JP4045543B2 - 部品搬送ホースおよび部品搬送方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、部品搬送ホースに関するもので、円柱形状部と、この円柱形状部と同軸の状態で形成された円板部とからなる部品、例えば、フランジ付きのボルト、円板部と円筒部からなるリベットのような形状の部品を搬送の対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
図8にしたがって従来技術を説明すると、部品搬送ホース1は柔軟性のある合成樹脂で作られた断面円形のであり、その中を移動する部品2は円柱形状部3と円板部4とが一体になったものである。部品2は、ホース1の搬送通路5内を移動するのであるが、そのときの移動姿勢は図8に実線で示すように、搬送通路5の長手方向と部品2の軸線とが同方向となった状態であり、同図の右方に圧縮空気で搬送される。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−294638号公報
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】
上述のような従来技術であると、図8に示した姿勢で搬送して搬送先において90度向きを変える必要が生じる場合がある。この場合には、部品2を何等かの方法で一旦保持してから90度向きを変えなければならないので、そのための機構が複雑になったりして、得策ではない。あるいは、図8の二点鎖線図示のように、部品2が傾斜していると円柱形状部3の先端角部が搬送通路5の内面にひっかかり、円滑な部品搬送に支障を来すこととなる。
【0005】
【問題を解決するための手段とその作用】
本発明は、上述のような問題点を解決するために発案されたもので、請求項1に記載の発明は、円柱形状部と、この円柱形状部と同軸の状態で形成された円板部とからなる部品を搬送ホースで空気搬送をする形式のものであって、該ホースに設けた搬送通路は、上記円柱形状部が通過する溝状空間部と上記円板部が通過する偏平空間部から構成されており、円柱形状部の外周面と溝状空間部の内面との間の隙間を円板部の近傍に形成された偏平 空間部における隙間よりも大幅に狭くすることにより、溝状空間部における空気の流路抵抗を偏平空間部における空気の流路抵抗よりも大きく設定して、部品を扁平空間部側に持ち上げる揚力を発生させるように構成したことを特徴とする部品搬送ホースである。
【0006】
上記構成により、部品の円柱形状部と円板部はそれぞれ上記溝状空間部と偏平空間部を通過する。この通過の際には、部品の軸線がホースの長手方向と直交する状態で搬送される。したがって、部品がフランジ付きのボルトであったり、円板部と円筒部からなるリベットであったりする場合には、部品の搬送先においてそのままの部品姿勢でボルト締め機やかしめ機に供給することができ、部品の向きを変換するための機構が不要となり、構造の簡素化や原価低減に有効である。さらに、円柱形状部が位置している溝状空間部の流路抵抗と、円板部が位置している偏平空間部の流路抵抗とを比較すると、前者の方が高いことによって上記のような浮力がえられる。したがって、このような流路抵抗の差が形成されるように偏平空間部の断面積を円板部の断面積よりも十分に大きく設定するのである。このような構成により、偏平空間部における空気の流速が大きいので、その部分の圧力が低くなる。他方、溝状空間部における空気の流速は小さいので、その部分の圧力は高くなる。この圧力差によって部品を偏平空間部側に持ち上げようとする揚力が発生し、部品と搬送通路の内面との接触をできるだけ少なくしながら円滑な部品搬送ができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、円柱形状部と、この円柱形状部と同軸の状態で形成された円板部とからなる部品を搬送ホースで空気搬送をする形式のものであって、該ホースに設けた搬送通路は、上記円柱形状部が通過する溝状空間部と上記円板部が通過する偏平空間部から構成されており、円柱形状部の外周面と溝状空間部の内面との間の隙間を円板部の近傍に形成された偏平空間部における隙間よりも大幅に狭くすることにより、溝状空間部における空気の流路抵抗を偏平空間部における空気の流路抵抗よりも大きく設定し、部品を扁平空間部側に持ち上げようとする揚力を発生させて搬送することを特徴とする部品搬送方法である。この方法発明の作用効果は、前記部品搬送ホースの発明の作用効果と同じである。
【0008】
上記偏平空間部と溝状空間部の連続角部が切除されていると、円板部と偏平空間部の内面との接触面積が小さくなるので、部品は搬送通路内を滑らかに滑動し、円滑な部品搬送となり、搬送中に異常な向きになるようなことがない。
【0009】
上記の切除された部分が円弧部とされ、この円弧部の半径は、部品の円柱形状部から円板部にかけて連続的に形成された円弧部の半径よりも小さく設定されている。したがって、部品が搬送通路内で左右いずれの側に片寄るとともに下方に下がっても、部品は搬送通路の内面に対しては、円柱形状部から円弧部にかけて溝状空間部の平坦な内面と円弧部に接触する。この接触の状態は、円柱形状部の外周面が溝状空間部の内面に線接触をし、また、円弧部は厳密には接触することなく次第に大きくなる隙間が存在している。このような隙間が形成されるのは、部品側の円弧部の半径が搬送通路側の円弧部の半径よりも大きく設定してあるからである。これにより、円板部の角部が円弧部に接触することがないので、角部が搬送通路の内面にひっかかるような現象が回避でき、円滑な部品搬送が可能となる。
【0010】
柔軟性のある合成樹脂製とされ搬送通路内の部品が透視できるように構成されている。ホースが柔軟性を有しているので、ホースを湾曲させたりねじったりすることができ、周辺の関連部材を回避しながら部品搬送ができ、同時に、搬送通路内の部品が外部から透視して部品の存在・不存在を確認できるので、搬送状態が正常であるかどうかが簡単に判別できる。
【0011】
断面外形が円形であるから、ホースを製作する材料が、四角断面等とくらべて少なくてすみ、原価低減や軽量化にとって好都合である。
【0012】
部品の搬送通路を備えているとともに断面外形が円形である搬送ホースのクランプ部材が静止部材に固定され、このクランプ部材にねじ込んだ位置決めボルトの先端部が搬送ホースの外周面に食い込むように構成した部品搬送ホースの固定構造である。このように静止部材に固定されたクランプ部材に位置決めボルトをねじ込み、その先端部を搬送ホースの外周面に食い込ませるものであるから、回りやすい円形断面の搬送ホースを確実に回らない状態で固定することができ、部品を正しい姿勢で目的箇所に送給することができる。
【0013】
上記搬送通路は部品の円柱形状部が通過する溝状空間部と部品の円板部が通過する偏平空間部から構成されている部品搬送ホースの固定構造である。このような形状の部品を搬送する場合には、搬送の目的箇所における部品の姿勢が正確に設定されなければならない。したがって、上記のように容易に回らない固定構造とすることにより、部品の送給姿勢を正しく維持することができる。
【0014】
円柱形状部と、この円柱形状部と同軸の状態で形成された円板部とからなる部品を搬送ホースで搬送する形式のものであって、該ホースに設けた搬送通路は、上記円柱形状部が通過する溝状空間部と上記円板部が通過する偏平空間部から構成され、搬送通路内の部品に搬送用の圧縮空気を送給することにより、溝状空間部を流れる空気によって円板部の下面に浮力を作用させ、この浮力によって円板部が偏平空間部を構成する内面に可及的に接触しない状態で部品を搬送する。溝状空間部を流れる空気は、円柱形状部でせき止められるような状態になるので、このときに円板部の下面に空気圧が強く作用する。したがって、この空気の動圧により円板部の下面に浮力が作用することとなり、円板部は偏平空間部内でほぼ浮上した状態で移送される。このような現象により、部品は搬送通路の内面にほとんど接触することなく移送されるので、部品が搬送通路で詰まったりすることがなく、円滑にしかも高速で部品搬送ができる。
【0015】
上記の現象は、円柱形状部が位置している溝状空間部の流路抵抗と、円板部が位置している偏平空間部の流路抵抗とを比較すると、前者の方が高いことによって上記のような浮力がえられる。したがって、このような流路抵抗の差が形成されるように偏平空間部の断面積を円板部の断面積よりも十分に大きく設定するのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
部品1は、図8で説明したものと同じであり、図1から図7には同じ符号が記載されている。また、部品1を構成する材料は、鉄でもよいが、ここでは軽合金すなわちアルミニウムとされている。柔軟性のある合成樹脂でつくられた搬送ホース6は断面の外形が円形である。使用される合成樹脂としては、ウレタン、ナイロン、テフロン等であり、搬送通路内の部品が外部から見えるように、すなわち透視できるようにするためにウレタン製とするのが、最適である。後述の搬送通路とともに押し出し成型でつくられる。
【0017】
搬送通路7は、上記円柱形状部3が通過する溝状空間部8と上記円板部4が通過する偏平空間部9から構成されている。これらの溝状空間部8と偏平空間部9とは搬送ホース6の長手方向に伸びた状態で搬送通路7が構成されている。偏平空間部9と溝状空間部8がなす空間形状すなわち搬送通路7の断面形状は、ほぼT字型であり、図3から明らかなようにT字型断面の部品2が、搬送通路7の断面形状にはまり込んだ状態になっている。このはまり込みにより、図3に示すように、左右上下に部品滑動にとって必要な隙間10が設置してある。
【0018】
図1や図3に示すような姿勢で部品2が搬送通路7内にはまり込んでいるときには、円板部4の下面が偏平空間部9の内面11に接触し、円柱形状部3は溝状空間部8内に隙間10をおいた状態で宙吊りのようにして位置している。偏平空間部9と溝状空間部8の連続角部が切除されて、丸みのある円弧部12とされている。このように切除されていると、円板部4の下面と偏平空間部9の内面11との接触面積が小さくなるので、すなわち、符号13で示された接触部のように小さな面積となり、部品2は搬送通路7内を滑らかに滑動し、円滑な部品搬送となり、搬送中に異常な向きになるようなことがない。もし、円弧部12が形成されていなければ、接触部13の幅はW1であるが、円弧部12の形成によって接触部13の幅はW2となる。
【0019】
さらに、円柱形状部3が左右いずれかに片寄っても、円板部4の下面と偏平空間部9の内面11との接触関係が保たれるように、円柱形状部3の直径と溝状空間部8の幅すなわち隙間10の寸法が設定してある。また、円板部4の厚さと偏平空間部9の上下方向の寸法すなわち上下方向の隙間10が、ごく僅かな値とされているので、部品2が図3(A)の紙面に対して垂直方向に揺動しても、円板部4が偏平空間部9の内面(上下の両内面)に接触して、部品2が異常な方向に傾くようなことがない。
【0020】
なお、円弧部12の代わりに図3(A)に二点鎖線で示したような傾斜部としてもよい。
【0021】
図5に示した実施形態は、図3等に示したような円板部4の下側に平たい下面を有するものではなく、円柱形状部3の上方に円弧部14が円柱形状部3に連続した状態で形成されている。この円弧部14の半径は搬送通路7側の円弧部12の半径よりも大きく設定してある。したがって、部品2が搬送通路7内で左右いずれかの側に片寄るとともに下方に下がっても、部品2は搬送通路7の内面に対しては、円柱形状部3から円弧部14にかけて溝状空間部8の平坦な内面15と円弧部12に接触する。この接触の状態は図6に示すように、円柱形状部3の外周面が溝状空間部8の内面15に線接触をし、また、円弧部14は厳密には接触することなく次第に大きくなる隙間16が存在している。このような隙間16が形成されるのは、円弧部14の半径が円弧部12の半径よりも大きく設定してあるからである。これにより、円板部4の角部17が円弧部12に接触することがないので、角部17が搬送通路7の内面にひっかかるような現象が回避でき、円滑な部品搬送が可能となる。
【0022】
また、図6に二点鎖線で示したように、円板部4の下面が平坦な面になっていても、偏平空間部9の内面11に接触することがないので、接触面積が増大することなく、円滑な部品2の搬送ができる。
【0023】
この実施形態における各部の寸法は、つぎのとおりである。部品2の円柱形状部3の直径は8mm,円板部4の直径は11.2mm,部品2全体の長さは11.0mm,円弧部14の半径は2.8mm,円弧部12の半径は2.3mm,溝状空間部8の幅は9.2mm,偏平空間部9の左右方向の幅は13.2mm,偏平空間部9の上下方向の空間寸法は2.5mm,円板部4の外周端縁の厚さは0.7mmであり、上記の各部の隙間10は0.6mm〜1.0mmである。
【0024】
上記のような寸法すなわち隙間10であることにより、部品2が上下左右のいずれかに片寄っても、部品2の一部が搬送通路7の内面に強く接触することがなく円滑に搬送される。また、圧縮空気を搬送通路7内に送給して部品2の搬送を行うことにより、隙間10に空気層が介在しやすくなり、常に部品2が搬送通路7の内面に接触することがなく、これによって一層円滑な部品搬送が実現する。このような隙間10における空気層の介在は、図3や図5から明らかなように、搬送通路7と部品2の断面形状とがほぼ相似形になっていることが重要な要点になっている。この相似形により、隙間10が部品2の周辺全域においてほぼ均一になるので、空気層も部品2の周辺全域にわたって形成されやすくなる。
【0025】
図7に示した実施形態は、溝状空間部8と偏平空間部9における空気の流路抵抗に差を設けて、部品2に浮力を与えるものである。図7から明らかなように、円柱形状部3の外周面と溝状空間部8の内面15との間の隙間10は、円板部4の近傍に形成された偏平空間部9における隙間よりも大幅に狭く設定されている。したがって、溝状空間部8を流れる空気は、円柱形状部3でせき止められるような状態になるので、このときに円板部4の下面(ここでは円弧部14)に空気圧が強く作用する。したがって、この空気の動圧により円板部4の下面に浮力が作用することとなり、円板部4は偏平空間部9内でほぼ浮上した状態で移送される。このような現象により、部品2は搬送通路7の内面にほとんど接触することなく移送されるので、部品2が搬送通路7で詰まったりすることがなく、円滑にしかも高速で部品搬送ができる。
【0026】
上記の現象は、円柱形状部3が位置している溝状空間部8の流路抵抗と、円板部4が位置している偏平空間部9の流路抵抗とを比較すると、前者の方が高いことによって上記のような浮力がえられる。したがって、このような流路抵抗の差が形成されるように偏平空間部9の断面積を円板部4の断面積よりも十分に大きく設定するのである。このような構成により、偏平空間部9における空気の流速が大きいので、その部分の圧力が低くなる。他方、溝状空間部8における空気の流速は小さいので、その部分の圧力は高くなる。この圧力差によって部品2を偏平空間部9側に持ち上げようとする揚力が発生し、部品2と搬送通路7の内面との接触をできるだけ少なくしながら円滑な部品搬送ができる。とくに、部品2がアルミニウムのような軽合金でできている場合においては、上記のような浮上性の高い搬送にとって最適である。逆の見方をすれば、軽合金製の部品2であれば圧縮空気を噴射すると、軽量であるために急速に搬送され、その途上で異常な搬送姿勢になりやすいのであるが、上記のように溝状空間部8と偏平空間部9との流路抵抗等のバランスに配慮することにより、軽合金製の部品であっても正常な姿勢で搬送することができる。
【0027】
図9および図10は、円形断面とされた搬送ホース6の固定構造である。一対のクランプ部材18,19には搬送ホース6の外周面にぴったりと合致する円弧断面の凹溝20,21が形成されている。一方のクランプ部材18には固定片22が一体に設けられ、静止部材23に固定ボルト24でしっかりと結合してある。両クランプ部材18,19は結合ボルト25で一体化することにより、搬送ホース6が凹溝20,21で強く保持される。搬送ホース6の回り止めをするために、位置決めボルト26が配置されている。この位置決めボルト26をクランプ部材18にねじ込んでその先端部が搬送ホース6の外周面に食い込ませてある。そのために、位置決めボルト26の先端は針先のように尖った針形状部27とされている。
【0028】
搬送ホース6にクランプ部材18,19を取付けるときには、あらかじめ位置決めボルト26を後退させておき、結合ボルト25を仮締め程度に締め付けた状態で、搬送ホース6を所定の向きに回転させる。それから位置決めボルト26を締め付け、針形状部27を搬送ホース6の外周面に食い込ませて、搬送ホース6の回り止めを行い、最後に結合ボルト25の本締めを行なって、取り付けが完了する。このように結合ボルト25による仮締め、それに続く搬送ホース6の回転調整、さらに位置決めボルト26による回り止め、最後にクランプ部材18,19の本締めというステップがとれる構造であるから、断面円形の搬送ホース6であっても正確な回転方向の設定が実現する。
【0029】
図10の場合は、クランプ部材19に円筒部28が設けられ、ここに搬送ホース6を押し込んでからもう一方のクランプ部材18を図9の場合と同様にして組み付けるのである。なお、この場合は、位置決めボルト26がクランプ部材19の側に配置されている。クランプ部材19の端部に搬送通路7が形成された金属製のガイド部材29が溶接されており、このガイド部材29が静止部材23にしっかりと固定されている。搬送ホース6の搬送通路7とガイド部材29の搬送通路7とは、部品2が滑らかに移行できるように連続している。なお、符号30は、ガイド部材29の蓋板であり、ボルト(図示していない)でガイド部材29に結合してある。
【0030】
ガイド部材29は、図4に示したように、部品加工装置31の部品保持装置32に接続されている。図4の部品加工装置31は、リベット2を板金部品33にかしめる装置であり、下型34と上型35を有している。図4から明らかなように、部品2の搬送姿勢と部品加工装置31における部品2の姿勢が同じ向きであるから、部品の向きを変換するような特別な装置等が不要となり、設備経済性にとって好都合である。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、部品の円柱形状部と円板部はそれぞれ上記溝状空間部と偏平空間部を通過する。この通過の際には、部品の軸線がホースの長手方向と直交する状態で搬送される。したがって、部品がフランジ付きのボルトであったり、円板部と円筒部からなるリベットであったりする場合には、部品の搬送先においてそのままの部品姿勢でボルト締め機やかしめ機に供給することができ、部品の向きを変換するための機構が不要となり、構造の簡素化や原価低減に有効である。さらに、円柱形状部が位置している溝状空間部の流路抵抗と、円板部が位置している偏平空間部の流路抵抗とを比較すると、前者の方が高いことによって上記のような浮力がえられる。したがって、このような流路抵抗の差が形成されるように偏平空間部の断面積を円板部の断面積よりも十分に大きく設定するのである。このような構成により、偏平空間部における空気の流速が大きいので、その部分の圧力が低くなる。他方、溝状空間部における空気の流速は小さいので、その部分の圧力は高くなる。この圧力差によって部品を偏平空間部側に持ち上げようとする揚力が発生し、部品と搬送通路の内面との接触をできるだけ少なくしながら円滑な部品搬送ができる。
【0032】
部品の搬送通路を備えているとともに断面外形が円形である搬送ホースのクランプ部材が静止部材に固定され、このクランプ部材にねじ込んだ位置決めボルトの先端部が搬送ホースの外周面に食い込むように構成したことを特徴とする部品搬送ホースの固定構造である。このように静止部材に固定されたクランプ部材に位置決めボルトをねじ込み、その先端部を搬送ホースの外周面に食い込ませるものであるから、回りやすい円形断面の搬送ホースを確実に回らない状態で固定することができ、部品を正しい姿勢で目的箇所に送給することができる。
【0033】
円柱形状部と、この円柱形状部と同軸の状態で形成された円板部とからなる部品を搬送ホースで搬送する形式のものであって、該ホースに設けた搬送通路は、上記円柱形状部が通過する溝状空間部と上記円板部が通過する偏平空間部から構成され、搬送通路内の部品に搬送用の圧縮空気を吹き付けることにより、溝状空間部を流れる空気によって円板部の下面に浮力を作用させ、この浮力によって円板部が偏平空間部を構成する内面に可及的に接触しない状態で搬送することを特徴とする搬送方法である。溝状空間部を流れる空気は、円柱形状部でせき止められるような状態になるので、このときに円板部の下面に空気圧が強く作用する。したがって、この空気の動圧により円板部の下面に浮力が作用することとなり、円板部は偏平空間部内でほぼ浮上した状態で移送される。このような現象により、部品は搬送通路の内面にほとんど接触することなく移送されるので、部品が搬送通路で詰まったりすることがなく、円滑にしかも高速で部品搬送ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態であり、搬送ホースの断面図である。
【図2】 搬送ホースの側面図である。
【図3】 搬送通路と部品との関係を示す図である。
【図4】 搬送通路が部品加工装置に接続されている状態を示す側面図である。
【図5】 他の実施形態を示す断面図である。
【図6】 図5のものの部分的な拡大図である。
【図7】 他の実施形態を示す断面図である。
【図8】 従来の搬送ホースを示す断面図である。
【図9】 搬送ホースの固定構造を示す図である。
【図10】 他の搬送ホースの固定構造を示す図である。
【符号の説明】
2 部品
3 円柱形状部
4 円板部
6 搬送ホース
7 搬送通路
8 溝状空間部
9 偏平空間部
11 内面
12 円弧部
13 接触部
14 円弧部
15 内面
18,19 クランプ部材
26 位置決めボルト
Claims (2)
- 円柱形状部と、この円柱形状部と同軸の状態で形成された円板部とからなる部品を搬送ホースで空気搬送をする形式のものであって、該ホースに設けた搬送通路は、上記円柱形状部が通過する溝状空間部と上記円板部が通過する偏平空間部から構成されており、円柱形状部の外周面と溝状空間部の内面との間の隙間を円板部の近傍に形成された偏平空間部における隙間よりも大幅に狭くすることにより、溝状空間部における空気の流路抵抗を偏平空間部における空気の流路抵抗よりも大きく設定して、部品を扁平空間部側に持ち上げる揚力を発生させるように構成したことを特徴とする部品搬送ホース。
- 円柱形状部と、この円柱形状部と同軸の状態で形成された円板部とからなる部品を搬送ホースで空気搬送をする形式のものであって、該ホースに設けた搬送通路は、上記円柱形状部が通過する溝状空間部と上記円板部が通過する偏平空間部から構成されており、円柱形状部の外周面と溝状空間部の内面との間の隙間を円板部の近傍に形成された偏平空間部における隙間よりも大幅に狭くすることにより、溝状空間部における空気の流路抵抗を偏平空間部における空気の流路抵抗よりも大きく設定し、部品を扁平空間部側に持ち上げようとする揚力を発生させて搬送することを特徴とする部品搬送方法。
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