JP4045896B2 - 車高調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体と車輪との間に介装され、車輪に対する車体の上下位置を調整するエアサスペンションを備えた車高調整装置に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
車体の高さを調整する車高調整装置に関する従来技術として、実開昭61−84004号公報がある。これには、ドライヤ中に含まれた水分を充分に除去するために、エアサスペンション内の空気を排出する際に、一旦タンクに空気を貯蔵して、その後、タンクのアウトレット近傍に設けたオリフィスによって、ドライヤを介して空気が低速で排出される車高調整装置が開示されている。
【0003】
この従来技術においては、エアサスペンション内の空気を、一旦タンクに貯蔵してから、改めて排出することによって、排出バルブにおける排出時の空気の流出音に対しても、ある程度の効果があると思われる。しかしながら、上述した従来技術においては、エアサスペンションと排出バルブとの間の管路中にある空気が排出されるときの流出音については、何ら考慮されていなかった。
【0004】
車高調整装置においては、車高を上昇させるべくエアサスペンションに空気が導入された直後、エアサスペンションと排出バルブとの間の管路中の空気圧も高圧になっている場合が多い。例えば、車高を上昇させるべくエアサスペンションに空気が導入された直ぐ後に、車高を下降させる必要が発生し、エアサスペンションから空気を排出させるため、排出バルブを開状態とすると、上述したエアサスペンションと排出バルブとの間の管路中の空気が、かなりの流速をともなって排出され、排出バルブの近傍において流出音となって現れる。
【0005】
一方、上述した公報とは別の従来技術として、特開平6−227234号公報がある。これには、コンプレッサの停止時の負荷によってコンプレッサ自体に振動が発生して、この振動が車両に騒音を発生させることを防ぐため、コンプレッサに停止信号を発信したときに排出バルブを開状態とする車高調製装置が開示されている。この従来技術においても、上述した場合と同様に、停止信号を受信した後、惰性で回転するコンプレッサからの空気圧が、開状態とされた排出バルブから排出されるときの流出音の発生が、依然として課題となっていた。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、上述した従来技術の課題を解消するもので、排出バルブから空気を排出するときの流出音を低減できる車高調整装置を提供することをその目的とする。本発明の目的に対して、第1の発明においては、車体と車輪との間に介装され、空気を給排することによって車輪に対する車体の上下位置を調整するエアサスペンション、前記エアサスペンションに空気を導入するコンプレッサ、前記エアサスペンション中の空気を排出する排出バルブ、前記エアサスペンションと前記排出バルブとの間に設置された車高調製バルブ、前記排出バルブと前記車高調整バルブとの間にあるシステム管路と連通した保持タンク、前記保持タンクと前記システム管路との間に設置されたタンク遮断バルブ、車両の状態を検出する車両状態検出装置、および前記車両状態検出装置によって検出された車両の状態に基づいて、前記コンプレッサ、前記排出バルブ、前記車高調整バルブおよび前記タンク遮断バルブを制御する制御装置を備えた車高調整装置において、前記エアサスペンション中の空気を前記排出バルブを介して排出する場合、前記制御装置は前記タンク遮断バルブを開状態とした後に、前記排出バルブおよび前記車高調整バルブを開状態とすることを特徴とする車高調整装置とした。
【0007】
この第1の発明の構成によれば、エアサスペンション中の空気を排出バルブを介して排出する場合、タンク遮断バルブを開状態とした後に、排出バルブおよび車高調整バルブを開状態とすることにより、排出バルブを開状態とする以前に、システム管路中の空気が、タンクに流入して管路内が低圧となるため、排出バルブから空気を排出するときの流出音を低減することができる。
【0008】
本発明の目的に対して、第2の発明においては、車体と車輪との間に介装され、空気を給排することによって車輪に対する車体の上下位置を調整するエアサスペンション、前記エアサスペンションに空気を導入するコンプレッサ、前記エアサスペンション中の空気を排出する排出バルブ、前記エアサスペンションと前記排出バルブとの間に設置された車高調製バルブ、前記排出バルブと前記車高調整バルブとの間にあるシステム管路と連通した保持タンク、前記保持タンクと前記システム管路との間に設置されたタンク遮断バルブ、車両の状態を検出する車両状態検出装置、および前記車両状態検出装置によって検出された車両の状態に基づいて、前記コンプレッサ、前記排出バルブ、前記車高調整バルブおよび前記タンク遮断バルブを制御する制御装置を備えた車高調整装置において、前記エアサスペンション中の空気を前記排出バルブを介して排出する場合、前記システム管路中の空気圧が前記保持タンク内の空気圧を超えるときは、前記制御装置は前記タンク遮断バルブを開状態とした後に、前記排出バルブおよび前記車高調整バルブを開状態とし、前記システム管路中の空気圧が前記保持タンク内の空気圧以下であるときは、前記制御装置は前記排出バルブを開状態とした以降に、前記タンク遮断バルブおよび前記車高調整バルブを開状態とすることを特徴とする車高調整装置とした。
【0009】
この第2の発明によれば、システム管路中の空気圧が前記保持タンク内の空気圧以下であるときは、排出バルブから空気を排出するときの流出音が小さいため、排出バルブを開状態とした以降に、タンク遮断バルブおよび車高調整バルブを開状態とすることにより、短時間で空気を排出することができる。
【0010】
本発明の目的に対して、第1の詳細な構成においては、前記制御装置は、直前に前記車輪に対する前記車体の位置を下降させていた場合に、前記システム管路中の空気圧が前記保持タンク内の空気圧以下であると推定することを特徴とする第2の発明記載の車高調整装置とした。
【0011】
この第1の詳細な構成によれば、直前に車輪に対する車体の位置を下降させていた場合に、システム管路中の空気圧が前記保持タンク内の空気圧以下であると推定しているため、システム管路等に特別の圧力検出装置を必要としない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明による車高調整装置20のシステム図であり、図において各構成要素を接続する実線はエア管路による接続を、破線は電気的な接続を表す。図1において、右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1Lは、それぞれ車両の後右輪WRおよび後左輪WLと図示しない車体との間に設置され、その内部の空気を給排して車体の位置を所望する高さに調製する。また、車両の図示しないフレームと右サスペンションアーム間およびフレームと左サスペンションアーム間には、右ハイトセンサ2Rおよび左ハイトセンサ2Lが設置されており、それぞれ後右輪WR側および後左輪WL側の車高を検出している。
【0015】
右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1Lの各々のエア室1Raおよび1Laには、それぞれ右サスペンション管路3Rおよび左サスペンション管路3Lが連結され、右サスペンション管路3Rおよび左サスペンション管路3Lは、ともに主管路4に連結されている。主管路4には、電動モータ8aによって駆動されるコンプレッサ8のアウトレットが接続されている。コンプレッサ8のインレットは、空気を吸入できるようにエアフィルタ9を介して大気と連通されている。
【0016】
主管路4上には、コンプレッサ8によって右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1Lに供給される空気を乾燥させるためにドライヤ6が設置されており、更に、ドライヤ6と右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1Lとの間には、右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1Lからの空気の排出時に、空気の流速を低下させて、ドライヤ6が含んでいる水分が除去されやすくするためのオリフィス5bと、コンプレッサ8によって右エアサスペンション1Rあるいは左エアサスペンション1Lに空気を導入させるときに、オリフィス5bをバイパスするための一方向弁5aが互いに並列になるように設置されている。
【0017】
また、主管路4上において、ドライヤ6とコンプレッサ8との間には、吐出された空気がコンプレッサ8に逆流しないように逆止弁7が設置されている。一方向弁5aおよび逆止弁7は、ともにコンプレッサ8から右エアサスペンション1Rあるいは左エアサスペンション1Lへの空気の流れのみを許容している。
【0018】
また、右サスペンション管路3Rおよび左サスペンション管路3Lには、それぞれ2ポート−2ポジションバルブである右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lが設置されている。右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lはいずれも、電磁弁によって構成されている。右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lは、それぞれ右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1Lと主管路4とを連通する開状態と、コンプレッサ8から右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1L方向への所定圧以上の空気の流れのみを許容(コンプレッサ8の通常の作動による空気圧では開弁しない)して、右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1Lからの空気の排出を禁止する閉状態とを選択可能となっている。
【0019】
図1にあるように、主管路4からはタンク管路11が枝分かれしており、タンク管路11の端部には保持タンク12が接続されている。タンク管路11上には、2ポート−2ポジションバルブであるタンク遮断バルブ13が設置されている。タンク遮断バルブ13は電磁弁によって構成されている。タンク遮断バルブ13は、保持タンク12と主管路4とを連通する開状態と、主管路4から保持タンク12方向への所定圧以上の空気の流れのみを許容(コンプレッサ8の通常の作動による空気圧では開弁しない)して、保持タンク12からの空気の排出を禁止する閉状態とを選択可能となっている。
【0020】
更に、主管路4からは排出路14が枝分かれしており、排出路14の端部には排出バルブ15が接続されている。排出バルブ15は電磁弁によって構成されている。排出バルブ15は、主管路4を大気に開放する開状態と、主経路4内の空気圧が所定圧以上であるときに、主経路4からの空気の排出のみを許容(コンプレッサ8の通常の作動による空気圧では開弁しない)して、大気から主管路4への空気の流入を禁止する閉状態とを選択可能となっている。
【0021】
制御装置16は、マイクロプロセッサを含み、右ハイトセンサ2R、左ハイトセンサ2L、スイッチボックス17、インジケータ18、モータドライバ19、右車高調整バルブ10R、左車高調整バルブ10L、タンク遮断バルブ13および排出バルブ15と電気的に接続されている。スイッチボックス17は、車高切換スイッチ、モード切換スイッチ、ドアカーテシスイッチ、ストップランプスイッチ等からのスイッチ信号を制御装置16に送信する。
【0022】
インジケータ18は車両のインスツルメントパネル上にあり、制御装置16からの表示信号に基いて、車高調整装置が作動中であることの表示あるいは故障により車高調整装置が作動停止中であること等の表示を行う。モータドライバ19はリレーあるいはパワートランジスタ等によって構成され、制御装置16からのモータ作動信号に基いて、電動モータ8aを作動または停止させる。制御装置16には、車輪速度センサあるいはエンジン回転数センサが接続され(図示せず)、それぞれからの信号が入力される。右ハイトセンサ2R、左ハイトセンサ2L、スイッチボックス17、車輪速度センサおよびエンジン回転数センサは、本発明の車両状態検出装置に該当する。
【0023】
右ハイトセンサ2Rおよび左ハイトセンサ2Lからの車高信号、スイッチボックス17からの車高切換スイッチ信号、モード切換スイッチ信号、ドアカーテシスイッチ信号、ストップランプスイッチ信号、車輪速度信号およびエンジン回転数信号が入力された制御装置16は、算出した目標車高値に基づいて右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1Lへの空気の給排条件を決定する。
【0024】
制御装置16は、右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1Lへの空気の給排条件にしたがって、右車高調整バルブ10R、左車高調整バルブ10L、タンク遮断バルブ13および排出バルブ15にバルブ切換信号を、モータドライバ19にモータ作動信号を送信して、コンプレッサ8、右車高調整バルブ10R、左車高調整バルブ10L、タンク遮断バルブ13および排出バルブ15を制御する。また、制御装置16はインジケータ18に表示信号を送信して車高調整装置20の作動状態をインジケータ18に表示させる。
【0025】
次に、図1乃至図5を用いて、本発明の車高調整装置の制御方法について説明する。制御装置16が、車高を下降させようと判断した場合、その直前の制御が車高を上昇させる制御であったとき、右サスペンション管路3Rおよび左サスペンション管路3Lの右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lよりも図1において左方の部位、主管路4の逆止弁7の図1において右方の部位、タンク管路11のタンク遮断バルブ13よりも図1において下方の部位および排出路14(以下、総じてシステム管路SCと言う)内の空気圧が保持タンク12内の空気圧よりも高いと推定する。
【0026】
したがって、このときは排出バルブ15における空気の流出音を低減するため、図2にあるように排出バルブ15を開状態とする以前に、タンク遮断バルブ13を開状態とし(t21)、システム管路SCを保持タンク12と連通させ、システム管路SC内の空気の一部を保持タンク12に流入させる。保持タンク12に空気が流入することで、システム管路SC内の空気圧が低下するため、図2にあるように、その後に排出バルブ15を開状態とするが(t22)、排出バルブ15における空気の流出音が低減される。
【0027】
図2に示したように、タンク遮断バルブ13および排出バルブ15を開状態とした後、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lを開状態とする(t23)。これによって、右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1L内の空気を、右サスペンション管路3R、左サスペンション管路3L、主管路4および排出路14上にある右車高調整バルブ10R、左車高調整バルブ10L、オリフィス5b、ドライヤ6および排出バルブ15を介して大気中に排出する。
【0028】
所定時間経過後、タンク遮断バルブ13、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lを閉状態として、システム管路SC内の空気圧を低下させた(t24)後、排出バルブ15を閉状態とする(t25)。尚、上述した実施の形態においては、タンク遮断バルブ13、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lがt24において同時に閉状態とされているが、必ずしもこれらは同時に閉状態とされなければならない必要はなく、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lが閉状態とされた後にタンク遮断バルブ13が閉状態とされても構わない。
【0029】
一方、制御装置16が車高を下降させようと判断した場合、その直前の制御も車高を下降させる制御であったとき、システム管路SC内の空気圧が保持タンク12内の空気圧以下であると推定する。したがって、このときは排出バルブ15において空気の流出音が発生しにくいため、図3にあるように最初に排出バルブ15を開状態とし(t31)、システム管路SCを大気に開放してシステム管路SC内の空気を排出する。
【0030】
その後、タンク遮断バルブ13を開状態として(t32)、保持タンク12をシステム管路SCを介して大気と連通させ、保持タンク12内の空気を排出し、最後に、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lを開状態として(t33)、右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1L内の空気を大気中に排出する。ここで、タンク遮断バルブ13、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lは、必ずしも排出バルブ15を開状態とした後に、それぞれ開状態としなければならないわけではなく、排出バルブ15、タンク遮断バルブ13、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lを同時に開状態としてもかまわない。
【0031】
所定時間経過後、タンク遮断バルブ13、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lを閉状態として、システム管路SC内の空気圧を低下させた(t34)後、排出バルブ15を閉状態とする(t35)。尚、上述した実施の形態においては、タンク遮断バルブ13、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lがt34において同時に閉状態とされているが、必ずしもこれらは同時に閉状態とされなければならない必要はなく、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lが閉状態とされた後にタンク遮断バルブ13が閉状態とされても構わない。
【0032】
次に、制御装置16が、車高を上昇させようと判断した場合、制御装置16はタンク遮断バルブ13および排出バルブ15を閉状態とするとともに、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lを開状態とする。それと同時に、モータドライバ19にモータ作動信号を送信して、電動モータ8aを駆動してコンプレッサ8を作動させる。コンプレッサ8が、エアクリーナ9を介して吸引した空気を圧縮して吐出することによって、主管路4、右サスペンション管路3Rおよび左サスペンション管路3L上に設置された逆止弁7、ドライヤ6、一方向弁5a、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lを介して、右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1L内に空気が導入される。
【0033】
右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1L内に空気が導入されて、車高が所望する高さに到達すると、制御装置16は右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1L内への空気の導入を停止するために、コンプレッサ8の作動を停止しようとする。このとき、図4にあるように、モータドライバ8aへのモータ作動信号を停止させるのとほぼ同時に、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lを閉状態とするとともに、タンク遮断バルブ13を開状態とする(t41)。
【0034】
コンプレッサ8は電動モータ8aからの駆動力が断たれるが慣性力によって、この後もしばらくの間回転を続ける。しかしながら、上述したように、タンク遮断バルブ13が開状態となっているため、コンプレッサ8から吐出される空気は保持タンク12によって吸収されて、振動、騒音を発生させることはない。やがて、コンプレッサ8の回転が停止した(t42)後、タンク遮断バルブ13を閉状態とする(t43)。
【0035】
上述した実施の形態において、タンク遮断バルブ13を開状態にしておく時間については、モータ作動信号が停止してから、コンプレッサ8の回転が停止するまでの時間を考慮して適宜設定することができる。また、タンク遮断バルブ13を開状態とする時刻、あるいは右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lを閉状態とする時刻は、必ずしも制御装置16がモータドライバ19へのモータ作動信号を停止する時刻と同時である必要はなく、各々その前後に適宜設定できる。
【0036】
更に、上述した実施の形態においては、タンク遮断バルブ13、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lがt41において、それぞれ同時に開状態および閉状態とされているが、必ずしもこれらは同時に作動されなければならない必要はなく、タンク遮断バルブ13が開状態とされた後に、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lが閉状態とされても構わない。
【0037】
次に、図5を用いて、適宜、保持タンク12内の空気を排出する放出制御について説明する。制御装置16が、車高上昇制制御および車高下降制御の合間に、保持タンク12内の空気を排出しようと判断した場合、その直前の制御が車高を上昇させる制御であったとき、上述した場合と同様にシステム管路SC内の空気圧が保持タンク12内の空気圧よりも高いと推定する。
【0038】
したがって、このときも排出バルブ15における空気の流出音を低減するため、図5(a)にあるように排出バルブ15を開状態とする以前に、タンク遮断バルブ13を開状態とし(t51)、システム管路SCを保持タンク12と連通させ、システム管路SC内の空気の一部を保持タンク12に流入させる。保持タンク12に空気が流入することで、システム管路SC内の空気圧が低下するため、図5(a)にあるように、その後に排出バルブ15を開状態とするが(t52)、排出バルブ15における空気の流出音が低減される。
【0039】
図5(a)に示したように、タンク遮断バルブ13および排出バルブ15を開状態とされることによって保持タンク12内の空気が、タンク管路11、主管路4および排出路14上にあるタンク遮断バルブ13、オリフィス5b、ドライヤ6および排出バルブ15を介して大気中に排出される。所定時間が経過して保持タンク12内の空気が十分大気に排出された後、タンク遮断バルブ13を閉状態として、システム管路SC内の空気圧を低下させた(t53)後、排出バルブ15を閉状態とする(t54)。
【0040】
一方、制御装置16が、車高上昇制制御および車高下降制御の合間に、保持タンク12内の空気を排出しようと判断した場合、その直前の制御が車高を下降させる制御であったとき、上述した場合と同様にシステム管路SC内の空気圧が保持タンク12内の空気圧以下であると推定する。したがって、このときは排出バルブ15において空気の流出音が発生しにくいため、図5(b)にあるように最初に排出バルブ15を開状態とし(t55)、システム管路SCを大気に開放してシステム管路SC内の空気を排出する。
【0041】
その後、タンク遮断バルブ13を開状態として(t56)、保持タンク12をシステム管路SCを介して大気と連通させ、保持タンク12内の空気を、タンク管路11、主管路4および排出路14上にあるタンク遮断バルブ13、オリフィス5b、ドライヤ6および排出バルブ15を介して排出する。所定時間が経過して保持タンク12内の空気が十分大気に排出された後、タンク遮断バルブ13を閉状態として、システム管路SC内の空気圧を低下させた(t57)後、排出バルブ15を閉状態とする(t58)。
【0042】
上述した実施の形態によれば、システム管路SC内の空気圧の推定方法として、その直前の制御が車高上昇制御であったか車高下降制御であったかを利用しているが、これ以外にも、実際にシステム管路SC内および保持タンク12内に圧力センサを設置して空気圧を測定する方法、右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1L内に圧力センサを設置して空気圧を測定し、右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1L内の空気圧から推定する方法等が考えられる。
【0043】
また、上述した実施の形態によれば、車高調整装置20は車両の左右の後輪の各々に取付られたエアサスペンションを制御するものであったが、本発明は左右のエアサスペンションを独立して制御するものおよび左右のエアサスペンションを同時に制御するもののいずれにも適用可能である。また、車両の4輪に取付られたエアサスペンションを制御するものであっても構わない。
【0044】
本発明によれば、右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1L中の空気を排出バルブ15を介して排出する場合、直前の制御が車高上昇制御であるときは、システム管路SC中の空気圧が保持タンク12内の空気圧より高いと推定して、タンク遮断バルブ13を開状態とした後に、排出バルブ15および右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lを開状態とすることにより、排出バルブ15を開状態とする以前に、システム管路SC中の空気が、保持タンク12に流入して管路内が低圧となるため、排出バルブ15から空気を排出するときの流出音を低減することができる。また、直前の制御が車高上昇制御であるときに、システム管路SC中の空気圧が保持タンク12内の空気圧より高いと推定しているため、システム管路SCあるいは保持タンク12等に圧力センサを設置する必要がない。
【0045】
また、本発明によれば、右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1L中の空気を排出バルブ15を介して排出する場合、直前の制御が車高下降制御であるときは、システム管路SC中の空気圧が保持タンク12内の空気圧以下であると推定して、排出バルブ15を開状態とした以後に、タンク遮断バルブ13および右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lを開状態とすることにより、短時間で空気を排出することができる。また、直前の制御が車高下降制御であるときに、システム管路SC中の空気圧が保持タンク12内の空気圧以下であると推定しているため、システム管路SCあるいは保持タンク12等に圧力センサを設置する必要がない。
【0046】
更に、本発明によれば、右エアサスペンション1Rおよび左エアサスペンション1L中に空気を導入した後にコンプレッサ8を停止する場合、右車高調整バルブ10Rおよび左車高調整バルブ10Lを閉状態とした以降にタンク遮断バルブ13を所定時間だけ開状態とすることにより、コンプレッサ8の惰性回転によって発生する空気が保持タンク12に貯蔵されるため、コンプレッサ8による振動、騒音を低減することができる。
【0047】
また、本発明によれば、制御装置16が、車高上昇制御および車高下降制御の合間に、保持タンク12内の空気を排出しようと判断した場合、システム管路SC内の空気圧が保持タンク12内の空気圧よりも高いときは、タンク遮断バルブ13を開状態とした後に、排出バルブ15を開状態とすることにより、排出バルブ15を開状態とする以前に、システム管路SC中の空気が保持タンク12に流入して管路内が低圧となるため、排出バルブ15から空気を排出するときの流出音を低減することができる。
【0048】
更に、本発明によれば、制御装置16が、車高上昇制御および車高下降制御の合間に、保持タンク12内の空気を排出しようと判断した場合、システム管路SC内の空気圧が保持タンク12内の空気圧以下であるときは、排出バルブ15を開状態とした以後に、タンク遮断バルブ13を開状態とすることにより、短時間で空気を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車高調整装置のシステム図である。
【図2】 車高下降制御の場合の、システム管路内の空気圧が保持タンク内の空気圧より高いときのタイムチャートである。
【図3】 車高下降制御の場合の、システム管路内の空気圧が保持タンク内の空気圧以下であるときのタイムチャートである。
【図4】 車高上昇制御の場合の、コンプレッサの回転が停止するときのタイムチャートである。
【図5】 放出制御の場合の、システム管路内の空気圧が保持タンク内の空気圧より高いときのタイムチャート(a)、システム管路内の空気圧が保持タンク内の空気圧以下であるときのタイムチャート(b)である。
【符号の説明】
1R、1L…エアサスペンション、2R、2L…ハイトセンサ、3R、3L…サスペンション管路、4…主管路、8…コンプレッサ、10R,10L…車高調整バルブ、11…タンク管路、12…保持タンク、13…タンク遮断バルブ、14…排出路、15…排出バルブ、16…制御装置、17…スイッチボックス、20…車高調整装置、SC…システム管路、WR,WL…車輪
Claims (3)
- 車体と車輪との間に介装され、空気を給排することによって車輪に対する車体の上下位置を調整するエアサスペンション、
前記エアサスペンションに空気を導入するコンプレッサ、
前記エアサスペンション中の空気を排出する排出バルブ、
前記エアサスペンションと前記排出バルブとの間に設置された車高調製バルブ、
前記排出バルブと前記車高調整バルブとの間にあるシステム管路と連通した保持タンク、
前記保持タンクと前記システム管路との間に設置されたタンク遮断バルブ、
車両の状態を検出する車両状態検出装置、および
前記車両状態検出装置によって検出された車両の状態に基づいて、前記コンプレッサ、前記排出バルブ、前記車高調整バルブおよび前記タンク遮断バルブを制御する制御装置を備えた車高調整装置において、
前記エアサスペンション中の空気を前記排出バルブを介して排出する場合、前記制御装置は前記タンク遮断バルブを開状態とした後に、前記排出バルブおよび前記車高調整バルブを開状態とすることを特徴とする車高調整装置。 - 車体と車輪との間に介装され、空気を給排することによって車輪に対する車体の上下位置を調整するエアサスペンション、
前記エアサスペンションに空気を導入するコンプレッサ、
前記エアサスペンション中の空気を排出する排出バルブ、
前記エアサスペンションと前記排出バルブとの間に設置された車高調製バルブ、
前記排出バルブと前記車高調整バルブとの間にあるシステム管路と連通した保持タンク、
前記保持タンクと前記システム管路との間に設置されたタンク遮断バルブ、
車両の状態を検出する車両状態検出装置、および
前記車両状態検出装置によって検出された車両の状態に基づいて、前記コンプレッサ、前記排出バルブ、前記車高調整バルブおよび前記タンク遮断バルブを制御する制御装置を備えた車高調整装置において、
前記エアサスペンション中の空気を前記排出バルブを介して排出する場合、前記システム管路中の空気圧が前記保持タンク内の空気圧を超えるときは、前記制御装置は前記タンク遮断バルブを開状態とした後に、前記排出バルブおよび前記車高調整バルブを開状態とし、前記システム管路中の空気圧が前記保持タンク内の空気圧以下であるときは、前記制御装置は前記排出バルブを開状態とした以降に、前記タンク遮断バルブおよび前記車高調整バルブを開状態とすることを特徴とする車高調整装置。 - 前記制御装置は、直前に前記車輪に対する前記車体の位置を下降させていた場合に、前記システム管路中の空気圧が前記保持タンク内の空気圧以下であると推定することを特徴とする請求項2記載の車高調整装置。
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