JP2005146772A - 屋根支持構造体ユニットおよび大空間屋根構造物並びにこれらの施工法 - Google Patents

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Eiichiro Saeki
英一郎 佐伯
Kaoru Kamiyama
芳 神山
Tatsuto Suzuki
達人 鈴木
Kazuhiko Oka
和彦 岡
Makoto Imoo
誠 芋生
Koichi Aoki
孝一 青木
Biki Yoshimura
美毅 吉村
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Abstract

【課題】 風による吹き上げ力が作用する膜屋根構造物にも適用できる構造が簡単な大空間屋根構造物およびこれに使用する屋根支持構造体ユニット並びにこれらの施工方法を提供すること。
【解決手段】 間隔をおいて対向するように立設された支柱5の上部に上部主ケーブル1の端部が固定され、上部主ケーブル1に支持された多数本の縦副ケーブル3が上部主ケーブル1の長手方向に間隔をおいて垂下され、上部主ケーブル1に間隔をおいて対向すると共に多数の縦副ケーブル3に支持された上に凸の曲線状の下部主ケーブル2が支柱5の下部に固定されている屋根支持構造体ユニット6。また、屋根支持構造体ユニット6が間隔をおいて設けられ、各屋根支持構造体ユニット6における下部主ケーブル2に渡って横副ケーブル4が交差するように複数本の横副ケーブルが配置されて緊結され、下部主ケーブル2と横副ケーブル4とにより屋根仕上げ材10を保持するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、平地あるいは山間地あるいはこれらの場所で高低の異なる場所における競技場、農園、あるいは廃棄物処理場等の上部大空間屋根構造物に使用する屋根支持構造体ユニット、および大空間屋根構造物並びにこれらの施工法に関する。
従来、A.メインケーブルを備えた大規模な膜構造屋根における前記メインケーブルを支柱に設置する場合、メインケーブルをリニアウインチにて引き込み、メインケーブルを緊張下でその端部を固定する施工方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法では、大型のウインチとこれを駆動する装置を必要とするため、費用がかさむ上、メインケーブルの引き込みを可能とするため支柱上部に回転ローラー機構が必要であり、作業が煩雑になる。
また、従来、B.上部主ケーブルを下に凸に配置すると共に、下部主ケーブルの中央部を上部主ケーブル中央部よりも高レベル位置になると共に交差するように配置し、高レベルの下部主ケーブルと、低レベルの上部主ケーブルとの間に、圧縮力を受け持つ束材を配置する形態の屋根支持構造も知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、前記特許文献1には、2本の主塔と、メインケーブル、サイドケーブル、ハンガーケーブルからなる大規模な膜構造屋根も開示されている。
前記Aの膜屋根構造においては、風による吹き上げ力から膜屋根を固定する方法が未解決であり、風による吹き上げ力が作用する膜屋根構造物には適用できないという問題(1)がある。また、支柱上部に両端を固定したメインケーブルに直接サイドケーブルを取付けており、これからハンガーケーブルを垂らすために、ハンガーケーブルが屋根面積にあわせて多数本必要となり、施工が煩雑であるという問題(2)があると共に、美観的にも優れない屋根となる。
また、前記Bの場合には、上部主ケーブルおよび下部主ケーブル並びに束材とを地上で組み立てて梁ユニットとした後に、前記上部主ケーブルの端部を吊り上げて柱上に固定しようとすると、圧縮力を受け持つ束材の安定性が悪く、上部主ケーブルおよび下部主ケーブル並びに束材全体が回転しやすいために、このように施工することができず、上部主ケーブルおよび下部主ケーブル並びに束材とを、それぞれ仮設用の足場並びに高所作業により構築する必要があり、作業が煩雑で、施工コストが著しく高くなる。
特開平09−296556号公報 特許第3299200号公報
本発明は、風による吹き上げ力が作用する膜屋根構造物にも適用でき、構造が簡単な大空間屋根構造物およびこれに使用する屋根支持構造体ユニット並びにこれらの施工方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、第1発明の屋根支持構造体ユニットにおいては、左右方向に間隔をおいて対向するように立設された一対の支柱の上部に、上部主ケーブルの端部が固定され、前記上部主ケーブルに支持された多数本の縦副ケーブルが前記上部主ケーブルの長手方向に間隔をおいて垂下され、前記上部主ケーブルに間隔をおいて対向すると共に前記多数の縦副ケーブルに支持された上に凸の曲線状の下部主ケーブルが支柱の下部に固定されていることを特徴とする。
また、第2発明では、第1発明の屋根支持構造体ユニットにおいて、多数の前記縦副ケーブルの垂下端部までの長さは、上部主ケーブルの中央部に近づくにしたがって、これらの多数の縦副ケーブルの垂下端を結ぶことによって上に凸の曲線状となるように漸次短くされていることを特徴とする。
また、第3発明の屋根支持構造体ユニットの施工方法では、左右方向に間隔をおいて対向するように立設された支柱間の地盤上で、上部主ケーブルと、これに間隔をおいて対向するように上に凸の曲線状の下部主ケーブル2と、これらの長手方向に間隔を置いた多数本の縦副ケーブルの端部を前記上部主ケーブルと下部主ケーブルとに緊結して構成されるケーブル式梁ユニットを予め地上で組み、次いで前記ケーブル式梁ユニットにおける上部主ケーブルの端部を複数の方向から緊張することで位置を安定させつつ吊り上げ、支柱上部に固定することを特徴とする。
また、第4発明の大空間屋根構造物では、第1発明または第2発明の屋根支持構造体ユニットが前後方向に間隔をおいて平行または非平行に複数設けられ、各屋根支持構造体ユニットにおける下部主ケーブルに渡って横副ケーブルが交差するように配置されると共に間隔をおいて複数本の横副ケーブルが配置されて、これらの交差部において緊結され、前記下部主ケーブルと横副ケーブルとにより屋根仕上げ材を保持するようにしたことを特徴とする。
また、第5発明では、第4発明の大空間屋根構造物において、屋根仕上げ材が、膜材とされていることを特徴とする。
また、第6発明の大空間屋根構造物の施工法では、左右方向に間隔をおいて対向するように支柱を立設し、上部主ケーブルとこれに間隔をおいて対向するように上に凸の曲線状の下部主ケーブルと、これらの長手方向に間隔を置いた多数本の縦副ケーブルの端部を前記上部主ケーブルと下部主ケーブルとに緊結して構成されるケーブル式梁ユニットを備えた未完屋根または屋根を吊り上げて、前記上部主ケーブルの端部を支柱に固定することを特徴とする。
また、第7発明では、第6発明の大空間屋根構造物の施工法において、ケーブル式梁ユニットを備えた未完屋根または屋根が予め地組みされ、かつケーブル式梁ユニットを備えた未完屋根または屋根におけるケーブル地組みの際、ケーブル式梁ユニットを備えた未完屋根または屋根の揚重に必要な揚重力を小さくするために、少なくとも上部主ケーブルを引きずることが少ない地組み配置とされていることを特徴とする。
また、第8発明では、第7発明の大空間屋根構造物の施工法において、縦副ケーブル端部が下部主ケーブル側に折り返すように配置されて、上部主ケーブルと下部主ケーブルとが、対向する支柱中心を結ぶ中心線に近くなるように地組みされていることを特徴とする。
また、第9発明では、第6発明〜第8発明のいずれかの大空間屋根構造物の施工法において、地組みの際、予め下部主ケーブルの両端部が、それぞれ対向する支柱に固定されていることを特徴とする。
第10発明では、第6発明〜第9発明のいずれかの大空間屋根構造物の施工法において、上部主ケーブルの地組み時にその両端部に、それぞれワイヤー等の仮設条体の一端部を接続し、かつ支柱頭部に条体支承部を設けると共に、低レベル位置に条体牽引装置を設置し、前記仮設条体の他端部を、条体支承部を介して前記条体牽引装置に接続し、前記条体牽引装置を駆動し、前記仮設条体を下方に牽引して上部主ケーブルを張設し、その上部主ケーブル端部を支柱頭部に固定することを特徴とする。
第11発明では、第10発明の大空間屋根構造物の施工法において、前記条体支承部が滑車であり、前記牽引装置が液圧ジャッキを備えた牽引装置であることを特徴とする。
また、第12発明では、第6発明〜第9発明のいずれかの大空間屋根構造物の施工法において、ケーブル式梁ユニットを備えた未完屋根または屋根を地組みした後、上部主ケーブルの両端部および中間部を、複数のクレーンを用いて同時に吊り上げることを特徴とする。
第13発明では、第12発明の大空間屋根構造物の施工法において、上部主ケーブルの中間部は、上部主ケーブルに沿った吊り天秤を介して複数箇所吊り上げられることを特徴する。
第14発明では、第7発明〜第13発明のいずれかの大空間屋根構造物の施工法において、地上において地組みされる際、下部主ケーブルを設置した後、これに交差する横副ケーブルが取付けられ、次いでこれらに膜などの屋根仕上げ材が取り付けられ、次いで上部主ケーブルが配置され、続いて下部主ケーブルと上部主ケーブルを連結する縦副ケーブルが間隔を置いて多数設置されることを特徴とする。
本発明によると、次にような効果を有する。
第1発明によると、間隔をおいて対向する支柱間に、上部主ケーブルと上に凸の下部主ケーブルおよびこれらに連結された縦副ケーブルを備えた屋根支持構造体ユニットとされているので、風による吹き上げ力が作用する大空間屋根構造物に適用しても、上に凸の下部主ケーブルで対向でき、また、雨水あるいは雪荷重に対しては、上部主ケーブルで対向できる構成が簡単な構造要素であり、また対向する支柱のレベルが異なっていても、容易に屋根支持構造体ユニットを構成することができるため、施工の自由度が高い。
第2発明によると、単に縦副ケーブルの長さを、上部主ケーブルの中央部に近づくにしたがって変えるだけで、下部主ケーブルを上に凸の曲線状に配置することができるため、風による吹き上げ力が作用する大空間屋根構造物の屋根に適用できる屋根支持構造体ユニットを簡単に構築できる。
第3発明によると、上部主ケーブルおよび下部主ケーブル並びにこれらに縦副ケーブルの端部を緊結して構成されるケーブル式梁ユニットを地上において地組みできるため、精度良くケーブル式梁ユニットを組み立てることができるばかりでなく、高所における組立が不要である分、仮設足場が省略できるので、低コストで、かつ高所作業を少なく、作業安全性が高くなる。
また、単に、上部主ケーブルの端部を複数の方向から緊張し横方向に位置を安定させた状態で、垂直方向に吊り上げるだけでよいので、上部主ケーブルの端部の支柱への固定が容易であり、また、ケーブル式梁ユニットの荷重が比較的小さくてすむので、ウインチあるいはクレーンを使用して容易に施工することができる。
上部主ケーブルを支柱の上部に固定するために必要な重機が、クレーンのみで可能となるため、施工が簡素でかつ支柱上部に複雑な機構が不要になり、支柱上部に固定金具(または連結金具)を設けるだけでよいので、支柱上部の構造が簡単になる。
第4発明によると、(1)大空間構造の屋根面に作用する、風による吹き上げ力あるいは雨水または雪荷重等の上・下方向の力に対して、上部主ケーブルと下部主ケーブルの2本の主ケーブルおよび縦副ケーブルからなる簡単な構造のケーブル式梁ユニット機構により、これを有効に支承することができる。また、敷地平面形状、地形形状に応じて、あるいは地盤レベルの高低差があっても、充分対応できる屋根支持構造体ユニットを使用しているため、同様にこれらに対応できる大空間屋根構造物となる。
また、(2)縦副ケーブル及び横副ケーブルは最小本数に抑えられ、構築作業の煩雑さを解消でき、また美観にも優れる。
第5発明のように、膜屋根仕上げとすれば、任意の形状の敷地形状、周囲に高低差のある敷地に対しても、より柔軟に対応することができる。
第6発明によると、ケーブル式梁ユニットを備えた未完屋根または屋根を地組みした後、単に吊り上げて支柱に固定するだけで、大空間屋根構造物を容易に構築でき、施工が容易であると共に、精度良くケーブル式梁ユニットを組み立てることができるばかりでなく、高所における組立が不要である分、仮設足場が省略できるので、低コストで、かつ高所作業を少なく、作業安全性が高い大空間屋根構造物の施工法となる。
第7発明によると、ケーブル式梁ユニットを備えた未完屋根または屋根の揚重に必要な揚重力を小さくするために、少なくとも上部主ケーブルをひきずることの少ない地組み配置とすることにより、クレーンおよびウインチの揚重力を小さくすることができると共に、ケーブル類が損傷したり、膜材などの屋根仕上げ材を上部主ケーブルまたは縦副ケーブルによって、損傷するおそれを排除することができる。
第8発明によると、縦副ケーブルを折り返すように配置するので、下部主ケーブルまたは上部主ケーブルを対向する支柱中心を結ぶ中心線の近傍に配置する場合であっても容易に縦副ケーブルの端部を上部主ケーブルまたは下部主ケーブルに連結することができる。また、上部主ケーブルおよび下部主ケーブルが支柱中心を結ぶ中心線上の近くに配置するので、上部主ケーブルの端部を引き上げる過程において、上部主ケーブルの中間部または下部主ケーブルを引きずるのを極力防止することができるため、上部主ケーブルを含む引き上げに必要な揚重力を小さくすることができる。
第9発明によると、下部主ケーブルの両端部を予め支柱に固定するので、下部主ケーブルの端部が位置決めされた状態で地組みできるので、横副ケーブルおよび膜材等の屋根仕上げ材並びに縦副ケーブルの地組み作業を比較的容易にすることができる。
第10発明によると、上部主ケーブルの両端部に仮設条体を接続するので、軽量の仮設条体を支柱上端部の条体支承部に掛けまわして、仮設条体を介して上部主ケーブルを条体牽引装置により引き上げて、支柱上端部に容易に固定することができる。
第11発明によると、支柱上部に滑車またはシーブを備えた条体支承部を設けるだけで条体支承部を構成することができ、支柱上部の構造が簡単になる。また、牽引装置が液圧ジャッキを備えているので、比較的小型の牽引装置により上部主ケーブルを引き上げることができる。
第12発明によると、上部主ケーブルの両端部および中間部を同時に吊り上げるので、上部主ケーブルの両端部を支柱近傍から吊り上げるようにしても、支柱間中央側に支柱から離反しないので、上部主ケーブルの両端部を支柱の上部に容易に固定することができる。
第13発明によると、上部主ケーブルの中間部がこれに沿った吊り天秤を介して支持されているので、上部主ケーブルの中間部を安定した状態で吊り上げることができる。
第14発明によると、屋根仕上げ材を取り付けるための下部主ケーブルと横副ケーブルが先行して地組みされるので、膜材などの屋根仕上げ材を効率よく取り付けることができ、またその後、上部主ケーブルを配置するので、上部主ケーブルを膜材上に容易に配置することができる。また上部主ケーブルを配置した後、上部主ケーブルと下部主ケーブルに連結される縦副ケーブルを配置するので、上部主ケーブルと下部主ケーブルの位置によって、縦副ケーブルの端部を容易に位置決めして、縦副ケーブルの地組み配置することができる。また、縦副ケーブルを先に配置しないので、上部主ケーブルおよび下部主ケーブルを対向する支柱中心を結ぶ中心線付近に配置する場合でも、これらに連結される多数の縦副ケーブルを単に2つ折等屈曲配置するだけで、これを容易に配置することができる。
次に本発明の実施形態について、図を参照して説明する。
まず、本発明の屋根支持構造体ユニットについて、図3および図4並びに図12および図13を参照しながら説明する。
図12および図13は、図1,2に示す大空間屋根構造物における本発明の屋根支持構造体ユニット6を取り出して示すものであって、所定の間隔をおいて対向するように基礎に固定された鋼製支柱5が立設され、前記支柱5の上部および下部には、図示を省略するが、上部主ケーブル1および下部主ケーブル2の端部(または端末金具)を固定するため固定金具(または連結金具)が適宜設けられている。
各支柱5は、外側後方に傾斜する控え柱7及び前後方向に傾斜する複数のブレース16により傾倒しないように支持されている。
図13に示す屋根支持構造体ユニット6を構築するにあたって、図3および図4に途中の状態を示すように、間隔をおいて対向する支柱5間の地上において地組みされる際、まず、吊り上げ架設された時に上に凸の曲線状になる下部主ケーブル2が円弧状に配置される。前記下部主ケーブル2を配置する場合、対向する支柱5中心を結ぶ中心線に近い位置に配置すると、下部主ケーブル2の引き上げ時にこれを引きずらないようになるため好ましい。
前記下部主ケーブル2を配置した後、これに直交等交差する方向の複数の横副ケーブル4を左右方向に間隔をおいて配置して、これらの各交差部において、適宜クランプ金具(図示を省略した)に緊結する。
次いで、前記の下部主ケーブル2と横副ケーブル4とにより支持させるように、帯状または4角形の屋根膜等からなる屋根仕上げ材10が、これらの下部主ケーブル2と横副ケーブル4の下面側または上面側あるいはこれらの間隔をおいて対向する各下部主ケーブル2と各横副ケーブル4により構成される矩形状の枠内に配置されて、図示省略の固定手段あるいは連結手段により、下部主ケーブル2と横副ケーブル4に取付られる。
次いで、前記下部主ケーブル2に対向するように、上部主ケーブル1が配置され、次いで、上部主ケーブル1と下部主ケーブル2の長手方向に間隔をおいて平行に多数の縦副ケーブル3が配置されると共に、その端部が上部主ケーブル1と下部主ケーブル2に適宜クランプ金具(図示を省略した)により緊結される。
前記の下部主ケーブル2と上部主ケーブル1とこれらを連結する縦副ケーブル3によりケーブル式梁ユニット8が構成され、前記ケーブル式梁ユニット8およびこれに支持される横副ケーブル4並びに屋根仕上げ材10を含めて地組みされている。なお、本発明においては、前記ケーブル式梁ユニット8のみ、またはケーブル式梁ユニット8と横副ケーブル4並びに、屋根膜等の屋根仕上げ材10の一部または全部を地組みしてもよい。
前記上部主ケーブル1を含むケーブル類の配置位置は、吊り上げ時にケーブル類(特に、上部主ケーブル1)を引きずらないような配置にすると、クレーン等の引き上げ力が小さくなる。そのため、後記の実施形態でも示すように、縦副ケーブル3を2つ折に屈曲配置したり、対向する支柱5の中心を結ぶ中心線に近い位置にすると、上部主ケーブル1も対向する支柱中心を結ぶ中心線に近い位置になるのでよい。なお、ケーブル類の配置形状は、適宜ケーブル類の配置形態解析により求めることが可能である。
前記の上部主ケーブル1は、架設された状態において、下に凸の懸垂線、下に凸の放物曲線または下に凸の他の曲線を描くように円弧状に配置され、また、前記の下部主ケーブル2は、前記上部主ケーブル1に間隔をおいて、上に凸の円弧状曲線を描くように配置される。これらの上部主ケーブル1および下部主ケーブル2の配置にあたって、予め地盤9上あるいは膜材上に、治具あるいは上向き開孔の位置決め治具(図示を省略した。)を、緊結部を除いた位置において間隔をおいて設けて、それらの治具内または治具上に、上部主ケーブル1あるいは下部主ケーブル2を配置しておくこともできる。
前記の下部主ケーブル2の曲線形状は、下部主ケーブル2の長手方向に設置される屋根膜などの屋根仕上げ材10の曲線形状を決めることになること、上向き風の吹き上げ荷重による構造要求のみならず、雨水処理・滑雪性からの要求にも影響されるため、設置地域によって適宜設定される。
例えば、下部主ケーブル2の曲線形状は、上部主ケーブル1の懸垂線と上下向かい合うように反転した上に凸の円弧状曲線(以下、反転懸垂線とも言う)を基本として、これに、屋根膜などの屋根仕上げ材10に作用する上向きの風吹き上げ荷重に対する抵抗力および雨水処理・滑雪性の観点を考慮して、設計により、適宜、上に凸の曲線形状を描くように設定される。
なお、下部主ケーブル2の端部(または端末金具)を、各支柱5の地上レベルに近い位置の支柱5の下部の固定金具に固定した状態で、ケーブル式梁ユニット8を備えた未完屋根または屋根を地組みするようにすることもできる。
なお、図示を省略するが、上部主ケーブル1と下部主ケーブル2には、その長手方向に所定の間隔をおいて、縦副ケーブル3の端部(または端末金具)を緊結(または固定)するための適宜の緊結金具(または固定金具)が予め設けられる。
このように、少なくとも1組以上のケーブル式梁ユニット8を含む未完屋根または屋根を地上において地組みできると、その組立作業が容易になると共に、確実に緊結部の状態を確認しながら地上において組立でき、信頼性の高いケーブル式梁ユニット8を地組みできるばかりでなく、これを含む未完屋根または屋根を地組みできる。
なお、前記各縦副ケーブル3は、上部主ケーブル1が吊り上げられて、支柱5に架設された状態では、間隔をおいて平行に垂下された状態で、上部主ケーブル1に支持され、下部主ケーブル2を支持することになる。
前記の縦副ケーブル3は、支柱5に近いほど長く垂下し、上部主ケーブル1の長手方向(左右方向)中央に近づくにつれて順次短くされている。したがって、上下の各主ケーブル1,2が吊り上げられて支柱に架設された状態では、各縦副ケーブル3の下端部には、下部主ケーブル2が連結され、上部主ケーブル1は前記対向する支柱5の上部に固定されて懸垂され、また前記下部主ケーブル2の端部は、対向する前記支柱5の下部に固定された状態になる。
次に、吊り上げ時のクレーンおよびウインチの負担が少なくなるようにしたケーブル類の配置形態について、図5を参照して説明すると、この形態では、縦副ケーブル3をそのほぼ中央部付近で2つに折り曲げて屈曲配置とした形態であり、このようにするために、下部主ケーブル2および上部主ケーブル1は、左右方向に間隔をおいて対向する支柱5の中心を結ぶ中心線に近い位置に配置され、したがって、また縦副ケーブル3の両端部は、前記と同様に、左右方向に間隔をおいて対向する支柱5の中心を結ぶ中心線に近い位置に配置されるとよい。なお、図5では、便宜上、図1,2よりも、前後方向の支柱5間の間隔を広げていると共に、上部主ケーブル1および下部主ケーブル2を前記中心線より若干離して表現している。なお、図3以降では、図をわかりやすくするため、便宜上、横副ケーブル4を点線で表示し、また、ケーブル式梁ユニット8間の間隔を広げた図とされている。
このように対向する支柱5の中心を結ぶ中心線に近い位置に配置すると、支柱間のほぼ中心垂直面上に、上部主ケーブル1の端部を吊り上げる場合、ケーブル類特に上部主ケーブル1および下部主ケーブル2を中心線から離れた位置に配置する場合に比べて、著しく引きずる距離が少なくてすみ、上部主ケーブル1,下部主ケーブル2,縦副ケーブル3および横副ケーブル4等のケーブル類、特に上部主ケーブル1を引きずることなく、支柱5の上方に向かって吊り上げることができる。
前記のように地組みされたケーブル式梁ユニット8を備えた未完屋根または屋根における上部主ケーブル1の一端部(端末連結金具)を、図6に示すように、クレーン13により吊り上げると共に、前記一端部に、支柱5の周りの地上に設置された複数方向(図示の場合は、支柱間中心線に対してほぼ等角度間隔をおいた2方向、あるいは膜材の一部を後から取付る場合には、図12に示すような3方向)に配置された2台(または3台)のウインチ14から繰り出されるロープ等の条体先端部の係止フック等を係止させて、前記ウインチ14を巻き上げ駆動して、前記一端部を複数の方向から緊張することで、クレーン13の吊り下げ係止フック18を一定位置とし、この一定位置のほぼ垂直線状を上昇するように、横方向の位置を安定させつつ吊り上げて、前記一端部を支柱5の上部の固定金具(図示を省略した)に固定する。これと同時または、その後に前記上部主ケーブル1の他端部も同様に吊り上げて、他方の支柱5の上部の固定金具(図示を省略した)に固定する。
全ての上部主ケーブル1および下部主ケーブル2を同様に支柱5に固定して、図1または図2に示すような大空間屋根構造物を構築する。
なお、上下のケーブル1,2の端部を支柱5に固定するために、リング等の端末金具を予め固定し、支柱5側にピン挿通孔を有する一対のブラケット等の受け金具を取り付けて、ケーブル端末の端末リングを、前記ブラケット間に配置して、これらの透孔にピンを挿通することで、ケーブルの端末金具を支柱5に取り付けることができる。
図7は、図5および図6に示す形態の変形形態を示すものであって、この形態では、上部主ケーブル1の両端部のリング等の端末連結金具に、両端部に端末連結金具を備えた所定長の延長ワイヤーまたはワイヤーロ−プ等の仮設条体19の一端部(または一端部の端末金具)を連結した形態である。
このような所定長の仮設条体19を設けた理由は、上部主ケーブル1全体をほとんど吊り上げることなく、仮設条体19のみを支柱5の上部の滑車またはシーブ等を備えた条体支承部20に掛け回し、支柱後面側の低レベル位置に設置の条体牽引装置21から繰り出されているロッドまたは条体22に連結するためであり、このように仮設条体19を介在させることにより、上部主ケーブル1を長くすることなく、また容易に簡易クレーン等を使用して、仮設条体19を配設することができる。なお、仮設条体19の他端部(端末金具)と条体牽引装置21から繰り出されているロッドまたは条体22先端部の端末連結金具は、適宜ねじ結合等の連結手段により連結される。
前記の条体牽引装置21は、適宜、地盤に反力をとるようにアンカーを設けて設置してもよく、支柱5の基端部に取付金具等を介して固定するようにしてもよい。なお、仮設条体19の長さは、適宜の長さでもよいが、図8に示すように支柱5の長さよりも若干短い程度の長さ寸法があれば、上部主ケーブル1全体を吊り上げることなく、上部主ケーブル1の端部のみの自重ですみ、荷重負担を小さくして、図8の上部右側に示すように、クレーン等を使用して、支柱上部の条体支承部20に掛けまわすことができ、作業効率がよい。
前記の条体牽引装置21としては、ウインチを使用してもよく、あるいは、図示のように、センターホールジャッキ24の中空可動ピストン先端部と中空シリンダ端部にそれぞれ開閉可能な係止装置25を備えた伸縮反復式送り装置とセンターホール内に挿通配置され、係合膨出部を備えたねじ連結式短尺ロッドを複数直列に連結して構成される係合膨出部付棒状体とを組み合わせた公知の伸縮反復式牽引装置を使用してもよく、あるいは前記伸縮反復式送り装置と、センターホール内に挿通配置され、かつ間隔をおいて多数の係合膨出部を備えた係合部付条体とを組み合わせた公知の伸縮反復式牽引装置なども使用することができる。
次いで、図9に示すように、前記条体牽引装置21を伸縮駆動して、ケーブル類特に上部主ケーブル1および下部主ケーブル2を引きずらないように吊り上げて、滑車またはシーブを支持している支柱5上端部に固定の一対のブラケットからなる固定金具26のピン孔まで、上部主ケーブル1の端部の端末金具を一対のブラケットまで引き上げて、前記固定金具26のピン孔と上部主ケーブル1の端末金具とにピンを装着して、上部主ケーブル1の端部を支柱5上端の固定金具26に固定する。同様に上部主ケーブル1の他端部を他方の支柱5上端部の固定金具26に固定する。
前記のようなケーブル配置で仮設条体19を介在させ、条体牽引装置21を使用すると、上部主ケーブル1および下部主ケーブル2の中間部を引きずることがなく、吊り上げ荷重を小さくでき、またクレーンを使用することなく、クレーンの吊り上げ力よりも大きな小型の牽引装置を使用して、上部主ケーブル1および屋根仕上げ材10を含む大空間屋根構造物の屋根を設置することができる。
牽引の順序としては、1箇所毎に牽引して上主ケーブル1の端末を柱上に固定する方法と、柱頭に作用する水平力が過大とならぬよう牽引途中で仮固定し他の柱頭を牽引し、途中で固定し、を繰り返して徐々に引き揚げる方法がある。
前記のようにして、全ての上部主ケーブル1を支柱5の上端部の固定金具26に固定して、図1または図2に示すような大空間屋根構造物を築造する(図1および図2では、固定金具を省略した。)。なお、下部主ケーブル2の両端部(両端部の端末金具)は、予めまたは適宜の時期に、それぞれ対向する支柱5の下部の固定金具に固定する。
前記のように構成された大空間屋根構造物においては、間隔をおいて対向する前記各支柱5と、これに固定された上下に間隔をおく上部主ケーブル1および下部主ケーブル2と、これらの上部および下部主ケーブル1,2を繋ぐ縦副ケーブル3とからなるケーブル式梁ユニット8とにより、屋根支持構造体ユニット6が構成されている。
前記のように地組みしたケーブル式梁ユニット8を吊り上げて構築すると、高所作業を少なくして容易に構築することができる。また、支柱5の上部および下部に固定金具を設けるだけですみ構造も簡単になる。
図10および図11は、上部主ケーブル1,下部主ケーブル2,横副ケーブル4および縦副ケーブル3並びに膜材など屋根仕上げ材10を他の形態により地組みし、大空間屋根構造物を構築する手順を示す説明図である。
この形態では、支柱5間の端部側の膜材からなる屋根仕上げ材10のみを地組みし、かつ支柱5間の中央部に位置する横副ケーブル4の両側の膜材からなる屋根仕上げ材10を設置しない状態で前記と同様に地組みし、中央の屋根仕上げ材10がない部分に上部主ケーブル1に沿って吊り天秤27を配置し、また中央の屋根仕上げ材10がない部分に自走式クレーン13aを配置し、クレーン13aに支持される吊り下げ条体を介して吊り天秤27を吊り下げ支持し、前記吊り天秤27に取付られた係止フック28を介して上部主ケーブル1の中央を吊り上げると共に、各支柱5側の上部主ケーブル1端部を、支柱5の外側に配置したクレーン13およびその両側の2台のウインチ14により、図11に示すように吊り上げて、上部主ケーブル1の端部をそれぞれ支柱5の上端部の固定金具26に固定している。その後、昇降足場を備えた自走式作業台車(図示を省略)を利用して、中央部の膜材などの屋根仕上げ材10を下部主ケーブル2および横副ケーブル4に取付けて大空間屋根構造物11を構築する。
このように上部主ケーブル1の端部および中央部を同時に吊り上げる施工法によると、上部主ケーブル1の端部を引き上げる場合、その自重またはこれを含む屋根材の自重により支柱中央側に引き寄せられる分力を小さくすることができ、地上に設置するウインチ14のパワーを低減することができ、小型のウインチとすることもできる。
次に、前記の屋根支持構造体ユニット6を備えた本発明の大空間屋根構造物の一実施形態について、図1に示す実施形態に基づいてさらに説明する。
前記のような大空間屋根構造物11では、ケーブル式梁ユニット8を備えた屋根支持構造体ユニット6が間隔をおいて平行に複数設けられた構造で、間隔をおいて隣り合う屋根支持構造体ユニット6における下部主ケーブル2にわたって、屋根用の横副ケーブル4が交差するように配置されると共に、各交差部において適宜クランプなどの緊結金具により緊結されている構造となる。
また、帯状あるいは4角形の屋根膜等からなる屋根仕上げ材10が、下部主ケーブル2と横副ケーブル4の下面側または上面側あるいはこれらの間隔をおいて対向する各下部主ケーブル2と各横副ケーブル4により構成される矩形状の枠部分で、図示省略の固定手段あるいは連結手段により、下部主ケーブル2と横副ケーブル4に取付られている構造の大空間屋根構造物11となる。
このような大空間屋根構造物11では、下部主ケーブル2は、上に凸なむくりを有しているため、前記の「むくり」により、風等による屋根面の浮き上がり力に対して下部主ケーブル2の張力で有効に抵抗でき、また、風等による屋根面に下方向の力に対しては上部主ケーブル2の張力で有効に抵抗できる構造となる。つまり、屋根面に働く上・下方向の力にそれぞれ上部主ケーブル1と下部主ケーブルが、これらに作用する張力で合理的に抵抗する機構を有する構造とされている。
また、前記下部主ケーブル2は、全体として、上に凸のほぼ曲線形状とされ、また、前記上部主ケーブル1および縦副ケーブル3並びに下部主ケーブル2は同じ垂直面上に位置するように架設されている。また、下部主ケーブル2に沿ういずれの垂直線上においても、下部主ケーブル2のレベルは、上部主ケーブル1のレベルよりも間隔をおいて低レベル位置とされているので、従来のように、下部主ケーブル2と上部主ケーブル1との間に束材を配置する必要がなく、また、上部主ケーブル1および下部主ケーブル2が回転する恐れもない。また、構造的にも部品点数を少なく、合理的な構造とされている。なお、本発明においては、対向する支柱5の設置レベルが異なっていてもよく、屋根支持構造体ユニット8における上部主ケーブル1の両端部の設置レベルが異なっていてもよいため、起伏に富んだ地形にも適用することができるため、施工の自由度が高い。
図2は、大空間屋根構造物の第2実施形態を示すものであって、この形態では、端部側の屋根支持構造体ユニット8から前後方向外側に間隔をおいて平行に配置されると共に、左右方向に間隔をおいて、上端部の高さがアーチ形状を描くように端部支柱12が基礎に立設されている。
前記各端部支柱12は、傾斜した控え柱7により左右方向の傾倒が防止されていると共に、各端部柱12間はブレース16により前後方向の傾倒が防止され、各端部支柱12の上部の固定金具(ピン孔付ブラケット等)に、横副ケーブル4の端部(または端末金具)がピンなどにより定着される。
また、必要に応じ、端部支柱12の上端部にわたって、端部上架材17が配置固定され、また、前記端部上架材17の端部は控え柱7に適宜固定金具を設けて固定される。また、前後方向端部側の下部主ケーブル2と横副ケーブル4と前記の端部上架材17に連結するように前後方向端部側に膜屋根などの屋根仕上げ材10が設けられる。
その他の構成および施工手順等は、前記実施形態と同様であるので、同様な部分については、同様な符号を付して説明を省略する。
前記各実施形態の大空間屋根構造物11においては、支柱5を含む屋根支持構造体ユニット6が、所定の間隔をおいて連続して設けられ、隣り合う下部主ケーブル2間が横副ケーブル4で連結されて、これらに屋根仕上げ材10が取り付けられているため、縦副ケーブル3及び横副ケーブル4は最小本数に抑えられ、屋根仕上げ材10を取り付ける煩雑さを解消でき、また、美観に優れた大空間屋根構造物となる。
本発明を実施する場合、屋根仕上げ材としては、膜材としてもよく、あるいはその他の板状の屋根仕上げ材としてもよい。
本発明では、下部主ケーブル2を支柱5に固定するレベルによって、各種の用途に適用可能な屋根支持構造体ユニット6および大空間屋根構造物11になる。
本発明を実施する場合、一つ以上のケーブル式梁ユニット8を地組みすると共にその下部主ケーブル2に連結された複数の横副ケーブル4およびこれらに取付られた膜屋根などの屋根仕上げ材10を前記の施工手順で地組みして、必要に応じ、複数台のクレーンを使用して、支柱5に上部主ケーブル1および下部主ケーブル2の端部(端末金具)を固定するようにしてもよい。
前記のようにケーブル式梁ユニット8を地組みする場合、下部主ケーブル2の端部を支柱5へ固定したり、固定しない状態で、図5に示すように、施工手順として、間隔をおいて並行な下部主ケーブル2の端部を地上において対向する各支柱5に固定し、各下部主ケーブル2に交差すると共に下部主ケーブル2の長手方向に間隔をおいて並行に配置される複数の横副ケーブル4を各下部主ケーブル2に固定のクランプ金具(図示省略)に取付け、下部主ケーブル2と横副ケーブル4とに膜等の屋根仕上げ材10を取付け、次いで縦副ケーブル3を下部主ケーブル2に間隔をおいて多数取付け、続いて各下部主ケーブル2に対応する各上部主ケーブル1を配置して、各上部主ケーブル1をそれぞれ対応する下部主ケーブル2に取付られた各縦副ケーブル3の上端部に取り付けるようにすると、効率よく地組みできるのでよい。
このように、本発明の大空間屋根構造物の施工法においては、ケーブル式梁ユニット8を最初に構築しなくてもよく、横副ケーブル4および膜等の屋根仕上げ材10を組み込んだ未完屋根状態におけるケーブル式梁ユニット8としてもよく、また、ケーブル式梁ユニット8と横副ケーブル4とを組み合わせた状態の未完屋根状態のケーブル式梁ユニット8としてもよく、あるいは屋根仕上げ材10の一部を組み込んだ状態の未完屋根状態におけるケーブル式梁ユニット8としてもよいが、施工上は、ケーブル式梁ユニット8および横副ケーブル4並びに膜等の屋根仕上げ材10を組み込んだ状態の屋根を地組みした方が、経済的に施工することができる。
なお、前記のように地組みされた未完屋根状態(屋根地組み完了前の状態)または屋根における各上部主ケーブル1の端部を、図6および図12に示すように、ウインチによる2方向以上または3方向以上の複数の方向から緊張することで位置を安定させつつ吊り上げ、支柱5の上部に固定することで、大空間屋根構造物を構築することができる。
なお、本発明を実施する場合、図12に示すように、1組のケーブル式梁ユニット8のみを吊り上げるようにしてもよく、また、これに横副ケーブル4を付加した状態、さらに膜等の屋根仕上げ材10を組み込んだ状態の屋根を吊り上げるようにしてもよく、また、下部主ケーブル方向における対向する支柱5間に位置する内側ウインチ14からの条体15については、膜等の屋根仕上げ材10と干渉するため、例えば、内側ウインチ14からの条体15と干渉する部分の膜等の屋根仕上げ材10の一部を取り外して後付けとするか、対向する支柱外側にクレーンを配置し、その上部から繰り出す条体に置換え、これを含めた3方向(横方向引張力が3方向)から、各上部主ケーブル1の端部を緊張することで、横方向の位置を安定させつつ吊り上げるようにすればよい。また、吊り上げる場合、一つまたは複数の上部主ケーブル1の一端部または両端部をつりあげるようにしてもよい。
屋根支持構造体ユニットを備えた本発明の第1実施形態の大空間屋根構造物を示す概略斜視図である。 屋根支持構造体ユニットを備えた本発明の第2実施形態の大空間屋根構造物を示す概略斜視図である。 間隔をおいて対向するように基礎上に立設された支柱間において、下部主ケーブル、横副ケーブル、膜材からなる屋根仕上げ材、上部主ケーブル、縦副ケーブルの順に地組みして、上部主ケーブルと下部主ケーブルとこれらに緊結される縦副ケーブルとからなるケーブル式梁ユニットを含む屋根を地組みしている状態を示す概略斜視図である。 複数組の間隔をおいて対向するように基礎上に立設された支柱間において、下部主ケーブル、横副ケーブル、膜材からなる屋根仕上げ材、上部主ケーブル、縦副ケーブルの順に地組みして、上部主ケーブルと下部主ケーブルとこれらに緊結される縦副ケーブルとからなるケーブル式梁ユニットを含む屋根を地組みしている状態を示す概略斜視図である。 上下部のケーブルおよび縦副ケーブル並びに横副ケーブルの地組みの際、揚重に必要なクレーンおよびウインチのパワーを小さくするために、揚重時にケーブル類を引きずることなく揚重される形状で地組みする一形態を示す概略斜視図である。 図5に示す形態で地組みされたケーブル式梁ユニットを備えた屋根を、クレーンおよび複数のウインチにより、上部主ケーブル端部に横方向の位置を安定させながら引き上げて支柱上端部に固定する途中の状態を示す概略斜視図である。 上部主ケーブルを引き上げる場合の他の形態を示すものであって、図5に示す上部主ケーブルの端部に、所定長の仮設条体の一端部を接続して地組みしている状態を示す概略斜視図である。 仮設条体を引き上げて支柱上端部の滑車からなる条体支承部に掛けまわすと共に、仮設条体の他端部を、地盤等にアンカーされた牽引装置におけるロッドまたは条体の接続部に連結する形態を示す概略斜視図である。 図8の状態から地組みした後、牽引装置を駆動して、上部主ケーブルの端末金具を支柱上端部のピン孔を備えたブラケットからなる固定金具に固定した状態(右側)および固定する直前の状態(左側)を示す概略斜視図である。 下部主ケーブル中央部およびこの部分に固定される横副ケーブルに膜材を取付ないで地組みすると共に、上部主ケーブルの両端部および中間部を同時に吊り上げる場合の地組み形態を示す概略斜視図である。 図10の状態から、上部主ケーブルの両端部を複数のウインチにより横方向の位置を安定させながらクレーンにより揚重すると共に、上部主ケーブルの中間部を天秤を介して揚重している状態を示す概略正面図である。 地組みされたケーブル式梁ユニットまたはこれを備えた屋根の一部を吊り上げる場合において、上部主ケーブルの端部を3台のウインチおよびクレーンにより横方向の位置を安定させつつ吊り上げて、支柱上端部に固定する直前の状態における屋根支持構造体ユニットを取り出して示す概略斜視図である。 間隔をおいて対向する支柱と、上部主ケーブルと、下部主ケーブルと、縦副ケーブルとからなる屋根支持構造体ユニットを取り出して示す概略斜視図である。
符号の説明
1 上部主ケーブル
2 下部主ケーブル
3 縦副ケーブル
4 横副ケーブル
5 支柱
6 屋根支持構造体ユニット
7 控え柱
8 ケーブル式梁ユニット
9 地盤
10 屋根仕上げ材
11 大空間屋根構造物
12 端部支柱
13 クレーン
14 ウインチ
15 条体
16 ブレース
17 端部上架材
18 係止フック
19 仮設条体
20 条体支承部
21 条体牽引装置
22 ロッドまたは条体
23 滑車またはシーブ
24 センターホールジャッキ
25 ブラケット
26 固定金具
27 吊り天秤
28 係止フック

Claims (14)

  1. 左右方向に間隔をおいて対向するように立設された一対の支柱の上部に、上部主ケーブルの端部が固定され、前記上部主ケーブルに支持された多数本の縦副ケーブルが前記上部主ケーブルの長手方向に間隔をおいて垂下され、前記上部主ケーブルに間隔をおいて対向すると共に前記多数の縦副ケーブルに支持された上に凸の曲線状の下部主ケーブルが支柱の下部に固定されていることを特徴とする屋根支持構造体ユニット。
  2. 多数の前記縦副ケーブルの垂下端部までの長さは、上部主ケーブルの中央部に近づくにしたがって、これらの多数の縦副ケーブルの垂下端を結ぶことによって上に凸の曲線状となるように漸次短くされていることを特徴とする請求項1に記載の屋根支持構造体ユニット。
  3. 左右方向に間隔をおいて対向するように立設された支柱間の地盤上で、上部主ケーブルと、これに間隔をおいて対向するように上に凸の曲線状の下部主ケーブルと、これらの長手方向に間隔を置いた多数本の縦副ケーブルの端部を前記上部主ケーブルと下部主ケーブルとに緊結して構成されるケーブル式梁ユニットまたはこれに支持させる横副ケーブルあるいは屋根仕上げ材を含めて予め地上で組み、次いで前記ケーブル式梁ユニットにおける上部主ケーブルの端部を複数の方向から緊張することで位置を安定させつつ吊り上げ、支柱上部に固定することを特徴とする屋根支持構造体ユニットの施工法。
  4. 請求項1または請求項2の屋根支持構造体ユニットが前後方向に間隔をおいて平行または非平行に複数設けられ、各屋根支持構造体ユニットにおける下部主ケーブルに渡って横副ケーブルが交差するように配置されると共に左右方向に間隔をおいて複数本の横副ケーブルが配置されて、これらの交差部において緊結され、前記下部主ケーブルと横副ケーブルとにより屋根仕上げ材を保持するようにしたことを特徴とする大空間屋根構造物。
  5. 前記屋根仕上げ材が、膜材とされていることを特徴とする請求項4に記載の大空間屋根構造物。
  6. 左右方向に間隔をおいて対向するように支柱を立設し、上部主ケーブルとこれに間隔をおいて対向するように上に凸の曲線状の下部主ケーブルと、これらの長手方向に間隔を置いた多数本の縦副ケーブルの端部を前記上部主ケーブルと下部主ケーブルとに緊結して構成されるケーブル式梁ユニットを備えた未完屋根または屋根を吊り上げて、前記上部ケーブルの端部を支柱に固定することを特徴とする大空間屋根構造物の施工法。
  7. ケーブル式梁ユニットを備えた未完屋根または屋根が予め地組みされ、かつケーブル式梁ユニットを備えた未完屋根または屋根におけるケーブル地組みの際、ケーブル式梁ユニットを備えた未完屋根または屋根の揚重に必要な揚重力を小さくするために、少なくとも上部主ケーブルを引きずることが少ない地組み配置とされていることを特徴とする請求項6に記載の大空間屋根構造物の施工法。
  8. 縦副ケーブル端部が下部主ケーブル側に折り返すように配置され、上部主ケーブルと下部主ケーブルとが、対向する支柱中心を結ぶ中心線に近くなるように地組みされていることを特徴とする請求項7に記載の大空間屋根構造物の施工法。
  9. 地組みの際、予め下部主ケーブルの両端部が、それぞれ対向する支柱に固定されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の大空間屋根構造物の施工法。
  10. 上部主ケーブルの地組み時にその両端部に、それぞれワイヤー等の仮設条体の一端部を接続し、かつ支柱頭部に条体支承部を設けると共に、低レベル位置に条体牽引装置を設置し、前記仮設条体の他端部を、条体支承部を介して前記条体牽引装置に接続し、前記条体牽引装置を駆動し、前記仮設条体を下方に牽引して上部主ケーブルを張設し、その上部主ケーブル端部を支柱頭部に固定することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の大空間屋根構造物の施工法。
  11. 前記条体支承部が滑車またはシーブを備えた条体支承部であり、前記牽引装置が液圧ジャッキを備えた牽引装置であることを特徴とする請求項10に記載の大空間屋根構造物の施工法。
  12. ケーブル式梁ユニットを備えた未完屋根または屋根を地組みした後、上部主ケーブルの両端部および中間部を、複数のクレーンを用いて同時に吊り上げることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の大空間屋根構造物の施工法。
  13. 上部主ケーブルの中間部は、上部主ケーブルに沿った吊り天秤を介して複数箇所吊り上げられることを特徴する請求項12に記載の大空間屋根構造物の施工法。
  14. 地上において地組みされる際、下部主ケーブルを設置した後、これに交差する横副ケーブルが取付けられ、次いでこれらに膜などの屋根仕上げ材が取り付けられ、次いで上部主ケーブルが配置され、続いて下部主ケーブルと上部主ケーブルを連結する縦副ケーブルが間隔を置いて多数設置されることを特徴とする請求項7〜13のいずれか1項に記載の大空間屋根構造物の施工法。
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