JP4041108B2 - 架空ケーブルの布設工法及びケーブル吊上用治具 - Google Patents
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図1を参照して、地上作業工程について説明する。
まず、12〜13mの高さを有する電柱2の下部位置(例えば、地面上約2m程度)に延線用ワイヤー3を取り付け、この延線用ワイヤー3を介して各電柱2間に多数の吊りコロ4を吊り下げる。また、電柱2の少なくとも1つには、図9に示すような電力ケーブル1を送り出すと共に電力ケーブル1に対して必要な弛度を確保するためのホーリングマシン5を設ける。
次に、各電柱2に図2の吊上用治具10を取り付け、ホーリングマシン5により所定の弛度が施され延線形状が保持された状態の電力ケーブル1をホーリングマシン5から吊上用治具10へ取り付けて、各電柱2の上部ヘ順に吊上げ、電力ケーブル1を各電柱2の上部の所定位置に布設する。
図2に、電力ケーブル1を電柱2の上部へ吊り上げるために用いる吊上用治具の一例を示す。
この吊上用治具10は、電力ケーブル1と固定されるシャフト11、電力ケーブル1の延線形状を維持するクリート部15、電力ケーブルの折れ防止のために電力ケーブル1を支持するケーブル支持台17、及び吊上用のフック13を有している。フック13、シャフト11及びケーブル支持台17は、ステンレス/アルミ/鉄にめっきしたものが用いられる。
以下、図5〜図7を参照しつつ、電力ケーブル1を電柱2上部の所定位置まで吊り上げ、固定する方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、電柱2の上部の所定の位置に、引留ワイヤー35が取り付けられたワイヤー引留金具33を予め固定しておく。更に電柱2の頭部には金車部31を設けて吊上用ワイヤー12を通し、この吊上用ワイヤー12の一端をフック13と接続し、他端を図5(b)に示すように、ワイヤー巻上機37と接続しておく。
次に、図8を参照して電力ケーブル1全体を複数の電柱2に吊り上げる順序について説明する。
なお、図8では電力ケーブル1及び電柱2を模式化し、各電柱2間の間隔をそれぞれA区間、B区間、C区間として示した。各区間の長さは40m、10本の電柱が配置されている。
この配置から、まずA区間のみを電力ケーブル1の弛度を利用して2〜3m引き上げる。この結果、電力ケーブル1は、A−B区間の境界部分では2〜3m上昇しているが、B−C区間の境界では全く上昇しておらず、その間連続的に変化することになる(図8(b))。
更に、A区間のみを電力ケーブル1の弛度を利用して2〜3m引き上げる(図8(d))。
このような工程を順次繰り返すことにより、電力ケーブル1全体を電柱2の上部へ布設することができる。
(1)地上延線工程により電力ケーブル1を予め各電柱2の下部位置に仮配置して張架した後に、吊上げ工程により電力ケーブル1を各電柱2の上部ヘ順に吊上げているので、従来、高所で行っていたケーブル延線作業を地上付近での作業にすることが可能になる。このため、高所作業車が使用できないような作業環境下でもケーブル延線が可能になる。
(2)狭隘な場所でも電柱2が建てられる条件であれば、電力ケーブル1の延線に必要な作業スペースや作業時間等の作業環境は充分確保できるため、いかなる作業環境でも電力ケーブル1を採用することが可能になる。このため、従来の布設方法では電力ケーブル1を採用するのが難しかった場所にも容易に採用することができる。
(3)従来のような高所における延線用ワイヤーおよび延線用コロの取り付けと取り外し作業を地上付近で行うことができるので、作業時間を短縮することができる。
(4)地上延線工程では、約2mのところで延線しているので、安全かつ簡単に必要な弛度を確保することが可能である。
(5)地上延線工程においてホーリングマシンを用いているので、必要な弛度を確保しつつケーブルを送り出すことができる。
(6)吊上用治具10を用いて電力ケーブル1を吊上げているので、ケーブルオフセット部分でケーブルの延線形状を保持した状態で効果的に吊り上げることができる。
(7)吊上げ作業時に、ケーブルの弛度で吸収できる範囲で段階的に吊り上げることにより、電力ケーブル1の全長を効率良く布設することができる。
2 電柱
3 延線用ワイヤー
4 吊りコロ
5 ホーリングマシン
6 ウィンチ
7 ケーブルドラム
8 メッセンジャードラム
9 ラッシングマシン
10 吊上用治具
11 シャフト
12 吊上用ワイヤー
13 フック
14 メッセンジャーワイヤー
15 クリート部
16 ワイヤー引留具
17 ケーブル支持台
18 固定ワイヤー
21 クリート
23 プレート
25 シャフト
27 U型固定具
31 金車部
33 ワイヤー引留金具
35 引留ワイヤー
36 オフセット形状
37 ワイヤー巻上機
41 ケーブル
42 メッセンジャーワイヤー
43 ラッシングワイヤー
54 電力ケーブル
56 電柱
57 延線用ワイヤー
58 延線用コロ
59 ウィンチ
60 ケーブルドラム
Claims (5)
- ケーブルとメッセンジャーワイヤーとをラッシングワイヤーでスパイラル巻きして一体化せしめて成る架空ケーブルを各電柱の下部位置に仮配置して張架する地上延線工程と、
前記架空ケーブルを前記各電柱の上部ヘ順に吊上げることにより前記架空ケーブルを前記各電柱の上部位置に延線布設する吊上げ工程とを備え、
前記地上延線工程おいて、前記各電柱の上部位置に延線布設される前記架空ケーブルには前記各電柱の下部位置で前記各電柱間に布設されるよう既に所定の弛度を施して予め延線形状にしておき、前記吊上げ工程は、前記架空ケーブルに施した前記所定の弛度を利用して吊上げを行い、前記架空ケーブル全体を前記所定の弛度が確保された状態で前記各電柱の上部位置へ布設し、布設された前記架空ケーブルを前記所定の弛度が確保された状態で前記各電柱の前記上部位置に固定することを特徴とする架空ケーブルの布設工法。 - 前記地上延線工程は、前記各電柱の下部位置に予め延線用ワイヤーを取り付け、当該延線用ワイヤーを介して多数の延線用コロを吊り下げ、当該延線用コロを通して前記架空ケーブルを延線し、前記架空ケーブルを前記各電柱の下部位置に張架することを特徴とする請求項1記載の架空ケーブルの布設工法。
- 前記吊上げ工程は、複数の電柱が配置されてなる布設区間を幾つかの区間に分割し、まず任意の第1区間を架空ケーブルの弛度を利用して電柱の上部に吊上げ、次いで前記第1区間とは隣接しない第2区間を架空ケーブルの弛度を利用して電柱の上部に吊上げることにより、前記第1区間と前記第2区間との間の第3区間をも吊上げて、第1から第3の区間全体で架空ケーブルを均一に吊上げ、かかる手順を布設区間全体にわたって行うことにより、架空ケーブルを布設区間全域で均一に吊上げて各電柱の上部位置に延線布設することを特徴とする請求項1記載の架空ケーブルの布設工法。
- 前記吊上げ工程は、前記電柱のケーブルオフセット部分でケーブルの延線形状を保持した状態で吊上げることを特徴とする請求項1記載の架空ケーブルの布設工法。
- 架空ケーブルを固定するためのシャフトと、前記シャフトの両端に設けられ、前記架空ケーブルを保持して前記架空ケーブルの延線形状を維持するクリート部と、前記クリート部の下部に設けられ、前記架空ケーブルを支持するケーブル支持台と、前記シャフト及び前記架空ケーブルの一部とワイヤー接続され、更に前記架空ケーブルを吊上げるワイヤーとも接続されるフックとを有することを特徴とするケーブル吊上用治具。
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