JP4041260B2 - 荷電粒子ビーム装置及び荷電粒子ビーム装置の制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、電子プローブマイクロアナライザや走査電子顕微鏡などの荷電粒子ビーム装置及び荷電粒子ビーム装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子プローブマイクロアナライザや走査電子顕微鏡などの荷電粒子ビーム装置では、荷電粒子ビーム源からの荷電粒子ビームを加速し、コンデンサレンズや対物レンズで試料上にその荷電粒子ビームを細く集束している。そして、試料への荷電粒子ビームの照射によって発生したX線や2次粒子を検出している。
【0003】
この種装置では、試料に照射される荷電粒子プローブの電流を安定化することが行われている。図1はこのようなプローブ電流安定化機能の概要を説明するための図である。図示していない荷電粒子ビーム源から発生し加速された荷電粒子ビームCBは、コンデンサレンズ1と対物レンズ2により、試料3上に細く集束される。
【0004】
コンデンサレンズ1と対物レンズ2との間には、検出絞り4が配置されているが、検出絞り4は、荷電粒子ビームの外側の部分を検出する。検出絞り4で検出された信号は、帰還装置5で増幅され、プローブ電流を調整するためのコンデンサレンズ1の制御部6に供給される。
【0005】
制御部6は、基準信号強度と帰還装置5からの検出信号強度とを比較し、この両者が等しくなるようにコンデンサレンズ1の強度を調整する。このような負帰還のループを構成することにより、荷電粒子ビームの電流密度に変化がなければ、原理的には試料3に照射される荷電粒子プローブPの電流を一定に維持することができる。なお、検出絞り4は、プローブ電流やプローブの開き角を制御する対物レンズ絞りの機能も兼ね備えるように構成することもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、コンデンサレンズ1に負帰還をかける構成では、プローブ電流が変化しないようにコンデンサレンズ1の励磁電流を変化させると、自動的にコンデンサレンズ1の結像点の位置が、図の実線の状態から点線の状態に変化する。例えば、荷電粒子ビーム源などにおいて何等かの変化が発生し、プローブ電流がIp からΔIp だけ変化するはずのところを、負帰還によって検出絞り4と結像点の距離が変化することによって、プローブ電流Ip は一定に保たれる。
【0007】
しかしながら、コンデンサレンズ1の調整により、荷電粒子プローブPの試料上のフォーカス位置が試料面からΔbだけずれ、この負帰還によるプローブ径の広がり部分Δdlpが最終プローブ径dp に加算されることになる。
【0008】
ここで、対物レンズ2の物体距離をa、像距離をbとするとき、対物レンズ2の焦点距離fOLが一定であれば、対物レンズの倍率をM(=b/a)とするとき次の関係が存在する。
【0009】
db/da=−M2
したがって、物体距離の微小な変化Δaに対する像距離のずれΔbは次の通りとなる。
【0010】
Δb=−M2 ・Δa
つまり、M(=b/a)が小さくなるようにレンズ径を組み合わせれば、Δbは小さくできるが、有限のレンズの数と有限の鏡筒長に対しては、Δbの値にも限界があることが分かる。
【0011】
一方、荷電粒子ビーム源の輝度が低い装置では、最終プローブ径dp も細くないため、この負帰還によるプローブ径の広がりΔdlpはあまり問題とならないが、高輝度の荷電粒子ビーム源からの荷電粒子ビーム放出、例えば、電界放出、ショットキー放出などによる電子放出や、電界イオン化、電解脱離などによるイオン放出などでは、極めて細い最終プローブ径dp が得られるため、この負帰還によるプローブ径の広がりΔdlpが無視できなくなる。
【0012】
更に、高輝度の荷電粒子ビーム源は、一般にエミッション電流が変化しやすい傾向があるため、負帰還による補正量が多くなり、Δdlpが増してフォーカスのずれが更に顕著となる。
【0013】
この結果、高輝度の荷電粒子ビーム源は、細いプローブ径を得ることを目的として採用するのであるが、安定なプローブ電流を得るための負帰還に起因するプローブ径の広がりΔdlpで、本来の目的が達成できないという問題が存在する。
【0014】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、プローブ電流を一定に維持しつつ、プローブ径の広がりを著しく少なくすることができる荷電粒子ビーム装置及び荷電粒子ビーム装置の制御方法を実現するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に基づく荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビーム源から発生した荷電粒子ビームを集束する第1のレンズと、第1のレンズを通過した荷電粒子ビームを集束して、試料に照射される荷電粒子プローブのフォーカス状態を変えることができる第2のレンズと、第1のレンズと第2のレンズとの間に配置され、第1のレンズを通過して第2のレンズに向かう荷電粒子ビームの外側の部分を検出すると共に、荷電粒子プローブのプローブ電流及び開き角を制御するための検出絞りと、第1のレンズの制御部と、第2のレンズの制御部とを備え、第1のレンズの強度を調整することにより、第1のレンズを通過後に検出絞りを通過して第2のレンズに向かう荷電粒子ビームのプローブ電流を変えることができる荷電粒子ビーム装置において、荷電粒子ビーム源から発生して第1のレンズを通過した荷電粒子ビームの外側の部分を当該検出絞りにより検出し、これによる検出信号を電圧に変換した帰還信号に基づいて第1のレンズの制御部を制御して試料に照射される荷電粒子プローブのプローブ電流を一定に維持すると同時に、当該検出信号に基づく当該帰還信号を信号調整器により増幅ないし減衰させて得られた信号に基づいて第2のレンズの制御部を制御して荷電粒子プローブのフォーカスを調整することを特徴としている。
【0016】
第1の発明では、荷電粒子ビームの一部を検出し、検出信号に基づいて第1のレンズを制御して試料に照射される荷電粒子プローブの電流を一定に維持し、検出信号に基づいて第2のレンズを制御して荷電粒子プローブのフォーカスを調整し、常にフォーカスのズレなく荷電粒子プローブの電流を一定に維持する。
【0017】
第2の発明では、第1の発明において、第2のレンズは対物レンズであり、荷電粒子ビームのフォーカスを調整するため対物レンズの強度を調整するようにした。
【0018】
第3の発明では、第1の発明において、第2のレンズは対物レンズに接近して配置された補助レンズであり、荷電粒子ビームのフォーカスを調整するため補助レンズの強度を調整するようにした。
【0019】
第4の発明では、第1の発明において、検出信号に基づいて第1のレンズの制御部を制御するための帰還信号ΔV CL は、帰還直前の検出信号に対応する信号V 1d0 と帰還開始後の検出電流に対応する信号V 1d との差ΔV 1d =V 1d −V 1d0 に対応するようにした。
【0020】
第5の発明では、第4の発明において、第1のレンズの制御部に供給される帰還信号ΔV CL に比例した信号ΔV OL を第2のレンズの制御部に供給するようにした。
【0021】
第6の発明では、荷電粒子ビーム源と、荷電粒子ビーム源から発生した荷電粒子ビームを集束する第1のレンズと、第1のレンズを通過した荷電粒子ビームを集束して、試料に照射される荷電粒子プローブのフォーカス状態を変えることができる第2のレンズと、第1のレンズと第2のレンズとの間に配置され、第1のレンズを通過して第2のレンズに向かう荷電粒子ビームの外側の部分を検出すると共に、荷電粒子プローブのプローブ電流及び開き角を制御するための検出絞りと、第1のレンズの制御部と、第2のレンズの制御部とを備え、第1のレンズの強度を調整することにより、第1のレンズを通過後に検出絞りを通過して第2のレンズに向かう荷電粒子ビームのプローブ電流を変えることができる荷電粒子ビーム装置の制御方法において、
荷電粒子ビーム源から発生して第1のレンズを通過した荷電粒子ビームの外側の部分を当該検出絞りにより検出し、これによる検出信号を電圧に変換した帰還信号に基づいて第1のレンズの制御部を制御して試料に照射される荷電粒子プローブのプローブ電流を一定に維持すると同時に、当該検出信号に基づく当該帰還信号を信号調整器により増幅ないし減衰させて得られた信号に基づいて第2のレンズの制御部を制御して荷電粒子プローブのフォーカスを調整することを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図2は本発明に基づく荷電粒子ビーム装置の基本構成を示したもので、図1の従来構成と同一部分には同一番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0023】
図2において、検出絞り4によって検出された検出電流Id を電圧に変換して帰還用の信号を作る帰還装置5の出力信号は、コンデンサレンズ制御部6と信号調整器7を介して対物レンズ制御部8に供給される。対物レンズ制御部8は、信号調整器7によって信号の大きさが調整された帰還信号を対物レンズ制御信号と比較し、この比較結果に基づいて対物レンズ2の強さを制御する。このような構成の動作を次に説明する。
【0024】
コンデンサレンズ制御部6に対して負帰還がかけられる直前の入力信号をVCL=VCLO 、対物レンズ制御部8に対する入力信号をVOL=VOLO とする。コンデンサレンズ1や対物レンズ2にはこれらの入力信号に対応した次に示す信号が供給される。
【0025】
ICL=ρCL・VCL
IOL=ρOL・VOL
ここで、ρCLとρOLは定数である。また、ICLとIOLは、レンズが静電レンズの場合には電圧に、磁界型レンズの場合には励磁電流に対応している。
【0026】
もし、プローブ電流Ip が増加したときに、検出絞り4の検出電流Id も単調に増加するのであれば、Id がほぼ一定に保たれるように検出絞り4、帰還装置5、コンデンサレンズ制御部6、コンデンサレンズ1によって負帰還がかけられる。なお、負帰還が成立するための条件等については、特願昭63−2276号等に記載されている。この動作を更に詳細に説明する。
【0027】
最初に、負帰還がかけられていない状態を考える。粒子源などにおいて、何等かの変化が発生し、次の変化が発生した場合を考える。
【0028】
Ipo → Ipo+ΔIp
Ido → Ido+ΔId
まず、プローブ電流を元の値Ipoに戻すためには、コンデンサレンズ制御部6に対して加算した信号がΔVCLであったとし、この結果、コンデンサレンズ1の結像点の位置が変化したと仮定する。次に、この物体距離の変化Δaに対応して、粒子プローブのフォーカス状態が変わらないように、対物レンズ制御部8に対して加算した信号がΔVOLであったと仮定する。プローブ電流や検出電流を一定に保ちながら、粒子プローブのフォーカス状態も一定に保つためには、この信号ΔVCLとΔVOLをコンデンサレンズ制御部6と対物レンズ制御部8にそれぞれ何等かの方法で印加すれば良い。
【0029】
次に負帰還がかけられた状態を考える。負帰還がかけられた状態で前記と同じように荷電粒子ビーム源側の何等かの原因で、プローブ電流Ip や検出電流Id が変化しようとするが、帰還装置5からコンデンサレンズ制御部6に対して負帰還がかかっているために、これらの値Ip やId はほぼ一定に保たれる。
【0030】
ところで、Ip やId が一定に保たれるのであれば、前記の説明から理解されるように、帰還装置5からコンデンサレンズ制御部6に入力される信号は、前記のΔVCLに等しいはずである。ここで、負帰還が正常に行われるように、検出絞り4からの信号に対する帰還装置5の増幅度は充分大きな値で設計されるため、この信号ΔVCLが作り出される。
【0031】
一方、負帰還によって得られる信号はΔVCLであるから、この信号を増幅ないしは減衰させて前記で説明した信号ΔVOLになるように信号調整器7を動作させる。ここで、信号調整器7の作用は、粒子線装置の動作状態、例えば粒子線のエネルギーE、プローブ電流Ip 、対物レンズ2の像距離b等に応じて定めるようにしても良い。
【0032】
また、入力信号ΔVCLに対して信号調整器7の出力を比例するようにしても良いし(線形出力)、必要に応じて、次に示すような非線形の演算を含むようにしても良い。
【0033】
(ΔVCL)n (n=0,1,2,………)
sin(n・kΔVCL) (n=0,1,2,…,kは定数)
上記では、一般的な基本構成と動作原理について説明したが、より具体的で実用的な実施の形態について図3に基づいて以下に述べる。図3は図2における帰還装置5および信号調整器7の構成を変形した1例である。
【0034】
図3の構成において、外部からプローブ電流安定化開始の指示が与えられると、コンデンサレンズ1に負帰還がかけられる直前に、検出絞り4で検出された荷電粒子ビームの電流Id =Idoは、電流電圧変換器11で信号電圧に変換される。
【0035】
電流電圧変換器11の出力信号Vld=Vldo は、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器12に入力される。AD変換器12は、Vldo に対応したデータADldo を制御部13に送る。制御部13はこのデータを保存すると共に、デジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換器14にデータDAldo を出力する。
【0036】
DA変換器14の出力は、次回のプローブ電流安定化開始の指示があるまでは、負帰還がかけられる直前の電流電圧変換器11の出力と同じVldo になっている。次に、電流電圧変換器11の出力VldとDA変換器14の出力Vldo は、加算器15に入力され、両者の差ΔVld(=Vld−Vldo )が加算器15から出力される。
【0037】
加算器15の出力は、充分大きな増幅率A1 を設定できる増幅器16に入力される。負帰還がかけられる直前の状態ではΔVld=0となっている。次に、実際にコンデンサレンズ1に負帰還がかけられたときは、スイッチ19がオンの状態になり、十分に大きな増幅率A1 の設定により、ΔVCL=A1 ・ΔVldが出力される。
【0038】
明らかなように、負帰還がかけられた直後では、ΔVCL=0である。次に、スイッチ20がオンの状態となり、増幅器A2 が設定できる増幅器17に入力され、増幅器17の出力はDA変換器18に入力される。DA変換器18のデータDA2による信号比r2 によって、増幅器16の出力はA2 ・r2 倍され、次の信号がDA変換器18から出力される。
【0039】
ΔVOL=A2 ・r2 ・ΔVCL
このようにして得られた信号ΔVCLはコンデンサレンズ制御部7に加算され、ΔVOLは対物レンズ制御部9に加算される。
【0040】
荷電粒子ビーム源などにおいて、何等かの変化が発生し、もし、プローブ電流安定化が行われていなければ、プローブ電流Ip や検出電流Id が次のように変化するはずであっても、コンデンサレンズ1に負帰還がかかっているので、Ip やId をほぼ一定に保つことができる。
【0041】
Ipo → Ipo+ΔIp
Ido → Ido+ΔId
さて、コンデンサレンズ制御信号VCLの値に対して、粒子プローブのフォーカス状態を一定に保つ対物レンズ制御信号VOLの関係を
VOL=F(VCL)
で表し、
dVOL/dVCL=F´(VCL)
と置く。ここで、プローブ電流を一定に保つための変化
VCLO → VCLO +ΔVCL
に対して、粒子プローブのフォーカス状態を一定に保つための変化を
VOLO → VOLO +ΔVOL
とすると、VCLの変化ΔVCLが微少であれば、VOLの変化ΔVOLは、前記の微分係数F´(VCL)を用いて、
ΔVOL=F´(VCLO )ΔVCL
で求めることができる。すなわち、ΔVCLが小さければ、ΔVOLはΔVCLに比例している。したがって、増幅器17の増幅率A2 とDA変換器18の信号比r2 の値が、
A2 ・r2 =F´(VCLO )
を満たすように設定されれば、プローブ電流安定化に用いられる信号ΔVCLを用いて粒子プローブのフォーカス状態を一定に保つことができる。
【0042】
以上本発明の一実施の形態について述べたが、本発明はこの形態のみに限定されることなく幾多の変形が可能である。例えば、前記した例では、荷電粒子ビームの一部を検出信号として用いたが、プローブ電流を一定にするために用いた前記以外の他の負帰還によって、粒子プローブのフォーカス状態が変化するのであれば、この負帰還のための信号を調整し、この調整した信号をコンデンサレンズや対物レンズの制御部に印加するようにしても良い。
【0043】
このような例としては、例えば、粒子ビーム放出源のエミッション電流Ie の変化ΔIe を検出して、引出し電圧Vexに負帰還をかける場合があげられる。この場合には、変化の信号Ie が調整されて利用されることになる。
【0044】
また、前記の例では、レンズの焦点距離を調整するための信号を対物レンズに対して加算するように構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、レンズの焦点距離を調整するための信号を、検出絞り4と対物レンズ8との間に配置されるフォーカス調整するための補助レンズ、または試料の入射ビームの開き角を調整するための開き角制御レンズの制御部に加算するように構成しても良い。このようにしても、本発明の目的を達成することができる。すなわち、フォーカス状態の僅かなズレも、最終プローブ径には大きく影響を与えるのに対し、最適開き角の僅かなズレは、最終プローブ径には影響を与えないためである。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、荷電粒子ビームの一部を検出し、検出信号に基づいて第1のレンズを制御して試料に照射される荷電粒子プローブの電流を一定に維持し、検出信号に基づいて第2のレンズを制御して荷電粒子プローブのフォーカスを調整するように構成したので、常にフォーカスのズレなく試料に照射される荷電粒子プローブの電流を一定に維持することができる。
【0046】
また、本発明では、検出信号に基づいて第1のレンズの制御部に帰還をかけるときの信号ΔVCLは、帰還をかける直前の検出電流に対応する信号Vldo を保持して、帰還開始後の検出電流に対応する信号Vldとの差ΔVld=Vld−Vldo を増幅したものとし、更に、第1のレンズの制御部に供給される帰還信号ΔVCLに比例した信号ΔVOLを第2のレンズの制御部に供給するようにしたので、簡単な構成で荷電粒子プローブのフォーカス安定化が実現できる。そして、負帰還開始時は、帰還用の信号は0からスタートするので、帰還用の信号のダイナミックレンジを広く取ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の荷電粒子ビーム装置を示す図である。
【図2】本発明に基づく荷電粒子ビーム装置の基本構成を示す図である。
【図3】帰還信号処理回路の一具体例を示す図である。
【符号の説明】
1 コンデンサレンズ
2 対物レンズ
3 試料
4 検出絞り
5 帰還装置
6 コンデンサレンズ制御部
7 信号調整器
8 対物レンズ制御部
11 電流電圧変換器
12 AD変換器
13 制御部
14,18 DA変換器
15 加算器
16,17 増幅器
Claims (6)
- 荷電粒子ビーム源から発生した荷電粒子ビームを集束する第1のレンズと、第1のレンズを通過した荷電粒子ビームを集束して、試料に照射される荷電粒子プローブのフォーカス状態を変えることができる第2のレンズと、第1のレンズと第2のレンズとの間に配置され、第1のレンズを通過して第2のレンズに向かう荷電粒子ビームの外側の部分を検出すると共に、荷電粒子プローブのプローブ電流及び開き角を制御するための検出絞りと、第1のレンズの制御部と、第2のレンズの制御部とを備え、第1のレンズの強度を調整することにより、第1のレンズを通過後に検出絞りを通過して第2のレンズに向かう荷電粒子ビームのプローブ電流を変えることができる荷電粒子ビーム装置において、荷電粒子ビーム源から発生して第1のレンズを通過した荷電粒子ビームの外側の部分を当該検出絞りにより検出し、これによる検出信号を電圧に変換した帰還信号に基づいて第1のレンズの制御部を制御して試料に照射される荷電粒子プローブのプローブ電流を一定に維持すると同時に、当該検出信号に基づく当該帰還信号を信号調整器により増幅ないし減衰させて得られた信号に基づいて第2のレンズの制御部を制御して荷電粒子プローブのフォーカスを調整することを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
- 第2のレンズは対物レンズであり、荷電粒子プローブのフォーカスを調整するため対物レンズの強度を調整するようにした請求項1記載の荷電粒子ビーム装置。
- 第2のレンズは対物レンズに接近して配置された補助レンズであり、荷電粒子プローブのフォーカスを調整するため補助レンズの強度を調整するようにした請求項1記載の荷電粒子ビーム装置。
- 検出信号に基づいて第1のレンズの制御部を制御するための帰還信号ΔVCLは、帰還直前の検出信号に対応する信号V1doと帰還開始後の検出電流に対応する信号V1dとの差ΔV1d=V1d−V1doに対応するものであることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム装置。
- 第1のレンズの制御部に供給される帰還信号ΔVCLに比例した信号ΔVOLを第2のレンズの制御部に供給するようにした請求項4記載の荷電粒子ビーム装置。
- 荷電粒子ビーム源と、荷電粒子ビーム源から発生した荷電粒子ビームを集束する第1のレンズと、第1のレンズを通過した荷電粒子ビームを集束して、試料に照射される荷電粒子プローブのフォーカス状態を変えることができる第2のレンズと、第1のレンズと第2のレンズとの間に配置され、第1のレンズを通過して第2のレンズに向かう荷電粒子ビームの外側の部分を検出すると共に、荷電粒子プローブのプローブ電流及び開き角を制御するための検出絞りと、第1のレンズの制御部と、第2のレンズの制御部とを備え、第1のレンズの強度を調整することにより、第1のレンズを通過後に検出絞りを通過して第2のレンズに向かう荷電粒子ビームのプローブ電流を変えることができる荷電粒子ビーム装置の制御方法において、
荷電粒子ビーム源から発生して第1のレンズを通過した荷電粒子ビームの外側の部分を当該検出絞りにより検出し、これによる検出信号を電圧に変換した帰還信号に基づいて第1のレンズの制御部を制御して試料に照射される荷電粒子プローブのプローブ電流を一定に維持すると同時に、当該検出信号に基づく当該帰還信号を信号調整器により増幅ないし減衰させて得られた信号に基づいて第2のレンズの制御部を制御して荷電粒子プローブのフォーカスを調整することを特徴とする荷電粒子ビーム装置の制御方法。
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