JP4046073B2 - トルクロッド - Google Patents
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Description
このトルクロッドはまたエンジン側とボデー側との間で振動絶縁する働きも有している。
図において200,202はそれぞれ剛性の内筒204,206、外筒208,210及びそれらの間に介設されたゴム弾性体212,214を有する第1ブッシュ,第2ブッシュで、連結ロッド(連結部)216にて連結されている。
またゴム弾性体212,214の弾性に基づいてエンジン側とボデー側とで振動絶縁する。
しかるに本発明では、一対の板体を埋ゴムにて互いに接着固定しているため、そのような溶接工程を必要とせず、所要コストを安価に抑えることができる。
詳しくは、第1ブッシュ及び第2ブッシュの何れか一方又は両方に対して内筒を通じこじり力が入力したとき、埋ゴムの弾性変形を伴って一対の板体が上記板面方向に相対的に位置をずらせることによって、内筒からのこじりの入力を外筒に対し、軸方向全体に亘って均等に分散させることができる。
これにより外筒の軸方向の端部に対し大きな力が作用し、同部分が変形を起してしまう問題を解決することができる。
従って、連結部における剛性の板状部とブッシュの外筒とを別々に製造して、それらを互いに接合一体化する工程を省略でき、トルクロッドの加工工数を更に低減してコストをより一段と低減することが可能となる。
このようにすれば、連結部の一部を成す埋ゴムとブッシュにおけるゴム弾性体とを、1回のゴム材の注入及び加硫成形により同時に形成でき、製造時の工程数を更に削減して一段のコスト低減を果たすことができる。
図1において、10は車両のサスペンションメンバ(ボデー)で、12はこのサスペンションメンバ10上に左側のエンジンマウント14,右側のエンジンマウント16を介して弾性支持されたエンジンである。
但しエンジンマウント14,16は、エンジン12とトランスミッション18とを組み付けて成るパワーユニット20全体の重量を支持している。
このトルクロッド22は、第1ブッシュ26側がエンジン12に弾性的に結合され、また第2ブッシュ28がサスペンションメンバ10のセンタフレーム24に弾性的に結合されている。
先ず図3及び図4において、小ブッシュから成る第1ブッシュ26は金属製の剛性の外筒32と内筒34、及びそれらの間の円筒状のゴム弾性体36を有しており、それらが加硫接着により一体に固着されている。
尚この第1ブッシュ26には、その外周側に鍔状部38が半円形状に形成されている。
但しこの第2ブッシュ28側においては、ゴム弾性体44は内筒42からV字状に拡開した形態の一対の弾性脚46を有する形態をなしている。
そしてこの中間板48の前,後位置、具体的には図中左,右位置にすぐり部50,52が設けられている。
尚この中間板48の内部には、部分的に空所部62が設けられている。この空所部62は次の意味を持つ。
そこで空所部62を設けておくことで、加硫後の収縮時に中間板48の内側のゴムの変形を許容して、接着界面等に引張り力が働くのを抑制ないし防止するようにしている。
尚この大ブッシュ28側においても、外筒40の外周側に鍔状部70が半円形状に形成されている。
ここで一対の板状部72と埋ゴム74とは、加硫接着により一体に固着されている。
即ち第1ブッシュ26における外筒32及び鍔状部38の外面が被覆ゴム76にて被覆され、また第2ブッシュ28における外筒40及び鍔状部70の外面がそれぞれ被覆ゴム76にて被覆されている。
この板状部72の開口78の内面もまた被覆ゴム76にて被覆されている。
即ち第1ブッシュ26における外筒32と鍔状部38,第2ブッシュ28における外筒40と鍔状部70、更に連結部30における一対の板状部72が、それら一対の金属板80-1,80-2にて構成されている。
尚、第1ブッシュ26,第2ブッシュ28における各鍔状部38,70もまた各半部から成っており、それらが金属板80-1,80-2にて一体に構成されている。
即ち金属板80-1,80-2は何れも同一の部材から成るもので、互いに上下逆向きにして配置されている。
そして金属板80-1及び80-2における板状部72と72との間に形成された隙間Sにゴムが充填され、埋ゴム74が形成されている。
これら孔部84,86は、ゴムの加硫成形の際に加硫金型に設けたピンによって形成されたものである。
上記孔部84,86はその際に加硫金型に設けたピンによって形成されたものである。即ちこのような孔部84,86を形成することで、一対の金属板80-1,80-2を互いに重ね合せ状態に保持した状態でゴムを加硫成形することができる。
本実施形態のトルクロッド22では、アイドリング時にゴム弾性体44が、中間板48と第1ゴムストッパ部66との間及びゴム脚46と第2ゴムストッパ部68との間のストッパクリアランス内で弾性変形して、エンジン側とボデー側とを振動絶縁する。
詳しくは、図9(A)に示しているように例えば第1ブッシュ26に対して内筒34を通じこじり力が入力したとき、埋ゴム74の弾性変形を伴って一対の金属板80-1及び80-2が板面方向に相対的に位置をずらせることができ、そしてこれによって第1ブッシュ26における内筒34が、その外筒32に対し軸方向の端部に片当りするのを防止でき、内筒34からのこじりの入力を外筒32に対し軸方向全体に亘って均等に分散させることができる。
これにより外筒32の軸方向の端部に対し大きな力が作用して、同部分が変形を起してしまうといったことを防止することができる。
この場合、連結部30における剛性の板状部72と、ブッシュ26,28の外筒32,40とを別々に製造してそれらを互いに接合一体化する工程を省略でき、トルクロッド22の製造時の加工工数を更に低減してコストをより一段と低減することが可能となる。
26 第1ブッシュ
28 第2ブッシュ
30 連結部
32,40 外筒
32-1,32-2,40-1,40-2 半部
34,42 内筒
36,44 ゴム弾性体
74 埋ゴム
80-1,80-2 金属板
82 リブ(突起)
S 隙間
Claims (3)
- 剛性の外筒,内筒とそれらの間に介設されたゴム弾性体とをそれぞれ備えた両端の第1ブッシュ及び第2ブッシュと、それら第1ブッシュ及び第2ブッシュを連結する剛性の連結部とを有し、車両のエンジン側とボデー側とに連結されてエンジンからのトルクを受け、該エンジンのロール方向の変位を規制するトルクロッドにおいて、
前記連結部を板状に形成して、該連結部を、互いに対称形状をなす一対の剛性の板体をそれらの間に隙間形成する状態で前記第1及び第2ブッシュの軸方向に重ね合せ、該隙間に埋ゴムを充填して加硫接着することにより溶接によらないで一体に固着することにより構成するとともに、
前記一対の板体のそれぞれには、前記第1及び第2ブッシュの前記外筒の軸方向の各半部がそれぞれ形成してあって、それら一対の板体の各半部を合せることで該第1及び第2ブッシュの各外筒の全体が構成されており、
且つ前記埋ゴムは該第1及び第2ブッシュの前記ゴム弾性体と連続した形態でそれらと一体に成形されていることを特徴とするトルクロッド。 - 請求項1において、前記板体のそれぞれには突起が設けられていて、それら突起が互いに突き合されることで各板体の間に前記隙間が形成されて前記埋ゴムが充填されていることを特徴とするトルクロッド。
- 請求項1,2の何れかにおいて、1枚の板材のプレス曲げ加工により前記半部を有する板体が構成されていることを特徴とするトルクロッド。
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