JP3453247B2 - 走査電子顕微鏡およびその制御方法 - Google Patents
走査電子顕微鏡およびその制御方法Info
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Description
で各レンズの強度を調整したり、非点補正値を設定する
ようにした走査電子顕微鏡に関する。
の電子ビームをコンデンサレンズと対物レンズにより試
料上に細く集束し、更に、電子ビームを走査コイルによ
り試料上で2次元的に走査している。この走査電子顕微
鏡では、対物レンズの励磁強度を変えてフォーカスの調
整をしたり、非点補正コイルに非点補正値を設定したり
している。
は、図1の構成により行っている。図において1はロー
タリーエンコーダやキーボード等の入力装置であり、入
力装置1から入力された信号は、CPU2に供給され
る。CPU2は入力信号に応じて制御信号を作成し、D
A変換器3と増幅器4から成る制御回路5に供給する。
制御回路5からの信号は、電子光学系6に供給される。
この電子光学系は、例えば、対物レンズ、非点補正コイ
ル、イメージシフトコイル等である。
点距離を調整する場合、入力装置1により焦点距離の変
化量が入力される。CPU2は入力信号による焦点距離
に応じたディジタル制御信号を作成し、制御回路5に供
給する。制御回路5ではDA変換器3によりディジタル
制御量をアナログ信号に変換し、増幅器4によって増幅
して電子光学系6のうちの対物レンズに供給する。
タを制御する場合にも、前記したと同様な動作で実行さ
れる。このような電子光学系のパラメータ制御におい
て、ディジタル入力手段の1ステップの変化に対し、D
A変換器3も1ステップ変化させていた。
は、倍率が高い場合も低い場合でも、ディジタル入力手
段の1ステップの変化に対し、DA変換器3も1ステッ
プ変化させている。ここで、ディジタル入力手段の1ス
テップの変化に対する適切な電子光学系の変化量につい
て考察すると、図2の関係があることが分かる。
はパラメータ変化量である。この図から明らかなよう
に、倍率が低くなるにつれて変化量を増す必要がある。
従来は前記したように、入力の1ステップに対してDA
変換器も1ステップ変化させているので、DA変換器の
1ステップの変化量を高倍率の時に適した値とすると、
低倍率では入力手段を著しく多く変化させねばならず、
操作性が悪い欠点を有している。
もので、その目的は、低倍率の際にも操作性が優れた走
査電子顕微鏡を実現するにある。
走査電子顕微鏡は、電子ビームを試料上に集束するため
のレンズや試料上の電子ビームの照射位置を走査するた
めの走査手段を備えた電子光学系と、試料への電子ビー
ムの照射によって得られた信号を検出する検出器とを備
えた走査電子顕微鏡において、電子光学系の各パラメー
タを設定する入力装置と、入力装置からの値を演算する
演算手段とを備えており、演算手段は、入力装置から与
えられたパラメータの値の変化量を設定倍率に反比例す
るように演算により変化させ、電子光学系の所定の構成
要素を制御するように構成したことを特徴としている。
れた電子光学系のパラメータの値の変化量を設定倍率に
反比例するように演算により変化させ、電子光学系の所
定の構成要素を制御する。請求項2の発明に基づく走査
電子顕微鏡は、入力装置からの値の変化量をx、倍率を
M、nとkを装置固有の定数とすると、演算手段は式X
=(k/Mn )・xによって求めた値Xにより電子光学
系の所定の構成要素を制御するようにしたことを特徴と
している。
変化量をx、倍率をM、nとkを装置固有の定数とする
と、式X=(k/Mn )・xによって求めた値Xにより
電子光学系の所定の構成要素を制御する。請求項3の発
明に基づく走査電子顕微鏡の制御方法は、電子ビームを
試料上に集束するためのレンズや試料上の電子ビームの
照射位置を走査するための走査手段を備えた電子光学系
と、電子光学系の各パラメータを設定する入力装置と、
試料への電子ビームの照射によって得られた信号を検出
する検出器とを備えた走査電子顕微鏡を制御する方法で
あって、入力装置から与えられたパラメータの値の変化
量を設定倍率に反比例するように演算により変化させて
電子光学系の所定の構成要素を制御することを特徴とし
ている。請求項3の発明では、入力装置から与えられた
電子光学系のパラメータの値の変化量を設定倍率に反比
例するように演算により変化させ、電子光学系の所定の
構成要素を制御する。請求項4の発明に基づく走査電子
顕微鏡の制御方法は、入力装置からの値の変化量をx、
倍率をM、nとkを装置固有の定数とすると、式X=
(k/Mn )・xによって求めた値Xにより電子光学系
の所定の構成要素を制御することを特徴としている。請
求項4の発明では、入力装置からの値の変化量をx、倍
率をM、nとkを装置固有の定数とすると、式X=(k
/Mn )・xによって求めた値Xにより電子光学系の所
定の構成要素を制御する。
施の形態を詳細に説明する。図3は本発明に基づく走査
電子顕微鏡の一例を示しており、10は電子銃である。
電子銃10から発生し加速された電子ビームEBは、コ
ンデンサレンズ11と対物レンズ12とによって試料1
3上に細く集束される。
供給される走査信号により、試料13上で2次元的に走
査される。試料への電子ビームEBの照射によって発生
した2次電子は、検出器15によって検出される。検出
器15の検出信号は、増幅されて図示していない陰極線
管に供給され、試料の2次電子像が表示される。
シフトコイル16,非点補正コイル17が配置されてい
るが、イメージシフトコイル16は試料上の電子ビーム
の2次元走査領域を適宜シフトするために用いられ、ま
た、非点補正コイル17は試料に照射される電子ビーム
の非点を補正するために用いられる。
絞り18が配置されており、この対物レンズ絞り18と
電子レンズとによって試料13に照射される電子ビーム
の電流量と開き角を調整するようにしている。
接続されており、加速電圧制御回路19により、発生す
る電子ビームの加速電圧が調整される。コンデンサレン
ズ11はコンデンサレンズ制御回路20に接続されてお
り、コンデンサレンズ制御回路20によりコンデンサレ
ンズ11の励磁強度は調整される。対物レンズ12は対
物レンズ制御回路21に接続されており、対物レンズ制
御回路21により対物レンズ12の励磁強度は調整され
る。
されており、走査制御回路22からの走査信号により電
子ビームを試料上で2次元的に走査する。イメージシフ
トコイル16はイメージシフトコイル制御回路23に接
続されており、イメージシフトコイル制御回路23から
のシフト信号により、電子ビームの走査範囲をシフトす
る。非点補正コイル17は非点補正コイル制御回路24
に接続されており、非点補正コイル制御回路24からの
非点補正信号により、電子ビームの非点の補正を行う。
2,23,24は、CPU25に接続されており、CP
U25からの信号により制御される。また、CPU25
はロータリエンコーダやキーボード等の入力装置26に
接続されている。このような構成の動作を次に説明す
る。
らの電子ビームEBをコンデンサレンズ11と対物レン
ズ12によって試料13上に細く絞って照射すると共
に、走査コイル14により試料13上で電子ビームを2
次元的に走査する。試料13への電子ビームの照射によ
って発生した2次電子は、2次電子検出器15によって
検出され、検出器15の検出信号は、走査信号に同期し
た陰極線管に供給されることから、陰極線管上に2次電
子像が表示される。
装置26に倍率を設定する。CPU25は、走査コイル
14に供給される走査信号が設定された倍率に応じた走
査振幅となるように走査コイル制御回路22を制御す
る。また、電子ビームEBの加速電圧を変化させる場合
には、入力装置26にその電圧を設定する。CPU25
は設定された電圧に応じて加速電圧制御回路19を制御
する。
合や、非点補正量を変化させる場合なども、入力装置2
6に必要なデータを入力し、CPU25によって関連し
た制御回路を制御してそれらを所望の状態とする。
のフローチャートを参照してより詳細に説明する。例え
ば、試料13上に照射される電子ビームEBのフォーカ
スを調整する場合、入力装置26にその変化量を入力す
る。この入力xはCPU25に供給されるが、CPU2
5には既に倍率Mが設定されている。CPU25は入力
された変化量xと倍率Mから次の演算を行う。
演算によって求めた変化量Xをパラメータ変化量として
対物レンズ制御回路21に供給する。対物レンズ12の
励磁強度は、このパラメータ変化量Xによって変えられ
る。
に反比例しているので、倍率が小さい場合には変化量が
大きくなり、逆に倍率が高い場合には変化量は小さくな
る。このような演算を行うことにより、図2に示した倍
率に応じた適切な変化量となり、倍率が低い場合に入力
装置26上で変化量を大きくする煩わしさはなくなり、
装置の操作性を著しく向上させることができる。
り若干小さい値とすることにより、パラメータの変化量
が倍率に応じた適切な値となることが、実験的に確かめ
られた。
制御をCPU25内でソフト的に行う場合についてであ
るが、この動作をハード的に行う例を図5に示す。図に
おいて、CPU25内には入力変化検出回路27とパラ
メータ変化量演算回路28が設けられている。また、C
PU25内部のメモリ29には入力装置26より倍率M
が設定される。
の値を設定すると、入力変化検出回路27は現在の対物
レンズ値と入力された対物レンズ値との変化分xを検出
する。この変化分xはパラメータ変化量演算回路28に
供給され、この演算回路では、メモリ29からの倍率信
号Mとにより、X=(k/Mn )・xが演算される。演
算回路28で求められた変化量は、対物レンズ制御回路
21に供給される。
発明はこの形態に限定されない。例えば、対物レンズの
制御を例に説明したが、イメージシフトコイルや非点補
正コイルなど他の電子光学系のパラメータを変える場合
にも本発明を同様に適用することができる。
では、入力装置から与えられた電子光学系のパラメータ
の値の変化量を設定倍率に反比例するように演算により
変化させ、電子光学系の所定の構成要素を制御するよう
に構成したので、倍率が低い場合でも、入力装置での変
化量を大きくすることなく電子光学系の所定の制御を行
うことができ、装置の操作性を向上させることができ
る。
は、入力装置からの値の変化量をx、倍率をM、nとk
を装置固有の定数とすると、式X=(k/Mn )・xに
よって求めた値Xにより電子光学系の所定の構成要素を
制御するように構成したので、倍率が低い場合でも、入
力装置での変化量を大きくすることなく電子光学系の所
定の制御を行うことができ、装置の操作性を向上させる
ことができる。請求項3の発明に基づく走査電子顕微鏡
の制御方法では、入力装置から与えられた電子光学系の
パラメータの値の変化量を設定倍率に反比例するように
演算により変化させ、電子光学系の所定の構成要素を制
御するようにしたので、倍率が低い場合でも、入力装置
での変化量を大きくすることなく電子光学系の所定の制
御を行うことができ、装置の操作性を向上させることが
できる。請求項4の発明に基づく走査電子顕微鏡の制御
方法では、入力装置からの値の変化量をx、倍率をM、
nとkを装置固有の定数とすると、式X=(k/Mn )
・xによって求めた値Xにより電子光学系の所定の構成
要素を制御するようにしたので、倍率が低い場合でも、
入力装置での変化量を大きくすることなく電子光学系の
所定の制御を行うことができ、装置の操作性を向上させ
ることができる。
ための図である。
である。
である。
ートである。
を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 電子ビームを試料上に集束するためのレ
ンズや試料上の電子ビームの照射位置を走査するための
走査手段を備えた電子光学系と、試料への電子ビームの
照射によって得られた信号を検出する検出器とを備えた
走査電子顕微鏡において、電子光学系の各パラメータを
設定する入力装置と、入力装置からの値を演算する演算
手段とを備えており、演算手段は、入力装置から与えら
れたパラメータの値の変化量を設定倍率に反比例するよ
うに演算により変化させ、電子光学系の所定の構成要素
を制御するように構成した走査電子顕微鏡。 - 【請求項2】 入力装置からの値の変化量をx、倍率を
M、nとkを装置固有の定数とすると、演算手段は式X
=(k/Mn )・xによって求めた値Xにより電子光学
系の所定の構成要素を制御するようにした請求項1記載
の走査電子顕微鏡。 - 【請求項3】 電子ビームを試料上に集束するためのレ
ンズや試料上の電子ビームの照射位置を走査するための
走査手段を備えた電子光学系と、電子光学系の各パラメ
ータを設定する入力装置と、試料への電子ビームの照射
によって得られた信号を検出する検出器とを備えた走査
電子顕微鏡を制御する方法であって、入力装置から与え
られたパラメータの値の変化量を設定倍率に反比例する
ように演算により変化させて電子光学系の所定の構成要
素を制御する走査電子顕微鏡の制御方法。 - 【請求項4】 入力装置からの値の変化量をx、倍率を
M、nとkを装置固有の定数とすると、式X=(k/M
n )・xによって求めた値Xにより電子光学系の所定の
構成要素を制御する請求項3記載の走査電子顕微鏡の制
御方法。
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-
1996
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