JP4497723B2 - クッションリングを有するローラチェーンスプロケット - Google Patents

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Description

【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、1998年8月25日に出願された米国特許仮出願第60/097,931号の利益を主張している。この出願は、ヤングによって出願された「ノイズ特性を向上するために、歯底逃げ部を有して段階的に噛み合うランダム噛み合いローラチェーンスプロケット」と題する同時係属出願第09/277,058号であって現在特許されている米国特許第 号、及び、1997年7月25日にヤングによって出願された「ノイズ特性が向上されたランダムに噛み合うローラチェーンスプロケット」と題する同時係属出願第08/900,661号であって現在特許されている米国特許第5,976,045号に関連している。これら2つの同時係属出願の教示内容の全ては、参照することによって本願に組み込まれる。
【0002】
(発明の背景)
本発明は自動車のタイミングチェーン技術に関する。本発明は、自動車のカムシャフト駆動に適用して使用されるローラチェーンスプロケットを伴う特定の用途を見出し、特に自動車のカムシャフト駆動に使用することを考えて説明する。しかし、本発明は、他のタイプのチェーン駆動システムを伴う用途、及び、チェーン駆動に関連付けられたノイズレベルを減少することが望ましい用途を見出すかもしれない。
【0003】
一般に、自動車エンジンのカムシャフト駆動に使用されるローラチェーンスプロケットは、DIN、JIS、ISOなどの1又は複数の国際基準にしたがって製造される。ISO−606:1994(E)(国際標準化機構)の基準は、短ピッチ精密ローラチェーン及びこれに対応するチェーンホイールすなわちスプロケットのための要件を規定している。
【0004】
図1は、ISO−606の規格に対応したスプロケットの対称な歯溝形態を示している。歯溝は、連続した溝底、すなわち、ローラ当接角αによって規定される、1つの歯元面(すなわち、側面)からその隣りの歯元面へと延びる歯底半径Riを有している。歯面半径Rfは、接点TPで、ローラ当接半径Riと接している。リンクのピッチがPであるチェーンは、歯溝と接触する径がD1の複数のローラを有している。ISOスプロケットは、その弦ピッチの長さがPであり、歯底直径がD2であり、歯数がZである。ピッチ円直径PD、先端すなわち外径OD、歯角A(=360°/Z)は、ISO−606の規格に対応したスプロケットを規定している。最大及び最小のローラ当接角αは以下のように規定される。
【0005】
αmax=(140°―90°)/Z及びαmin=(120°―90°)/Z
図2に示されるように、典型的なISO−606規格のローラチェーン駆動システム10は、矢印11で示されるように、時計回り方向に回転する。チェーン駆動システム10は、駆動スプロケット12と、従動スプロケット14と、多数のローラ18を有するローラチェーン16とを備えている。スプロケット12、14とチェーン16はそれぞれ、ISO−606の規格に略対応している。
【0006】
ローラチェーン16は、スプロケット12、14と噛み合ってこれらの周囲に巻き掛けられているとともに、スプロケット間で延びる2つのスパン、すなわち、弛みストランド20と張りストランド22とを有している。ローラチェーン16は、矢印24によって示されるように、張力が作用した状態にある。張りストランド22の中央部は、従来のチェーンガイド(図示せず)によって、従動スプロケット14と駆動スプロケット12との間で案内されても良い。第1のローラ28は、駆動スプロケット12の12時の位置で噛み合い始めているように示されている。第2のローラ30は、第1のローラ28に隣接するとともに、駆動スプロケット12と噛み合う次のローラである。
【0007】
チェーン駆動システムは、望ましくないノイズを生じる複数の構成要素を有している。ローラチェーン駆動ノイズの主な根源は、ローラがスパンから抜け出て噛み合い中にスプロケットと衝突する際に形成される音である。生じる衝突ノイズは、チェーンがスプロケットと噛み合う頻度と略等しい頻度で繰り返される。衝突ノイズの大きさは、噛み合いプロセス中に生じる衝突エネルギ(EA)の関数である。衝突エネルギ(EA)は、エンジン速度と、チェーンの質量と、噛み合い始めにおけるチェーンとスプロケットとの衝突速度とに関係している。衝突速度は、噛み合い歯元面の圧力角γ(図3)に起因するチェーンとスプロケットとが噛み合う幾何学的な構成によって影響される。すなわち、
Figure 0004497723
及び、
A=衝突エネルギ[N/m]
A=ローラ衝突速度[m/s]
γ=噛み合い歯元面の圧力角
n=エンジン速度[RPM]
w=チェーンの質量[Kg/m]
Z=スプロケットの歯数
A=歯角(360°/Z)
α=ローラ当接角
P=チェーンのピッチ(弦ピッチ)
衝突エネルギ(EA)の方程式は、チェーン駆動運動学が準静解析モデルにほぼ従い且つスプロケットがスパンからのローラと噛み合う時に歯元面と歯底半径との接点TP(図3)でローラとスプロケットとの駆動接触が生じることを前提としている。
【0008】
図3に示されるように、圧力角γは、接点TPで噛み合っている歯元面と接触している時に噛み合っているローラ28の中心と歯元面半径Rfの中心とを通る線Aと、完全に当接して歯底直径D2上に当接したローラ28の中心と次に噛み合うローラ30があたかもその噛み合うことになる歯溝の歯底直径D2上に同時に当接した時のローラ30の中心とを結ぶ線Bとが成す角度として規定される。図4にリストアップされているローラ当接角αと圧力角γは、前記のように規定された方程式から演算される。αが最大の時にγが最小になることは言うまでもない。すなわち、図2及び図3に示される典型的な歯数23のISO−606規格の駆動スプロケット12は、図4の表に記載されているように、その圧力角γが14.13°〜24.13°の範囲内にある。
【0009】
また、図3は、駆動スプロケット12が矢印11の方向に回転する際の噛み合い経路(ローラが仮想線)及びローラ28の駆動接触位置(実線)を示している。図3は、チェーンのピッチとスプロケットの弦ピッチとが共に理論上のピッチPに等しい最大実体状態のスプロケットの歯底直径D2上にチェーンローラ28が当接しているような理論上のケースを示している。このような理論上のケースの場合、ローラの噛み合い始めに生じるノイズは、ローラ28が歯底面Riと衝突する結果としての径方向成分FRと、同じローラ28が駆動接触しながら移動する時にローラ28が噛み合い歯元面と点TPで衝突する際に形成される接線方向成分FTとを有している。径方向の衝突が最初に生じ、その後これと殆ど同時に接線方向の衝突が生じると考えられている。ローラの衝突速度VAは、ローラ28が点TPで駆動接触する噛み合い歯元面の接点TPを通り且つ噛み合い歯元面と略垂直に作用するように示されている。
【0010】
衝突エネルギ(EA)の方程式は、噛み合い中における接線方向のローラの衝突だけを考慮している。したがって、接線方向の衝突と径方向の衝突とが生じる(任意の順序で生じる)と考えられる実際のローラの噛み合いは、衝突エネルギ(EA)の方程式と一致しないと考えられる。方向性の助けとして有利に使用されるこのような準静モデルの適用によって、ローラとスプロケットとの噛み合い始めの接線方向の衝突中に生じる衝突エネルギを減少するように修正できることを特徴とする解析が可能になる。噛み合い中の径方向の衝突とそれがノイズレベルに与える影響は、衝突エネルギ(EA)の方程式とは別に評価することができる。
【0011】
寸法公差の特性による実際の状態下においては、一般に、チェーンとスプロケットとの間にピッチの不一致が存在し、この不一致は、構成要素が使用中に摩耗するにつれて大きくなる。このようなピッチの不一致は、噛み合い衝突点を移動させて、径方向の衝突が必ずしもD2ではなく歯底面Riでも生じるようになる。接線方向の衝突は一般に点TPの近傍で起こるが、このような接触は、チェーンとスプロケットとの実際のピッチの不一致に応じて、歯底半径Riの噛み合い面上の高い部位、すなわち、点TPよりも径方向外側の噛み合い歯元面半径Rf上でも生じ得る。
【0012】
前記衝突エネルギ(EA)の方程式から予測されるように、噛み合い歯元面の圧力角γを減少させると、ローラチェーン駆動に関連付けられた噛み合いノイズレベルが減少する。対称な歯形を維持しながら圧力角γを減少することは、ローラ当接角αを単に大きくして両方の歯元面における圧力角を効果的に小さくすれば達成できるため、実現可能ではあるが、推奨されてはいない。このような歯形であると、ローラがスプロケットラップ(後述する)の周りで移動している時に、摩耗したチェーンが急勾配の傾斜面と接触し、必然的に、ローラがラップを抜け出る前に傾斜歯元面上の高い部位に乗り上げてしまう。
【0013】
チェーン駆動ノイズの他の根源は、シャフトのねじり振動及びチェーンとスプロケットとの間の僅かな寸法誤差によって部分的に形成される広帯域の機械的なノイズである。ローラがスプロケットラップの周りを移動している時に無負荷のローラとスプロケット歯との間に生じる断続的な接触すなわち振動接触こそが、広帯域の機械的なノイズレベルをさらに大きくすることに寄与している。特に、通常のチェーン駆動システムの摩耗は、スプロケット歯面の摩耗とチェーンの摩耗とからなる。チェーンの摩耗は、ベアリングのチェーン接続部のベアリングの摩耗によって引き起こされ、ピッチの伸長として特徴付けることができる。ISO規格のスプロケットと噛み合うチェーンが摩耗すると、1つのローラだけが駆動接触してこのローラに最大の負荷が作用する。
【0014】
図2に示されるように、最大負荷の駆動接触は、1つのローラが噛み合い時に駆動スプロケットラップ32に進入する時に生じる。噛み合っているローラ28は、駆動接触して最大に負荷が作用した状態で示されている。ローラ28における負荷は、主に、噛み合い衝突負荷及びチェーンの引張り負荷である。ローラ28の前方のラップ32内で隣り合う複数のローラは、チェーンの引張り負荷を分担しているが、その割合は次第に減少する。ローラ28の負荷(ラップ内の次の複数のローラは更に小さい)は、ローラとスプロケットの歯底面34との強固な接触を維持する。
【0015】
ローラ36は、駆動スプロケットの掛け渡し部32内のローラであって、弛みストランド20に入る前の最後のローラである。また、ローラ36は、駆動スプロケット12と強固に接触しているが、歯底面34上の高い部位に(例えば径方向外方に)位置している。ローラ28、36及びローラ28の前方に位置してチェーンの引張り負荷を分担する複数のローラを除いて、駆動スプロケットラップ32内の残る複数のローラは、スプロケットの歯底面34と強固に接触しない。したがって、これらのローラは、ラップの周りを移動している時に、スプロケットの歯底面に対して自由に振動でき、結果的に、望ましくない広帯域の機械的ノイズの発生に寄与してしまう。
【0016】
ローラ38は、従動スプロケット14のラップ40内のローラであって、張りストランド22に入る前の最後のローラである。ローラ38はスプロケット14と駆動接触している。駆動スプロケットのラップ32のローラ36と同様に、従動スプロケットのラップ40のローラ42は、一般に歯底直径ではなく、従動スプロケット14の歯底半径44と強固に接触している。
【0017】
スプロケット歯同士の間にピッチラインクリアランス(PLC)を設けると、ローラチェーンが摩耗していても、スプロケットのラップ内におけるスプロケットとローラとの強固な接触を促進できることが知られている。歯溝に付与されるピッチラインクリアランスの大きさは、歯溝内で中心付けられ且つ歯底直径D2の部位を形成する短い円弧の長さを規定する。歯底溝の半径Riは、歯元面半径RF及び歯底直径の円弧部分と接している。歯形は対称ではあるが、Riは、もはや、1つの歯元面半径から隣り合う歯元面半径へと連続する溝底半径にはなっていない。これにより、チェーン駆動システムの広帯域の機械的ノイズが減少する。しかしながら、スプロケット歯間に付与されたピッチラインクリアランスは、ローラとスプロケットとの衝突によって引き起こされるチェーン駆動ノイズを減少しない。
【0018】
ローラチェーンの噛み合いに関連付けられたノイズレベルを低減する他の試みが、米国特許第5,397,278号に記載されている。この特許は、噛み合い始めのローラと歯底面との径方向での接触を避けるべく、歯底面を切り欠くこと即ち歯底面に逃げ部を設けることを開示している。しかしながら、’278特許に開示された発明は、噛み合い衝突頻度を調節しない。すなわち、全ての歯形が略同一である。したがって、噛み合い頻度で歯元面衝突が生じる。’278特許に開示されたスプロケットの他の欠点は、完全に噛み合った状態で、ローラが噛み合い歯元面と非噛み合い歯元面の両方と接触することである。すなわち、ローラが完全に噛み合った状態でローラと非噛み合い歯元面との間にクリアランスが形成されていないと、ローラが歯溝内で食い込んだ状態になり得る。
【0019】
ローラチェーンの噛み合いに関連付けられたノイズレベルを低減する更なる試みは、噛み合いプロセス中にローラがスパンから抜け出てスプロケットと衝突する際のローラの噛み合い衝突を緩衝する即ち和らげる1又は複数のエラストマークッションリングに組み入れることである。図6に示されるように、従来のローラチェーン駆動システム110に設けられた駆動スプロケット112は、対称なISO−606規格の歯溝形態を成している。駆動スプロケット112は、2つの環状のクッションリング144を有している点を除き、駆動スプロケット12(図2)と略同一である。この場合、環状のクッションリング144は、スプロケット112の両面すなわちハブに固定されている。各クッションリング144は、半径Rによって規定される連続した或いは均一な外面を有している。この技術分野で知られているように、クッションリング144は、噛み合いプロセス中にローラがスパンから抜け出てスプロケットと衝突する際のローラの噛み合い衝突を緩衝する、即ち和らげる。
【0020】
具体的には、図6a及び図6bに示されるように、ローラ128とブッシュ129とチェーンピン131は、互いに重ね合わされた2組のリンクプレート146L、146Rと148L、148Rとに支持されている。駆動スプロケット112が矢印11の方向に回転すると、リンクプレート146は、ローラ128の前方にある噛み合ったローラの中心周りに回転し、ローラ128が対応するスプロケット歯と衝突する前に、クッションリング144の外面と衝突してこれを圧縮すなわち変形させる。その後、同様な動作がリンクプレート148及び次に噛み合うローラにおいても連続的に行なわれる。その結果、ローラ128の衝突速度は、スプロケットと噛み合う前に減少し、これによって、噛み合い衝突ノイズが減少する。クッションリングの最大圧縮量149は、チェーンピッチがPである互いに隣り合うローラの中点P/2もしくはその近傍で生じる。図6bは、リンクプレート146とリンクプレート148との間のピッチを連続的に互い違いにするゴム圧縮を示している。クッションリングに伴う一般的な問題は、耐久性の問題である。すなわち、繰り返されるリンク衝突後に、クッションリングを形成するエラストマー材料の摩耗と圧縮とが、リングの最大圧縮領域で生じると考えられる。また、クッションリングは、噛み合いプロセス中における繰り返しの圧縮サイクルの結果、最終的に疲労するかもしれない。
【0021】
したがって、優れた多くの利点を提供しつつ、前述した要求を満たして前述した欠点等を解決できる新規で改良されたローラチェーン駆動システム及びスプロケットを開発することが望ましいと考えられる。
【0022】
(発明の概要)
本発明の一形態にしたがって、スプロケットが開示されている。スプロケットは、その周方向に沿って互いに離間された複数のスプロケット歯を有する主本体部を有している。複数のスプロケット歯のそれぞれは、噛み合い歯元面と非噛み合い歯元面とを有している。前記複数のスプロケット歯のうちの第1の歯の噛み合い歯元面は、複数のスプロケット歯のうちの第2の歯の非噛み合い歯元面と協働して、第1の歯の噛み合い歯元面と第2の歯の非噛み合い歯元面との間で延びる歯底面を有する歯溝を形成する。歯底面は、第1の半径によって規定される第1の歯底面部を有し、第1の半径は第1の歯底面部の円弧の中心から延びている。クッションリングは、主本体部の第1の面に装着されるとともに、複数の圧縮パッドと複数の溝とを有し、前記複数の圧縮パッドと前記複数の溝は、クッションリングの周面に沿って交互に配置されている。前記複数の溝のうちの第1の溝は、第2の半径によって規定される第1の溝部を有し、前記第2の半径は前記第1の溝部の円弧中心から延びている。前記第1の溝部の円弧の中心は、前記主本体部の中心と前記第1の歯底面部の円弧中心との間で延びる径方向の線の少なくとも近傍に位置されている。第1の圧縮パッドは、後端縁に対して径方向内側に離間された先端縁によって規定される傾斜する外面を有している。前記先端縁は、第1の歯の噛み合い歯元面から径方向内側に位置し、前記後端縁は、前記第1の歯の非噛み合い歯元面から径方向内側に位置している。
【0023】
本発明の1つの利点は、少なくとも1つのクッションリングを有し且つクッションリングを形成するエラストマー材料の疲れ寿命を向上させるスプロケットの提供である。
【0024】
本発明の他の利点は、歯形が異なる2組のスプロケット歯と少なくとも1つのクッションリングとを有するスプロケットであって、歯形とクッションリングとが協働して、チェーン駆動システムのノイズレベルを歯形もしくはクッションリングのいずれか一方だけが形成するノイズレベル以下に低減するスプロケットの提供である。
【0025】
本発明の他の利点は、それぞれが歯底逃げ部を有する2組の異なる非対称なスプロケット歯を有するスプロケットの提供である。
【0026】
本発明の他の利点は、噛み合い歯面上に平坦歯元面を有し、第2の歯形におけるローラと噛み合い歯元面との初期の接触に対する、第1の歯形におけるローラと噛み合い歯元面との初期の接触の頻度を段階的にすることにより、ローラ及び第1の噛み合い歯元面の初期の接触と、ローラ及び第2の噛み合い歯元面の初期の接触とのリズムを変更するスプロケットの提供である。
【0027】
本発明の更なる他の利点は、噛み合い中にローラとスプロケットとの衝突によって発生する衝突ノイズ及び/又は、スプロケットのラップ内の無負荷ローラによって形成される広帯域の機械的ノイズを最小にするスプロケットの提供である。
【0028】
本発明の更なる他の利点は、ローラとスプロケットとの接線方向の衝突が最初に生じ、その後、完全に噛み合った時点でローラとスプロケットとの径方向の衝突が生じる「段階的な」ローラ衝突を形成するスプロケットの提供である。
【0029】
本発明の更なる他の利点は、十分な時間間隔にわたってローラの噛み合いを広げて、負荷をより緩やかに伝達することによって、ローラとスプロケットとの衝突及びこの衝突によって生じる固有のノイズを最小にするスプロケットの提供である。
【0030】
本発明の更なる他の利点は、好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者にとって明らかとなる。
【0031】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の配置、様々なステップ及びステップの配置において、具体化される。図面は、好ましい実施形態を示すことのみを目的としており、本発明を限定的に解釈するためのものではない。
【0032】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
図7には、本発明の特徴を有するローラチェーン駆動システム210が示されている。ローラチェーン駆動システム210は、ランダムに噛み合う駆動スプロケット212と、従動スプロケット214と、スプロケット212、214と噛み合い、かつ、周囲に巻き掛けられる多数のローラ218を有するローラチェーン216とを有している。ローラチェーンは、矢印11で示される時計回り方向に回転する。
【0033】
ローラチェーン216は、スプロケット間で延びる2つの範囲、すなわち、弛みストランド220と張りストランド222とを有している。ローラチェーン216は、矢印224によって示されるように、張力が作用した状態にある。張りストランド222の中央部は、チェーンガイド(図示せず)によって、従動スプロケット214と駆動スプロケット212との間で案内されても良い。第1のローラ228は、駆動スプロケット212の12時の位置で完全に噛み合っている。第2のローラ230は、第1のローラ228に隣接するとともに、駆動スプロケット212と噛み合う次のローラである。
【0034】
本発明に係る非対称歯形の説明を容易にするため、駆動スプロケット212だけに参照符号が付されている。しかしながら、本発明の非対称歯形は、従動スプロケット214や、アイドラースプロケット及び逆回転バランスシャフト等に関連するような他のタイプのスプロケットにも適用することができる。
【0035】
図7に示され、特に図8及び図8aにも示されるように、ランダムに噛み合うローラチェーン駆動スプロケット212は、23個の歯を有するスプロケットとして示されている。しかしながら、スプロケット212は、必要に応じて、それ以上もしくはそれ以下の歯を有していても良い。スプロケット212は、スプロケット歯250(番号が付されていない)の第1のグループとスプロケット歯252(スプロケット歯の番号1、3、8、9、10、14、17、21、22が付されている)の第2のグループとを有している。この実施形態においては、14個のスプロケット歯250と9個のスプロケット歯252とがスプロケット212の周囲に任意に配置されている。しかしながら、各タイプのスプロケット歯の数と位置は、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変更することができることは言うまでもない。スプロケット212は、従来の方法でスプロケットのそれぞれの面に固定もしくは装着された2つのエラストマークッション又はダンパリング244を有している。好ましい実施形態において、クッションリングは、ニトリルゴム化合物のような従来のエラストマー材料によって形成されている。
【0036】
ローラとスプロケットとの最初の接触点及び接触リズムを変更することによって噛み合い衝撃頻度を修正するために、2組のスプロケット歯250、252はランダムパターンで配置されている。しかしながら、2組のスプロケット歯250、252は、多くの異なるランダムパターンで配置されていても良い。また、2組のスプロケット歯250、252を、同様に作用する多くの規則正しいパターンで配置することもできる。いずれの場合であっても、スプロケット上における2組のスプロケット歯の配置は、一般に、略同様な形状を成す全てのスプロケット歯と関係付けられ且つこれらのスプロケット歯によって引き起こされる噛み合い頻度による衝撃ノイズを分散するための手段を形成する。ローラとスプロケットとの最初の接触点及び接触リズムを変更することによって、噛み合い頻度によるノイズはある程度減少する。
【0037】
各スプロケット歯250は、隣り合う歯(時計回り方向で隣合う歯)の非噛み合い面すなわち歯元面と協働して、歯底面256を有する第1の非対称歯溝254を形成する噛み合い面すなわち歯元面を有している。番号付けされた各スプロケット歯252は、隣り合う歯(時計回り方向で隣合う歯)の非噛み合い面すなわち歯元面と協働して、歯底面260を有する第2の非対称歯溝258を形成する噛み合い面すなわち歯元面を有している。後述するように、スプロケット歯250、252の第1及び第2のグループは、クッションリング244と協働して、チェーン駆動システムのノイズレベルを、いずれか一方の歯元面だけが使用された時に形成されるノイズレベル以下に減少させる。
【0038】
図9〜図9cに示されるように、スプロケット212は、噛み合い面すなわち歯元面264を有する第1の歯262と、非噛み合い面すなわち歯元面268を有する第2の歯266とを有している。噛み合い歯元面264と非噛み合い歯元面268は互いに協働して、チェーン216に設けられたローラ、例えばローラ269のようなローラを受ける歯溝254のうちの1つを形成する。すなわち、スプロケット歯262は、必然的に、歯250のうちの1つとみなされ、スプロケット歯266は、スプロケット歯250、252のいずれか一方とみなすことができる。
【0039】
噛み合いローラ269は、ローラ直径がD1に設定されており、歯溝254内に2点接触で完全に当接した状態で示されている。具体的には、噛み合いローラ269は、歯溝254内に駆動接触で完全に当接した際に、噛み合い歯元面すなわち側面に沿って軸方向(すなわち、図面の面に対して直交する方向)に延びる2つの線すなわち稜線B、Cと接触している。しかしながら、説明を容易にするため、以下において、2つの線すなわち稜線B、Cは、歯溝内の接点として示されている。
【0040】
噛み合い歯元面264は、平坦歯元面(flank flat)270の径方向外端部に接する半径Rfを有している。半径Riによって規定される歯底面256の第1の部分の一端部は、平坦歯元面270の径方向内側端部と接している。また、歯底面256の第1の部分の他端部は、点Cから径方向外側に延在する機能しない第1の平坦面(図示せず)の径方向外側端部と接している。図9aに明確に示されるように、2点/線接触を2つの点B、Cで生じさせるために、歯底の半径Riの最大値は、最小のローラ半径0.5D1以下でなければならない。Ri≦0.5D1とすれば、ローラが点B、Cに当接した時に、歯底面256とローラ269との間に小さなクリアランス273が形成される。
【0041】
機能しない第2の平坦面(図示せず)は、点Bと、半径Riによって規定される歯底面部分の径方向外側端部との間で延在している。機能しない第2の平坦面は、平坦歯元面270と接している。すなわち、平坦歯元面270の第1の部分は、「段階的な」ローラスプロケットの噛み合いを促進するために、点Bから径方向外側に延在している。平坦歯元面270の機能しない第2の部分は、点Bの径方向内側に延在するとともに、点Cから径方向外側に延在する機能しない第1の平坦面と協働して、点B、Cにおける2点接触でのローラの当接を容易にする。
【0042】
図9に示されるように、平坦歯元面270の位置は角度βによって決定され、平坦歯元面270の方向は、ローラが点B、Cでスプロケットと接触している時の点Bとローラ269の中心(点X)とを通る線に対して直角すなわち垂直である。点Bから径方向外側に延在する平坦歯元面の部位の長さによって、第1の接点Aにおけるスプロケット212とローラ269との間の平坦歯元面270に沿った最初の接線方向の衝撃と、点Cで続いて起こる径方向の衝撃との間に、時間遅れが生じる。ローラとスプロケットとの噛み合い始めに所望の初期ローラ接点Aを達成するために、圧力角γ(後述する)、チェーンとスプロケットとの間のピッチの不一致の程度、平坦歯元面の長さを変えることができることは言うまでもない。また、理論上においては、ローラとスプロケットとの初期の接触が点Bで生じることは言うまでもないが、その他全てのピッチの不一致状態により、初期の接触は、点Bからオフセットした点Aで生じる。すなわち、理論上以外の全ての状態において、初期の接線方向の接触は、噛み合い初期に、その対応する衝撃力FT(図9b)をもって点Aで起きる。
【0043】
ローラ269は、スプロケットの回転によって移動されて次の径方向における接触位置点Cで完全に噛み合うまでの間、点Aから点Bまで平坦歯元面270と強固に接触したままの状態であると考えられる。径方向の衝撃力FR(図9b)は、スプロケットが十分に回転してローラ269が点Cにおいて径方向で接触するまで作用しない。すなわち、径方向の衝撃力FRは、完全に噛み合った瞬間において生じる。点Cにおける径方向の衝撃の発生を示すために、力ベクトルFRが濃く塗りつぶして示されており、また、点Aにおける初期の接線方向の衝撃の発生を示すために、接線方向の衝撃の力ベクトルFTが輪郭線で示されている。
【0044】
張りストランドにおける噛み合いローラへの負荷伝達は、完全に噛み合った時点で成されると考えられる。点Cにおいてローラ269が径方向で衝突することにより、径方向の衝撃力FRが生じるが、この時点では、既に接線方向の衝撃力FTが生じた後であり、存在しない。ローラ−スプロケット間における接線方向での衝突と径方向での衝突との間の時間遅れ(「段階的な」噛み合い)によって、長い時間間隔にわたる噛み合いプロセス中に生じる衝撃エネルギを効果的に分散する。これにより、噛み合い頻度で形成されるノイズレベルに対する寄与度が減少する。また、この非対称歯形によって、噛み合い始めたローラが点Aでの初期噛み合い位置から点B、Cでの2点完全噛み合い位置へと移動する間において、張りストランドにおける負荷を、完全に噛み合ったローラから噛み合い始めたローラへと緩やかに有利に伝達することができる。
【0045】
また、図9に示されるように、歯底面256は歯底逃げ部(root relief)を有している。すなわち、第2の平坦面272が点Cから径方向内側に延在している。また、半径Ri’によって規定される歯底面256の第2の部分は、平坦面272の径方向内側端部に接するとともに、第3の平坦部274の径方向内側端部と接している。半径Rf’によって規定される非噛み合い歯元面268は、第3の平坦面274の径方向外側端部と接している。
【0046】
点Cから径方向外側に延在する機能しない平坦面が平坦面272と接していることは言うまでもない。すなわち、平坦面272の第1の部分は、点Cから径方向外側に延在するとともに、点Bから径方向内側に延在する機能しない第2の平坦面(平坦歯元面270と関連付けられている)と協働してローラを2つの接点B、Cに当接させる。平坦面272の第2の部分は、点Cの径方向内側に延在するとともに、第3の平坦面274と協働して歯底逃げ部を形成する。
【0047】
ローラ269が点B、Cで完全に噛み合った場合には、ローラ269と逃げ部が設けられた歯底面256との間にはクリアランス276が存在する。歯溝254には歯底に逃げ部が形成されているため、ローラ269の中心が理論上のピッチ円直径PD上に位置している場合には、ローラ269は点Bで接触し、完全に噛み合う。第2の歯底半径Ri’は、必然的に、ローラ269の直径D1の半分以下である。図9bは、ローラ269が点B、Cで完全に噛み合った状態における、非噛み合い歯元面268とローラとの間のクリアランス278を示している。
【0048】
図9cに示されるように、ここでは、歯底逃げ部がクリアランス280として規定されている。このクリアランス280は、ローラ269が歯底を横切って橋渡しされるように位置され且つ互いに対向する噛み合い歯元面264及び非噛み合い歯元面268上のそれぞれの点S、S’に当接した際に、逃げ部を有する歯底面256とローラ269との間に現れる。すなわち、ローラ269が歯底を横切って橋渡しされるように位置され且つ互いに対向する噛み合い歯元面264及び非噛み合い歯元面268上のそれぞれの点S、S’に当接する位置までスプロケット212が回転すると、ローラ269は歯底面256と接触することが妨げられる。特に、図9cは、スプロケットラップ232の周りでスプロケット212が回転している間(図7)、ローラ269が点Cから径方向内側に移動されて点S、S’で下側の歯元面と接触している状態を示している。なお、ローラがスプロケットラップの周りを移動し続けるにつれて、ローラが非噛み合い歯元面268に沿って点S’から外側へ移動することは言うまでもない。
【0049】
ローラ269を下側の歯元面の点S、S’で接触させるためには、ローラを2点完全噛み合い位置から移動させるとともにピッチ円径PDから所定の径方向距離だけ径方向内側に移動させなければならない。幾つかの過酷な動作状態下で、チェーン駆動力によって強制的にローラ269が歯溝254の下側歯元面に衝突した場合、ローラは、噛み合い幾何学上の制約を受けて、まず、点Aでスプロケット歯と接線方向で接触し、点S、S’に向けて進められるとともに径方向内側に移動される前に点B、Cの2点完全噛み合い位置へと移動される。また、ローラが径方向内側の経路を移動するにつれて、クッションリング244が圧縮される(後述する)。
【0050】
この非対称歯形における噛み合いの幾何学的構成、及び、ローラとスプロケットとが点S、S’で当接する有利な幾何学的構成により、図6に示される従来のISO−606ゴムクッションリングシステムに優れたノイズ減衰力を提供することができる。衝撃ベクトルFIS、FIS’(図9c)は、初期の接線方向の接触及び次の2点当接に続いて、連続して生じる。これに対し、ISO−606の径方向(歯底)衝撃ベクトルFR(図3)は、ローラが噛み合い歯元面上の駆動位置に移動される前に、ローラとスプロケットとの初期の衝撃を生起すると考えられている。
【0051】
噛み合い歯元面のローラ当接角β(図9)と非噛み合い歯元面のローラ当接角β’は、ISO−606のローラ当接角αに取って代えられる。圧力角γは、噛み合い歯元面のローラ当接角βの関数である。すなわち、βが増加するにつれて、γが減少する。最小非対称圧力角は、以下の方程式から決定することができる。
【0052】
γmin=βmax−(αmax/2+γISOmin
したがって、図5の表に示されるようにβmax=(αmax/2+γISOmin)である場合には、非対称圧力角γmin=0である。図5は、複数のスプロケットサイズと複数の非対称形状に関して、最大ベータ(β)角と対応する圧力角とをリストアップしている。噛み合い歯元面の圧力角γが減少することにより、接線方向の衝撃力成分FT(図9b)も減少し、接線方向の衝撃ノイズが噛み合い初期における全てのノイズレベルに対して寄与していることは言うまでもない。
【0053】
衝撃力FTは、圧力角γに関連付けられた衝撃速度の関数である。圧力角γが減少すると、それぞれに対応して噛み合い初期におけるチェーンとスプロケットとの間の衝撃速度が減少し、その結果、NVH特性が向上する。また、圧力角γを最小にすると、接点A、B同士を大きく分離すること、すなわち、接点A、B間の距離を大きくすることが容易となり、噛み合いの「段階化」を更に向上すなわち最大にすることができる。好ましい実施形態においては、ローラとスプロケットとの間の段階的な衝撃を最適化するため、噛み合い歯元面の圧力角γが−2.0°〜+5°の範囲に設定されている。
【0054】
この実施形態においては、最大実体状態で、ローラ当接角βがISOαmax/2よりも大きく、所望の噛み合い歯元面圧力角γが得られるまでβを調整することができる。例えば、ローラ当接角βは、0よりも小さい、すなわちマイナスの値の圧力角γを規定することができる。理論上のチェーン/スプロケット境界面における小さなマイナス圧力角は、「名目上の」システムもしくは摩耗を伴うシステムにおいて、0に近い圧力角γを有利に規定する。しかしながら、噛み合い歯元面のローラ当接角βはISO−606の最小圧力角よりも小さい値を有する任意の噛み合い歯元面圧力角γを規定するように、有利に調整しても良い。
【0055】
圧力角γがマイナスの値を有する時は、弦ピッチを減少させることが必要になるかもしれないことに注意しなければならない。さもなければ、ローラは、スプロケットのラップを離れてスパン内に戻るにつれて、噛み合い歯元面(最大実体状態のスプロケットと理論上のピッチ(最も短い)のチェーンとを有する)と干渉してしまう。また、弦ピッチの減少によって、前述した段階的な噛み合いが促進される。
【0056】
また、αmin/2もしくはそれ以下となる最大値を有するように、非噛み合い歯元面のローラ当接角β’(図9)を調整しても良い。この減少させた当接角β’は、ローラがスプロケットから離れてスパン内に入る時に、ローラとスプロケットがより速く分離することを促進する。また、このように角度β’を減少させると、摩耗したチェーンのローラは、ラップ内のスプロケットの周りを移動する際に、それほど過酷でない角度まで歯元面に沿ってずり上がることができる。
【0057】
図10に示されるように、スプロケット212は、また、噛み合い面すなわち歯元面364を有する第3の歯362と、非噛み合い面すなわち歯元面368を有する第4の歯366とを有している。噛み合い歯元面364と非噛み合い歯元面368は、互いに協働して、チェーン216に設けられたローラ369のような1つのローラを受ける歯溝258のうちの1つを形成する。すなわち、スプロケット歯362は、必然的に、番号付けされたスプロケット歯252(図8)のうちの1つとみなされ、スプロケット歯366は、スプロケット歯250、252のいずれか一方とみなすことができる。
【0058】
噛み合いローラ369は、直径がD1に設定されており、歯溝258内に2点接触で完全に当接した状態で示されている。噛み合いローラ369は、歯溝内の点B’、Cに完全に当接する前に、まず点Aで噛み合い歯元面364と接触する。非対称歯溝254に関して前述したように、接点B’、Cは、実際には線であり、スプロケットの歯面に沿って軸方向(すなわち、図面の面に対して直交する方向)に延びている。
【0059】
噛み合い歯元面364は、機能しない第1の平坦面(図示せず)と接点B’で接する半径Rfを有している。この平坦面は、ローラとの2点接触を容易にするためだけに機能し、点B’から径方向内側に延在している。半径Riによって規定される歯底面260の第1の部分の一端部は、機能しない第1の平坦面の径方向内側端部と接している。また、歯底面260の第1の部分の他端部は、点Cから径方向外側に延在する機能しない第2の平坦面(図示せず)の径方向外側端部と接している。具体的には、2点/線接触を2つの点B’、Cで生じさせるために、歯底の半径Riの最大値は、最小のローラ半径0.5D1以下でなければならない。Ri≦0.5D1とすれば、ローラが点B’、Cに当接した時に、歯底面260とローラ369との間に小さなクリアランス(図9aのクリアランス272参照)が形成される。
【0060】
機能しない第1の平坦面の位置は角度βによって決定され、平坦面の方向は、ローラが点B’、Cでスプロケットと接触している時に点B’とローラ369の中心とを通る線に対して直角すなわち垂直である。ローラとスプロケットとの噛み合い始めに所望の初期ローラ接点A’を達成するために、圧力角γ及びチェーンとスプロケットとの間のピッチの不一致の程度を変えることができることは言うまでもない。また、理論上においては、ローラとスプロケットとの初期の接触が点B’で生じる。しかしながら、その他全てのピッチの不一致状態により、初期の接触は、点B’からオフセットした点A’で生じる。
【0061】
すなわち、理論上以外の全ての状態において、初期の接線方向の接触は、噛み合い初期に、点A’で起きる。ローラ369は、スプロケットの回転によって、接線方向に衝突する初期の位置点A’から完全噛み合い位置点B’へと移動されて最終的に点Cで径方向に接触するまでの間、強固に接触したままの状態であると考えられる。径方向の衝撃力は、スプロケットが十分に回転してローラ369が点Cにおいて径方向で接触するまで作用しない。
【0062】
すなわち、径方向の衝撃力FRは、完全に噛み合った瞬間において生じる。張りストランドにおける噛み合いローラへの負荷伝達は、完全に噛み合った時点で成されると考えられる。点Cにおいてローラ369が径方向で衝突する瞬間、径方向の衝撃力が生じるが、この時点では、既に接線方向の衝撃力が生じた後であり、存在しない。ローラ−スプロケット間における接線方向での衝突と径方向での衝突との間の時間遅れ(「段階的な」噛み合い)によって、長い時間間隔にわたる噛み合いプロセス中に生じる衝撃エネルギを効果的に分散する。これにより、噛み合い頻度で形成されるノイズレベルに対する寄与度が減少する。また、この非対称スプロケット歯形によって、噛み合い始めたローラが点A’での初期噛み合い位置から点B’、Cでの2点完全噛み合い位置へと移動する間において、張りストランドにおける負荷を、完全に噛み合ったローラから噛み合い始めたローラへと緩やかに有利に伝達することができる。
【0063】
歯底面260は歯底逃げ部を有している。すなわち、第2の平坦面372が点Cから径方向内側に延在している。また、半径Ri’によって規定される歯底面260の第2の部分は、平坦面372の径方向内側端部に接するとともに、第3の平坦部374の径方向内側端部と接している。半径Rf’によって規定される非噛み合い歯元面は、第3の平坦面374の径方向外側端部と接している。
【0064】
(点Cから径方向外側に延在する)機能しない第2の平坦面が平坦面372と接していることは言うまでもない。すなわち、平坦面372の第1の部分は、点Cから径方向外側に延在するとともに、点Bから径方向内側に延在する機能しない第1の平坦面と協働してローラを2つの接点B’、Cに当接するように促進している。平坦面372の第2の部分は、点Cの径方向内側に延在するとともに、第3の平坦面と協働して歯底逃げ部を形成する。
【0065】
前述したように、ローラ369が点B’、Cで完全に噛み合った場合には、ローラ369と逃げ部が設けられた歯底面260との間にはクリアランス376が存在する。歯溝258には歯底に逃げ部が形成されているため、ローラ369の中心が理論上のピッチ円直径PD上に位置している場合には、ローラ369は点B’で接触し、完全に噛み合う。第2の歯底半径Ri’は、必然的に、ローラ369の直径D1の半分以下である。また、図10は、ローラ369が点B’、Cで完全に噛み合って接触している状態における、非噛み合い歯元面368とローラとの間のクリアランス378を示している。歯溝258は、歯溝254と同様の形態で、歯底逃げ部を設けている。すなわち、ローラ369は、歯底面を横切って橋渡しされるように位置され且つ点S、S’(図9及び図9aのクリアランス280参照)に当接すると、歯底面260と接触することが妨げられる。つまり、ローラ369は、下側の噛み合い歯元面及び非噛み合い歯元面のみと接触することができる。なお、ローラがスプロケットラップの周りを移動し続けるにつれて、ローラが非噛み合い歯元面368に沿って点S’から外側に移動することは言うまでもない。
【0066】
ピッチの不一致は、1つの条件、すなわち、最も短いピッチ(最も短いのは理論上のピッチ)のチェーン及び最大実体状態のスプロケットとして規定される理論上の条件を除き、チェーン/スプロケットの接続に固有のものである。したがって、この理論上の条件は、チェーンとスプロケットのピッチ不一致関係の許容範囲において、1つの制限(0、すなわちピッチの不一致がない)を規定する。他の制限は、最小実体状態すなわち最小の外形を有するスプロケットとともに最も長い「アズビルト」チェーン(as built chain)が使用された場合に規定される。この制限は、ピッチの不一致度合いを最も大きくする。したがって、ピッチの不一致の範囲は、一部の特徴の許容範囲によって決定される。
【0067】
また、点Aにおける接線方向での接触(非対称歯溝254に関して)と点A’における接線方向での接触(非対称歯溝258に関して)との間の時間遅れを大きく促進にするために、ピッチの不一致が導入されても良い。すなわち、ローラとスプロケットとの接触が生じる時間を各歯溝254、258において変化させると、ローラとスプロケットとの初期の接触の位置とリズムが変化するため、繰り返しの噛み合いによるノイズが低減される。チェーンのピッチとスプロケットのピッチとの不一致を大きくすることによって、点Aにおけるローラとスプロケットの接触と点A’におけるローラとスプロケットの接触との間の時間遅れを大きくしても良い。
【0068】
各歯溝における「段階的な」ローラ接触を促進にするために、他のピッチ不一致を導入しても良い。すなわち、他のピッチの不一致性は、各歯溝254、258における初期の接線方向接触と完全噛み合い径方向接触との間の時間遅れを大きくする。スプロケット歯250の噛み合い歯元面上の高い所で初期の接触を生じさせる平坦歯元面270に起因して、段階的な接触が歯溝258においてよりも歯溝254において大きくなることは言うまでもない。
【0069】
「段階的な」ローラ・歯接触を促進するために、スプロケットの弦ピッチは、必然的に、チェーンのピッチよりも短い。また、弦ピッチを減少させると、ローラがスプロケットラップを抜け出て弛みストランド内に戻る時に、ローラと歯面との間にクリアランスが形成される。使用時における弦ピッチの減少量は、0.005〜0.030mmの範囲であることが望ましい。
【0070】
各歯溝254、258における段階的なローラ接触は、スプロケット歯の圧力角γをISO規格よりも実質的に小さく規定することによって更に促進される。圧力角γは、零(0)に等しいか、それに非常に近く、あるいは、マイナスの角度となる場合も考えられる。例えば、図11は、歯溝254、258における圧力角γが異なるランダムに噛み合う駆動スプロケット212の一実施形態を示している。すなわち、両方の圧力角γはプラスの値もしくは0であるが、歯溝254における圧力角γ254は歯溝258における圧力角γ258よりも小さい(ローラ当接角β254はローラ当接角β258よりも大きい)。すなわち、歯溝254におけるγminは0°に等しく、歯溝258におけるγminは+4°に等しく、両者におけるγmaxは常にISOの最小圧力角よりも小さい(γmin及びγmaxに関する特徴ある公差域すなわち公差範囲は、両方の歯溝254、258において同じである)。
【0071】
その結果、歯溝254においては、ローラとスプロケットとの初期の接触が点Aで生じ、続けて、点B及び点Cでローラとスプロケットとが径方向で接触する。また、歯溝258においては、ローラとスプロケットとの初期の接触が点A’で生じ、続けて、点B’及び点Cでローラとスプロケットとが径方向で接触する。また、スプロケット212は、参照することによってその教示内容の全てが本願に組み込まれる米国特許第5,921,878号に開示されているように、別の弦ピッチ減少及び歯溝クリアランス(TSC)を有していても良い。歯溝クリアランス(TSC)は、摩耗したチェーンのローラを、スプロケット歯の1又は複数の傾斜した歯底面との強固な接触を維持することができる。すなわち、1又は複数の平坦面272、274(図9)及び372、374(図10)は、ある程度のチェーンピッチの増分ΔPを適応することにより、チェーンピッチの増大やチェーン摩耗を補うために使用できる。また、傾斜した歯底面によって、径方向の反力の減少を促進できるため、全てのノイズレベルに対するローラ径方向衝撃ノイズの寄与度を減少することができる。浅い角度β’と歯溝クリアランスとが、ラップでのローラとスプロケットとの「強固な」接触の維持に寄与していることは言うまでもない。
【0072】
また、歯溝254における圧力角γminが常にマイナス値であり、歯溝258における圧力角γminが常にプラス値又は0であっても良い。例えば、歯溝254における圧力角γminが−3°であり、歯溝258における圧力角γminが+3°であっても良い。この場合、両者のγmaxは常にISO最小圧力角よりも小さくなる。この実施形態の場合、別の弦ピッチ減少が常に含まれるが、歯溝クリアランスは含まれても含まれなくても良い。更に他の実施形態において、歯溝254、258は、全く同一か或いは少なくとも実質的に同一な圧力角γを有することができる(すなわち、これらの歯溝は、全く同一か或いは少なくとも実質的に同一なローラ当接角β254、β258を有する)。
【0073】
図12は、ローラリンクプレート248のような各ローラリンクプレートがスプロケット212と噛み合い接触するまでに辿る経路(仮想)を示している。ローラリンクプレート248は、完全に噛み合ったローラ228の中心を軸に旋回し、ローラ230が移動してその対応するスプロケット歯溝に噛み合い係合する際に、弾性クッションすなわちダンピングリング244を圧縮する。
【0074】
図12、特に図12aに示されるように、各エラストマー・ダンピングリング244は、平坦でない、すなわち、波形状の外面400を有している。この波形状の外面400は、圧縮パッド402と横方向溝404とが交互に形成されて成る。各圧縮パッド402は、その一部が外径ODE及び角度τによって規定される傾斜した外面406を有している。すなわち、各外面406は、外径がODEである外面406の後端から外面406の先端に向かって角度τで延在している。
【0075】
すなわち、各圧縮パッド402の外面406は、噛み合って旋回しているローラ228の近傍で圧縮が最小となり且つ噛み合いローラ230に向かって圧縮がパッド面406上を反時計回りで有利に増大していくように、傾斜されている。つまり、圧縮勾配は、噛み合いローラ230に向かって有利に斜行している。この場合、長尺レバーやモーメントアームに伴う固有の機械的利益により、圧縮は、リンクプレート248のピボットポイントから離れた位置で噛み合い衝撃に対してさらに抵抗することができる。
【0076】
横方向溝404は、噛み合って旋回しているローラ228に配置されたリンクプレートの部位においては、圧縮はメリットが小さい或いは無いため、最小の圧縮を提供、あるいは、圧縮を提供しない。また、横方向溝404は、噛み合い中及びその後のスプロケットラップ232(図7)を通り回転中に移動するように大きな圧縮を受けるパッドの後端(外径ODEで生じる)を形成するエラストマー材料に、窪みすなわち空間を形成している。
【0077】
図12bに示されるように、各溝404は、溝404の円弧の中心408から延びる少なくとも1つの半径R2によって規定される(実施形態において述べられているように、溝404は少なくとも2つの半径によって規定されている)。同様に、各歯底面256、260の部位は、半径Ri’によって規定される歯底面部位の円弧の中心410から延びる半径Ri’によって規定されている。
【0078】
半径Ri’によって規定される歯底面部位の円弧の中心410とスプロケット212の中心との間に、径方向の線412を引くことができる。クッションリング244、具体的には、圧縮パッド402と溝404は、半径R2によって規定される溝部の円弧中心408が径方向の線412の少なくとも近傍に位置されるように、スプロケットに対して方向付けられている。好ましくは、半径Ri’によって規定される歯底面部位の円弧の中心410とスプロケット212の中心とを接続する径方向の線412が、半径R2によって規定される溝部の円弧中心408を通る。
【0079】
図12cに示されるように、スプロケット212は、ローラ230が2点駆動接触で完全に噛み合う瞬間まで、時計方向11に回転される。図12bに示されるように、溝404がスプロケット212に対して方向付けられていると、複数の圧縮パッド402の最も外側の径方向端部すなわち後端部は、ローラ228から約0.8P(Pはスプロケットのピッチである)で最大ダンパリング圧縮249が有利に生じるように、整列すなわち位置決めされる。
【0080】
図12dにおいて、ローラ252は、ローラ及び歯元面に対して直交する短線286で示される点で、噛み合い歯元面と接触するように示されている。また、ローラ250は、それが占める歯溝内の非噛み合い歯元面と接触するように示されている。ローラ250が隣合う歯の非噛み合い歯元面と接触するまで傾けられた図12dに示される位置において、ローラ250の前方への移動は、その現在の位置とローラ250によって現在占められる傾いた位置との間のどこかで起こる。
【0081】
図12eは、ローラ282が両方の歯元面と接触する瞬間までスプロケット212が歯角Aよりも小さい所定の角度にわたって矢印11の方向に回転した状態を示している。前述したように、ローラ282は、両方の歯元面上の点S、S’で接触するように、径方向内側に所定の距離288だけ移動して更にゴムクッションリング244を圧縮しなければならない。実際には、ローラ282は、噛み合い歯元面と接触する位置から非噛み合い歯元面と接触する位置まで移動する際、その中心がピッチ円直径PD上に位置している。いずれにしても、スプロケットラップ232に位置するローラが振動してスプロケット歯と断続的に接触しこれによって望ましくない広帯域ノイズが生じるのを防止できるとともに、全体のローラチェーン駆動ノイズレベルを低減できる。
【0082】
前述した幾何学的構成の利点の結果、ゴムの圧縮量249を、従来のシステムで生じるゴムの圧縮量149(図6a)よりも有利に小さくできると考えられる。したがって、横方向溝404とともに作用する傾斜された圧縮パッド402と非対称歯溝254、258とによって、ゴムクッションリング244の疲れ寿命が、従来のクッションリング144(図6)の疲れ寿命よりも向上すると思われる。噛み合いプロセス中において、本発明のように減衰力を向上させると、さらにチェーン駆動のノイズを十分に低減できる。
【0083】
また、本発明のスプロケットは、従来の円形のクッションリング144(図6)を組み込んだスプロケットと比較して、実質的に圧縮が低減されたとほぼ同様の減衰を実現することができる。これは、クッションリング244に波形状の面すなわち平坦でない面400を設けた本発明に固有の機械的利益によるものである。すなわち、略同様のノイズ減衰をもって耐久性を向上させるべく、径方向の圧縮を釣り合わせることができる。つまり、波形状すなわち平坦でない面400は、等しい減衰を得るために、殆ど圧縮する必要がない。なお、噛み合いプロセス中に、圧縮を等しく最大にしても、大きなノイズ減衰を実現できる。
【0084】
要するに、前述したランダム噛み合いローラチェーン駆動スプロケット212は、1つの歯から次の歯へと至るローラとスプロケットとの最初の接触点及び接触リズムを変更することによって噛み合い衝撃頻度を修正するために、ランダムすなわち任意のパターンで配置された歯形が異なる2組のスプロケット歯を有している。これらの異なる2組のスプロケット歯が多くの異なるランダムパターンすなわち任意パターンで配置されていても良いことは言うまでもない。
【0085】
また、これらの異なる2組のスプロケット歯を、同様に作動できる多くの規則正しいパターンで配置することもできると考えられる。いずれの場合であっても、スプロケット上におけるこれらの異なる2組のスプロケット歯の配置は、一般に、略同様な形状を成す全てのスプロケット歯と関係付けられ且つこれらのスプロケット歯によって引き起こされる噛み合い頻度衝撃ノイズを分散するための手段を形成する。1つの歯から次の歯へと至るローラとスプロケットとの最初の接触点及び接触リズムを変更することによって、また、ローラがスパンから出て噛み合いプロセス中にスプロケットと衝突する際にローラの噛み合い衝撃を緩衝又は和らげることによって、噛み合い頻度によるノイズを減少できるとともに、広帯域ノイズを減少できる。
【0086】
前述したランダムに噛み合うローラチェーン駆動スプロケット212は、2つのグループのスプロケット歯を有しており、これらのスプロケット歯のグループ同士は、歯底逃げ部を備えた異なる歯形を有している。しかしながら、これらスプロケット歯の2つの組のうち、一方だけが歯底逃げ部を有していても良い。また、第1及び/又は第2の複数のスプロケット歯の特定の幾つかだけに歯底逃げ部が設けられていても良い。
【0087】
一般にチェーンドライブの中で最も小さなスプロケットであるクランクシャフトスプロケットは、通常、主なノイズ寄与者である。もっとも、一般に大きな従動カムシャフトスプロケットも、形成されるノイズレベルに寄与するものの、その寄与度はクランクシャフトスプロケットよりも一般に小さい。しかしながら、従動スプロケットは、特にそれが駆動スプロケットと同じサイズ或いは駆動スプロケットのサイズよりも小さい場合には、バランスシャフトスプロケットやポンプスプロケットに伴う場合のように、主なノイズ形成者となる虞がある。そのため、本発明の特徴をカムシャフトや従動スプロケットとともに有益に使用しても良い。
【0088】
本発明のノイズ低減の利益が得られるチェーンとスプロケットとの噛み合い運動学から実質的に逸脱しない範囲で、以上説明した非対称歯形の特徴的な構成を僅かに変更できることは言うまでもない。例えば、非対称な噛み合い歯元面形状をインボリュート形状に近づけるとともに、非対称な非噛み合い歯元面形状を別のインボリュート形状に近づけることもできる。製造上の理由及び/又は品質制御の理由のため、あるいは、単に部品の寸法を変えるために、形状を僅かに変化させても良い。
【0089】
クッションリング144(図6〜図6b)のような既知のクッションリングを組み込んだISO−606規格のスプロケットを超えるNVH利得を得るために、本発明の1又は複数のクッションリング244を、スプロケット12(図2)のような既知のISO−606規格のスプロケット上に装着することも考えられる。図13に示されるように、ISO−606規格のスプロケット512は、複数の左右対称なスプロケット歯514を有している。隣り合うスプロケット歯は、協働して、歯底面518を有する左右対称な歯溝516を形成する。少なくとも1つのエラストマークッションリング244がスプロケット512に装着されている。
【0090】
前述したように、各溝404は、溝404の円弧の中心520から延びる少なくとも1つの半径R2によって規定される(実施形態において述べられているように、溝404は少なくとも2つの半径によって規定されている)。同様に、歯底面518は、半径Riによって規定される歯底面の円弧の中心522から延びる半径Riによって規定されている。
【0091】
半径Riによって規定される歯底面部位の円弧の中心522とスプロケット512の中心との間に、径方向の線524を引くことができる。クッションリング244、具体的には、圧縮パッド402と溝404は、半径R2によって規定される溝部の円弧中心520が径方向の線524の少なくとも近傍に位置されるように、スプロケットに対して方向付けられている。好ましくは、半径R2によって規定される溝部の円弧中心520が径方向の線524上に位置する。
【0092】
以上、好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、本明細書を読んで理解すれば、他人が修正を加えることができることは言うまでもない。本発明は、添付のクレームの範囲及びこれと均等な範囲で第3者が行なう変形例も含まれるように意図されている。
【0093】
例えば、本発明の実施形態において、歯溝の形態は、i)噛み合い面のローラ当接角度βが非噛み合い面のローラ当接角度β’よりも大きい場合、ii)噛み合い面のローラ当接角度βが非噛み合い面のローラ当接角度β’と等しく、かつ、噛み合い面が平坦歯元面270等を有する場合のように、噛み合い面の形状が隣接する非噛み合い面の形状と異なる場合において、非対称であるとみなすことができる。また、非対称な噛み合い歯元面形状をインボリュート形状に近づけるとともに、非対称な非噛み合い歯面形状を別のインボリュート形状に近づけることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ISO−606の規格に対応したローラチェーンスプロケットの対称な歯溝形状を示す図である。
【図2】 ISO−606の規格に対応した駆動スプロケット、従動スプロケット、ローラチェーンを有する典型的なローラチェーン駆動システムの図である。
【図3】 駆動スプロケットが時計回り方向に回転した際に駆動位置にあるローラ(実線)と噛み合い経路(仮想線)とを示す図2の駆動スプロケットの部分拡大図である。
【図4】 ISO−606の規格に対応したスプロケットの異なる多数の寸法に関し、ローラ当接角αと圧力角γとをリストアップした表である。
【図5】 本発明のスプロケットの寸法を変化させた3つの異なる非対称な歯溝形態(1−3)に関して、最大ベータ(β)角と対応する圧力角(γ)とをリストアップした表である。
【図6】 両面に従来のクッションリングすなわちダンパリングを有する典型的なISO−606規格の駆動スプロケットを示す図である。
【図6a】 ローラチェーンのリンクプレートとクッションリングとの間の相互作用を示す図6の駆動スプロケットの部分拡大図である。
【図6b】 図6aの6b−6b線に沿うローラチェーンリンクプレートの断面図である。
【図7】 本発明の特徴を有する典型的なローラチェーン駆動システムを示す図である。
【図8】 図7の駆動システムのランダムに噛み合うローラチェーン駆動スプロケットを示す図である。
【図8a】 図8の8a−8a線に沿うスプロケットの断面図である。
【図9】 図8のスプロケットの第1の非対称な歯溝形状を示す図である。
【図9a】 図9の第1の非対称な歯溝形状の噛み合い歯元面であって、ローラが2点接触で完全に噛み合い当接した状態を示す図である。
【図9b】 ローラが2点接触で完全に噛み合い当接した状態を示す図9の第1の非対称な歯溝形状の部分拡大図である。
【図9c】 ローラが下側の歯元面部S、S’に当接した状態を示す図9の第1の非対称な歯溝形状の部分拡大図である。
【図10】 図8のスプロケットの第2の非対称な歯溝形状を示す図である。
【図11】 図9の非対称な歯形状を図10の非対称な歯形状に重ねた図である。
【図12】 張りストランドとスプロケットとの境界部に位置する図7のランダムに噛み合うローラチェーン駆動スプロケットの部分拡大図である。
【図12a】 図8のランダムに噛み合うローラチェーン駆動スプロケットの部分拡大図である。
【図12b】 スプロケット歯溝とクッションリングのパッド及び溝との間の位置関係を示す図12aのスプロケットの部分拡大図である。
【図12c】 ダンパリングの最大圧縮が当接ローラから約0.8Pで生じている状態を示す、図12のスプロケットの部分拡大図である。
【図12d】 図12のスプロケットの部分拡大図である。
【図12e】 図12dのスプロケットの部分拡大図である。
【図13】 ISO−606規格のスプロケット歯溝と本発明に係るクッションリングのパッド及び溝との間の関係を示すISO−606規格のスプロケットの部分拡大図である。

Claims (19)

  1. 周方向に沿って互いに離間された複数のスプロケット歯(262、266、362、366)を有する主本体部を備え、前記複数のスプロケット歯(262、266、362、366)のそれぞれが噛み合い歯元面(264、364)と非噛み合い歯元面(268、368)とを有し、
    前記複数のスプロケット歯のうちの第1の歯(262)の噛み合い歯元面(264)は、前記複数のスプロケット歯のうちの第2の歯(266)の非噛み合い歯元面(268)と協働して、前記第1の歯(262)の噛み合い歯元面(264)と前記第2の歯(266)の非噛み合い歯元面(268)との間で延在する歯底面を有する第1の歯溝(254)を形成し、前記歯底面は第1の半径(Ri’)の円弧によって規定される第1の歯底面部(256)を有し、
    前記主本体部に装着されるとともに、複数の圧縮パッド(402)と複数の溝(404)とを有するクッションリング(244)を備え、前記複数の圧縮パッド(402)と前記複数の溝(404)は前記クッションリング(244)の周面に沿って交互に配置され、
    前記複数の溝(404)は、第2の半径(R2)の円弧によって規定される溝部を有し、前記溝部の円弧中心(408)は、前記主本体部の中心と前記第1の歯底面部(256)の円弧中心(410)との間で延びる径方向の線(412)の近傍に位置され、
    前記圧縮パッド(402)は、周方向内に離間された先端縁と後端縁との間に規定される傾斜する外面(406)を有し、前記先端縁は前記第1の歯(262)の噛み合い歯元面(264)から径方向内側に位置し、前記後端縁は前記第1の歯(262)の非噛み合い歯元面から径方向内側に位置していることを特徴とするスプロケット(212)。
  2. 前記第1の歯溝が左右非対称な歯溝(254、258)であることを特徴とする請求項1に記載のスプロケット。
  3. 前記第1の歯溝が左右対称な歯溝(516)であることを特徴とする請求項1に記載のスプロケット。
  4. 前記スプロケット(212)の回転中において、前記第1の歯底面部(256)とこれに対応するローラ(269)との間にクリアランス(280)を形成するために、前記第1の歯底面部(256)がこれと対応するローラ(269)から離間していることを特徴とする請求項1に記載のスプロケット。
  5. 前記第1の歯溝(254)において、前記ローラが前記第1の歯溝(254)内の噛み合い歯元面(264)に噛み合って駆動接触する際に接触点の間のローラ当接角(β)が、前記ローラが前記第1の歯溝(254)内の非噛み合い歯元面(268)に噛み合って駆動接触する際に接触点の間のローラ当接角(β')より大きいことを特徴とする請求項1に記載のスプロケット。
  6. 前記第1の歯溝が、ISO、JIS、DINから成るグループから選択される国際製造規格に適合していることを特徴とする請求項1に記載のスプロケット。
  7. 前記第1の歯溝(254)が、
    前記噛み合い歯元面(264)に接し且つ前記噛み合い歯元面(264)の径方向内側に延在する第1の平坦面(270)と、前記第1の平坦面(270)に接し且つ前記第1の平坦面(270)の径方向内側に延在する第2の歯底面部と、前記第2の歯底面部と接し且つ前記第2の歯底面部の径方向内側に延在する第2の平坦面(272)とを更に備え、前記第1の歯底面部(256)は前記第2の平坦面(272)に接し且つ前記第2の平坦面の径方向内側に延在し、
    前記第2の歯底面部を規定する第3の半径(Ri)が、前記ローラ(269)の半径(D/2)よりも小さく、前記ローラ(269)が前記第1の歯溝(254)内に噛み合って駆動接触する際に前記第2の歯底面部とこれに対応するローラ(269)との間にクリアランス(273)が存在することを特徴とする請求項1に記載のスプロケット。
  8. 前記第1の歯溝(254)が、
    前記第1の歯底面部(256)に接し且つ前記第1の歯底面部(256)の径方向外側に延在するとともに前記非噛み合い歯元面(268)と接する第3の平坦面(274)を更に有し、前記第3の平坦面(274)は、前記ローラ(269)が前記第1の歯溝(254)内に噛み合った際に、前記第2の平坦面(272)と協働して、前記第1の歯底面部(256)とこれに対応するローラとの間にクリアランス(280)を形成することを特徴とする請求項7に記載のスプロケット。
  9. 前記複数のスプロケット歯(262、266、362、366)のうちの第3の歯(362)の噛み合い歯元面(364)が、前記複数のスプロケット歯(262、266、362、366)のうちの第4の歯(366)の非噛み合い歯元面(368)と協働して、前記第3の歯(362)の噛み合い歯元面(364)と前記第4の歯(366)の非噛み合い歯元面(368)との間で延在する歯底面(260)を有する第2の歯溝(258)を形成し、前記第2の歯溝(258)の形状が、前記第1の歯溝(254)の形状と異なっていることを特徴とする請求項1に記載のスプロケット。
  10. 前記複数の第1の歯溝(254)と前記複数の第2の歯溝(258)が、前記主本体部の周方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする請求項9に記載のスプロケット。
  11. 前記第1の歯溝(254)が、
    前記第1の歯(262)の噛み合い歯元面(264)に接し且つ前記第1の歯(262)の噛み合い歯元面(264)の径方向内側に延在する平坦面(270)を有し、前記平坦面(270)が、前記ローラ(269)とスプロケット(212)との間の段階的な衝突を促進し、前記段階的な衝突は、前記ローラ(269)とスプロケット(212)との前記平坦面(270)に沿った初期の接線方向の衝突と、前記初期の接線方向の衝突後に続いて生じる径方向の衝突とを含んでいることを特徴とする請求項9に記載のスプロケット。
  12. 前記ローラ(218)が前記第1の歯溝(254)の前記噛み合い面(264)内に噛み合って駆動接触する際に接触点の間のローラ当接角(β)は、前記ローラ(218)が前記第2の歯溝(258)の前記噛み合い面(364)内に噛み合って駆動接触する際に接触点の間のローラ当接角(β)と異なる、ことを特徴とする請求項9に記載のスプロケット。
  13. 主本体部を備えるスプロケット(212)であって、
    第1の噛み合い歯元面(264、364)と第1の非噛み合い歯元面を有する第1の歯(262、362、514)と、
    前記主本体部に装着されるとともに、左右非対称の外面(406)を有する圧縮パッド(402)を含むクッションリング(244)であって、前記圧縮パッド(402)の前記外面(406)は周方向内に離間された先端縁と後端縁との間に規定される、前記クッションリング(244)と、
    を備え、
    前記圧縮パッド(402)において、前記主本体部の径方向の外側へピーク部分は、前記圧縮パッド(402)の前記後端縁の近傍であって前記第1の歯の前記第1の非噛み合い歯元面から径方向内側の近傍に位置し、前記先端縁は前記第1の歯の前記噛み合い歯元面(264、364)から径方向内側の近傍に位置している、ことを特徴とするスプロケット。
  14. 前記スプロケット(212)は、第2の噛み合い歯元面と第2の非噛み合い歯元面(268、368)を有する第2の歯(266、366、514)を更に含み、
    前記第1の歯(262、362、514)の第1の噛み合い歯元面(264、364)と前記第2の歯(266、366、514)の第2の非噛み合い歯元面(268、368)は協働し、前記第1の噛み合い歯元面(264、364)と前記第2の非噛み合い歯元面(268、368)との間で延在する歯底面を有する歯溝(254、258、516)を形成し、前記歯底面は第1の半径(Ri’)の円弧によって規定される第1の歯底面部(256、260)を有する、ことを特徴とする請求項13に記載のスプロケット。
  15. 前記歯溝(254、258)が左右非対称な歯溝であることを特徴とする請求項14に記載のスプロケット。
  16. 前記歯溝(516)が左右対称な歯溝であることを特徴とする請求項14に記載のスプロケット。
  17. 前記スプロケット(212)の回転中において、前記第1の歯底面部とこれに対応するローラ(269)との間にクリアランス(280)を形成するために、前記第1の歯底面部がこれと対応するローラ(269)から離間していることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のスプロケット。
  18. 前記歯溝(254)において、前記ローラが噛み合い歯元面(264)に噛み合って駆動接触する際に接触点の間のローラ当接角(β)が、前記ローラが非噛み合い歯元面(268)に噛み合って駆動接触する際に接触点の間のローラ当接角(β')より大きいことを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載のスプロケット。
  19. 前記歯溝(254)が、
    前記噛み合い歯元面(264)に接し且つ前記噛み合い歯元面(264)の径方向内側に延在する第1の平坦面(270)と、前記第1の平坦面(270)に接し且つ前記第1の平坦面(270)の径方向内側に延在する第2の歯底面部と、前記第2の歯底面部と接し且つ前記第2の歯底面部の径方向内側に延在する第2の平坦面(272)とを更に備え、前記第1の歯底面部(256)は前記第2の平坦面(272)に接し且つ前記第2の平坦面の径方向内側に延在し、
    前記第2の歯底面部を規定する第2の半径(Ri)が、前記ローラ(269)の半径(D/2)よりも小さく、前記ローラ(269)が前記歯溝(254)内に噛み合って駆動接触する際に前記第2の歯底面部とこれに対応するローラ(269)との間にクリアランス(273)が存在することを特徴とする請求項14、15及び18のいずれか一項に記載のスプロケット。
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