JP4041070B2 - 魚釣用リール - Google Patents

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本発明は、魚釣用リールに関し、特に、釣糸放出操作時におけるスプールの過回転を防止する制動装置を備えた魚釣用リールに関する。
従来、釣糸放出操作時におけるスプール過回転で生じるバックラッシュ現象を防止するため、リール本体の側板間に回転自在に支えられたスプールの一側に、このスプールと一体的に回転する制動体を軸方向変位可能に支持し、スプールの回転速度に応じて制動体を軸方向変位させて制動力を調整する摩擦制動装置を備えた魚釣用リールは公知である(例えば特許文献1参照)。
また、スプールと一体的に回転するブレーキシューを径方向変位可能に支持し、スプール回転時の遠心力で前記ブレーキシューをリール本体に支持された環状制動面に当接させることでスプール回転に制動をかける遠心制動装置を備えた魚釣用リールは公知である。
前記の遠心制動装置において、環状制動面に摩擦特性の異なる複数の制動面を形成し、ブレーキシューを支持した支持体を軸方向変位可能とすると共に、スプールの釣糸巻回胴部内に形成した傾斜面と、前記支持体に支持したブレーキシューを用いて、スプールの回転速度に応じて前記支持体を軸方向変位させて前記ブレーキシューと当接する前記複数の制動面を切換えることで、スプールの回転速度に応じた制動力調整を行う構成、及び、リール本体からスプールの釣糸巻回胴部内に向けて延出させた環状制動面に傾斜部を設け、この傾斜部を通じてブレーキシューの径方向移動を支持体の軸方向移動に変換し、ブレーキシューの当接する環状軌跡を変化させることでスプールの回転速度に応じた制動特性を変化させる遠心制動装置の構成は、例えば特許文献2に記載されているように、広く世間に知られている。
更に、前記の傾斜面をスプール及びリール本体のいずれでもなく、軸方向に移動するスライド部材に形成したものは、例えば特許文献3に記載されているように、公知である。
特開2001−69887号公報 特開平10−323149号公報 特開平11−266758号公報
しかし、従来の遠心制動装置及び摩擦制動装置を備えた魚釣用リールは、半径方向移動部材の半径方向移動をスライド部材の軸方向移動に変換する方向変換機構をスプールの釣糸巻回胴部内に配置するため、スプール形状を深溝状として糸巻き容量を多くするとスプール全体が大型化してしまう。このため、リール全体の大型化の防止を図りながら制動装置を装備することは困難である。
また、上述のような従来の遠心制動装置及び摩擦制動装置を備えた魚釣用リールは、傾斜面がリール本体からスプールの巻回胴部内に延出させた環状制動面に設けられるため、糸巻容量の大きな深溝状のスプール形状とすることが困難である。
更に、傾斜面をスライド部材に形成する場合には、スプールの深溝化が可能であるとしても、傾斜面を形成できる範囲が限定されるため、軸方向に移動する移動部材の移動力を十分に確保することができずに制動力不足となり易い。一方、制動力を高めようとして傾斜面の角度や形成する範囲を増大すると、スプールフランジの軸方向外側の移動部材と半径方向移動部材との係合部で形成される方向変換機構の配置スペースの影響から、リール本体の軸方向寸法が大きくなり、リール全体の大型化の防止を図りながら制動装置を装備することは困難である。
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、糸巻量を確保しながら、スプールの過回転を防止する制動装置を備えた魚釣用リール全体の小型化・コンパクト化を可能とすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によると、リール本体に回転可能に支持されたスプールの一側に、スプールと一体回転し且つスプールの軸方向に移動可能な支持体と、支持体上に径方向移動可能に支持されたブレーキシューと、リール本体に設けられブレーキシューと当接する環状制動体とで構成された遠心ブレーキ装置を備え、前記環状制動体に摩擦特性の異なる複数の制動面を設け、スプールの回転速度に応じて前記支持体を軸方向移動させてブレーキシューと当接する制動面を切換えることで、スプールの回転速度に応じた制動力を増減可能とする制動力調節装置を備えた魚釣用リールであって、前記制動力調節手段が、前記スプールの回転速度に応じて径方向に移動する遠心カラーと、前記遠心カラーに係合するスプール側係合部との間の少なくとも何れか一方側に形成され、前記遠心カラーの径方向移動を前記遠心カラーの軸方向移動に変換する第1の変換手段と、前記遠心カラーと、前記遠心カラーに係合する前記支持体側係合部との間の少なくとも何れか一方側に形成され、遠心カラーの径方向及び軸方向移動を支持体の軸方向移動に変換する第2の変換手段とを夫々備え、前記第1及び第2の変換手段によって、前記支持体上のブレーキシューを軸方向移動させる構成を備えた魚釣用リールが提供される。
また、リール本体に回転自在に支持したスプールの一側に、このスプールと共に回転する制動体を軸方向変位可能に支持し、スプールの回転に応じて、前記制動体をリール本体に取付けた制動摩擦面に押圧可能とし、スプールの回転速度に応じて制動力を増減可能とする摩擦制動装置を備えた魚釣用リールであって、前記摩擦制動装置は、前記スプールの回転速度に応じて径方向に移動する遠心カラーと、前記カラーに係合するスプール側係合部との間の少なくとも何れか一方側に形成され、前記遠心カラーの径方向移動を前記遠心カラーの軸方向移動に変換する第1の変換手段と、前記遠心カラーと、前記遠心カラーに係合する制動体側係合部との間の少なくとも何れか一方側に形成され、遠心カラーの径方向及び軸方向移動を制動体の軸方向移動に変換する第2の変換手段とを夫々備え、前記第1及び第2の変換手段によって、前記制動体を軸方向に移動させる構成を備えた魚釣用リールが提供される。
本発明によると、第1及び第2の変換手段によって、支持体上のブレーキシューを軸方向移動させる構成を備えたことによって、スプールの回転速度に応じてブレーキシューが当接する制動面を変更して制動力を増減することができるため、スプールの軸方向に沿う寸法の小さなスペース内においても、双方の変換手段の相乗効果によってブレーキシューの軸方向移動の確保が可能となり、糸巻量を確保しつつ、遠心制動装置の制動力調節装置を備えた魚釣用リール全体の小型化・コンパクト化が可能となる。
また、第1及び第2の変換手段によって、制動体を軸方向に移動させる構成を備えたことにより、スプールの軸方向に沿う寸法の小さなスペース内においても、双方の変換手段の相乗効果によって制動体の軸方向移動の確保が可能となり、糸巻量を確保しつつ、摩擦制動装置を備えた魚釣用リール全体の小型化・コンパクト化が可能となる。
図1から図7は、本発明の好ましい実施形態による魚釣用リール10を示す。
図1に示すように、本実施形態の魚釣用リール10は、両軸受型手巻きリールとして形成してあり、このリール本体12の一対の外側板14a,14bに、本実施形態では、糸巻容量の大きな深溝状形状のスプール16を具備したスプール軸18の両端部が、例えば図示のようなボール軸受15a,15bを介して回転自在に支持されている。このスプール軸18の右端側には、図示しない駆動歯車を介して、ハンドル20で回転駆動されるピニオン22がこのスプール軸18と同軸上に配置されている。
このピニオン22は、図示しない公知の伝達機構を介して、外側板14a,14b間に配置したクラッチレバー25(図10参照)と連動しており、このクラッチレバーを押圧作動することにより、軸方向に沿って移動することができる。例えば、図1に示すスプール軸18の右端部にピニオン22が嵌合した位置すなわち巻取状態から、クラッチレバーを押し下げると、右外側板14b内に配置した適宜の伝達機構により、ピニオン22が右方に移動される。これにより、スプール軸18の右端部からピニオン22を分離した状態(スプールフリー状態)とすることができる。又、ピニオン22が分離した状態で、ハンドル20を回転させると、図示しない公知の復帰機構を介して、ピニオン22がスプール軸18の右端部に嵌合して元の状態(巻取状態)に復帰し、スプール軸18と一体化されているスプール16と、ピニオン22とが一体的に回転する。符号24は、スプール16の両側に形成された一対の鍔部16a,16a間に位置する円筒状の釣糸巻回胴部16b上に釣糸(図示しない)を均等に巻回するため、ハンドル20の釣糸巻取り回転に連動して、一対の外側板14a,14b間を往復動する公知の釣糸案内装置を示す。
ハンドル20の反対側に位置する一側には、スプール16の過回転を防止する摩擦制動装置26を配置してある。この摩擦制動装置26は、左側板14aに保持された摩擦制動部材28と、スプール16と共に回転する制動体30とを備える。
本実施形態の摩擦制動部材28は、薄板状のリング構造を有し、比較的厚肉構造の支持部材32を介して左側板14aに設けられた突起部34に取付けられている。支持部材32を支える突起部34は、スプール16側を開口した筒状構造を有し、内周側でボール軸受15aを支え、外周側には支持部材32を螺合するねじ部32aが形成されている。このねじ部32aに沿って支持部材32を軸方向に移動可能とするため、支持部材32の外周部には、左側板14aに装着した調節ツマミ36の駆動歯36aに噛合う係合歯32aを形成してあり、この調節ツマミ36を回転することにより、支持部材32は、スプール軸18に沿って矢印Aの方向に移動することができる。これにより、支持部材32のスプール16側にねじ等の好適手段でこの支持部材32のスプール16側に固定された摩擦制動部材28を、制動体30の方向あるいは反対の方向に向けて(矢印E)所要位置まで移動することができる。
この摩擦制動装置26の制動体30は、スプール16と一体的に回転し、スプール16の回転速度に応じて軸方向に進退可能な複数のピン状の制動片40を備える。これらの制動片40は、先端部を摩擦制動部材28の制動摩擦面28aに当接したときに、スプール16に制動力を付与する。特に、図2および図3に詳細に示すように、本実施形態の制動片40は、スプール軸18に軸方向移動が可能でかつ回転不能に装着されるボス部42と、このボス部42の左外側板14aに近接する端部付近から半径方向外方に延びるディスク状部44とを有する支持部46に取付けられており、このディスク状部44の外周縁部からハンドル20と反対側すなわち左外側板14aの方向に突出させて固定されている。この支持部46は、制動片40に作用する制動力をスプール軸18に伝達できる強さを持つものであれば、適宜の樹脂または金属材料で形成することができる。尚、軽量化の面で樹脂材が好ましい。
図2から図7に詳細に示すように、この制動片40をスプール軸18に対して回転不能としつつ軸方向移動を可能とするため、支持部46のボス部42には、それぞれハンドル20側の開口端から中間部位まで延びる一対の長孔48を径方向に対向させて形成し、スプール軸18を径方向に貫通し固定された支持ピン50をこの長孔48に挿通させてある。また、このボス部42は、左外側板14a側に対向する端部の内周部に浅い底部42bを有する凹部42aを形成し、スプール軸18の外周に巻装された押圧ばね52は、周溝18aに係止された保持リング19aと凹部42aの底部42b間に配置されて、支持部46、つまり制動片40をスプール16側に向けて付勢している。この押圧ばね52の付勢力に抗して制動片40を安定して支えるため、周溝18a部からスプール16側に所定距離内方に離隔した周溝18bに規制部材19bを嵌合係止してある。この規制部材19bにボス部42の端部が当接することにより、支持部46、つまり制動片40のスプール16方向への移動が確実に阻止され、制動片40と制動摩擦面28aとの位置関係が確実に維持される。なお、ボス部42の長孔48の軸方向長さを所定値に設定することにより、この長孔48の閉鎖端に支持ピン50を当接させ、支持部46および制動片40の軸方向移動を規制させることも可能である。
この支持ピン50のボス部42から突出する両端部には、この支持ピン50上をスプール軸18の径方向に移動可能な遠心カラー54が軸方向にも移動可能に装着されている。すなわち、本実施形態の遠心カラー54は、図2から図4で示すように軟質又は硬質の合成樹脂材料でスプール16の軸方向に長辺部を沿わせた上部の角部が面取りされた矩形の略直方体状に形成され、この長辺部の中央部に、長辺部方向に長い長孔56を貫通させて形成してある。この長孔56は、特に図4に示すように、支持ピン50の外径寸法よりわずかに大きい幅を有し、スプール軸18方向に長く形成されている。したがって、支持ピン50に対し遠心カラー54はこの長孔56の長手方向すなわちスプール16の軸方向に沿って相対移動することができる。なお、この遠心カラー54を回転しないようにスプール径方向移動を案内するために一対のガイド壁58(図4参照)を、支持部46のボス部42とディスク状部44との遠心カラー54が当接する部分から突出形成して遠心カラー54を径方向に摺動案内している。
尚、支持ピン50を非円形に形成して長孔56に回り止め嵌合させ、軸方向および径方向に移動案内させてガイド壁58を省略してもよい。
更に、このような遠心カラー54を挟んで、支持部46には制動体側係合部60が配置され、これと対向するスプール16にはスプール側係合部62が配置され、遠心カラー54がスプール回転時に径方向外方に移動してこれらの双方の係合部と係合することにより、遠心カラー54の径方向移動を制動片40の軸方向移動に変換することができる。この遠心カラー54の径方向移動から制動片40の軸方向移動への変換は、遠心カラー54の径方向移動を遠心カラー54の軸方向移動に変換する第1の変換手段61と、遠心カラー54の径方向及び軸方向移動を制動体30の軸方向移動に変換する第2の変換手段63とで行われる。
本実施形態では、制動体側係合部60とスプール側係合部62とは、スプール軸18から径方向外方に向けてそれぞれ順次拡張する環状のテーパ面(制動体側係合部60とスプール側係合部62のテーパ面の軸方向対向面距離は径方向外方に向けて順次縮小している)で形成して対向配置され、遠心カラー54を挟んで互いに逆方向に傾斜する。また、遠心カラー54の径方向外側の角部も、スプール側係合部62に対応した傾斜面54aと制動側係合部60に対応した傾斜面54bを形成してあり、遠心カラー54の径方向移動を制動片40の軸方向移動に滑らかに変換することができる。
なお、本実施形態では、遠心カラー54に傾斜面54a,54bを形成し、制動体側係合部60およびスプール側係合部62にもそれぞれのテーパ面を形成して、遠心カラー54の径方向移動を制動片40の軸方向移動に変換するものであるが、遠心カラー54を滑らかに移動できるものであれば、制動体側係合部60と遠心カラー54との間、および、スプール側係合部62と遠心カラー54とのそれぞれをテーパ面および傾斜面とすることは必ずしも必要ない。
いずれの場合も、遠心カラー54とスプール側係合部62との間の少なくとも何れか一方側に傾斜面あるいはテーパ面を形成して、遠心カラー54の径方向移動を遠心カラー54の軸方向移動に変換する第1の変換手段61を形成できるものであれば、このような傾斜面あるいはテーパ面対応する部位を小面取り形状、R形状や湾曲面に形成してもよい。
同様に、遠心カラー54と制動体側係合部60との間の少なくとも何れか一方側に傾斜面あるいはテーパ面を形成して、遠心カラー54の径方向及び軸方向移動を制動体30、したがって制動片40の軸方向移動に変換する第2の変換手段63を形成できるものであれば、このような傾斜面あるいはテーパ面に対応する部位を小面取り形状、R形状や湾曲面に形成してもよい。
本実施形態では、図2に示すように、スプール16が回転してないときは、支持部46は押圧ばね52の付勢力でスプール16側に押圧されているため、テーパ面で形成した第2の変換手段63である制動体側係合部60はスプール16側に押圧され、遠心カラー54を介してスプール側係合部62にテーパ面で形成した第1の変換手段61で係止される。このとき、支持ピン50がボス部42の長孔48および遠心カラー54の長孔56の端部に当接し、規制部材19bがボス部42および遠心カラー54のそれぞれの端部に係合する場合には、支持部46および遠心カラー54が確実に保持され、ガタ付きが防止される。
図3は、スプール16が高速で回転したときの制動状態を示す。
遠心カラー54は、遠心力により、支持ピン50に沿って半径方向外方に移動する。スプール側係合部62で形成される第1の変換手段61としてのテーパ面が、径方向外方へ移動する遠心カラー54を長孔56に沿って左外側板14a側に軸方向移動する。更に、制動体側係合部60で形成される第2の変換手段63としてのテーパ面が、遠心カラー54の径方向及び軸方向移動を制動片40の軸方向移動に変換し、これにより、支持部46および制動片40が左外側板14a側に移動し、制動片40が制動摩擦部材28に当接する。この遠心カラー54の径方向及び軸方向移動が、遠心カラー54を介して間接的に制動片40を軸方向に移動変換させる。これにより、遠心カラー54が径方向に移動すると、制動体側係合部60の第1の変換手段61による制動片40の軸方向移動量と、スプール側係合部62の第2の変換手段63による制動片40の移動量との双方の変換手段による軸方向移動量により、制動片40が軸方向に大きく移動される。
したがって、本実施形態では、スプール16の回転によって遠心カラー54が径方向に移動すると、この遠心カラー54の両側である制動片40側とスプール16側との双方に配置されたそれぞれの第1及び第2の変換手段61,63であるテーパ面が、遠心カラー54の径方向移動を制動片40の軸方向移動に変換する。すなわち、制動片40は、制動体側係合部60のテーパ面に当接する遠心カラー54により直接軸方向に変換移動されると共に、スプール側係合部62のテーパ面により遠心カラー54を介して間接的にも軸方向に移動され、遠心カラー54の僅かな径方向移動で制動片40を制動摩擦面28aに押圧させることができ、スプール16の糸巻量を確保しつつ、リール10の全体の小型化・コンパクト化が可能となる。換言すると、遠心カラー54が従来の魚釣用リールと同じ距離だけ径方向に移動する場合には、従来のものの2倍の軸方向ストロークを確保することができる。
なお、本実施形態では、制動片40は、ピン状構造に形成し、その数を6本としたが、これに限らず、例えばスプール16の周方向に沿う円弧状構造あるいはリング状構造に形成し、その数も必要に応じて適宜数とすることが可能である。
図8および図9は、第2の実施形態を示す。
なお、以下に説明する種々の変形例あるいは実施形態は、基本的には上述の実施形態と同様であるため、同様な部分には同様な符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施形態では、制動摩擦部材28が複数のガイドピン39により支持部材32に対して軸方向に変位可能に支えられ、かつ、制動体30方向にばね38で付勢されている。
この実施形態によると、スプール16の回転速度に応じて制動体30と制動摩擦部材28との間の圧力が滑らかに変化するため、制動力の変化を滑らかにすることができる。なお、制動摩擦部材面28aの反対側で、この制動摩擦部材28からリング状のガイド部29を突出させ、このガイド部29を支持部材32の突部32bで案内させても良い。この場合には、制動摩擦部材28の動きをより滑らかにすることができる。
図10から図13は、第3の実施形態による魚釣用リール10Aを示す。
この実施形態の魚釣用リール10Aは遠心ブレーキ装置66を具備しており、本実施形態の遠心ブレーキ装置66は、上述の実施形態における制動体30とほぼ同様であるが、制動変40に代えて複数のブレーキシュー68を設けた支持体70を備える。この支持体70に設けられたブレーキシュー68は、スプール16の回転に伴う遠心力で、リール本体12の左側板14aに設けられた環状制動部材72の環状制動面74に押圧される。
また、環状制動面74には、それぞれブレーキシュー68との間に異なる制動力を形成する複数の制動面74a,74bが軸方向に沿って設けられている。これらの複数の制動面74a,74bは、スプール16の回転速度に応じてブレーキシュー68が当接する制動面を変更することにより、スプール16の回転速度に応じて制動力を増減可能とする制動力調節装置を形成する。本実施形態では、支持体70のディスク状部44から離隔した側すなわち左側板14aに近接する側の制動面74aを摩擦係数の大きい強制動面に形成し、ディスク状部44に近接する制動面74bを制動面74aよりも摩擦係数の小さい弱制動面に形成してある。これらの制動面74a,74bは、2つに限らず、必要に応じて適宜数とすることができる。また、その材質、配列の順序についても必要に応じて適宜に設定することが可能であるが、いずれの場合も、それぞれの制動面74a,74bを変更し、スプール16の回転速度に応じたきめ細かな制動力の自動調節を可能とすることが好ましい。
環状制動面74に押圧されるブレーキシュー68は、支持部46の外周フランジ部45から半径方向外方に突出する支持ピン75に摺動自在に装着されており、遠心力の作用により支持ピン75に沿って、スプール16の半径方向に移動することができる。このブレーキシュー68が環状制動面74に遠心力で押圧され、制動面74bに当接した状態で、支持部46が上述の態様で軸方向に移動すると、このブレーキシュー68が制動面74aと当接するようになり、より強い制動力を形成する。また、スプール16の回転速度が低下し、支持部46がスプール16側に移動すると、ブレーキシュー68は制動面74bと係合して制動力を低下させ、更にスプールの回転数が低下すると、ブレーキシュー68が制動面74bから離れ、制動を解除する。
この実施形態においても、スプール16の回転によって径方向に移動可能な遠心カラー54とこの遠心カラー54に係合するスプール側係合部62との間に形成された第1の変換手段61、および、遠心カラー54と支持体側係合部60aとの間に形成された第2の変換手段63により、遠心カラー54の径方向移動を、スプール16と共に回転するブレーキシュー68の軸方向移動に変換することにより、スプール16の回転速度に応じてブレーキシュー68が当接する制動面74a、74bを変更して制動力を増減することができる。このため、スプール16の軸方向に沿う寸法の小さなスペース内においても、制動体側係合部60およびスプール側係合部62の双方の変換手段の相乗効果によって、ブレーキシュー68の軸方向移動の確保が可能となり、スプール16の糸巻量を確保しつつ、遠心制動装置66の制動力調節装置を備えた魚釣用リール10Aの全体の小型化・コンパクト化が可能となる
なお、本実施形態では、ブレーキシュー68を4つ設けてあるが、これに限らず適宜の数とすることができる。また、各ブレーキシュー68と支持ピン75との間に、ブレーキシュー68を半径方向内方に付勢する図示ばね等の適宜の付勢手段を設け、スプール16の回転数が所定の値に達した後に、ブレーキシュー68が環状制動面74を押圧すなわち当接面74bに当接するようにしても良い。
図14および図15は、第4の実施形態を示す。
この実施形態は、第3実施形態と同様であるが、ブレーキシュー68をON/OFFすることができる。
本実施形態では、ブレーキシュー68は基端部に周方向に沿う例えば弾性樹脂製の突条69を形成され、支持部46の厚肉の外周フランジ部45に形成された収容孔76に径方向に移動自在に装着される。これらの収容孔76は、外周フランジ部45に周方向に沿って等間隔に形成され、ブレーキシュー68の突条69に係合してその先端部が当接面74a,74bに当接するのを阻止する係止突起78を内周側に突出する。また、外周フランジ45の外周面に開口する開口端の近部では、ブレーキシュー68が収容孔76から脱落するのを防止する脱落防止突起79が、内周側に突出する。
魚釣用リールに強力な制動力が必要な場合、各ブレーキシュー68の突条69を係止突起78よりも開口端側に移動してON状態とし、一方、強力な制動力を必要としない場合は、ブレーキシュー68を図15に示すように例えば一つおきにOFFすなわち作動不能とする。このブレーキシュー68のONあるいはOFFへの切換えは、ブレーキシュー68を半径方向に押圧し、係止突起78に係合した突条69を弾性変形させて移動させることにより、行うことができる。
いずれの実施形態においても、遠心カラー54は、この遠心カラー54の両側に配置されたテーパ面で形成される第1,第2の変換手段61,63により、テーパ面の傾斜角度を従来と同じに形成した場合、従来のものの半分の径方向移動量で従来と同様の軸方向ストロークを確保し、従来のものと同じ径方向移動量とした場合には、従来のものの2倍の軸方向ストロークを確保することが可能である。これにより、これらのテーパ面が形成する内部スペースすなわち遠心カラー54の移動を確保するためのスペースは従来のものよりも極めて小さく、遠心カラー54の移動距離も少なくてすみ、魚釣用リール10の内部スペースを最小として有効活用することができる。このため、スプール16には、十分な糸巻量を確保することが可能である。
なお、本発明は、上述の実施形態あるいは種々の変形例に限るのものではなく、例えばスプール側係合部62をスプール16に形成することに代え、スプール16とは別の部材に形成することも可能である。
本発明の第1実施形態による魚釣用リールを示す部分断面図。 図1に示す魚釣用リールの磁気制動装置の非制動状態を示す部分拡大図。 図1に示す魚釣用リールの磁気制動装置の制動状態を示す部分拡大図。 磁気制動装置の制動体を一部断面で示す説明図。 図4から遠心カラーを除去した状態を示す説明図。 図4のVI−VI線に沿う図。 図4のVII−VII線に沿う図。 第2実施形態の図2と同様な断面図。 第2実施形態の図3と同様な断面図。 第3実施形態による魚釣用リールの図1と同様な部分断面図。 図10に示す魚釣用リールの図2と同様な断面図。 図10に示す魚釣用リールの図3と同様な断面図。 図11のXIII−XIII線に沿う図。 第4実施形態の図2と同様な状態の断面図。 図14のXV−XV線に沿う断面図。
符号の説明
10…魚釣用リール、12…リール本体、16…スプール、18…スプール軸、26…制動摩擦装置、28…制動摩擦部材、28a…制動摩擦面、30…制動体、54…遠心カラー、60…摩擦側係合部、62…スプール側係合部、66…遠心ブレーキ装置、68…ブレーキシュー、70…支持体。

Claims (3)

  1. リール本体に回転可能に支持されたスプールの一側に、スプールと一体回転し且つスプールの軸方向に移動可能な支持体と、支持体上に径方向移動可能に支持されたブレーキシューと、リール本体に設けられブレーキシューと当接する環状制動体とで構成された遠心ブレーキ装置を備え、前記環状制動体に摩擦特性の異なる複数の制動面を設け、スプールの回転速度に応じて前記支持体を軸方向移動させてブレーキシューと当接する制動面を切換えることで、スプールの回転速度に応じた制動力を増減可能とする制動力調節装置を備えた魚釣用リールであって、
    前記制動力調節手段が、前記スプールの回転速度に応じて径方向に移動する遠心カラーと、前記遠心カラーに係合するスプール側係合部との間の少なくとも何れか一方側に形成され、前記遠心カラーの径方向移動を前記遠心カラーの軸方向移動に変換する第1の変換手段と、
    前記遠心カラーと、前記遠心カラーに係合する前記支持体側係合部との間の少なくとも何れか一方側に形成され、遠心カラーの径方向及び軸方向移動を支持体の軸方向移動に変換する第2の変換手段とを夫々備え、
    前記第1及び第2の変換手段によって、前記支持体上のブレーキシューを軸方向移動させる構成を備えたことを特徴とする魚釣用リール。
  2. リール本体に回転自在に支持したスプールの一側に、このスプールと共に回転する制動体を軸方向変位可能に支持し、スプールの回転に応じて、前記制動体をリール本体に取付けた制動摩擦面に押圧可能とし、スプールの回転速度に応じて制動力を増減可能とする摩擦制動装置を備えた魚釣用リールであって、
    前記摩擦制動装置は、前記スプールの回転速度に応じて径方向に移動する遠心カラーと前記遠心カラーに係合するスプール側係合部との間の少なくとも何れか一方側に形成され、前記遠心カラーの径方向移動を前記遠心カラーの軸方向移動に変換する第1の変換手段と、前記遠心カラーと前記遠心カラーに係合する制動体側係合部との間の少なくとも何れか一方側に形成され、遠心カラーの径方向及び軸方向移動を制動体の軸方向移動に変換する第2の変換手段とを夫々備え、前記第1及び第2の変換手段によって、前記制動体を軸方向に移動させる構成を備えたことを特徴とする魚釣用リール。
  3. 前記スプール側係合部は、スプールの糸巻胴部の軸方向外側に設けられ、かつ、前記変換手段が形成される請求項1又は2に記載の魚釣用リール。
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