JP4045504B2 - 制震構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、柱と梁とで形成された架構フレーム内にブレースが配置されている制震構造物に関する。
近年、制震ダンパー等のブレースを鉄筋コンクリート造構造物の柱と梁とで形成された架構内に組み入れることで、鉄筋コンクリート造構造物の地震時応答変位を低減し、変形性能の劣る鉄筋コンクリート造構造物の損傷を軽減させる構造物が提案されている。一般的に、ブレースは鋼構造の架構内に組み入れ、鋼製接合部(ガセットプレート)に接合されている。したがって、従来、鉄筋コンクリート構造の架構内にブレースを組み入れる場合には、鋼製接合部を設置してブレースを接合させるため、ブレースを組み入れる架構全体を鉄骨鉄筋コンクリート構造にする必要がある。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−213201号公報 (第3−5頁、第2図)
しかしながら、上記した従来の方法では、ブレースが組み入れられる架構に鉄骨架構を形成しなければならず、鉄骨架構を形成する工事にかかる材料費および組立費は非常に高いため、結果としてブレースを組み入れる工事の施工コストが嵩むという問題が存在する。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、鉄筋コンクリート造の架構に減衰力の大きいブレースを経済的に組み入れ、耐震性能に優れる制震構造物を安価に提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、間隔をあけて立設される鉄筋コンクリート造の複数の柱と、隣り合う該柱の間に上下に間隔をあけて架設される鉄筋コンクリート造の複数の梁と、隣り合う前記柱および上下で対向する前記梁によって矩形に形成された架構フレーム内に配置される斜めに延在するブレースとが備えられている制震構造物において、前記柱と前記梁とが接合される仕口部内には前記柱の軸方向に延在する柱鉄骨部材が埋設され、前記梁の端部内には該梁の軸方向に延在する梁鉄骨部材が埋設され、前記柱鉄骨部材は、上下方向に配置された他の柱鉄骨部材と連続されずに、前記仕口部直上の前記柱下部から該仕口部直下の前記柱上部にかけて設けられ、前記梁鉄骨部材の端部は前記柱鉄骨部材の中間部に接合され、前記柱鉄骨部材と前記梁鉄骨部材との入隅には前記ブレースの端部が接合されるガセットプレートが接合されていることを特徴としている。
このような特徴により、柱鉄骨部材は仕口部の直上から直下にかけて形成されているだけであり、上下方向に配置される他の柱鉄骨部材とは連続されていない。また、梁鉄骨部材は梁端部に埋設されているだけでよく、梁中央部内に鉄骨部材を埋設しなくても良く、或いは梁中央部内の鉄骨部材を安価なもので形成しても問題はない。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の制震構造物において、前記柱鉄骨部材には、前記柱の軸に直交する方向に延在する柱シアコネクタが接合されていることを特徴としている。
このような特徴により、ブレースから受ける鉛直方向の力は、柱シアコネクタにより、鉄筋コンクリート造の柱に伝達される。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の制震構造物において、前記梁鉄骨部材には、前記梁の軸に直交する方向に延在する梁シアコネクタが接合されていることを特徴としている。
このような特徴により、ブレースから受ける水平方向の力は、梁シアコネクタにより、鉄筋コンクリート造の梁に伝達される。
上記した本発明に係る制震構造物によれば、仕口部内には直上から直下にかけて形成された柱鉄骨部材が設けられ、柱鉄骨部材の中間部からは梁内に埋設された梁鉄骨部材が張り出され、柱鉄骨部材と梁鉄骨部材との入隅にはブレースの端部が接合するガセットプレートが接合されているため、鉄筋コンクリート造の架構に減衰力の大きいブレースが組み入れられ、耐震性能に優れた制震構造物を構築することができる。また、柱鉄骨部材は仕口部の直上から直下にかけて形成されているだけであり、上下方向に配置される他の柱鉄骨部材とは連続されてなく、梁鉄骨部材は梁端部に埋設されているだけであるため、ブレースを組み入れる作業は経済的に施工することができ、耐震性能に優れた制震構造物を安価に提供することができる。
以下、本発明に係る制震構造物の実施の形態について、図面に基いて説明する。
図1は制震構造物1の断面図である。図1に示すように、制震構造物1は、間隔をあけて立設された鉄筋コンクリート造の複数の柱2と、隣り合う柱2の間に上下に間隔をあけて架設される鉄筋コンクリート造の複数の梁3と、隣り合う柱2および上下で対向する梁3によって矩形に形成された架構フレーム4内に配置される斜めに延在するブレース5とで構成されている。
柱2は、鉛直方向に延在する角柱形のコンクリート内に、図示せぬ柱主筋とフープ筋とからなる鉛直方向に延在する図示せぬ柱鉄筋籠を埋設されて形成されており、梁3は、水平方向に延在する角柱形のコンクリート内に、図示せぬ梁主筋とスタラップ筋とからなる水平方向に延在する図示せぬ梁鉄筋籠を埋設されて形成されている。
柱2と梁3とが接合されている仕口部6には、柱2の軸方向に延在するH形鋼からなる柱鉄骨部材7が埋設されており、柱鉄骨部材7は上下方向に複数形成された仕口部6のうち一層おきの仕口部6内に設けられている。また、柱鉄骨部材7は上記した図示せぬ柱鉄筋籠内に設けられているとともに、仕口部6直上の柱2下部から仕口部6直下の柱2上部にかけて設けられており、上下方向に複数設けられた柱鉄骨部材7同士は接合されていない。
仕口部6直上の柱2下部内に埋設されている柱鉄骨部材7の対向するフランジ7aの間には柱2の軸に直交する方向(水平方向)に延在する柱リブプレート8が設けられており、柱リブプレート8はウェブ7bを挟んで一対に複数段(図では2段)設けられている。柱リブプレート8は、対向するフランジ7aとウェブ7bとにそれぞれ溶接接合されている。複数の柱リブプレート8上方のウェブ7bには複数の柱スタッド9がウェブ7b面に垂直に接合されており、複数の柱スタッド9はウェブ7bの両面にそれぞれ設けられている。柱リブプレート8および柱スタッド9によって、柱鉄骨部材7に接合される柱シアコネクタは構成されている。
梁3の端部内には、梁3の軸方向に延在するH形鋼からなる梁鉄骨部材10が埋設されており、梁鉄骨部材10の一端部は仕口部6内に配置されて柱鉄骨部材7の中間部に接合されている。梁鉄骨部材10他端部の対向するフランジ10aの間には梁3の軸に直交する方向(鉛直方向)に延在する梁リブプレート11が設けられており、梁リブプレート11はウェブ10bを挟んで一対に複数(二列)設けられている。梁リブプレート11は、対向するフランジ10aとウェブ10bとにそれぞれ溶接接合されている。複数の梁リブプレート11間のウェブ10bには複数の第1の梁スタッド12がウェブ10b面に垂直に接合されており、複数の第1の梁スタッド12はウェブ10bの両面にそれぞれ設けられている。梁リブプレート11および梁スタッド12によって、梁鉄骨部材10に接合される梁シアコネクタは構成されている。
対向する梁鉄骨部材10の他端部の間には、梁3の中央部に埋設される鋼板(ウェブのみ)からなる横架材13が架設されており、横架材13は梁鉄骨部材10のウェブ10bに一体に形成されている。
柱鉄骨部材7と梁鉄骨部材10との入隅には、梁3端部の上方および下方に突出されブレース5の一端部が接合される第1のガセットプレート14がそれぞれ設けられている。第1のガセットプレート14は柱鉄骨部材7のフランジ7aと梁鉄骨部材10のフランジ10aとにそれぞれ溶接接合されており、梁3端部の上方および下方に位置する第1のガセットプレート14端部の両面には斜めリブプレート15が直角にそれぞれ接合されている。斜めリブプレート15は、柱2の軸心と梁3の軸心との交点に向かって斜めに延在されており、第1のガセットプレート14端部および斜めリブプレート15には図示せぬボルト孔がそれぞれあけられている。また、第1のガセットプレート14の両面には、柱2側面および梁3上下面に接するようにL形に屈曲されたL形リブプレート16が垂直にそれぞれ接合されている。
第1のガセットプレート14の斜め上方、或いは第1のガセットプレート14の斜め下方に位置され、梁鉄骨部材10が埋設された梁3の上方に架設されている梁3の中央部には、ブレース5の他端部が接合されるX形鋼板からなる第2のガセットプレート17が設けられている。第2のガセットプレート17は、梁3に上下で貫通されており、梁3の上面および下面からそれぞれ二又に分かれて突出されている。梁3の上方または下方に突出された第2のガセットプレート17端部の両面には、第1のガセットプレートに向けて延在する斜めリブプレート18が垂直にそれぞれ接合されており、第2のガセットプレート17端部および斜めリブプレート18には図示せぬボルト孔がそれぞれあけられている。
第2のガセットプレート17の両面には、梁3の底面または上面に接する水平リブプレート19が垂直にそれぞれ接合されている。また、梁3内に埋設される第2のガセットプレート17の両面には、鉛直方向に延在する複数の鉛直リブプレート20が直角にそれぞれ接合されている。複数の鉛直リブプレート20は、梁3の底面に接する水平リブプレート19と梁3の上面に接する水平リブプレート19との間で間隔をあけて配置されている。複数の鉛直リブプレート20の間に位置する第2のガセットプレート17の両面には、複数の第2の梁スタッド21が第2のガセットプレート17面に垂直にそれぞれ接合されている。
第2のガセットプレート17の複数の端部と複数の第1のガセットプレート14の端部との間にはブレース5がそれぞれ配置され、複数のブレース5は第2のガセットプレート17を中心にX形に配置されている。
図2はブレース5を表す平面図であり、図3はブレース5の断面図である。図2、図3に示すように、ブレース5は、芯材22と、芯材22を囲むように設けられた筒状の補剛体23とを備えた構成となっている。芯材22は、低降伏点鋼によって形成されており、その降伏応力度は、通常の本体鉄骨以下のものとなっている。芯材22は中央部22aが両端部22bより幅が狭まった形状のものであり、芯材22の両端部22bには軸方向に延在するリブプレート24が直角にそれぞれ溶接されている。
補剛体23は、二つの溝形鋼25のフランジ25a同士をカバープレート(鋼板)26とツヅリボルト27によってそれぞれ接合し、内部に断面視矩形状の閉鎖空間28を形成するようにしたものである。これら溝形鋼25およびツヅリボルト27は、芯材22に比較して降伏応力度の大きい鋼材により形成されている。二つの溝形鋼25の中間部には、軸方向と直交する方向に延在するリブプレート29が中央およびその両側に間隔をあけてそれぞれ溶接されており、間隔をあけて配置されたリブプレート29の間には軸方向に延在するリブプレート30がそれぞれ溶接されている。
閉鎖空間28には、芯材22の中央部22aが挿通されており、補剛体23と芯材22の中央部22aとの間には、ゴムパッキン(押圧材)31が、板状に形成された芯材22の両面に接するように配置されている。ゴムパッキン31は、補剛体23の長さ寸法と略同一の長さ寸法を有するものとされており、芯材22は、このゴムパッキン31を介して補剛体23側から均等に押圧されている。
図1、図2に示すように、芯材22の両端部22bは、スプライスプレート32を介して第1のガセットプレート14または第2のガセットプレート17にそれぞれ高力ボルトにより2面摩擦接合されており、芯材22の両端部22bに設けられたリブプレート24は、第1のガセットプレート14に設けられた斜め方向に延在する斜めリブプレート15、または第2のガセットプレート17に設けられた斜め方向に延在する斜めリブプレート18にスプライスプレート32を介してそれぞれ高力ボルトにより2面摩擦接合されている。
次に、上記した構成からなる制震構造物1の施工方法について説明する。
まず、予め、工場などで柱鉄骨部材7の中間部に梁鉄骨部材10の一端部を直角に接合する。このとき、柱鉄骨部材7の上下端の対向するフランジ7aの間に複数の柱リブプレート8をそれぞれ溶接接合するとともに、柱鉄骨部材7の上下端のウェブ7b両面に複数の柱スタッド9をスタッド溶接によりそれぞれ接合する。また、梁鉄骨部材10の他端部の対向するフランジ10aの間に複数の梁リブプレート11をそれぞれ溶接接合するとともに、梁鉄骨部材10の他端部のウェブ10b両面に複数の第1の梁スタッド12をスタッド溶接によりそれぞれ接合する。
そして、梁鉄骨部材10の上下方に位置する柱鉄骨部材7と梁鉄骨部材10との入隅に第1のガセットプレート14をそれぞれ配置し、第1のガセットプレート14を柱鉄骨部材7のフランジ7aおよび梁鉄骨部材10のフランジ10aにそれぞれ溶接接合する。また、第1のガセットプレート14の両面に、斜めリブプレート15およびL形リブプレート16をそれぞれ溶接接合する。また、梁鉄骨部材10にはウェブ10bに横架材13が一体形成されたものを使用し、2本の柱鉄骨部材7と、2本の柱鉄骨部材7中央部から張り出された2本の梁鉄骨部材10と、2本の梁鉄骨部材10の間に架設された横架材13とによって、H形の接合部材を形成する。
また、第2のガセットプレート17の中央両面に、複数の水平リブプレート19および複数の鉛直リブプレート20をそれぞれ溶接接合するとともに、複数の第2の梁スタッド21をスタッド溶接によりそれぞれ接合する。また、X形の第2のガセットプレート17のそれぞれの端部両面には、斜めリブプレート18をそれぞれ溶接接合する。
次に、上記した柱鉄骨部材7と梁鉄骨部材10と第1のガセットプレート14と横架材13とが一体に形成された接合部材と、第2のガセットプレート17とを現場に搬入する。そして、予め組み立てられた、隣り合う二組の図示せぬ柱鉄筋籠の上部間に、柱鉄骨部材7と梁鉄骨部材10と第1のガセットプレート14と横架材13とからなる接合部材を架設する。このとき、柱鉄骨部材7の下端が図示せぬ柱鉄筋籠内に嵌入されるとともに柱鉄骨部材7の中間部が仕口部6内に配置されるように接合部材の位置決めを行い、そして仮固定する。
次に、梁鉄骨部材10および横架材13の周りに図示せぬ梁鉄筋籠を組み立てて、そして、図示せぬ柱鉄筋籠および梁鉄筋籠の周りに図示せぬ柱型枠と梁形枠とを建て込む。柱型枠の上部側面および梁形枠の端部底面は、第1のガセットプレート14を挟み込むように建て込む。次に、上記した図示せぬ柱型枠と梁形枠との中にコンクリートを打設し、コンクリートの固化後に図示せぬ柱型枠と梁形枠とを脱型し、鉄筋コンクリート造の柱2および梁3を形成する。
次に、隣り合う2本の柱鉄骨部材7の上方に図示せぬ柱鉄筋籠をそれぞれ組み立てて、2組の図示せぬ柱鉄筋籠の上端に図示せぬ梁鉄筋籠を架設する。このとき、梁鉄筋籠の中央部に第2のガセットプレート17を配置する。第2のガセットプレート17を設置するとき、水平リブプレートが梁3の上面および底面に接して端部が突出するように高さ合わせして位置決めを行い、所定の位置で仮固定する。そして、図示せぬ柱鉄筋籠および梁鉄筋籠の周りに図示せぬ柱型枠と梁形枠とを建て込む。梁形枠の中央部底面は、第2のガセットプレート17を挟み込むように建て込む。次に、上記した図示せぬ柱型枠と梁形枠との中にコンクリートを打設し、コンクリートの固化後に図示せぬ柱型枠と梁形枠とを脱型し、鉄筋コンクリート造の柱2および梁3を形成する。
次に、下方の梁3の両端部上面からそれぞれ突出された第1のガセットプレート14と、上方の梁3の中央部下面から突出された二又の第2のガセットプレート17との間に、ブレース5をそれぞれ配置する。そして、下方の梁3の端部上面から突出された第1のガセットプレート14の端部とブレース5の一端部とをスプライスプレート32を介して2面摩擦接合し、上方の梁3の中央部下面から突出された第2のガセットプレート17の端部とブレース5の他端部とをスプライスプレート32を介してそれぞれ2面摩擦接合する。
また、第2のガセットプレート17が設けられた梁3の上層には、上記した方法と同様にして柱2、梁3および第1のガセットプレート14を形成する。そして、梁3の両端部下面からそれぞれ突出された第1のガセットプレート14と、梁3の中央部上面から突出された二又の第2のガセットプレート17との間に、ブレース5をそれぞれ配置し、スプライスプレート32を介してそれぞれ2面摩擦接合し、複数のブレース5を第2のガセットプレート17を中心にX形に配置する。
上記した構成からなる制震構造物1によれば、仕口部6内には直上から直下にかけて形成された柱鉄骨部材7が設けられ、柱鉄骨部材7の中間部からは梁3内に埋設された梁鉄骨部材10が張り出され、柱鉄骨部材7と梁鉄骨部材10との入隅にはブレース5の端部が接合する第1のガセットプレート14が接合されている。このため、鉄筋コンクリート造の架構フレーム4に減衰力の大きいブレース5が組み入れられ、耐震性能に優れた制震構造物1を構築することができる。
また、柱鉄骨部材7は仕口部6の直上から直下にかけて形成されているだけであり、上下方向に配置される他の柱鉄骨部材7とは連続されていない。また、梁鉄骨部材10は梁3端部に埋設されているだけであり、梁3中央部内には安価な横架材13が架設されている。このため、ブレース5を組み入れる作業は経済的に施工することができ、耐震性能に優れた制震構造物1を安価に提供することができる。
また、柱鉄骨部材7には、柱2の軸に直交する方向に延在する柱リブプレート8および柱スタッド9がそれぞれ接合されているため、ブレース5から受ける鉛直方向の力は、柱リブプレート8および柱スタッド9により、鉄筋コンクリート造の柱3のコンクリートおよび柱鉄筋に伝達される。これによって、鉄筋コンクリート造の制震構造物1の地震時応答変位を低減し、変形性能の劣る鉄筋コンクリート造の構造物の損傷を軽減させることができる。
また、梁鉄骨部材10には、梁3の軸に直交する方向に延在する梁リブプレート11および第1の梁スタッド12がそれぞれ接合されているため、ブレース5から受ける水平方向の力は、梁リブプレート11および第1の梁スタッド12により、鉄筋コンクリート造の梁3に伝達される。これによって、鉄筋コンクリート造の制震構造物1の地震時応答変位を低減し、変形性能の劣る鉄筋コンクリート造の構造物の損傷を軽減させることができる。
以上、本発明に係る制震構造物1の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、複数のブレース5は二層の架構フレーム4に跨ってX形に配置されているが、本発明は、図4に示すように、梁鉄骨部材100を梁101の全長にわたって埋設し、梁鉄骨部材100の中央部に第2のガセットプレート102を垂設させることで、複数のブレース103を第2のガセットプレート102を中心にK形に配置してもよい。この場合は、ブレース103から伝わる鉛直方向の力を梁101の中央で受けることになるため、梁鉄骨部材100は梁101端部だけでなく梁101全長に伸ばされ、ブレース103から伝わる鉛直方向の力を梁鉄骨部材100で受けることができる。また、梁鉄骨部材100の中央部に第2のガセットプレート102を上方に突設させることで、ブレース103をV形に配置してもよい。
また、図5に示すように、仕口部200a内に埋設される柱鉄骨部材201を隣り合う2本の柱202の間で交互に配置し、柱鉄骨部材201中央部に接合される梁鉄骨部材203を梁204の全長にわたって伸ばして反対側の仕口部200b内に挿入させ、柱鉄骨部材201と梁鉄骨部材203との入隅にブレース205を接合させるガセットプレート206を接合し、複数のブレース205を稲妻状(ジグザグ)に配置してもよい。
なお、図4における符号104は柱を表し、符号105は柱鉄骨部材を表し、符号106は第1のガセットプレートを表し、符号107は柱リブプレートを表し、符号108は柱スタッドを表し、符号109は梁リブプレートを表し、符号110は梁スタッドを表す。また、図5における符号207は柱リブプレートを表し、符号208は柱スタッドを表し、符号209は梁リブプレートを表し、符号210は梁スタッドを表す。
また、上記した実施の形態では、対向する梁鉄骨部材10の間に横架材13が架設されているが、本発明は、横架材13を省略して、対向する2本の梁鉄骨部材10を離して連続させなくてもよい。また、上記した実施の形態では、ブレース5に鋼材系の制震ダンパーを使用しているが、本発明は、粘性系ダンパーは粘性弾性体やオイルダンパーの粘性抵抗をダンパーとして利用した粘性系ダンパーを使用してもよい。また、上記した実施の形態では、柱リブプレート8および柱スタッド9からなる柱シアコネクタが使用されており、梁リブプレート11および梁スタッド12からなる梁シアコネクタが使用されているが、本発明は、ブレース5から受ける鉛直方向の軸力を柱3のコンクリートや柱鉄筋に十分に伝達できるのであれば、柱リブプレート8、柱スタッド9、梁リブプレート11および梁スタッド12の何れか或いは全部を省略してもよく、また、柱シアコネクタおよび梁シアコネクタに、頭付きスタッド、Tヘッドバー、溝形鋼、山形鋼、鉄筋材およびプレートナットを使用してもよい。さらに、上記した実施の形態では、ブレース5は、ブレース5の軸心が柱2の軸心と梁3の軸心との交点に交わるように配置されているが、本発明は、ブレース5は、ブレース5の軸心が柱2の軸心と梁3の軸心との交点からずれるように配置してもよい。
本発明に係る制震構造物の実施の形態を説明する断面図である。 本発明に係る制震構造物の実施の形態を説明する部分平面図である。 本発明に係る制震構造物の実施の形態を説明する部分断面図である。 本発明に係る制震構造物のその他の実施の形態を説明する断面図である。 本発明に係る制震構造物のその他の実施の形態を説明する断面図である。
符号の説明
1 制震構造物
2、104、202 柱
3、101、204 梁
4 架構フレーム
5、103、205 ブレース
6、200a、200b 仕口部
7、105、201 柱鉄骨部材
8、107、207 柱リブプレート(柱シアコネクタ)
9、108、208 柱スタッド(柱シアコネクタ)
10、100、203 梁鉄骨部材
11、109、209 梁リブプレート(梁シアコネクタ)
12 第1の梁スタッド(梁シアコネクタ)
14、106 第1のガセットプレート(ガセットプレート)
110、210 梁スタッド(梁シアコネクタ)
206 ガセットプレート

Claims (3)

  1. 間隔をあけて立設される鉄筋コンクリート造の複数の柱と、隣り合う該柱の間に上下に間隔をあけて架設される鉄筋コンクリート造の複数の梁と、隣り合う前記柱および上下で対向する前記梁によって矩形に形成された架構フレーム内に配置される斜めに延在するブレースとが備えられている制震構造物において、
    前記柱と前記梁とが接合される仕口部内には前記柱の軸方向に延在する柱鉄骨部材が埋設され、
    前記梁の端部内には該梁の軸方向に延在する梁鉄骨部材が埋設され、
    前記柱鉄骨部材は、上下方向に配置された他の柱鉄骨部材と連続されずに、前記仕口部直上の前記柱下部から該仕口部直下の前記柱上部にかけて設けられ、
    前記梁鉄骨部材の端部は前記柱鉄骨部材の中間部に接合され、
    前記柱鉄骨部材と前記梁鉄骨部材との入隅には前記ブレースの端部が接合されるガセットプレートが接合されていることを特徴とする制震構造物。
  2. 請求項1記載の制震構造物において、
    前記柱鉄骨部材には、前記柱の軸に直交する方向に延在する柱シアコネクタが接合されていることを特徴とする制震構造物。
  3. 請求項1または2記載の制震構造物において、
    前記梁鉄骨部材には、前記梁の軸に直交する方向に延在する梁シアコネクタが接合されていることを特徴とする制震構造物。
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