JP4039799B2 - 液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び液滴を吐出する装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び液滴を吐出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置を含む。)に用いられるインクジェット記録装置における液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドとして、インク滴を吐出するノズルと、ノズルが連通する吐出室(インク流路、インク室、液室、圧力室、加圧室、加圧液室などとも称される。)と、吐出室の壁面を形成する第一電極を兼ねる振動板と、これに対向する電極(第二電極)とを備え、振動板を静電力で変形変位させてノズルからインク滴を吐出させる静電型インクジェットヘッドが知られている。
【0003】
従来の静電型インクジェットヘッドとしては、例えば特開平6−71882号公報や特開平5−50601号公報に開示されているように、吐出室及び振動板を形成する第1基板と電極を設ける第2基板との陽極接合面のいずれか一方又は両方の面に振動室用の凹部或いは電極形成用の凹部若しくはシリコン酸化膜を形成することにより、振動板と電極との間のギャップ長を所定の長さに規定するようにしたものがある。
【0004】
また、特開平6−23986号公報に開示されているように、ノズル及び圧力室となるべきキャビティが形成された第一のシリコン基板と振動板となる第二のシリコン基板とを構成部材とし、高濃度P型シリコン層を形成した第二のシリコン基板と第一のシリコン基板とをシリコン−シリコンの直接接合法により接合し、接合後の第二のシリコン基板をアルカリ異方性エッチングしてP型シリコン層を残留させて振動板を形成したものがある。
【0005】
さらに、特開平9−267479号公報に開示されているように、片側に高濃度p型シリコン層を形成した第一のシリコン基板の高濃度p型シリコン層と、ノズルが形成された第二のシリコン基板を向かい合わせて、常温からの昇温速度を摂氏5度/分以下とした直接接合により貼り合わせて振動板を形成したものもある。
【0006】
また、静電型インクジェットヘッドの製造方法としては、例えば特開平9−286101号公報に開示されているように、ノズルを形成したシリコンウエハの貼り合わせ面に、シリコン酸化とNa2O及び水からなる珪酸ナトリウム水溶液を希釈したものをスピンコートを用いてコートすることで珪酸ナトリウム層を形成し、形成後直ちにシリコンウエハと振動板を形成したシリコンウエハを貼り合わせ、貼り合わせ面の反対側より荷重をかけ、80℃以上200℃以下の大気中で加熱を行うことにより、接合ウエハを得る方法が知られている。
【0007】
さらに、特開平10−286954号公報に開示されているように、第一シリコン基板と第二シリコン基板を洗浄・乾燥後、第一シリコン基板の貼り合わせ面側に、スピンコートでポリシラザン層を形成し、形成後、直ちに第一シリコン基板と第二シリコン基板を貼り合わせ、貼り合わせ面の反対側より荷重をかけ、450℃の大気中で1時間加熱を行い接合ウエハを得る方法が知られている。その他、特開平9−286101号公報に記載されているように第1基板と第2基板とを陽極接合するもの、特開平6−8449号公報に記載されているように第1基板と第2基板とを直接接合するものなどが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1基板と第2基板の接合に水ガラス(珪酸ナトリウム溶液)を用いたものにあっては、この材料は低温で良好な接合性を示すが、水分の含有量が多いため膜中からの出ガス(水蒸気など)の影響が避けられない。また、上記第1基板と第2基板の接合にポリシラザンを利用したものにあっては、信頼性に優れるが、やはり出ガスの問題を内在している。
【0009】
さらに、上記陽極接合を利用するものあっては、400℃程度の温度下で、100〜2000Vという高電圧を印加することによる振動板へのストレス蓄積などの問題を有している。
【0010】
そこで、上述したウェハ同士を直接的に接合する方式(直接接合)が使われている。ところが、静電気力駆動においては、電極間短絡防止、接触面の保護や、駆動信頼性を高めるために、個別電極及び/又は振動板に信頼性の高い絶縁膜を形成しなくてはいけない。このため、通常、シリコン酸化膜等の酸化膜を用いた絶縁膜が利用されている。
【0011】
ところが、直接接合を用いた接合では、その接合面によって信頼性のある接合を得るために必要な温度が大きく異なる。例えば、もっとも低温で接合可能なのは、シリコンとシリコンの接合である。続いて、シリコン酸化膜とシリコンの接合が続き、これらの接合は800℃〜1100℃程度の接合温度で使用可能である。これに対して、シリコン酸化膜とシリコン酸化膜の接合においては、きわめて安定な界面同士の接合となるため、確実な接合を得るためには1200℃以上での接合が必要になる。このような高い温度では、特殊な炉が必要になったり、ヘッドを構成する材料が限られたりするため、現実的な接合技術とはならない。
【0012】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、低コストで信頼性の高い液滴吐出ヘッド、この液滴吐出ヘッドを備える画像形成装置及び液滴を吐出する装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出するノズルと、ノズルが連通する吐出室と、吐出室の壁面を形成し、シリコン基板に硼素を拡散して形成された振動板と、この振動板に対向する電極とを有し、振動板を静電力で変形させて液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドにおいて、振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板との間の間隔を規定するスペーサ部を第2基板に設け、スペーサ部は、少なくとも第1基板との接合面にシリコン酸化膜を有し、シリコン酸化膜は、燐及び硼素を含まないシリコン酸化膜上に、燐を含むシリコン酸化膜、及び、硼素を含み燐を含まないシリコン酸化膜を順次積層して形成され、1000℃以下の温度で軟化性を示す硼素を含み燐を含まないシリコン酸化膜で、第1の基板と接合される構成としたものである。
【0015】
ここで、燐を含むシリコン酸化膜が硼素も含有する構成とできる。また、振動板と電極の各対向側表面には燐及び/又は硼素が含まれているシリコン酸化膜を有しないことが好ましい。
【0018】
また、スペーサ部と第1の基板の接合面にはダミー溝が形成されている構成とできる。この場合、シリコン酸化膜は、電極間の隔壁幅と略同じ幅にパターニングされていることが好ましい。
【0025】
また、振動板と電極との間に形成される振動室が密閉された空間であり、この空間が略真空状態である構成とできる。
【0030】
本発明に係る画像形成装置、液滴を吐出する装置は、本発明に係る液滴吐出ヘッドを搭載したものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。先ず、本発明を適用したインクジェットヘッドの第1実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドのノズル板を除いた上面説明図、図3は図2のA−A線に沿う同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図4は図2のB−B線に沿う同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図である。
【0032】
このインクジェットヘッドは、単結晶シリコン基板を用いた第1基板である流路基板1と、この流路基板1の下側に設けた単結晶シリコン基板を用いた第2基板である電極基板2と、流路基板1の上側に設けた第3基板であるノズル板3とを積層した構造を有し、インク滴を吐出する複数のノズル4、各ノズル4が連通するインク流路である吐出室6、各吐出室6にインク供給路を兼ねた流体抵抗部7を介して連通する共通液室8などを形成している。
【0033】
流路基板1にはノズル4が連通する複数の吐出室6及びこの吐出室6の壁面である底部をなす振動板10(電極を兼ねている)を形成する凹部を形成している。この振動板10の面外方向(電極基板2側)表面には電極間の短絡を防止するためのシリコン酸化膜からなる絶縁膜11を形成している。
【0034】
ここで、流路基板1は、例えば(110)面方位の単結晶シリコン基板を用いた場合、予め振動板厚さに高濃度P型不純物(例えば硼素)を注入してエッチングストップ層となる高濃度硼素拡散層を形成し、電極基板2と接合した後、吐出室6となる凹部をKOH水溶液などのアルカリエッチング液を用いて異方性エッチングすることにより、このとき高濃度硼素拡散層がエッチングストップ層となって(エッチレートが極端に小さくなって)振動板10が高精度に形成される。高濃度P型不純物としては、硼素(ボロン)の他、ガリウム、アルミニウムなどもあるが、半導体分野では硼素が一般的である。
【0035】
また、流路基板1としては、ベース基板と活性層基板とを酸化膜を介して接合したSOI(Silicon On Insulator)基板を用いることも可能である。現在、高性能な半導体デバイス製造を目的として、1〜3μmほどのシリコン活性層(インクジェットヘッドではこの活性層を振動板10に用いる。)を持つウェハを容易に入手でき、コストの低減を図れる。
【0036】
また、電極基板2には、単結晶シリコン基板を用いて、熱酸化法などで酸化膜12を形成し、この酸化膜12に電極形成用の溝となるとともに流路基板1と電極基板2との間のギャップスペーサ部13を形成する凹部(電極形成用溝)14を形成して、この凹部14底面に振動板10に対向する電極15を設け、振動板10と電極15との間に所定の(例えば0.2μm程度の)ギャップ16を形成し、これらの振動板10と電極15とによって静電型マイクロアクチュエータを構成している。
【0037】
電極基板2の電極15としては、金、或いは、通常半導体素子の形成プロセスで一般的に用いられるAl、Cr、Ni等の金属材料や、Ti、TiN、W等の高融点金属、不純物をドープした多結晶シリコン膜などを用いることができる。また、電極15は外部に延設して電極パッド部15aとし、この電極パッド部15aにヘッド駆動回路であるドライバIC22をワイヤボンドなどによって搭載したFPCケーブルを異方性導電膜などを介して接続する。
【0038】
さらに、電極基板2には共通液室8へインクを供給するためのインク取り入れ口9を形成している。このインク取入れ口9にインク供給管を接着して接続することにより、共通液室8、吐出室6等には、図示しないインクタンクからインク取入れ口9を通して供給されたインクが充填されることが可能となる。なお、使用するインクは、水、アルコール、トルエン等の主溶媒にエチレングリコール等の界面活性剤と、染料または顔料とを溶解または分散させることにより調製される。さらに、インクジェットヘッドにヒーター等を付設すれば、ホットメルトインクも使用できる。
【0039】
ノズル板3には、多数のノズル4を形成するとともに、共通液室8と吐出室6を連通するための流体抵抗部7を形成する溝部を形成している。ここでは、インク吐出面(ノズル表面側)には撥水性皮膜を成膜している。このノズル板3にはガラス基板、プラスチック板、ステンレス等の金属板、シリコン基板、エレクトロフォーミング(電鋳)工法によるニッケルメッキ膜、ポリイミド等の樹脂にエキシマレーザー加工をしたもの、金属と樹脂とを積層したもの等を用いることができる。
【0040】
ここで、流路基板1と電極基板2との間のスペーサ部13の接合面側には、酸化膜12上に1000℃以下の温度で軟化性を示す組成を持つシリコン酸化膜18を形成している。このシリコン酸化膜18として、ここでは、硼素を含むシリコン酸化膜(BSG膜:Boro-Silicate Glass)を用いている。このシリコン酸化膜18は、電極15表面に形成するシリコン酸化膜である電極保護膜(絶縁膜)17を一体に形成している。
【0041】
なお、シリコン酸化膜18としては、硼素を含まず、燐素を含むシリコン酸化膜(PSG膜:Phospho-Silicate Glass)、或いは、燐及び硼素を含むシリコン酸化膜(BPSG膜:BoroPhospho-Silicate Glass)を用いることもできる。また、流路基板1と電極基板2との間の接合層となるシリコン酸化膜18は流路基板1の振動板10の表面側(この例では絶縁膜11表面側)に形成することもできる。
【0042】
このように、流路基板1と電極基板2との間のスペーサ部13の少なくとも接合面側に1000℃以下で軟化性を示す組成を持つシリコン酸化膜18を設けることにより、シリコン酸化膜18を成膜後、熱処理によりリフローさせることで、良好な直接接合が可能な表面性が得られる。具体的には、成膜直後にはAFMを用いた表面性の評価で、表面粗さRa値が1〜3nm程度であったものが0.1〜0.2nmとなり、非常に良好な直接接合が可能な表面性が得られた。
【0043】
これにより、低温(1000℃)以下でシリコン基板同士を接合することが可能になるとともに、基板同士の密着性が向上する。さらに、第1基板及び第2基板にシリコン基板を用いた場合には、シリコン基板同士をシリコン酸化膜で接合することで、基板同士の熱膨張差を最小にすることができて、熱履歴による歪みの発生を抑えることができる。さらに、ヘッドを貫通する形でインク供給口(インク取り入れ口)を形成した場合にも、接合面へのインクによる腐食、染み込みを防止することができる。
【0044】
また、流路基板1と電極基板2との間のスペーサ部13の少なくとも接合面側にシリコン酸化膜18として燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜、例えばBSG膜、PSG膜、或いはBPSG膜などを用いることで、容易に1000℃以下で軟化性を示す組成を持つシリコン酸化膜を形成することができ、シリコン酸化膜18を成膜後、熱処理によりリフローさせることで、良好な直接接合が可能な表面性が得られる。
【0045】
ここで、シリコン酸化膜中に第3の元素が入ると、シリコンと酸素の結合にとって変わる共有性の結合を持つものと、シリコンと酸素の結合中に電気的に修飾する形で進入存在するイオン結合性の元素がある。インクジェットヘッドに使用するシリコン酸化膜では、そのインクが高いアルカリ性を示すものが多く、イオン結合性の元素では、インクに対して溶出したり、接合に用いた場合は剥離したりする。また、共有結合性の元素を用いた場合でも、酸化物の電気陰性度が2.0以下である場合には、イオン結合性の元素と同様に、インクに対して溶出したり、接合に用いた場合は剥離したりするおそれがある。
【0046】
したがって、インクジェットヘッドのスペーサ部或いは接合層として用いるシリコン酸化膜18に含める元素としては、共有結合性の元素で、酸化物の電気陰性度が2.0以下であることが好ましい。具体的は、硼素、硫黄、燐、砒素、アンチモン、ゲルマニウム、鈴、チタン、ジルコニウム、ベリリウム、アルミニウムなどを挙げることができる。これらの元素を用いることで、インクへの溶出や接合部分の剥離を抑えることができ、一層信頼性が向上する。
【0047】
すなわち、電気陰性度は、シリコン酸化膜(ガラス)の共有結合性を示す尺度となり、酸素原子の電気陰性度χ0から、金属原子の電気陰性度χmを引いた値(χ0−χm)≦2であると、その金属酸化物はシリコン酸化膜(ガラス)の骨格をなすような構造となる。逆に、(χ0−χm)>2であると、その金属はシリコン酸化膜のシリコンと酸素で形成されるような骨格の隙間を浮遊するような形(網目修飾酸化物)になる。このような網目修飾酸化物は、シリコン酸化膜中で比較的自由に動くことができるので、インクのようなアルカリ性の高い溶液などが触れると、インク中に溶出してしまう。その際、シリコンと酸素の結合を切るような挙動があると、シリコン酸化膜はインクに溶けることになる。したがって、シリコン酸化膜としては、特にアルカリ性のインクを用いるインクジェットヘッドの場合、電気陰性度が2以下であること、金属元素は共有結合性を有していることが好ましい。
【0048】
このインクジェットヘッドではノズル4を二列配置し、この各ノズル4に対応して吐出室6、振動板10、電極15なども二列配置し、各ノズル列の中央部に共通液室8を配置して、左右の吐出室6にインクを供給する構成を採用している。これにより、簡単なヘッド構成で多数のノズルを有するマルチノズルヘッドを構成することができる。
【0049】
そして、電極15の電極パッド部15a側のギャップ16開口は、エポキシ樹脂等の接着剤を用いたギャップ封止剤21にて気密封止している。これにより、ギャップ16内に湿気や異物が侵入して振動板10が変位しなくなったり、空気の流通による振動板10の変位特性の変化を防止している。
【0050】
このとき、振動板10と電極15との間に形成されるギャップ16(振動板10が変形する室としての振動室)を略真空状態にしておくことで、振動板変形時の振動室内の気体の圧縮などの余分なエネルギーが必要でなくなるため、低電圧駆動化を図れる。
【0051】
このように構成したインクジェットヘッドの動作を簡単に説明すると、振動板10を共通電極とし、電極15を個別電極として、振動板10と電極15との間に駆動波形を印加することにより、振動板10と電極15との間に静電力(静電吸引力)が発生して、振動板10が電極15側に変形変位する。これにより、吐出室6の内容積が拡張されて内圧が下がるため、流体抵抗部7を介して共通液室8から吐出室6にインクが充填される。
【0052】
次いで、電極15への電圧印加を断つと、静電力が作用しなくなり、振動板10はそれ自身のもつ弾性によって復元する。この動作に伴い吐出室6の内圧が上昇し、ノズル5からインク滴が吐出される。再び電極に電圧を印加すると、再び静電吸引力によって振動板10は電極15側に引き込まれる。したがって、振動板10と電極15との間に記録画像に応じて駆動電圧を印加することで記録画像に応じてインク滴を吐出させることができる。
【0053】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第2実施形態について図5及び図6を参照して説明する。なお、図5は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図6は同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図である。
【0054】
このインクジェットヘッドは、スペーサ部13の熱酸化膜12上に不純物(燐及び硼素)を含まないシリコン酸化膜28を形成し、このシリコン酸化膜28上に1000℃以下の温度で軟化性を示す組成を持つ燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18を積層した2層構造としたものである。
【0055】
ここで、不純物を含まないシリコン酸化膜28としては燐及び硼素などを含まないNSG膜(Non-doped Silicate Glass)、燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18としてはBSG膜を用いているが、これに限られるものではない。例えば、不純物を含まないシリコン酸化膜28としては、NSG膜に代えて、熱酸化膜、塗布型のSOG膜(Spin On Glass)を用いることもできる。また、燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18としては、BSG膜に代えて、前述したPSG膜、BPSG膜などを用いることもできる。
【0056】
このように硼素及び/又は燐を含むシリコン酸化膜18の下地層として、遮蔽層となる不純物を含まないシリコン酸化膜28を設けることによって、硼素や燐が電極基板2や電極15に拡散して、品質が劣化することを防止できる。
【0057】
例えば、電極15の材料としてドープドポリシリコンを用いた場合などは、電極15とリフロー膜(硼素及び/又は燐を含むシリコン酸化膜、例えばBSG膜)18との間に不純物を含まないシリコン酸化膜(NSG膜)28を介在させた構造とすることで、後工程での熱処理時にリフロー膜となるシリコン酸化膜18に含まれる硼素や燐などの不純物が電極15に再分布することが防止されて、個別電極15の抵抗値などの電気特性の変動を抑制することができる。
【0058】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第3実施形態について図7及び図8を参照して説明する。なお、図7は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図8は同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図である。
【0059】
このインクジェットヘッドは、スペーサ部13の熱酸化膜12上に不純物(燐及び硼素)を含まないシリコン酸化膜(熱酸化膜、NSG膜又はSOG膜など)28を形成し、このシリコン酸化膜28上に燐及び硼素を含むシリコン酸化膜(BPSG膜)18bを形成し、さらにこのシリコン酸化膜18a上に硼素を含むシリコン酸化膜(BSG膜)18aを形成した多層構成としている。なお、BPSG膜18bに代えて、燐を含むシリコン酸化膜(PSG膜)とすることもできる。
【0060】
このような膜構造とすることで、上記NSG膜などの不純物を含まないシリコン酸化膜28による不純物の拡散防止を行うことができるとともに、BSG膜18aよりも流動性の高いBPSG膜(あるいはPSG膜)18bなどによる埋め込み効果の向上(例えばプロセス中についてしまう微細な表面傷はBPSG膜18bがリフローするときに埋められる)を図れ、インクなどの液体を通した場合のリークなどの発生を防止できる。なお、深い傷や幅の広い傷などは埋めきれないので、そのような傷が付かないような工程設計を行う必要はある。また、接合強度も前述のように十分な強度が得られる。
【0061】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第4実施形態について図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図10は同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図である。
【0062】
このインクジェットヘッドは、上記第1実施形態のインクジェットヘッドにおいて、ノズル板3をシリコン基板から形成し、このノズル板3の流路基板1との接合面に燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜29を形成して、ノズル板3と流路基板1とを燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜29を介して接合したものである。
【0063】
このシリコン酸化膜29としては、CVD等の方法で形成したBSG膜を用いているが、前述したように、BSG膜に代えて、BPSG膜、PSG膜、NSG膜とBSG膜の2層構造膜、NSG膜とBPSG膜の2層構造膜、又は、NSG膜とBPSG膜及びPSGとの3層構造膜などを用いることもできる。
【0064】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第5実施形態について図11乃至図14を参照して説明する。なお、図11は同ヘッドの分解斜視説明図、図12は同ヘッドのノズル板を除いた上面説明図、図13は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図14は同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図である。
【0065】
このインクジェットヘッドは、流路基板1と電極基板2との間のスペーサ部13の接合面側に1000℃以下で軟化性を示すシリコン酸化膜でもある燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18を有し、このシリコン酸化膜18を形成する下地部材である酸化膜12にはスペーサ部13のうちの接合面積が広い部分(電極形成用溝:凹部14が疎な部分)にダミー溝31、32を形成している。
【0066】
このようなダミー溝31、32を設けることで、特に燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18の膜厚のバラツキを低減してより確実に高い信頼性で流路基板1と電極基板2とを接合することができる。すなわち、燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18のリフロー後の形状が、下地形状の影響を僅かに受け、接合面積が広い部分では、接合面積が狭い部分に比べて、僅かに膜厚が薄くなる。この膜厚差は1nm以下のレベルであるが、シリコン酸化膜を用いた接合では、接合不良となる可能性がある。そこで、このダミー溝31、32を設けることで、シリコン酸化膜を形成する下地部材の面積の均一化(接合面積の均一化)を図ることができ、シリコン酸化膜の膜厚ばらつきを低減することができる。
【0067】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第6実施形態について図15を参照して説明する。なお、同図は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図である。
【0068】
このインクジェットヘッドは、第2実施形態と第5実施形態とを組み合せたものであり、流路基板1と電極基板2との間のスペーサ部13の接合面側に形成したシリコン酸化膜を、不純物を含まないシリコン酸化膜28と燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18との2層構成とし、更にこれらのシリコン酸化膜28、18を形成する下地部材である酸化膜12にはスペーサ部13のうちの接合面積が広い部分(電極形成用溝:凹部14が疎な部分)にダミー溝31、32(32のみ図示)を形成している。
【0069】
このように硼素及び/又は燐を含むシリコン酸化膜の下に、遮蔽層となる不純物を含まないシリコン酸化膜を設けることによって、硼素及び/又は燐の電極や基板への拡散、品質劣化を防ぐことができるとともに、ダミー溝を設けることで、燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜の膜厚のバラツキを低減してより確実に高い信頼性で流路基板と電極基板とを接合することができる。
【0070】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第7実施形態について図16を参照して説明する。なお、同図は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図である。
【0071】
このインクジェットヘッドは、上記第3実施形態と第5実施形態とを組み合せたものであり、ノズル板3を燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜29を介して流路基板1に接合し、更に流路基板1と電極基板2との間のスペーサ部13の接合面側に燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18を有し、このシリコン酸化膜18を形成する下地部材である酸化膜12にはスペーサ部13のうちの接合面積が広い部分(電極形成用溝:凹部14が疎な部分)にダミー溝31、32(32のみ図示)を形成している。
【0072】
これによりノズル板の接合が容易になるとともに、燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜の膜厚バラツキが低減して信頼性の高い接合を行うことができる。
【0073】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第8実施形態について図17を参照して説明する。なお、同図は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図である。
このインクジェットヘッドは、電極基板2の酸化膜12上に燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18を形成し、更にシリコン酸化膜18上に電極15を形成することで、スペーサ部13のみに燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18を形成している。
【0074】
したがって、電極15表面には燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18がなく、また、振動板10の電極側対向表面には熱酸化膜などの燐及び/又は硼素を含まない絶縁膜11を形成しているので、振動板10と電極15の各対向側表面には燐及び/又は硼素が含まれているシリコン酸化膜を有しない。これにより、電気的な信頼性が向上する。
【0075】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第9実施形態について図18を参照して説明する。なお、同図は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図である。
このインクジェットヘッドは、電極基板2の酸化膜12上に不純物を含まないシリコン酸化膜28、燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18を順次積層形成し、更にシリコン酸化膜18上に電極15を形成することで、スペーサ部13のみに、不純物を含まないシリコン酸化膜28と燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18との積層膜を形成している。
【0076】
したがって、電極15表面には燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18がなく、また、振動板10の電極側対向表面には熱酸化膜などの燐及び/又は硼素を含まない絶縁膜11を形成しているので、振動板10と電極15の各対向側表面には燐及び/又は硼素が含まれているシリコン酸化膜を有しない。これにより、電気的な信頼性が向上する。
【0077】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第10実施形態について図19を参照して説明する。なお、同図は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図である。
このインクジェットヘッドは、スペーサ部13のみに燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18を形成し、酸化膜12上に直接電極15を形成し、この電極15上には別途保護膜37を形成している。このヘッドは電極基板2の酸化膜12上にシリコン酸化膜18を形成した後に凹部14を形成したものであり、シリコン酸化膜18は電極間の隔壁幅と略同じにパターニングされる。
【0078】
したがって、このヘッドにおいては、電極15表面には燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18がなく、また、振動板10の電極側対向表面には熱酸化膜などの燐及び/又は硼素を含まない絶縁膜11を形成しているので、振動板10と電極15の各対向側表面には燐及び/又は硼素が含まれているシリコン酸化膜を有しないので、電気的な信頼性が向上する。それとともに、シリコン酸化膜18を凹部14を形成する前の平坦な酸化膜12上に形成することができるので、シリコン酸化膜18の膜厚バラツキが低減する。
【0079】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第11実施形態について図20乃至図22を参照して説明する。なお、図20は同ヘッドのノズル板を除いた上面説明図、図21は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図22は同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図である。
【0080】
このインクジェットヘッドは、流路基板1と電極基板2との間のスペーサ部13の接合面側に1000℃以下で軟化性を示すシリコン酸化膜でもある燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18を有し、このシリコン酸化膜18を形成する下地部材(下地層)である酸化膜12にはスペーサ部13のうちの接合面積が広い部分(電極形成用溝:凹部14が疎な部分)にダミー電極35を形成している。このダミー電極35は、幅が略均一になるように形成するとともに、電極15とは電気的に分離させている。
【0081】
このようなダミー電極35を設けることで、燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18の膜厚のバラツキを低減してより確実に高い信頼性で流路基板1と電極基板2とを接合することができる。すなわち、前述したように、シリコン酸化膜18のリフロー後の形状が、下地形状の影響を僅かに受け、接合面積が広い部分では、接合面積が狭い部分に比べて、僅かに膜厚が薄くなる。そこで、このダミー電極35を設けることで、接合面積の均一化を図ることができ、膜厚ばらつきを低減することができる。
【0082】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第12実施形態について図23及び図24を参照して説明する。なお、図23は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図24は同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図である。
【0083】
このインクジェットヘッドは、上記第2実施形態と第11実施形態とを組み合せたものであり、流路基板1と電極基板2との間のスペーサ部13の接合面側に不純物を含まないシリコン酸化膜28と燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18との積層膜を形成し、これらのシリコン酸化膜28、18を形成する下地部材(下地層)である酸化膜12にはスペーサ部13のうちの接合面積が広い部分(電極形成用溝:凹部14が疎な部分)にダミー電極35を形成している。このダミー電極35は、幅が略均一になるように形成するとともに、電極15とは電気的に分離させている。
【0084】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第13実施形態について図25乃至図28を参照して説明する。なお、図25はダミー電極の配置パターンを説明する上面説明図、図26は図25のC−C線に沿う断面説明図、図27は図25のD−D線に沿う断面説明図、図28は図25のE−E線に沿う断面説明図である。
【0085】
この例は、ダミー電極として複数に分割したダミー電極36を飛び石状に配置したものである。このように、複数のダミー電極36を設けることにより、個別電極15とドライバ回路を接続する際に、ダミー電極36を介して短絡してしまう可能性を防止することができる。
【0086】
このとき、ダミー電極36、36の間隔(隙間)37を0.5μm以下にすることで、硼素や燐を含んだシリコン酸化膜18を堆積させる際にその隙間37を確実に埋めることができ、気密性を確保することができる。このダミー電極36の形成は、シリコン基板を熱酸化した酸化膜12上で行うため、平坦性が高く、0.5μm以下のリソグラフィー、パターニングも問題無く実施することができる。
【0087】
なお、第12実施形態のように、シリコン酸化膜18を形成する下地層としての不純物を含まないシリコン酸化膜28として、塗布型シリコン酸化膜(SOG膜)を用いる場合は、埋め込み性がよくなるので、ダミー電極36、36の隙間37は1μm程度まで広げることができる。
【0088】
このように構成することで、振動室内部(ギャップ16内)は外気から完全に遮断されるため、製造工程での異物のギャップ16内への進入を防ぐことができ、さらに、振動板10の振動によりギャップ16内の気体が外部と行き来することで生じる抵抗によるエネルギー損失を防ぐことができる。
【0089】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第14実施形態及び第15実施形態について図29及び図30を参照して説明する。なお、両図はいずれもダミー電極の配置パターンを説明する上面説明図である。
図29の第14実施形態はライン状のダミー電極38を複数配置した例であり、図30の第15実施形態は枠状のダミー電極39を配置した例である。これらの各実施形態によっても燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18などの膜厚ばらつきを低減することができる。
【0090】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第16実施形態について図31を参照して説明する。なお、同図は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図である。
このインクジェットヘッドは、上記第13実施形態において飛び石状に配置する複数のダミー電極36のうちの一部のダミー電極36、36の隙間38を他の隙間37よりも広く(例えば1μm以上)し、あえてシリコン酸化膜18による埋め込みが不可能な個所を形成したものである。
【0091】
これにより、流路基板1と接合した状態でシリコン酸化膜18上には凹部39が生じ、この凹部39によって隣接する振動室間(ギャップ間)、あるいは、別途設ける気体溜りとの気体の流路(直通溝)を形成することができる。
【0092】
したがって、ギャップ内の気体が外部と行き来することで生じる抵抗によるエネルギー損失を防ぐことができる。また、この凹部39で形成される連通溝を一旦外部に開口させ、水素や、ヘリウム、乾燥空気や、窒素などのような特殊な気体を振動室内(ギャップ内)に封じこめた後、封止したりすることも可能となる。
【0093】
この場合、各ビットが開放している場合に比べ、共通開口部から気体の封じ込めができるので、後工程での封止作業も簡単になる。また、ダミー電極36の配置や、隙間を工夫することで、気体流体抵抗のような働きを持たせることもでき、振動特性をコントロールしやすくなる。
【0094】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第17実施形態について図32及び図33を参照して説明する。なお、図32は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図33は同ヘッドの振動板短手方向の拡大断面説明図である。
【0095】
このインクジェットヘッドは、電極基板2側の全面に電極15表面を含めて燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18(ここではBSG膜を用いている。)を形成するとともに、流路基板1の振動板10の電極側表面にも燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18(ここではBSG膜を用いている。)を形成している。
【0096】
このように振動板10側の電極対向側表面の保護膜と電極15の保護膜とを同じ組成の膜とすることにより、接触帯電などの電気的トラブルを防止することができる。
【0097】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第18実施形態について図34及び図35を参照して説明する。なお、図34は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図35は同ヘッドの振動板短手方向の拡大断面説明図である。
【0098】
このインクジェットヘッドは、電極基板2のスペーサ部13のみに燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18(ここではBSG膜を用いている。)を形成し、電極15の材料(電極材料)にはシリコンを用いて、このシリコンを熱酸化することによって電極15表面にシリコン酸化膜41を形成している。また、流路基板1の振動板10の電極側表面にも熱酸化膜42を形成している。
【0099】
このように振動板10側の電極対向側表面の保護膜と電極15の保護膜とを同じ組成の膜とすることにより、接触帯電などの電気的トラブルを防止することができるとともに、電極15上に燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜を形成していないので電気的信頼性が更に向上する。
【0100】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第19実施形態について図36及び図37を参照して説明する。なお、図36は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図37は同ヘッドの振動板短手方向の拡大断面説明図である。
【0101】
このインクジェットヘッドは、電極基板2の酸化膜12表面を平坦化し、この酸化膜12上に電極15を形成して、更に燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18(ここではBPSG膜を用いている。)を形成し、このシリコン酸化膜18に開口44を形成することでギャップ16及びスペーサ部13を形成している。そして、電極15の表面にはチタン窒化膜などの電極保護膜47を設けている。
【0102】
このように構成した場合には、スペーサー部13の全体が燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18で形成され、このシリコン酸化膜18の膜厚が流路基板1の振動板10と電極基板2の電極15との間のギャップ長を規定することになり、高精度のギャップ形成が可能になる。また、電極保護膜47に窒化チタン膜を用いることで、チタン酸化物は誘電率が非常に高いことから、駆動電圧の低電圧化を図れる。
【0103】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第20実施形態について図38及び図39を参照して説明する。なお、図38は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図39は同ヘッドの振動板短手方向の断面説明図である。
【0104】
このインクジェットヘッドは、電極基板2の酸化膜12表面を平坦化し、この酸化膜12上に電極15及びダミー電極51を形成して、更にこれらの電極15及びダミー電極51の間を不純物を含まないシリコン酸化膜52(ここでは、SOG膜を用いている。)で埋め込んで平坦化し、これらの上に燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18(ここではBPSG膜を用いている。)を形成し、このシリコン酸化膜18に開口54を形成することでギャップ16及びスペーサ部13を形成している。そして、電極15の表面にはチタン窒化膜などの電極保護膜57を設けている。
【0105】
このように構成した場合にも、スペーサー部13の全体が燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18で形成され、このシリコン酸化膜18の膜厚が流路基板1の振動板10と電極基板2の電極15との間のギャップ長を規定することになり、高精度のギャップ形成が可能になる。また、電極保護膜57に窒化チタン膜を用いることで、チタン酸化物は誘電率が非常に高いことから、駆動電圧の低電圧化を図れる。
【0106】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの第21実施形態について図40及び図41を参照して説明する。なお、図40は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図41は同ヘッドの振動板短手方向の拡大断面説明図である。
【0107】
このインクジェットヘッドは、電極基板2の酸化膜12表面を平坦化し、この酸化膜12上にポリシリコン膜からなる電極15及びダミー電極61を形成して、更にこれらの電極15及びダミー電極61の間を不純物を含まないシリコン酸化膜62(ここでは、SOG膜を用いている。)で埋め込みで平坦化し、これらの上に不純物を含まないシリコン酸化膜63(ここでは、NSG膜を用いている。)を形成し、さらに、このシリコン酸化膜63上に燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18(ここではBPSG膜を用いている。)を形成して、このシリコン酸化膜18に凹部64を形成することで振動板10と非平行になるギャップ66及びスペーサ部13を形成している。
【0108】
この場合、電極15をポリシリコン膜で形成しているが、このポリシリコン膜の研磨レートがSOG膜62に比べて非常に低いために、電極15間の間隔が広いとSOG膜62のみが研磨されて平坦化の平面精度が得られなくなるが、ダミー電極61を設けることによって所要の平面精度が得られるようになる。
【0109】
なお、前記第4実施形態で説明したようにノズル板3としてシリコン基板を用いる場合においては、流路基板1との接合について、電極基板2と流路基板1との接合で説明した上記各他の実施形態、例えばダミー溝、ダミー電極、シリコン酸化膜の組成、種類、層構成などをそのまま適用することができる。
【0110】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの製造方法の第1実施形態について図42乃至図44を参照して説明する。この第1実施形態は本発明を適用したインクジェットヘッドの第1実施形態の製造工程を説明するものであるが、適宜他の実施形態のヘッドについても説明する。
【0111】
まず、電極基板2の製造方法について説明する。はじめに、図42(a)に示すように、半導体用として販売されている厚さ約625μmのp型の単結晶シリコンで、結晶面方位が(100)である電極基板2となるシリコン基板に、ウェットあるいはドライの熱酸化法によって保護膜となる酸化膜12を約2μmの厚さに形成する。ここでは、安価に市場に出ているp型の単結晶シリコン基板を用いたが、n型の基板であっても良い。また、グレードとしては、モニタウェハグレードでも問題ない。
【0112】
続いて、酸化膜12が形成されたウェハにフォトレジストを塗布し、電極15及びスペーサ部13を形成するための凹部14を形成するためのパターニングを行い、フォトレジストパターンをマスクとして、弗化アンモニウムなどの緩衝成分を含む弗化水素溶液(例えば、ダイキン工業製:BHF-63U、商品名など)を用いて、酸化膜12に凹部14を掘り込む。
【0113】
このときの掘り込み量は電極材料の厚さ(電極15の厚み)と、電極15と振動板10との間に必要な空間量(ギャップ長)を足した分だけ掘り込むことになる。なお、この掘り込み量は約1μm程度と少ないので、弗化水素溶液を用いたウェットエッチングによる掘り込みにおいても、ウェハ面内の掘り込み量のばらつきは極めて小さくできる。
【0114】
続いて、電極材料となる窒化チタンを反応性スパッタにより約300nmの厚さに堆積し、リソグラフィー及びドライエッチングの手法を用いて所望の電極15の形状に加工する。ここでは、窒化チタンのような導電性のセラミックスを電極として使用したが、前述したように、不純物がドーピングされた多結晶シリコンを電極に用いることもできるし、タングステンのような高融点金属を利用しても良い。
【0115】
次に、同図(b1)に示すように、硼素を含むシリコン酸化膜(BSG膜)18をCVDなどの手法を用いて、電極15が形成されたウェハ全面に約100nmの厚さに堆積させる。この場合のBSG膜18aは、電極15の保護、酸化防止の役目も併せ持つ。ここで、BSG膜18aは、硼素濃度4.0%になるように成膜した。この硼素の濃度は、半導体プロセスで一般的に使われている濃度であり、この濃度に限定されるものではない。
【0116】
或いは、同図(b2)に示すように、電極15が形成されたウェハ全面にNSG膜28aを堆積した後、このNSG膜28a上にBSG膜18を積層した2層構成などとすることもできる(この形態は、本発明を適用したインクジェットヘッドの第2実施形態として説明した。)。更に、NSG膜28a上にBPSG膜18b及びBSG膜18aを順次積層した3層構成とすることもできる。
【0117】
ここでの重点は、シリコン酸化膜中に、燐及び/又は硼素を含有させることによって、軟化点を下げたシリコン酸化膜18を形成することにある。この軟化点を下げるという目的を達成するだけであれば、ゲルマニウムなどの、燐、硼素以外の不純物を含有させる手法もある。ただし、電極15となる材料(電極材料)との親和性やデバイスとしての信頼性を考えた場合、半導体プロセスで実績のある燐及び/又は硼素を用いることが本発明を達成する上でより利点が大きい。
【0118】
次いで、このシリコンウェハを窒素ガス雰囲気下で熱処理する。このとき温度は、950℃、2時間の処理を行った。この950℃という温度は、この次に行う直接接後の温度900℃よりも50℃だけ高い温度としている。もちろん、直接接合の温度がこれよりも低ければ、これよりも低い温度での熱処理で良い。ただし、BSG膜18aがリフロー性を示す温度よりも低くなってはいけない。この熱処理によって、BSG膜a18中に存在する水分や水素ガスなどが放出され、接合時の出ガスによるボイドの発生を防ぐことができる。また、この処理によってBSG膜18a表面がリフローを起こし、成膜直後にはAFMを用いた表面評価で、Ra値で1〜3nm程度あった表面の荒れが0.1〜0.2nmとなり、非常に良好な直接接合性を持つようにできる。
【0119】
次に、流路基板1となる基板について説明する。ここでは、同図(c)に示すように、流路基板1となるシリコン基板71として、p型の極性を持ち、(110)の面方位を持つ厚さ約500μmの両面研磨したシリコン基板を用いた。このようなシリコン基板を用いる目的は、シリコンのウェットエッチング速度の結晶面異方性を利用し、精度の良い加工形状を得るためのものである。
【0120】
このシリコン基板71に固体拡散法により硼素を拡散し、高濃度硼素拡散層72を形成する。例えば、シリコン基板71と固体拡散源を向かい合わせて並べ750℃の炉の中にセットする。炉の中には0.25%の酸素を混入した窒素を流しておく。炉の温度を8℃/分のレートで1125℃まで上昇させ、その状態で50分保持した後、8℃/分のレートで750℃まで下げサンプルを取り出すことで、高濃度硼素拡散層72が形成されたシリコン基板71が得られる。なお、拡散方法は、この他にBBr3を用いた気相拡散法、イオン注入法、B2O3を有機溶媒に分散させウエハ上にスピンコートする塗布拡散法などを用いても良い。
【0121】
その後、シリコン基板71表面に形成された酸化硼素層をフッ酸により除去する。酸化硼素層の下にシリコンと硼素の化合物層が形成されており、これを除去する場合は、さらに酸化することによってフッ酸で除去できるようになる。しかし、このように酸化してフッ酸で化合物層を除去しても硼素の拡散されたシリコン表面には荒れが生じているので、後に行う直接接合で接合できない。
【0122】
そこで、CMP研磨により直接接合可能な表面性(AFMを用いた測定にてRa=0.2nm以下)を得た。CMP研磨では、最表面を100nm以下の研磨量で、面内均一に研磨することができるので、高濃度硼素拡散層72の変化は微量であり、また研磨量を見込んで拡散条件を決めることも容易である。また、酸化してフッ酸処理して化合物層を除去してからCMP研磨してもよいし、酸化してできた酸化膜(シリコンと硼素の化合物であり、酸化することで硼素を含んだシリコン酸化膜(BSG)が得られる。)をCMP研磨して良好な表面性を有する酸化膜11を形成してもよい。
【0123】
ここでは、CMP研磨により良好な表面性がもたらされた後のシリコン基板71(高濃度硼素拡散層72)を熱酸化することにより良好な表面性(Ra=0.3nm以下)を有する酸化膜11を形成した。
【0124】
なお、流路基板1となる基板としては、例えばシリコン基板71の接合面になる面に、酸化硼素を含む有機溶剤をスピンコート法を用いて塗布し、拡散させたものでも良いし、BBr3を用いた気相拡散法、高濃度の硼素をイオン注入(5×1019原子/cm3以上)後これを活性化し、所定の深さ(振動板の厚さ)まで拡散させたものでも良い。また、SOI(Silicon On Insulator)基板の活性層を振動板として使用することも可能であるし、、高濃度不純物を拡散させた基板上に、シリコンをエピ成長させた基板のエピ層を振動板ととすることもできる。これらの基板を熱酸化し、振動板の接合面となる側に振動板(電極)保護のための酸化膜11を形成して、流路基板1となる基板とすることができる。
【0125】
続いて、図43(a)に示すように、流路基板1となるシリコン基板71と電極基板2とを接合する。各基板71、2をRCA洗浄で知られる基板洗浄法を用いて洗浄した後、硫酸と過酸化水素水の熱混合液に浸漬し、接合面を親水化させることで直接接合をし易い表面状態とする。
【0126】
ここで、重要な点は、流路基板1となるシリコン基板71の接合面である酸化膜11の表面は良好な表面性(Ra:0.3nm以下)であり、かつ電極基板2の接合面であるシリコン酸化膜18表面も良好な表面性(Ra:0.3nm以下)を持つことである。接合する両基板1、2の表面性が良くないと室温でプリボンドすることはなく、また信頼性の高い接合はできない。
【0127】
これらの各基板71、2を静かにアライメントし各基板71、2を接合する。具体的には、アライメントが完了した基板を真空チャンバー中に導入し、1×10-3mbar以下の真空度になるまで減圧する。続いて、各基板71、2のアライメントがずれない様な状態で、各ウェハを押さえつけることでプリ接合を完了した。
【0128】
このとき、真空下で接合するのは、凹部14の溝パターンが多くあるウェハの接合で、空気を巻き込んだエアトラップボイドの発生を防止するためである。また、このとき位置ずれしないように押さえるとことと、押圧力は基板71、2に歪みを与えたり、位置ずれを起こさない限り強く押さえることが重要である。さらに、この後、貼り合わせたウェハを窒素ガス雰囲気下で、BSG膜18aがリフロー性を示す温度以上の900℃、2時間焼成し強固な接合を得た。
【0129】
このように、シリコン酸化膜18を形成した後、シリコン酸化膜18がリフロー性を示す温度以上で個別に熱処理を施し、このリフロー性を示す温度未満の温度で第1基板である流路基板1と第2基板である電極基板2とを加熱して接合することにより、接合面を高い表面性にして接合することができ、信頼性が向上する。
【0130】
また、シリコン酸化膜18を形成した後、接合面となる表面の平坦化処理(ここではCMP研磨処理)を行い、さらに第1基板と第2基板とを接合する際の接合温度以上の温度で個別に熱処理した後、第1基板と第2基板を加熱して接合することで、リフロー法で埋めきれないような「うねり」も埋めることができて更に表面性が良くなり、一層信頼性が向上する。
【0131】
次に、同図(b)に示すように、シリコン基板71をウェハの初期厚さよりも低くするため、研磨、研削、CMP等の手段によって、ウェハ厚さを薄くして、シリコン基板71の厚さを所望の液室高さまで低くする。このような機械的、物理的あるいは、化学的手法によってウェハの厚さを薄くしても、BSG膜18aによる接合によって接合した界面が剥離したり破壊されることはない。具体的には、シリコンウェハを貼り合わせた後、液室高さが95±5μmになるまで研磨し、その後の液室加工を施しても何ら問題にならなかった。
【0132】
続いて、接合した基板71、2を熱処理する。このとき、同時に酸化雰囲気下で熱処理し、バッファ酸化膜を約50nmの厚さに形成する。更に、後工程でのエッチングバリア層となるシリコン窒化膜74a、74bをCVDなどの方法で約100nmの厚さに形成する。
【0133】
ここでの、熱処理の目的は、シリコン基板71を研磨したことによる応力を緩和させ、インクジェットヘッドに反りや、歪を生じさせないためのものである。すなわち、クロストークなどの問題から液室高さは低くする方がよく、そのため、上述したように基板を貼り合わせた後液室側の基板71を研磨するが、このとき、シリコン基板71の厚さが変化することで接合面に存在するシリコン酸化膜18a、11や電極基板2であるシリコン基板のそれぞれの応力バランスが変化して、貼り合わせた基板71、2が反ってしまうことがある。これを防止するため、熱を加えることでシリコン酸化膜(低融点)の軟化(機械的変形がないレベルで)させ、応力を緩和することで、基板の反りを防ぐことができる。また、この熱処理によって、応力が緩和されることで、接合面にストレスが加わることが防止されて、接合信頼性(剥離防止など)をより高めることができる。
【0134】
次に、同図(c)に示すように、フォトエッチングの手法を用いて、液室などを形成するためのパターニングを行い、フォトレジスト膜をマスクにして、シリコン窒化膜74a、74b及びバッファ酸化膜を順次エッチングし、シリコン基板71上に吐出液室などを形成する領域を形作るとともに、電極基板2にインク取り入れ口9を形成する領域を形作る。
【0135】
そして、この接合した基板71、2を高濃度の水酸化カリウム溶液(例えば、90℃に加熱したアルコール添加の10%濃度KOH溶液)中に浸漬し、シリコンの異方性エッチングを行うことで、シリコン基板71には所望の吐出室6、共通液室8となる凹部などを形成する。このときの凹部深さは、エッチング液が高濃度硼素拡散層(5×1019/cm3濃度層)72に到達した時、エッチングレートが著しく低下することで、ほぼ自動的に停止した状態になり、高濃度硼素拡散層72からなる振動板10が形成され、流路基板1が得られる。また、電極基板2にはインク取り入れ口9を形成するための溝部75が形成される。ここでは、この後、超純水を使ってリンス(約10分間以上)した後、スピン乾燥等で乾燥させる。
【0136】
続いて、図44(a)に示すように、溝部75の酸化膜12をフッ酸水溶液などでエッチング除去してインク取り入れ口9を形成し、シリコン窒化膜74a及び74bを熱燐酸溶液などによるウェットエッチング、或いはドライエッチングによって除去する。ただし、このシリコン窒化膜は無理に除去する必要はない。そのまま残しておいても問題にならない。
【0137】
そして、同図中の一点鎖線で示す位置をダイシングすることによって、ウェハからヘッドチップサイズに切り出す。その後、インク取り入れ口9に対応する流路基板1側の高濃度硼素拡散層72を電極基板2側からドライエッチングで除去し、インク取り入れ口9を形成する。
【0138】
次に、同図(b)に示すように、電極基板2側から吐出室6および共通液室8を保護するようにメタルマスクをかぶせて、電極パッド15a上にある高濃度硼素拡散層72、及び、電極15を保護しているシリコン酸化膜18をドライエッチングにより除去して保護膜17を形成する。
【0139】
最後に、ノズル4及び流体抵抗部7を形成したノズル板3をエポキシ接着剤などを用いて流路基板1上に接合することでインクジェットヘッドが完成する。なお、ノズル板3は、1枚として用いたが、流体抵抗部や、連結穴を設けた別プレートを接合した後、更にノズルプレートを貼り付けた多層構造とすることもできる。
【0140】
ここで、前記第4実施形態に係るインクジェットヘッドのようにノズル板3としてシリコン基板を用いた場合には、図9に示すように、ノズル板3の接合面に、CVD等の方法でBSG膜29を堆積し、リフローさせた後、流路基板1と接合する。このときの成膜条件は、電極基板2上に形成したBSG膜18aと同じでかまわない。もちろん、この組成などはデバイスの構造や製造方法によって自由に変更できることは言うまでもない。
【0141】
そして、ノズル板3と流路基板1とを接合した後、インクジェットヘッドを窒素ガス雰囲気下で熱処理する。このときの熱処理は、850℃、2時間の処理を行った。もちろん、直接接合の温度がこれよりも低ければ、これよりも低い温度での熱処理で良い。
【0142】
この後、貼り合わせウェハをアライメントした後、流路基板1とノズル板3となる両シリコン基板を貼り合わせ、上述した流路基板1と電極基板2との接合で説明したと同様な条件で焼成した。このとき、先に接合した流路基板1及び電極基板2のウェハよりも低い温度で焼成することが好ましいが、少なくとも先に接合した基板と同じ温度で焼成するようにすれば、出ガスなどの問題も無く接合することができる。
【0143】
また、ここでは、電極となる基板から順次接合していったが、各基板を所望の形状に加工した後、接合面にBSG膜などを成膜し、ウェハ貼り合わせ用のアライナー(例えば、EV社400シリーズ、カールズース社MA/SB−6など:いずれも商品名)を用いて一度に接合することも可能である。
【0144】
さらに、このようにして製造したインクジェットヘッドは、ヘッドを構成する主要部材がシリコンであるため、実使用時の温度上昇等によってもヘッドの膨張が略均一になり、ヘッドの反りや歪みの発生がなく、ラインヘッドと呼ばれる長尺ヘッド(例えばA4サイズヘッド)を作ることも可能となる。
【0145】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの製造方法の第2実施形態について図45乃至図47を参照して説明する。この第2実施形態は本発明を適用したインクジェットヘッドの第5、第6実施形態の製造工程を説明するものである。
【0146】
この実施形態では、図45(a)に示すように、半導体用として販売されている厚さ約625μmのp型(n型でもよい。)の単結晶シリコンで、結晶面方位が(100)であるシリコン基板を電極基板2として用いて、ウェットあるいはドライの熱酸化法によって保護膜となる酸化膜12を約2μmの厚さに形成する。
【0147】
続いて、酸化膜12が形成されたウェハにフォトレジストを塗布し、電極15及びスペーサ部13を形成するための凹部14、ダミー溝31、32を形成するためのパターニングを行い、フォトレジストパターンをマスクとして、弗化アンモニウムなどの緩衝成分を含む弗化水素溶液を用いて、酸化膜12に凹部14及びダミー溝31、32(ダミー溝32のみ図示)を掘り込む。
【0148】
その後は、上記図42乃至図44で説明した本発明を適用したインクジェットヘッドの製造方法の第1実施形態と同様にして、図45(b1)、(b2)に示すように、硼素を含むシリコン酸化膜(BSG膜)18(第5実施形態に係るヘッドの場合)、又はNSG膜28a及びBSG膜18a(第6実施形態に係るヘッドの場合)を積層し、同図(c)に示す流路基板1となるシリコン基板71と電極基板2とを図46(a)に示すように直接接合し、同図(b)、(c)に示すようにシリコン基板71の研削、異方性エッチングによる流路パターンの形成を行い、図47(a)、(b)に示すように各チップに分割した後ノズル板3を接合して、インクジェットヘッドを完成する。
【0149】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの製造方法の第3実施形態について図48を参照して説明する。この第3実施形態は本発明を適用したインクジェットヘッドの第8、第9実施形態の製造工程を説明するものである。
【0150】
この実施形態では、同図(a)に示すように、半導体用として販売されている厚さ約625μmのp型(n型でもよい。)の単結晶シリコンで、結晶面方位が(100)であるシリコン基板を電極基板2として用いて、ウェットあるいはドライの熱酸化法によって保護膜となる酸化膜12を約2μmの厚さに形成する。
【0151】
続いて、酸化膜12が形成されたウェハにフォトレジストを塗布し、電極15及びスペーサ部13を形成するための凹部14を形成するためのパターニングを行い、フォトレジストパターンをマスクとして、弗化アンモニウムなどの緩衝成分を含む弗化水素溶液を用いて、酸化膜12に凹部14を掘り込む。
【0152】
そして、第8実施形態に係るヘッドの場合には、同図(b1)に示すように、電極基板2の全面に硼素を含むシリコン酸化膜(BSG膜)18aを形成した後、凹部14のBSG膜18上に電極15を形成する。また、第9実施形態に係るヘッドの場合には、同図(b2)に示すように、電極基板2の全面にNSG膜28を形成し、更にNSG膜28a上の全面にBSG膜18aを積層した後、凹部14のBSG膜18a上に電極15を形成する。
【0153】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの製造方法の第4実施形態について図49を参照して説明する。この第4実施形態は本発明を適用したインクジェットヘッドの第10実施形態の製造工程を説明するものである。
【0154】
この実施形態では、同図(a)に示すように、半導体用として販売されている厚さ約625μmのp型(n型でもよい。)の単結晶シリコンで、結晶面方位が(100)であるシリコン基板を電極基板2として用いて、ウェットあるいはドライの熱酸化法によって保護膜となる酸化膜12を約2μmの厚さに形成し、更に酸化膜12が形成されたウェハの全面に硼素を含むシリコン酸化膜(BSG膜)18aを形成する。
【0155】
そして、同図(b)に示すように、BSG膜18a上にフォトレジストを塗布し、電極15及びスペーサ部13を形成するための凹部14を形成するためのパターニングを行い、フォトレジストパターンをマスクとして、BSG膜18及び酸化膜12に凹部14を掘り込む。
【0156】
次いで、同図(c)に示すように、凹部14の底面に電極15を形成し、同図(d)に示すように、電極15表面に保護膜37を形成する。
【0157】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの製造方法の第5実施形態について図50を参照して説明する。この第5実施形態は本発明を適用したインクジェットヘッドの第11、第12実施形態の製造工程を説明するものである。
【0158】
この実施形態では、同図(a)に示すように、半導体用として販売されている厚さ約625μmのp型(n型でもよい。)の単結晶シリコンで、結晶面方位が(100)であるシリコン基板を電極基板2として用いて、ウェットあるいはドライの熱酸化法によって保護膜となる酸化膜12を約2μmの厚さに形成する。
【0159】
続いて、酸化膜12が形成されたウェハにフォトレジストを塗布し、電極15及びスペーサ部13を形成するための凹部14を形成するためのパターニングを行い、フォトレジストパターンをマスクとして、弗化アンモニウムなどの緩衝成分を含む弗化水素溶液を用いて、酸化膜12に凹部14を掘り込み、電極基板2の全面に電極15及びダミー電極35を形成するための電極材料である窒化チタン膜81を形成する。
【0160】
そして、第11実施形態のヘッドの場合には、同図(b1)に示すように、リソグラフィー及びドライエッチングの手法を用いて窒化チタン膜81を所望の電極15及びダミー電極35の電極形状に加工した後、電極基板2の全面に電極15及びダミー電極35表面を含めてBSG膜18aを形成する。なお、ダミー電極の形状、配置パターンとしては他の実施形態のものを用いることもできる(以下の実施形態の説明でも同じである。)。
【0161】
また、第12実施形態のヘッドの場合には、同図(b2)に示すように、リソグラフィー及びドライエッチングの手法を用いて窒化チタン膜81を所望の電極15及びダミー電極35の電極形状に加工した後、電極基板2の全面に電極15及びダミー電極35表面を含めてSNG膜28aを形成し、このNSG膜28上にBSG膜18を形成する。なお、ダミー電極の形状、配置パターンとしては他の実施形態のものを用いることもできる。
【0162】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの各実施形態で用いることのできる流路基板の製造方法について図51を参照して説明する。
流路基板1となるシリコン基板71は、前述したと同様に、p型の極性を持ち、(110)の面方位を持つ厚さ約500μmの両面研磨したシリコン基板を用いている。このようなシリコン基板を利用する目的は、シリコンのウェットエッチング速度の結晶面異方性を利用し、精度の良い加工形状を得るためのものである。
【0163】
そこで、このシリコン基板71に固体拡散法により硼素を拡散し、高濃度硼素拡散層72を形成する。なお、拡散方法は、この他に、例えばBBr3を用いた気相拡散法、イオン注入法、B2O3を有機溶媒に分散させウエハ上にスピンコートする塗布拡散法などを用いても良い。
【0164】
そして、シリコン基板71と固体拡散源を向かい合わせて並べ750℃の炉の中にセットする。炉の中には0.25%の酸素を混入した窒素を流しておく。炉の温度を8℃/分のレートで1125℃まで上昇させ、その状態で50分保持した後、8℃/分のレートで750℃まで下げサンプルを取り出すことで、シリコン基板71に高濃度硼素拡散層72が形成される。
【0165】
このとき、シリコン基板71の振動板側(拡散面)には、酸化硼素の層91が生成される。この酸化硼素の層91は、ガラス様の性質を持ち、本発明で利用しているBSG膜と似た性質を持っているので、この膜を本発明の各実施形態のような接合用のシリコン酸化膜の代わりに使用することもできる。ところが、この酸化硼素の層(膜)91は、空気中の水分などと反応し、析出物ができたり、酸化硼素自身が反応して別の物質に変化したりしやすい。発明者らの経験では、拡散処理後、12時間を過ぎた酸化硼素膜は変質してしまっていた。
【0166】
そこで、拡散工程後の酸化硼素の膜91の上に、CVDなどの方法でNSG膜92を例えば50nmの厚さに成膜する。その後、800〜1000℃の温度で熱処理し、酸化硼素の層91とNSG膜92を反応させるとともに、リフローさせ表面を平坦化することにより、良好な表面性(Ra:0.3nm以下)を有する酸化膜11を得ることができる。なお、熱処理による硼素の再拡散が発生する場合、先の拡散時間を調整することで、再拡散を加味した振動板厚さの設計が可能になる。
【0167】
このように、振動板となるシリコン基板面に酸化硼素拡散源からの熱拡散によって酸化硼素層を形成した(或いは硼素酸化化合物を塗布してもよい。)後、この酸化硼素層上に不純物を含まないシリコン酸化膜(NSG膜やSOG膜など)を形成して、熱処理を加えて不純物を含まないシリコン酸化膜表面の平坦化を図ることにより、硼素拡散時に自然に生成する酸化硼素層を接合層として用いることが可能になって低コスト化を図れる。
【0168】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの各実施形態で用いることのできる流路基板の他の製造方法について図52を参照して説明する。
この実施形態の流路基板は、流路基板1側にのみ、或いは電極基板2側とともに、接合用のシリコン酸化膜を形成したものである。
【0169】
すなわち、同図(a)に示すように、流路基板1となるシリコン基板71は、前述したと同様に、p型の極性を持ち、(110)の面方位を持つ厚さ約500μmの両面研磨したシリコン基板を用いている。このシリコン基板71に固体拡散法により硼素を拡散し、高濃度硼素拡散層72を形成する。なお、拡散方法は、この他に、例えばBBr3を用いた気相拡散法、イオン注入法、B2O3を有機溶媒に分散させウエハ上にスピンコートする塗布拡散法などを用いても良い。
【0170】
そして、このシリコン基板71の振動板となる高濃度硼素拡散層72の表面にNSG膜93を形成した後、同図(b)に示すようにNSG膜93の表面にBSG膜94を形成する。
【0171】
次に、本発明に係る各液滴吐出ヘッドに用いることができる多結晶シリコンからなる電極を有する電極基板の製造方法について図53を参照して説明する。
同図(a)に示すように、p型(n型でもよい。)の単結晶シリコンで、結晶面方位が(100)であるシリコン基板を電極基板2として用いて、ウェットあるいはドライの熱酸化法によって保護膜となる酸化膜12を約2μmの厚さに形成する。
【0172】
続いて、酸化膜12が形成されたウェハにフォトレジストを塗布し、電極15及びスペーサ部13を形成するための凹部14を形成するためのパターニングを行い、フォトレジストパターンをマスクとして、弗化アンモニウムなどの緩衝成分を含む弗化水素溶液を用いて、酸化膜12に凹部14を掘り込み、電極基板2の全面に電極15又は電極15及びダミー電極35を形成するための電極材料である多結晶シリコン膜82を形成する。
【0173】
その後、同図(b)に示すように、多結晶シリコン膜82に不純物である硼素イオンを注入し、同図(c)に示すように、多結晶シリコン膜82をパターニングして電極15又は電極15及びダミー電極35を形成する。
【0174】
そして、ダミー電極35を残さない場合には、同図(d1)に示すように、ダミー電極35を除去した後、電極基板2の全面に燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18を形成する。また、ダミー電極35を残す場合には、同図(d2)に示すように、そのまま電極基板2の全面に燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜18を形成する。
【0175】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの製造方法の第6実施形態について図54を参照して説明する。この第6実施形態は本発明を適用したインクジェットヘッドの第19実施形態と同様な電極基板の製造工程を説明するものである。
【0176】
この実施形態では、同図(a)に示すように、電極基板となるシリコン基板2に熱酸化により酸化膜12を0.5から1.0μmの厚さで形成し、更に、個別電極15となる窒化チタン膜81を約0.3μmの厚みで成膜する。そして、同図(b)に示すように、窒化チタン膜81を写真製版によってパターン形成して、ドライエッチング或いはウェットエッチングによってエッチングを行なうことで、電極15及びダミー電極35の形状に形成する。
【0177】
その後、同図(c)に示すように、ギャップスペーサー膜となるBPSG膜18bを成膜し、成膜後900℃〜1050℃の窒素雰囲気中でBPSG膜18bのアニール処理を行う。この場合のBPSG膜18bの膜厚は、駆動エアギャップ分と電極保護膜の1/2分を合わせた厚さに設定する。例えば駆動エアギャップ(ギャップ長)を0.2μm、保護絶縁膜47の厚さを0.2μmとした場合では、BPSG膜18bの厚さは約0.3μmとする。
【0178】
次いで、同図(d)に示すように、BPSG膜18bに写真製版によって個別電極15に対応する部分にパターン形成する。このとき、電極15に対応する部分の開口は個別電極エリアより小さいものとする。そして、ウェットエッチング或いはドライエッチングにより、個別電極15をエッチングストップ層としてBPSG膜18bのエッチングを行ってギャップ16となる開口部47を形成する。このとき、個別電極15でエッチストップさせることにより、エッチング深さが高精度に制御できる。
【0179】
次に、エッチング後のレジストを除去した後熱酸化処理を行い、個別電極15である窒化チタン膜81を熱酸化することにより、電極15表面にチタン酸化膜47を形成し電極保護膜とする。窒化チタンの熱酸化は500℃から600℃の酸素雰囲気中で行う。
【0180】
この場合、駆動ギャップ長はギャップスペーサー膜となるBPSG膜18bの厚さと個別電極である窒化チタン81を熱酸化して形成した電極保護膜47との差で決定されるが、何れも成膜の工程によるものであり、高精度なギャップ形成が可能となる。また、個別電極15と振動板10間の電気絶縁性はギャップスペーサー膜としてのBPSG膜18bによって形成されることから、十分な絶縁性が保たれる。さらに、電極保護膜47としてチタン酸化膜を用いることで十分な保護性が得られること、形成されたチタン酸化物の性質として、誘電率が非常に高いことから駆動電圧の低電圧化が実現できる。
【0181】
ここで、ここで、電極15の材料として多結晶シリコンを用いる場合について説明する。なお、工程は上記図54で説明した工程と同様であるので、同図を引用して(符号は同じものを用いる)説明する。
同図(a)に示すように、電極基板となるシリコン基板2に熱酸化により酸化膜12を0.5から1.0μmの厚さで形成し、更に、個別電極15となる多結晶ポリシリコン膜81を約0.3μmの厚みで成膜する。そして、同図(b)に示すように、多結晶シリコン膜81をエッチングして電極15及びダミー電極35の形状に形成する。
【0182】
その後、同図(c)に示すように、ギャップスペーサー膜となるBPSG膜18bを成膜し、成膜後900℃〜1050℃の窒素雰囲気中でBPSG膜18bのアニール処理を行う。この場合のBPSG膜18bの膜厚は、駆動エアギャップ分と電極保護膜の1/2分を合わせた厚さに設定する。例えば駆動エアギャップ(ギャップ長)を0.2μm、保護絶縁膜47の厚さを0.2μmとした場合では、BPSG膜18bの厚さは約0.3μmとする。
【0183】
次いで、同図(d)に示すように、BPSG膜18bに写真製版によって個別電極15に対応する部分にパターン形成し、そして、ウェットエッチング或いはドライエッチングにより、個別電極15をエッチングストップ層としてBPSG膜18bのエッチングを行ってギャップ16となる開口部44を形成する。
【0184】
その後、電極15を形成しているポリシリコンを熱酸化することによって形成されるシリコン酸化膜を電極保護膜47とすることができる。電極材料としての窒化チタン電極と比較して異なる点は、電極保護膜形成時のポリシリコンの熱酸化温度が850℃から950℃の高温域での酸化が必要となることである。
【0185】
このように、電極材料に多結晶シリコンを用いて、この多結晶シリコン上にシリコン酸化膜を形成することにより、多結晶シリコンの導電性を発揮させるドーパント(燐、硼素)によって増速酸化させることが可能になって比較的厚い酸化膜を形成することができるようになり、堆積膜よりも信頼性が向上する。また、多結晶シリコン自体を酸化してシリコン酸化膜を形成することによりギャップ精度を一層高くすることができる。
【0186】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの製造方法の第7実施形態について図55及び図56を参照して説明する。この第7実施形態は本発明を適用したインクジェットヘッドの第21実施形態の電極基板の製造工程を説明するものである。
【0187】
まず、同図(a)に示すように、電極基板2として半導体用として販売されている厚さ約625μmのp型の単結晶シリコンで、面方位が(100)である基板を用いて、このシリコン基板にウェット或いはドライの熱酸化法によって保護膜となるシリコン酸化膜12を約2μmの厚さに形成する。ここでは、安価に市場に出ているp型の単結晶シリコン基板を用いたが、n型の基板であっても良い。また、グレードとしては、モニタウェハグレードでも問題ない。
【0188】
続いて、シリコン熱酸化膜12が形成されたウェハ上に電極材料となるポリシリコン膜を約300nmの厚さに堆積し、リソグラフィー及びドライエッチングの手法を用いて所望の形状の電極15及びダミー電極35を形成する。このとき、広い接合エリアとなる部分にダミー電極35を設置するようなパターンとする。
【0189】
なお、ここでは、電極材料としてポリシリコン膜を用いたが、窒化チタンのような導電性のセラミックス、不純物がドーピングされた多結晶シリコン、タングステンのような高融点金属を利用しても良いことは前述したとおりである。
【0190】
次に、同図(b)に示すように、電極基板2の全面に電極15及びダミー電極35表面を含めて厚さ350nmのSOG膜62を堆積させる。 SOG膜はスピンコート法のため平坦化に適しており、ここでは直接接合などの後工程での熱処理温度に耐えうる無機のSOG膜を用いている。その後、900℃−60分の熱処理によりSOG膜62中の水分を排出する。なお、1回のスピンコートで所望の厚さが堆積できない場合は、スピンコートとベークを繰り返し行っても良いし、加えてBPSG膜などのリフロー膜を堆積してもよい。
【0191】
次いで、同図(c1)に示すように、CMP研磨を行うことにより電極基板2を平坦化する。スラリー液はSS25(キャボット社製:商品名)を超純水と1:1に希釈したもの、研磨パッドは硬いポリウレタンの発泡体/ポリエステル繊維不織布の積層構造を用いた。また、研磨条件は、テーブル速度/キャリア速度=40rpm/29rpm、研磨加圧=250g/cm2で行った。
【0192】
このとき、研磨はSOG膜62の研磨から進むことになるが、ポリシリコン膜の研磨レートがSOG膜62に対して非常に低いため、ポリシリコン膜からなる個別電極15及びダミー電極35は研磨の停止膜として利用できる。つまり、ポリシリコン膜が露出すると、キャリアのトルクが急激に上昇することにより研磨の終点が検知でき、高精度に研磨量の制御が可能となる。CMP研磨後、基板2は平坦化された。
【0193】
ここで、ダミー電極35が形成されていない場合、同図(c2)に示すように、個別電極15のパターンが疎の部分77でSOG膜62が薄くなり、後の直接接合で、接合不良が発生しやすくなる。ダミー電極パターンを設けることにより、これを防止して膜厚の均一化を図れる。
【0194】
その後、同図(d)に示すように、平坦化された電極基板2にNSG膜63をCVD法により150nm堆積し、更にガス種を変更(燐濃度4.5%、硼素濃度4.0%)し、シリコン酸化膜としてBPSG膜18bを約200nmの厚さに堆積させる。そして、図56にも示すように、レジストパターンの厚さに傾斜を付け、そのレジスト越しにドライエッチングを行う方法で、BPSG膜18bにギャップ形状が非平行状態である凹部64を形成する。
【0195】
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドの製造方法の第8実施形態について図57及び図58を参照して説明する。この第8実施形態は本発明を適用したインクジェットヘッドの第20実施形態の電極基板の製造工程を説明するものである。
【0196】
上述した第7実施形態と同様に、まず、同図(a)に示すように、電極基板2として半導体用として販売されている厚さ約625μmのp型の単結晶シリコンで、面方位が(100)である基板を用いて、このシリコン基板にウェット或いはドライの熱酸化法によって保護膜となるシリコン酸化膜12を約2μmの厚さに形成する。
【0197】
続いて、シリコン熱酸化膜12が形成されたウェハ上に電極材料となる窒化チタン膜を約300nmの厚さに堆積し、リソグラフィー及びドライエッチングの手法を用いて所望の形状の電極15及びダミー電極35を形成する。このとき、広い接合エリアとなる部分にダミー電極35を設置するようなパターンとする。
【0198】
次に、同図(b)に示すように、電極基板2の全面に電極15及びダミー電極35表面を含めて厚さ350nmのSOG膜52を堆積させる。 その後、900℃−60分の熱処理によりSOG膜52中の水分を排出する。なお、1回のスピンコートで所望の厚さが堆積できない場合は、スピンコートとベークを繰り返し行っても良いし、加えてBPSG膜などのリフロー膜を堆積してもよい。
【0199】
次いで、同図(c)に示すように、CMP研磨を行うことにより電極基板2を平坦化する。このとき、研磨はSOG膜52の研磨から進むことになるが、窒化チタン膜の研磨レートがSOG膜52に対して非常に低いため、窒化チタン膜からなる個別電極15及びダミー電極35は研磨の停止膜として利用できる。
【0200】
その後、同図(d)に示すように、平坦化された電極基板2にNSG膜53をCVD法により150nm堆積し、更にガス種を変更(燐濃度4.5%、硼素濃度4.0%)し、シリコン酸化膜としてBPSG膜18bを約200nmの厚さに堆積させる。
【0201】
次に、エッチング後のレジストを除去した後熱酸化処理を行い、個別電極15である窒化チタン膜を熱酸化することにより、電極15表面にチタン酸化膜57を形成し電極保護膜とする。窒化チタンの熱酸化は500℃から600℃の酸素雰囲気中で行う。
【0202】
次に、本発明に係る液滴を吐出する装置を含む、本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置について図59及び図60を参照して簡単に説明する。なお、図59は同記録装置の機構部の概略斜視説明図、図60は同機構部の側面説明図である。
【0203】
このインクジェット記録装置は、記録装置本体111の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明を適用したインクジェットヘッドであるインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部112等を収納し、給紙カセット114或いは手差しトレイ115から給送される用紙113を取り込み、印字機構部112によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ116に排紙する。
【0204】
印字機構部112は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド121と従ガイドロッド122とでキャリッジ123を主走査方向に摺動自在に保持している。
【0205】
このキャリッジ123にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明を適用したインクジェットヘッドであるインクジェットヘッドからなるヘッド124をノズル列方向を副走査方向(主走査方向と直交する方向)にして、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0206】
記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド124を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0207】
また、キャリッジ123の上側にはヘッド124に各色のインクを供給するための各インクタンク(インクカートリッジ)125を交換可能に装着している。インクカートリッジ125は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッド124へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッド124へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。このインクカートリッジ125から前記インク取り入れ口9を介してインクをヘッド124内に供給する。
【0208】
ここで、キャリッジ123は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド121に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド122に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ123を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ127で回転駆動される駆動プーリ128と従動プーリ129との間にタイミングベルト130を張装し、このタイミングベルト130をキャリッジ133に固定しており、主走査モータ127の正逆回転によりキャリッジ123が往復駆動される。また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド124を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0209】
一方、給紙カセット114にセットした用紙113をヘッド124の下方側に搬送するために、給紙カセット114から用紙113を分離給装する給紙ローラ131及びフリクションパッド132と、用紙113を案内するガイド部材133と、給紙された用紙113を反転させて搬送する搬送ローラ134と、この搬送ローラ134の周面に押し付けられる搬送コロ135及び搬送ローラ134からの用紙113の送り出し角度を規定する先端コロ136とを設けている。搬送ローラ134は副走査モータ137によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0210】
そして、キャリッジ123の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ134から送り出された用紙113を記録ヘッド124の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材139を設けている。この印写受け部材139の用紙搬送方向下流側には、用紙113を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ141、拍車142を設け、さらに用紙113を排紙トレイ116に送り出す排紙ローラ143及び拍車144と、排紙経路を形成するガイド部材145,146とを配設している。
【0211】
記録時には、キャリッジ123を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド124を駆動することにより、停止している用紙113にインクを吐出して1行分を記録し、用紙113を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙113の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙113を排紙する。
【0212】
また、キャリッジ123の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド124の吐出不良を回復するための回復装置147を配置している。回復装置147は、キャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ123は印字待機中にはこの回復装置147側に移動されてキャッピング手段でヘッド124をキャッピングされ、吐出口部(ノズル孔)を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0213】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド124の吐出口(ノズル4)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0214】
なお、上記各実施形態においては、本発明を適用した液滴吐出ヘッドをインクジェットヘッドに適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、インク以外の液滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する液滴吐出ヘッドにも適用できる。また、各実施形態で説明した静電アクチュエータは、マイクロモータ、マイクロポンプ、マイクロリレーなどのマイクロアクチュエータ部などにも適用することができる。
【0215】
また、上記実施形態においては、主として本発明を振動板変位方向とインク滴吐出方向が同じになるサイドシュータ方式のインクジェットヘッドに適用したが、前述したように振動板変位方向とインク滴吐出方向と直交するエッジシュータ方式のインクジェットヘッドにも同様に適用することができる。また、振動板と液室とを同一基板から形成したが、振動板と液室形成基板とを別体にして接合することもできる。
【0216】
さらに、上記各実施形態においては、リフロー膜となる燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化膜を成膜する構成で説明したが、接合面(スペーサ部)を形成するシリコン酸化膜にホウ素や燐をイオン注入することで、シリコン酸化膜の接合面のみリフロー膜化して形成することなどもできる。
【0217】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板との間の間隔を規定するスペーサ部を第2基板に設け、スペーサ部は、少なくとも第1基板との接合面にシリコン酸化膜を有し、このシリコン酸化膜は、燐及び硼素を含まないシリコン酸化膜上に、燐を含むシリコン酸化膜、及び、硼素を含み燐を含まないシリコン酸化膜を順次積層して形成され、1000℃以下の温度で軟化性を示す硼素を含み燐を含まないシリコン酸化膜で、第1の基板と接合される構成としたので、高品質の接合が可能になり、低コスト化及び信頼性の向上を図れる。
【0219】
ここで、燐を含むシリコン酸化膜が硼素も含有する構成とすることでも高品質の接合が可能になる。また、振動板と電極の各対向側表面には燐及び/又は硼素が含まれているシリコン酸化膜を有しないことで、対向側表面に熱酸化膜よりも若干品質の劣る堆積膜がないので、電気的信頼性が向上する。
【0222】
また、スペーサ部と第1の基板の接合面にはダミー溝が形成されている構成とすることで、接合信頼性が向上する。この場合、シリコン酸化膜は、電極間の隔壁幅と略同じ幅にパターニングされていることで、低温で高い信頼性の接合を行うことができる。
【0229】
また、振動板と電極との間に形成される振動室が密閉された空間であり、この空間が略真空状態である構成とすることで、振動特性の向上を図れる。
【0234】
本発明に係る画像形成装置、液滴を吐出する装置によれば、本発明に係る液滴吐出ヘッドを搭載したので、信頼性の高い装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出ヘッドの第1実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図2】同ヘッドのノズル板を除いた上面説明図
【図3】図2のA−A線に沿う同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図4】図2のB−B線に沿う同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図
【図5】本発明の液滴吐出ヘッドの第2実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図6】同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図
【図7】本発明の液滴吐出ヘッドの第3実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図8】同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図
【図9】本発明の液滴吐出ヘッドの第4実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図10】同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図
【図11】本発明の液滴吐出ヘッドの第5実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図12】同ヘッドのノズル板を除いた上面説明図
【図13】同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図14】同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図
【図15】本発明の液滴吐出ヘッドの第6実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図16】本発明の液滴吐出ヘッドの第7実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図17】本発明の液滴吐出ヘッドの第8実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図18】本発明の液滴吐出ヘッドの第9実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図19】本発明の液滴吐出ヘッドの第10実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図20】本発明の液滴吐出ヘッドの第11実施形態に係るインクジェットヘッドのノズル板を除いた上面説明図
【図21】同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図22】同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図
【図23】本発明の液滴吐出ヘッドの第12実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図24】同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図
【図25】本発明の液滴吐出ヘッドの第13実施形態に係るインクジェットヘッドのダミー電極の配置パターンを説明する上面説明図
【図26】図25のC−C線に沿う断面説明図
【図27】図25のD−D線に沿う断面説明図
【図28】図25のE−E線に沿う断面説明図
【図29】本発明の液滴吐出ヘッドの第14実施形態に係るインクジェットヘッドのダミー電極の配置パターンを説明する上面説明図
【図30】本発明の液滴吐出ヘッドの第15実施形態に係るインクジェットヘッドのダミー電極の配置パターンを説明する上面説明図
【図31】本発明の液滴吐出ヘッドの第16実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図32】本発明の液滴吐出ヘッドの第17実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図33】同ヘッドの振動板短手方向の拡大断面説明図
【図34】本発明の液滴吐出ヘッドの第18実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図35】同ヘッドの振動板短手方向の拡大断面説明図
【図36】本発明の液滴吐出ヘッドの第19実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図37】同ヘッドの振動板短手方向の拡大断面説明図
【図38】本発明の液滴吐出ヘッドの第20実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図39】同ヘッドの振動板短手方向の断面説明図
【図40】本発明の液滴吐出ヘッドの第21実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図41】同ヘッドの振動板短手方向の拡大断面説明図
【図42】本発明の製造方法の第1実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を説明する断面説明図
【図43】図42に続く工程を説明する断面説明図
【図44】図44に続く工程を説明する断面説明図
【図45】本発明の製造方法の第2実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を説明する断面説明図
【図46】図45に続く工程を説明する断面説明図
【図47】図46に続く工程を説明する断面説明図
【図48】本発明の製造方法の第3実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を説明する断面説明図
【図49】本発明の製造方法の第4実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を説明する断面説明図
【図50】本発明の製造方法の第5実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を説明する断面説明図
【図51】流路基板の製造方法の他の例を説明する断面説明図
【図52】流路基板の製造方法の更に他の例を説明する断面説明図
【図53】電極基板の製造方法の他の例を説明する断面説明図
【図54】本発明の製造方法の第6実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を説明する断面説明図
【図55】本発明の製造方法の第7実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を説明する振動板長手方向の断面説明図
【図56】同じく振動板短手方向の断面説明図
【図57】本発明の製造方法の第8実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を説明する振動板長手方向の断面説明図
【図58】同じく振動板短手方向の断面説明図
【図59】本発明に係るインクジェット記録装置の一例を説明する斜視説明図
【図60】同記録装置の機構部の説明図
【符号の説明】
1…流路基板、2…電極基板、3…ノズル板、4…ノズル、6…吐出室、7…流体抵抗部、8…共通液室、10…振動板、12…酸化膜、14…凹部、15…電極、16…ギャップ、18…燐及び/又は硼素を含むシリコン酸化膜。
Claims (8)
- 液滴を吐出するノズルと、ノズルが連通する吐出室と、吐出室の壁面を形成し、シリコン基板に硼素を拡散して形成された振動板と、この振動板に対向する電極とを有し、前記振動板を静電力で変形させて液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドにおいて、
前記振動板を設ける第1基板と前記電極を設ける第2基板との間の間隔を規定するスペーサ部を前記第2基板に設け、
前記スペーサ部は、少なくとも前記第1基板との接合面にシリコン酸化膜を有し、
前記シリコン酸化膜は、燐及び硼素を含まないシリコン酸化膜上に、燐を含むシリコン酸化膜、及び、硼素を含み燐を含まないシリコン酸化膜を順次積層して形成され、
1000℃以下の温度で軟化性を示す前記硼素を含み燐を含まないシリコン酸化膜で、前記第1の基板と接合される
ことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記燐を含むシリコン酸化膜が硼素も含有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記振動板と電極の各対向側表面には燐及び/又は硼素が含まれているシリコン酸化膜を有しないことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記スペーサ部と前記第1の基板の接合面にはダミー溝が形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項4に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記シリコン酸化膜は、前記電極間の隔壁幅と略同じ幅にパターニングされていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記振動板と前記電極との間に形成される振動室が密閉された空間であり、この空間が略真空状態であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを搭載した画像形成装置において、前記液滴吐出ヘッドが前記請求項1ないし6のいずれかの液滴吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
- 液滴吐出ヘッドを備えて液滴を吐出する装置において、前記液滴吐出ヘッドが前記請求項1ないし6のいずれかの液滴吐出ヘッドであることを特徴とする液滴を吐出する装置。
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