、凸にカーブした噛合フランク面と、外側終端部において前記凸にカーブした噛合フランク面に直接に連続する凹にカーブした噛合歯底面と、前記凸にカーブした噛合フランク面から隔たるように前記凹にカーブした噛合歯底面の内側終端部に接続された平面とを包含し、
前記複数の第2スプロケット歯の1つに噛合うチェーンローラは、前記第2の非対称歯形における前記凹にカーブした噛合歯底面の内側終端部に隣接する平面に最初に接触する
スプロケット。 - 前記複数の第1スプロケット歯は、前記複数の第2スプロケット歯に対してランダムに位置する請求項1に記載のスプロケット。
- 前記凹にカーブした噛合歯底面と前記第1スプロケット歯のうちの1つに完全に噛合ったチェーンローラとの間に隙間が生じるように、前記第1の非対称歯形における凹にカーブした噛合歯底面は、夫々のチェーンローラよりも小さな半径を有する請求項1に記載のスプロケット。
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