JP4041331B2 - 自動車におけるセラミックブレーキディスクの耐用期間の監視方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車におけるセラミックブレーキディスクの耐用期間の監視方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
DE 42 26 010 A1により車両部材の耐用期間を監視する方法が公知であり、この方法では部材は酷使される領域に電子的な負荷センサを有し、このセンサによって得られた測定値は車両が動作している間に評価ユニットに転送され、そして記憶され、その評価ユニットでは加算された値を連続的に評価することができる。この方法では、負荷センサとしてひずみゲージが使用される。
【０００３】
本発明の方法は公知の方法と比較すると、付加的な負荷センサを使用しないという利点を有する。むしろ検出された既知の動作量を評価する。この動作量は、個々のブレーキ過程それぞれのクリティカルな考察及びこれらの個々のブレーキ過程のブレーキ圧の加算が、ブレーキディスクに既に生じている消耗に関する正確な情報提示を可能にするために制御装置内にいずれにせよ存在する。この検出された消耗に基づいてブレーキディスクの耐用期間を決定することができ、また前もって設定された基準値に達した場合にはドライバに対して指示することができる。この指示を光学的または音響的に車両のコックピット内で行うことができ、例えば工場を訪れるべきことを指示できる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、付加的な負荷センサを使用せずに、自動車におけるセラミックブレーキディスクの耐用期間を監視するための方法を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この課題は、ブレーキ及び走行ダイナミク特性、例えば走行速度、ブレーキ圧及びブレーキ時間を検出し、個々のブレーキ圧それぞれを前もって設定された第１の基準値と比較し、この前もって設定された第１の基準値を上回る個々のブレーキ圧だけを加算し、そのようにして形成された和を前もって設定された第２の基準値と比較し、この前もって設定された第２の基準値を上回った場合には、ドライバに対して光学的及び音響的な指示を行う、ないし光学的又は音響的な指示を行うことによって解決される。
【０００６】
【発明の実施の形態】
本発明の方法を図面を用いて詳しく説明する。
【０００７】
【実施例】
図１においては、走行速度に対するブレーキ圧の経過を示す線図が示されており、横軸には走行速度ｖが、縦軸にはブレーキ圧ＢＲ−ｐがとられている。走行速度ｖ及び瞬時の動作条件ないし走行条件に応じて、個々の制動Ｅ−ＢＲを行う際にそれぞれ相応のブレーキ圧ＢＲ−ｐが形成され、このブレーキ圧ＢＲ−ｐはブレーキディスクに作用する。図１の線図においては、それ以上になるとブレーキディスクに対する負荷はクリティカル（危険）になる基準値ＲＷ−Ａが破線で示されており、この基準値は例えばブレーキ圧の値を示している。ブレーキ圧ＢＲ−ｐがこの許容基準値ＢＲ−ｐを超える領域は、図１においてハッチングで示されている。
【０００８】
図２は監視方法の個々のステップを示しており、ここではフローチャート部分２ａを用いて検出された量を評価するための第１の評価方法を説明する。第１のステップ２０において、走行速度ｖ、ブレーキ圧ＢＲ−ｐ及びブレーキ時間ＢＲ−ｔ並びに必要に応じて車両動作の別の動作パラメータが検出される。個々の制動Ｅ−ＢＲそれぞれのブレーキ圧ＢＲ−ｐは、続く判断ステップ２１においてブレーキ圧に対する前もって設定されたクリティカルな基準値ＲＷ−Ａと比較される。この基準値ＲＷ−Ａを上回っていなかったならば、ステップ２０にジャンプし新たに次の量が求められる。基準値ＲＷ−Ａを上回っていた場合、ステップ２２ａにおいて個々の制動Ｅ−ＢＲの値が加算される。そのようにして形成された、基準値ＲＷ−Ａを上回る個々の制動Ｅ−ＢＲ全ての和Σは、それに続くステップ２３ａにおいて別の前もって設定された基準値ＲＷ−Ｘと比較される。この前もって設定された基準値ＲＷ−Ｘは、ブレーキディスクの最大許容負荷を示す値である。個々のブレーキ圧の和がこの値ＲＷ−Ｘを上回ると、ステップ２４において情報ＩＮＦＯをドライバに対して指示の形で行われる。この指示を光学的及び音響的に、ないし光学的又は音響的にドライバのコックピットにおいて行うことができる。同時に、例えば図示されていない制御装置に、前もって設定された基準値ＲＷ−Ｘを上回った時の実時間のキロメートル数を記憶することができる。
【０００９】
上述したこの方法に対して択一的に、フローチャートブランチ２ｂは第２の評価方法を示す。ここでは検出された各ブレーキ圧ＢＲ−ｐを第１の基準値ＲＷ−Ａと比較することが省略されている。またここではステップ２０において、ブレーキ過程に対する実時間の動作量が検出される。しかしながらこの場合ではステップ２２ｂにおいて、個々の制動時の全ての値が加算され、この全ての総和ΣＧがセラミックブレーキディスクの最大許容負荷に対する前もって設定された基準値ＲＷ−Ｘと比較される。この前もって設定された基準値ＲＷ−Ｘを上回っていなければ開始ステップに戻り、ステップ２０において次のブレーキ過程が検出される。しかしながら基準値ＲＷ−Ｘを上回っていた場合、既に上述したようにステップ２４において、ドライバに情報が与えられる。
【００１０】
この方法に対する基準値、したがってセラミックプレートの耐用期間を規定するための限界値は例えば検査台において、テスト走行に基づいて求められ、適用の際にはさらに個別の状況に適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】走行速度に対するブレーキ圧の経過を示す線図である。
【図２】本発明の方法のフローチャートを示している。
【符号の説明】
２０、２２ａ、２２ｂ、２４ ステップ、 ２１、２３ａ、２３ｂ 判断ステップ

Claims (3)

1. 自動車におけるセラミックブレーキディスクの耐用期間の監視方法において、
   ブレーキ及び走行ダイナミク特性、例えば走行速度、ブレーキ圧及びブレーキ時間を検出し、
   個々のブレーキ圧それぞれを前もって設定された第１の基準値（ＲＷ−Ａ）と比較し、
   該前もって設定された第１の基準値（ＲＷ−Ａ）を上回る個々のブレーキ圧だけを加算し、そのようにして形成された和（Σ）を前もって設定された第２の基準値（ＲＷ−Ｘ）と比較し、
   該前もって設定された第２の基準値（ＲＷ−Ｘ）を上回った場合には、ドライバに対して光学的及び音響的な指示を行う、ないし光学的又は音響的な指示を行うことを特徴とする、監視方法。
2. 表示はブレーキディスクの最大許容耐用期間に達したことに関する情報（ＩＮＦＯ）であり、
   ドライバは適当な工場を訪れる指示を受ける、請求項１記載の方法。
3. 最大耐用期間に対する基準値を検査台において及び走行テストによって求める、ないし検査台において又は走行テストによって求める、請求項１記載の方法。

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