JP4042456B2 - タブレット一体型ガラス管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの平面表示装置のパネルに排気管などとしてガラス管を取り付けるためのタブレット一体型ガラス管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイパネル(PDP)等の平面表示装置には、その内部を排気、または排気した後ガスを充填する目的で、排気管と呼ばれるガラス管が取り付けられる。このガラス管は、平面表示装置のパネル裏面に設けられた排気孔の位置と、ガラス管先端の開口の位置が一致するように取り付けられる。
【0003】
ガラス管をパネルに接着する方法として、従来より融点の低いガラス粉末を所定の形状に成形した封着ガラスタブレットが用いられている。特開2001−253724号公報には、このような封着ガラスタブレットとガラス管を一体化したタブレット一体型ガラス管が開示されている。このタブレット一体型ガラス管においては、封着ガラスタブレットの封着温度より高い融点を有する高融点タブレットが設けられている。このような高融点タブレットは、封着ガラスタブレットとガラス管を固着させてタブレット一体型ガラス管を製造する際、治具と封着ガラスタブレットの間に配置され、離型剤として用いることができる。従って、その製造工程を容易にすることができる。また、ガラス管をパネルに封着する際、クリップなどでこの高融点タブレットを挟むことができ、安定した状態でガラス管をパネルに封着することができる。
【0004】
このようなタブレット一体型ガラス管をパネルに取り付ける際には、一般にパネルの表示面を下にパネル裏面を上にした状態で封着されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の状態で封着する際、パネルを下側から支える必要があり、その際にパネルの表示面を傷つけるおそれがあった。このため、表示面を上にした状態でガラス管を下方から封着させる、いわゆる逆さ封着が検討されている。
【0006】
しかしながら、逆さ封着を行った場合、封着ガラスが加熱され軟化流動した時に、封着ガラスが垂れ下がりパネルを支持する治具に付着するという問題を生じた。また封着後、複数のパネルを横向きに立てて並べ、高温下で長時間の排気処理を行う場合、この排気処理の際に封着ガラスの垂れが生じやすいという問題があった。
【0007】
また、パネルを立てた状態で横方向からガラス管をパネルに封着する、いわゆる横方向封着においても、同様に軟化流動した封着ガラスが垂れ下がるという問題を生じた。
【0008】
本発明は、上記の逆さ封着や横方向封着等の場合において、封着ガラスの垂れを防止することができるタブレット一体型ガラス管を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のタブレット一体型ガラス管は、先端にフランジ部が設けられたガラス管と、ガラス管のフランジ部に取り付けられた環状の封着ガラスタブレットと、封着ガラスタブレットの封着温度より高い融点を有し、封着ガラスタブレットを介してガラス管のフランジ部に取り付けられた環状の高融点タブレットとを備え、高融点タブレットを平面表示装置のパネルに向かって押し付けながら封着ガラスタブレットを加熱することにより、封着ガラスタブレットを軟化流動させ、高融点タブレットをパネルに近づくように移動させることにより、封着ガラスタブレットをパネルに押し付けてパネルに接着させ、これによりガラス管をパネルに封着するタブレット一体型ガラス管であり、封着前の封着ガラスタブレットの外周部より外側に位置する高融点タブレットの外周部に、パネルに向かって突出する環状の外周凸部が設けられていることを特徴としている。
【0010】
本発明においては、高融点タブレットの外周部に外周凸部が設けられているため、この高融点タブレットの外周凸部が障壁となり、流動化した封着ガラスが外部に漏れ出すのを防止することができる。また、封着後の状態において、外周凸部とパネルとの距離が1.5mm以下、好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0〜0.7mmとなるように設定されていると、流動化した封着ガラスは表面張力により外周凸部とパネルの間を通過しにくくなる。このため、封着ガラスが漏れ出すのをさらに有効に防止することができる。
【0011】
本発明に従う第1の局面のタブレット一体型ガラス管は、高融点タブレットの基部がガラス管のフランジ部に当接することにより、高融点タブレットがそれ以上パネルに近づかないように構成されたタブレット一体型ガラス管である。基部からの外周凸部の高さが、ガラス管のフランジ部の高さより小さく、かつその差が1.5mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1mm以下、特に好ましくは0〜0.7mmである。
【0012】
第1の局面において、ガラス管のフランジ部の高さは、高融点タブレットがパネルに近づいた時に、高融点タブレットの基部が当接するガラス管のフランジ部の部分とフランジ部の先端部分との間の厚み方向の距離を意味している。
【0013】
本発明に従う第2の局面のタブレット一体型ガラス管は、高融点タブレットの外周凸部の内側に内周凸部が設けられており、かつ該内周凸部がガラス管のフランジ部に当接することにより、高融点タブレットがそれ以上パネルに近づかないように構成されたタブレット一体型ガラス管である。内周凸部の先端からの外周凸部の高さが、ガラス管のフランジ部の高さより小さく、かつその差が1.5mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1mm以下、特に好ましくは0〜0.7mmである。
【0014】
第2の局面に従い、高融点タブレットに内周凸部を設けることにより、高融点タブレットの内側から封着ガラスが漏れ出るのを有効に防止することができる。第2の局面において、ガラス管のフランジ部の高さは、高融点タブレットがパネルに近づいた時に、内周凸部がガラス管のフランジ部と当接する部分とフランジ部の先端部分との間の厚み方向の距離を意味している。
【0015】
本発明に従う第3の局面のタブレット一体型ガラス管は、高融点タブレットの内側端部がガラス管のフランジ部の外側端部よりも外側に位置するように高融点タブレットが設けられたタブレット一体型ガラス管である。高融点タブレットの下方端からの外周凸部の高さが、ガラス管のフランジ部の高さより小さく、かつその差が1.5mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1mm以下、特に好ましくは0〜0.7mmである。
【0016】
第3の局面において、ガラス管のフランジ部の高さは、高融点タブレットをクリップ等で挟み封着する際、高融点タブレットがパネルに近づくことにより、クリップ等がガラス管のフランジ部に当接する部分と、フランジ部の先端部との間の厚み方向の距離を意味している。
【0017】
本発明において、外周凸部の幅は0.2mm以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜10mmである。
本発明のタブレット一体型ガラス管は、逆さ封着により取り付けることができる。すなわち、表示面を上方に向けたパネルに対し、タブレット一体型ガラス管が、ガラス管の先端を上方に向けた状態でパネルの下方に配置され、高融点タブレットを下方から上方に押し付けてガラス管を封着することができる。
【0018】
また、本発明のタブレット一体型ガラス管は、横方向封着により取り付けることができる。すなわち、表示面を横方向に向けたパネルに対し、タブレット一体型ガラス管が、ガラス管の先端をパネル側に向けた状態でパネルの横方向に配置され、高融点タブレットをパネル側に押し付けてガラス管を封着することができる。
【0019】
本発明のタブレット一体型ガラス管は、上記の逆さ封着及び横方向封着の場合においても、封着ガラスの垂れを防止することができる。
本発明の他の局面に従うタブレット一体型ガラス管は、上記の逆さ封着及び横方向封着の場合において、加熱により軟化流動する封着ガラスタブレットの垂れを防止するための垂れ防止部が、高融点タブレットに設けられていることを特徴としている。
【0020】
すなわち、本発明の他の局面に従う逆さ封着に用いられるタブレット一体型ガラス管は、ガラス管と、ガラス管の先端部分に取り付けられた環状の封着ガラスタブレットと、封着ガラスタブレットの封着温度より高い融点を有し、封着ガラスタブレットを介してガラス管に取り付けられた環状の高融点タブレットとを備え、表示面を上方に非表示面を下方に向けて保持された平面表示装置パネルの非表示面に、下方から封着ガラスタブレットを押し付けた状態で加熱することにより、ガラス管をパネルの非表示面に封着するタブレット一体型ガラス管であり、加熱により軟化流動する封着ガラスタブレットの垂れを防止するための垂れ防止部が高融点タブレットに設けられていることを特徴としている。
【0021】
本発明の他の局面に従う横方向封着に用いられるタブレット一体型ガラス管は、ガラス管と、ガラス管の先端部分に取り付けられた環状の封着ガラスタブレットと、封着ガラスタブレットの封着温度より高い融点を有し、封着ガラスタブレットを介してガラス管に取り付けられた環状の高融点タブレットとを備え、表示面を横方向に非表示面を表示面と反対側の横方向に向けて保持された平面表示装置のパネルの非表示面に、非表示面に向かって横方向から封着ガラスタブレットを押し付けた状態で加熱することにより、ガラス管をパネルの非表示面に封着するタブレット一体型ガラス管であり、加熱により軟化流動する封着ガラスタブレットの垂れを防止するための垂れ防止部が高融点タブレットに設けられていることを特徴としている。
【0022】
本発明の他の局面においては、高融点タブレットに垂れ防止部が設けられている。垂れ防止部としては、上述の外周凸部が挙げられるが、本発明の他の局面においてはこれに限定されるものではない。例えば、高融点タブレットの外径を大きくすることにより、軟化流動する封着ガラスタブレットの垂れを防止することができる。このような場合、高融点タブレットの外側に延長された外周部分が垂れ防止部となる。このような垂れ防止部は、封着ガラスの量、封着ガラスの流動性、予定される加熱条件等により封着ガラスの流動量を考慮してその大きさが定められる。
【0023】
また、高融点タブレットの全体の形状を、椀型の形状にすることにより封着ガラスタブレットの垂れを防止してもよい。このような場合、高融点タブレットの外周部分が垂れ防止部となる。
【0024】
本発明の他の局面においても、ガラス管の先端部分にはフランジ部が設けられていることが好ましい。
以下、本発明の各局面に共通する事項について、「本発明」として説明する。
【0025】
本発明において、ガラス管のフランジ部は、先端に近づくにつれて径が広がるフレア部の先端に設けられていることが好ましい。すなわち、ガラス管の先端部にフレア部を形成し、さらにこのフレア部の先端にフランジ部が設けられていることが好ましい。フレア部を設けることにより、フランジ部をガラス管の中心から遠い部分に形成することができる。従って、ガラス管を中心から遠い部分で支えることができ、より少ない力でガラス管を支えることが可能になる。このため、タブレット一体型ガラス管をパネルに対して直立させた状態で安定して支えることができる。
【0026】
また、フレア部を設けることにより、大きな内径のフランジ部を形成することができるので、パネルの排気孔に対する位置合わせが容易になる。
本発明においては、高融点タブレットが設けられているので、タブレット一体型ガラス管を製造する工程において、封着ガラスタブレットをガラス管に取り付ける際、治具と封着ガラスタブレットの間に高融点タブレットを配置させることができ、高融点タブレットを離型剤として用いることができる。このため、タブレット一体型ガラス管を容易に製造することができる。
【0027】
また、封着ガラスタブレットの上に高融点タブレットが設けられているので、この高融点タブレットをクリップ等で挟みタブレット一体型ガラス管をパネルの上に支持することができる。また、高融点タブレットをクリップ等で挟むことにより、高融点タブレットをパネルに向かって押し付けながらガラス管を封着させることができる。このように高融点タブレットをパネルに向かって押し付けることにより、加熱により流動化した封着ガラスをパネルに押し付けて接着させることができる。
【0028】
本発明における封着ガラスタブレットは、封着温度で流動化するガラスであれば特に限定されるものではなく、結晶性ガラス及び非晶質ガラスのいずれであってもよい。一般には、低融点ガラス粉末をプレス成形し環状のタブレットとしたものが用いられる。なお結晶性ガラスを採用する場合、封着時に結晶化するため再加熱しても流動しない。このため排気時の垂れ防止に有利である。
【0029】
本発明において用いる高融点タブレットは、封着ガラスタブレットの封着温度より高い融点を有する環状の成形物であればよく、例えば、ガラス、金属、セラミックス等の無機物から形成されたものが用いられる。また、本発明における高融点タブレットの形状は、環状であれば特に限定されるものではないが、外周部の形状は円形であることが好ましい。しかしながら、外周部の形状は、多角形、楕円形等の他の形状であってもよい。
【0030】
本発明のタブレット一体型ガラス管が封着されるパネルは、特に限定されるものではなく、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマアドレスリキッドクリスタルディスプレイ(PALC)、または蛍光表示管(VFD)などの平面表示装置のパネルが挙げられる。
【0031】
【発明の実施の形態】
表1に示すように、実施例1〜5及び並びに参考例6及び比較例1〜2のタブレット一体型ガラス管を作製した。封着ガラスタブレットの材料としては、以下のガラスを用いた。
【0032】
・LS−0118:日本電気硝子社製非晶質ガラス、推奨封着温度430℃、熱膨張係数72×10-7/℃
・LS−7105:日本電気硝子社製結晶性ガラス、推奨封着温度450℃、熱膨張係数85×10-7/℃
・LS−0206:日本電気硝子社製非晶質複合ガラス、推奨封着温度450℃、熱膨張係数72×10-7/℃
高融点タブレットの材料としては以下の材料を用いた。
・FN−13:日本電気硝子社製高融点ガラス、熱膨張係数76×10-7/℃、軟化点697℃、ガラス転移点513℃
・アルミナ:熱膨張係数70×10-7/℃、耐熱温度1200℃
ガラス管の材料としては、以下の材料を用いた。
・FE−2:日本電気硝子社製ガラス、熱膨張係数85×10-7/℃、耐熱温度(1010ポイズ)550℃
【0033】
(実施例1)
図1(a)は、実施例1のタブレット一体型ガラス管を示す断面図である。図1(a)に示すように、実施例1のタブレット一体型ガラス管は、先端にフランジ部1bが設けられたガラス管1と、ガラス管1のフランジ部1bに取り付けられた環状の封着ガラスタブレット2と、封着ガラスタブレット2を介してガラス管1のフランジ部1bに取り付けられた環状の高融点タブレット3とから構成されている。
【0034】
フランジ部1bは、先端に近づくにつれて径が広くなるフレア部1aの先端に設けられている。
封着ガラスタブレット2の外周部より外側に位置する高融点タブレットの外周部に、外周凸部3aが設けられている。
【0035】
フランジ部の外径d2は13mmであり、内径d1は8mmである。また、ガラス管1の直管部分の外径は5mmであり、内径は3mmである。封着ガラスタブレットの外径は16mmであり、内径は12mmであり、高さは2mmである。高融点タブレット3の外径は17mmであり、内径は11mmである。高融点タブレット3の高さ(外周凸部3aを含まない高さ)は3mmであり、外周凸部の高さは0.5mmである。
【0036】
なお、本実施例において封着ガラスタブレット2は、表1に示すようにLS−0118から形成されており、高融点タブレット3は、FN−13から形成されている。
【0037】
図1(b)は、図1(a)に示す実施例1のタブレット一体型ガラス管をパネルに封着した状態を示す断面図である。ガラス管1のフランジ部1bの内側に、パネル4の排気孔4aが位置するようにタブレット一体型ガラス管をパネル4の下方に配置し、高融点タブレット3をクリップ等で挟み、タブレット一体型ガラス管をパネル4上に直立させた状態で封着温度に加熱する。これにより、高融点タブレット3がパネル4側に押し付けられた状態で、封着ガラスタブレット2が加熱される。このため、封着ガラス2は高融点タブレット3に押し付けられた状態で軟化し流動して押し広がる。本実施例では、高融点タブレット3の基部3bがフランジ部1bに当接するまでパネル4に近づく。高融点タブレット3の基部3bがフランジ部1bに当接すると、高融点タブレット3がそれ以上にパネル4に近づくことができなくなり、この状態で、高融点タブレット3の位置が位置決めされる。
【0038】
流動化した封着ガラスは、パネル4と高融点タブレット3により挟み付けられて押し広がり、外周凸部3aとパネル4との間の隙間に到達する。
図3は、図1(b)の封着部分を拡大して示す図である。図3に示すように、高融点タブレット3の基部3bはフランジ部1bに当接し、高融点タブレット3とパネル4の間に封着ガラス2が閉じ込められた状態となっている。また、高融点タブレット3の外周凸部3aとパネル4のパネル面4bとの間に封着ガラス2の端部が位置している。
【0039】
本実施例では、高融点タブレット3の外周凸部3aとパネル4のパネル面4bとの間の距離aが0.5mmとなっている。このため、封着ガラス2の表面張力により、封着ガラス2がこの部分を通って外部に漏れ出にくくなっている。従って、封着ガラス2の垂れを防止することができる。
【0040】
図3を参照して、本実施例の高融点タブレット3において、基部3bからの外周凸部3aの高さh2は、ガラス管1のフランジ部1bの高さh1より小さく、その差はaとなっている。本実施例において、ガラス管1のフランジ部1bの高さh1は、1mmであり、高融点タブレット3の基部3bからの外周凸部3aの高さh2は0.5mmである。従って、外周凸部3aとパネル4のパネル面4bとの間の距離aは、0.5mmとなる。なお、外周凸部3aの幅wは0.5mmである。
【0041】
図2は、図1に示す実施例1のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図である。図2に示すように、治具5の上に、高融点タブレット3を載せ、この上に封着ガラスタブレット2を載せ、封着ガラスタブレット2の上にガラス管1のフランジ部1bを載せる。この状態で封着ガラスタブレット2を封着温度より低い温度に加熱することにより、封着ガラスタブレット2をわずかに軟化させる。これにより、ガラス管1のフランジ部1bが封着ガラスタブレット2に入り込み、フランジ部1bと封着ガラスタブレット2とが接着され、図1(a)に示す状態のタブレット一体型ガラス管とすることができる。
【0042】
(実施例2)
図4(a)は、実施例2のタブレット一体型ガラス管を示す断面図である。実施例1と同様に、本実施例のタブレット一体型ガラス管は、ガラス管1のフランジ部1bに封着ガラスタブレット2を取り付け、封着ガラスタブレット2に高融点タブレット3を取り付けることにより構成されている。フランジ部1bは、フレア部1aの先端に設けられている。
【0043】
本実施例では、高融点タブレット3の内周部に、内周凹部3cが形成されている。内周凹部3cの深さは0.5mmであり、幅は0.5mmである。
高融点タブレット3に内周凹部3cが形成されていること以外は、実施例1の高融点タブレット3と同様である。また、封着ガラスタブレット2及びガラス管1は、実施例1と同様の寸法形状を有している。
【0044】
図4(b)は、図4(a)に示す実施例2のタブレット一体型ガラス管をパネルに封着した状態を示す断面図である。実施例1と同様に、高融点タブレット3の外周凸部3aとパネル4のパネル面4bとの間の距離が0.5mmとなっている。このため、封着ガラス2の表面張力により、封着ガラス2がこの部分を通って外部に漏れ出にくくなっている。従って、封着ガラス2の垂れを防止することができる。
【0045】
また、高融点タブレット3の内周部には内周凹部3cが形成されている。この内周凹部3cに、高融点タブレット3の内側から外部に出ようとする封着ガラス2が収容される。従って、本実施例によれば、高融点タブレット3の内側における封着ガラス2の垂れも有効に防止することができる。
【0046】
図5は、図4に示す実施例2のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図である。実施例1と同様に、治具5の上に、高融点タブレット3を載せ、この上に封着ガラスタブレット2を載せ、封着ガラスタブレット2の上にガラス管1のフランジ部1bを載せる。この状態で、加熱することにより、封着ガラスタブレット2をわずかに軟化させて、図4(a)に示すタブレット一体型ガラス管を製造することができる。
【0047】
(実施例3)
図6(a)は、実施例3のタブレット一体型ガラス管を示す断面図である。図6(a)に示すように、実施例2と同様に、本実施例においても高融点タブレット3の内周部に内周凹部3cが形成されている。内周凹部3cの寸法形状は、実施例2と同様である。また、高融点タブレット3の下方外周端部に、面取り3dが形成されている。このような面取り3dを形成することにより、例えばクリップで高融点タブレットを挟み付けた場合に、クリップによる荷重により、欠けが発生するのを防止することができる。表1に示すように、本実施例の封着ガラスタブレット2はLS−7105から形成されており、高融点タブレット3はアルミナから形成されている。ガラス管1、封着ガラスタブレット2、及び高融点タブレット3のその他寸法形状等は実施例2と同様である。
【0048】
図6(b)は、図6(a)に示す実施例3のタブレット一体型ガラス管をパネルに封着した状態を示す断面図である。本実施例においても、高融点タブレット3の外周凸部3aとパネル4のパネル面4bとの間の距離が0.5mmとなっているため、封着ガラス2の垂れを防止することができる。また、実施例2と同様に、高融点タブレット3の内周部に内周凹部3cが形成されているので、この部分に封着ガラスを溜めることができ、高融点タブレット3の内側からの封着ガラスの垂れも有効に防止することができる。
【0049】
図7は、図6に示す実施例3に示すタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図である。図7に示すように、治具5の上に、高融点タブレット3、封着ガラスタブレット2、ガラス管1のフランジ部1bを載せ、封着温度より低い温度に加熱することにより、図6(a)に示すタブレット一体型ガラス管を製造することができる。
【0050】
(実施例4)
図8(a)は、実施例4のタブレット一体型ガラス管を示す断面図である。本実施例は、本発明の第2の局面に従う実施例である。図8(a)に示すように、本実施例における高融点タブレット3の内周部には内周凸部3eが形成されている。内周凸部3eの基部3bからの高さは0.3mmであり、幅は0.5mmである。また、本実施例における外周凸部3aの基部3bからの高さは0.8mmであり、幅は0.5mmである。
【0051】
封着ガラスタブレット2の寸法形状は、実施例1〜3と同様である。なお、封着ガラスタブレット2は、表1に示すように、LS−0206から形成されている。本実施例におけるガラス管1は、実施例1〜3と同様の材質及び寸法形状である。
【0052】
図8(b)は、図8(a)に示す実施例4のタブレット一体型ガラス管をパネルに封着した状態を示す断面図である。図8(b)に示すように、本実施例では、高融点タブレット3の内周部に内周凸部3eが形成されているので、この内周凸部3eがフランジ部1bに当接するまで高融点タブレット3はパネル4に近づくことができる。内周凸部3eがフランジ部1bに当接すると、高融点タブレット3はそれ以上にパネル4に近づくことができなくなり、この状態で、高融点タブレット3の位置が位置決めされる。
【0053】
図10は、図8(b)の封着部分を拡大して示す図である。図10に示すように、高融点タブレット3の内周凸部3eがフランジ部1bに当接した状態となっている。内周凸部3eの基部3bからの高さは0.3mmであり、外周凸部3aの基部3bからの高さは、0.8mmである。従って、内周凸部3eの先端からの外周凸部3aの高さh3は、0.5mmとなる。従って、この高さh3と、フランジ部1bの高さh1との差aは、0.5mmとなる。このaは、外周凸部3aとパネル4のパネル面4bとの間の距離に相当する。従って、本実施例において、外周凸部3aとパネル4のパネル面4bとの間の距離aは、0.5mmとなる。なお、外周凸部3aの幅w1及び内周凸部3eの幅w2は、それぞれ0.5mmである。
【0054】
以上のように、本実施例においても、外周凸部3aとパネル面4bとの間の距離aが0.5mmとなっているため、封着ガラス2の垂れを有効に防止することができる。
【0055】
さらに、本実施例においては、内周凸部3eが設けられているので、この内周凸部3eが障壁となり、封着ガラス2が高融点タブレットから外部に漏れ出にくくなる。従って、封着ガラス2の内側への垂れも有効に防止することができる。
【0056】
図9は、図8に示す実施例4のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図である。上記の各実施例と同様に、治具5の上に、高融点タブレットタブレット3、封着ガラスタブレット2、及びガラス管1のフランジ部1bを載せ、封着温度より低い温度に加熱することにより、図8(a)に示す状態のタブレット一体型ガラス管を製造することができる。
【0057】
(実施例5)
図11(a)は、実施例5のタブレット一体型ガラス管を示す断面図である。本実施例は、本発明の第3の局面に従う実施例である。図11(a)に示すように、高融点タブレット3の内側端部が、ガラス管1のフランジ部1bの外側端部より外側に位置するように、高融点タブレット3が設けられている。封着ガラスタブレット2は、ガラス管1のフランジ部1bの外周面に接着されており、高融点タブレット3はこの封着ガラスタブレット2に取り付けられている。高融点タブレット3の外周部には、外周凸部3aが設けられている。
【0058】
本実施例におけるガラス管1の直管部分の外径は5mmであり、内径は3mmである。フランジ部1bの外径は10mmであり、内径は7mmである。また、フランジ部の高さは3mmである。なお、フランジ部の高さは、フランジ部1bの先端部分と、フランジ部における最も高さの高い部分(頂点)1cとの間の距離である。
【0059】
本実施例における封着ガラスタブレット2の外径は13mmであり、内径は10mmであり、高さは1mmである。
本実施例における高融点タブレット3の外径は14mmであり、内径は10mmである。高融点タブレット3の高さ、すなわち下方端3fから基部3bまでの高さは、2.1mmである。また、基部3bからの外周凸部3aの高さは、0.5mmである。
【0060】
なお、本実施例において封着ガラスタブレット2は、表1に示すようにLS−0206から形成されている。
図11(b)は、図11(a)に示す実施例5のタブレット一体型ガラス管をパネルに封着した状態を示す断面図である。図11(a)に示すタブレット一体型ガラス管をパネル4の下方に配置し、高融点タブレット3をクリップ等で挟むと、高融点タブレット3の下方端3fがクリップ等で挟まれた状態となる。この状態で、封着温度に加熱すると、封着ガラスタブレット2が加熱され、軟化して流動化する。高融点タブレット3は、フランジ部1bの外側に設けられているので、フランジ部1bに当接することなく、パネル4側に移動する。高融点タブレット3を押し付けているクリップ等が、フランジ部1bの頂点1cに到達すると、クリップ等による高融点タブレット3への押し付けが解除され、高融点タブレット3はこれ以上にパネル4側に移動しない状態となる。従って、この状態で、高融点タブレット3の位置が位置決めされる。従って、フランジ部1bの頂点1cと高融点タブレット3の下方端3fがほぼ同一面上となった位置で高融点タブレット3が位置決めされる。
【0061】
図13は、図11(b)の封着部分を拡大して示す図である。図13に示すように、フランジ部1bの頂点1cと、高融点タブレット3の下方端3fがほぼ同一面上に揃う位置で、高融点タブレット3の位置が固定され、この状態でガラス管1がパネル4に封着される。
【0062】
フランジ部1bの高さh4は、上述のように3mmである。高融点タブレットの下方端3fから基部3bまでの高さは上述のように2.1mmである。また、外周凸部3aの基部3bからの高さは、上述のように0.5mmである。従って、外周凸部3aの下方端3fからの高さh5は、2.6mmである。従って、フランジ部1bの高さh4と、外周凸部3aの下方端3fからの高さh5の差aは、0.4mmである。このaは、外周凸部3aとパネル4のパネル面4bとの間の距離に相当するので、本実施例における外周凸部3aとパネル面4bとの間の距離は0.4mmとなる。
【0063】
従って、本実施例においても、外周凸部3aとパネル面4bとの間の距離が小さくなっており、このため、封着ガラス2の表面張力により、封着ガラス2がこの部分を通って外部に漏れ出にくくなっている。従って、封着ガラス2の垂れを防止することができる。なお、本実施例における外周凸部3aの幅wは、0.5mmである。
【0064】
図12は、図11に示す実施例5のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図である。図12に示すように、治具5の上に、高融点タブレット3を載せ、高融点タブレット3の内側にガラス管1のフランジ部1bを載せる。フランジ部1bの外周部と、高融点タブレット3の外周凸部3aの間に、封着ガラスタブレット2を載せる。この状態で、封着ガラスタブレット2を封着温度より低い温度に加熱することにより、封着ガラスタブレット2をわずかに軟化させる。これにより、封着ガラスタブレット2を、ガラス管1のフランジ部1bの外周部と高融点タブレット3の基部3bに接着させ、図11(a)に示す状態のタブレット一体型ガラス管とすることができる。
【0065】
参考例6)
図14(a)は、参考例6のタブレット一体型ガラス管を示す断面図である。図14(a)に示すように、本参考例においては、ガラス管1のフランジ部1bに、高融点タブレット3の基部3bが既に当接した状態で取り付けられている。封着ガラスタブレット2は、フランジ部1bの外周部と高融点タブレットの外周凸部3aの間に設けられており、封着ガラスタブレット2の先端が、フランジ部1bの先端部よりも突き出るように設けられている。
【0066】
ガラス管1の寸法形状は、実施例1と同様である。高融点タブレット3の外径は17mmであり、内径は11mmである。また、基部3bの高さは3mmであり、基部3bからの外周凸部3aの高さは0.5mmである。また、外周凸部3aの幅は0.5mmである。
【0067】
封着ガラスタブレットの外径は16mmであり、内径は13mmである。また、封着ガラスタブレットの高さは2mmである。従って、フランジ部1bよりも、先端側に1mm突き出ている。
【0068】
図14(b)は、図14(a)に示す参考例6のタブレット一体型ガラス管をパネルに封着させた状態を示す断面図である。本参考例においても、高融点タブレット3をクリップ等で挟み、タブレット一体型ガラス管をパネル4上に直立させた状態で封着温度に加熱する。これにより、高融点タブレットタブレット3がパネル4側に押し付けられた状態で、封着ガラスタブレット2が加熱される。これにより、封着ガラス2はパネル4のパネル面4bに押し付けられた状態で軟化し流動して押し広がる。フランジ部1bがパネル面4bに当接すると、この状態で、ガラス管1及び高融点タブレット3の位置が位置決めされ、封着される。
【0069】
フランジ部1bの高さが1mmであり、外周凸部3aの高さが0.5mmであるので、外周凸部3aとパネル面4bとの間の距離は、0.5mmとなっている。このため、上記各実施例と同様に、封着ガラス2の垂れを防止することができる。
【0070】
図15は、図14に示す参考例6のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図である。図15に示すように、治具5の上に、高融点タブレット3を載せ、高融点タブレット3の上にガラス管1のフランジ部1bを載せる。次に、フランジ部1bの外周部と高融点タブレット3の外周凸部3aの間に、封着ガラスタブレット2を載せる。この状態で、封着温度より低い温度に加熱することにより、封着ガラスタブレット2をわずかに軟化させ、封着ガラスタブレット2に、フランジ部1bの外周部及び高融点タブレット3を接着させ、図14(a)に示す状態のタブレット一体型ガラス管を製造することができる。
【0071】
(実施例7)
図16(a)は、実施例7のタブレット一体型ガラス管を示す断面図である。実施例7のタブレット一体型ガラス管は、封着前において高融点タブレットの基部がガラス管のフランジ部と当接しており、封着時に高融点タブレットがパネルに向かって移動しない構造となっている。
ガラス管1の直管部分の外径は5mmであり、内径は2mmである。フランジ部1bの外径は13mmであり、内径は8mmである。また、フランジ部の高さは1.7mmである。
【0072】
封着ガラスタブレットの外径は16mmであり、内径は12mmである。また、高さは2mmである。
高融点タブレットの外径は20mmであり、内径は11mmである。また、基部3bまでの高さは3mmである。また、基部3bからの外周凸部3aの高さは、1mmである。外周凸部3aの幅は1.5mmである。
【0073】
表1に示すように、封着ガラスタブレット2はLS−0206から形成されており、高融点タブレット3はFN−13から形成されている。
図16(b)は、図16(a)に示す実施例7のタブレット一体型ガラス管をパネルに封着した状態を示す断面図である。図16(b)に示すように、高融点タブレット3の基部3bがフランジ部1bに当接した状態で封着される。フランジ部1bの高さは1.7mmであり、外周凸部3aの高さは1mmであるので、外周凸部3aとパネル面4bとの間の距離は、0.7mmとなっている。このため、本実施例においても、封着ガラスタブレット2が外周凸部3aとパネル面4bの間を通って外部に漏れ出にくくなっている。従って、本実施例においても、封着ガラスタブレット2の垂れを防止することができる。
【0074】
図17は、図16に示す実施例7のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図である。本実施例においても、上記各実施例と同様に、治具5の上に、高融点タブレット3、封着ガラスタブレット2、及びガラス管1のフランジ部1bを載せた後、加熱することにより、封着ガラスタブレット2を軟化させて、タブレット一体型ガラス管を製造することができる。
【0075】
(比較例1)
図18(a)は、比較例1のタブレット一体型ガラス管を示す断面図である。本比較例は、高融点タブレット3に外周凸部3aが設けられていないこと以外、実施例7のタブレット一体型ガラス管と同様にして構成されている。
【0076】
図18(b)は、図18(a)に示す比較例1のタブレット一体型ガラス管をパネルに封着した状態を示す断面図である。本比較例では、高融点タブレット3に外周凸部が設けられていない。このため、高融点タブレット3の外周部においては、高融点タブレット3とパネル面4bの間の距離はフランジ部1bの高さに相当する1.7mmとなっている。このため、封着ガラスタブレット2が外部に漏れ出るのを十分に防止することができない。
【0077】
図18(c)は、後述する排気処理後の状態を示す図である。封着後、パネル内を排気するための排気処理が一般に行われるが、このような排気処理では、高温に長時間さらされるため、封着ガラスタブレット2が流動しやすい状態となる。本比較例では、パネル面4bと高融点タブレット3との間の距離が1.7mmと広いため、封着ガラスタブレット2が外部に漏れ、図18(c)に示すように封着ガラス2の垂れが発生している。
図19は、図18に示す比較例1のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図である。
【0078】
(比較例2)
図20(a)は、比較例2のタブレット一体型ガラス管を示す断面図である。ガラス管1としては、実施例5と同様のガラス管が用いられている。従って、フランジ部1bの厚みは3mmである。
【0079】
高融点タブレット3の外径は14mmであり、内径は10mmである。また、高さは1mmである。
封着ガラスタブレット2の外径は13mmであり、内径は10mmである。また、高さは2.5mmである。
【0080】
図20(b)は、図20(a)に示す比較例1のタブレット一体型ガラス管をパネルに封着した状態を示す断面図である。高融点タブレット3をクリップ等で挟むと、実施例5と同様に、高融点タブレット3の下方端3fとフランジ部1bの頂点1cがほぼ同じ位置となるまで、高融点タブレットがパネル4側に移動し、この状態で封着される。フランジ部1bの高さは、上述のように3mmであり、高融点タブレット3の高さは1mmであるので、高融点タブレット3とパネル面4bとの間の距離は2mmとなる。
【0081】
図20(c)は、排気処理した後の状態を示す断面図である。図20(c)に示すように、パネル面4bと高融点タブレット3との間の距離が広いため、封着ガラス2が漏れ出し、封着ガラス2の垂れが発生している。
図21は、図20(a)に示す比較例2のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図である。
【0082】
〔逆さ封着における評価〕
実施例1〜5及び並びに参考例6及び比較例1〜2のタブレット一体型ガラス管について逆さ封着を行った場合の封着ガラスの垂れ防止性を評価した。なお封着は、推奨温度を10分間保持することにより行った。
【0083】
封着ガラスの垂れ防止性として以下の基準で評価した。
○:封着ガラスの垂れが認められないかまたは垂れの長さが1mm未満である。
×:封着ガラスの垂れの長さが1mmを越えている。
【0084】
〔逆向け排気処理及び横置き排気処理における評価〕
逆さ封着の状態で封着した後、排気処理し、その時の封着ガラスの垂れ防止性を評価した。また、逆さ封着後、パネルを立て、横置き排気処理した時の封着ガラスの垂れ防止性についても評価した。
排気処理は、410℃とし、排気処理時間は24時間とした。
【0085】
封着ガラスの垂れ防止性については以下のようにして評価した。
○:封着ガラスの垂れが認められないかまたは垂れの長さが1mm未満である。
×:封着ガラスの垂れの長さが1mmを越えている。
【0086】
〔接着強度の測定〕
実施例1〜5及び並びに参考例6及び比較例1〜2について、封着後のガラス管の接着強度を測定した。接着強度は、パネルから60mm離れた位置をパネル面と平行な方向に押し、パネルが破損するか、ガラス管が破壊する時の荷重を接着強度とした。
【0087】
また、その時の破壊状態を以下の基準で評価した。
A:パネルが破損した。
B:ガラス管内面の封着ガラス界面部分を破壊開始地点としてガラス管が破壊した。
【0088】
以上の評価結果を、表1に示す。
【0089】
【表1】
Figure 0004042456
【0090】
表1に示すように、本発明に従う実施例1〜5及び7のタブレット一体型ガラス管では、逆さ封着後及び排気処理後において、封着ガラスの垂れがほとんど認められなかった。また、実施例1〜5及び7のタブレット一体型ガラス管では、封着後及び排気処理後において封着ガラスの状態にほとんど変化は認められなかった。
【0091】
これに対し、比較例1及び2においては、封着後において封着ガラスの垂れが認められた。また排気処理後においては、封着ガラスの垂れがより一層顕著に認められた。
【0092】
また、本発明に従う実施例1〜5及び7のタブレット一体型ガラス管においては、比較例1及び2に比べ、接着強度に優れていることがわかる。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、逆さ封着や横方向封着等の場合において、封着ガラスの垂れを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に従う実施例1のタブレット一体型ガラス管を示す断面図であり、(b)はパネルに封着した状態を示す断面図。
【図2】 本発明に従う実施例1のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図。
【図3】 図1(b)の封着部分を拡大して示す図。
【図4】 (a)は本発明に従う実施例2のタブレット一体型ガラス管を示す断面図であり、(b)はパネルに封着した状態を示す断面図。
【図5】 本発明に従う実施例2のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図。
【図6】 (a)は本発明に従う実施例3のタブレット一体型ガラス管を示す断面図であり、(b)はパネルに封着した状態を示す断面図。
【図7】 本発明に従う実施例3のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図。
【図8】 (a)は本発明に従う実施例4のタブレット一体型ガラス管を示す断面図であり、(b)はパネルに封着した状態を示す断面図。
【図9】 本発明に従う実施例4のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図。
【図10】 図8(b)の封着部分を拡大して示す図。
【図11】 (a)は本発明に従う実施例5のタブレット一体型ガラス管を示す断面図であり、(b)はパネルに封着した状態を示す断面図。
【図12】 本発明に従う実施例5のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図。
【図13】 図11(b)の封着部分を拡大して示す図。
【図14】 (a)は本発明に従う参考例6のタブレット一体型ガラス管を示す断面図であり、(b)はパネルに封着した状態を示す断面図。
【図15】 本発明に従う参考例6のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図。
【図16】 (a)は本発明に従う実施例7のタブレット一体型ガラス管を示す断面図であり、(b)はパネルに封着した状態を示す断面図。
【図17】 本発明に従う実施例7のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図。
【図18】 (a)は比較例1のタブレット一体型ガラス管を示す断面図であり、(b)は封着後の状態を示し、(c)は排気処理後の状態を示す。
【図19】 比較例1のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図。
【図20】 (a)は比較例2のタブレット一体型ガラス管を示す断面図であり、(b)は封着後の状態を示し、(c)は排気処理後の状態を示す。
【図21】 比較例2のタブレット一体型ガラス管を製造する工程を示す断面図。

Claims (9)

  1. 先端にフランジ部が設けられたガラス管と、前記ガラス管のフランジ部に取り付けられた環状の封着ガラスタブレットと、前記封着ガラスタブレットの封着温度より高い融点を有し、前記封着ガラスタブレットを介して前記ガラス管のフランジ部に取り付けられた環状の高融点タブレットとを備え、
    前記高融点タブレットを平面表示装置のパネルに向かって押し付けながら前記封着ガラスタブレットを加熱することにより、前記封着ガラスタブレットを軟化流動させ、前記高融点タブレットを前記パネルに近づくように移動させることにより、前記封着ガラスタブレットを前記パネルに押し付けて前記パネルに接着させ、これにより前記ガラス管を前記パネルに封着するタブレット一体型ガラス管であって、
    封着前の前記封着ガラスタブレットの外周部より外側に位置する前記高融点タブレットの外周部に、前記パネルに向かって突出する環状の外周凸部が設けられており、封着の際、前記高融点タブレットの基部が前記ガラス管のフランジ部に当接することにより、前記高融点タブレットがそれ以上前記パネルに近づかないように構成され、前記基部からの前記外周凸部の高さが、前記ガラス管のフランジ部の高さと同じか、それより小さいことを特徴とするタブレット一体型ガラス管。
  2. 前記基部からの前記外周凸部の高さと、前記ガラス管のフランジ部の高さの差が1.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のタブレット一体型ガラス管。
  3. 先端にフランジ部が設けられたガラス管と、前記ガラス管のフランジ部に取り付けられた環状の封着ガラスタブレットと、前記封着ガラスタブレットの封着温度より高い融点を有し、前記封着ガラスタブレットを介して前記ガラス管のフランジ部に取り付けられた環状の高融点タブレットとを備え、
    前記高融点タブレットを平面表示装置のパネルに向かって押し付けながら前記封着ガラスタブレットを加熱することにより、前記封着ガラスタブレットを軟化流動させ、前記高融点タブレットを前記パネルに近づくように移動させることにより、前記封着ガラスタブレットを前記パネルに押し付けて前記パネルに接着させ、これにより前記ガラス管を前記パネルに封着するタブレット一体型ガラス管であって、
    封着前の前記封着ガラスタブレットの外周部より外側に位置する前記高融点タブレットの外周部に、前記パネルに向かって突出する環状の外周凸部が設けられており、前記高融点タブレットの外周凸部の内側に内周凸部が設けられており、かつ封着の際、該内周凸部が前記ガラス管のフランジ部に当接することにより、前記高融点タブレットがそれ以上前記パネルに近づかないように構成され、前記内周凸部の先端からの前記外周凸部の高さが、前記ガラス管のフランジ部の高さと同じか、それより小さいことを特徴とするタブレット一体型ガラス管。
  4. 前記内周凸部の先端からの前記外周凸部の高さと、前記ガラス管のフランジ部の高さの差が1.5mm以下であることを特徴とする請求項3に記載のタブレット一体型ガラス管。
  5. 先端にフランジ部が設けられたガラス管と、前記ガラス管のフランジ部に取り付けられた環状の封着ガラスタブレットと、前記封着ガラスタブレットの封着温度より高い融点を有し、前記封着ガラスタブレットを介して前記ガラス管のフランジ部に取り付けられた環状の高融点タブレットとを備え、
    前記高融点タブレットを平面表示装置のパネルに向かって押し付けながら前記封着ガラスタブレットを加熱することにより、前記封着ガラスタブレットを軟化流動させ、前記高融点タブレットを前記パネルに近づくように移動させることにより、前記封着ガラスタブレットを前記パネルに押し付けて前記パネルに接着させ、これにより前記ガラス管を前記パネルに封着するタブレット一体型ガラス管であって、
    封着前の前記封着ガラスタブレットの外周部より外側に位置する前記高融点タブレットの外周部に、前記パネルに向かって突出する環状の外周凸部が設けられており、前記高融点タブレットの内側端部が前記ガラス管のフランジ部の外側端部よりも外側に位置し、か つ前記ガラス管の先端を上方とした場合における前記高融点タブレットの下方端が前記ガラス管のフランジ部の下方端よりも下方に位置するように前記高融点タブレットが設けられており、前記高融点タブレットの下方端からの前記外周凸部の高さが、前記ガラス管のフランジ部の高さと同じか、それより小さいことを特徴とするタブレット一体型ガラス管。
  6. 前記高融点タブレットの下方端からの前記外周凸部の高さと、前記ガラス管のフランジ部の高さとの差が1.5mm以下であることを特徴とする請求項5に記載のタブレット一体型ガラス管。
  7. 表示面を上方に向けた前記パネルに対し、前記タブレット一体型ガラス管が、前記ガラス管の先端を上方に向けた状態で前記パネルの下方に配置され、前記高融点タブレットを下方から上方に押し付けて前記ガラス管が封着されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のタブレット一体型ガラス管。
  8. 表示面を横方向に向けた前記パネルに対し、前記タブレット一体型ガラス管が、前記ガラス管の先端を前記パネル側に向けた状態で前記パネルの横方向に配置され、前記高融点タブレットをパネル側に押し付けて前記ガラス管が封着されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のタブレット一体型ガラス管。
  9. 前記平面表示装置が、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマアドレスリキッドクリスタルディスプレイ(PALC)、または蛍光表示管(VFD)であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のタブレット一体型ガラス管。
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