JP4046364B2 - 半導体記憶装置およびその動作方法 - Google Patents
半導体記憶装置およびその動作方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4046364B2 JP4046364B2 JP02557694A JP2557694A JP4046364B2 JP 4046364 B2 JP4046364 B2 JP 4046364B2 JP 02557694 A JP02557694 A JP 02557694A JP 2557694 A JP2557694 A JP 2557694A JP 4046364 B2 JP4046364 B2 JP 4046364B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- potential
- bit line
- pair
- differential amplification
- differential
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Dram (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
この発明は、半導体記憶装置およびその動作方法に関し、特にその装置の差動増幅動作に関係する部分に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体記憶装置、特にダイナミックランダムアクセスメモリ(以下、DRAMと呼ぶ)においては、メモリセルからビット線対に読出された電荷により発生されるビット線対間の電位差を差動増幅する回路が設けられる。
【0003】
図15は、従来の半導体記憶装置、特にDRAMの構成を示す回路図である。この半導体記憶装置は、半導体基板100上に形成される。1組のビット線対BL,/BLの一方、たとえば、ビット線BLにメモリセル1が接続される。メモリセル1は、データを記憶するキャパシタ1CおよびNチャネルMOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタと呼ぶ)1Tを含む。MNOSトランジスタ1Tは、キャパシタ1Cとビット線BLとの間に接続され、そのゲートはワード線WLに接続される。
【0004】
ビット線対BL,/BLの間には、第1の差動増幅手段である第1のセンスアンプSA1と、第2の差動増幅手段である第2のセンスアンプSA2と、プリチャージ手段であるイコライザEQとが接続される。
【0005】
前記第1のセンスアンプSA1は、NMOSトランジスタ4,5,12を含む。NMOSトランジスタ4,5は、ビット線対BL,/BLの間に直列に接続される。これらのNMOSトランジスタ4,5は、ソース同士が接続されるとともに、NMOSトランジスタ4のドレインがビット線BLに接続され、NMOSトランジスタ5のドレインがビット線/BLに接続される。NMOSトランジスタ4のゲートはビット線/BLに接続され、NMOSトランジスタ5のゲートはビット線BLに接続される。このような接続によりNMSOトランジスタ4,5は、クロスカップル型をなす。
【0006】
NMOSトランジスタ12は、NMOSトランジスタ4,5の間のノードである引抜き線ノードZと、接地電位GNDを受ける接地ノード11との間に接続される。NMOSトランジスタのゲートには、センス動作活性化信号SONが与えられる。
【0007】
前記第2のセンスアンプSA2は、PチャネルMOSトランジスタ(以下、PMOSトランジスタと呼ぶ)6,7,14を含む。PMOSトランジスタ6,7は、ビット線対BL,/BLの間に直列に接続される。これらのPMOSトランジスタ6,7は、ソース同士が接続されるとともにPMOSトランジスタ6のドレインがビット線BLに接続され、PMOSトランジスタ7のドレインがビット線/BLに接続される。PMOSトランジスタ6のゲートはビット線/BLに接続され、PMOSトランジスタ7のゲートはビット線BLに接続される。このような接続によりPMOSトランジスタ6,7はクロスカップル型をなす。
【0008】
PMOSトランジスタ6,7の間のノードである供給線ノードYと、電源電位VCCを受ける電源ノード13との間にPMOSトランジスタ14が接続される。PMOSトランジスタ14のゲートには、センス動作活性化信号SOPが与えられる。
【0009】
前記イコライザEQは、NMOSトランジスタ8,9,10を含む。NMOSトランジスタ8は、ビット線対BL,/BLの間に接続される。NMOSトランジスタ9は、ビット線BLと、電源電位VCCの1/2の電位を受ける電位ノードVprとの間に接続される。NMOSトランジスタ10は、ビット線/BLと電位ノードVprとの間に接続される。これらのNMOSトランジスタ8,9,10のそれぞれのゲートには、プリチャージ活性化信号BLEQが与えられる。
【0010】
また、引抜き線ノードZと電位ノードVprとの間にNMOSトランジスタ15が接続される。供給線ノードYと電位ノードVprとの間にNMOSトランジスタ16が接続される。これらのNMOSトランジスタ15,16のそれぞれのゲートには、プリチャージ活性化信号BLEQが与えられる。
【0011】
ビット線対BL,/BL上においては、メモリセル1と、第1のセンスアンプSA1、第2のセンスアンプSA2およびイコライザEQとの間に、これらのセンスアンプSA1,SA2およびイコライザEQと、メモリセル1とを接続するためのNMOSトランジスタ2,3が接続される。NMOSトランジスタ2はビット線BLに設けられ、NMOSトランジスタ3はビット線/BLに設けられる。NMOSトランジスタ2,3は、活性化信号BLIによって活性化される。
【0012】
次に、このような構成の半導体記憶装置の動作について説明する。この装置の待機時(プリチャージ状態)においては、ビット線対BL,/BL、引抜き線ノードZおよび供給線ノードYが1/2VCCの電位(以下、プリチャージ電位と呼ぶ)にプリチャージされる。
【0013】
このプリチャージは、プリチャージ活性化信号BLEQがハイレベルになることによりNMOSトランジスタ8,9,10,15,16が活性化されることによってなされる。すなわち、プリチャージは、ビット線対BL,/BLと電位ノードVprとの間、引抜き線ノードZと電位ノードVprとの間、および供給線ノードYと電位ノードVprとの間がそれぞれ短絡されることによりなされる。
【0014】
続いて、メモリセル1からのデータの読出動作について説明する。この読出動作においては、まず、メモリセル1からビット線BLへのデータの伝達動作がなされ、その後、第1のセンスアンプSA1および第2のセンスアンプSA2による増幅動作がなされる。
【0015】
図16は、読出動作時の回路内の各部の信号波形図である。図16を参照して読出動作について説明する。
【0016】
前述のようなプリチャージ状態が安定化されると、プリチャージ活性化信号BLEQがローレベルにされ、NOOSトランジスタ8,9,10,11がそれぞれ不活性化される。これにより、ビット線対BL,/BLは、プリチャージ電位でのフローティング状態にされる。
【0017】
このような状態で、ワード線WLが活性化されてその電位VWLが上昇すると、メモリセル1に蓄積されている記憶データを表わす電荷がビット線BL上に伝達される。これがデータの伝達動作である。この場合に、たとえば、メモリセル1が「1」のデータを記憶していれば、ビット線BLの電位VBLは、プリチャージ電位よりもわずかに上昇する。一方、この場合、ビット線/BLは、プリチャージ電位のままである。このため、ビット線対BL,/BL間には、わずかな電位差が発生させられる。
【0018】
このように電位差が発生させられた後、その電位差は第1のセンスアンプSA1および第2のセンスアンプSA2の増幅動作によって増幅される。増幅動作においては、最初に第1のセンスアンプSA1による増幅が行なわれる。まず、センス動作活性化信号SONが活性化されてハイレベルになり、これによってNMOSトランジスタ12が活性化される。NMOSトランジスタ12が活性化されたことにより引抜き線ノードZと接地ノード11との間が短絡されて引抜き線ノードZの電位VZが接地電位GNDに向かって減少させられる。
【0019】
これにより、NMOSトランジスタ4,5は、それぞれゲート・ソース間電圧が高くなり活性化される。これらのNMOSトランジスタ4,5が活性化された場合、ビット線BLの電位VBLがビット線/BLの電位V/BLよりも高いため、NMOSトランジスタ5のオン抵抗がNMOSトランジスタ4のオン抵抗よりも小さくなり、ビット線/BLの電位V/BLが減少されられる。
【0020】
続いて、第2のセンスアンプSA2による増幅が行なわれる。センス動作活性化信号SOPが活性化されてローレベルになり、これにより、PMOSトランジスタ14が活性化される。PMOSトランジスタ14が活性化されたことにより、供給線ノードYと電源ノード13との間が短絡されて、供給線ノードYの電位VYが電源電位VCCに向かって増加させられる。
【0021】
これにより、PMOSトランジスタ6,7は、それぞれゲート・ソース間電圧が大きくなり活性化される。これらのPMOSトランジスタ6,7が活性化された場合、ビット線/BLの電位V/BLがビット線BLの電位VBLよりも低いため、PMOSトランジスタ6のオン抵抗がPMOSトランジスタ7のオン抵抗よりも小さくなり、ビット線BLの電位VBLが増加されられる。
【0022】
その後、ビット線/BLの電位V/BLは、接地電位GNDまで減少させられ、一方、ビット線BLの電位VBLは、電源電位VCCまで増加させられる。このような増幅動作によりビット線対BL,/BL間の僅かな電位差が大きく増幅される。
【0023】
このような増幅動作の開始時においては、前述したように、NMOSトランジスタ4,5のソース電位は、プリチャージ電位となっているが、その際の基板電位は、通常、接地電位GNDまたは接地電位GNDよりも低い電位、すなわち、ソース電位よりも低い電位になっている。このため、NMOSトランジスタ4,5は、増幅動作の開始時に基板電位効果を受けてそれぞれのしきい値電圧が、たとえば、基板電位とソース電位とが等しい条件のトランジスタのしきい値よりも高くなっている。
【0024】
次に、その理由について説明する。図17は、基板電位としきい値電圧との関係を示すグラフである。図17においては、縦軸にしきい値電圧、横軸に基板電位(電位低下の方向を右方向とする)をそれぞれとり、これらの関係を実線にて示す。
【0025】
図17から明らかなように、しきい値電圧は、基板電位がソース電位に対して低くなるに従って増加する。たとえば、図17中に示されるように、ソース電位と基板電位とが等しい条件での電位である基板電位VNの場合のしきい値電圧よりも、図中破線にて示されるような、基板電圧がソース電位よりも低い条件での電位である基板電位VEのしきい値電圧の方が高くなる。
【0026】
なお、図の例は、NMOSトランジスタに関するものであるが、PMOSトランジスタについても、ソース電位と基板電位との間の電位の極性が異なるだけで、この例と同様の特性がある。
【0027】
このように、基板電位効果の作用によりMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値が大きくなると、以下に説明するような問題が生じる。
【0028】
近年、半導体記憶装置の小型化などの要求により、装置の電源電位は、従来よりも低電位化される傾向がある。このように電源電位が低電位化されると、これに伴って、電源電位の1/2の電位であるプリチャージ電位も低電位化される。このようにプリチャージ電位が低電位化された場合に、基板電位効果によってセンスアンプのMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値が大きくなると、プリチャージ電位としきい値電圧との差が小さくなる。このようにプリチャージ電位としきい値電圧との差が小さくなるとセンスアンプによるセンス動作の速度が低下するかまたはセンスアンプが動作しなくなるなどの動作不良が生じる。
【0029】
また、半導体記憶装置においては、センスアンプの他にイコライザにもMOSトランジスタが用いられているため、電源電位が低電位化された場合には、センスアンプの場合と同様の理由によりイコライザにも動作不良が生じるおそれがある。このようにイコライザに動作不良が生じると、所定のプリチャージ電位の状態が実現できず、センスアンプによるセンス動作のマージンが低下し、このマージンの低下により、センス動作の速度が低下するかまたはセンスアンプが動作しなくなるという不都合を招く。
【0030】
電源電位の低電位化は、前述のような基板効果の作用に起因する問題の他にも、次に示すような問題をも発生させる。
【0031】
図18(A),(B)は、一般的なMOSトランジスタのゲート・ソース間電圧と、そのトランジスタに流れる電流との関係を示すグラフである。図18(A),(B)においては、縦軸に電流の対数値、横軸にゲート・ソース間電圧をとり、これらの関係を示す。なお、このグラフでは、MOSトランジスタに所定値(この例では、10- 6 A)の電流を流すゲート・ソース間電圧がしきい値電圧を表わす。
【0032】
一般に、MOSトランジスタにおけるゲート・ソース間電圧と前記電流との間の関係には、図18(A)に示されるような特性がある。すなわち、しきい値電圧以下のゲート・ソース間電圧の領域(以下、サブスレッショルド領域という)においては、ゲート・ソース間電圧の増加に従って電流が増加する。ゲート・ソース間電圧がしきい値電圧を越えると、電流は所定値で飽和する。なお、前述のような基板電位効果が大きく作用すると、電流がMOSトランジスタに流れにくくなり、前記特性は、図中の矢符にて示される方向に変化し、これにより、しきい値電圧に相当する電流値におけるゲート・ソース間電圧が増加してしきい値電圧が増加する。
【0033】
図18(A)に示される特性を有するMOSトランジスタにおいては、しきい値電圧が低くなるほど、図18(B)に示されるようにドレインに電圧が印加されるとサブスレッショルド領域における特性曲線の傾きが小さくなる。このように特性曲線の傾くが小さくなると、ゲート・ソース間電圧が0Vである場合の電流値が大きくなる。その電流値が大きくなるということは、すなわち、MOSトランジスタのリーク電流が大きくなるということである。
【0034】
このように、MOSトランジスタにおいては、しきい値電圧が低くなるほどリーク電圧が増加するので、前述のように電源電位が低電位化され、しきい値電圧がより小さく設定されると、それに従って半導体記憶装置においては、センスアンプのMOSトランジスタにおけるリーク電流が増加する。このリーク電流が増加すると半導体記憶装置では、センスアンプによる増幅後のビット線の電位が所定の安定値から変動するという問題があった。
【0035】
以上のように、従来の半導体記憶装置においては、電源電位の低電圧化により動作の安定化が図れないという問題があった。このような問題を解消する半導体記憶装置としては、特開平2−231760号公報に開示されるような装置がある。その半導体記憶装置は、センスアンプを構成するMOSトランジスタのウェル電位をそのMOSトランジスタのソース電位の変化に従って変化させるものである。このようにMOSトランジスタのウェル電位をソース電位の変化に従って変化させると、基板電位効果が抑制されるので、センスアンプの動作が安定化されることになる。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平2−231760号公報に開示された半導体記憶装置には、以下に示すような問題があった。その半導体記憶装置は、センスアンプを構成するMOSトランジスタの基板電位効果を抑制することができるが、半導体記憶装置の電源電位が極めて低電位化され、プリチャージ電位とMOSトランジスタのしきい値電圧との差が極めて小さくなった場合の、センス動作の動作速度の低下を補償することができない。
【0037】
また、その半導体記憶装置は、センスアンプの動作の安定化を図れるが、前述のような、電源電位の低電位化に伴うイコライザの動作の不安定化を解消することができない。
【0038】
さらに、その半導体記憶装置は、センス動作開始時のセンスアンプの動作の安定化は図れるが、前述のような、センスアンプによる増幅後におけるビット線対の電位の不安定化を解消することができない。
【0039】
このように、特開平2−231760号公報に開示された半導体記憶装置においても多くの問題があるので、その半導体記憶装置を含んだ従来の半導体記憶装置においては、電源電位の低電位化に伴う動作の不安定化を十分に防止することができないという問題があった。
【0040】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、電源電位が低電位化された場合でも十分に安定した動作を行なうことを可能とする半導体記憶装置およびその動作方法を提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】
この発明の一局面によれば、半導体基板上に形成される半導体記憶装置は、データを表わす電荷を蓄積するメモリセルと、メモリセルに接続され、電荷によってその間に電位差が発生されるビット線対と、ビット線対の間に直列に接続された第1導電型の1対のMOSトランジスタを含み、1対のMOSトランジスタの所定のプリチャージ電位にプリチャージされているソースの電位を減少させることによりビット線対間の電位差を差動増幅し、かつビット線対のうち電位が低い方のビット線の電位を第1の電位にまで減少させる第1の差動増幅手段と、ビット線対の間に直列に接続された第1導電型とは異なる第2導電型の1対のMOSトランジスタを含み、1対のMOSトランジスタの所定のプリチャージ電位にプリチャージされているソースの電位を増加させることによりビット線対間の電位差を差動増幅し、かつビット線対のうち電位が高い方のビット線の電位を第2の電位にまで増加させる第2の差動増幅手段と、第1の差動増幅手段によりビット線対のうち電位が低い方のビット線の電位が第1の電位にされかつ第2の差動増幅手段によりビット線対のうち電位が高い方のビット線の電位が第2の電位にされた後に、第1の差動増幅手段の1対のMOSトランジスタの基板電位を第1の電位よりも低い第3の電位に制御する第1の電位制御手段と、第1の差動増幅手段によりビット線対のうち電位が低い方のビット線の電位が第1の電位にされかつ第2の差動増幅手段によりビット線対のうち電位が高い方のビット線の電位が第2の電位にされた後に、第2の差動増幅手段の1対のMOSトランジスタの基板電位を第2の電位よりも高い第4の電位に制御する第2の電位制御手段とを含む。
【0042】
好ましくは、半導体記憶装置は、ビット線対に電荷による電位差が発生される前に、ビット線対を所定のプリチャージ電位にプリチャージするためのプリチャージ手段と、第1の差動増幅手段による差動増幅が開始される前に、第1の差動増幅手段のMOSトランジスタの基板電位をプリチャージ電位と第1の電位との間の第5の電位に制御するための第3の電位制御手段と、第2の差動増幅手段による差動増幅が開始される前に、第2の差動増幅手段のMOSトランジスタの基板電位をプリチャージ電位と第2の電位との間の第6の電位に制御するための第4の電位制御手段とをさらに含む。
【0043】
さらに好ましくは、半導体記憶装置は、ビット線対に電荷による電位差が発生される前に、ビット線対を所定のプリチャージ電位にプリチャージするためのプリチャージ手段と、第1の差動増幅手段による差動増幅が開始される前に、第1の差動増幅手段のMOSトランジスタの基板電位を一旦プリチャージ電位に制御した後にプリチャージ電位と第1の電位との間の第7の電位に制御するための第5の電位制御手段と、第2の差動増幅手段による差動増幅が開始される前に、第2の差動増幅手段のMOSトランジスタの基板電位を一旦プリチャージ電位に制御した後にプリチャージ電位と第2の電位との間の第8の電位に制御するための第6の電位制御手段とをさらに含む。
【0044】
さらに好ましくは、第1の電位制御手段は、第3の電位を受けるための第1のノードと、第1の制御信号を受けるための第2のノードと、第1の制御信号を遅延させた第2の制御信号を発生させるための第1の遅延手段と、第1の制御手段および第2の制御信号を受けて第1の出力信号を発生させるためのNAND回路と、第1の出力信号を受けるゲートを有し、かつ第1の出力信号に応答して第3の電位を、第1の差動増幅手段の1対のMOSトランジスタが設けられた半導体基板の領域に与える第1のトランジスタとを含む。
さらに好ましくは、第2の電位制御手段は、第4の電位を受けるための第3のノードと、第3の制御信号を受けるための第4のノードと、第3の制御信号を遅延させた第4の制御信号を発生させるための第2の遅延手段と、第3の制御信号および第4の制御信号を受け、かつ第2の出力信号を発生させるためのNOR回路と、第2の出力信号を受けるゲートを有し、かつ第2の出力信号に応答して第4の電位を、第2の差動増幅手段の1対のMOSトランジスタが設けられた半導体基板の領域に与える第2のトランジスタとを含む。
さらに好ましくは、半導体記憶装置は、半導体基板上に形成され、かつ他の領域から電気的に分離される第1のウェル領域と、半導体基板上に形成され、かつ他の領域から電気的に分離される第2のウェル領域とをさらに含み、第1の差動増幅手段の1対のMOSトランジスタは第1のウェル領域に形成され、かつ第2の差動増幅手段の1対のMOSトランジスタは第2のウェル領域に形成される。
【0045】
この発明の他の局面によれば、半導体記憶装置の動作方法であって、半導体記憶装置は、メモリセルに接続されかつメモリセルから伝達された電荷によってその間に電位差が発生されるビット線対と、ビット線対の間に直列に接続された第1導電型の1対のMOSトランジスタを有し、1対のMOSトランジスタの所定のプリチャージ電位にプリチャージされているソースの電位を減少させることによりビット線対間の電位差を差動増幅し、かつビット線対のうち電位が低い方のビット線の電位を第1の電位にまで減少させる第1の差動増幅手段と、ビット線対の間に直列に接続された第1導電型とは異なる第2導電型の1対のMOSトランジスタを有し、1対のMOSトランジスタの所定のプリチャージ電位にプリチャージされているソースの電位を増加させることによりビット線対間の電位差を差動増幅し、かつビット線対のうち電位が高い方のビット線の電位を第2の電位にまで増加させる第2の差動増幅手段とを含む。
動作方法は、第1の差動増幅手段によりビット線対のうち電位が低い方のビット線の電位が第1の電位にされかつ第2の差動増幅手段によりビット線対のうち電位が高い方のビット線の電位が第2の電位にされた後に、第1の差動増幅手段の1対のMOSトランジスタの基板電位を第1の電位よりも低い第3の電位に制御するステップと、第1の差動増幅手段によりビット線対のうち電位が低い方のビット線の電位が第1の電位にされかつ第2の差動増幅手段によりビット線対のうち電位が高い方のビット線の電位が第2の電位にされた後に、第2の差動増幅手段の1対のMOSトランジスタの基板電位を第2の電位よりも高い第4の電位に制御するステップとを含む。
【0050】
この発明のさらに他の局面によれば、半導体記憶装置は、データを表わす電荷を蓄積するメモリセルと、メモリセルに接続され、電荷によって電位差が発生されるビット線対と、ビット線対の間に直列に接続された1対のNMOSトランジスタを含み、ビット線対間の電位差を差動増幅する第1の差動増幅手段と、ビット線対の間に直列に接続された1対のPMOSトランジスタを含み、ビット線対間の電位差を差動増幅する第2の差動増幅手段と、NMOSトランジスタが形成されるウェルの電位を、第1の差動増幅手段による差動増幅が開始される前に所定の第1の電位にプリチャージし、かつ第1の差動増幅手段による差動増幅の完了後に、接地電位よりも低い所定の第2の電位にする第1の電位制御手段と、PMOSトランジスタが形成されるウェルの電位を、第2の差動増幅手段による差動増幅が開始される前に所定の第3の電位にプリチャージし、かつ第2の差動増幅手段による差動増幅の完了後に、電源電位よりも高い所定の第4の電位にする第2の電位制御手段とをさらに含み、所定の第1の電位は、第1の差動増幅手段による差動増幅が開始される前のビット線対のプリチャージされた電位と、所定の第2の電位との間の電位であり、所定の第3の電位は、第2の差動増幅手段による差動増幅が開始される前のビット線対のプリチャージされた電位と、所定の第4の電位との間の電位である。
【0053】
この発明のさらに他の局面によれば、半導体装置は、データを保持するために第1および第2のノードの間に直列に接続された第1および第2のNMOSトランジスタを含むフリップフロップを含み、第1および第2のNMOSトランジスタのゲートはそれぞれ第2および第1のノードに接続された第1のセンスアンプと、データを保持するために第1および第2のノードの間に直列に接続された第1および第2のPMOSトランジスタを含むフリップフロップを含み、第1および第2のPMOSトランジスタのゲートはそれぞれ第2および第1のノードに接続された第2のセンスアンプとを備え、第1および第2のノードはプリチャージ電位にプリチャージされ、第1および第2のNMOSトランジスタの基板電位を制御して、第1のセンスアンプの増幅完了後に基板電位を第1の電位から、接地電位よりも低い第2の電位に変化させる第1の電位コントローラをさらに備え、第1の電位はプリチャージ電位と第2の電位との間の電位であり、第1および第2のPMOSトランジスタの基板電位を制御して、第2のセンスアンプの増幅完了後に基板電位を第3の電位から、電源電位よりも高い第4の電位に変化させる第2の電位コントローラをさらに備え、第3の電位はプリチャージ電位と第4の電位との間の電位である。
【0068】
【作用】
この発明によれば、電位差が発生されたビット線対のうち、電位が低い方のビット線の電位を第1の差動増幅手段が第1の電位にまで減少させ、一方、電位が高い方のビット線の電位を第2の差動増幅手段が第2の電位にまで増加させる。これらの動作は、第1の差動増幅手段のMOSトランジスタのソースの電位が第1の電位に減少させられ、第2の差動増幅手段のMOSトランジスタのソースの電位が第2の電位に増加させられることにより行なわれる。
【0069】
ビット線対のそれぞれの電位が第1の電位と第2の電位とにされた状態は、第1の差動増幅手段および第2の差動増幅手段による差動増幅が完了した状態である。このような状態になった後、第1の電位制御手段により第2の差動増幅手段のMOSトランジスタの基板電位が第1の電位よりも低い第3の電位、すなわち、そのソースの電位よりも低い電位にされるので、そのMOSトランジスタに基板効果が作用してそのMOSトランジスタのしきい値電圧が大きくなる。また同様に、第2の電位制御手段により第2の差動増幅手段のMOSトランジスタの基板電位が第2の電位よりも高い第4の電位、すなわち、そのソースの電位よりも高い電位に制御されるので、そのMOSトランジスタに基板効果が作用してそのMOSトランジスタのしきい値電圧が大きくなる。
【0070】
このように、差動増幅が完了した状態において、それぞれの差動増幅手段のMOSトランジスタのしきい値電圧が差動増幅中のしきい値電圧よりも大きくされると、電源電位が低電位化されてそれぞれのMOSトランジスタのしきい値電圧が小さくなった場合でも、それぞれのMOSトランジスタにおいては、リーク電流が抑制されるので、差動増幅完了後のビット線対のそれぞれの電位の変動を抑制することができる。
【0071】
さらにこの発明によれば、上述の発明の作用に加えて次のように作用する。
【0072】
ビット線対に電位差が発生される前において、そのビット線対は、プリチャージ手段によってプリチャージ電位にプリチャージされる。
【0073】
その場合、第1の差動増幅手段においては、差動増幅が行なわれる前に、第3の電位制御手段によってMOSトランジスタの基板電位がプリチャージ電位と第1の電位との間の第5の電位に制御される。このように、基板電位がプリチャージ電位よりも低い電位に予め制御されるため、ビット線対に電位差が発生された場合、電位が低いほうのビット線に接続されたMOSトランジスタのドレインと基板との間において順方向のバイアスが生じることが防がれ得る。
【0074】
その場合、第2の差動増幅手段においては、差動増幅が行なわれる前に、第4の電位制御手段によってMOSトランジスタの基板電位がプリチャージ電位と第2の電位との間の第6の電位に制御される。このように、基板電位がプリチャージ電位よりも高い電位に予め制御されるため、ビット線対に電位差が発生された場合、電位が高いほうのビット線に接続されたMOSトランジスタのドレインと基板との間において順方向のバイアスが生じることが防がれ得る。
【0075】
このように、ビット線に接続されたMOSトランジスタのドレインと基板との間に電流が流れないようにすることが可能である。その結果、ビット線対の電位の変動が防がれる。
【0076】
さらにこの発明によれば、上述の作用に加えて次のように作用する。
【0077】
ビット線対に電位差が発生される前において、そのビット線対はプリチャージ手段によってプリチャージ電位にプリチャージされる。
【0078】
その場合、第1の差動増幅手段およびプリチャージ手段のそれぞれにおいては、差動増幅が開始される前に、第5の電位制御手段によって、MOSトランジスタの基板電位が一旦プリチャージ電位に制御された後に、プリチャージ電位と第1の電位との間の第7の電位に制御される。
【0079】
また、その場合、第2の差動増幅手段において、差動増幅が開始される前に、第5の電位制御手段によってMOSトランジスタの基板電位が一旦プリチャージ電位に制御された後にプリチャージ電位と第2の電位との間の第8の電位に制御される。
【0080】
このように、第1の差動増幅手段およびプリチャージ手段のそれぞれのMOSトランジスタの基板電位がプリチャージ電位よりも低い第7の電位に予め制御されるため、ビット線対に電位差が発生された場合、第1の差動増幅手段およびプリチャージ手段のそれぞれにおいては、電位が低いほうのビット線に接続されたMOSトランジスタのドレインまたはソースと基板との間において順方向のバイアスが生じることが防がれ得る。
【0081】
同様に、第2の差動増幅手段のMOSトランジスタの基板電位がプリチャージ電位よりも高い第8の電位に予め制御されるため、第2の差動増幅手段においては、ビット線対に電位さが発生された場合、電位が高いほうのビット線に接続されたMOSトランジスタのドレインまたはソースと基板との間において順方向のバイアスが生じることが防がれ得る。
【0082】
したがって、ビット線に接続されたドレインまたはソースと基板との間に電流が流れないようにすることが可能である。その結果、ビット線対の電位差の変動が防がれる。
【0083】
さらに、プリチャージ手段において、基板電位が、第7の電位になる前に一旦プリチャージ電位に制御されるため、その場合には、MOSトランジスタに対する基板電位効果の作用が抑制されるので、プリチャージが高速で行なわれる。
【0084】
さらにこの発明によれば、差動増幅手段は、差動増幅を行なうにあたってMOSトランジスタのゲート・ソース間電圧を大きくしてそのMOSトランジスタを動作させるために、MOSトランジスタのソースの電位を、予め定められた電位に最終的に減少させる。そのソースの電位は、電位制御手段により、差動増幅開始時に、予め定められた電位よりも低い電位に所定期間制御される。
【0085】
したがって、差動増幅開始時において、MOSトランジスタのゲート・ソース間電圧は、最終的に得られるゲート・ソース間電圧よりも大きくされる。このため、MOSトランジスタに基板電位効果が作用してそのしきい値電圧が大きくなった場合でも、MOSトランジスタは、差動増幅開始時に確実に動作させられ、高速で差動増幅を行なう。
【0086】
さらにこの発明によれば、差動増幅手段は、差動増幅を行なうにあたってMOSトランジスタのゲート・ソース間電圧を大きくしてそのMOSトランジスタを動作させるために、MOSトランジスタのソースの電位を、予め定められた電位に最終的に増加させる。そのソースの電位は、電位制御手段により、差動増幅開始時に、予め定められた電位よりも高い電位に所定期間制御される。
【0087】
したがって、差動増幅開始時において、MOSトランジスタのゲート・ソース間電圧は、最終的に得られるゲート・ソース間電圧よりも大きくされる。このため、MOSトランジスタに基板電位効果が作用してそのしきい値電圧が大きくなった場合でも、MOSトランジスタは、差動増幅開始時に、確実に動作させられ、高速で差動増幅を行なう。
【0088】
さらにこの発明によれば、差動増幅手段のMOSトランジスタのソースの電位は、プリチャージ手段によりプリチャージが行なわれる際にプリチャージ電位とされる。電位制御手段は、プリチャージ手段のMOSトランジスタの基板電位を、差動増幅手段のMOSトランジスタのソースの電位の変化に従うように変化させる。プリチャージ手段のMOSトランジスタは、プリチャージを行なう際に動作させられるが、そのMOSトランジスタの基板電位は、電位制御手段により差動増幅手段のMOSトランジスタのソースの電位に従って変化させられるので、プリチャージが行なわれる際に、たとえば、プリチャージ電位に制御される。
【0089】
このため、プリチャージが行なわれる際のプリチャージ手段においては、MOSトランジスタのソース電位と基板電位との差が小さくなるので、プリチャージ手段のMOSトランジスタには基板電位効果が作用しにくくなる。その結果、電源電位が低電位化されてプリチャージ手段のMOSトランジスタのしきい値電圧が低くなった場合においても、プリチャージ手段のMOSトランジスタは、確実に動作し、高速でプリチャージを行なう。
【0090】
【実施例】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0091】
第1参考例
図1は、第1参考例による半導体記憶装置の構成を示す回路図である。
【0092】
図1の半導体記憶装置の基本的な構成は図15の半導体記憶装置と同様であるため、図1において図15と一致する部分には同符号を付し、その説明を省略する。
【0093】
図1の半導体記憶装置においては、電位制御回路C1が設けられる。電位制御回路C1は、電位ノード41およびNMOSトランジスタ17を含む。接地電位GNDよりも低い電位V1をうける電位ノード41と、引抜き線ノードZとの間にNMOSトランジスタ17が接続される。そのNMOSトランジスタ17のゲートには、制御信号SOV1が与えられる。このNMOSトランジスタ17は,NMOSトランジスタ4,5のソース電位を、接地電位GNDよりも低く変化させるためのものである。
【0094】
図1の半導体記憶装置において、このNMOSトランジスタ17が設けられた部分以外の部分の構成は、図15の半導体記憶装置と同様である。なお、制御信号SOV1およびセンス動作活性化信号SONの振幅は、不必要なリーク電流を防止するため、電源電位VCCと電位V1との間での振幅にしてある。
【0095】
次に、図1の半導体記憶装置の動作について説明する。図2は、第1参考例による半導体記憶装置におけるデータの読出動作時の回路内の各部の信号波形図である。
【0096】
まず、時刻aにおいてワード線WLが活性化される。その結果、メモリセル1からビット線BLへの電荷の伝達が生じ、これにより時刻bにおいてビット線対BL,/BL間に電位差が生じる。
【0097】
続いて、時刻cにおいて制御信号SOV1が活性化されてハイレベルになり、これによりNMOSトランジスタ17が活性化される。NMOSトランジスタ17が活性化されることにより引抜き線ノードZと電位ノード41との間が短絡されて、引抜き線ノードZの電位VZが第1の電位V1に向かって減少させられる。これによりNMOSトランジスタ4,5は、それぞれゲート・ソース間電圧が大きくなり活性化される。
【0098】
これらのNMOSトランジスタ4,5のそれぞれが活性化された場合、ビット線BLの電位VBLがビット線/BLの電位V/BLのよりも高いため、NMOSトランジスタ5のオン抵抗は、NMOSトランジスタ4のオン抵抗よりも小さくなり、ビット線/BLの電位V/BLが減少させられる。この際のNMOSトランジスタ4,5のゲート・ソース間電圧は非常に大きいため、ビット線/BLの電位V/PLは高速で減少させられる。
【0099】
その後、時刻dにおいて、センス動作活性化信号SOPが活性化されてローレベルになり、これによって、PMOSトランジスタ6,7がそれぞれ活性化される。引抜き線ノードZの電位VZは、第1の電位V1になった後、一定期間保持される。PMOSトランジスタ6,7が活性化された場合、ビット線/BLの電位V/BLがビット線BLの電位VBLよりも低いため、PMOSトランジスタ6のオン抵抗は、PMOSトランジスタ7のオン抵抗よりも小さくなり、ビット線BLの電位VBLが増加させられる。
【0100】
その後、ビット線対BL,/BL間の電位差が十分に大きくなれば、あえて、引抜き線ノードZの電位を電位V1にして差動増幅動作の高速化を図る必要がないので、制御信号SOV1が不活性化される。そして、時刻eにおいてセンス動作活性化信号SONが活性化されてハイレベルになり、これによってNMOSトランジスタ12が活性化される。NMOSトランジスタ12が活性化されると、引抜き線ノードZと接地ノード11との間が短絡されて、引抜き線ノードZの電位VZが接地電位GNDに制御される。
【0101】
このような動作を行なう第1参考例による半導体記憶装置においては、第1のセンスアンプの差動増幅動作開始後の当初の所定期間だけ引抜き線ノードZの電位VZが接地電位GNDよりも低い電位V1に制御されるため、差動増幅動作開始後の当初においてNMOSトランジスタ4,5のそれぞれのゲート・ソース間電圧が大きくなり、NMOSトランジスタ4,5のそれぞれの動作マージンが大きくなる。
【0102】
その結果、電源電位が低電位化されてプリチャージ電位が低くなった場合およびNMOSトランジスタ4,5が基板効果を受けてしきい値電圧が大きくなった場合でも、NMOSトランジスタ4,5のそれぞれは、元の動作マージンが極めて大きいため、確実に動作し、高速で差動増幅を行なうことが可能である。
【0103】
以上のような半導体記憶装置は半導体基板100上に形成される。図3は、前述のような半導体記憶装置が形成された半導体基板100の全体構成を示す模式的平面図である。
【0104】
半導体記憶装置が形成された半導体基板100のアレイ部分のウェルは、メモリ領域101,101,…と、第1センスアンプ・イコライザ領域102,102,…と、第2センスアンプ領域103,103,…とにより構成される。
【0105】
メモリセル領域101は、メモリセル1が形成され、周辺の回路領域104などの各領域とは分離独立したP型のウェル領域である。第1センスアンプ・イコライザ領域102は、第1センスアンプSA1およびイコライザEQが形成され、メモリセル領域101と同様に他の領域と分離独立したP型のウェル領域である。第2センスアンプ領域103は、第2のセンスアンプSA2が形成され、メモリセル領域101および第1センスアンプ・イコライザ領域102と同様に他の領域とは分離独立したN型のウェル領域である。
【0106】
このような構成により、メモリセル領域101、第1センスアンプ・イコライザ領域102および第2センスアンプ領域103のそれぞれの領域のウェルは、それぞれの領域に隣接する他の領域のウェルと分離独立されるため、各領域のウェル電位の変動が他の領域のウェルに設けられたMOSトランジスタの動作に影響を及ぼさないようになっている。
【0107】
図4は、たとえば、NMOSトランジスタ4,5などのNMOSトランジスタにで構成される第1のセンスアンプの部分のレイアウトの一例を示す模式的平面図である。ゲート電極50,51,52,53は、それぞれ第1の配線層で構成され、これらは、ビット線対BL,/BLに接続される。特に、ゲート電極51は、ビット線/BLにコンタクト86を介して接続され、ゲート電極52は、ビット線BLにコンタクト85を介して継続される。
【0108】
ビット線対BL,/BLは、第2の配線層で構成される。ビット線BLは、コンタクト69,70を介してNMOSトランジスタのドレインとなるN型高濃度層75に接続される。ビット線/BLは、コンタクト71,72を介してNMOSトランジスタのドレインとなるN型高濃度層88に接続される。
【0109】
NMOSトランジスタのソースとなるN型高濃度層76,78は,コンタクト59,60,62,63を介して第3の配線層87に接続される。また、P型ウェルに電位の供給を行なうためのP型高濃度層77もコンタクト61を介して第3の配線層87に接続される。このようなNMOSトランジスタを構成する部分は、N型層84で囲まれる。
【0110】
なお、このようなレイアウトにおいて、N型高濃度層76,78とP型高濃度層77とは接するような構成となっているが、これに限らず、これらは離れて配置してもよい。また、この例は、NMOSトランジスタの構成について規定するものではない。さらに、このようなレイアウトは、一例を示すものであり、そのレイアウトは、図4に示される構成と電気的に同様の構成であれば、その他の配置形式を用いてもよい。
【0111】
図5(A),(B),(C),(D)は、図4の各部の断面図である。図5(A)は、図4のA−A線による断面図、図5(B)は、図4のB−B線による断面図、図5(C)は、図4のC−C線による断面図、図5(D)は、図4のD−D線による断面図である。
【0112】
図5(C)に示されるように、P型基板31には、N型層84が形成され、N型層84内にP型ウェル32が形成される。このため、P型ウェル32とP型基板31との間が、N型層84により電気的に分離される。
【0113】
P型ウェル32の主表面には、図5(A),(B)に示されるように、N型高濃度層33,33,…およびP型高濃度層34,34,…が適宜の間隔で形成される。P型ウェル32、N型高濃度層33およびP型高濃度層34の上には、層間絶縁膜を介して引抜き線ノードZが形成される。この引抜き線ノードZは、N型高濃度層33およびP型高濃度層34に接続される。
【0114】
引抜き線ノードZと、P型ウェル32、N型高濃度層33およびP型高濃度層34との間には、図5(A),(B),(D)に示されるように、ビット線対BL,/BLおよびゲート電極50,51,52,53が形成される。ビット線対BL,/BLは、N型高濃度層34に接続される。
【0115】
また、ゲート電極52に電位が印加された場合には、図5(D)に示されるように、P型ウェル32の主表面にチャネル35が形成される。
【0116】
このような構成により、第1のセンスアンプSA1のNMOSトランジスタ4,5が存在する部分のP型ウェル32の領域は、その周辺に存在する他のウェルと分離独立される。また、第2のセンスアンプSA2については、第1のセンスアンプSA1と極性が異なるだけで、このような第1のセンスアンプSA1と同様に、NMOSトランジスタ6,7が位置する部分のウェルの領域は、その周辺に存在する他のウェルと分離独立される。
【0117】
第2参考例
次に、第2参考例について説明する。図6は、第2参考例による半導体記憶装置の構成を示す回路図である。図6の半導体記憶装置の基本的な構成は図15の半導体記憶装置と同様であるため、図6において図15と一致する部分には同符号を付し、その説明を省略する。
【0118】
図6の半導体記憶装置においては、電位制御回路C2が設けられる。電位制御回路C2は電位ノード42およびPMOSトランジスタ18を含む。電源電位VCCよりも高い電位V2を受ける電位ノード42と、供給線ノードYとの間にPMOSトランジスタ18が接続される。そのPMOSトランジスタ18のゲートには、制御信号SOV2が与えられる。このPMOSトランジスタ18は、PMOSトランジスタ6,7のソース電位を、電源電位VCCよりも高い電位に変化させるためのものである。図6の半導体記憶装置PMOSトランジスタ18が設けられた部分以外の部分の構成は、図15の半導体記憶装置と同様である。
【0119】
この図6の半導体記憶装置は、第1参考例により半導体記憶装置において行なわれる第1センスアンプSA1の増幅動作の高速化の原理を第2のセンスアンプSA2に適用したものである。
【0120】
次に、図6の半導体記憶装置の動作について説明する。第2のセンスアンプSA2は、第1のセンスアンプSA1の動作開始後にその動作が開始させられる。その動作開始の際には、まず、制御信号SOV2が活性化されてローレベルとなり、PMOSトランジスタ18が活性化される。PMOSトランジスタ18が活性化されることにより供給線ノードYと電位ノード42との間が短絡されて、供給線ノードYの電位が第2の電位V2に向かって増加させられる。これによりPMOSトランジスタ6,7は、それぞれゲート・ソース間電圧が大きくなり活性化される。
【0121】
これらのPMOSトランジスタ6,7が活性化された場合、ビット線BLの電位がビット線/BLの電位よりも高いため、PMOSトランジスタ6のオン抵抗が、PMOSトランジスタ7のオン抵抗よりも小さいので、ビット線BLの電位が増加させられる。この際のPMOSトランジスタ6,7のゲート・ソース間電圧は非常に大きいため、ビット線BLの電位は高速で増加させられる。
【0122】
その後、一定期間が経過すると、制御信号SOV2が不活性化されてPMOSトランジスタ18が不活性状態にされる。それに続いて、センス動作活性化信号SOPが活性化されてローレベルになり、PMOSトランジスタ14が活性化される。PMOSトランジスタ14が活性化されると、供給線ノードYと電源ノード13との間が短絡されて供給線ノードYの電位は電源電位VCCに制御される。
【0123】
このような動作を行なう第2参考例による半導体記憶装置においては、第2のセンスアンプSA2の増幅動作開始後の当初の所定期間供給線ノードYの電位が電源電位VCCよりも高い電位V2に制御されるため、増幅動作開始時においてPMOSトランジスタ6,7のそれぞれのゲート・ソース間電圧が大きくなり、PMOSトランジスタ6,7のそれぞれの動作マージンが大きくなる。
【0124】
その結果、電源電位が低電位化されてプリチャージ電位が低くなった場合および基板効果を受けてPMOSトランジスタ6,7のそれぞれのしきい値電圧が大きくなった場合でも、PMOSトランジスタ6,7は、元の動作マージンが大きいため、確実に動作し、高速で差動増幅を行なうことが可能である。
【0125】
第3参考例
次に、第3参考例について説明する。図7は、第3参考例による半導体記憶装置の構成を示す回路図である。図7の半導体記憶装置の基本的な構成は図15の半導体記憶装置と同様であるため、図7において図15と一致する部分には同符号を付し、その説明を省略する。
【0126】
図7の半導体記憶装置においては、イコライザEQを構成するNMOSトランジスタ8,9,10とNMOSトランジスタ15,16とのそれぞれが設けられたウェルと、第1のセンスアンプSA1の引抜き線ノードZとの間が短絡される。NMOSトランジスタ15,16および電位ノードVprにより電位制御回路C3が構成される。それ以外の部分の構成は図15の半導体記憶装置と同様である。
【0127】
次に、図7の半導体記憶装置の動作について説明する。図8は、第3参考例による半導体記憶装置におけるプリチャージ動作のときの回路内の各部の信号波形図である。
【0128】
まず、時刻aにおいてワード線WLが非活性化されてローレベルになる。続いて、時刻bにおいて、センス動作活性化信号SON,SOPがともに不活性化されてセンス動作活性化信号SONがローレベルになり、センス動作活性化信号SOPがハイレベルになる。その結果、時刻bにおいて第1のセンスアンプSA1および第2のセンスアンプSA2による増幅動作が中止される。
【0129】
その後、プリチャージ動作が開始される。プリチャージ動作は、時刻cにおいて、プリチャージ活性化信号BLEQが活性化されることにより開始される。
【0130】
プリチャージ活性化信号BLEQが活性化されてハイレベルになると、NMOSトランジスタ8,9,10,15,16がそれぞれ活性化される。NMOSトランジスタ15,16がそれぞれ活性化されることにより、引抜き線ノードZおよび供給線ノードYは、電位ノードVprからの給電により1/2VCCにプリチャージされる。また、NMOSトランジスタ8,9,10が活性化されると、NMOSトランジスタ8によりビット線対BL,/BL間が短絡され、NMOSトランジスタ9によりビット線BLと電位ノードVprとの間が短絡され、NMOSトランジスタ10によりビット線/BLと電位ノードVprとの間が短絡される。
【0131】
このような状態では、ビット線BLの電位VBLが電位ノードVprの電位(1/2VCC)よりも高いため、ビット線BLの電位は1/2VCCに向けて減少させられる。一方、ビット線/BLの電位V/BLが電位ノードVprの電位よりも低いため、ビット線/BLの電位は、1/2VCCに向けて増加させられる。
【0132】
このように、プリチャージ動作が行なわれる場合、プリチャージ用のNMOSトランジスタ8,9,10,15,16のそれぞれのソースの電位は、プリチャージが進むに従って増加する。その場合、引抜き線ノードZの電位VZが1/2VCCに向かって増加するが、NMOSトランジスタ8,9,10,15,16のそれぞれのウェルは、引抜き線ノードZからの給電によりその引抜き線ノードZの電位VZの増加に従って増加する。
【0133】
このため、それぞれのNMOSトランジスタ8,9,10,15,16におけるソース電位と基板電位との電位差は、プリチャージが進んでも一定の小さい電位差に保持されるので、プリチャージ動作中において、NMOSトランジスタ8,9,10,15,16のそれぞれに作用する基板電位効果が小さく保持される。
【0134】
その結果、電源電位が低電位化された場合でも、NMOSトランジスタ8,9,10,15,16のそれぞれには基板電位効果が大きく作用しないため、これらのNMOSトランジスタは、確実に動作し、高速でプリチャージを行なうことが可能である。
【0135】
なお、この第3参考例においては、プリチャージ用のすべてのNMOSトランジスタのウェルと引抜き線ノードZとを短絡させたが、これに限らず、そのような短絡は一部のNMOSトランジスタに限定してもよい。また、プリチャージ用のNMOSトランジスタが位置するウェルの電位は、引抜き線ノードZの電位と同電位にする必要はなく、それらのトランジスタのウェル電位は、それらのトランジスタが基板効果を受けないような状態の電位であればよい。
【0136】
さらに、この第3参考例においては、図3に示されるように、半導体基板上においてプリチャージ用のNMOSトランジスタが、センスアンプを構成するトランジスタと同じ領域に設けられるが、これに限らず、プリチャージ用のNMOSトランジスタは、センスアンプとは別の領域に設け電気的に分離してもよい。
【0137】
さらにまた、プリチャージ用のMOSトランジスタが位置するウェルの電位は、これらのNNOSトランジスタが基板効果を大きく受けないような電位であれば、たとえば、センスアンプを構成するMOSトランジスタが位置する部分のウェルの電位と同一でもよく、また、その他の電位制御手段によってその電位を制御してよもい。
【0138】
第1実施例
次に、第1実施例について説明する。図9は、第1実施例による半導体記憶装置の構成を示す回路図である。図9の半導体記憶装置においてたとえば、第1のセンスアンプSA1、第2のセンスアンプSA2およびイコライザEQなどの基本的な部分の構成は図11の半導体記憶装置と同様であるため、図9において図15と一致する部分には同符号を付し、その説明を省略する。
【0139】
図9の半導体記憶装置においては、第1のセンスアンプSA1およびイコライザEQが設けられた部分のウェル領域20の電位を制御する第1の電位制御回路C4と、第2のセンスアンプSA2が設けられた部分のウェル領域30の電位を制御する第2の電位制御回路C5とが従来の構成に加えて設けられる。
【0140】
まず、第1の電位制御回路C4について説明する。第1の電位制御回路C4は、NMOSトランジスタ12,21、PMOSトランジスタ22、NAND回路23および遅延回路24を含む。NMOSトランジスタ4,5の引抜き線ノードZと、接地電位GNDを受ける接地ノード11との間にNMOSトランジスタ12が接続される。電位ノード25は、接地電位GNDよりも低い第1の電位VBBを受ける。引抜き線ノードZと電位ノード25との間にNMOSトランジスタ21およびPMOSトランジスタ22が直列に接続される。
【0141】
入力ノード26は、センス動作活性化信号SOを受ける。入力ノード26と、NMOSトランジスタ21およびPMOSトランジスタ22のそれぞれのゲートとの間にNAND回路23が接続される。NAND回路23の一方の入力端子には、入力ノード26からセンス動作活性化信号SOが直接与えられる。一方、NAND回路23の他方の入力端子には、入力ノード26から遅延回路24を介してセンス動作活性化信号SOが与えられる。NAND回路23の出力端子は、NMOSトランジスタ21およびPMOSトランジスタ22のそれぞれのゲートと接続される。また、センス動作活性化信号SOは、入力ノード26からNMOSトランジスタ12のゲートに与えられる。
【0142】
次に、第2の電位制御回路C5の構成について説明する。第2の電位制御回路C5は、NMOSトランジスタ31、PMOSトランジスタ13,32、NOR回路33および遅延回路34を含む。PMOSトランジスタ6,7の引抜き線ノードYと、電源電位VCCを受ける電源ノード13との間にPMOSトランジスタ13が接続される。電位ノード35は、電源電位VCCよりも高い第2の電位VPPを受ける。供給線ノードYと電位ノード35との間にPMOSトランジスタ32およびNMOSトランジスタ31が直列に接続される。
【0143】
入力ノード36は、センス動作活性化信号/SOを受ける。入力ノード36と、PMOSトランジスタ32およびMNOSトランジスタ31のそれぞれのゲートとの間にNOR回路33が接続される。NOR回路33の一方の入力端子には入力ノード36からセンス動作活性化信号/SOが直接与えられる。一方、NOR回路33の他方の入力端子には、入力ノード36から遅延回路34を介してセンス動作活性化信号/SOが与えられる。NOR回路33の出力端子は、PMOSトランジスタ32およびNMOSトランジスタ31のそれぞれのゲートと接続される。また、センス動作活性化信号/SOは、入力ノード36からPMOSトランジスタ14のゲートに与えられる。
【0144】
また、NMOSトランジスタ21およびPMOSトランジスタ22の間のノードは、第1のセンスアンプSA1およびイコライザEQが設けられたウェル領域20のウェルと短絡される。PMOSトランジスタ32およびNMOSトランジスタ31の間のノードは、第2のセンスアンプSA2が設けられたウェル領域30のウェルと短絡される。
【0145】
図9の半導体記憶装置において以上のような部分以外の部分の構成は、図15の半導体記憶装置の構成と同様である。
【0146】
次に、図9の半導体記憶装置の動作について説明する。図10は、第1実施例による半導体記憶装置におけるデータの読出動作時の回路内の各部の信号波形図である。
【0147】
第1のセンスアンプSA1および第2のセンスアンプSA2による増幅動作開始前の期間Aにおいては、ビット線対BL,/BLの電位VBL,V/BL、引抜き線ノードZの電位VZ、供給線ノードYの電位VY、ウェル領域20のウェル電位VWpおよびウェル領域30のウェル電位VWnは、それぞれ1/2VCCにプリチャージされている。
【0148】
このような期間Aに続く、期間Bにおいては、第1のセンスアンプSA1による増幅動作と第2のセンスアンプSA2による増幅動作とが同時に開始される。その増幅動作は、次のように行なわれる。第1の電位制御回路C4では、センス動作活性化信号SOが活性化されてハイレベルになる。これにより、NMOSトランジスタ12が活性化される。それとともにNAND回路23では、信号ノード26からの信号がハイレベルになり、遅延回路24からの信号がローレベルになるので、その出力信号がハイレベルとなり、これによってNMOSトランジスタ21が活性化される。
【0149】
その結果、引抜き線ノードZと接地ノード13との間およびウェル領域20のウェルと接地ノード11との間がそれぞれ短絡され、引抜き線ノードZの電位VZおよびウェル電位VWpがともに接地電位GNDに向かって減少させられる。
【0150】
一方、第2の電位制御回路C5では、センス動作活性化信号/SOが活性化されてローレベルになる。これにより、PMOSトランジスタ14が活性化される。それとともにNOR回路33では、信号ノード36からの信号がローレベルになり、遅延回路34からの信号がハイレベルになるので、その出力信号はローレベルとなり、これによってPMOSトランジスタ32が活性化される。
【0151】
その結果、供給線ノードYと電源ノード13との間およびウェル領域30のウェルと電源ノード13との間がそれぞれ短絡され、供給線ノードYの電位VYおよびウェル電位VWnがともに電源電位VCCに向かって増加させられる。
【0152】
期間Bに続く期間Cにおいては、ビット線BLの電位VBLが電源電位VCCになり、ビット線/BLの電位V/BLが接地電位GNDになる。
【0153】
期間Cに続く期間Dにおいては、その期間の当初に遅延回路24および遅延回路34における遅延期間TDが終了し、遅延回路24からNAND回路23に与えられる信号がハイレベルになり、遅延回路34からNOR回路33に与えられる信号がローレベルになる。
【0154】
このような状態になると、第1の電位制御回路C4では、NAND回路23の出力がローレベルになり、これによってNMOSトランジスタ21が不活性化されるとともにPMOSトランジスタ22が活性化される。その結果、ウェル領域20のウェルと電位ノード25との間が短絡され、ウェル電位VWpが、第1の電位VBBにPMOSトランジスタ22のしきい値電圧Vth(p)を加えた電位[VBB+Vth(p)]にまで減少させられる。
【0155】
一方、第2の電位制御回路C5では、NOR回路33の出力信号がハイレベルになり、これによってPMOSトランジスタ32が不活性化されるとともにNMOSトランジスタ31が活性化される。その結果、ウェル領域30のウェルと電位ノード35との間が短絡され、ウェル電位VWnが、第2の電位VPPからNMOSトランジスタ31のしきい値電圧Vth(n)が減じられた電位[VPP−Vth(n)]にまで増加させられる。
【0156】
このように、期間Dにおいては、ウェル電位VWpが接地電位GNDよりも低い電位VBBに制御され、一方、ウェル電位VWnが電源電位VCCよりも高い電位VPPに制御される。このような電位の制御により、期間Dにおいては、第1のセンスアンプSA1およびイコライザEQを構成する各NMOSトランジスタに対して基板電位効果が作用するとともに、第2のセンスアンプSA2を構成する各PMOSトランジスタに対して基板電位効果が作用することになり、これらのすべてのMOSトランジスタのしきい値が大きくなる。
【0157】
その結果、期間Dにおける各MOSトランジスタのリーク電流が小さくなり、第1のセンスアンプSA1および第2のセンスアンプSA2により所定の電位にまで増幅されたビット線対BL,/BLのそれぞれの電位VBL,V/BLが安定する。
【0158】
期間Dに続く期間Eにおいては、センス動作活性化信号SO,/SOがそれぞれ不活性化されるとともにプリチャージ活性化信号BLEQが活性化されることにより、第1のセンスアンプSA1および第2のセンスアンプSA2による増幅動作が中止され、イコライザEQによるプリチャージ動作が開始される。
【0159】
以上に説明したように、第1実施例の半導体記憶装置においては、第1のセンスアンプSA1および第2のセンスアンプSA2による増幅によってビット線対BL,/BLの電位が所定の電位にされた後、第1のセンスアンプSA1およびイコライザEQと第2のセンスアンプSA2とのそれぞれのウェル電位が制御されることにより、第1のセンスアンプSA1およびイコライザEQと第2のセンスアンプSA2とを構成するMOSトランジスタに対して基板電位効果が作用させられ、これらのMOSトランジスタのリーク電流が抑制される。
【0160】
その結果、電源電位が低電位化され、各MOSトランジスタのしきい値電圧が低くされた場合でも、第1実施例による半導体記憶装置基板電位効果の作用により各MOSトランジスタのリーク電流が抑制されることにより、増幅後のビット線対の電位を安定化することが可能である。
【0161】
このようにトランジスタが位置するウェルの電位を時間の経過に伴い任意の電位に制御することができる。さらに、トランジスタが位置するウェルの電位を前記時間の経過中において、任意の期間に任意の電位または状態に固定することができる。
【0162】
第2実施例
次に、第2実施例について説明する。図11は、第2実施例による半導体記憶装置の構成を示す回路図である。図11の半導体記憶装置が図9のものと異なるのは、ウェル電位VWpおよびVWnの制御系の構成である。
【0163】
そのウェル電位の制御系は、1/2VCC発生回路41、基準電位発生回路42、電位制御回路C6、電位制御回路C7およびイコライザ回路47で構成される。
【0164】
1/2VCC発生回路41は、1/2VCCの電位を発生させる。基準電位発生回路42においては、電源ノード13と接地ノード11との間に抵抗421、PMOSトランジスタ422、NMOSトランジスタ423および抵抗424が直列に接続される。
【0165】
PMOSトランジスタ422およびNMOSトランジスタ423のそれぞれのゲートと、PMOSトランジスタ422およびNMOSトランジスタ423の間のノードとは、それぞれ1/2VCC発生回路41から1/2VCCの電位を受ける。
【0166】
基準電位発生回路42においては、抵抗421およびPMOSトランジスタ422の間のノード425の電位と、NMOSトランジスタ423および抵抗424の間のノード426の電位とがそれぞれ基準電位として出力される。
【0167】
ノード425から出力される基準電位は、1/2VCCよりもPMOSトランジスタ422による上昇分だけ高い電位となる。ノード426から出力される基準電位は、NMOSトランジスタ423による電位下降分だけ1/2VCCよりも低い電位となる。
【0168】
電位制御回路C6は、コンパレータ431、インバータ432、遅延回路433、レベル変換回路440およびPMOSトランジスタ13,434,435を含む。レベル変換回路440は、NAND回路441、NOR回路442およびインバータ443を含む。
【0169】
供給線ノードYと電位ノード35との間にPMOSトランジスタ434および435が直列に接続される。コンパレータ431は、供給線ノードYの電位を正側入力端子に受け、ノード425の電位を負側入力端子に受ける。
【0170】
コンパレータ431の出力信号は、そのままNAND回路441に入力されるとともにインバータ432および遅延回路433を介してNAND回路441に入力される。
【0171】
NAND回路441の出力信号は、PMOSトランジスタ434のゲートに与えられる。NOR回路442には、遅延回路433の出力信号とセンス動作活性化信号/SOとが入力される。NOR回路442の出力信号は、インバータ443を介してPMOSトランジスタ435のゲートに与えられる。
【0172】
電位制御回路C7は、コンパレータ451、インバータ452、遅延回路453、レベル変換回路460およびNMOSトランジスタ12,454,455を含む。レベル変換回路460は、NOR回路461、NAND回路462およびインバータ463を含む。
【0173】
引抜き線ノードZと電位ノード25との間にNMOSトランジスタ454および455が直列に接続される。コンパレータ451は、引抜き線ノードZの電位を正側入力端子に受け、ノード426の電位を負側入力端子に受ける。コンパレータ451の出力信号は、そのままNOR回路461に入力されるとともにインバータ452および遅延回路453を介してNOR回路461に入力される。
【0174】
NOR回路461の出力信号は、NMOSトランジスタ454のゲートに与えられる。NAND回路462には、遅延回路453の出力信号とセンス動作活性化信号SOとが入力される。NAND回路462の出力信号は、インバータ463を介してNMOSトランジスタ455のゲートに与えられる。
【0175】
イコライズ回路47は、NMOSトランジスタ471,472,473,475および476と、PMOSトランジスタ474とを含む。
【0176】
トランジスタ471は、引抜き線ノードZと供給線ノードYとの間に接続される。ウェル領域20のウェルとウェル領域30のウェルとの間にトランジスタ472,473および474が直列に接続される。
【0177】
トランジスタ472および473の間のノードと引抜き線ノードZとの間にトランジスタ475が接続される。トランジスタ473および474の間のノードと供給線ノードYとの間にトランジスタ476が接続される。
【0178】
トランジスタ471,473,475および476のそれぞれのゲートは、プリチャージ活性化信号BLEQを受ける。また、トランジスタ472のゲートは、トランジスタ472および473の間のノードに接続される。すなわち、トランジスタ472はダイオード接続される。トランジスタ474のゲートは、トランジスタ473および474の間のノードに接続される。すなわち、トランジスタ474はダイオード接続される。
【0179】
次に、図11の半導体記憶装置の動作について説明する。図12は、第2実施例による半導体記憶装置におけるデータの読出し動作時の回路内の各部の信号波形図である。図12は、図10に対応するものである。
【0180】
図12の信号波形図が図10のものと異なるのは次の点である。
プリチャージ活性化信号BLEQがハイレベルになると、NMOSトランジスタ471,473,475および476がそれぞれオンする。これにより、引抜き線ノードZと供給線ノードYとがイコライズされ、引抜き線ノードZおよび供給線ノードYのそれぞれの電位が1/2VCCになる。それとともに、ウェル領域20のウェルとウェル領域30のウェルとがイコライズされる。
【0181】
この場合、トランジスタ475および476がともにオンしているため、トランジスタ472および473の間のノードと、トランジスタ473および474の間のノードとがそれぞれ1/2VCCになる。
【0182】
したがって、ウェル電位VWpは、1/2VCC−Vth(p)となる。ただし、Vth(p)はトランジスタ472のしきい値電圧である。一方、ウェル電位VWnは、1/2VCC+Vth(n)となる。ただし、Vth(n)は、トランジスタ474のしきい値電圧である。
【0183】
このように、第2実施例による半導体記憶装置では、プリチャージ状態でのウェル電位VWpおよびVWnがそれぞれ1/2VCCからずれた値になる。これにより、次のような効果が得られる。
【0184】
プリチャージがなされた状態においてウェル電位VWpおよびVWnをそれぞれ1/2VCCに設定した場合には、次のような不都合が生じるおそれがある。
【0185】
第1および第2のセンスアンプSA1およびSA2によるセンス動作の開始前に、ビット線対BL,/BLにデータの読出しによる電位の初期振幅が生じた場合において、第1および第2のセンスアンプSA1およびSA2を構成するトランジスタのソースまたはドレインが、ウェル電位VWpおよびVWnに対して順方向に弱くバイアスされる。
【0186】
このようなバイアスがなされると、初期振幅が生じたビット線が接続されたドレインとその下のウェルとの間に弱い電流が流れる。そのためにそのビット線の電位がわずかに変化する。これによって、ビット線対BL,/BLに現れた初期振幅がわずかに減少するという不都合が生じる。
【0187】
これに対して、第2実施例による半導体記憶装置では、ウェル電位VWpおよびVWnのそれぞれが1/2VCCからずれた電位に制御される。このために、前記順方向の弱いバイアスが抑制されるので、前述のようなビット線対の初期振幅のわずかな変化が防がれるという効果が得られる。
【0188】
また、図12において、図10と異なるその他の点は、センス動作時のウェル電位VWpおよびVWnを制御する動作の違いである。この第2実施例においては、第1実施例と同様に、ビット線対BL,/BLの電位がそれぞれ電源電位VCCまたは接地電位GNDになった後、第1実施例の場合と同じ目的で、ウェル電位VWpおよびVWnがそれぞれ電源電位VCCよりも高い電位または接地電位GNDよりも低い電位に制御される。
【0189】
次に、制御回路C6およびC7の動作を説明する。ここでは、代表例として、制御回路C7の動作を説明する。
【0190】
図12を参照して、センス動作活性化信号SOが活性化されてローレベルになる。これにより、PMOSトランジスタ12がオンし、引抜き線ノードZの電位VZが接地電位GNDに向かって減少させられる。これにより、PMOSトランジスタ12がオンし、引抜き線ノードZの電位が接地電位GNDに向かって減少させられる。
【0191】
引抜き線ノードZの電位が減少すると、コンパレータ451の出力信号X1がローレベルになる。それに応答して、NOR回路461の出力信号Y1がハイレベルになる。それに応答してNMOSトランジスタ454がオンする。これにより、ウェル電位VWpが接地電位GNDに向かって減少させられる。
【0192】
その後、遅延回路453の出力信号がハイレベルになる。それに応答して、NOR回路461の出力信号Y1がローレベルになるとともにインバータ463の出力信号Z1がハイレベルになる。
【0193】
これにより、NMOSトランジスタ454がオフするとともにNMOSトランジスタ455がオンする。このため、ウェル電位VWpが接地電位GNDよりもさらに低い電位に制御される。
【0194】
その後、センス動作活性化信号SOがローレベルになってセンス動作が終了すると、プリチャージ活性化信号BLEQが活性化されてハイレベルになる。
【0195】
これにより、イコライズ回路47が動作し、引抜き線ノードZの電位VZおよび供給線ノードYの電位VYが1/2VCCに制御されるとともに、ウェル電位VWpおよびVWnが前述のように1/2VCCからずれた電位に制御される。
【0196】
第3実施例
図13は、第3実施例による半導体記憶装置の構成を示す回路図である。図13において図19と一致する部分には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0197】
図13の半導体記憶装置が図9のものと異なるのは、ウェル領域20のウェルと接地ノード11との間にNMOSトランジスタ201および202が直列に接続されたこと、および電源ノード13とウェル領域30のウェルとの間にPMOSトランジスタ203および204が直列に接続されたことである。
【0198】
NMOSトランジスタ202およびPMOSトランジスタ204の各々は、ダイオード接続されている。NMOSトランジスタ201およびPMOSトランジスタ205は、それぞれ制御信号φおよび/φを受ける。
【0199】
次に、図13の半導体記憶装置の動作について説明する。図14は、図13の半導体記憶装置におけるデータの読出し動作時の回路内の各部の信号波形図である。図14は、図10に対応するものである。図14の信号波形図が図10のものと異なるのは次の点である。
【0200】
ウェル電位VWnおよびVWpがそれぞれ1/2VCCに制御された後、所定のタイミングで制御信号φがハイレベルになるとともに制御信号/φがローレベルになる。
【0201】
これにより、NMOSトランジスタ201およびPMOSトランジスタ203がともにオンする。このため、ウェル電位VWpは、接地電位GNDおよびNMOSトランジスタ202により規定される電位1/2VCC−αまで減少される。
【0202】
一方、ウェル電位VWnは、電源電位VCCおよびPMOSトランジスタ204により規定される電位1/2VCC+βまで増加させられる。
【0203】
したがって、第1および第2のセンスアンプSA1およびSA2によるセンス動作が開始されるまで、ウェル電位VWpは1/2VCCよりも低く制御され、ウェル電位VWnは1/2VCCよりも高く制御される。
【0204】
その結果、第3実施例による半導体記憶装置においては、第2実施例による半導体記憶装置と同様の効果が得られる。それに加えて、第3実施例による半導体記憶装置においては、イコライザEQによるプリチャージ動作が第2実施例による半導体記憶装置よりも高速で行なえるという効果が得られる。
【0205】
その理由は、次のとおりである。第2実施例においては、センス動作終了後にウェル電位VWpおよびVWnが1/2VCCからずれた電位に制御されるため、イコライザEQを構成する各トランジスタに基板電位効果が作用する。
【0206】
これにより、各トランジスタのしきい値電圧が高くなってプリチャージ動作が遅くなる。
【0207】
これに対し、第3実施例においては、センス動作終了後にウェル電位VWpおよびVWnが一旦1/2VCCに制御されるため、ウェル電位が1/2VCCに制御されている期間に前述のような基板電位効果が作用せず、高速でプリチャージ動作を行なうことができる。以上がプリチャージ動作が高速で行なえる理由である。
【0208】
【発明の効果】
この発明によれば、第1の差動増幅手段においては、差動増幅によりビット線の電位が安定した後にMOSトランジスタの基板の電位がソースの電位よりも低くされ、また、第2の差動増幅手段においては、差動増幅によりビット線の電位が安定した後にMOSトランジスタの基板の電位がソースの電位よりも高く制御される。このため、第1の差動増幅手段のMOSトランジスタおよび第2の差動増幅手段のMOSトランジスタに基板電位効果が作用し、それぞれのしきい値電圧が高くなってリーク電流が減少する。この結果、電源電位が低電位化された場合でも、差動増幅が完了した後のビット線の電位が安定化され、装置は安定した動作を行なうことができる。
【0209】
さらにこの発明によれば、上述の発明の効果に加えて、次の効果が得られる。
【0210】
第1および第2の差動増幅手段のそれぞれの差動増幅開始前において、第1の差動増幅手段では、MOSトランジスタの基板電位がプリチャージ電位よりも低い電位に制御され、第2の差動増幅手段では、MOSトランジスタの基板電位がプリチャージ電位よりも高い電位に制御される。
【0211】
このため、ビット線に電位差の初期振幅が生じた場合に、ビット線に接続されたドレインと基板との間に順方向のバイアスが生じることを抑制できる。したがって、初期振幅が生じた場合に、ビット線に接続されたドレインと、基板との間に電流が流れないようにすることができる。その結果、ビット線の電位差の初期振幅の変動が抑制できる。
【0212】
さらにこの発明によれば、上述の発明の効果に加えて、次の効果が得られる。
【0213】
プリチャージ手段においては、第1の差動増幅手段による差動増幅の開始前においてMOSトランジスタの基板電位がプリチャージ電位よりも低い電位に制御されるため、ビット線対に電位差の初期振幅が生じた場合にビット線と接続されたドレインまたはソースと基板との間に順方向のバイアスが生じることが抑制できる。したがって、初期振幅が生じたビット線の電位の変動を防ぐことができる。
【0214】
さらに、プリチャージ手段のMOSトランジスタの基板電位は、プリチャージ電位よりも低い電位に制御される前に一旦プリチャージ電位に制御される。このため、そのプリチャージ電位に制御されている期間においては、MOSトランジスタの基板電位効果が抑制され、プリチャージを高速で行なうことができる。
【0215】
さらにこの発明によれば、MOSトランジスタのソースの電位を減少させることにより差動増幅を行なう差動増幅手段は、差動増幅開始時においてMOSトランジスタのソースの電位が、予め定められた電位よりも低い電位に所定期間制御されるため、差動増幅開始時のMOSトランジスタの動作マージンが向上する。このため、基板電位効果が作用しても確実に動作し、高速で差動増幅を行なうので電源電位が低電位化された場合でも高速で安定した動作を行なうことができる。
【0216】
さらにこの発明によれば、MOSトランジスタのソースの電位を増加させることにより差動増幅を行なう差動増幅手段は、差動増幅開始時においてMOSトランジスタのソースの電位が、予め定められた電位よりも高い電位に所定期間制御されるため、差動増幅開始時のMOSトランジスタの動作マージンが向上する。このため、基板電位効果が作用しても確実に動作し、高速で差動増幅を行なうので電源電位が低電位化された場合でも高速で安定した動作を行なうことができる。
【0217】
さらにこの発明によれば、MOSトランジスタの動作によりプリチャージを行なうプリチャージ手段は、プリチャージの際に、そのMOSトランジスタの基板の電位が差動増幅手段のMOSトランジスタのソースの電位に従って変化させられるため、プリチャージ手段のMOSトランジスタにおいては、ソースの電位と基板電位との差が小さくなり、基板電位効果が作用しにくくなる。このため、電源電位が低電位化された場合においても、プリチャージ手段のMOSトランジスタは確実に動作し、高速でプリチャージを行なうので、電源電位が低電位化された場合でも高速で安定した動作を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1参考例による半導体記憶装置の構成を示す回路図である。
【図2】 第1参考例による半導体記憶装置におけるデータの読出動作時の回路内の各部の信号波形図である。
【図3】半導体記憶装置が形成された半導体基板の全体構成を示す模式的平面図である。
【図4】第1のセンスアンプの部分のレイアウトの一例を示す模式的平面図である。
【図5】図4の各部の断面図である。
【図6】 第2参考例による半導体記憶装置の構成を示す回路図である。
【図7】 第3参考例による半導体記憶装置の構成を示す回路図である。
【図8】 第3参考例による半導体記憶装置におけるプリチャージ動作時の回路内の各部の信号波形図である。
【図9】 第1実施例による半導体記憶装置の構成を示す回路図である。
【図10】 第1実施例による半導体記憶装置におけるデータの読出動作時の回路内の各部の信号波形図である。
【図11】 第2実施例による半導体記憶装置の構成を示す回路図である。
【図12】 第2実施例による半導体記憶装置におけるデータの読出動作時の回路内の各部の信号波形図である。
【図13】 第3実施例による半導体記憶装置の構成を示す回路図である。
【図14】図13の半導体記憶装置におけるデータの読出し動作時の回路内の各部の信号波形図である。
【図15】従来の半導体記憶装置の構成を示す回路図である。
【図16】従来の半導体記憶装置による読出動作時の回路内の各部の信号の波形図である。
【図17】トランジスタにおける基板電位としきい値電圧との関係を示すグラフである。
【図18】トランジスタのゲート・ソース間電圧と電流との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 メモリセル
4,5,8,9,10,12,15,16,17,21,31 NMOSトランジスタ
6,7,14,18,22,32 PMOSトランジスタ
23 NAND回路
24,34 遅延回路
33 NOR回路
47 イコライズ回路
100 半導体基板
BL,/BL ビット線
Y 供給線ノード
Z 引抜き線ノード
SA1,SA2 センスアンプ
EQ イコライザ
C1〜C7 電位制御回路
Claims (9)
- 半導体基板上に形成される半導体記憶装置であって、
データを表わす電荷を蓄積するメモリセルと、
前記メモリセルに接続され、前記電荷によってその間に電位差が発生されるビット線対と、
前記ビット線対の間に直列に接続された第1導電型の1対のMOSトランジスタを含み、前記1対のMOSトランジスタの所定のプリチャージ電位にプリチャージされているソースの電位を減少させることにより前記ビット線対間の電位差を差動増幅し、かつ前記ビット線対のうち電位が低い方のビット線の電位を第1の電位にまで減少させる第1の差動増幅手段と、
前記ビット線対の間に直列に接続された前記第1導電型とは異なる第2導電型の1対のMOSトランジスタを含み、前記1対のMOSトランジスタの前記所定のプリチャージ電位にプリチャージされているソースの電位を増加させることにより前記ビット線対間の電位差を差動増幅し、かつ前記ビット線対のうち電位が高い方のビット線の電位を第2の電位にまで増加させる第2の差動増幅手段と、
前記第1の差動増幅手段により前記ビット線対のうち電位が低い方のビット線の電位が前記第1の電位にされかつ前記第2の差動増幅手段により前記ビット線対のうち電位が高い方のビット線の電位が前記第2の電位にされた後に、前記第1の差動増幅手段の前記1対のMOSトランジスタの基板電位を前記第1の電位よりも低い第3の電位に制御する第1の電位制御手段と、
前記第1の差動増幅手段により前記ビット線対のうち電位が低い方のビット線の電位が前記第1の電位にされかつ前記第2の差動増幅手段により前記ビット線対のうち電位が高い方のビット線の電位が前記第2の電位にされた後に、前記第2の差動増幅手段の前記1対のMOSトランジスタの基板電位を前記第2の電位よりも高い第4の電位に制御する第2の電位制御手段とを含む、半導体記憶装置。 - 前記ビット線対に前記電荷による電位差が発生される前に、前記ビット線対を前記所定のプリチャージ電位にプリチャージするためのプリチャージ手段と、
前記第1の差動増幅手段による差動増幅が開始される前に、前記第1の差動増幅手段の前記MOSトランジスタの基板電位を前記プリチャージ電位と前記第1の電位との間の第5の電位に制御するための第3の電位制御手段と、
前記第2の差動増幅手段による差動増幅が開始される前に、前記第2の差動増幅手段の前記MOSトランジスタの基板電位を前記プリチャージ電位と前記第2の電位との間の第6の電位に制御するための第4の電位制御手段とをさらに含む、請求項1に記載の半導体記憶装置。 - 前記ビット線対に前記電荷による電位差が発生される前に、前記ビット線対を前記所定のプリチャージ電位にプリチャージするためのプリチャージ手段と、
前記第1の差動増幅手段による差動増幅が開始される前に、前記第1の差動増幅手段の前記MOSトランジスタの基板電位を一旦前記プリチャージ電位に制御した後に前記プリチャージ電位と前記第1の電位との間の第7の電位に制御するための第5の電位制御手段と、
前記第2の差動増幅手段による差動増幅が開始される前に、前記第2の差動増幅手段の前記MOSトランジスタの基板電位を一旦前記プリチャージ電位に制御した後に前記プリチャージ電位と前記第2の電位との間の第8の電位に制御するための第6の電位制御手段とをさらに含む、請求項1に記載の半導体記憶装置。 - 前記第1の電位制御手段は
前記第3の電位を受けるための第1のノードと、
第1の制御信号を受けるための第2のノードと、
前記第1の制御信号を遅延させた第2の制御信号を発生させるための第1の遅延手段と、
前記第1の制御手段および前記第2の制御信号を受けて第1の出力信号を発生させるためのNAND回路と、
前記第1の出力信号を受けるゲートを有し、かつ前記第1の出力信号に応答して前記第3の電位を、前記第1の差動増幅手段の前記1対のMOSトランジスタが設けられた前記半導体基板の領域に与える第1のトランジスタとを含む、請求項1に記載の半導体記憶装置。 - 前記第2の電位制御手段は
前記第4の電位を受けるための第3のノードと、
第3の制御信号を受けるための第4のノードと、
前記第3の制御信号を遅延させた第4の制御信号を発生させるための第2の遅延手段と、
前記第3の制御信号および前記第4の制御信号を受け、かつ第2の出力信号を発生させるためのNOR回路と、
前記第2の出力信号を受けるゲートを有し、かつ前記第2の出力信号に応答して前記第4の電位を、前記第2の差動増幅手段の前記1対のMOSトランジスタが設けられた前記半導体基板の領域に与える第2のトランジスタとを含む、請求項1に記載の半導体記憶装置。 - 前記半導体基板上に形成され、かつ他の領域から電気的に分離される第1のウェル領域と、
前記半導体基板上に形成され、かつ他の領域から電気的に分離される第2のウェル領域とをさらに含み、
前記第1の差動増幅手段の前記1対のMOSトランジスタは前記第1のウェル領域に形成され、かつ前記第2の差動増幅手段の前記1対のMOSトランジスタは前記第2のウェル領域に形成される、請求項1に記載の半導体記憶装置。 - 半導体記憶装置の動作方法であって、前記半導体記憶装置は、メモリセルに接続されかつ前記メモリセルから伝達された電荷によってその間に電位差が発生されるビット線対と、前記ビット線対の間に直列に接続された第1導電型の1対のMOSトランジスタを有し、前記1対のMOSトランジスタの所定のプリチャージ電位にプリチャージされているソースの電位を減少させることにより前記ビット線対間の電位差を差動増幅し、かつ前記ビット線対のうち電位が低い方のビット線の電位を第1の電位にまで減少させる第1の差動増幅手段と、前記ビット線対の間に直列に接続された前記第1導電型とは異なる第2導電型の1対のMOSトランジスタを有し、前記1対のMOSトランジスタの前記所定のプリチャージ電位にプリチャージされているソースの電位を増加させることにより前記ビット線対間の電位差を差動増幅し、かつ前記ビット線対のうち電位が高い方のビット線の電位を第2の電位にまで増加させる第2の差動増幅手段とを含み、前記方法は
前記第1の差動増幅手段により前記ビット線対のうち電位が低い方のビット線の電位が前記第1の電位にされかつ前記第2の差動増幅手段により前記ビット線対のうち電位が高い方のビット線の電位が前記第2の電位にされた後に、前記第1の差動増幅手段の前記1対のMOSトランジスタの基板電位を前記第1の電位よりも低い第3の電位に制御するステップと、
前記第1の差動増幅手段により前記ビット線対のうち電位が低い方のビット線の電位が前記第1の電位にされかつ前記第2の差動増幅手段により前記ビット線対のうち電位が高い方のビット線の電位が前記第2の電位にされた後に、前記第2の差動増幅手段の前記1対のMOSトランジスタの基板電位を前記第2の電位よりも高い第4の電位に制御するステップとを含む、方法。 - データを表わす電荷を蓄積するメモリセルと、
前記メモリセルに接続され、前記電荷によって電位差が発生されるビット線対と、
前記ビット線対の間に直列に接続された1対のNMOSトランジスタを含み、前記ビット線対間の電位差を差動増幅する第1の差動増幅手段と、
前記ビット線対の間に直列に接続された1対のPMOSトランジスタを含み、前記ビット線対間の電位差を差動増幅する第2の差動増幅手段と、
前記NMOSトランジスタが形成されるウェルの電位を、前記第1の差動増幅手段による差動増幅が開始される前に所定の第1の電位にプリチャージし、かつ前記第1の差動増幅手段による差動増幅の完了後に、接地電位よりも低い所定の第2の電位にする第1の電位制御手段と、
前記PMOSトランジスタが形成されるウェルの電位を、前記第2の差動増幅手段による差動増幅が開始される前に所定の第3の電位にプリチャージし、かつ前記第2の差動増幅手段による差動増幅の完了後に、電源電位よりも高い所定の第4の電位にする第2の電位制御手段とをさらに含み、
前記所定の第1の電位は、前記第1の差動増幅手段による差動増幅が開始される前の前記ビット線対のプリチャージされた電位と、前記所定の第2の電位との間の電位であり、
前記所定の第3の電位は、前記第2の差動増幅手段による差動増幅が開始される前の前記ビット線対のプリチャージされた電位と、前記所定の第4の電位との間の電位である、半導体記憶装置。 - データを保持するために第1および第2のノードの間に直列に接続された第1および第2のNMOSトランジスタを含むフリップフロップを含み、前記第1および第2のNMOSトランジスタのゲートはそれぞれ第2および第1のノードに接続された第1のセンスアンプと、
データを保持するために第1および第2のノードの間に直列に接続された第1および第2のPMOSトランジスタを含むフリップフロップを含み、前記第1および第2のPMOSトランジスタのゲートはそれぞれ第2および第1のノードに接続された第2のセンスアンプとを備え、
前記第1および第2のノードはプリチャージ電位にプリチャージされ、
前記第1および第2のNMOSトランジスタの基板電位を制御して、前記第1のセンスアンプの増幅完了後に基板電位を第1の電位から、接地電位よりも低い第2の電位に変化させる第1の電位コントローラをさらに備え、前記第1の電位はプリチャージ電位と第2の電位との間の電位であり、
前記第1および第2のPMOSトランジスタの基板電位を制御して、前記第2のセンスアンプの増幅完了後に基板電位を第3の電位から、電源電位よりも高い第4の電位に変化させる第2の電位コントローラをさらに備え、前記第3の電位はプリチャージ電位と第4の電位との間の電位である、半導体記憶装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02557694A JP4046364B2 (ja) | 1993-02-25 | 1994-02-23 | 半導体記憶装置およびその動作方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3631193 | 1993-02-25 | ||
JP5-36311 | 1993-02-25 | ||
JP02557694A JP4046364B2 (ja) | 1993-02-25 | 1994-02-23 | 半導体記憶装置およびその動作方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06309872A JPH06309872A (ja) | 1994-11-04 |
JP4046364B2 true JP4046364B2 (ja) | 2008-02-13 |
Family
ID=26363211
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02557694A Expired - Fee Related JP4046364B2 (ja) | 1993-02-25 | 1994-02-23 | 半導体記憶装置およびその動作方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4046364B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6535415B2 (en) | 1999-02-22 | 2003-03-18 | Hitachi, Ltd. | Semiconductor device |
KR100902127B1 (ko) * | 2006-02-22 | 2009-06-09 | 주식회사 하이닉스반도체 | 반도체 메모리 장치의 센스 증폭 회로 및 그의 구동 방법 |
JP5068615B2 (ja) * | 2007-09-21 | 2012-11-07 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 半導体装置 |
KR101655388B1 (ko) | 2010-02-23 | 2016-09-08 | 삼성전자주식회사 | 비트라인 센스 앰프 및 이를 포함하는 메모리 코어 |
KR20210015283A (ko) * | 2019-08-01 | 2021-02-10 | 에스케이하이닉스 주식회사 | 페이지 버퍼를 구비하는 반도체 메모리 장치 |
-
1994
- 1994-02-23 JP JP02557694A patent/JP4046364B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06309872A (ja) | 1994-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5412605A (en) | Semiconductor memory device | |
US5701268A (en) | Sense amplifier for integrated circuit memory devices having boosted sense and current drive capability and methods of operating same | |
US10777258B1 (en) | Semiconductor device | |
US9135964B2 (en) | Differential sense amplifier without switch transistors | |
US9111593B2 (en) | Differential sense amplifier without dedicated precharge transistors | |
US8953399B2 (en) | Differential sense amplifier without dedicated pass-gate transistors | |
JP4531150B2 (ja) | 半導体記憶装置 | |
KR101026658B1 (ko) | 단일-종단 감지 증폭기를 갖는 반도체 디바이스 | |
KR100272903B1 (ko) | 반도체 기억 장치 | |
JP3532721B2 (ja) | 定電圧発生回路 | |
KR100571650B1 (ko) | 저전압용 반도체 메모리 장치 | |
JP4046364B2 (ja) | 半導体記憶装置およびその動作方法 | |
JPH0935476A (ja) | 可変プレート電圧発生回路を具備する半導体メモリ装置 | |
KR100253305B1 (ko) | 긴 리프레쉬간격을 갖는 메모리셀 제어방법 | |
JP4334646B2 (ja) | 半導体記憶装置の制御方法 | |
JP3824370B2 (ja) | 半導体装置 | |
US11763878B2 (en) | Semiconductor device including sense amplifier having enhanced sensing margin and method of controlling the same | |
KR100191466B1 (ko) | 디램 장치의 감지 증폭기 회로 | |
JP2623257B2 (ja) | ダイナミック型半導体記憶装置 | |
JPH10178161A (ja) | 半導体メモリ | |
JPH08235863A (ja) | センスアンプ回路 | |
KR20050000719A (ko) | 향상된 기준 전압 발생 스킴을 갖는 반도체 메모리 장치 | |
KR20030023579A (ko) | 반도체 메모리용 평가기 | |
KR20030000724A (ko) | 반도체 기억 장치 | |
KR19980028915A (ko) | 반도체 메모리 장치의 프리차아지회로 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040608 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040702 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20040812 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20041008 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071018 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071120 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130 Year of fee payment: 4 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131130 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |