JP4043409B2 - レベル変換回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、信号の振幅を変換するためのレベル変換回路に関し、特に、1種類の導電型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを用いるレベル変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置においては、PチャネルMOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)とNチャネルMOSトランジスタとで構成されるCMOS回路が広く用いられる。このCMOS回路においては、MOSトランジスタのしきい値電圧の特性から、Hレベル(論理ハイレベル)の信号出力時には、PチャネルMOSトランジスタを導通させ、Lレベル(論理ローレベル)の信号の出力時には、NチャネルMOSトランジスタを導通させるのが一般的である。CMOS回路は、その出力信号の変化時において充放電電流が流れるものの、出力信号の安定時には電流は流れないため、消費電力を低減することができる。
【0003】
また、半導体装置内においては、電源電圧および接地電圧と異なる電圧レベルの内部電圧が用いられることがある。内部電圧が、電源電圧よりも高いまたは接地電圧よりも低い場合には、電源電圧および接地電圧の間で変化する信号を、内部電圧および接地電圧の間または電源電圧および内部電圧の間または第1および第2の内部電圧の間で変化する信号に変換するレベル変換回路が必要となる。
【0004】
このようなレベル変換回路をCMOS回路で構成した場合、PおよびNチャネルのMOSトランジスタを用いる必要があり、製造工程数が増大するため、1種類のMOSトランジスタを用いてレベル変換回路を構成する例が、特許文献1(特開2002−328643号公報)において開示されている。
【0005】
この特許文献1に示されるレベル変換回路においては、接地電圧と電源電圧VDD1の間で変化する信号を、接地電圧と電源電圧VDD1よりも高い内部電圧VDD2の間で変化する信号に変換する。この特許文献1に示されるレベル変換回路においては、ダイオード接続される負荷素子と直列に接続されかつ入力信号をゲートに受けるNチャネルMOSドライブトランジスタとで構成される入力段と、内部電圧供給ノードと接地ノードとの間に直列に接続されるNチャネルMOSトランジスタで構成されるプッシュプル出力段と、このプッシュプル出力段の出力ノードと入力段の出力ノードの間に接続される容量素子とを含む。この出力段のハイ側のMOSドライブトランジスタのゲートが入力段の出力ノードに結合され、出力段のロー側MOSドライブトランジスタのゲートへ入力信号が与えられる。
【0006】
容量素子がブートストラップ容量として利用される。いま、入力信号がローレベルであり、入力段においてドライブトランジスタがオフ状態となり、また、出力段においてロー側ドライブトランジスタがオフ状態となる状態を考える。この状態において、入力信号に従って出力段からの出力信号の電圧レベルが上昇する場合、この容量素子のブートストラップ効果により、出力段のハイ側MOSドライブトランジスタのゲート電圧を内部電圧VDD2よりも高くして、電圧VDD2のレベルの信号を生成する。
【0007】
入力信号がハイレベルのときには、出力段のロー側MOSドライブトランジスタにより、出力信号を接地電圧レベルに駆動する。このとき、入力段の出力信号が、ダイオード接続された負荷MOSトランジスタとドライブトランジスタのオン抵抗により決定される電圧レベルのローレベルとなり、出力段のハイ側MOSドライブトランジスタがオフ状態となる。
【0008】
この特許文献1は、レベル変換回路においてNチャネルMOSトランジスタのみを用いて、PチャネルMOSトランジスタを形成する工程を不要とし、工程数を低減することを図っている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−328643号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この特許文献1に示されるレベル変換回路の構成においては、出力段のハイ側MOSドライブトランジスタのゲートをフローティング状態に設定し、容量素子のブートストラップ作用によりそのゲート電圧レベルを上昇させて、入力信号のハイレベル電圧VDD1よりも高いハイレベル電圧VDD2を有する信号を生成している。入力信号のローレベル電圧および出力信号のローレベル電圧は、ともに接地電圧である。入力段のドライブトランジスタおよび出力段のロー側MOSドライブトランジスタのゲートに共通に入力信号を与えることにより、入力信号のハイレベル電圧のレベル変換を行なうことができる。
【0011】
しかしながら、NチャネルMOSトランジスタを用いた場合、その出力信号のローレベル電圧を、接地電圧よりも低くすることはできない。出力段のロー側MOSトランジスタを接地ノードではなく負電圧源に結合した場合、出力段のロー側MOSドライブトランジスタのゲートが接地電圧となっても、オフ状態とならないため、出力段に貫通電流が流れ、また、出力信号のハイレベル電圧のレベルが低下する。
【0012】
この接地電圧よりも低い負電圧レベルのローレベルの信号を生成する場合、この特許文献1の構成において電圧極性を反対とし、またMOSトランジスタをPチャネルとすることにより負電圧レベルのローレベル電圧を生成することができる。しかしながら、この場合、ハイレベル電圧は、入力信号および出力信号において同じ電源電圧レベルとなる。
【0013】
したがって、この特許文献1の構成の場合、NチャネルMOSトランジスタのみを用いて入力信号のローレベル電圧をそのローレベル電圧よりも低い電圧レベルに変換することはできない。同様、PチャネルMOSトランジスタのみを用いて、入力信号のハイレベル電圧よりも高い電圧レベルのハイレベル電圧を有する出力信号を生成することはできない。
【0014】
また、この特許文献1の構成の場合、入力信号のハイレベル電圧およびローレベル電圧両者のレベル変換を、共通の回路構成で行なうことはできない。
【0015】
それゆえ、この発明の目的は、単一導電型のMOSトランジスタを用いて、いずれの論理レベルの信号電圧をも容易にレベル変換することのできるレベル変換回路を提供することである。
【0016】
この発明の他の目的は、NチャネルMOSトランジスタのみを用いて、ローレベル電圧を、これより低い電圧レベルに変換することのできるレベル変換回路を提供することである。
【0017】
この発明のさらに他の目的は、PチャネルMOSトランジスタのみを用いて、ハイレベル電圧を、これより高い電圧レベルに変換することのできるレベル変換回路を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るレベル変換回路は、第1の電源と第2の電源とを有し、第1および第2の電源の電圧差よりも小さな振幅を有する入力信号を第1および第2の電源の電圧に対応する電圧レベルの間で変化する信号に変換するレベル変換回路であり、出力ノードと第1の電源との間に結合される第1のMOSトランジスタと、入力信号を受けるノードと第1のMOSトランジスタのゲートとの間に結合される第1の容量素子と、第1のMOSトランジスタのゲートと第1の電源との間に結合される第1の電流駆動素子と、第2の電源と出力ノードとの間に結合される第2の電流駆動素子を含む。
【0019】
第1のMOSトランジスタのゲート電位は、容量素子の容量結合またはチャージポンプ動作により、第1の電源の電圧レベルを基準として入力信号の振幅で変化する。したがって、確実に第1のMOSトランジスタを入力信号に従って導通/非導通状態に設定することができ、入力信号の第1の電源電圧に対応する論理レベルの電圧レベルを、第1の電源電圧レベルに変換することができる。
【0020】
たとえば、第1のMOSトランジスタがNチャネルMOSトランジスタであり、第1の電源電圧が負電圧の場合、この第1のMOSトランジスタのゲートは、負電圧とそれより高い電圧との間で変化する。したがって、入力信号がハイレベルのときには第1のMOSトランジスタが導通して出力信号が負電圧レベルとなり、入力信号がローレベルのときには、第1のMOSトランジスタのゲート電位が負電圧レベルのローレベルとなって非導通状態となり、出力信号を第2の電流駆動素子によりハイレベルに設定することができる。
【0021】
第1のMOSトランジスタがPチャネルMOSトランジスタの場合、第1のMOSトランジスタのゲート電位は、容量素子により、第1の電源電圧とそれより低い電圧レベルの間で変化し、入力信号に従って第1のMOSトランジスタを確実に導通/非導通状態に設定することができる。入力信号がローレベルのときに、第1のMOSトランジスタのゲート電位がローレベルとなって導通状態となり、出力信号として、第1の電源電圧レベルの信号が生成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従うレベル変換回路の構成を示す図である。この図1に示すレベル変換回路は、ハイレベルが電圧VDD、ローレベルが基準電圧レベルGNDの信号INを、ハイレベルが電圧VDDより高い正電圧VHとローレベルが基準電圧GNDよりも低い負電圧−VLの信号/OUTを生成する。電圧VDDと正電圧VHは、同じ電圧レベルであってもよく、また、電圧VHは、電圧VDDと異なる電圧レベルであってもよい。基準電圧GNDは、各電圧の測定基準レベルを与え、通常、接地電圧レベルである。
【0023】
図1において、レベル変換回路は、ハイ側電源ノード3と出力ノード2の間に接続される抵抗素子5と、出力ノードと負電源ノード4の間に接続されるNチャネルMOSトランジスタ6と、信号入力ノード1とMOSトランジスタ6のゲートノード9の間に接続される容量素子8と、ゲートノード9とロー側電源ノード4の間に接続される抵抗素子7を含む。
【0024】
ハイ側電源ノード3には、正電圧VHが供給され、ロー側電源ノード4には、負電圧−VLが供給される。
【0025】
抵抗素子5は、抵抗値RLを有し、また、抵抗素子7は、抵抗値RGを有する。これらの抵抗素子5および7は、電流駆動素子として機能する。容量素子8は、容量値Ccを有する。
【0026】
入力信号INは、電圧VDDと基準電圧GNDの間で変化する。出力ノード2に、入力信号INを反転した出力信号/OUTが生成される。
【0027】
図2は、図1に示すレベル変換回路の動作を示す信号波形図である。以下、図2を参照して、図1に示すレベル変換回路の動作について説明する。
【0028】
時刻t0において、レベル変換回路が、定常状態であり、入力ノード1に与えられる入力信号INが、基準電圧GNDレベルであるとする。このとき、ゲートノード9が、抵抗素子7により、負電圧−VLレベルに維持され、MOSトランジスタ6が、ゲートおよびソースの電圧が等しく、非導通状態にある。この状態においては、出力ノード2からの出力信号/OUTは、抵抗素子5を介してハイ側電源ノード3から充電され、正電圧VHレベルにある。
【0029】
時刻t1において、入力ノード1へ与えられる入力信号INが、基準電圧GNDから電圧VDDレベルに上昇すると、この電圧変化が、容量素子8を介してゲートノード9に伝達される。ゲートノード9には、MOSトランジスタ6のゲート容量、およびゲートノード9の配線容量等の寄生容量が存在するため、これらの寄生的な容量は、ゲートノード9に容量素子8により結合される電圧のレベルを減少させる。ここでは、このような寄生的な容量に対し容量素子8の容量値Ccが十分大きく設定されており、ゲートノード9には、電圧VDDの電位変化が伝達されるとする。
【0030】
また、抵抗素子7の抵抗値RGと容量素子8の容量値Ccの積で決定される時定数が、入力信号INのハイレベルの期間よりも十分に大きく設定されているとすると、ゲートノード9の電圧は、負電圧−VLから電圧VDDだけ上昇し、抵抗素子7および容量素子8により決定される時定数に従ってわずかずつ、その電圧レベルが低下する。
【0031】
時刻t1において、ゲートノード9の電圧上昇により、MOSトランジスタ6のゲート−ソース間に、電圧VDDが印加される。MOSトランジスタのしきい値電圧が、この電圧VDDよりも十分低く設定されているとすると、MOSトランジスタが導通し、出力ノード2の電圧レベルが、−VL+ΔVL1まで低下する。ここで、電圧ΔVL1は、抵抗素子5とMOSトランジスタ6のオン抵抗の比により決定される出力オフセット電圧である。したがって、ゲートノード9の電圧レベルが、抵抗素子7による放電により低下した場合、MOSトランジスタ6のオン抵抗が上昇し、この出力オフセット電圧ΔVL1も高くなる。
【0032】
時刻t2において、入力信号INが、電圧VDDから基準電圧GNDに低下すると、この電圧変化が、容量素子8を介してゲートノード9に伝達され、ゲートノード9の電圧は、電圧VDDだけ低下する。時刻t2において、ゲートノード9の電圧レベルが、時刻t1に較べて、抵抗素子7を介しての放電により電圧ΔVHだけ低下していると、ゲートノード9の電圧レベルは、負電圧−VLよりもさらに低い電圧レベルとなる。これにより、MOSトランジスタ6が非導通状態となり、出力ノード2が、抵抗素子5により充電され、その電圧レベルが、再び正電圧VHレベルとなる。
【0033】
ここで、出力ノード2の電圧レベルが、時刻t2において、−VL+ΔVL2から正電圧VHに上昇しているのは、MOSトランジスタ6のオン抵抗が、そのゲート電位の低下に従って徐々に増大し、出力オフセット電圧レベルが上昇するためである。
【0034】
この出力ノード2からの出力信号/OUTのハイレベルおよびローレベル両者が、次段の回路の入力論理しきい値レベル外にあるように、電圧ΔVHおよびΔVL2を設定することにより、電圧VDDおよびGNDの間で変化する入力信号INを、電圧VHと電圧ΔVL2−VLの間で変化する信号に変換することができる。
【0035】
なお、電圧ΔVHは、容量素子8の容量値Ccと抵抗素子7の抵抗値RGと入力信号INのハイレベル期間とにより決定される。電圧VL2は、MOSトランジスタ6のゲート−ソース間電圧が電圧VDD−ΔVHのときのチャネル抵抗と、抵抗素子5の抵抗値RLとにより決定される。これらのパラメータを適当に設定することにより、電圧ΔVHおよびΔVL2を、十分に小さくすることが出来る。
【0036】
[変更例1]
図3(A)は、図1に示す抵抗素子5の変更例を示す図である。この図3(A)においては、抵抗素子5に代えて、この抵抗素子5と同程度の電流駆動力を有する定電流源5aが、ハイ側電源ノード3と出力ノード2の間に接続される。
【0037】
図3(B)は、抵抗素子7の変更例を示す図である。この図3(B)に示す構成においては、抵抗素子7に代えて、この抵抗素子7と同程度の電流駆動力を有する定電流源7aが、ゲートノード9とロー側電源ノード4の間に接続される。
【0038】
すなわち、これらの図3(A)および(B)に示す構成においては、図1に示すレベル変換回路において抵抗素子5および7を、定電流源5aおよび7aでそれぞれ置換する。この場合、出力信号/OUTの立上がり速度を、定電流源5aの駆動電流により正確に設定することができる。出力信号/OUTのローレベルは、定電流源5aの供給する電流とMOSトランジスタ6のオン抵抗に従って決定される。また、ゲートノード9の放電速度を、この定電流源7aにより正確に設定することができ、定電流源7aの駆動電流量を十分小さくすることにより、ゲートノード9の電位低下量ΔVHを十分小さくすることができる。
【0039】
[変更例2]
図4(A)は、図1に示す抵抗素子5のさらに他の変更例を示す図である。図4(A)において、抵抗素子5に代えて、そのドレインとゲートがともにハイ側電源ノード3に結合されて、抵抗モードで動作するNチャネルMOSトランジスタ5bが用いられる。
【0040】
図4(B)は、図1に示す抵抗素子7のさらに他の変更例を示す図である。この図4(B)においては、抵抗素子7に代えて、ゲートおよびドレインがゲートノード9に接続されて、抵抗モードで動作するNチャネルMOSトランジスタ7bが用いられる。
【0041】
これらのMOSトランジスタ5bおよび7bは、飽和領域で動作し、そのオン抵抗により、抵抗素子として機能する。これらのMOSトランジスタ5bおよび7bの電流駆動力を、それぞれ抵抗素子5および7の駆動電流と同程度に設定することにより、小占有面積の駆動電流が制限された電流駆動素子を実現することができる。
【0042】
また、MOSトランジスタ6とこれらのMOSトランジスタ5bおよび7bを同一製造プロセスで作製することができ、製造工程数を低減することができる。
【0043】
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、出力信号をローレベルに駆動するNチャネルMOSドライブトランジスタのゲート電位を、入力信号に従って容量結合により変化させており、入力信号のローレベル電圧を、それよりも低い電圧レベルに変換することができる。
【0044】
[実施の形態2]
図5は、この発明の実施の形態2に従うレベル変換回路の構成を示す図である。図13において、レベル変換回路は、ハイ側電源ノード13と出力ノード12の間に接続されるPチャネルMOSトランジスタ16と、出力ノード12とロー側電源ノード14の間に接続される電流駆動素子15と、ハイ側電源ノード13とMOSトランジスタ16のゲートノード19の間に接続される電流駆動素子17と、入力信号INを受ける入力ノード11とゲートノード19の間に接続される容量素子18を含む。
【0045】
入力信号INは、実施の形態1と同様、電圧VDDと基準電圧GNDの間で変化する。ハイ側電源ノード13へは、電圧VHGが与えられ、ロー側電源ノード14へは、電圧VLWが与えられる。このハイ側電源電圧VHGは、入力信号INのハイレベル電圧VDDよりも高い電圧レベルである。ロー側電源電圧VLWは、基準電圧GNDであってもよく、また、それより低い電圧であってもよい。また、このロー側電源電圧VLWは、基準電圧GNDよりも高い電圧であってもよい。
【0046】
電流駆動素子15および17は、それぞれ、抵抗素子、定電流源または抵抗モードで動作するPチャネルMOSトランジスタで構成される。
【0047】
図6は、図5に示すレベル変換回路の動作を示す信号波形図である。以下、図6を参照して、図5に示すレベル変換回路の動作について説明する。
【0048】
今、時刻t10において、入力信号INが電圧VDDレベルにあり、ゲートノード19は、電圧VHGレベルにあり、出力ノード12からの出力信号/OUTが電圧VLWレベルにある状態を考える。
【0049】
時刻t11において、入力信号INが電圧VDDから基準電圧GNDに低下すると、この入力信号INの電位変化が、容量素子18を介してゲートノード19へ伝達され、ノード19の電圧レベルが、電圧VHGから電圧VHG−VDDのレベルに低下する。ゲートノード19における寄生容量は無視している。電圧VDDが、MOSトランジスタ16のしきい値電圧の絶対値よりも十分大きい電圧レベルであれば、MOSトランジスタ16のゲート−ソース間電圧が、そのしきい値電圧よりも低くなり、MOSトランジスタ16が導通し、出力ノード12へ電流を供給し、出力信号/OUTの電圧レベルが上昇する。
【0050】
この出力信号/OUTのハイレベルは、電圧VHGよりも、出力オフセット電圧ΔV2低い電圧レベルである。この出力オフセット電圧ΔV2は、MOSトランジスタ16のオン抵抗と電流駆動素子15の駆動する電流量または抵抗値により決定される。ゲートノード19は、入力信号INの低下に従ってその電圧レベルがVDD低下した後、電流駆動素子17によりハイ側電源ノード13から電流を供給されて、その電圧レベルが上昇する。このゲートノード19の電圧レベル上昇に応じて、MOSトランジスタ16のオン抵抗が増大し、出力信号/OUTの電圧レベルが低下する。これらのゲートノード19の電位変化および出力信号/OUTの電位変化は、入力信号INのLレベル期間ほぼ無視することができる程度に、電流駆動素子15および17の駆動電流量または抵抗値およびMOSトランジスタのオン抵抗を設定する。これらの条件は、実施の形態1の場合と同様である。
【0051】
時刻t12において入力信号INが、基準電圧GNDから電圧VDDレベルに上昇する。この入力信号INの電圧上昇に従ってゲートノード19の電位が上昇し、電圧VHG−VDD+ΔV1から電圧VDDだけ上昇する。このゲートノード19の電位上昇に従ってMOSトランジスタ16が非導通状態となり、出力ノード12が電流駆動素子15により放電され、その電圧レベルが、ロー側電源電圧VLWレベルにまで低下する。ここで、時刻t12の立下り前には、電流駆動素子17からの電流によるゲートノード19の電位上昇に応じてMOSトランジスタ16のオン抵抗が増大し、出力信号/OUTは、電圧VHG−ΔV3の電圧レベルにまで低下している。
【0052】
この図5に示すレベル変換回路を利用する場合、入力信号INのハイレベル電圧VDDを、それより高い電圧VHGに対応する電圧レベルにまで上昇させることができ、電圧VHG−ΔV3(>VDD)のハイレベル電圧を有する出力信号/OUTを生成することができる。特に、このレベル変換回路の出力ノード12の次段回路の入力論理しきい値を超えて、この出力信号/OUTが十分にハイ側およびロー側に変化すれば、この図5に示すレベル変換回路を、ハイレベル電圧のレベル変換回路として利用することができる。
【0053】
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、出力信号をハイレベルに駆動するPチャネルMOSトランジスタのゲート電位を、入力信号に従って容量結合により変化させており、入力信号のハイレベル電圧よりも高いハイレベル電圧を有する信号を、MOSトランジスタとしてPチャネルMOSトランジスタのみを用いて生成することができる。
【0054】
[実施の形態3]
図7は、この発明の実施の形態3に従うレベル変換回路の構成を示す図である。この図7に示すレベル変換回路は、図1に示すレベル変換回路の抵抗素子5に代えてブートストラップ型負荷回路20が用いられる。このブートストラップ型負荷回路20は、ハイ側電源ノード3と出力ノード2の間に接続されるNチャネルMOSトランジスタ21と、ゲートおよびドレインがハイ側電源ノードに接続されかつソースがMOSトランジスタ21のゲートノード24に接続されるNチャネルMOSトランジスタ22と、出力ノード2とノード24の間に接続される容量素子23を含む。
【0055】
MOSトランジスタ22は、導通時、ノード24を、電圧VH−Vthnの電圧レベルに充電する。ここで、Vthnは、MOSトランジスタ22のしきい値電圧を示す。この図7に示すレベル変換回路の他の構成は、図1に示すレベル変換回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
【0056】
また、この図7に示すレベル変換回路の入力信号INと出力信号/OUTのタイミング関係は、図2に示すものと同様である。
【0057】
この図7に示すレベル変換回路において、入力信号INが電圧VDDレベルのハイレベルのときには、ゲートノード9は、電圧VDD−VLのレベルであり、MOSトランジスタ6が導通し、出力ノード2からの出力信号/OUTは電圧−VLレベルに対応する電圧レベルのローレベルとなる。
【0058】
このとき、ブートストラップ型負荷回路20において、MOSトランジスタ21は、そのソースノードが出力ノード2となる。出力ノード2の電位低下に従って容量素子23によりノード24の電位が低下しても、MOSトランジスタ22がオン状態であり、MOSトランジスタ22によりMOSトランジスタ21のゲート電位を電圧VH−Vthnに設定する。通常、電圧VH−Vthn−(−VL)は、MOSトランジスタ21のしきい値電圧よりも高いため、MOSトランジスタ21はオン状態となり、出力信号/OUTの電圧レベルは、MOSトランジスタ21および6の電流駆動力(オン抵抗)により決定される電圧レベルとなる。MOSトランジスタ21の電流駆動力(オン抵抗)を、MOSトランジスタ6の電流駆動力(またはオン抵抗)よりも十分に小さくすることにより、出力信号/OUTは、十分に電圧−VLに近い電圧レベルに設定することができる。
【0059】
入力信号INが、電圧VDDレベルから基準電圧GNDレベルに低下すると、ゲートノード9の電圧レベルが低下し、MOSトランジスタ6が非導通状態となる。したがって、この場合には、出力ノード2は、MOSトランジスタ21により充電され、その電圧レベルが上昇する。出力ノード2の電圧レベルが上昇した場合、この電圧上昇が、容量素子23を介してノード24へ伝達される。ノード24の電圧レベルが、電圧VH−Vthnよりも高くなると、MOSトランジスタ22が非導通状態となり、ノード24はフローティング状態となる。したがって、この出力ノード2からの出力信号/OUTの上昇に従って、ノード24の電圧レベルが電圧VH−Vthnからさらに上昇し、電圧VH+Vthnよりも高くなると、MOSトランジスタ21は、この出力ノード2へ、電圧VHを供給し、出力信号/OUTの電圧レベルが、電圧VHレベルとなる。
【0060】
容量素子23のブートストラップ作用により、高速で、MOSトランジスタ21を深いオン状態とすることができ、抵抗素子などを利用する構成に比べて、高速で、出力信号/OUTを立ち上げることができる。
【0061】
また、この出力信号/OUTのハイレベルからローレベルへの低下時において、ブートストラップ型負荷回路20においてMOSトランジスタ22が最初は非導通状態であるため、容量素子23の容量結合により、ノード24の電圧レベルが低下し、高速で、このノード24の電圧レベルが電圧VH−Vthnレベルにまで低下され、MOSトランジスタ21は、その電流駆動力が十分小さくされ(またはオン抵抗が十分大きくされ)、高速で、出力ノード2をMOSトランジスタ6により放電することができる。
【0062】
したがって、この図7に示すブートストラップ型負荷回路20を利用することにより、高速で出力信号/OUTを変化させることのできるレベル変換回路を実現することができる。
【0063】
特に、この図7に示すレベル変換回路においては、図1に示すレベル変換回路の構成に較べて、出力信号/OUTの立上がり速度を速くすることができる。
【0064】
[変更例]
図8は、この発明の実施の形態3に従うレベル変換回路の変更例の構成を示す図である。この図8に示すレベル変換回路は、図5に示すレベル変換回路の電流駆動素子15を、ブートストラップ型負荷回路30で置換えたものと等価である。この図8に示すレベル変換回路の他の構成は、図5に示すレベル変換回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
【0065】
ブートストラップ型負荷回路30は、出力ノード12とロー側電源ノード14の間に結合されかつゲートがノード34に接続されるPチャネルMOSトランジスタ31と、ゲートおよびドレインがロー側電源ノード14に接続されかつソースがノード34に接続されるPチャネルMOSトランジスタ32と、出力ノード12とノード34の間に接続される容量素子33を含む。
【0066】
MOSトランジスタ32は、導通時、ノード34を、電圧VLW+Vthpのレベルに維持する。ここで、Vthpは、MOSトランジスタ32のしきい値電圧の絶対値を示す。
【0067】
図9は、図8に示すレベル変換回路の動作を示す信号波形図である。この図8に示すレベル変換回路の動作は、図6の信号波形で示すものと同様である。入力信号INが、電圧VDDレベルのハイレベルから電圧GNDレベルのローレベルに低下すると、ノード19の電圧レベルが低下し、MOSトランジスタ16が導通し、出力ノード12からの出力信号/OUTが、ハイレベルとなる。この出力信号/OUTの立ち上がり時においては、容量素子33の容量結合によりノード34の電位が上昇しても、MOSトランジスタ32がオン状態となり、ノード34の電位が電圧VLW+Vthpの電圧レベルに維持される。出力ノード12の電位上昇に従って上昇し、MOSトランジスタ31は、そのソースが出力ノード12である。通常、電圧VH−(Vthp+VLW)はしきい値電圧の絶対値Vthpよりも大きいため、MOSトランジスタ31はオン状態を維持する。出力信号/OUTは、MOSトランジスタ16および31の電流駆動力(またはオン抵抗)により決定される電圧レベルとなる。MOSトランジスタ31の電流駆動力をMOSトランジスタ16の電流駆動力よりも十分に小さくすることにより、出力信号/OUTを電圧VHのレベルに上昇させることが出来る。
【0068】
入力信号INが基準電圧GNDから電圧VDDに上昇すると、ゲートノード19の電圧レベルが上昇し、MOSトランジスタ16が非導通状態へ移行する。このとき、出力ノード12は、MOSトランジスタ31により放電され、その電圧レベルが低下する。この出力ノード12の電圧レベル低下が、容量素子33によりノード34に伝達される。このノード34の電圧レベルが、電圧VLW+Vthpよりも低下すると、MOSトランジスタ32が非導通状態となる。従って、ノード34がフローティング状態となり、容量素子33の容量結合により、ノード34の電圧レベルが、出力ノード12の電位低下に従ってさらに低下し、MOSトランジスタ31が深いオン状態となる。従って、MOSトランジスタ31が大きな電流駆動力で出力ノード12を放電し、ノード34の電位が電圧VLW−Vthp以下に低下すると、出力信号/OUTを、ローレベル電圧VLW(−VL)レベルにまで低下させる。
【0069】
このノード34の電圧変化量は、容量素子33の容量値とノード34の寄生容量との容量分割により設定される。したがって、容量素子33の容量値を十分大きく設定することにより、ノード34の電圧レベルを出力信号/OUTに従って十分に変化させて、MOSトランジスタ31を深いオン状態と浅いオン状態との間で切替えることができ、出力ノード12からの出力信号/OUTを変化させることが出来る。
【0070】
すなわち、この図8に示すレベル変換回路は、ハイレベル電圧のレベル変換機能を有し、さらに出力信号/OUTの立下げを、図5に示す電流駆動素子を用いる場合に比べて、より高速で行なうことができる。
【0071】
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、出力ノードの負荷素子として、ブートストラップ型負荷回路を利用しており、レベル変換された信号を高速で出力することができる。
【0072】
[実施の形態4]
図10は、この発明の実施の形態4に従うレベル変換回路の構成を示す図である。この図10に示すレベル変換回路の構成においては、出力ノード2に生成される信号に従って、最終出力ノード50へレベル変換後の信号/OUTを生成する出力補助回路40がさらに設けられる。入力ノード1に与えられる入力信号INに従って出力ノード2へ信号を生成する回路の部分は、図1に示すレベル変換回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
【0073】
この出力補助回路40は、ハイ側電源ノード3と最終出力ノード50の間に接続されかつそのゲートがノード45に接続されるNチャネルMOSトランジスタ41と、ゲートおよびドレインがハイ側電源ノード3に接続されかつソースがノード45に接続されるNチャネルMOSトランジスタ42と、ハイ側電源ノード3と出力ノード2の間に接続されかつそのゲートがノード45に接続されるNチャネルMOSトランジスタ43と、出力ノード2とノード45の間に接続される容量素子45と、最終出力ノード50とロー側電源ノード4の間に接続されかつそのゲートがゲートノード9に接続されるNチャネルMOSトランジスタ46を含む。
【0074】
図10に示すレベル変換回路の入力信号INを受けて出力ノード2を放電する入力初段の構成は、図1に示すレベル変換回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付して、その詳細説明は省略する。
【0075】
図11は、図10に示すレベル変換回路の動作を示す信号波形図である。以下、図11を参照して、図10に示すレベル変換回路の動作について説明する。
【0076】
入力ノード1に与えられる入力信号INは、電圧VDDと基準電圧GNDの間で変化する。この入力信号INに従って、ゲートノード9は、その電圧レベルが、電圧−VLと電圧VDD−VLの間で変化する。ここで、抵抗素子7における放電による電圧変化ΔVは、十分小さいものとする。また、ゲートノード9の寄生容量は容量素子8の容量値に比べて十分に小さく、無視することができる程度とする。
【0077】
出力ノード2が、電圧−VLレベルのローレベルのときには、ノード45は、MOSトランジスタ42により、電圧VH−Vthnのレベルに維持される。
【0078】
入力信号INが、基準電圧GNDから電圧VDDに上昇すると、ゲートノード9の電圧レベルが上昇し、MOSトランジスタ6のオン抵抗が小さくなり、出力ノード2の電圧レベルが低下する。この状態においては、ノード45の電圧レベルは、MOSトランジスタ42により、電圧VH−Vthnのレベルに維持される。したがって、MOSトランジスタ41はオン状態を維持し、出力ノード2の電圧レベルは、MOSトランジスタ43および6の電流駆動力(またはオン抵抗)により決定される電圧レベルに維持される。
【0079】
このときまた、MOSトランジスタ46が導通し、最終出力ノード50からの出力信号/OUTの電圧レベルが低下する。この出力信号/OUTのローレベルの電圧は、MOSトランジスタ41もオン状態にあるため、MOSトランジスタ41および46の電流駆動力(またはオン抵抗)により決定される。MOSトランジスタ41の電流駆動力をMOSトランジスタ46の電流駆動力よりも十分に小さくするか、または、このMOSトランジスタ41のオン抵抗をMOSトランジスタ46のオン抵抗よりも十分高くすることにより、出力信号/OUTのローレベル電圧を、ほぼ電圧−VLレベルに設定することができる。
【0080】
入力信号INが、電圧VDDから基準電圧GNDに低下すると、ゲートノード9の電圧レベルが低下し、MOSトランジスタ6は、そのゲートおよびソースノード間の電圧が、そのしきい値電圧以下となり、非導通状態となる。応じて、出力ノード2がMOSトランジスタ43により充電されその電圧レベルが上昇する。この出力ノード2の電圧上昇が容量素子44により、ノード45に伝達され、MOSトランジスタ42が非導通状態となり、ノード45の電圧レベルがさらにそのプリチャージ電圧レベルから上昇する。応じてMOSトランジスタ43のオン抵抗が小さくなり(電流駆動力が大きくなり)、出力ノード2の電圧レベルが高速で上昇し、再びこの出力ノード2の電圧上昇がノード45へフィードバックされる。これにより、出力ノード2が、MOSトランジスタ43により、電圧VHレベルにまで充電される。このノード45の電圧レベルは、プリチャージ電圧VH−Vthnから、VH+VL−ΔVだけ上昇する。このノード45の電圧上昇により、MOSトランジスタ41も同様深いオン状態となり、高速で、出力ノード50を充電し、出力信号/OUTを、電圧VHレベルにまで立上げる。このときには、MOSトランジスタ46は、MOSトランジスタ6と同様、ゲートおよびソース間電圧が、しきい値電圧以下であり、非導通状態である。
【0081】
ここで、導通状態および非導通状態は、電流を遮断する状態/電流を駆動する状態を示す。
【0082】
この図10に示すレベル変換回路を用いても、電圧VDDおよび基準電圧GNDの間で変化する信号を、電圧VHと電圧−VL(+ΔV)の間で変化する信号に変換することができる。特に、出力ノード50を、MOSトランジスタ41を用いて充電するため、出力ノード50に容量性負荷が接続される場合においても、その容量性負荷の影響を受けることなく、ノード45の電圧レベルを、高速で電圧VH+VL−ΔV上昇させることができ、図7に示す回路よりも高速で、出力信号/OUTをローレベル電圧からハイレベル電圧へ上昇させることができる。また、出力信号/OUTの立下り時においても、ノード45の電位を容量性負荷の影響を受けることなく、高電圧レベルからプリチャージ電圧VH−Vthnのレベルに復帰させてMOSトランジスタ41の電流駆動力を小さくすることができ、高速で出力信号/OUTはハイレベルからローレベルに立ち下げることができる。
【0083】
[変更例]
図12は、この発明の実施の形態4のレベル変換回路の変更例を示す図である。この図12に示すレベル変換回路は、図8に示すレベル変換回路において、ゲートノード19の電圧とノード34の電圧とに従って最終出力ノード62を駆動するプッシュプル段60が設けられる。この図12に示すレベル変換回路の他の構成は、図8に示すレベル変換回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
【0084】
プッシュプル段60は、ハイ側電源ノード13と最終出力ノード62の間に接続され、かつそのゲートがノード19に接続されるPチャネルMOSトランジスタ65と、最終出力ノード62とロー側電源ノード14の間に接続されかつそのゲートがノード34に接続されるPチャネルMOSトランジスタ66を含む。
【0085】
この図12に示すレベル変換回路の構成の場合、ブートストラップ型負荷回路30の容量素子33が、最終出力ノード62から分離されている。したがって、この容量素子33のブートストラップ効果を最終出力ノード62の容量性負荷の影響を受けることなく十分に大きくすることができ、高速で出力信号/OUTを生成することができる。この図12に示すレベル変換回路の動作波形は、図9に示す動作波形と同様である。出力信号/OUTを電圧VHGから電圧VLW(=−VL)へ高速で立下げることができる(寄生容量などの要因を無視する)。
【0086】
以上のように、この発明の実施の形態4に従えば、ブートストラップ型負荷回路を最終出力ノードから切り離し、最終出力ノードをプッシュプル段で駆動しており、高速で出力信号を変化させることができる。
【0087】
[実施の形態5]
図13は、この発明の実施の形態5に従うレベル変換回路の構成を示す図である。図13において、レベル変換回路は、入力ノード1に与えられる入力信号INを電圧VHおよび−VLの間で変化する信号に変換してノードAに出力する入力段100と、入力段100からの相補信号に従ってノードBを駆動するプッシュプル段110と、プッシュプル段110の出力信号に従ってノードCを駆動するブートストラップ型駆動段120と、入力段100の出力信号とプッシュプル段110の出力信号とブートストラップ型駆動段120の出力信号と最終出力信号OUTとに従って出力ノード150を駆動する最終駆動段130を含む。
【0088】
入力段100は、図7に示すレベル変換回路と同様の構成を備え、入力信号INをゲートノード9に伝達する容量素子8と、ゲートノード9とロー側電源線104の間に接続される抵抗素子7と、ゲートノード9の電圧レベルに従って選択的に導通し、導通時、ノードAをロー側電源線104上の電圧−VLレベルに対応する電圧レベルに駆動するNチャネルMOSトランジスタ6と、ハイ側電源線102とノードAの間に接続されるNチャネルMOSトランジスタQ1と、導通時、MOSトランジスタQ1のゲートへ電圧VH−Vthnを伝達するNチャネルMOSトランジスタQ2と、MOSトランジスタQ1のゲートとノードAの間に接続される容量素子CP1を含む。
【0089】
この入力段100は、その動作は、図7に示すレベル変換回路の動作と同じであり、電圧VDDおよびGNDの間で変化する入力信号INを、電圧VHおよび電圧−VLに対応する電圧の間で変化する信号に変換してノードAに出力する。
【0090】
なお、以下の説明においては、内部ノードの寄生容量、抵抗素子7による放電およびMOSトランジスタの電流駆動力(またはオン抵抗)による出力信号および内部信号の電圧レベルに対する影響を無視し、各回路はレシオ回路のように動作して、各段の出力信号は電圧VHおよび−VLの間で変化するとする。また、MOSトランジスタ6およびQ1からQ15は、しきい値電圧Vthnを有するとする。
【0091】
プッシュプル段110は、ノードAの信号に従って、ハイ側電源線102からノードBに電流を供給するNチャネルMOSトランジスタQ3と、ゲートノード9の信号に従ってノードBからロー側電源線104へ電流を供給するNチャネルMOSトランジスタQ4を含む。
【0092】
このプッシュプル段110においては、入力信号INがローレベルからハイレベルに立上がると、MOSトランジスタQ4が導通し、ノードBの電圧レベルを低下させる。このとき、入力段100の出力ノードAの電圧レベルが低下し、ノードAおよびBの電圧差がVthn以下となると、MOSトランジスタQ3が非導通状態となり、ノードBは、ロー側電源電圧−VLまで低下する。一方、入力信号INの電圧レベルが低下するときには、ゲートノード9の電圧レベルが低下し、MOSトランジスタQ4が非導通状態となる。ノードAが、MOSトランジスタQ1により、電圧VHレベルにまで上昇し、応じて、ノードBは、このMOSトランジスタQ3により、電圧VH‐Vthnレベルにまで充電される。
【0093】
このプッシュプル段110においては、MOSトランジスタQ4のゲート電位が変化した後に、MOSトランジスタQ3のゲート電位が変化する。したがって、ノードBの充電時においては、MOSトランジスタQ4が非導通状態となった後に、MOSトランジスタQ3が導通し、貫通電流がほとんど生じない。一方、このノードBを放電するときには、MOSトランジスタQ4が導通状態となった後に、MOSトランジスタQ3が非導通状態へ移行する。このMOSトランジスタQ3のゲート電位は、オフセット電圧を考慮すると、−VL+ΔVである。したがって、この電圧ΔV(入力段100における出力オフセット電圧)がMOSトランジスタQ3のしきい値電圧Vthnよりも十分小さい場合には、MOSトランジスタQ3を確実にオフ状態に設定することができる。したがって、このプッシュプル段110においては、ノードBの放電時に、貫通電流が流れるだけであり、スイッチング期間のごく短い期間に電流(直流電流)が消費されるだけである。
【0094】
ブートストラップ型駆動段120は、プッシュプル段110の出力ノードB上の信号に従ってノードCをロー側電源電圧−VLレベルに駆動するNチャネルMOSトランジスタQ7と、ハイ側電源線102とノードCの間に接続されるNチャネルMOSトランジスタQ5と、MOSトランジスタQ5のゲートとノードCの間に接続される容量素子CP2と、導通時、MOSトランジスタQ5のゲートを電圧VH−Vthnに充電するNチャネルMOSトランジスタQ6を含む。
【0095】
このブートストラップ型駆動段120は、その動作は、実質的に、入力段100の動作と同じである。プッシュプル段110の出力ノードBの電圧レベルが上昇すると、MOSトランジスタQ7が導通し、ノードCがロー側電源電圧−VLレベル(MOSトランジスタQ5およびQ7のオン抵抗または電流駆動力で決定される電圧レベル)へ駆動される。プッシュプル段110の出力ノードBの電圧レベルが低下すると、MOSトランジスタQ7が非導通状態となる。この場合、ノードCが、MOSトランジスタQ5により充電され、応じて容量素子CP2のブートストラップ作用により、そのゲート電位がさらに上昇し、ノードCを電圧VHレベルまで駆動する。したがって、ノードCは、電圧VHと電圧−VLの間で変化する。
【0096】
レシオレスブートストラップ型出力駆動段130は、入力段100の出力ノードAの信号に従ってノードDをハイ側電源線102からの電流により充電するNチャネルMOSトランジスタQ8と、最終出力ノード150上の出力信号OUTに従ってノードDから電流をロー側電源線104に放電するNチャネルMOSトランジスタQ12と、ノードDの電圧レベルがハイレベルのとき導通し、導通時、ノードをロー側電源線104の電圧レベルへ放電するNチャネルMOSトランジスタQ13と、ノードEとノードFの間に接続される容量素子CP3と、プッシュプル段110の出力ノードB上の信号に従ってノードFを放電するNチャネルMOSトランジスタQ14と、ブートストラップ型駆動段120の出力ノードCからの信号に従ってノードFをハイ側電源線102から充電するNチャネルMOSトランジスタQ10と、ハイ側電源線102とノードEの間に接続されかつそのゲートがノードFに接続されるNチャネルMOSトランジスタQ9と、ノードFの信号電圧に従ってハイ側電源線102から出力ノード150へ電流を供給するNチャネルMOSトランジスタQ11と、プッシュプル段110の出力ノードBからの信号に従って、選択的に導通し、導通時、最終出力ノード150を電圧−VLレベルに駆動するNチャネルMOSトランジスタQ15を含む。
【0097】
レシオレスブートストラップ型最終出力駆動段130においては、以下に詳細にその動作を説明するように、信号の変化の遅延を利用して、ハイ側電源線102からロー側電源線104へ電流が流れる経路を遮断し、消費電流を低減する。また、このレシオレス型ブートストラップ型出力駆動段130により、正確に、電圧VHおよび−VLの間で変化する出力信号OUTが生成される。
【0098】
図14は、図13に示すレベル変換回路の動作を示す信号波形図である。以下、図14を参照して、図13に示すレベル変換回路の動作について説明する。
【0099】
入力ノード1に与えられる入力信号INが、基準電圧GNDからハイレベル電圧VDDに上昇すると、入力段100において、MOSトランジスタ6が導通し、ノードAが、ハイ側電源電圧VHからほぼロー側電源電圧−VLに近い電圧レベルにまで低下する。ここで、MOSトランジスタQ1および6の電流駆動力またはオン抵抗が調整され、この入力段100の出力オフセット電圧は、ほぼ無視することができるものとする。
【0100】
プッシュプル段110においては、この入力段100のゲートノード9の電圧レベルの上昇に従ってMOSトランジスタQ4が導通してノードBを放電し、その電圧レベルを低下させる。次いで、入力段100の出力ノードAの電圧レベルがロー側電源電圧−VLレベルに低下すると、MOSトランジスタQ3が、ゲート−ソース間電圧がしきい値電圧以下となり、非導通状態となる。したがって、ノードBは、MOSトランジスタQ4により、ロー側電源電圧−VLレベルまで放電される。
【0101】
ブートストラップ型駆動段120においては、ノードBの電圧レベルの低下に従って、MOSトランジスタQ7が非導通状態へ移行し、ノードCがMOSトランジスタQ5により充電され、容量素子CP2のブートストラップ作用によりノードCがハイ側電源電圧VHレベルまで充電される。このとき、ノードBは、ロー側電源電圧−VLレベルまで放電されるため、MOSトランジスタQ7は非導通状態に維持される。
【0102】
レシオレスブートストラップ型出力駆動段130においては、以下の動作行なわれる。まず、出力信号OUTは、ロー側電源電圧−VLレベルのローレベルであり、MOSトランジスタQ12は非導通状態にある。また、入力段100の出力ノードAの電圧レベルは、ロー側電源電圧−VLレベルであり、MOSトランジスタQ8も非導通状態にある。先のサイクルで、ノードDが、ローレベルの入力信号INに従って、電圧VH−Vthnレベルにある。一方、プッシュプル段110の出力ノードBの信号に従って、MOSトランジスタQ14およびQ15が、まず非導通状態に設定される。
【0103】
次いで、ブートストラップ型駆動段120の出力ノードCの電圧レベルが上昇すると、MOSトランジスタQ10が導通し、ノードFを充電する。このMOSトランジスタQ10によるノードFの充電動作時、MOSトランジスタQ14は、既に、ノードBの電位に従って非導通状態にあり、MOSトランジスタQ10およびQ14の経路を介してハイ側電源線102からロー側電源線104へ電流が流れるのが防止される。
【0104】
ノードFの電圧レベルが上昇すると、MOSトランジスタQ11が導通し、出力ノード150を充電し、出力信号OUTの電圧レベルを上昇させる。この出力ノード150の充電動作時においても、MOSトランジスタQ15がプッシュプル段110の出力ノードB上の信号に従って非導通状態となった後に、MOSトランジスタQ11が導通するため、ハイ側電源線102からロー側電源線104への電流が流れる経路は存在しない。このノードDが、電圧VH−Vthnレベルに維持されているときは、ノードEはロー側電源電圧−VLレベルであり、ノードFの充電を行なって、その電圧レベルをロー側電源電圧−VLから電圧VH‐Vthnレベルにまで上昇させることができる。
【0105】
出力信号OUTの電圧レベルが上昇し、MOSトランジスタQ12のゲート−ソース間電圧が、そのしきい値電圧よりも高くなると、ノードDがMOSトランジスタQ12により放電されて、その電圧レベルが低下し、MOSトランジスタQ13が非導通状態へ移行する。
【0106】
MOSトランジスタQ13が非導通状態となると、MOSトランジスタQ9がノードFの電圧レベルに従ってノードEの電圧レベルを上昇させる。このノードEの電圧上昇時、ノードFの電圧レベルが上昇すると、MOSトランジスタQ10が非導通状態となるため、ノードFは、フローティング状態となり、容量素子CP3の容量結合により、ノードEの電圧レベル上昇に従って、ノードFの電圧レベルは、電圧VH+ΔVBにまで上昇する。したがって、ノードEは、MOSトランジスタQ9により電圧VHレベルにまで充電される。ノードFの電圧レベルの上昇に従って、さらにMOSトランジスタQ11のゲート電位が上昇するため、出力ノード150からの出力信号OUTが高速で、電圧VHレベルにまで駆動される。
【0107】
したがって、出力信号OUTの電圧レベルを上昇させるとき、MOSトランジスタQ9およびQ13の経路に電流が流れる。しかしながら、これらのMOSトランジスタQ9およびQ13の電流駆動力を十分に小さくすることにより、消費電流を低減することができる。また、MOSトランジスタQ9およびQ13において直流電流(ハイ側電源線102からロー側電源線104へ流れる電流)が流れる期間は、出力信号OUTの遷移時間であり、十分短くすることができる。MOSトランジスタQ11の電流駆動力を十分に大きくすることにより、出力ノード150の負荷が大きい場合でも、高速で出力信号OUTを電圧VHレベルにまで駆動することができる。
【0108】
入力信号INが、ハイレベル電圧VDDからローレベル電圧(基準電圧)GNDに低下する場合、入力段100において、まず、ノード9の電圧レベルは、電圧−VLに近い電圧レベルとなる。ノードAの電圧レベルが上昇し、ノードAの電圧レベルは、ハイ側電源電圧VHとなる。
【0109】
このノードAの電圧レベルの上昇に従って、プッシュプル段110において、MOSトランジスタQ3が導通し、ノードBが電圧レベルVH−Vthnの電圧レベルにまで駆動される。このとき、既にノード9の電圧レベルにより、MOSトランジスタQ4は非導通状態にあるために、ノードB充電時において、ハイ側電源線102からロー側電源線104へ電流が流れる経路は存在しない。
【0110】
プッシュプル段110の出力ノードBの電圧レベルが上昇すると、ブートストラップ型駆動段120において、ノードCが、MOSトランジスタQ7により放電され、その電圧レベルが低下する。
【0111】
最終出力段130において、プッシュプル段110の出力ノードBの電圧レベルの上昇に従って、MOSトランジスタQ14およびQ15が導通し、ノードFを電圧−VLレベルにまで低下させ、また、出力信号OUTの電圧レベルを低下させる。応じて、MOSトランジスタQ9およびQ11が非導通状態となり、出力ノード150からの出力信号OUTは、MOSトランジスタQ15によりロー側電源電圧−VLレベルにまで駆動される。
【0112】
入力段100の出力ノードAの電圧レベル上昇に従ってMOSトランジスタQ8が導通し、ノードDが充電され、その電圧レベルが電圧VH−Vthレベルにまで充電され、応じてMOSトランジスタQ13が導通し、ノードEが電圧−VLレベルにまで駆動される。このMOSトランジスタQ13の導通時、既にMOSトランジスタQ9は、ノードBの電位変化に応答するノードFの電位低下に応じて非導通状態となっており、ノードEの電圧レベル低下時、MOSトランジスタQ9およびQ13を介して流れる電流経路は存在しない。
【0113】
出力信号OUTの電圧レベルが低下すると、MOSトランジスタQ12が非導通状態となる。この場合、MOSトランジスタQ8およびQ12の経路において、出力信号OUTの電圧レベルが低下し、MOSトランジスタQ12が非導通状態となるまで、MOSトランジスタQ8およびQ12を介してハイ側電源線102からロー側電源線104へ電流が流れる。しかしながら、出力信号OUTは高速でロー側電源電圧−VLレベルへ駆動されるため、これらのMOSトランジスタQ8およびQ12を介して流れる電流量は十分小さくすることができる。
【0114】
定常状態時においては、この最終出力段130においてハイ側電源線102からロー側電源線104へ直流電流が流れる経路は存在しないため、MOSトランジスタQ11およびQ15の駆動能力を大きくすることができ、出力ノード150の出力負荷容量が大きい場合でも、高速に最終出力ノードを駆動して出力信号OUTを変化させることができる。
【0115】
入力段100およびブートストラップ型駆動段120は、レシオ回路であり、MOSトランジスタQ1および6ならびにMOSトランジスタQ5およびQ7において、電流が流れる。しかしながら、入力段100およびブートストラップ型駆動段120においては、ノードAおよびCの電圧レベルは相補的に変化するために、入力信号INの論理レベルに従って、入力段100およびブートストラップ型駆動段120の一方においてローレベル信号を出力するときに電流が流れるだけであり、その消費電力は、1つのブートストラップ型負荷回路しか設けないレベル変換回路の消費電力と同程度に設定することができる。
【0116】
また、図13に示すレベル変換回路の構成においても、NチャネルMOSトランジスタに代えてPチャネルMOSトランジスタを用い、かつ電圧極性を逆にする(電源線102に電圧−VLを供給し、電源線104に電圧VHを供給する)ことにより、同様のレベル変換回路を実現することができる。
【0117】
以上のように、この発明の実施の形態5に従えば、レシオレス回路を用いて初段のレベル変換段の出力信号に従って最終出力ノードを駆動しており、高速で出力信号を変化させることのできる低消費電流のレベル変換回路を実現することができる。
【0118】
[実施の形態6]
図15は、この発明の実施の形態6に従うレベル変換回路の要部の構成を示す図である。図15においては、入力信号INに従って、出力ノード2を駆動する入力初段変換段の構成を示す。この図15に示す入力初段変換段は、実施の形態1から5のいずれと組合せて用いられてもよい。この図15に示す入力初段変換段においては、ノード9とロー側電源ノード4の間に、出力ノード2上の信号に従って選択的に導通するNチャネルMOSトランジスタ200が設けられる。すなわち、図1に示すレベル変換回路を例にとると、MOSトランジスタ200が、抵抗素子7に代えて用いられる。
【0119】
図16は、図15に示す入力変換段の動作を示す信号波形図である。以下、図16を参照して、この図15に示す入力初段変換段の動作について説明する。入力信号INが基準電圧GNDレベルのとき、出力ノード2の電圧レベルは電圧VHレベルであり、ノード9は、MOSトランジスタ200により、ロー側電源電圧−VLレベルに維持される。
【0120】
入力信号INがローレベル(GND)からハイレベル(VDD)に上昇すると、ノード9の電圧レベルが上昇し、応じて、MOSトランジスタ6が導通しノード2の電圧レベルが低下する。この出力ノード2の電圧レベルは、レベル変換段の出力ノード2を駆動する回路部分が、レシオ回路であり、ロー側電源電圧−VLよりも高い電圧レベルとなる。しかしながら、出力オフセット電圧を十分小さくすることにより、MOSトランジスタ200を非導通状態に設定することができる。この場合、ノード9は、MOSトランジスタ200においてリーク電流が流れるだけであり、抵抗素子を利用する場合のようなノード9の電圧レベルの低下の問題は生じず、応じて入力信号INのハイレベル期間に対する制約がなくなり、回路の柔軟性が改善される。
【0121】
また、MOSトランジスタ6のゲート電位を一定に維持することができ、応じて、出力ノード2の電圧レベルが一定に維持されるため、出力ノード2のローレベル電圧が上昇する問題を解消でき、出力ノード2の電圧を受ける回路のロー側電圧に対する動作マージンを改善することができる。
【0122】
[変更例]
図17は、この発明の実施の形態6の変更例を示す図である。この図17においては、Pチャネル16を用いて、入力信号INのハイレベル電圧レベルのレベル変換を行なう。この入力初段変換段においては、ハイ側電源ノード3とMOSトランジスタ16のゲートノード19の間に、出力ノード12上の電圧に応答して選択的に導通するPチャネルMOSトランジスタ202が接続される。すなわち、この図17に示す入力変換段は、図5に示すレベル変換回路の電流駆動素子17に代えて、出力ノード12の信号に応答するPチャネルMOSトランジスタ202が利用される。
【0123】
この図17に示す入力変換段の構成の場合、入力信号INがローレベルとなり、容量素子18によりノード19の電圧レベルが低下したとき、ノード12は、MOSトランジスタ16により充電され、ハイ側電源電圧VHに近い電圧レベルとなる。したがって、この場合は、出力ノード12のオフセット電圧を、MOSトランジスタ202を非導通状態に維持する電圧レベルに設定することにより、MOSトランジスタ202を非導通状態に維持することができる。したがって、入力信号INがローレベルのときに、ノード19の電圧レベルが、充電電流により上昇するのを防止でき、入力信号INのローレベル期間に対する制約をなくすことができる。
【0124】
入力信号INがハイレベルに立上がったときには、容量素子18によりノード19がハイ側電源電圧VHの電圧レベルに駆動され、MOSトランジスタ16が非導通状態となり、出力ノード12のローレベル電圧に対して何ら悪影響を及ぼさない。このときには、MOSトランジスタ202によりノード19がハイ側電源電圧VHレベルに維持される。
【0125】
以上のように、この発明の実施の形態6に従えば、入力信号を容量素子を介してゲートに受ける出力駆動MOSトランジスタのゲートノードに、この出力駆動MOSトランジスタのドライブノードの電圧をそのゲートに受けるMOSトランジスタを接続しており、出力駆動MOSトランジスタのゲートノードの電位が変化するのを抑制することができ、入力信号のハイレベル期間およびローレベル期間に対する制約をなくすことができる。
【0126】
[実施の形態7]
図18は、この発明の実施の形態7に従うレベル変換回路の要部の構成を示す図である。この図18に示すレベル変換回路は、図15に示すレベル変換回路の構成において、さらに、ゲートノード9とロー側電源ノード4の間に、高抵抗の抵抗素子210を接続する。図18に示す回路の他の構成は、図15に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
【0127】
抵抗素子210の抵抗値RIを十分に大きくする。抵抗素子210を利用することにより、ゲートノード9の初期電位をロー側電源電圧−VLに設定する。抵抗素子210の抵抗値RIを十分大きく、その駆動電流量を、MOSトランジスタ200のリーク電流以下とすることにより、定常状態時におけるゲートノード9の電位レベルの不要な変化を確実に抑制することともに、正確にゲートノード9の電位を初期設定して、入力信号INに従って出力ノード2に信号を生成することができる。
【0128】
なお、図には示さないが、図17に示す構成においても、この発明の実施の形態7に従って、MOSトランジスタ202と並列に高抵抗の抵抗素子を接続することにより、ゲートノード19の電圧レベルをハイ側電源電圧VHに初期設定することができる。
【0129】
以上のように、この発明の実施の形態7に従えば、入力信号を容量素子を介してゲートに受ける出力駆動MOSトランジスタのゲートに、そのゲートに出力ノード電位を受けるMOSトランジスタと並列に高抵抗の抵抗素子(電流制限素子)を接続しており、確実に、出力駆動MOSトランジスタのゲート電位を所定電圧レベルに初期設定することができる。
【0130】
[実施の形態8]
図19は、この発明の実施の形態8に従うレベル変換回路の要部の構成を示す図である。この図19に示すレベル変換回路においては、図18に示す高抵抗の抵抗素子210に代えて、パワーオンリセット(POR)回路230の出力信号(パワーオンリセット信号)PORに従って導通し、ゲートノード9をロー側電源ノード4に結合するNチャネルMOSトランジスタ220が設けられる。図19に示すレベル変換回路の他の構成は、図18に示すレベル変換回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
【0131】
パワーオンリセット回路230は、ハイ側電源電圧VHとロー側電源電圧−VLを両動作電源電圧として動作し、これらの電圧VHおよび−VLの投入時、パワーオンリセット信号PORを所定期間Hレベル(電圧VHレベル)に駆動する。パワーオンリセット信号PORは、定常状態時においては、ロー側電源電圧−VLレベルに維持される。
【0132】
すなわち、図20に示すように、電源投入前において電圧VHおよび−VLは、ともに、基準電圧GNDレベルである。電源が投入されると、このハイ側電源電圧VHの電圧レベルが上昇して所定の電圧レベル(VH)に到達し、またロー側電源電圧−VLも所定の電圧レベル(−VL)に到達する。この電源投入に応答して、電圧VHおよび−VLが所定の電圧レベルに到達するかまたは安定化すると、パワーオンリセット回路230からのパワーオンリセット信号PORが電圧VHレベルに上昇し、応じて、MOSトランジスタ220が導通する。したがって、ゲートノード9が、ロー側電源ノード4に接続され、ゲートノード9が電圧−VLレベルに初期設定される。
【0133】
所定期間が経過すると、このパワーオンリセット回路230からのパワーオンリセット信号PORが電圧−VLレベルとなり、MOSトランジスタ220が非導通状態となる。通常動作時には、このMOSトランジスタ220は非導通状態に維持されるため、入力信号INのレベル変換動作に対しては、何らこのMOSトランジスタ220は悪影響を及ぼさない。
【0134】
図21は、図19に示すパワーオンリセット回路230の構成の1例を概略的に示す図である。図21において、パワーオンリセット回路230は、電圧VDDおよびGNDを動作電圧として受け、ハイ側電源電圧VHの投入を検出するVH投入検出回路240と、電圧VDDおよびGNDを動作電源電圧として受け、ロー側電源電圧−VLの投入を検出するVL投入検出回路242と、電圧VDDおよびGNDを両動作電源電圧として受けて動作し、投入検出回路240および242から電圧投入検出信号PUPHおよびPUPLを受けるNAND回路244と、NAND回路244の出力信号のレベルを変換するレベル変換回路246と、レベル変換回路246の出力信号MPORの立上りに応答してワンショットのパルス信号を発生するワンショットパルス発生回路248を含む。
【0135】
VH投入検出回路240は、たとえばハイ側電源ノードと接地ノードとの間に直列に接続される容量素子および抵抗素子を含み、この容量素子の容量結合による電圧変化により、ハイ側電源電圧VHが投入されたかをインバータなどを用いて検出し、この投入時、電圧投入検出信号PUPHをHレベルに駆動する。
【0136】
VL投入検出回路242は、たとえば、電圧VDDを受ける電源ノードとロー側電源電圧−VLを受けるロー側電源ノードと間に直列に接続される抵抗素子および容量素子を含み、容量素子の容量結合により、ロー側電源電圧−VLの投入を検出する。このVL投入検出回路242は、電圧−VLの投入時、その出力信号PUPLをHレベルに駆動する。
【0137】
NANDゲート242は、これらの電圧投入検出信号PUPHおよびPUPLがともにHレベル(電圧VDDレベル)のときに、その出力信号を電圧GNDレベルに駆動する。電圧投入検出信号PUPHおよびPUPLの少なくとも一方がローレベルのときには、このNAND回路244は、電圧VDDレベルの信号を出力する。
【0138】
レベル変換回路246は、たとえば図1で示す構成を有し、NAND回路244の出力信号を、電圧VHおよび−VLの間で変化する信号に変換する。
【0139】
ワンショットパルス変換回路248は、電圧VHおよび−VLを動作電源電圧として動作し、レベル変換回路246からの信号MPORの立上がりに応答してワンショットのパルス信号を生成し、パワーオンリセット信号PORを生成する。
【0140】
図22は、図21に示すパワーオンリセット回路230の動作を示す信号波形図である。以下、図22を参照して、図21に示すパワーオンリセット回路230の動作について説明する。
【0141】
このパワーオンリセット回路230においては、電圧VDDおよびGNDが、電圧VHおよび−VLよりも先に安定状態にあることを前提としている。
【0142】
電圧VHが投入され、その電圧レベルが上昇すると、VH投入検出回路240が、内部の容量素子の容量結合によりこの電圧上昇を検出し、電圧投入検出信号PUPHをハイレベルに立上げる。同様に、電圧−VLが投入され、その電圧レベルが低下すると、VL投入検出回路242を、その内部の容量素子の容量結合によりこの電圧レベル低下を検出し、電圧投入検出信号PUPLをハイレベルに駆動する。これらの検出信号PUPHおよびPUPLがともに電圧VDDレベルのハイレベルとなると、NAND回路244の出力信号が電圧GNDレベルのローレベルとなる。
【0143】
レベル変換回路246は、たとえば図1に示す構成を維持し、NAND回路244の出力信号の論理レベルを反転しかつその信号振幅を変換する。したがって、NAND回路244の出力信号の立下がりに応答してレベル変換回路246からの信号MPORが、電圧VHレベルに上昇する。この信号MPORの立上がりに応答してワンショットパルス発生回路248が、所定期間電圧VHレベルへその出力信号PORを駆動し、所定時間経過後に、この信号PORを電圧−VLレベルに駆動する。
【0144】
したがって、この図21に示すパワーオンリセット回路230の構成により、電圧VHおよび−VLがともに所定電圧レベルに到達した後に、パワーオンリセット信号PORをワンショットパルスの形態で生成することができる。
【0145】
なお、この図21に示すパワーオンリセット回路230の構成により、検出回路240および242が電圧VHおよび−VLの投入を検出した後に、パワーオンリセット信号PORを、これらの電圧の投入シーケンスにかかわらず生成することができる。
【0146】
なお、この発明の実施の形態8においても、図19に示す構成において、NチャネルMOSトランジスタをすべてPチャネルMOSトランジスタに設定し、電源ノード4にハイ側電源電圧VHを供給することにより、ハイ側信号の振幅変換を行なうことができる。その場合、パワーオンリセット信号として、図21に示すワンショットパルス発生回路248の出力信号PORの反転信号を初期設定用のPチャネルMOSトランジスタのゲートに与える。
【0147】
以上のように、この発明の実施の形態8に従えば、レベル変換回路の内部ノードを、パワーオンリセット信号に従って初期設定しており、正確に内部ノードを所定電圧レベルに設定し、かつ通常動作モード時、この内部ノードをフローティング状態に設定し、容量素子の容量結合により、正確に、その電圧レベルを設定することができる。
【0148】
なお、上述の実施の形態1から8において、MOSトランジスタとしては、電界効果トランジスタであればよく、半導体基板上に形成されるMOSトランジスタであってもよく、またガラスなどの絶縁性基板上に形成される薄膜トランジスタ(TFT)であってもよい。
【0149】
【発明の効果】
以上のように、この発明に従えば、1種類のMOSトランジスタを用いてレベル変換回路を構成し、かつ出力ドライブトランジスタのゲートを容量素子を介して入力信号に従って駆動している。従って、出力ドライブトランジスタのソースノードの電圧を、その出力信号として入力信号の対応の論理レベルの電圧レベルに係らず出力することができる。これにより、工程数が低減された低消費電力のレベル変換回路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に従うレベル変換回路の構成を示す図である。
【図2】 図1に示すレベル変換回路の動作を示す信号波形図である。
【図3】 (A)および(B)は、図1に示す抵抗素子の代替例を示す図である。
【図4】 (A)および(B)は、図1に示す抵抗素子のさらに他の代替例を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に従うレベル変換回路の構成を概略的に示す図である。
【図6】 図5に示すレベル変換回路の動作を示す信号波形図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に従うレベル変換回路の構成を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態3の変更例を示す図である。
【図9】 図8に示すレベル変換回路の動作を示す信号波形図である。
【図10】 この発明の実施の形態4に従うレベル変換回路の構成を示す図である。
【図11】 図10に示すレベル変換回路の動作を示す信号波形図である。
【図12】 この発明の実施の形態4の変更例を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態5に従うレベル変換回路の構成を示す図である。
【図14】 図13に示すレベル変換回路の動作を示す信号波形図である。
【図15】 この発明の実施の形態6に従うレベル変換回路の要部の構成を示す図である。
【図16】 図15に示す回路の動作を示す信号波形図である。
【図17】 この発明の実施の形態6の変更例を示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態7に従うレベル変換回路の要部の構成を示す図である。
【図19】 この発明の実施の形態8に従うレベル変換回路の要部の構成を示す図である。
【図20】 図19に示すパワーオンリセット回路の動作を示す信号波形図である。
【図21】 図19に示すパワーオンリセット回路の構成の一例を概略的に示す図である。
【図22】 図21に示すパワーオンリセット回路の動作を示す信号波形図である。
【符号の説明】
1 入力ノード、2 出力ノード、3 ハイ側電源ノード、4 ロー側電源ノード、5,7 抵抗素子、8 容量素子、6 MOSトランジスタ、11 入力ノード、12 出力ノード、13 ハイ側電源ノード、14 ロー側電源ノード、16 MOSトランジスタ、15,17 電流駆動素子、18 容量素子、20 ブートストラップ型負荷回路、23 容量素子、22,24 MOSトランジスタ、30 ブートストラップ型負荷回路、33,32 MOSトランジスタ、33 容量素子、40 出力駆動回路、41−43,45,46 MOSトランジスタ、44 容量素子、50 最終出力ノード、60 プッシュプル段、62 最終出力ノード、100 入力変換段、110 プッシュプル段、120 ブートストラップ型駆動段、130 レシオレスブートストラップ型最終出力段、160 最終出力ノード、Q1−Q15 MOSトランジスタ、CP1−CP3 容量素子、200 MOSトランジスタ、210 抵抗素子、220 MOSトランジスタ、230 パワーオンリセット回路。

Claims (15)

  1. 第1の電源と第2の電源とを有し、前記第1および第2の電源の電圧の差よりも小さな振幅を有する入力信号を前記第1および第2の電源の電圧に対応する電圧レベルの間で変化する信号に変換するレベル変換回路であって、
    出力ノードと前記第1の電源との間に結合される第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタ、
    前記入力信号を受けるノードと前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートとの間に結合される第1の容量素子、
    前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートと前記第1の電源との間に結合される第1の電流駆動素子、および
    前記第2の電源と前記出力ノードとの間に結合される第2の電流駆動素子を備える、レベル変換回路。
  2. 前記第1の電源は、前記第2の電源の電圧よりも低い電圧を供給し、前記入力信号は、前記第1の電源の電圧よりも高い電圧レベルを有し、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタはNチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタである、請求項1記載のレベル変換回路。
  3. 前記入力信号のローレベルは、接地電圧レベルである、請求項2記載のレベル変換回路。
  4. 前記第1の電源は、前記第2の電源よりも高い電圧を供給し、前記入力信号は、前記第1の電源の電圧よりも低い電圧レベルを有し、
    前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、Pチャネル絶縁ゲート型電界効果トランジスタである、請求項1記載のレベル変換回路。
  5. 前記第1の電流駆動素子は、電流制限素子である、請求項1記載のレベル変換回路。
  6. 前記第1の電流駆動素子は、前記第1の電源と前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートとの間に結合され、かつそのゲートが前記出力ノードに結合される前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを備える、請求項1記載のレベル変換回路。
  7. 前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと並列に接続される電流制限素子をさらに備える、請求項6記載のレベル変換回路。
  8. リセット信号に応答して前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートと前記第1の電源とを短絡する、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第の絶縁ゲート型電界効果トランジスタをさらに備える、請求項6記載のレベル変換回路。
  9. 前記第2の電流駆動素子は、電流制限素子である、請求項1記載のレベル変換回路。
  10. 前記第2の電流駆動素子は、
    前記第2の電源と前記出力ノードとの間に結合される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記第2の電源と前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートとの間に結合されかつ前記第2の電源から順方向にダイオード接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第3の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記出力ノードと前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートとの間に接続される第2の容量素子とを備え、前記出力ノードにレベル変換後の信号が生成される、請求項1記載のレベル変換回路。
  11. 前記第2の電流駆動素子は、
    前記第2の電源と前記出力ノードとの間に結合される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記第2の電源と前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートとの間に結合されかつ前記第2の電源から順方向にダイオード接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第3の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記出力ノードと前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートとの間に接続される第2の容量素子とを備え、
    前記レベル変換回路は、さらに、
    前記第2の電源と最終出力ノードとの間に結合されかつそのゲートが前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートに接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第4の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記最終出力ノードと前記第1の電源との間に結合されかつそのゲートが前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートに接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第5の絶縁ゲート型電界効果トランジスタとを備え、前記最終出力ノードからレベル変換後の信号が出力される、請求項1記載のレベル変換回路。
  12. 前記第2の電流駆動素子は、
    前記第2の電源と前記出力ノードとの間に結合される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記第2の電源と前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートとの間に結合されかつ前記第2の電源から順方向にダイオード接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第3の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記出力ノードと前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートとの間に接続される第2の容量素子とを備え、
    前記レベル変換回路は、さらに、
    前記出力ノードの信号と前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートの信号とに従って第1の内部ノードを駆動する、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタで構成されるプッシュプル段と、
    前記第1の内部ノードの信号に従って第2の内部ノードを駆動する前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタで構成される内部駆動段と、
    少なくとも前記出力ノードの信号と前記第1および第2の内部ノードの信号とに従って最終出力ノードを駆動してレベル変換後の信号を出力する、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタで構成される最終出力段をさらに備える、請求項1記載のレベル変換回路。
  13. 前記プッシュプル段は、
    前記第1の電源と前記第1の内部ノードとの間に結合され、そのゲートが前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートに結合される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第4の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記第2の電源と前記第1の内部ノードとの間に結合されかつそのゲートが前記出力ノードに接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第5の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを備える、請求項12記載のレベル変換回路。
  14. 前記内部駆動段は、
    前記第2の内部ノードと前記第1の電源との間に結合されかつそのゲートが前記第1の内部ノードに結合される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第4の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記第2の電源と前記第2の内部ノードとの間に結合される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第5の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記第2の電源と前記第5の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートとの間に接続されかつ前記第2の電源から順方向にダイオード接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第6の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記第2の内部ノードと前記第5の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲートとの間に接続される第2の容量素子とを備える、請求項12記載のレベル変換回路。
  15. 前記最終出力段は、
    第3の内部ノードと前記第1の電源との間に結合されかつそのゲートが前記最終出力ノードに結合される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第4の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    第4の内部ノードと前記第1の電源との間に結合されかつそのゲートが第3の内部ノードに接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第6の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記第4の内部ノードと前記第2の電源との間に結合されかつそのゲートが第5の内部ノードに接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第7の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記第4の内部ノードと第5の内部ノードとの間に接続される第3の容量素子と、
    前記第5の内部ノードと前記第1の電源との間に結合されかつそのゲートが前記第1の内部ノードに接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第8の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記第5の内部ノードと前記第2の電源との間に結合されかつそのゲートが前記第2の内部ノードに接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第9の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記最終出力ノードと前記第1の電源との間に結合されかつそのゲートが前記第1の内部ノードに接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第10の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
    前記最終出力ノードと前記第2の電源との間に結合されかつそのゲートが前記第5の内部ノードに接続される、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一導電型の第11の絶縁ゲート型電界効果トランジスタとを備える、請求項12記載のレベル変換回路。
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