JP4044773B2 - 燃料冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンへ燃料を供給する燃料経路に配設される燃料冷却装置に関するものである。より詳しくは、液体燃料をエンジンへ燃料を供給する配管経路に構成される燃料冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンファンによりラジエータに冷却風を送る構成において、エンジンとラジエータの間にファンシュラウドを配設し、ラジエータに冷却風を送る構成は知られている。そして、ファンシュラウドは、ラジエータに固設され、エンジンにより駆動されるファンを被装する構成となっている。また、燃料の配管経路において燃料を冷却する構成としては、特開2000−282990号公報に示されるごとく、燃料噴射ポンプよりの戻し経路において燃料の冷却を行う技術が知られている。さらに、冷却水用のラジエータの冷却風上流側に燃料クーラを配設し、燃料の冷却を行う構成が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成において、燃料配管の全長が長くなり、製造コストがかかる。そして、冷却水のラジエータおよび燃料クーラにおける冷却効率が低い。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく、本発明は次のような手段を用いる。
【0005】
請求項1においては、エンジン(1)の一側面に冷却用ファン(9)を配設し、該冷却用ファン(9)より冷却風を吐出して、ラジエータ(2)側へ冷却風を供給する構成であって、該冷却用ファン(9)よりラジエータ(2)へ冷却風が至る前の冷却風上流側において、該冷却用ファン(9)の外側に被装するファンシュラウド(3)の外側面に、燃料通路(26)を付設し、該燃料通路(26)は、燃料タンク(21)よりエンジン(1)の燃料噴射ポンプ(23)に燃料を供給する燃料供給配管(22)に接続する燃料通路(26)と、前記燃料噴射ポンプ(23)から燃料タンク(21)への、燃料噴射ポンプ(23)において余剰した燃料が戻される為の燃料戻し配管(24)に接続する燃料通路(26)とが配設されているものである。
【0007】
請求項2においては、請求項1記載の燃料冷却装置において、前記該燃料通路(26) を蛇行させたものである。
【0008】
請求項3においては、請求項1記載の燃料冷却装置において、前記ファンシュラウド(3)の内側には、冷却フィン(43)を配設したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0009】
図1は燃料冷却装置の全体構成の第1実施例を示す図、図2は同じく第2実施例を示す図、図3はファンシュラウドと燃料配管の構成を示す図、図4はファンシュラウドに構成された配管構造を示す一部図、図5は燃料温度の変化によるエンジン出力の変化を示す図、図6は燃料冷却装置の全体構成の第3実施例を示す図、図7は第3実施例における燃料配管の構成を示す図、図8燃料冷却装置の全体構成の第4実施例を示す図、図9は第4実施例におけるファンシュラウドの構成を示す図である。
【0010】
[全体構成]
[第1実施例]
エンジン前部に配設されるエンジンの冷却装置の構成について、図1を用いて説明する。エンジン1の前面には、ファン9が配設され、ファン9の前方にラジエータ2が配設されている。ラジエータ2にはエンジン1の冷却水が導入され、このラジエータ2を介してエンジン1に再び導入されるものである。そして、ファン9により冷却風を発生させ、ラジエータ2に冷却風を供給するものである。これにより、ラジエータ2内に導入される冷却水の冷却を行うものである。ファン9はファンシュラウド3により覆われており、冷却風をラジエータ2に効率的に供給する構成となっている。
【0011】
エンジン1は燃料タンク21より、燃料を導入するものである。燃料タンク21には燃料供給配管22が接続されており、この燃料供給配管22を介して燃料が燃料噴射ポンプ23に導入される。そして、燃料噴射ポンプ23よりエンジン1の燃料室に燃料が供給されるものである。燃料噴射ポンプ23には燃料戻し配管24が接続され、燃料噴射ポンプ23において余剰した燃料が燃料タンク21にもどされる構成となっている。
【0012】
燃料のエンジン1への導入構成について説明する。燃料は、燃料タンク21より燃料供給配管22内に導入される。燃料配管22にはウォータセパレータ25が接続されており、このウォータセパレータ25により燃料に含まれる水が取り除かれる。燃料供給配管22はウォータセパレータ25の下流側において、ファンシュラウド3に付設された燃料通路26に接続している。そして、燃料通路26を介した燃料は、フィードポンプ27により燃料フィルタ28を介して燃料噴射ポンプ23に供給される。
【0013】
次に、燃料噴射ポンプ26から燃料タンク21への燃料戻し構成について説明する。燃料噴射ポンプ23において余剰した燃料は、燃料戻し配管24を介して、燃料通路26に導入される。そして、燃料通路26の下流側に接続された燃料戻し配管24により、燃料タンク21に戻される構成となっている。
【0014】
燃料通路26は、ファンシュラウド3の近傍に配設されるものである。ファンシュラウド26において、燃料通路26は燃料供給配管22に接続するものと、燃料戻し配管24に接続するものとが配設されている。ファンシュラウド3の近傍に燃料通路26を設けることにより、燃料供給配管22をファン9より保護しながら、エンジン1のファン9配設側より導入することができる。このため、燃料噴射ポンプ23の後方に燃料フィルタ28を配設した構成において、燃料配管の屈曲を少なくしながら、燃料を燃料フィルタ28に導入することができる。また、燃料通路26において、燃料を上方より導入して、下方より燃料フィルタ28に供給するので、フィードポンプ27を無理なく配置できる。
【0015】
燃料通路26・26をファンシュラウド3の外側に付設することにより、燃料通路26を通過する燃料を冷却することができ、ファンシュラウド3により、燃料通路26がファン9より保護される。これにより、エンジン1近傍において、少ない空間を利用して、燃料の冷却を効率的に行うことができる。さらに、簡単な構造により燃料冷却効率を向上でき、安価に構成できるものである。
【0016】
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について、図2から図4を用いて説明する。図2に示すごとく、ファンシュラウド3はエンジン3の前部に装着され、ファン9より供給される冷却風をラジエータ2に導くものである。ファンシュラウド3の外側面には、燃料通路31・31が構成されている。燃料通路31・31はそれぞれ、燃料タンク21より燃料噴射ポンプ23へ燃料を供給するものと、燃料噴射ポンプ23より燃料タンク21へ燃料を戻すものである。そして、燃料通路31・31は、ファンシュラウド3の外側面において、蛇行した構成となっている。燃料通路31はファンシュラウド3の外側面に沿って、ファンシュラウド3の延出方向に振れた構成となっている。これにより、ファンシュラウド3における燃料通路31の経路長を長くでき、燃料通路31による燃料の冷却効率を向上できる。
【0017】
図3に示すごとく、ファン9はファンプーリー32に固設されており、該ファンプーリー32と一体的に回動するものである。ファンプーリー32には、ファンベルト33が巻架されている。ファンベルト33は、プーリー34にも巻架されており、プーリー34はエンジンのクランク軸とともに回動する構成となっている。これにより、エンジンの運転状態において、ファン9が駆動され、ファンシュラウド3を介してラジエータ2に冷却風が供給される。そして、この過程においてファンシュラウド3に配設した燃料通路31・31において燃料が冷却されるものである。
【0018】
次に、燃料通路31の構成について説明する。燃料通路31は、図4に示すごとく、ファンシュラウド3の外側面に付設されるものである。本実施例においては、燃料通路31は、ファンシュラウド3を構成する板体35の外側面に、凹部37を構成した板体36を装着することにより構成されるものである。板体36は板体35の外側面に固定されるものであり、該板体36の凹部37と板体35の間に燃料通路31が形成されるものである。
【0019】
内側の板体35と外側の板体36は、溶接もしくはかしめにより固定することが可能であり、燃料通路31をファンシュラウド3の側面に容易に構成することが可能である。また、ファンシュラウド3の外側に燃料通路31・31を構成するので、ファンシュラウド3内側における冷却風の流れを阻害することがない。ファンシュラウド3内側に円滑な冷却風を構成するので、燃料を効率的に冷却することができる。さらに、燃料通路31・31を蛇行させ、燃料通路31における冷却風との接触面積を広く構成できるので、燃料の冷却効率を向上できるものである。
【0020】
次に、燃料温度と、エンジン出力、燃料消費率、排気温度、排気濃度の関係について、図5を用いて説明する。25℃付近から40℃付近のまで燃料温度を変化させ、エンジン出力、燃料消費率、排気温度、排気濃度について、測定を行った。この結果、図5に示すごとく、排気温度および排気濃度は略一定に維持され、燃料消費率においては若干の向上が見られ、エンジン出力においては燃料温度の低下にともなう出力向上が見られた。このように、燃料を冷却し、燃料温度を低下させることにより、エンジン出力を向上することが出来るものである。
【0021】
[第3実施例]
次に、図6および図7を用いて、本発明の第3実施例について説明する。第3実施例において、燃料通路41・41はファンシュラウド3の外側面において、ファンシュラウド3外周の一部の配設されている。これにより、燃料通路41における燃料の流動抵抗を低減しながら燃料の冷却効率を向上できる。燃料通路41はファンシュラウド3の下半分の外側面に付設されており、端部において燃料供給配管22もしくは燃料戻し配管24に接続しているものである。
【0022】
[第4実施例]
次に、図8および図9を用いて、本発明の第4実施例について説明する。第4実施例において、燃料通路42・42はファンシュラウド3の外側面において、略全周に設けられるものである。そして、ファンシュラウド3の内側には、ファン43が配設されている。冷却フィン43は、ファンシュラウド3の内周面において、ファン9を回動する軸に対して略放射状に配設されている。そして、冷却風の流れる方向に対して、投影面積が小さくなるように設置されているものである。
【0023】
ファンシュラウド3の内側に冷却用のフィン43を配設することにより、ファン9により発生する冷却風を阻害することなく、燃料通路42による燃料の冷却効果を向上させることができる。さらに、ファンシュラウド9における放熱効果を向上できるので、ファンシュラウド9における燃料通路42の経路を長く構成することができるとともに、燃料通路42の内径を大きく構成し、燃料の流動抵抗を低減することも可能となるものである。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に記載のごとく、エンジン(1)の一側面に冷却用ファン(9)を配設し、該冷却用ファン(9)より冷却風を吐出して、ラジエータ(2)側へ冷却風を供給する構成であって、該冷却用ファン(9)よりラジエータ(2)へ冷却風が至る前の冷却風上流側において、該冷却用ファン(9)の外側に被装するファンシュラウド(3)の外側面に、燃料通路(26)を付設し、該燃料通路(26)は、燃料タンク(21)よりエンジン(1)の燃料噴射ポンプ(23)に燃料を供給する燃料供給配管(22)に接続する燃料通路(26)と、前記燃料噴射ポンプ(23)から燃料タンク(21)への、燃料噴射ポンプ(23)において余剰した燃料が戻される為の燃料戻し配管(24)に接続する燃料通路(26)とが配設したので、エンジン近傍において、少ない空間を利用して、燃料の冷却を効率的に行うことができる。そして、燃料温度を下げ、エンジン出力を向上できる。
【0025】
また、ファンを被装するファンシュラウドの外側面に、燃料供給配管(22)と燃料戻し配管(24)の燃料の通路を付設したので、簡単な構造により燃料の冷却効果を向上でき、製造コストを低減できる。さらに、ファンシュラウドにより燃料通路を保護することができる。
また、燃料通路の流動抵抗を低減しながら、燃料の冷却効率を向上できる。さらに、燃料通路の配置上の自由度を向上できるのである。
【0026】
請求項2に記載のごとく、請求項1記載の燃料冷却装置において、前記該燃料通路(26)を蛇行させたので、燃料の冷却経路を長く構成でき、燃料の冷却効率を向上できる。さらに、ファンシュラウド側面の空間を効率的に利用することができる。
【0027】
請求項3に記載のごとく、請求項1記載の燃料冷却装置において、前記ファンシュラウド(3)の内側には、冷却フィン(43)を配設したので、冷却用ファン(9)により発生する冷却風を阻害することなく、燃料の冷却効率を向上できる。
さらに、ファンシュラウドにおける単位面積あたりの放熱量を向上できるので、燃料経路の構成上の自由度を向上できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 燃料冷却装置の全体構成の第1実施例を示す図。
【図2】 同じく第2実施例を示す図。
【図3】 ファンシュラウドと燃料配管の構成を示す図。
【図4】 ファンシュラウドに構成された配管構造を示す一部図。
【図5】 燃料温度の変化によるエンジン出力の変化を示す図。
【図6】 燃料冷却装置の全体構成の第3実施例を示す図。
【図7】 第3実施例における燃料配管の構成を示す図。
【図8】 燃料冷却装置の全体構成の第4実施例を示す図。
【図9】 第4実施例におけるファンシュラウドの構成を示す図。
【符号の説明】
1 エンジン
2 ラジエータ
3 ファンシュラウド
9 ファン
22 燃料供給配管
23 燃料戻し配管
26 燃料通路
Claims (3)
- エンジン(1)の一側面に冷却用ファン(9)を配設し、該冷却用ファン(9)より冷却風を吐出して、ラジエータ(2)側へ冷却風を供給する構成であって、該冷却用ファン(9)よりラジエータ(2)へ冷却風が至る前の冷却風上流側において、該冷却用ファン(9)の外側に被装するファンシュラウド(3)の外側面に、燃料通路(26)を付設し、該燃料通路(26)は、燃料タンク(21)よりエンジン(1)の燃料噴射ポンプ(23)に燃料を供給する燃料供給配管(22)に接続する燃料通路(26)と、前記燃料噴射ポンプ(23)から燃料タンク(21)への、燃料噴射ポンプ(23)において余剰した燃料が戻される為の燃料戻し配管(24)に接続する燃料通路(26)とが配設されていることを特徴とする燃料冷却装置。
- 請求項1記載の燃料冷却装置において、前記該燃料通路(26)を蛇行させたことを特徴とする燃料冷却装置。
- 請求項1記載の燃料冷却装置において、前記ファンシュラウド(3)の内側には、冷却フィン(43)を配設したことを特徴とする燃料冷却装置。
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