以下、添付図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明を適用したインクジェット記録装置の一実施形態の概略を示す全体構成図である。
図1において、インクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字の結果を読み取る印字検出部24と、印字済みの記録紙(プリント物)を外部に排出する排紙部26とを備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、またはこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッタ28が設けられており、このカッタ28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッタ28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、この固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッタ28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成については詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、給水ロール等をニップする方式、洗浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度をローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラが接触するので、画像が滲みやすいという問題がある。したがって、本例のように印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、図2に示すように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って、上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。すなわち、記録紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(記録紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字をするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットからなるライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。そして、副走査を行う方向を副走査方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
また、本実施形態では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色の色数や組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本実施形態の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されてなるエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色のヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出の判定は、吐出の有無、ドットサイズの判定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の対候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)と、テスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッタ(第2のカッタ)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッタ48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するものである。カッタ48の構造は、前述した第1のカッタ28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソータが設けられている。
次に、印字ヘッド(液体吐出部)について説明する。インク色毎に設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを表すものとし、図3に印字ヘッド50の平面透視図を示す。
図3に示すように、本実施形態の印字ヘッド50は、インクを液滴として吐出するノズル51、インクを吐出する際にインクに圧力を付与する圧力室52、圧力室52にインクを供給するインク供給口53を含んで構成される圧力室ユニット54が千鳥状の2次元マトリクスで配列され、ノズル51の高密度化が図られている。
図3に示すように、各圧力室52は、上方から見ると略正方形状をしており、その対角線の一方の端にノズル51が形成され、他方の端にインク供給口53が設けられている。
また、図3の4−4線に沿った断面図を図4に示す。図4に示すように、圧力室ユニット54は、インクを吐出するノズル51と連通する圧力室52によって形成され、圧力室52には、供給口53を介してインクを供給する共通流路55が連通するとともに、圧力室52の一面(図では天面)は振動板56で構成され、その上部には、振動板56に圧力を付与して振動板を変形させる圧電素子58が接合され、圧電素子58の上面には個別電極57が形成されている。また、振動板56は共通電極を兼ねている。
圧電素子58は、共通電極(振動板56)と個別電極57によって挟まれており、これら2つの電極56、57に駆動電圧を印加することによって変形する。圧電素子58の変形によって振動板56が押され、圧力室52の容積が縮小されてノズルか51からインクが吐出されるようになっている。2つの電極56、57間への電圧印加が解除されると圧電素子58がもとに戻り、圧力室52の容積が元の大きさに回復し、ヘッド共通流路55から供給口53を通って新しいインクが圧力室52に供給されるようになっている。
図5は、インクジェット記録装置10におけるインク循環系の構成を示した概要図である。
なお、図5においては、表示を簡単にするため、印字ヘッド50内の図4に示した共通流路55、供給口53及び圧力室52をまとめてひとつの四角59で表現している。
図5に示すインクジェット記録装置10には、印字ヘッド50のノズル51の乾燥防止及びそのノズル51近傍のインク増粘防止を行うとともに印字ヘッド50(具体的にはそのノズル51)からインクを引き受ける部材として、キャップ920が設けられている。印字中又は待機中において、ノズル51の近傍の増粘したインクを排出すべく、印字ヘッド50からキャップ920に向かってインクを強制的に吐出するパージ(なお、パージは「予備吐出」、「空吐出」などと呼ばれることもある)が行われる。また、印字ヘッド50にキャップ920を当て、印字ヘッド50内のインク(気泡が混入したインク)をキャップ920側に吸引するようになっている。このようなキャップ920側への吸引動作は、インクカートリッジ60の装填時、あるいは長時間の停止後の使用開始時などに行われ、印字ヘッド50内のインクがキャップ920側に吸い出される。すなわち、印字ヘッド50内のインクに混入した気泡が増大したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりして、パージではインクを吐出できないような場合でも、キャップ920を印字ヘッド50に密着し、吸引動作を行うことにより、印字ヘッド50の不要なインクをキャップ920側に引き渡すことが可能になっている。パージや吸引によって印字ヘッド50からキャップ920に引き渡されたインクは、印字ヘッド50から吐出するインクとして再利用される。
なお、印字ヘッド50からキャップ920に引き渡されたインクには、増粘して固化したインクの塊(増粘インク塊)や、紙粉などの異物が混入しており、印字ヘッド50での吐出不良を防いで高品質の印字を行うためには、このような異物を除去してから印字ヘッド50にインクを供給する必要がある。以下、異物を取り除いてインクを循環させる構成について詳細に説明する。
インクカートリッジ60は、インクジェット記録装置10の本体に取り付け及び取り外し可能(着脱可能)なユニットであって、図1のインク貯蔵/装填部14を構成する。このインクカートリッジ60には、印字ヘッド50に供給されるインクを貯蔵する供給インク室61、印字ヘッド50からキャップ920を介して回収されたインクを一時貯蔵する回収インク室62、回収インク室62内のインクを希釈するための希釈液を貯蔵する希釈液室63、及び、使用済みのフィルタ70を収納する廃フィルタ収納室65が、区画形成されている。なお、本実施形態において、希釈液は、フィルタ70に蓄積した異物を取り除くための洗浄液を兼ねており、希釈液室63は、洗浄液を貯蔵する洗浄液室63を兼ねている。
供給インク室61から第1ポンプ111(インク供給ポンプ)を経て印字ヘッド50に至る管路が、インク供給流路91である。供給インク室61に貯蔵されていたインクは、第1ポンプ111(インク供給ポンプ)の駆動によりインク供給流路91を介して印字ヘッド50に供給され、印字ヘッド50のノズル面50Aに形成されたノズル51から吐出される。ノズル51から吐出されなかった余剰なインクは、キャップ920に引き渡される場合を除き、未吐出インク流路95(印字ヘッド50からキャップ920を介さないで直接に供給インク室61に至る流路である)を介して、供給インク室61に還流していく。
キャップ920から第2ポンプ112(インク回収ポンプ)を経て回収インク室62に至る管路が、インク回収流路92である。インク回収流路92は、後述の希釈流路94との共通流路9294を含む。印字ヘッド50からパージ等によりキャップ920に向けて吐出されたインク、又は、印字ヘッド50からキャップ920に吸引されたインクは、第2ポンプ112(インク回収ポンプ)の駆動により、インク回収流路92を介して、回収インク室62に回収される。回収インク室62に回収されたインクは、そのインク特性(インクの濃度、粘度、比重等)に応じて希釈液室63の希釈液を用いて希釈された後、回収インク室62と供給インク室61との間に形成された連通部621を介して供給インク室61に落下する。すなわち、印字ヘッド50で吐出可能な特性に還元されたインクが供給インク室61に戻ってくる。
希釈液室63(洗浄液室を兼ねる)から第3ポンプ113を経てフィルタ洗浄位置のフィルタ70を洗浄し再び希釈液室63に至る管路が、洗浄流路93であり、希釈液室63から第3ポンプ113を経て回収インク室62に至る管路が、希釈流路94である。洗浄流路93は希釈流路94との共通流路9394を含み、希釈流路94は洗浄流路93との共通流路9394及びインク回収流路92との共通流路9294を含む。希釈流路弁121(弁1)が開状態かつ洗浄流路弁122(弁2)が閉状態のとき、希釈液室63に貯蔵されていた希釈液は、第3ポンプ113の駆動により、希釈流路94を介して、回収インク室62に投入される。これにより回収インク室62内のインクが希釈される。一方で、希釈流路弁121(弁1)が閉状態かつ洗浄流路弁122(弁2)が開状態のとき、希釈液室63(洗浄液室を兼ねる)に貯蔵されていた希釈液(洗浄液を兼ねる)は、フィルタ洗浄位置に配置されたフィルタ(図5示す70d)の洗浄液として、第3ポンプ113の駆動により、洗浄流路93を介して、再び希釈液室63に還流する。このような希釈液(洗浄液を兼ねる)の流動により、フィルタ70に蓄積した異物が取り除かれる。
インク供給流路91、インク回収流路92、及び、洗浄流路93の途中には、それぞれフィルタ70(70b、70c、70d)がひとつずつ着脱可能に接続される。インク供給経路91に接続されたフィルタ70bは、供給インク室61から印字ヘッド50に供給されるインクを通過させてインクに含まれる異物を捕捉する。インク回収流路92に接続されたフィルタ70cは、キャップ920から回収インク室62に回収されるインクを通過させてインクに含まれる異物を捕捉する。洗浄流路93に接続されたフィルタ70dは、洗浄流路93を流動する希釈液(洗浄液を兼ねる)によって異物が取り除かれる。フィルタ70dから取り除かれた異物は、希釈液とともに希釈液室63(洗浄液室を兼ねる)に流入する。
本実施形態のインクジェット記録装置10では、流路やインクカートリッジ60内の液室等の共通化を図っている。このようなインク循環系の構成の理解を助けるため、図6には論理的な構成を示す。
本実施形態では、図6に示すように、同一のフィルタ70が、フィルタ70を取り付ける取付位置、インク供給流路91に接続されるインク供給位置、インク回収流路92に接続されるインク回収位置、洗浄流路93に接続される洗浄位置の順に移動し、洗浄によりフィルタ70の異物が十分に取り除かれたときには、再び取付位置、インク供給位置、インク回収位置、洗浄位置の順に移動するようになっている。すなわち、フィルタ70の状態が、非接続状態(待機状態)、インク供給流路91への接続状態、インク回収流路92への接続状態、洗浄流路93への接続状態の順に繰り返して切り替わり、フィルタ70が再利用されるようになっている。洗浄により異物が十分に取り除かれなかったフィルタ70は、インクカートリッジ60内の廃フィルタ収納室65に投入される。
図5に示すフォルダ80は、複数のフィルタ70を保持し、各フィルタ70が複数の流路に順に接続されるようにフィルタ70の位置を切り替える。このフォルダ80は、主として、図7及び図8に示す回転部81と、図9、図10及び図11に示す固定部82によって構成されている。
フォルダ80の回転部81の正面図を図7に示し、側面図を図8に示す。図7及び図8において、フォルダの回転部81は、複数のフィルタ70(70a、70b、70c、70d)を着脱自在に保持するとともに、回転軸810の軸線を中心として回転する。回転軸810は、図示を省略した駆動部により回転駆動される。このような回転部81の回転により、各フィルタ70は、取付位置、インク供給位置、インク回収位置、洗浄位置の順に位置が切り替わり、取付位置に戻り、再び、インク供給位置、インク回収位置及び洗浄位置の順に位置が切り替わる。そして、廃棄位置を兼ねる取付位置で廃フィルタと判別されるまで、フィルタ70は、回転軸81を中心とした円周上を周回することにより、各位置を巡回する。
取付位置は、フィルタ70をフォルダ80に取り付け可能な位置である。取付位置に配置されたフィルタ70aは、各流路から離脱した状態になる。なお、取付位置は、本実施形態において、廃棄位置を兼ねており、フィルタ70をフォルダ80から取り外し可能な位置でもある。インク供給位置は、フィルタ70がインク供給流路91に接続される位置である。インク供給位置に配置されたフィルタ70bは、供給インク室61から印字ヘッド50に対して供給されるインクに含まれる異物を除去する。インク回収位置は、フィルタ70がインク回収流路92に接続される位置である。インク回収位置に配置されたフィルタ70cは、キャップ920から回収インク室62に回収されるインクに含まれる異物を除去する。洗浄位置は、フィルタ70が洗浄流路93に接続される位置である。洗浄位置に配置されたフィルタ70dは、第3ポンプ113の駆動により希釈液室63から吸引した希釈液を洗浄液として異物が取り除かれる。
フォルダ50の固定部82の正面図を図9に示し、そのA−A断面図を図10、B−B断面図を図11に示す。
図11において、フォルダ80の固定部82には、ベアリング822を有する軸受部821が形成されている。固定部82は、図7及び図8に示す回転部81を囲うとともに、軸受部821により回転部81の回転軸810を介して回転部81を回転自在に支持する。
また、固定部82には、インク供給流路91の一部を構成する貫通孔(第1貫通孔831、第2貫通孔832)、インク回収流路92の一部を構成する貫通孔(第3貫通孔833、第4貫通孔834)、及び、洗浄流路93の一部を構成する貫通孔(第5貫通孔835、第6貫通孔836)が形成されており、さらに各貫通孔831乃至836にはそれぞれ開閉弁841、842、843、844、845、846(貫通孔開閉弁)が設けられている。すなわち、固定部82内において、インク供給位置のフィルタ70bとインク回収位置のフィルタ70cと洗浄位置のフィルタ70dの上流及び下流に開閉弁841乃至846を設けてある。フォルダ80の回転部81の回転時、すなわちフィルタ70の循環移動時には、液漏れを防止するように、全貫通孔831乃至836の開閉弁841乃至846が閉状態に設定される。一方で、フォルダ80の回転部81の停止時、すなわち流路にフィルタ70が接続された状態では、流路内のインク又は希釈液(洗浄液を兼ねる)が流動可能なように、全貫通孔831乃至836の開閉弁841乃至846が開状態に設定される。
具体的には、インク供給位置に配置したフィルタ70bが第1貫通孔831及び第2貫通孔832に接続されるとともに、これらの貫通孔の開閉弁841、842が開状態に設定されて、さらに第1ポンプ111が駆動されることにより、供給インク室61のインクがインク供給位置のフィルタ70bにより異物を取り除かれて印字ヘッド50に供給されることになる。また、インク回収位置に配置したフィルタ70cが第3貫通孔833及び第4貫通孔834に接続されるとともに、これらの貫通孔の開閉弁843、844が開状態に設定されて、さらに第2ポンプ112が駆動されることにより、キャップ920に引き渡されたインクがインク回収位置のフィルタ70cにより異物を取り除かれて回収インク室62に回収されることになる。また、洗浄位置に配置したフィルタ70dが第5貫通孔835及び第6貫通孔836に接続されるとともに、これらの貫通孔の開閉弁845、846が開状態に設定されて、さらに第3ポンプ113が駆動されることにより、フィルタ70dに蓄積していた異物は、希釈液室63(洗浄液室を兼ねている)から吸引した希釈液(洗浄液を兼ねている)の流動とともに、フィルタ70dから離脱して希釈液室63に流入し沈殿する。
なお、本実施形態では、液漏れ防止として、前述の各貫通孔831乃至836に開閉弁841乃至846を設ける以外にも、軸受部821にシール823を施す、固定部82を構成する部材同士の接合面にOリング824を設ける等の液漏れ対策を施してある。
図10及び図11に示すように、固定部82の下流側の貫通孔831、833、836にはそれぞれ各流路の流速を測定する流速センサ851、852、853(流路抵抗検出手段)が設けられている。具体的には、インク供給位置のフィルタ70bに対して下流側となる第1貫通孔831にはインク供給流路91の流速V1を測定するための第1の流速センサ851を配設し、インク回収位置のフィルタ70cに対して下流側となる第3貫通孔833にはインク回収流路92の流速V2を測定するための第2の流速センサ852を配設し、洗浄位置のフィルタ70dに対して下流側となる第6貫通孔836には洗浄流路93の流速V3を測定するための第3の流速センサ853を配設してある。
第1の流速センサ851によりインク供給流路91の流速V1が所定の閾値以下になったことを検出したとき、又は、第2の流速センサ852によりインク回収流路92の流速V2が所定の閾値以下になったことを検出したとき、フィルタ70に所定量以上の異物が蓄積したと判定してフィルタ70を循環移動させる。具体的には、異物がないときの流速(初期流速)に対して、インク供給流路91の流速V1が「k1×初期流速」以下になったとき、インク回収流路92の流速V2が「k2×初期流速」以下になったとき、フォルダの回転部82を回転させることによりフィルタ70を循環移動させる。
また、第3の流速センサ853により洗浄流路93の流速V3が所定の閾値より大きくなったとき、フィルタ70の洗浄に成功したと判定する。具体的には、洗浄流路93の流速V3が所定の洗浄を行って「k3×初期流速」より大きくなったとき、フィルタ70の洗浄に成功したと判定し、「k3×初期流速」以下であるとき、フィルタ70の洗浄に失敗したと判定する。
ここで、係数k1、k2、k3は、0〜1.00の数値であり、その大小関係は、k3>k1>k2としておく。例えば、k1=0.90(インク供給流路91の初期流速の10%ダウンに相当)、k2=0.80(インク回収流路92の初期流速の20%ダウンに相当)、k3=0.95(洗浄流路93の初期流速の5%ダウンに相当)とする。
フィルタ70は、その斜視図を図12(a)に示し、断面図を図12(b)に示すように、主として、インク(又は希釈液)を通過させるとともに増粘インク塊や紙粉などの異物を捕捉するメッシュ材71と、メッシュ材71を取り付けた枠体72からなる。
本実施形態において、メッシュ材71及び枠体72の外形形状は円盤状である。
枠体72は、特に図12(b)に示すように、メッシュ材71の外周を挟持する環状のプレートからなる挟持部723と、メッシュ材71を囲むように挟持部723から内側に直角に曲がるように延びて両端面721、722を形成する縁部724を有する。
両端面721及び722は、その中心部分に液体を通過させるための開口部725が形成されている。なお、開口部725は、その直径dが、固定部82の貫通孔831、832、833、834、835、836の直径よりも大きい一方で、人の指先が入らないように人の指の直径よりも十分に小さく形成されている。すなわち、開口部725は、液体を通過させる一方で、人の指先がメッシュ材71に触れることにより人の油がメッシュ材71に付いてフィルタリング性能を低下させることがないようになっている。
また、枠体72の断面形状は、図12(b)に示すように、2つの「コ」を対向させたような形状となっている。すなわち、ポンプで枠体72の内部に液体が残らないようにしても液体が残留してしまう場合であっても、残留した液体が縁部724により保持されてこぼれないようになっている。
枠体72の両端面721、722がフォルダ80の固定部82の内壁面820に接した状態で、フィルタ70がフォルダ80の固定部820の貫通孔(831及び832、833及び834、835及び836)に接続するようになっている。
また、固定部82は、フィルタ70の取り付け及び取り外しを行う取付位置に、切り欠き部825を設けている。
フィルタ70の枠体72の外周面には、非接触で情報の書込み及び読取りが可能なICタグ(RFID: Radio Frequency Identificationともいう)73を取り付けてある。また、図9及び図10に示すように、フォルダ80の固定部82には、取付位置にICタグ読取部861を設け、洗浄位置にICタグ書込/読取部862を設けてある。
取付位置に設けたICタグ読取部861により、フィルタ70の種別等を示す識別情報(シリアル番号でも可)をフィルタ70のICタグ73から読み取って、インクジェット記録装置10で使用可能な適切なフィルタ70であるか否かを識別する。識別情報に基づいて不適切なフィルタ70が取り付けら得ていることを検出したときには、インクジェット記録装置10はブザーや表示等により警告を発するようになっている。
洗浄位置に設けたICタグ書込/読取部862により、フィルタ70の使用履歴情報(フィルタの使用頻度、洗浄回数、流路の流速の履歴など)を作成してICタグ73に記録するとともに、記録された使用履歴情報をICタグ73から読み取って、洗浄位置のフィルタ70を廃フィルタ収納室65に収納するか、あるいは、再びインク供給流路91及びインク回収流路92に接続して再利用するかを判定する。なお、洗浄位置へのICタグ書込/読取部862を省略し、代わりに、装置本体のメモリ(図示を省略)にフィルタ70の使用状況をフィルタ70の識別情報に関連付けて記録するようにしてもよい。
また、本実施形態では、フィルタ70にICタグ73を取り付けた場合を例にして説明するが、本発明はICタグ73をフィルタ70に取り付ける態様に限らず、他の方法でフィルタ70の識別情報を読み取るようにしてもよい。例えば、磁気読取や、光学的な読取によってフィルタ70の識別情報を読み取ってもよい。
次に、図13(a)及び(b)を用いて、インクカートリッジ60に形成された廃フィルタ収納室65の扉651(開閉部)の開閉について説明する。図13(a)に示すように、インクカートリッジ60をインクジェット記録装置10の本体に取り付ける以前には扉651は閉状態であり、インクカートリッジ60をインクジェット記録装置10の本体に取り付けると、図13(b)に示すように扉651は開状態になり、インクカートリッジ60をインクジェット記録装置10の本体から取り外すと扉651は閉じられる。
具体的には、扉651は図示を省略した付勢手段(例えばトーションバネ、板バネ等)の付勢により閉状態になっており、扉651の一部を構成する当接部652がインクジェット記録装置10の本体側の当接相手(凸部659)に当接し、扉651側のピン653を軸として扉651が回動し、これにより扉651が開状態になる。一方で、インクカートリッジ60がインクジェット記録装置10の本体から離脱して、扉651の当接部652とインクジェット記録装置10の本体側の当接相手(凸部659)との当接が解除されると、図示を省略した付勢手段の付勢により、扉651側のピン653を軸として回動し、これにより扉651が閉状態になる。
また、インクジェット記録装置10には、不要となったフィルタ70をフォルダ80の回転部82から離脱させてインクカートリッジ60の廃フィルタ収納室65に廃棄するフィルタ廃棄部(図示を省略)が設けられており、図14に矢印で示すように、取付位置(廃棄位置を兼ねる)に配置したフィルタ70aを廃フィルタ収納室65に落下させるようになっている。
図15に示す他の例のフォルダ800では、その固定部82にフィルタ廃棄部892を設けている。フィルタ廃棄部892が有する押出ピン893により取付位置(廃棄位置を兼ねる)のフィルタ70aを押し出して回転部81から離脱させ、図14に矢印で示すようにフィルタ70aを投下することにより、図13(b)に示すように扉651が開いた状態の廃フィルタ収納室65にフィルタ70を収納する。
インクカートリッジ60の廃フィルタ収納室65に収納された廃フィルタは、インクカートリッジ60内に供給可能なインクが無くなってインクカートリッジ60が不要となり、インクカートリッジ60がインクジェット記録装置10の本体から取り外されると、前述したように廃フィルタ収納室65の扉651が閉まり、インクカートリッジ60ごと業者等により回収される。したがって、インクジェット記録装置10のユーザは、特にフィルタ70の廃棄について意識する必要もなく、手等を汚すこともない。
図5に示すインクカートリッジ60を拡大して図16に示す。
図16において、回収インク室62と供給インク室61との間に形成された連通部621には、連通部621の開閉を行う弁123(連通部開閉手段)と、異物の通過を阻止する一方で液状のインクを通過させるインク透過フィルタ622を設けている。
回収インク室62内に紛れ込んだ増粘インク塊や紙粉等の未溶解の異物は、回収インク室62内の底面に沈降して溜まる(沈殿する)。
回収インク室62の底面には、沈降してきて溜まった異物を捕捉するように多数の微小な孔を有した多孔質部材623(異物捕捉体)を配設している。
多孔質部材623の代表的な例としては、綿、麻、パルプ等の植物性繊維からなる多孔質素材、ウール等の動物性繊維からなる多孔質素材、ポリウレタン等の気泡を有するスポンジ状の合成樹脂等からなる多孔質素材を挙げることができる。
回収液室62を供給液室61に連通させる連通部621と多孔質部材623の位置関係については、回収インク室62の底面よりも高い位置に連通部621の開口が配置され、回収インク室62の底面の高さと連通部621の開口の高さとの間の高さに多孔質部材623を配設してある。
また、多孔質部材623により未捕捉の異物をせき止めるように高さhbを有した障壁624(堰)を、連通部621の開口の下端と多孔質部材623の上端との間に設けている。このような障壁624により、多孔質部材623に捕捉されていない異物であっても、高さhbの障壁624にせき止められる。なお、図16に示す例では、回収インク室62の底面を基準とした連通部621の高さh、多孔質部材623の厚さd、及び、障壁624の高さhb(多孔質部材623の上端から障壁624の上端までの距離である)の関係は、h>(hb+d)としてある。
また、回収インク室62の側壁面には、回収インク室62内のインクの量を検出する液面センサ625(液体量検出センサ)と、回収インク室62内のインク特性(濃度、粘度又は比重)の測定に用いるインク特性センサ626(液体物性検出センサ)が設けられている。
液面センサ625は、連通部621よりも高い位置に設けられ、オン/オフ状態により回収インク室62内のインクの量を検出する。
インク特性センサ626は、多孔質部材623の上端よりも高い位置(例えば障壁624の上端の高さ)で、連通部621の高さ以下にして設けられている。
インク特性センサ626の代表的な例としては、光学式センサ、圧力センサを挙げることができる。
なお、連通部開閉弁123を開状態に設定してもインク特性センサ626がインクの液面より下となるように初期状態で回収インク室62内にインクを入れておくと、好ましい。
回収インク室62内の異物は、インク透過フィルタ622により供給インク室61への侵入を阻止され、沈殿して多孔質部材623に捕捉されるようになっており、多孔質部材623により異物が捕捉された状態で、インク特性センサ626を用いて回収インク室62内のインクの特性(物性)が測定され、測定された回収インク室62内のインクの特性に基づいて、希釈液の注入時機と希釈液の注入量とが判定される。
希釈液室63内の希釈液を図5に示す第3ポンプ113の駆動により希釈流路94を介して回収インク室62に注入することにより、回収インク室62内のインクを希釈する。このような希釈の際、第3ポンプ113の回転数及び駆動時間は、インク特性センサ626を用いて測定したインク特性に基づいて決定する。すなわち、測定したインク特性に基づいて、回収インク室62内のインクの特性(濃度、粘度又は比重)を印字ヘッド50で再利用可能な特性にするように希釈液の注入量を決定する。
回収インク室62内のインクは、異物の沈殿、異物の捕捉、及び、希釈により、印字ヘッド50での再利用が可能なインクへと変換された後、連通部開閉弁123が開かれると、インク透過フィルタ622を通過して、連通部621から重力により供給インク室61内に落下する。
なお、回収インク室62は廃フィルタ収納室65の上に区画形成され、連通部621が供給インク室61内のインク液面の位置よりも高くなるように設けられている。すなわち、供給インク室61へのインクの落下により供給インク室61内のインクが攪拌されるような位置に連通部621を設けてある。
希釈液室63(洗浄液室を兼ねる)の供給口631には、異物の通過を阻止する一方で液状の希釈液(洗浄液を兼ねる)を通過させる希釈液透過フィルタ632(洗浄液透過フィルタ)を設けている。本実施形態では、フォルダ80内のフィルタ70を洗浄する際、洗浄に用いた希釈液が希釈液室63に回収されるようになっている。したがって、フィルタ70の洗浄をして希釈液室63に戻ってきた希釈液にはフォルダ80内のフィルタ70に蓄積していた異物が含まれる。希釈液透過フィルタ632は、希釈液に含まれる異物が洗浄流路93及び希釈流路94に流入しないよう異物を阻止する。
希釈液としては、例えば、増粘インク塊を溶解可能なイソプロピルアルコール等の溶媒と純水との混合液体、又は、純水を用いる。
なお、インクカートリッジ60には、連通部開閉弁123の開閉を制御する制御信号が入力される信号端子、液面センサ625の検出結果を出力する信号端子、及び、インク特性センサ626の検出結果を出力する信号端子が設けられている。すなわち、インクジェット記録装置10の本体側から、連通部開閉弁123の開閉を制御すること、回収インク室62内のインクの量を認識すること、及び、回収インク室62内のインクの物性を認識することができるようになっている。
図17は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インタフェース101、システムコントローラ102、画像メモリ1031、モータドライバ1032、ヒータドライバ1033、プリント制御部105、画像バッファメモリ1052、ヘッドドライバ1054、インク供給制御部1061、インク回収制御部1062、洗浄制御部1063、インク還元制御部1064、フィルタ収納制御部1065、切替制御部1066、表示部1067等を備えている。
通信インタフェース101は、ホストコンピュータ2から送られてくる画像データを受信するインタフェース部である。通信インタフェース101にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワーク等の通信インタフェースを適用することができる。ホストコンピュータ2から送出された画像データは通信インタフェース101を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦、画像メモリ1031に記憶される。画像メモリ1031は、通信インタフェース101を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ102を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ1031は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスク等の磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ102は、インクジェット記録装置10の各部を制御する制御部である。システムコントローラ102は、中央演算処理装置(CPU)及びその他周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ2との間の通信制御、画像メモリ1031の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ1042やヒータ1043を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ1032は、システムコントローラ102からの指示に従ってモータ1042を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ1033は、システムコントローラ102からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ1043を制御する制御信号を生成する。
プリント制御部105は、システムコントローラ102の制御に従い、画像メモリ1031内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ1054に供給する。プリント制御部105において所要の信号処理が施され、画像データに基づいてヘッドドライバを介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。プリント制御部105には画像バッファメモリ1052が備えられており、プリント制御部105における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ1052に一時的に格納される。ヘッドドライバ1054は、プリント制御部105から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド50のアクチュエータを駆動する。
インク供給制御部1061は、第1ポンプ111の駆動による供給インク室61から印字ヘッド50へのインクの供給を制御する。
インク回収制御部1062は、第2ポンプ112の駆動によるキャップ920を介した印字ヘッド50から回収インク室62へのインクの回収を制御する。
洗浄制御部1063は、第3ポンプ113の駆動により希釈液室63内の希釈液(洗浄液を兼ねる)を用いてフィルタ70を洗浄する制御を行う。洗浄制御部1063によるフィルタ70の洗浄は、インク供給制御部1061によるインク供給及びインク回収制御部1062によるインク回収とは独立して行われる。
インク還元制御部1064(希釈制御部)は、第3ポンプ113の駆動により希釈液室63内の希釈液を用いて回収インク室62内のインクを希釈することにより、回収インク室62内のインクを印字ヘッド50で再利用可能なインクに還元する制御を行う。
具体的には、インクカートリッジ60のインク特性センサ626の出力信号に基づいて、希釈液の投入時機の決定や希釈液の注入量を決定し、第3ポンプ113の駆動時機、回転数及び駆動時間を制御する。すなわち、希釈液の投入時機及び注入量を制御する。
また、インク還元制御部1064は、適度に希釈された回収インク室62内のインクを供給インク室61に落下させる制御を行う。具体的には、インクカートリッジ60の液面センサ625の出力信号に基づいてインクカートリッジ60内の連通部開閉弁123の開閉を制御する。すなわち、供給インク室61内のインクに対して混合する回収インク室62内のインクの還送時機及び量を制御する。
フィルタ収納制御部1065は、使用済みフィルタを廃フィルタ収納室65に収納させる制御を行う。本実施形態では、フォルダ80の洗浄流路用の流速センサ853の出力信号と、作成したフィルタ70の使用履歴情報とに基づいて、フィルタ70を再利用するか廃フィルタとして廃棄するかを判別する。フィルタ70の使用履歴情報はフィルタ収納制御部1065が作成する。また、図示を省略したタイマによりフィルタ70の使用時間を測定し、測定したフィルタ70の使用時間に基づいて廃フィルタか否かを判別するようにしてもよい。廃フィルタは、インクカートリッジ60の廃フィルタ収納室65に投入する。
切替制御部1066は、フォルダ80の回転部81を回転させることにより、フィルタ70の位置を循環的に切り替える制御を行う。また、切替制御部1066は、フィルタ70のICタグ73から読み取ったフィルタ70の識別情報に基づいて、フィルタ70が使用可能か否かを判定し、使用可能でないと識別したフィルタ70は流路に接続しないように制御する。使用可能でないと識別されたフィルタ70があるときには、システムコントローラ102の制御により、図示を省略したブザー等により警告を報知させるとともに、表示部1067に警告メッセージを表示させる。
なお、インク供給制御部1061、インク回収制御部1062、洗浄制御部1063、インク還元制御部1064、フィルタ収納制御部1065、切替制御部1066は、本実施形態において、マイクロプロセッサによって構成している。
図18を用いて、インク供給流路91、インク回収流路92及び洗浄流路93の各流路に接続するフィルタ70をフォルダ80の回転部81の回転により順次切り替えるフィルタ切替制御処理の例について説明する。このフィルタ切替制御処理は、インク供給制御部1061の制御によるインク供給シーケンス及びインク回収制御部1062によるインク回収シーケンスとは独立して、切替制御部1066により実行される。
図18において、予め初期化が行われる(S102)。インク供給流路91、インク回収流路92及び洗浄流路93の初期流速は、説明を簡略に行うため、いずれもV0であるものとする。ここで、初期流速は、各流路中のフィルタ70に異物がない状態での流速である。希釈流路弁121(弁1)は閉状態に設定しておく。
初期化が終了すると、一定時間待機し(S104)、第1ポンプ111の駆動による供給インク室61から印字ヘッド50へのインクの供給中であるか否かを判定して(S106)、インク供給中であれば、インク供給流路91の流速V1を流速センサ851により測定する(S108)。また、第2ポンプ112の駆動によりキャップ920を介して印字ヘッド50のインクを回収インク室62に回収中であるか否かを判定して(S110)、インク回収中であれば、インク回収流路92の流速V2を流速センサ852により測定する(S112)。
測定した流速(インク供給流路91の流速V1、インク回収流路92の流速V2)と初期流速V0とに基づいて、フォルダ80に保持されているフィルタ70と各流路との接続を切り替えるか否かを判定する(S114)。具体的には、インク供給流路91に接続したフィルタ70に異物が蓄積した結果、インク供給流路91の流速V1が低下して初期流速V0×0.9以下となったときには、フィルタ70の切替が必要と判定する。また、インク回収流路92に接続したフィルタ70に異物が蓄積した結果、インク回収流路92の流速V2が低下して初期流速V0×0.8以下となったときには、フィルタ70の切替が必要と判定する。すなわち、インク供給流路91の流速V1が初期流速V0から10%以上ダウンしたとき、又は、インク回収流路92の流速V2が初期流速V0から20%以上ダウンしたときには、フィルタ70の切替が必要と判定する。
フィルタ70の切替が必要と判定した場合、洗浄流路93に接続したフィルタ70の洗浄が完了しているか否かを判定する(S116)。フィルタ70の洗浄中であればその完了を待つ一方で、フィルタ70の洗浄が完了していれば、フォルダ80の回転部81を回転することによりフィルタ70を切り替える(S112)。具体的には、フォルダ80の回転部を図7に矢印で示すように時計回りに45度回転する。この回転により、取付位置に配置されていたフィルタ70aがインク供給位置に配置されてインク供給流路91に接続され、インク供給位置に配置されてインク供給流路91に接続されていたフィルタ70bがインク回収位置に配置されてインク回収流路92に接続され、インク回収位置に配置されてインク回収流路92に接続されていたフィルタ70cが洗浄位置に配置されて洗浄流路93に接続され、洗浄位置に配置されて洗浄流路93に接続されていたフィルタ70dは、取付位置(廃棄位置を兼ねる)に配置される。
なお、フィルタ70の切替に伴うインク漏れを防止するため、図10及び図11に示すフォルダ80の固定部82に形成された全ての貫通孔831乃至836の開閉弁(インク供給流路91の一部を構成する貫通孔831、832の開閉弁841、842、インク回収流路92の一部を構成する貫通孔833、834の開閉弁843、844、及び、洗浄流路93の一部を構成する貫通孔835、836の開閉弁845、846)を閉状態に設定した後に、フォルダ80の回転部81を回転する。回転部81の回転によりフィルタ70の位置を切り替えた後、フォルダ80の固定部82に形成された全ての貫通孔831乃至836の開閉弁841乃至846を開状態に設定する。
次に、フィルタの洗浄制御について説明する。図19は、フォルダ80の回転によりフィルタ70を洗浄流路93に接続したときに主として行われる洗浄制御の処理例についてその流れの概要を示す。この洗浄制御は、洗浄制御部93により実行される。
図19において、フィルタ70が洗浄位置に配置されたとき、フィルタ70の洗浄回数tを初期値「0」に設定する(S202)。また、希釈流路弁121(弁1)を閉状態に設定するとともに、洗浄流路弁122(弁2)を開状態に設定しておく(S204)。これにより希釈液室63(洗浄液室を兼ねる)からフィルタ洗浄位置のフィルタ70を経由して再び希釈液室63に至る洗浄流路93が全て連通した状態になる。
第3ポンプ113の駆動により希釈液(洗浄液を兼ねる)の吸引を開始する(S210)。所定時間吸引して(S212)、洗浄流路93の流速V3を流速センサ853により測定し(S214)、第3ポンプ113の駆動を停止して(S216)、洗浄回数tに「1」を加える(S218)。
測定した洗浄流路の流速V3と初期流速V0とに基づいて、洗浄位置のフィルタ70に蓄積した異物がフィルタ70の再利用になるまで取り除かれたか否かを判定する(S220)。具体的には、洗浄流路93の流速V3が初期流速V0×0.95を超えているときには、フィルタ70の再利用が可能になるまでフィルタ70の異物が十分に取り除かれたと判定する。一方で、洗浄流路93の流速V3が初期流速V0×0.95以下の場合には、フィルタ70の再利用が可能になるまでフィルタ70の異物が十分に取り除かれていないと判定する。
フィルタ70の異物が十分に取り除かれたと判定した場合には、図20に示すような使用履歴情報(フィルタ70の使用回数、洗浄回数t、洗浄完了時の洗浄流路93の流速V3など)を記録する(S222)。なお、「使用回数」は、フィルタ70をフォルダ80の回転部81に取り付けたときに初期値「1」を予め設定しており、ステップS224においてインクリメントして記録するようになっている。また、洗浄回数t及び流速V3は、フィルタ70が十分に洗浄されたと判定されたときの値が記録されることになる。
フィルタ70の異物が十分に取り除かれていないと判定した場合には、洗浄回数tを所定の許容最大回数tmaxと比較し(S224)、許容最大回数tmaxに達したときには、廃フィルタ収納室95へのフィルタ70の収納を指示する(S226)。なお、廃フィルタ収納室65へのフィルタ70の収納は、実際には、次回のフォルダ回転時に行われる。洗浄回数tが許容最大回数tmaxに達していないとき、更に、フィルタ使用履歴情報を読み出して(S228)、読み出した使用履歴情報に基づいて、フィルタ洗浄のリトライを行うか否かを判定する(S230)。この判定は、使用回数、洗浄回数t、及び、洗浄流路93の流速V3に基づいて総合的に行う。使用回数のみに基づいて判定する方法もある。
次に、図21を用いて、希釈制御の処理例について説明する。この希釈制御は、インク還元制御部1064により行われる。
図21において、まず、初期化を行う(S302)。ここで、回収インク室62と供給インク室61との連通部621に設けられた連通部開閉弁123(弁3)は閉状態に設定しておく。
所定のインク回収シーケンスの終了を監視して(S304)、回収インク室62内のインクの量を検出する液面センサ625がオン状態及びオフ状態のいずれであるかを判定し(S306)、オフ状態であるとき(すなわち連通部621を介して供給インク室61に落下させるのに十分な量のインクが回収インク室62に未だ貯留されていないとき)には、インク回収シーケンスの終了監視(S304)を続ける一方で、オン状態であるとき(すなわち連通部621を介して供給インク室61に落下させるのに十分な量のインクが回収インク室62に貯留されたとき)以下の処理を行う。
図5に示す構成例では希釈流路94の一部をインク回収流路92と共通にしているので、希釈処理が終了するまでインク回収処理が開始しないように抑止しておく(S308)。なお、希釈流路94をインク回収流路92と分離して構成した場合には、インク回収と並行してインク希釈を行うことも可能である。
また、図5に示す構成例では希釈流路94の一部を洗浄流路93と共通にしているので、希釈液(洗浄液を兼ねる)を用いたフィルタ洗浄時における洗浄流路93の流速V3が許容範囲であるか許容範囲外であるかを判定する(S310)。具体的には、流速V3が初期流速V0×0.95以下であるときには、許容範囲外であると判定して、図19に示す洗浄処理を行う(S312)。なお、希釈流路94を洗浄流路93と分離して構成することも可能である。
次に、回収インク室62内のインク特性センサ626を用いてインク特性(濃度、粘度又は比重)を測定し(S314)、測定結果を所定の条件と比較して回収インク室62内のインクを希釈する必要があるか否かを判定する(S316)。例えば、インクの粘度が所定の閾値を越えている場合には希釈する必要ありと判定する。
希釈する場合、洗浄流路弁122(弁2)を閉状態に設定するとともに、希釈流路弁121(弁1)を開状態に設定する(S318)。これにより希釈液室63から回収インク室62に至る希釈流路94が全て連通した状態になる。第3ポンプ113の駆動により希釈液の吸引を開始する(S320)。インク特性センサ626の出力信号に基づいて算出した所定時間だけ吸引し(S322)、第3ポンプ113の駆動を停止する(S324)。これにより、所定の時間、所定量の希釈液が回収インク室62に注入される。
このようにして、所定の時間、所定量の希釈液を回収インク室62に注入した後、インク特性を測定し、測定結果が所定条件を満たすか否かを判定する(S314)。回収インク室62のインク特性が所定の条件を満たす場合には、回収インク室62と供給インク室61との間の連通部開閉弁123(弁3)を開状態に設定する(S326)。そうすると、適度に希釈されたインクが連通部621に配設されたインク透過フィルタ622を介して供給インク室61に落下する。
以上、異物を含む液体が流動する流路に着脱可能なフィルタ70を、インク供給流路91、インク回収流路92、洗浄流路93の順で循環的に接続する場合を例に説明したが、インクジェット記録装置10の流路の構成やフィルタ70の洗浄の要否によっては、フィルタ70を接続する流路の組み合わせや、接続順序が前述の実施形態と異なる場合もある。例えば、インク供給流路91にはフィルタ70を接続せず、インク回収流路92及び洗浄流路93の2つの流路に交互にフィルタ70を接続する場合もある。また、例えば、インク回収流路92にはフィルタ70を接続せず、インク供給流路91及び洗浄流路93に交互にフィルタ70を接続する場合もある。また、フィルタ70の洗浄は省略し、インク供給流路91、インク回収流路92の順に接続して廃フィルタ収納室65に収納させる場合もある。
また、フィルタ70の位置を取付位置(廃棄位置を兼ねる)、インク供給位置、インク回収位置、洗浄位置(ICタグ73への使用履歴情報の書込/読取位置を兼ねる)の4つとして説明したが、5つ以上の位置を設けてもよい。例えば、取付位置と廃棄位置とを別にして設けてもよく、洗浄位置と書込/読取位置とを別にして設けてもよく、更に書込位置と読取位置とを別にして設けてもよい。
また、フォルダ80の回転部82の回転によりフィルタ70を回転移動させてフィルタ70を切り替える場合を例に説明したが、本発明は、フィルタ70を回転移動させる場合に限るものではない。例えば、フィルタ70を直線移動させるようにしてもよい。
また、フォルダ80が保持可能なフィルタ70の数は4つに限るものでない。好ましくは、フィルタ70の接続先の流路の数よりも多い数のフィルタ70を保持するように構成する。すなわち、廃フィルタが発生しても待機状態のフィルタ70を設けられることが好ましい。
また、フィルタ70に設けられたICタグ73にフィルタ70の使用履歴情報を書き込む場合を例に説明したが、ICタグ書込/読取部862は設けないで、インクジェット記録装置10内のメモリに使用履歴情報を記憶するようにしてもよい。
また、回収インク室62にインク特性センサ626を設けて回収インク室61内のインクの特性に基づいて希釈液の投入時機や注入量を決める場合を例に説明したが、供給インク室61内のインクの特性も合わせて測定し、供給インク室61内のインクの特性と回収インク室62のインクの特性の両方に基づいて希釈液の投入時機や注入量を決めるようにしてもよい。
また、インク供給流路91に設けた流速センサ851及びインク回収流路92に設けた流速センサ852等の流路抵抗を検出する手段(流路抵抗検出手段)の測定結果に基づいて、フィルタ70の切り替えを行う場合を例に説明したが、流速抵抗検出手段を設けないで、タイマにより計測したフィルタ70の使用時間に基づいてフィルタ70の切替を行うようにしてもよい。また、洗浄流路93に設けた流速センサ853等の流路抵抗を検出する手段の測定結果に基づいて廃フィルタか否かを判別する場合を例に説明したが、タイマにより計測したフィルタ70の使用時間に基づいて廃フィルタか否かを判別し、廃フィルタ収納室65に収納するようにしてもよい。
また、回収インク室62を廃フィルタ収納室65の上に区画形成した場合を例に説明したが、本発明はこれに限るものではなく、希釈液室63の上に区画形成する形態や、供給液室61の上に区画形成する形態を含む。いずれの場合にも、回収インク室62から供給インク室61に送液されるインクが供給インク室61内に落下して供給インク室61内のインクが攪拌されるように構成する。
また、異物を含む液体が流動する流路(インク供給流路91、インク回収流路92、洗浄流路93)に着脱自在なフィルタ70と、インクカートリッジ60内に設けたフィルタ631、632とを用いる場合を例に説明したが、発生する異物の量と印字ヘッド50で消費される液体の量との比に応じて、流路に着脱可能なフィルタ70を省略することも可能である。本発明は、発生する異物の量が少ないのであれば、インクカートリッジ60内にのみフィルタを設ける場合を含む。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜、設計変更や改良を施してよいことはいうまでもない。
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、51…印字ヘッドのノズル、60、600…インクカートリッジ(液体タンク)、61…供給インク室、62…回収インク室、63…希釈液室(洗浄液室)、65…廃フィルタ収納室、70…フィルタ、71…フィルタのメッシュ材、72…フィルタの枠体、73…ICタグ、91…インク供給流路、92…インク回収流路、93…洗浄流路、94…希釈流路、111…第1ポンプ(インク供給ポンプ)、112…第2ポンプ(インク回収ポンプ)、113…第3ポンプ(希釈液吸引ポンプ、洗浄液吸引ポンプ)、121…希釈流路弁(弁1)、122…洗浄流路弁(弁2)、123…連通部開閉弁(弁3)、70(70a、70b、70c、70d)…フィルタ、73…ICタグ(フィルタの記憶部)、80…フォルダ、81…フォルダの回転部、82…フォルダの固定部、621…連通部、623…多孔質部材(異物捕捉体)、624…障壁(堰)、625…液面センサ(液体量検出センサ)、626…インク特性センサ(液体物性検出センサ)、651…廃フィルタ収納室の扉、851、852、853…流速センサ、861…ICタグ読取部、862…ICタグ書込/読取部、920…キャップ、1061…インク供給制御部、1062…インク回収制御部、1063…洗浄制御部、1064…インク還元制御部(希釈制御部)、1065…フィルタ収納制御部、1066…切替制御部、9294…インク回収流路と希釈流路の共通流路、9394…洗浄流路と希釈流路の共通流路