JP4040499B2 - ロードロック室、処理システム及び処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般には、ロードロック室に係り、特に、半導体基板や液晶表示基板などの製造プロセスにおいて、半導体基板や液晶表示基板等の被処理体を、供給部としてのポートから露光処理等を行う処理室へ搬送し、大気圧と減圧環境との間で雰囲気が置換されるロードロック室に関わる。また、本発明は、かかるロードロック室を有する処理システム及び処理方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化及び薄型化の要請から、電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要求はますます高くなっている。半導体素子を製造するためのリソグラフィー(焼き付け)工程には、レチクル又はマスク(本出願ではこれらの用語を交換可能に使用する)に描画された回路パターンを投影光学系によってウェハ等に投影して回路パターンを転写する投影露光装置が従来から使用されている。
【0003】
投影露光装置で転写できる最小の寸法(解像度)は、露光に用いる光の波長に比例し、波長を短くすればするほど、解像度はよくなる。このため、近年の露光光源は、超高圧水銀ランプ(i線(波長約365nm))、KrFエキシマレーザー(波長約248nm)、ArFエキシマレーザー(波長約193nm)、Fレーザー(波長約157nm)、RSリングより放射される軟X線と短波長化が進められてきている。
【0004】
しかし、Fレーザーや軟X線などの波長の短い露光光は大気中での減衰が激しいため、露光装置の露光部をチャンバに収納し、かかるチャンバ内を露光光の減衰の少ない窒素(N)や減圧ヘリウム(He)雰囲気とすることが提案されている。また、電子ビーム露光装置などでは真空雰囲気とすることが提案されている。プロセス装置などでは、処理ガスが大気と異なる場合や基板上のレジストの酸化防止のために、大気と異なるガスの雰囲気や真空雰囲気とすることが行われる。
【0005】
図6は、従来の処理システム1000を示す概略ブロック図である。図7は、従来の処理システム1000のより詳細な構成を示す概略ブロック図である。図6及び図7を参照するに、従来の処理システム1000は、典型的に、半導体装置や液晶表示等のウェハを、供給部としてのポート1200と露光処理等を行う処理室1100との間で受け渡し、大気圧と減圧環境との間で雰囲気を置換可能なロードロック室1400を備えている。
【0006】
第1の搬送手段1300がウェハキャリア保持チャック1210に載置されたウェハキャリア1220から1枚のウェハを取り出し、ロードロック室1400までウェハを搬送する。ウェハがロードロック室1400に搬送され、ウェハ保持チャック1410に載置されると、大気側との間を第1のゲート弁1420を閉じて遮断し、ロードロック室1400の雰囲気の置換が行われる。ここで、ロードロック室1400の雰囲気の置換について説明する。
【0007】
第1のゲート弁1420及び第2のゲート弁1430を閉じて大気及び処理室1100とロードロック室1400とが遮断されると、真空排気弁1520が開かれ、真空排気管1510を介して図示しない真空排気ポンプによってロードロック室1400のガスが排気される。所定の真空度までロードロック室1400の排気が行われた後、真空排気弁1520を閉じ真空排気を停止する。
【0008】
次に、Heガス供給弁1620が開かれ、Heガス供給管1610を介して図示しないHeガス供給装置によってロードロック室1400に減圧Heガスが供給される。なお、ロードロック室1400には、Heガス供給弁1620の他にNガス供給弁1720が設けられているが、露光部を収納する処理室1100の雰囲気(減圧He雰囲気)と同一のガスを供給するHeガス供給弁1620が開かれ、ロードロック室1400の圧力が処理室1100の圧力と等しくなるまで減圧Heガスの供給が行われる。
【0009】
ロードロック室1400の圧力が処理室1100の圧力と等しくなるとHeガス供給弁1620が閉じられ、減圧Heガスの供給が止まり、ロードロック室1400の雰囲気の置換が終了する。
【0010】
ロードロック室1400の雰囲気の置換が終了すると、第2のゲート弁1430が開き、処理室1100内の第2の搬送手段1800によってウェハが取り出され、処理室1100に収納された露光部へ搬送される。また、露光部において露光されたウェハは、第1の搬送手段1300及び第2の搬送手段1800によってロードロック室1400を経由してウェハキャリア1220へ戻される。
【0011】
ここで、処理システム1000のスループットを60枚/h、第1の搬送手段1300のウェハ移載時間をa[s]、第2の搬送手段1800のウェハ移載時間をb[s]、ロードロック室1400の雰囲気の置換(大気からHe雰囲気)時間をc[s]、ロードロック室1400の雰囲気の置換(He雰囲気から大気)時間をd[s]とすると、以下の数式1で示す時間的制約がある。
【0012】
【数1】
Figure 0004040499
【0013】
第1の搬送手段1300のウェハ移載時間a[s]及び第2の搬送手段1800のウェハ移載時間b[s]を10[s]とすると、ロードロック室1400の雰囲気の置換は合わせて80[s]で行わなければならない。減圧Heガスの導入を10[s]程度、大気の導入を15[s]程度とすると、大気からの排気を35[s]、He雰囲気からの排気を25[s]で行わないと時間的制約を達成できない。なお、ロードロック室1400の雰囲気の置換(He雰囲気から大気)においては、Heガスの排気を行わずに大気を導入することだけを行うことも可能であり、かかる場合には60[s]をかけることができる。
【0014】
しかし、ロードロック室を真空雰囲気に置換する際には、大きく二つの問題を生じる。一つは、ロードロック室内のガスを排気する際、断熱膨張によってガスの温度が低下することで、ガスと接しているウェハが冷却されてしまうことである。かかるウェハ温度の低下量は、例えば、露光で要求されるウェハ温度の安定幅を超えるものとなる。
【0015】
もう一つは、ウェハへのパーティクル(素粒子)の付着である。詳細には、ロードロック室の雰囲気置換時の排気によってパーティクルが巻き上げあられ、これがウェハに付着する。また、断熱膨張によってガスの温度が低下して露点を下回り、ガス中の水分が析出して更に凝結する際に周囲の微細なパーティクルを巻き込んだ状態でウェハに付着することも指摘されている。パーティクルが付着したウェハは、高品位な処理を行えないという問題を引き起こす。
【0016】
そこで、排気の開始時にゆっくり引き始めたり、排気と同時にガスの供給を行ったりする方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2。)。かかる方法によれば、排気の開始時に排気量を抑える手段を講じる(即ち、排気を遅くする)ことで、ガスの流れが緩やかになるためパーティクルの巻き上げを抑止することができる。
【0017】
また、排気の時間を長くすることで、処理室とガスの間の熱交換の時間が長くなり、ガスの温度低下を抑えることができる。排気の際、断熱膨張によってガスの温度は低下するが、実際には、ガスはロードロック室壁と接触して熱を受け取っており、完全な断熱膨張をするわけではない。従って、排気の時間が長くなると、ロードロック室壁との接触時間が長くなり、チャンバとの熱交換でより多くの熱を受け取り、ガスの温度低下量は減少する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、排気を遅くすると、当然排気に要する時間も遅延する。露光では、ウェハ1枚の処理に要するスループットは重要な要素であり、ロードロック室での排気時間が長くなると、スループットが低下してしまう。即ち、上述の方法は、スループットの低下に対する配慮はされていない。
【0019】
また、スループットを維持すると共にロードロック室の雰囲気置換を行うための時間的制約は上述した通りであるが、ロードロック室の雰囲気の置換に最大60[s]、ガスの供給に10[s]乃至15[s]という時間は、パーティクルの巻き上げやガス温度低下の問題に対しては十分ではない。
【0020】
そこで、本発明は、所定のスループットを確保すると共に、雰囲気を置換する際の断熱膨張に起因するウェハの温度低下及びウェハへのパーティクルの付着を低減して高品位な処理を行うことができるロードロック室、処理システム及び処理方法を提供することを例示的目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
発明の一側面としてのロードロック室は、被処理体を収納し、大気圧に維持されたポートと、減圧又は真空環境に維持されて前記被処理体に所定の処理を行う処理室との間に設けられ、雰囲気を置換可能であると共に前記ポートと前記処理室との間で前記被処理体を受け渡すためのロードロック室であって、前記ポートから受け渡される前記被処理体を保持する第1の保持部を有する第1のロードロック室と、前記処理室から受け渡される前記被処理体を保持する第2の保持部を有する第2のロードロック室とを有し、前記第1の保持部が保持する前記被処理体の枚数は、前記第2の保持部が保持する前記被処理体の枚数よりも多いことを特徴とする。前記第1のロードロック室の第1の保持部は、少なくとも2枚以上の前記処理体を保持することを特徴とする。前記第1のロードロック室は、複数あることを特徴とする
【0022】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての処理システムについて説明する。なお、各図において、同一の部材については、同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。ここで、図1は、本発明の一側面としての処理システム100の例示的一形態を示す概略ブロック図である。図2は、処理システム100のより詳細な構成を示す概略ブロック図である。
【0024】
本実施形態の処理システム100は、被処理体としてのウェハに露光処理を行うが、本発明は、処理システムの処理を露光に限定するものではない。但し、露光処理は、上述のように、高いスループットを要求するものであるから、本発明に好適である。
【0025】
処理システム100は、図1に示すように、処理室110と、予備室112と、ポート120と、第1の搬送手段130aと、第2の搬送手段130bと、ロードロック室140と、第1のゲート弁152(第1のゲート弁152は、第1のゲート弁152a及び152bを含む)と、第2のゲート弁154(第2のゲート弁154は、第2のゲート弁154a及び154bを含む)とを有する。
【0026】
処理室110は、被処理体の露光処理部(又は処理ステーション)として、図3を参照して後述する露光装置200を内包し、減圧He雰囲気に保たれている。予備室112は、処理室110内に設けられ、処理室110の露光処理部に被処理体を搬入及び搬出するための第2の搬送手段130bを備えている。
【0027】
ポート120は、一又は複数の被処理体を収納して大気圧に維持される。本実施形態では、ポート120は、被処理体供給部及び被処理体回収部、即ち、処理前及び処理後の基板の収納部として機能する。ポート120は、キャリア載置部122を備え、キャリア載置部122には人間又は自動搬送装置にて被処理体を収めたキャリア124が載置される。大気中には、キャリア載置部122上のキャリア124とロードロック室140との間で被処理体を搬送するための第1の搬送手段130aが配設されている。
【0028】
第1の搬送手段130a及び第2の搬送手段130bは、回転及び並進運動可能で、被処理体を支持可能なアームを有する。第1の搬送手段130a及び第2の搬送手段130bは、クラスタツールなど当業界で周知のいかなる技術をも適用することができるので、ここでは詳しい説明は省略する。
【0029】
ロードロック室140は、大気圧の雰囲気と減圧又は真空環境の雰囲気との間で雰囲気を置換する機能を有し、図2に示すように、ポート120から受け渡される被処理体を保持する第1の保持部142aを有する第1のロードロック室142と、処理室110から受け渡される被処理体を保持する第2の保持部144aを有する第2のロードロック室144とを有する。
【0030】
第1のロードロック室142は、処理前の被処理体をポート120から受け取り、これを処理室110に供給する。また、第1のロードロック室142には、大気中のポート110との間を遮断する大気側の第1のゲート弁152aと予備室112との間を遮断する処理室110側の第2のゲート弁154aが接続されている。
【0031】
第1のロードロック室142には、第1のロードロック室142を排気する排気手段160a、減圧Heガスを供給するHeガス供給部170a、及び、Nガスを供給するN供給部180aが設けられている。
【0032】
また、第1のロードロック室142には、第1のロードロック室142の圧力を計測する圧力計190aが設けられる。圧力計190aは、更に、図示しない制御部が接続されている。かかる制御部は、圧力計190aの検出結果に基づいて、バルブ172a及び182aの開閉を制御する。また、かかる制御部は、バルブ172a及び182aの開閉に基づいて、第1のゲート弁152a及び第2のゲート弁154aの開閉を制御する。更に、第1のゲート弁152a及び第2のゲート弁154aの開閉を検知する図示しない検出部を設け、かかる制御部は、かかる検出部の検出結果に基づいて第1の搬送手段130a及び第2の搬送手段130bの動作を制御してもよい。
【0033】
排気手段160aは、図示しない真空排気ポンプを備え、かかる真空排気ポンプと第1のロードロック室142の間を接続する真空排気配管161aと、排気を制御するバルブ162aと、真空排気配管161aを流れる気体の流量を計測する流量計163aを備えている。
【0034】
Heガス供給部170a及びN供給部180aは、同様の構成を有し、図示しないガス供給部と第1のロードロック室142を接続する供給配管171a及び181aと、給気の制御を行うバルブ172a及び182aとを有する。バルブ172a及び182aと処理室110との間には給気流量計174a及び184aが設けられている。ガス供給部からバルブ172a及び182aと給気流量計174a及び184aを通過した給気ガスはフィルタ173a及び183aを通過する際にパーティクルを取り除かれて、清浄化されて第1のロードロック室142に供給される。
【0035】
第1のロードロック室142の第1の保持部142aは、少なくとも2枚以上、複数枚の被処理体を収納可能に構成され、本実施形態では、25枚の被処理体を収容可能に構成されている。
【0036】
第2のロードロック室144は、処理後の被処理体を処理室110から受け取り、これをポート120又は他の装置(後処理部)に供給する。また、第2のロードロック室144には、大気中のポート110との間を遮断する大気側の第1のゲート弁152bと予備室112との間を遮断する処理室110側の第2のゲート弁154bが接続されている。
【0037】
第2のロードロック室144には、第2のロードロック室144を排気する排気手段160b、減圧Heガスを供給するHeガス供給部170b、及び、Nガスを供給するN供給部180bが設けられている。
【0038】
また、第2のロードロック室144には、第2のロードロック室144の圧力を計測する圧力計190bが設けられる。圧力計190bは、更に、図示しない制御部が接続されている。かかる制御部は、圧力計190bの検出結果に基づいて、バルブ172b及び182bの開閉を制御する。また、かかる制御部は、バルブ172b及び182bの開閉に基づいて、第1のゲート弁152b及び第2のゲート弁154bの開閉を制御する。更に、第1のゲート弁152b及び第2のゲート弁154bの開閉を検知する図示しない検出部を設け、かかる制御部は、かかる検出部の検出結果に基づいて第1の搬送手段130a及び第2の搬送手段130bの動作を制御してもよい。
【0039】
排気手段160bは、図示しない真空排気ポンプを備え、かかる真空排気ポンプと第2のロードロック室144の間を接続する真空排気配管161bと、排気を制御するバルブ162bと、真空排気配管161bを流れる気体の流量を計測する流量計163bを備えている。
【0040】
Heガス供給部170b及びN供給部180bは、同様の構成を有し、図示しないガス供給部と第2のロードロック室144を接続する供給配管171b及び181bと、給気の制御を行うバルブ172b及び182bとを有する。バルブ172b及び182bと処理室110との間には給気流量計174b及び184bが設けられている。ガス供給部からバルブ172b及び182bと給気流量計174b及び184bを通過した給気ガスはフィルタ173b及び183bを通過する際にパーティクルを取り除かれて、清浄化されて第2のロードロック室144に供給される。
【0041】
第2のロードロック室144の第2の保持部144aは、本実施形態では、1枚の被処理体を収容可能なように構成されている。
【0042】
第2のロードロック室144、第1の搬送手段130a及び第2の搬送手段130bは、枚葉式で被処理体を搬送するように構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数枚の被処理体を収容、搬送可能に構成してもよい。その際、第1のロードロック室142は、第2のロードロック室144より多い枚数の被処理体を収容可能に構成されていることが好ましい。処理室110内に被処理体を供給する際には、雰囲気置換や搬送の時間を考慮するとまとめて供給した方が処理を早く完了させることができるが、処理が完了した後の被処理体を早く次の工程にまわすためには、搬送する被処理体の枚数を減らした方がよいからである。
【0043】
ロードロック室140の内容積は、排気時間を最小にするために最小限のサイズになっている。本実施形態では、被処理体は300mmφの径を有し、第1のロードロック室142は被処理体の面積を投影する底面積と30cm程度の高さを要するため40リットル程度の内容積を有し、第2のロードロック室144は被処理体の面積を投影する底面積と5cm程度の高さを要するため8乃至10リットル程度の内容積を有する。
【0044】
以下、かかる処理システム100を利用した処理方法としての被処理体搬送の動作について説明する。第1の搬送手段130aがキャリア載置部122に載置されたキャリア124から一又は複数の被処理体を取り出す。被処理体を持った第1の搬送手段130aはアームを縮め、第1のロードロック室142の雰囲気の状態をチェックする。この時、第1のロードロック室142の雰囲気は、大気圧の雰囲気であったとする。
【0045】
第1の搬送手段130aは、第1のロードロック室142に向けてアームを旋回させ、第1のゲート弁152aの開状態を確認の上アームを伸ばし、第1のロードロック室142内に被処理体を搬入し、第1の保持部142aに被処理体を載置する。第1の搬送手段130aは、第1の保持部142aの保持スロットの全てに対して同じ動作を繰り返し、本実施形態では、25枚の被処理体を第1のロードロック室142へ移載する。
【0046】
第1の搬送手段130aがアームを引いて退避すると、第1のゲート弁152aが閉口する。その後、第1のロードロック室142の雰囲気の置換(大気圧雰囲気からHe雰囲気)が行われる。
【0047】
第1のロードロック室142の雰囲気の置換においては、第1のゲート弁152a及び第2のゲート弁154aを閉口し、第1のロードロック室142の雰囲気を隔離する。次いで、バルブ162aが開口し、真空排気配管161aを通じて図示しない真空排気ポンプにより第1のロードロック室142が真空排気される。真空排気が行われて第1のロードロック室142の圧力が、圧力計190aの計測値から所定の値になると、バルブ162aが閉じられ真空引きが停止する。
【0048】
次に、バルブ172aが開口する。第1のロードロック室142にはHeとNのガス供給用のバルブ172a及び182aが各々設けられているが、ここで開かれるのは処理室110の雰囲気と同一のガス供給弁であるHeガス用のバルブ172aである。第1のロードロック室142の圧力が処理室110の圧力と等しくなるまで減圧Heガスの供給が行われる。第1のロードロック室142の圧力が処理室110の圧力と等しくなったことを圧力計190aが検出すると、バルブ172aが閉口して減圧Heガスの供給が停止する。
【0049】
バルブ172aが閉口して減圧Heガスの供給が停止すると、第2のゲート弁154aが開口し、予備室112内の第2の搬送手段130aにより被処理体が第1のロードロック室142から取り出され図示しない処理ステーションへ搬送され、所定の処理が施される。
【0050】
なお、第1のロードロック室142の真空排気中、第1のロードロック室142の空気は断熱膨張により冷却され、冷却された空気に接した被処理体も冷却される。
【0051】
ここで、処理システム100のスループットを60枚/hとすると、25枚の被処理体の搬入に要してよい時間は25分となる。ロードロック室140を大気に開放する際、第1のロードロック室142の給排は高速に行っても被処理体の影響は無いため問題が無く、例えば、30[s]で行うことができる。
【0052】
第1の搬送手段130aの被処理体の移載に要する時間を1枚あたり10[s]とすると、25枚の被処理体を第1のロードロック室142に収容するのに250[s]必要である。
【0053】
また、大気への開放に上述したように30[s]必要とすると、第1のロードロック142をHe雰囲気に置換するのに要してよい時間は、25[m]−250[s]−30[s]=1220[s]となる。
【0054】
本実施形態では、処理室110の雰囲気は減圧Heであるので、第1のロードロック室142を真空引きした後に、減圧Heガスを導入する時間が発生する。減圧Heガスの導入時にも減圧Heガスの流れがパーティクルを巻き上げることが考えられるので、減圧Heガスの導入もゆっくり行うことが好ましい。
【0055】
そこで、本実施形態では、第1のロードロック室142の真空排気に15分、減圧Heガスの導入に5分の時間をあてることができる。第1のロードロック室142の内容積は、従来の1枚だけ被処理体を収容する枚様式の4倍乃至5倍あるが、排気に要してよい時間は従来の35[s]に対して900[s]と約25倍である。したがって、相対的に排気を極めてゆっくり行うことができる。
【0056】
40リットル程度の内容積の第1のロードロック室142を15分程度時間をかけてゆっくり排気した場合、断熱膨張によるガスの冷却は抑えられて、ガスが露点以下になることはない。また、排気のガスの流れが極めてゆるやかであるので、パーティクルを巻き上げることもない。従って、第1のロードロック室142における被処理体へのパーティクルの付着と被処理体の温度低下の双方を抑制することができる。
【0057】
更に、第1のロードロック室142への減圧Heガス導入の時間も5分と、従来の30倍の長さをとることができ、ガスの流れがゆるやかになるためパーティクルの巻き上げを抑制することができる。
【0058】
なお、以上示した時間は例示的であり、給排の時間の組み合わせのみならず、被処理体の移載や大気への開放の時間を合わせて25分(あるいはスループット上の要請を満たす時間)以内であればよいことは言うまでもない。
【0059】
処理ステーションにおいて処理された被処理体は、第2の搬送手段130bにより処理室110から取り出される。被処理体を持った第2の搬送手段130bは第2のロードロック室144の雰囲気の状態をチェックする。この時、第2のロードロック室144の雰囲気は、減圧Heガスの雰囲気であったとする。
【0060】
第2の搬送手段130bは、第2のロードロック室144に向けてアームを旋回させ、第2のゲート弁154bの開状態を確認の上アームを伸ばし、第2のロードロック室144内に被処理体を搬入し、第2の保持部144aに被処理体を載置する。
【0061】
第2の搬送手段130bがアームを引いて退避すると、第2のゲート弁154bが閉口する。その後、第2のロードロック室144の雰囲気の置換(He雰囲気から大気圧雰囲気)が行われる。
【0062】
第2のロードロック室144の雰囲気の置換においては、第1のゲート弁154a及び第2のゲート弁154bを閉口し、第2のロードロック室144の雰囲気を隔離する。次いで、バルブ172bが開口し、供給配管171aを通じて図示しないガス供給部により第2のロードロック室144に減圧Heガスが導入される。減圧Heガスの導入が行われて第2のロードロック室144の圧力が、圧力計190bの計測値から大気圧になると、バルブ172bが閉じられ減圧Heガスの導入が停止する。
【0063】
なお、本実施形態では、従来例に沿って第2のロードロック室144に減圧HeガスとNガスの2種類を導入できる構成としたが、第2のロードロック室144においてはHeガス供給部170aだけを設けても機能的に問題はない。
【0064】
第2のロードロック室144が大気と同じ圧力になると、第1のゲート弁152bが開口し、第1の搬送手段130aによって被処理体はキャリア載置部122に載置されたキャリア124に移載される。
【0065】
被処理体の移載が完了した第2のロードロック室144は、第1のゲート弁152bを閉め、排気手段160bによって排気を行う。この時は、第2のロードロック室144には被処理体が無いため、可能な範囲で高速に排気を行っても問題がない。
【0066】
ここで、第2のロードロック室144は、第1の搬送手段130aの被処理体の移載時間をa[s]、第2の搬送手段130bの被処理体の移載時間をb[s]、第2のロードロック室144の雰囲気の置換(大気からHe雰囲気)時間をc[s]、第2のロードロック室144の雰囲気の置換(He雰囲気から大気)時間をd[s]とすると、以下の数式2で示す時間的制約がある。
【0067】
【数2】
Figure 0004040499
【0068】
数式2を参照するに、数式1で示した従来例と同じであるが、異なるのは第2のロードロック室144の雰囲気の置換(大気からHe雰囲気)時間cを高速に行えることである。
【0069】
例えば、第2のロードロック室144の雰囲気の置換(大気からHe雰囲気)時間cを10[s]で行った場合、第2のロードロック室144の雰囲気の置換(He雰囲気から大気)時間dでガスを導入する時間を90[s]とれる。これは、従来例の15[s]の6倍の長さであり、この程度にゆっくりとガスの導入を行えば、ガスの流れでパーティクルを巻き上げることを抑制することができる。
【0070】
また、ポート120から第1のロードロック室142に被処理体を搬入する際と処理室110から第2のロードロック室144に被処理体を搬出する際、及び/又は、第1のロードロック室142から処理室110に被処理体を搬入する際と第2のロードロック室144からポート120に搬出する際とを時間的に重ねることでスループットを向上させることができる。
【0071】
なお、第1のロードロック室142及び第2のロードロック室144を各々2つ設け、一方の第1のロードロック室142及び第2のロードロック室144が被処理体の搬送を行っている際に、他方の第1のロードロック室142及び第2のロードロック室144の雰囲気の置換を行うことで、更にスループットを向上させることができる。但し、第1のロードロック室142及び第2のロードロック室144を設ける数は、2つに限らず、3つ以上設けてもよいし、第1のロードロック室142及び第2のロードロック室144との数を同数にしなくてもよい。
【0072】
ここで、図3を参照して、露光処理部(又は処理ステーション)として処理室110に内包される露光装置200について説明する。図3は、図1に示す処理システム100の処理室110に内包される露光装置200の例示的一形態を示す概略ブロック図である。露光装置200は、図3に示すように、回路パターンが形成されたマスク220を照明する照明装置210と、照明されたマスクパターンから生じる回折光を被処理体240に投影する投影光学系230と、被処理体240を支持するステージ245とを有する。
【0073】
露光装置200は、例えば、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式でマスク220に形成された回路パターンを被処理体240に露光する投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィー工程に好適であり、以下、本実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(「スキャナー」とも呼ばれる。)を例に説明する。ここで、「ステップ・アンド・スキャン方式」とは、マスクに対してウェハを連続的にスキャン(走査)してマスクパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後、ウェハをステップ移動して、次の露光領域に移動する露光方法である。「ステップ・アンド・リピート方式」とは、ウェハの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次のショットの露光領域に移動する露光方法である。
【0074】
照明装置210は、転写用の回路パターンが形成されたマスク220を照明し、光源部212と、照明光学系214とを有する。
【0075】
光源部212は、例えば、光源としては、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザーなどを使用することができる。但し、レーザーの種類はエキシマレーザーに限定されず、例えば、YAGレーザーを使用してもよいし、そのレーザーの個数も限定されない。また、波長約157nmのFレーザーや波長10nm乃至20nm程度の極端紫外線(EUV:extreme ultraviolet)光源等を用いてもよい。例えば、独立に動作する2個の固体レーザーを使用すれば固定レーザー間相互のコヒーレンスはなく、コヒーレンスに起因するスペックルはかなり低減する。さらにスペックルを低減させるために光学系を直線的又は回転的に揺動させてもよい。また、光源部212にレーザーが使用される場合、レーザー光源からの平行光束を所望のビーム形状に整形する光束整形光学系、コヒーレントなレーザー光束をインコヒーレント化するインコヒーレント化光学系を使用することが好ましい。また、光源部212に使用可能な光源はレーザーに限定されるものではなく、一又は複数の水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。
【0076】
照明光学系214は、マスク220を照明する光学系であり、レンズ、ミラー、オプティカルインテグレーター、絞り等を含む。例えば、コンデンサーレンズ、ハエの目レンズ、開口絞り、コンデンサーレンズ、スリット、結像光学系の順で整列する等である。照明光学系214は、軸上光、軸外光を問わずに使用することができる。オプティカルインテグレーターは、ハエの目レンズや2組のシリンドリカルレンズアレイ(又はレンチキュラーレンズ)板を重ねることによって構成されるインテグレーター等を含むが、光学ロッドや回折素子に置換される場合もある。開口絞りは解像度を向上させる変形照明用の輪帯照明絞りや4重極照明絞りとして構成されてもよい。
【0077】
マスク220は、例えば、石英製で、その上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、図示しないマスクステージに支持及び駆動される。マスク220から発せられた回折光は、投影光学系230を通り被処理体240上に投影される。マスク220と被処理体240は、光学的に共役の関係にある。本実施形態の露光装置200はスキャナーであるため、マスク220と被処理体240を縮小倍率比の速度比でスキャンすることによりマスク220のパターンを被処理体240上に転写する。なお、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(「ステッパー」とも呼ばれる。)の場合は、マスク220と被処理体240を静止させた状態で露光が行われる。
【0078】
投影光学系230は、複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等を使用することができる。色収差の補正が必要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複数のレンズ素子を利用したり、回折光学素子をレンズ素子と逆方向の分散が生じるように構成したりする。
【0079】
被処理体240は、本実施形態ではウェハであるが、液晶基板などその他の被処理体を広く含む。被処理体240には、フォトレジストが塗布されている。
【0080】
ステージ245は、被処理体240を支持する。ステージ245は、当業界で周知のいかなる構成をも適用することができるので、ここでは詳しい構造及び動作の説明は省略する。例えば、ステージ245は、リニアモーターを利用してXY方向にプレート245を移動することができる。マスク220と被処理体240は、例えば、同期走査され、ステージ245と図示しないマスクステージの位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。ステージ245は、例えば、ダンパを介して床等の上に支持されるステージ定盤上に設けられ、マスクステージ及び投影光学系230は、床等に載置されたベースフレーム上にダンパ等を介して支持される図示しない鏡筒定盤上に設けられる。
【0081】
露光において、光源部212から発せられた光束は、照明光学系214によりマスク220を、例えば、ケーラー照明する。マスク220を通過してマスクパターンを反映する光は、投影光学系230により投影倍率(例えば、1/4、1/5)で被処理体240に結像される。露光装置200は、処理システム100に適用されているため、高いスループットで経済性よく従来よりも高品位なデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
【0082】
次に、図4及び図5を参照して、処理システム100(露光装置200)を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図4は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いて本発明のリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0083】
図5は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、処理システム100(露光装置200)によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。かかるデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスをスループットよく製造することができる。このように、処理システム100(露光装置200)を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
【0084】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されずにその要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、所定のスループットを確保すると共に、雰囲気を置換する際の断熱膨張に起因するウェハの温度低下及びウェハへのパーティクルの付着を低減して高品位な処理を行うことができるロードロック室、処理システム及び処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の一側面としての処理システムの例示的一形態を示す概略ブロック図である。
【図2】 図1に示す処理システムのより詳細な構成を示す概略ブロック図である。
【図3】 図1に示す処理システムの処理室に内包される露光装置の例示的一形態を示す概略ブロック図である。
【図4】 デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。
【図5】 図4に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
【図6】 従来の処理システムを示す概略ブロック図である。
【図7】 従来の処理システムのより詳細な構成を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
100 処理システム
110 処理室
112 予備室
120 ポート
122 キャリア
124 キャリア載置部
130a 第1の搬送手段
130b 第2の搬送手段
140 ロードロック室
142 第1のロードロック室
144 第2のロードロック室
152、152a、152b 第1のゲート弁
154、154a、154b 第2のゲート弁
160a、160b 排気手段
161a、161b 真空排気配管
162a、162b バルブ
163a、163b 流量計
170a、170b Heガス供給部
171a、171b 供給配管
172a、172b バルブ
173a、173b フィルタ
174a、174b 給気流量計
180a、180b Nガス供給部
181a、181b 供給配管
182a、182b バルブ
183a、183b フィルタ
184a、184b 給気流量計
190a、190b 圧力計
200 露光装置

Claims (5)

  1. 被処理体を収納し、大気圧に維持されたポートと、減圧又は真空環境に維持されて前記被処理体に所定の処理を行う処理室との間に設けられ、雰囲気を置換可能であると共に前記ポートと前記処理室との間で前記被処理体を受け渡すためのロードロック室であって、
    前記ポートから受け渡される前記被処理体を保持する第1の保持部を有する第1のロードロック室と、
    前記処理室から受け渡される前記被処理体を保持する第2の保持部を有する第2のロードロック室とを有し、
    前記第1の保持部が保持する前記被処理体の枚数は、前記第2の保持部が保持する前記被処理体の枚数よりも多いことを特徴とするロードロック室。
  2. 前記第1のロードロック室の第1の保持部は、少なくとも2枚以上の前記被処理体を保持することを特徴とする請求項1記載のロードロック室。
  3. 前記第1のロードロック室は、複数あることを特徴とする請求項1記載のロードロック室。
  4. 被処理体を収納し、大気圧に維持されたポートと、減圧又は真空環境に維持されて前記被処理体に所定の処理を行う処理室と、前記ポートから受け渡される前記被処理体を保持する第1の保持部を有する第1のロードロック室と、前記処理室から受け渡される前記被処理体を保持する第2の保持部を有する第2のロードロック室とを有し、雰囲気を置換可能であると共に前記ポートと前記処理室との間で前記被処理体を受け渡すためのロードロック室とを有する処理システムの前記被処理体の処理方法であって、
    前記第1のロードロック室を前記大気圧に置換する第1の置換ステップと、
    前記大気圧に置換された前記第1のロードロック室に前記ポートから前記被処理体を搬入する第1の搬入ステップと、
    前記被処理体が搬入された前記第1のロードロック室を前記減圧又は真空環境に置換する第2の置換ステップと、
    前記処理室に前記減圧又は真空環境に置換された前記第1のロードロック室から前記被処理体を搬入する第2の搬入ステップと、
    前記第2のロードロック室を前記減圧又は真空環境に置換する第3の置換ステップと、
    前記減圧又は真空環境に置換された前記第2のロードロック室に前記処理室から前記所定の処理が行われた前記被処理体を搬出する第1の搬出ステップと、
    前記処理室から前記被処理体が搬出された前記第2のロードロック室を前記大気圧に置換する第4の置換ステップと、
    前記大気圧に置換された前記第2のロードロック室から前記所定の処理が行われた前記被処理体を搬出する第2の搬出ステップとを有し、
    前記第1の搬入ステップと前記第1の搬出ステップ、又は、前記第2の搬入ステップと前記第2の搬出ステップとが時間的に重なり、
    前記第2の搬入ステップで搬入される前記被処理体の枚数は、前記第1の搬出ステップで搬出される前記被処理体の枚数よりも多いことを特徴とする処理方法。
  5. 被処理体を収納し、大気圧に維持されたポートと、減圧又は真空環境に維持されて前記被処理体に所定の処理を行う処理室と、前記ポートから受け渡される前記被処理体を保持する第1の保持部を有する第1のロードロック室と、前記処理室から受け渡される前記被処理体を保持する第2の保持部を有する第2のロードロック室とを有し、雰囲気を置換可能であると共に前記ポートと前記処理室との間で前記被処理体を受け渡すためのロードロック室とを有する処理システムの前記被処理体の処理方法であって、
    前記第1のロードロック室を前記大気圧に置換する第1の置換ステップと、
    前記大気圧に置換された前記第1のロードロック室に前記ポートから前記被処理体を搬入する第1の搬入ステップと、
    前記被処理体が搬入された前記第1のロードロック室を前記減圧又は真空環境に置換する第2の置換ステップと、
    前記処理室に前記減圧又は真空環境に置換された前記第1のロードロック室から前記被処理体を搬入する第2の搬入ステップと、
    前記第2のロードロック室を前記減圧又は真空環境に置換する第3の置換ステップと、
    前記減圧又は真空環境に置換された前記第2のロードロック室に前記処理室から前記所定の処理が行われた前記被処理体を搬出する第1の搬出ステップと、
    前記処理室から前記被処理体が搬出された前記第2のロードロック室を前記大気圧に置換する第4の置換ステップと、
    前記大気圧に置換された前記第2のロードロック室から前記所定の処理が行われた前記被処理体を搬出する第2の搬出ステップとを有し、
    前記第1の搬入ステップと前記第1の搬出ステップ、又は、前記第2の搬入ステップと前記第2の搬出ステップとが時間的に重なり、
    前記第2の置換ステップに要する時間は、前記第4の置換ステップに要する時間よりも長いことを特徴とする処理方法。
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