JP2003094667A - 液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
液滴吐出ヘッドの製造方法Info
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- JP2003094667A JP2003094667A JP2001287987A JP2001287987A JP2003094667A JP 2003094667 A JP2003094667 A JP 2003094667A JP 2001287987 A JP2001287987 A JP 2001287987A JP 2001287987 A JP2001287987 A JP 2001287987A JP 2003094667 A JP2003094667 A JP 2003094667A
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- manufacturing
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低温で信頼性の高い接合ができない。
【解決手段】 第2基板32の接合面に燐及び/又はホ
ウ素を含むシリコン酸化膜25を形成し、第1基板31
と第2基板32とを不活性ガス雰囲気で重ね合わせた
後、熱処理を施して接合する
ウ素を含むシリコン酸化膜25を形成し、第1基板31
と第2基板32とを不活性ガス雰囲気で重ね合わせた
後、熱処理を施して接合する
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液滴吐出ヘッドの製造方
法に関する。
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリンタ、ファクシミリ、複写
装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置を含
む。)に用いられるインクジェット記録装置における液
滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドとして、イン
ク滴を吐出するノズルと、ノズルが連通する吐出室(イ
ンク流路、インク室、液室、圧力室、加圧室、加圧液室
などとも称される。)と、吐出室の壁面を形成する第一
電極を兼ねる振動板と、これに対向する電極(第二電
極)とを備え、振動板を静電力で変形変位させてノズル
からインク滴を吐出させる静電型インクジェットヘッド
が知られている。
装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置を含
む。)に用いられるインクジェット記録装置における液
滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドとして、イン
ク滴を吐出するノズルと、ノズルが連通する吐出室(イ
ンク流路、インク室、液室、圧力室、加圧室、加圧液室
などとも称される。)と、吐出室の壁面を形成する第一
電極を兼ねる振動板と、これに対向する電極(第二電
極)とを備え、振動板を静電力で変形変位させてノズル
からインク滴を吐出させる静電型インクジェットヘッド
が知られている。
【0003】このような静電型インクジェットヘッドに
おいては、振動板の機械的変位特性は滴吐出特性に大き
く影響し、振動板の薄膜化、高精度化が必要になるとと
もに、振動板と電極との間の微小ギャップを高精度に確
保しなければならない。
おいては、振動板の機械的変位特性は滴吐出特性に大き
く影響し、振動板の薄膜化、高精度化が必要になるとと
もに、振動板と電極との間の微小ギャップを高精度に確
保しなければならない。
【0004】そこで、従来の静電型インクジェットヘッ
ドにあっては、特開平6−23986号公報などに記載
されているように、振動板を形成するシリコン基板にボ
ロンを拡散した高濃度ボロン拡散層を形成し、このシリ
コン基板を異方性エッチングすることにより、高濃度ボ
ロン拡散層でエッチングストップすることから、高濃度
ボロン拡散層による振動板を形成するようにしている。
ドにあっては、特開平6−23986号公報などに記載
されているように、振動板を形成するシリコン基板にボ
ロンを拡散した高濃度ボロン拡散層を形成し、このシリ
コン基板を異方性エッチングすることにより、高濃度ボ
ロン拡散層でエッチングストップすることから、高濃度
ボロン拡散層による振動板を形成するようにしている。
【0005】そして、振動板と電極との間の距離、即ち
ギャップ寸法を高精度に保つために、上記特開平6−2
3986号公報や特開平9−267479号公報に記載
されているように、振動板を設けたシリコン基板と電極
を設けたシリコン基板とを1100℃で直接接合するよ
うにしている。この直接接合法は、SOI(Silicon-On
-Insulator)ウエハの製造などに用いられ、信頼性の高
い強固な接合力が得られる接合法として一般に知られて
いるものであり、1100〜1200℃の高温で行うこ
とでシリコン酸化膜の溶融の効果によって高い接合信頼
性を得る接合法である。
ギャップ寸法を高精度に保つために、上記特開平6−2
3986号公報や特開平9−267479号公報に記載
されているように、振動板を設けたシリコン基板と電極
を設けたシリコン基板とを1100℃で直接接合するよ
うにしている。この直接接合法は、SOI(Silicon-On
-Insulator)ウエハの製造などに用いられ、信頼性の高
い強固な接合力が得られる接合法として一般に知られて
いるものであり、1100〜1200℃の高温で行うこ
とでシリコン酸化膜の溶融の効果によって高い接合信頼
性を得る接合法である。
【0006】また、より低温で接合する方法としては、
例えば特開平9−286101号公報に開示されている
ように、ノズルを形成したシリコンウエハの貼り合わせ
面に、シリコン酸化とNa2O及び水からなる珪酸ナトリ
ウム水溶液を希釈したものをスピンコートを用いてコー
トすることで珪酸ナトリウム層を形成し、形成後直ちに
シリコンウエハと振動板を形成したシリコンウエハを貼
り合わせ、貼り合わせ面の反対側より荷重をかけ、80
℃以上200℃以下の大気中で加熱を行うことにより、
接合ウエハを得る方法が知られている。
例えば特開平9−286101号公報に開示されている
ように、ノズルを形成したシリコンウエハの貼り合わせ
面に、シリコン酸化とNa2O及び水からなる珪酸ナトリ
ウム水溶液を希釈したものをスピンコートを用いてコー
トすることで珪酸ナトリウム層を形成し、形成後直ちに
シリコンウエハと振動板を形成したシリコンウエハを貼
り合わせ、貼り合わせ面の反対側より荷重をかけ、80
℃以上200℃以下の大気中で加熱を行うことにより、
接合ウエハを得る方法が知られている。
【0007】さらに、特開平10−286954号公報
に開示されているように、第一シリコン基板と第二シリ
コン基板を洗浄・乾燥後、第一シリコン基板の貼り合わ
せ面側に、スピンコートでポリシラザン層を形成し、形
成後、直ちに第一シリコン基板と第二シリコン基板を貼
り合わせ、貼り合わせ面の反対側より荷重をかけ、45
0℃の大気中で1時間加熱を行い接合ウエハを得る方法
が知られている。
に開示されているように、第一シリコン基板と第二シリ
コン基板を洗浄・乾燥後、第一シリコン基板の貼り合わ
せ面側に、スピンコートでポリシラザン層を形成し、形
成後、直ちに第一シリコン基板と第二シリコン基板を貼
り合わせ、貼り合わせ面の反対側より荷重をかけ、45
0℃の大気中で1時間加熱を行い接合ウエハを得る方法
が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように従来の静電型インクジェットヘッドにあって
は、1100〜1200℃という高温で直接接合を行わ
なければならないため、その温度管理を含めて接合装置
が大型、複雑になって、ヘッドの製造コストが高くな
る。また、電極やその保護膜を設けた電極基板に振動板
を設ける基板となるシリコン基板を直接接合した後、エ
ッチングにより振動板を形成するような場合には、電極
基板側の構成要素にも高温接合に耐えるだけの耐熱性が
要求されることになり、電極基板側の構成要素の材料が
制限される。
たように従来の静電型インクジェットヘッドにあって
は、1100〜1200℃という高温で直接接合を行わ
なければならないため、その温度管理を含めて接合装置
が大型、複雑になって、ヘッドの製造コストが高くな
る。また、電極やその保護膜を設けた電極基板に振動板
を設ける基板となるシリコン基板を直接接合した後、エ
ッチングにより振動板を形成するような場合には、電極
基板側の構成要素にも高温接合に耐えるだけの耐熱性が
要求されることになり、電極基板側の構成要素の材料が
制限される。
【0009】また、上述したように振動板などに高濃度
ボロン層を用いた場合などは、直接接合時の加熱によっ
てボロンの再分布が生じ、振動板の厚さにばらつきが生
じて、滴滴吐出特性がばらついたり、或いはボロン濃度
の低下によってエッチングストップ不能になって振動板
を形成できないことがある。
ボロン層を用いた場合などは、直接接合時の加熱によっ
てボロンの再分布が生じ、振動板の厚さにばらつきが生
じて、滴滴吐出特性がばらついたり、或いはボロン濃度
の低下によってエッチングストップ不能になって振動板
を形成できないことがある。
【0010】一方、上記第1基板と第2基板の接合に水
ガラス(珪酸ナトリウム溶液)を用いたものにあって
は、この材料は低温で良好な接合性を示すが、水分の含
有量が多いため膜中からの出ガス(水蒸気など)の影響
が避けられない。また、上記第1基板と第2基板の接合
にポリシラザンを利用したものにあっては、信頼性に優
れるが、やはり出ガスの問題を内在している。
ガラス(珪酸ナトリウム溶液)を用いたものにあって
は、この材料は低温で良好な接合性を示すが、水分の含
有量が多いため膜中からの出ガス(水蒸気など)の影響
が避けられない。また、上記第1基板と第2基板の接合
にポリシラザンを利用したものにあっては、信頼性に優
れるが、やはり出ガスの問題を内在している。
【0011】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、低温で信頼性の高い接合を可能にて、高精度、
高信頼性及び高密度の液滴吐出ヘッドの製造方法を提供
することを目的とする。
であり、低温で信頼性の高い接合を可能にて、高精度、
高信頼性及び高密度の液滴吐出ヘッドの製造方法を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の請求項1に係る液滴吐出ヘッドの製造方法
は、振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板が
いずれもシリコン基板からなり、少なくともいずれかの
基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化
膜を形成し、第1基板と第2基板とを不活性ガス雰囲気
で重ね合わせた後、熱処理を施して第1基板と第2基板
とを接合する。
め、本発明の請求項1に係る液滴吐出ヘッドの製造方法
は、振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板が
いずれもシリコン基板からなり、少なくともいずれかの
基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化
膜を形成し、第1基板と第2基板とを不活性ガス雰囲気
で重ね合わせた後、熱処理を施して第1基板と第2基板
とを接合する。
【0013】請求項2に係る液滴吐出ヘッドの製造方法
は、振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板が
いずれもシリコン基板からなり、少なくともいずれかの
基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化
膜を形成し、第1基板と第2基板とを摂氏120℃以上
で重ね合わせた後、熱処理を施して第1基板と第2基板
とを接合する。
は、振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板が
いずれもシリコン基板からなり、少なくともいずれかの
基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化
膜を形成し、第1基板と第2基板とを摂氏120℃以上
で重ね合わせた後、熱処理を施して第1基板と第2基板
とを接合する。
【0014】請求項3の液滴吐出ヘッドの製造方法は、
振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板がいず
れもシリコン基板からなり、少なくともいずれかの基板
の接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化膜を
形成し、第1基板と第2基板とを不活性ガス雰囲気で且
つ摂氏120℃以上で重ね合わせた後、熱処理を施して
第1基板と第2基板とを接合する。
振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板がいず
れもシリコン基板からなり、少なくともいずれかの基板
の接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化膜を
形成し、第1基板と第2基板とを不活性ガス雰囲気で且
つ摂氏120℃以上で重ね合わせた後、熱処理を施して
第1基板と第2基板とを接合する。
【0015】これらの請求項1乃至3のいずれかに係る
液滴吐出ヘッドの製造方法において、熱処理は不活性ガ
ス雰囲気で行うことが好ましい。
液滴吐出ヘッドの製造方法において、熱処理は不活性ガ
ス雰囲気で行うことが好ましい。
【0016】請求項5に係る液滴吐出ヘッドの製造方法
は、振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板が
いずれもシリコン基板からなり、少なくともいずれかの
基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化
膜を形成し、第1基板と第2基板とを酸素雰囲気で重ね
合わせた後、熱処理を施して第1基板と第2基板とを接
合する。
は、振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板が
いずれもシリコン基板からなり、少なくともいずれかの
基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化
膜を形成し、第1基板と第2基板とを酸素雰囲気で重ね
合わせた後、熱処理を施して第1基板と第2基板とを接
合する。
【0017】請求項6に係る液滴吐出ヘッドの製造方法
は、振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板が
いずれもシリコン基板からなり、少なくともいずれかの
基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化
膜を形成し、第1基板と第2基板とを酸素雰囲気で且つ
摂氏120℃以上で重ね合わせた後、熱処理を施して第
1基板と第2基板とを接合する。
は、振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板が
いずれもシリコン基板からなり、少なくともいずれかの
基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化
膜を形成し、第1基板と第2基板とを酸素雰囲気で且つ
摂氏120℃以上で重ね合わせた後、熱処理を施して第
1基板と第2基板とを接合する。
【0018】これらの請求項5又は6に係る液滴吐出ヘ
ッドの製造方法において、熱処理は酸素雰囲気で行うこ
とが好ましい。
ッドの製造方法において、熱処理は酸素雰囲気で行うこ
とが好ましい。
【0019】請求項8に係る液滴吐出ヘッドの製造方法
は、振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板が
いずれもシリコン基板からなり、少なくともいずれかの
基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化
膜を形成し、このシリコン酸化膜表面を疎水処理した
後、第1基板と第2基板とを重ね合わせ、更に熱処理を
施して第1基板と第2基板とを接合する。
は、振動板を設ける第1基板と電極を設ける第2基板が
いずれもシリコン基板からなり、少なくともいずれかの
基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化
膜を形成し、このシリコン酸化膜表面を疎水処理した
後、第1基板と第2基板とを重ね合わせ、更に熱処理を
施して第1基板と第2基板とを接合する。
【0020】これらの請求項1乃至8のいずれかに係る
液滴吐出ヘッドの製造方法においては、熱処理は900
℃以下の温度で行うことが好ましい。
液滴吐出ヘッドの製造方法においては、熱処理は900
℃以下の温度で行うことが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。先ず、本発明を適用したイン
クジェットヘッドの第1実施形態について図1乃至図4
を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視
説明図、図2は同ヘッドのノズル板を除いた上面説明
図、図3は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図
4は同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図で
ある。
図面を参照して説明する。先ず、本発明を適用したイン
クジェットヘッドの第1実施形態について図1乃至図4
を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視
説明図、図2は同ヘッドのノズル板を除いた上面説明
図、図3は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図
4は同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明図で
ある。
【0022】このインクジェットヘッドは、第1基板で
ある流路基板1と、流路基板1の下側に設けた第2基板
である電極基板2と、流路基板1の上側に設けた第3基
板であるノズル板3とを積層した積層構造体からなり、
これらにより、複数のノズル4が連通するインク流路で
ある吐出室6、吐出室6に流体抵抗部7を介して連通す
る共通液室8などを形成している。
ある流路基板1と、流路基板1の下側に設けた第2基板
である電極基板2と、流路基板1の上側に設けた第3基
板であるノズル板3とを積層した積層構造体からなり、
これらにより、複数のノズル4が連通するインク流路で
ある吐出室6、吐出室6に流体抵抗部7を介して連通す
る共通液室8などを形成している。
【0023】流路基板1は、(110)面方位の単結晶
シリコン基板からなり、吐出室6及びこの吐出室6の底
部となる壁面を形成する振動板10を形成する凹部(凹
部間が吐出室6の隔壁となる)、共通液室8を形成する
凹部などを形成している。この流路基板1の電極基板2
側の表面には駆動時に振動板10と後述する電極15と
の絶縁破壊やショートが起こるのを防止するため、熱酸
化により0.1μmのSiO2などの保護絶縁膜11を
成膜している。
シリコン基板からなり、吐出室6及びこの吐出室6の底
部となる壁面を形成する振動板10を形成する凹部(凹
部間が吐出室6の隔壁となる)、共通液室8を形成する
凹部などを形成している。この流路基板1の電極基板2
側の表面には駆動時に振動板10と後述する電極15と
の絶縁破壊やショートが起こるのを防止するため、熱酸
化により0.1μmのSiO2などの保護絶縁膜11を
成膜している。
【0024】この流路基板1は、例えば、単結晶シリコ
ン基板に振動板厚みの高濃度p型不純物拡散層としての
高濃度ボロン拡散層(ボロンドープ層)を形成し、アル
カリ異方性エッチングにより、吐出室6、共通液室8な
どを形成する際に、ボロンドープ層が露出した時点でエ
ッチングレートが極端に小さくなる、いわゆるエッチス
トップ技術を用いて、振動板10を所望の板厚に作製し
たものである。なお、高濃度p型不純物層を形成する不
純物としては、ボロン、ガリウム、アルミニウム等があ
るが、半導体分野においてはp型不純物層を形成する不
純物としてボロンが一般的であり、ここでもボロンを不
純物とした。
ン基板に振動板厚みの高濃度p型不純物拡散層としての
高濃度ボロン拡散層(ボロンドープ層)を形成し、アル
カリ異方性エッチングにより、吐出室6、共通液室8な
どを形成する際に、ボロンドープ層が露出した時点でエ
ッチングレートが極端に小さくなる、いわゆるエッチス
トップ技術を用いて、振動板10を所望の板厚に作製し
たものである。なお、高濃度p型不純物層を形成する不
純物としては、ボロン、ガリウム、アルミニウム等があ
るが、半導体分野においてはp型不純物層を形成する不
純物としてボロンが一般的であり、ここでもボロンを不
純物とした。
【0025】電極基板2は、厚み625μmのシリコン
基板からなり、その上面には、熱酸化膜2aが厚さ0.
6μm形成されており、その熱酸化膜12上に振動板1
0に対向する個別電極15、個別電極15上にはシリコ
ン酸化膜からなる絶縁膜17が形成され、この絶縁膜1
7にギャップ16を構成することになる彫り込み部14
を設けている。電極15と振動板10によって、振動板
10を変位させて吐出室6の内容積を変化させる静電型
アクチュエータ部(圧力発生手段)を構成している。
基板からなり、その上面には、熱酸化膜2aが厚さ0.
6μm形成されており、その熱酸化膜12上に振動板1
0に対向する個別電極15、個別電極15上にはシリコ
ン酸化膜からなる絶縁膜17が形成され、この絶縁膜1
7にギャップ16を構成することになる彫り込み部14
を設けている。電極15と振動板10によって、振動板
10を変位させて吐出室6の内容積を変化させる静電型
アクチュエータ部(圧力発生手段)を構成している。
【0026】そして、絶縁膜17上には燐又はホウ素あ
るいは燐及びホウ素の両方を含む低融点のシリコン酸化
膜25が形成されている。なお、シリコン酸化膜25と
しては、ホウ素を含むシリコン酸化膜(BSG膜:Boro
-Silicate Glass)、ホウ素を含まず、燐素を含むシリ
コン酸化膜(PSG膜:Phospho-Silicate Glass)、或
いは、燐及びホウ素を含むシリコン酸化膜(BPSG
膜:BoroPhospho-Silicate Glass)を用いることができ
る。ここで、シリコン酸化膜25はノンドープのシリコ
ン酸化膜に比べ低温で軟化点を示すため低温での接合が
可能となる。なお、本明細書においては、「1000℃
を越えない温度による接合」を「低温での接合」として
いる。
るいは燐及びホウ素の両方を含む低融点のシリコン酸化
膜25が形成されている。なお、シリコン酸化膜25と
しては、ホウ素を含むシリコン酸化膜(BSG膜:Boro
-Silicate Glass)、ホウ素を含まず、燐素を含むシリ
コン酸化膜(PSG膜:Phospho-Silicate Glass)、或
いは、燐及びホウ素を含むシリコン酸化膜(BPSG
膜:BoroPhospho-Silicate Glass)を用いることができ
る。ここで、シリコン酸化膜25はノンドープのシリコ
ン酸化膜に比べ低温で軟化点を示すため低温での接合が
可能となる。なお、本明細書においては、「1000℃
を越えない温度による接合」を「低温での接合」として
いる。
【0027】シリコン酸化膜25は、成膜後、軟化点以
上の温度の熱処理によりリフローされ、AFMを用いた
表面性の評価では、表面粗さ:Ra値0.3nm以下と
なり、非常に良好な接合が可能な表面性が得られる。な
お、ここではシリコン酸化膜25は電極基板2に形成し
ているが、流路基板1(例えばシリコン酸化膜11上)
に形成することもできる。
上の温度の熱処理によりリフローされ、AFMを用いた
表面性の評価では、表面粗さ:Ra値0.3nm以下と
なり、非常に良好な接合が可能な表面性が得られる。な
お、ここではシリコン酸化膜25は電極基板2に形成し
ているが、流路基板1(例えばシリコン酸化膜11上)
に形成することもできる。
【0028】そこで、上述したように流路基板1と電極
基板2とをシリコン酸化膜である絶縁膜11と燐及び/
又はホウ素を含むシリコン酸化膜25とを介した直接接
合のプロセスで接合している。なお、流路基板1と電極
基板2とを接合した後のギャップ16の長さ(振動板1
0と電極15との間隔)は、0.25μmとなってい
る。
基板2とをシリコン酸化膜である絶縁膜11と燐及び/
又はホウ素を含むシリコン酸化膜25とを介した直接接
合のプロセスで接合している。なお、流路基板1と電極
基板2とを接合した後のギャップ16の長さ(振動板1
0と電極15との間隔)は、0.25μmとなってい
る。
【0029】ノズル板3は、例えばガラス又はプラスチ
ック、ステンレス、コバール(Fe29-Ni-17Co)等の
金属、シリコン等の薄板からなり、吐出室6に対応する
位置に吐出室6の個数分のノズル4が形成されている。
また、流路基板1の吐出室6と共通液室8を連通するよ
うに流体抵抗部7を形成している。
ック、ステンレス、コバール(Fe29-Ni-17Co)等の
金属、シリコン等の薄板からなり、吐出室6に対応する
位置に吐出室6の個数分のノズル4が形成されている。
また、流路基板1の吐出室6と共通液室8を連通するよ
うに流体抵抗部7を形成している。
【0030】そして、流路基板1には共通電極12を設
けている。この共通電極12は、Al等の金属をスパッ
タしてシンタリング(熱拡散)することにより付設して
おり、流路基板1との導通を確保して、半導体基板より
なる流路基板1とオーミックコンタクトを取っている。
そして、共通電極12と各個別の電極15に通じる電極
パッド部15aに、例えばリード線をボンディングして
ドライバ21を接続する。
けている。この共通電極12は、Al等の金属をスパッ
タしてシンタリング(熱拡散)することにより付設して
おり、流路基板1との導通を確保して、半導体基板より
なる流路基板1とオーミックコンタクトを取っている。
そして、共通電極12と各個別の電極15に通じる電極
パッド部15aに、例えばリード線をボンディングして
ドライバ21を接続する。
【0031】さらに、電極基板2には流路基板1の共通
液室8にインクを供給するインク取り入れ口18となる
貫通口を形成している。インク取り入れ口18にはイン
ク供給管を接着して接続することにより、共通液室8、
吐出室6等には、インクタンク(図示省略)からインク
取り入れ口18を通して供給されたインクを充填する。
なお、使用するインクとしては、水、アルコール、トル
エン等の主溶媒にエチレングリコールなどの界面活性剤
と、染料又は顔料とを溶解又は分散させることにより調
製したものを用いているが、インクジェットヘッドにヒ
ーターなどを付設すれば、ホットメルトインクも使用で
きる。
液室8にインクを供給するインク取り入れ口18となる
貫通口を形成している。インク取り入れ口18にはイン
ク供給管を接着して接続することにより、共通液室8、
吐出室6等には、インクタンク(図示省略)からインク
取り入れ口18を通して供給されたインクを充填する。
なお、使用するインクとしては、水、アルコール、トル
エン等の主溶媒にエチレングリコールなどの界面活性剤
と、染料又は顔料とを溶解又は分散させることにより調
製したものを用いているが、インクジェットヘッドにヒ
ーターなどを付設すれば、ホットメルトインクも使用で
きる。
【0032】このように構成したインクジェットヘッド
においては、個別の電極15に対して、ドライバ21に
より、例えば、正の電圧パルスを印加することで、電極
15の表面が正の電位に帯電し、この電極15に対向す
る振動板10の下面は負の電位に帯電するので、振動板
10は静電気力によって吸引されて個別の電極15との
間隔が狭まる方向へ撓む。このとき、振動板10が撓む
ことにより、インクがリザーバ(共通液室)8からオリ
フィス(流体抵抗部)7を経由して吐出室6に供給され
る。
においては、個別の電極15に対して、ドライバ21に
より、例えば、正の電圧パルスを印加することで、電極
15の表面が正の電位に帯電し、この電極15に対向す
る振動板10の下面は負の電位に帯電するので、振動板
10は静電気力によって吸引されて個別の電極15との
間隔が狭まる方向へ撓む。このとき、振動板10が撓む
ことにより、インクがリザーバ(共通液室)8からオリ
フィス(流体抵抗部)7を経由して吐出室6に供給され
る。
【0033】そこで、個別の電極15へ印加している電
圧パルスをオフにし、蓄えられている電荷を放電するこ
とによって、上述のように撓んだ振動板10は元の位置
に復元し、この復元動作によって、吐出室6の内圧が急
激に上昇して、ノズル4からインク滴が記録紙(図示省
略)に向けて吐出される。
圧パルスをオフにし、蓄えられている電荷を放電するこ
とによって、上述のように撓んだ振動板10は元の位置
に復元し、この復元動作によって、吐出室6の内圧が急
激に上昇して、ノズル4からインク滴が記録紙(図示省
略)に向けて吐出される。
【0034】そこで、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製
造方法の第1実施形態について図5及び図6を参照して
説明する。まず、同図(a)に示すように、厚さ625
μm、(100)面方位のシリコン基板(第2基板)3
2の片側に厚さ0.6μmの熱酸化膜32aを形成し、
全面にポリシリコン膜33をCVD法により100nm
堆積し、リンや砒素、あるいはボロンやBF2をイオン
注入し、活性化のための熱処理を行う。次に、タングス
テンシリサイド膜34を200nmスパッタ法により堆
積する。これらのポリシリコン膜33及びタングステン
シリサイド膜34の積層膜で後述するように個別電極1
5を形成する。
造方法の第1実施形態について図5及び図6を参照して
説明する。まず、同図(a)に示すように、厚さ625
μm、(100)面方位のシリコン基板(第2基板)3
2の片側に厚さ0.6μmの熱酸化膜32aを形成し、
全面にポリシリコン膜33をCVD法により100nm
堆積し、リンや砒素、あるいはボロンやBF2をイオン
注入し、活性化のための熱処理を行う。次に、タングス
テンシリサイド膜34を200nmスパッタ法により堆
積する。これらのポリシリコン膜33及びタングステン
シリサイド膜34の積層膜で後述するように個別電極1
5を形成する。
【0035】なお、タングステンシリサイド膜のスパッ
タ前に、ポリシリコン膜33表面をArで逆スパッタ
(エッチング)して清浄化(自然酸化膜などの除去)す
ることで膜の密着性に対して高い信頼性が確保できるた
め、マルチチャンバーのスパッタ装置を使用し、前記の
デポ面の清浄化とデポを連続処理することが好ましい。
タ前に、ポリシリコン膜33表面をArで逆スパッタ
(エッチング)して清浄化(自然酸化膜などの除去)す
ることで膜の密着性に対して高い信頼性が確保できるた
め、マルチチャンバーのスパッタ装置を使用し、前記の
デポ面の清浄化とデポを連続処理することが好ましい。
【0036】そして、周知のフォトリソグラフィー技術
及びドライエッチング技術により、タングステンシリサ
イド膜34及びポリシリコン膜33をパターニングして
分離し、タングステンシリサイド膜34及びポリシリコ
ン膜33からなる個別電極15を形成する。なお、電極
15はポリシリコンとタングステンシリサイドの積層体
を用いたが、単層膜でも良いし、TiNなどの高融点金
属、その他の高融点金属シリサイドなどを用いても良
い。
及びドライエッチング技術により、タングステンシリサ
イド膜34及びポリシリコン膜33をパターニングして
分離し、タングステンシリサイド膜34及びポリシリコ
ン膜33からなる個別電極15を形成する。なお、電極
15はポリシリコンとタングステンシリサイドの積層体
を用いたが、単層膜でも良いし、TiNなどの高融点金
属、その他の高融点金属シリサイドなどを用いても良
い。
【0037】続いて、CVD法により保護絶縁膜として
シリコン酸化膜17を堆積することにより個別電極15
の分離間をシリコン酸化膜17で埋め込み、個別電極1
5表面に550nmの厚さのシリコン酸化膜17が形成
される。シリコン酸化膜17の表面には個別電極15の
分離間の埋め込み形状の影響で凹部ができる。
シリコン酸化膜17を堆積することにより個別電極15
の分離間をシリコン酸化膜17で埋め込み、個別電極1
5表面に550nmの厚さのシリコン酸化膜17が形成
される。シリコン酸化膜17の表面には個別電極15の
分離間の埋め込み形状の影響で凹部ができる。
【0038】次いで、同図(b)に示すように、シリコ
ン酸化膜17表面からCMP(chemical-mechanical-pol
ishing)で研磨加工する。このCMPは半導体プロセス
における基板の平坦化に使用される技術である。CMP
で150nmポリンシングした後は、酸化膜17a表面
の凹部は消滅し、シリコン基板32は平坦化され、個別
電極15上のシリコン酸化膜17の膜厚は400nmと
なる。また、研磨加工前のシリコン酸化膜17の表面は
AFMを用いた表面性の評価で、表面粗さ:Ra値が1
〜2nm程度であったのが、この研磨加工により表面粗
さ:Ra値が0.3nm以下となり、非常に良好な接合
性を得るのに有利な表面性が得られる。
ン酸化膜17表面からCMP(chemical-mechanical-pol
ishing)で研磨加工する。このCMPは半導体プロセス
における基板の平坦化に使用される技術である。CMP
で150nmポリンシングした後は、酸化膜17a表面
の凹部は消滅し、シリコン基板32は平坦化され、個別
電極15上のシリコン酸化膜17の膜厚は400nmと
なる。また、研磨加工前のシリコン酸化膜17の表面は
AFMを用いた表面性の評価で、表面粗さ:Ra値が1
〜2nm程度であったのが、この研磨加工により表面粗
さ:Ra値が0.3nm以下となり、非常に良好な接合
性を得るのに有利な表面性が得られる。
【0039】その後、同図(c)に示すように、ギャッ
プ16を形成するための彫り込み部14をシリコン酸化
膜17をエッチング加工して形成する。この彫り込み部
14の形成は、グラデーションパターンを有するマスク
を用いたフォトリソグラフィー技術によりレジスト形状
に傾斜をつけ、Arガスなどを用いてレジスト形状を転
写するようにエッチングを行うことにより形状が非平行
状態であるように形成した。彫り込み部14の最も底の
部分の深さは0.25μmであり、その上にはシリコン
酸化膜17が0.15μmあることとなる。
プ16を形成するための彫り込み部14をシリコン酸化
膜17をエッチング加工して形成する。この彫り込み部
14の形成は、グラデーションパターンを有するマスク
を用いたフォトリソグラフィー技術によりレジスト形状
に傾斜をつけ、Arガスなどを用いてレジスト形状を転
写するようにエッチングを行うことにより形状が非平行
状態であるように形成した。彫り込み部14の最も底の
部分の深さは0.25μmであり、その上にはシリコン
酸化膜17が0.15μmあることとなる。
【0040】次に、BPSG膜からなるシリコン酸化膜
25をCVD法で50nm堆積する。なお、ここでシリ
コン酸化膜25は、燐を含まないBSG膜などとなって
も構わない。重要な点は、シリコン酸化膜中に、燐ある
いはボロンを、または燐とボロンの両方を含有させるこ
とによって、融点を下げることにある。
25をCVD法で50nm堆積する。なお、ここでシリ
コン酸化膜25は、燐を含まないBSG膜などとなって
も構わない。重要な点は、シリコン酸化膜中に、燐ある
いはボロンを、または燐とボロンの両方を含有させるこ
とによって、融点を下げることにある。
【0041】さらに、シリコン酸化膜25を融点以上の
温度(ここでは950℃,窒素ガス雰囲気)でリフロー
させた。リフロー後のシリコン酸化膜125表面は、A
FMを用いた表面性の評価で、表面粗さ:Ra値0.3
nm以下を示し、非常に良好な接合が可能な表面性が得
られる。ここでBPSG膜などの膜は、ボロンやリンの
濃度を高くした場合、より低温でリフローしやすくな
り、後での低温での接合を実現できるようになるが、他
方で、接合時の熱処理により膜表面に析出物が発生しや
すくなるので、ボロンやリンの濃度は適切に設定するこ
とが好ましい。
温度(ここでは950℃,窒素ガス雰囲気)でリフロー
させた。リフロー後のシリコン酸化膜125表面は、A
FMを用いた表面性の評価で、表面粗さ:Ra値0.3
nm以下を示し、非常に良好な接合が可能な表面性が得
られる。ここでBPSG膜などの膜は、ボロンやリンの
濃度を高くした場合、より低温でリフローしやすくな
り、後での低温での接合を実現できるようになるが、他
方で、接合時の熱処理により膜表面に析出物が発生しや
すくなるので、ボロンやリンの濃度は適切に設定するこ
とが好ましい。
【0042】一方、振動板を形成する第1基板(流路基
板)を製造するため、図6(a)に示すように、(11
0)を面方位とする厚さ520μmのシリコン基板(第
1基板)31にボロンを拡散してボロン拡散層31aを
形成した。このボロンの拡散には塗布拡散法を用いた。
Si基板41上にB2O3を有機溶媒に分散させスピンコ
ートし熱処理(1125℃−40分)することによりボ
ロンを拡散し、高濃度ボロン拡散層41aを形成する。
なお、拡散方法は、本実施例の他にBBr3を用いた気
相拡散法、イオン注入法、固体拡散法などを用いても良
い。
板)を製造するため、図6(a)に示すように、(11
0)を面方位とする厚さ520μmのシリコン基板(第
1基板)31にボロンを拡散してボロン拡散層31aを
形成した。このボロンの拡散には塗布拡散法を用いた。
Si基板41上にB2O3を有機溶媒に分散させスピンコ
ートし熱処理(1125℃−40分)することによりボ
ロンを拡散し、高濃度ボロン拡散層41aを形成する。
なお、拡散方法は、本実施例の他にBBr3を用いた気
相拡散法、イオン注入法、固体拡散法などを用いても良
い。
【0043】その後、Si基板表面のB2O3層をフッ酸
により除去する。B2O3層の下にシリコンとボロンの化
合物層が形成されており、これを除去する場合は、酸化
することによってフッ酸で除去できるようになる。しか
し、このように酸化してフッ酸で化合物層を除去しても
ボロンの拡散されたシリコン表面には荒れが生じている
ので、後に行う直接接合で接合できない。そこで、CM
P研磨により直接接合可能な表面性(AFMを用いた5
μm□領域の測定にてRa=0.15nm以下)を得
た。
により除去する。B2O3層の下にシリコンとボロンの化
合物層が形成されており、これを除去する場合は、酸化
することによってフッ酸で除去できるようになる。しか
し、このように酸化してフッ酸で化合物層を除去しても
ボロンの拡散されたシリコン表面には荒れが生じている
ので、後に行う直接接合で接合できない。そこで、CM
P研磨により直接接合可能な表面性(AFMを用いた5
μm□領域の測定にてRa=0.15nm以下)を得
た。
【0044】このように良好な表面性がもたらされた第
1基板31の高濃度ボロン拡散層31aを熱酸化するこ
とにより、良好な表面性(Ra=0.20nm以下)を
有する酸化膜11を形成した。ここで、酸化膜11は振
動板10の保護絶縁膜として機能することにる。なお、
振動板10の保護絶縁膜であるところの酸化膜11は、
電極側にも保護絶縁膜が形成されている場合は、膜厚が
薄くなっても良い。例えば、電極の保護絶縁としてシリ
コン酸化膜が100nm以上の厚さで形成されている場
合、酸化膜11は30〜50nm程の厚さがあれば良
い。
1基板31の高濃度ボロン拡散層31aを熱酸化するこ
とにより、良好な表面性(Ra=0.20nm以下)を
有する酸化膜11を形成した。ここで、酸化膜11は振
動板10の保護絶縁膜として機能することにる。なお、
振動板10の保護絶縁膜であるところの酸化膜11は、
電極側にも保護絶縁膜が形成されている場合は、膜厚が
薄くなっても良い。例えば、電極の保護絶縁としてシリ
コン酸化膜が100nm以上の厚さで形成されている場
合、酸化膜11は30〜50nm程の厚さがあれば良
い。
【0045】そして、同図(b)に示すように、第2基
板32上に第1基板31を直接接合法により接合する。
板32上に第1基板31を直接接合法により接合する。
【0046】具体的には、各基板32、31をRCA洗
浄で知られる基板洗浄法を用いて洗浄及び乾燥した後、
両基板32、31を窒素ガス雰囲気で重ね合わせたまま
減圧下において押さえつけることでプリボンドを完了し
た。
浄で知られる基板洗浄法を用いて洗浄及び乾燥した後、
両基板32、31を窒素ガス雰囲気で重ね合わせたまま
減圧下において押さえつけることでプリボンドを完了し
た。
【0047】ここで重要な点は、窒素ガスに代表される
不活性ガス雰囲気でプリボンドを行うことであり、不活
性ガスとしてHeやArなどを用いても良い。大気中で
ウエハを重ね合わせると、ギャップ16内に閉じ込めら
れた大気中の水分がBPSG膜からなるシリコン酸化膜
25表面に付着したり膜中に侵入することにより、後の
熱処理時にボロンやリンと反応して析出物を発生させて
しまうことがある。また、ギャップ16内に析出物が発
生してしまうと、振動板10の機械的変位特性、インク
摘吐出特性に悪影響を与える。本発明のように不活性ガ
ス雰囲気で重ね合わせてプリボンドすることにより析出
物の発生を抑制することができる。
不活性ガス雰囲気でプリボンドを行うことであり、不活
性ガスとしてHeやArなどを用いても良い。大気中で
ウエハを重ね合わせると、ギャップ16内に閉じ込めら
れた大気中の水分がBPSG膜からなるシリコン酸化膜
25表面に付着したり膜中に侵入することにより、後の
熱処理時にボロンやリンと反応して析出物を発生させて
しまうことがある。また、ギャップ16内に析出物が発
生してしまうと、振動板10の機械的変位特性、インク
摘吐出特性に悪影響を与える。本発明のように不活性ガ
ス雰囲気で重ね合わせてプリボンドすることにより析出
物の発生を抑制することができる。
【0048】さらにこの後、貼り合わせたウェハを窒素
ガス雰囲気下で、熱処理(900℃、2時間)し、ギャ
ップ内に析出物が発生することを抑制しつつ強固な接合
を得た。ここでも不活性ガス雰囲気で熱処理すること及
び900℃という低温熱処理を行なうことで、析出物発
生防止に対する信頼度をさらに向上することができる。
重要なのは、上述したようにシリコン酸化膜25の融点
を下げており、比較的低温(ここでは900℃)で、か
つ析出物の発生が抑制された接合信頼性が高い接合が可
能となっていることである。
ガス雰囲気下で、熱処理(900℃、2時間)し、ギャ
ップ内に析出物が発生することを抑制しつつ強固な接合
を得た。ここでも不活性ガス雰囲気で熱処理すること及
び900℃という低温熱処理を行なうことで、析出物発
生防止に対する信頼度をさらに向上することができる。
重要なのは、上述したようにシリコン酸化膜25の融点
を下げており、比較的低温(ここでは900℃)で、か
つ析出物の発生が抑制された接合信頼性が高い接合が可
能となっていることである。
【0049】次に、同図(c)に示すように、厚さ52
0μmの基板31を厚さ100μmまで研磨によって薄
くし、フォトリソグラフィー技術、ドライエッチング技
術によりパターニングされたシリコン窒化膜などをマス
クとし、10〜30wt%の水酸化カリウム水溶液によ
って温度80〜90℃にて基板31に異方性エッチング
を行う。
0μmの基板31を厚さ100μmまで研磨によって薄
くし、フォトリソグラフィー技術、ドライエッチング技
術によりパターニングされたシリコン窒化膜などをマス
クとし、10〜30wt%の水酸化カリウム水溶液によ
って温度80〜90℃にて基板31に異方性エッチング
を行う。
【0050】このエッチングはボロン濃度が1E20/
cm3である深さに達した時エッチングがストップ(エ
ッチレートが極端に下がり)し、高濃度ボロンドープシ
リコン層31aからなる振動板10及び吐出室6が形成
される。このように、高濃度ボロン層を用いたエッチス
トップ技術を用い、ボロンの再拡散が起こらないような
温度で接合を行うことで、高精度に厚さが制御された振
動板を形成することができる。
cm3である深さに達した時エッチングがストップ(エ
ッチレートが極端に下がり)し、高濃度ボロンドープシ
リコン層31aからなる振動板10及び吐出室6が形成
される。このように、高濃度ボロン層を用いたエッチス
トップ技術を用い、ボロンの再拡散が起こらないような
温度で接合を行うことで、高精度に厚さが制御された振
動板を形成することができる。
【0051】そして、最後に、同図(d)に示すよう
に、ノズル4や流体抵抗部7などを形成したノズルプレ
ート3を接着剤などで第1基板1に接合することにより
インクジェットヘッドが完成する。
に、ノズル4や流体抵抗部7などを形成したノズルプレ
ート3を接着剤などで第1基板1に接合することにより
インクジェットヘッドが完成する。
【0052】次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造
方法の第2実施形態について説明する。なお、図として
は前記第1実施形態の説明で用いた図5及び図6を準用
する。第1実施形態と同様にして第2基板32と第1基
板31とを製作し、第2基板32と第1基板31とを直
接接合法により接合する。
方法の第2実施形態について説明する。なお、図として
は前記第1実施形態の説明で用いた図5及び図6を準用
する。第1実施形態と同様にして第2基板32と第1基
板31とを製作し、第2基板32と第1基板31とを直
接接合法により接合する。
【0053】具体的には、各基板32、31を硫酸過水
やアンモニア過水などの基板洗浄法を用いて洗浄及び乾
燥した後、両基板32、31を450℃で重ね合わせた
まま減圧下で押さえつけることでプリボンドを完了し
た。
やアンモニア過水などの基板洗浄法を用いて洗浄及び乾
燥した後、両基板32、31を450℃で重ね合わせた
まま減圧下で押さえつけることでプリボンドを完了し
た。
【0054】なお、ここでは両基板を450℃下でプリ
ボンドを行ったが、基板表面の水分を除去するには12
0℃以上であればほぼ除去でき、後の熱処理(接合)に
てシリコン酸化膜25表面に析出物が発生することをか
なり抑制できるが、本実施形態のように450℃などの
高温で行うことにより膜中の水分も除去され、析出物の
発生をより抑制することができる。
ボンドを行ったが、基板表面の水分を除去するには12
0℃以上であればほぼ除去でき、後の熱処理(接合)に
てシリコン酸化膜25表面に析出物が発生することをか
なり抑制できるが、本実施形態のように450℃などの
高温で行うことにより膜中の水分も除去され、析出物の
発生をより抑制することができる。
【0055】また、両基板32、31若しくは少なくと
も低融点のシリコン酸化膜25が形成されている基板の
みを、450℃で熱処理した後、直ちに室温でプリボン
ドを行っても良い。
も低融点のシリコン酸化膜25が形成されている基板の
みを、450℃で熱処理した後、直ちに室温でプリボン
ドを行っても良い。
【0056】ここで、上述のように120℃以上で重ね
合わせる、或いは基板を熱処理した後直ちに室温で重ね
合わせる場合、いずれにおいても窒素ガスなどの不活性
ガス雰囲気で重ね合わせたまま減圧下において押さえ付
けることで析出物の発生をほぼ完全に抑制することがで
きる。
合わせる、或いは基板を熱処理した後直ちに室温で重ね
合わせる場合、いずれにおいても窒素ガスなどの不活性
ガス雰囲気で重ね合わせたまま減圧下において押さえ付
けることで析出物の発生をほぼ完全に抑制することがで
きる。
【0057】さらにこの後、貼り合わせたウェハを窒素
ガス雰囲気下で、熱処理(900℃、2時間)すること
によって、ギャップ内に析出物が発生することを抑制し
つつ強固な接合が得られた。
ガス雰囲気下で、熱処理(900℃、2時間)すること
によって、ギャップ内に析出物が発生することを抑制し
つつ強固な接合が得られた。
【0058】その後、第1実施形態と同様にして第1基
板31に流路及び振動板を形成し、ノズル板3を接合し
てインクジェットヘッドを完成する。
板31に流路及び振動板を形成し、ノズル板3を接合し
てインクジェットヘッドを完成する。
【0059】次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造
方法の第3実施形態について説明する。なお、図として
はここでも前記第1実施形態の説明で用いた図5及び図
6を準用する。第1実施形態と同様にして第2基板32
と第1基板31とを製作し、第2基板32と第1基板3
1とを直接接合法により接合する。
方法の第3実施形態について説明する。なお、図として
はここでも前記第1実施形態の説明で用いた図5及び図
6を準用する。第1実施形態と同様にして第2基板32
と第1基板31とを製作し、第2基板32と第1基板3
1とを直接接合法により接合する。
【0060】具体的には、各基板32、31を硫酸過水
やアンモニア過水などの基板洗浄法を用いて洗浄及び乾
燥した後、両基板32、31を酸素ガス雰囲気で重ね合
わせたまま減圧下で押さえつけることでプリボンドを完
了した。
やアンモニア過水などの基板洗浄法を用いて洗浄及び乾
燥した後、両基板32、31を酸素ガス雰囲気で重ね合
わせたまま減圧下で押さえつけることでプリボンドを完
了した。
【0061】ここで重要な点は、酸素ガス雰囲気でプリ
ボンドを行うことである。大気中でウエハを重ね合わせ
るとギャップ16(G)内に閉じ込められた大気中の水
分がBPSG膜などからなるシリコン酸化膜25表面に
付着したり、膜中に侵入することにより、後の熱処理時
にボロンやリンと反応して析出物を発生させてしまうわ
けだが、この現象は主に熱処理後の冷却時に起こる。
ボンドを行うことである。大気中でウエハを重ね合わせ
るとギャップ16(G)内に閉じ込められた大気中の水
分がBPSG膜などからなるシリコン酸化膜25表面に
付着したり、膜中に侵入することにより、後の熱処理時
にボロンやリンと反応して析出物を発生させてしまうわ
けだが、この現象は主に熱処理後の冷却時に起こる。
【0062】本実施形態のように酸素ガス雰囲気で重ね
合わせてプリボンドすることにより後の熱処理により接
合された後、析出物が発生することを抑制できる。これ
は、熱処理時(主に昇温過程〜最高温度保持過程)にシ
リコン酸化膜25の不安定なP2O5やB2O3分子の未結
合手がギャップ16内の活性な酸素により終端され安定
した状態となるためと考えられる。
合わせてプリボンドすることにより後の熱処理により接
合された後、析出物が発生することを抑制できる。これ
は、熱処理時(主に昇温過程〜最高温度保持過程)にシ
リコン酸化膜25の不安定なP2O5やB2O3分子の未結
合手がギャップ16内の活性な酸素により終端され安定
した状態となるためと考えられる。
【0063】また、酸素雰囲気で重ね合わせることに加
え、120℃以上の温度で、或いは基板を熱処理した後
直ちに室温(酸素雰囲気)で重ね合わせプリボンドする
ことにより、水分除去と膜の安定化が図れるため、析出
物が発生することをさらに抑制できる。
え、120℃以上の温度で、或いは基板を熱処理した後
直ちに室温(酸素雰囲気)で重ね合わせプリボンドする
ことにより、水分除去と膜の安定化が図れるため、析出
物が発生することをさらに抑制できる。
【0064】さらにこの後、貼り合わせたウェハを酸素
ガス雰囲気下で、熱処理(900℃、2時間)すること
によって、ギャップ内に析出物が発生することを抑制し
つつ強固な接合が得られた。ここでも酸素ガス雰囲気で
熱処理されること、及び900℃という低温熱処理によ
り、析出物発生防止に対する信頼度をさらに向上するこ
とができる。
ガス雰囲気下で、熱処理(900℃、2時間)すること
によって、ギャップ内に析出物が発生することを抑制し
つつ強固な接合が得られた。ここでも酸素ガス雰囲気で
熱処理されること、及び900℃という低温熱処理によ
り、析出物発生防止に対する信頼度をさらに向上するこ
とができる。
【0065】その後、第1実施形態と同様にして第1基
板31に流路及び振動板を形成し、ノズル板3を接合し
てインクジェットヘッドを完成する。
板31に流路及び振動板を形成し、ノズル板3を接合し
てインクジェットヘッドを完成する。
【0066】次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造
方法の第4実施形態について説明する。なお、図として
はここでも前記第1実施形態の説明で用いた図5及び図
6を準用するとともに図7をも参照する。この実施形態
では、図7(a)に示すように、図4(d)で得られた
第2基板32のシリコン酸化膜25表面を疎水処理を施
して、疎水分子層27を形成している。
方法の第4実施形態について説明する。なお、図として
はここでも前記第1実施形態の説明で用いた図5及び図
6を準用するとともに図7をも参照する。この実施形態
では、図7(a)に示すように、図4(d)で得られた
第2基板32のシリコン酸化膜25表面を疎水処理を施
して、疎水分子層27を形成している。
【0067】ここでは、疎水処理は、揮発性のHMDS
(ヘキサメチルジシラザン)を用いて、密閉室内でHM
DSを揮発させ、その雰囲気中に電極基板2を3分間曝
すことによりシリコン酸化膜25表面に疎水性分子層2
7を形成した。
(ヘキサメチルジシラザン)を用いて、密閉室内でHM
DSを揮発させ、その雰囲気中に電極基板2を3分間曝
すことによりシリコン酸化膜25表面に疎水性分子層2
7を形成した。
【0068】この疎水性分子層27によって吸湿し易い
性質を持つシリコン酸化膜25の表面及び膜中に水分が
付着及び侵入することを防止することができる。なお、
疎水処理方法としてHMDSをスピンコートなどで塗布
することができる。この疎水処理は図5(d)の工程に
おいてシリコン酸化膜25を融点以上の温度でリフロー
させる工程の後、直ちに行うことが好ましい。
性質を持つシリコン酸化膜25の表面及び膜中に水分が
付着及び侵入することを防止することができる。なお、
疎水処理方法としてHMDSをスピンコートなどで塗布
することができる。この疎水処理は図5(d)の工程に
おいてシリコン酸化膜25を融点以上の温度でリフロー
させる工程の後、直ちに行うことが好ましい。
【0069】そして、同図(b)に示すように、第2基
板32及び第1基板31を直接接合法により接合する。
この際、第1基板31のみを硫酸過水やアンモニア過水
などの基板洗浄法を用いて洗浄及び乾燥した後、両基板
を重ね合わせたまま減圧下において押さえつけることで
プリボンドを完了した。
板32及び第1基板31を直接接合法により接合する。
この際、第1基板31のみを硫酸過水やアンモニア過水
などの基板洗浄法を用いて洗浄及び乾燥した後、両基板
を重ね合わせたまま減圧下において押さえつけることで
プリボンドを完了した。
【0070】その後、貼り合わせたウェハを窒素ガス雰
囲気下で、熱処理(900℃、2時間)することによ
り、ギャップ内に析出物が発生することを抑制しつつ強
固な接合が得られた。ここで、接合後の電極基板2には
疎水分子層27は熱処理により離脱、燃焼するため残存
していない。疎水分子層27によりシリコン酸化膜25
の表面及び膜中に水分が付着及び侵入することを防止し
た状態で熱処理(接合)を行っているので、ギャップ内
のシリコン酸化膜25に析出物が発生することを抑制で
きる。
囲気下で、熱処理(900℃、2時間)することによ
り、ギャップ内に析出物が発生することを抑制しつつ強
固な接合が得られた。ここで、接合後の電極基板2には
疎水分子層27は熱処理により離脱、燃焼するため残存
していない。疎水分子層27によりシリコン酸化膜25
の表面及び膜中に水分が付着及び侵入することを防止し
た状態で熱処理(接合)を行っているので、ギャップ内
のシリコン酸化膜25に析出物が発生することを抑制で
きる。
【0071】その後、第1実施形態と同様にして第1基
板31に流路及び振動板を形成し、ノズル板3を接合し
てインクジェットヘッドを完成する。
板31に流路及び振動板を形成し、ノズル板3を接合し
てインクジェットヘッドを完成する。
【0072】次に、本発明に係るインクジェットヘッド
を搭載したインクジェット記録装置について図8及び図
9を参照して簡単に説明する。なお、図8は同記録装置
の機構部の概略斜視説明図、図9は同機構部の側面説明
図である。このインクジェット記録装置は、記録装置本
体111の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、
キャリッジに搭載した本発明に係る製造方法を適用して
製造したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記
録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構
成される印字機構部112等を収納し、装置本体111
の下方部には前方側から多数枚の用紙113を積載可能
な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)114
を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙11
3を手差しで給紙するための手差しトレイ115を開倒
することができ、給紙カセット114或いは手差しトレ
イ115から給送される用紙113を取り込み、印字機
構部112によって所要の画像を記録した後、後面側に
装着された排紙トレイ116に排紙する。
を搭載したインクジェット記録装置について図8及び図
9を参照して簡単に説明する。なお、図8は同記録装置
の機構部の概略斜視説明図、図9は同機構部の側面説明
図である。このインクジェット記録装置は、記録装置本
体111の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、
キャリッジに搭載した本発明に係る製造方法を適用して
製造したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記
録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構
成される印字機構部112等を収納し、装置本体111
の下方部には前方側から多数枚の用紙113を積載可能
な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)114
を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙11
3を手差しで給紙するための手差しトレイ115を開倒
することができ、給紙カセット114或いは手差しトレ
イ115から給送される用紙113を取り込み、印字機
構部112によって所要の画像を記録した後、後面側に
装着された排紙トレイ116に排紙する。
【0073】印字機構部112は、図示しない左右の側
板に横架したガイド部材である主ガイドロッド121と
従ガイドロッド122とでキャリッジ123を主走査方
向(図9で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキ
ャリッジ123にはイエロー(Y)、シアン(C)、マ
ゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐
出するインクジェットヘッドからなるヘッド124を複
数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列
し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。ま
たキャリッジ123にはヘッド124に各色のインクを
供給するための各インクカートリッジ125を交換可能
に装着している。
板に横架したガイド部材である主ガイドロッド121と
従ガイドロッド122とでキャリッジ123を主走査方
向(図9で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキ
ャリッジ123にはイエロー(Y)、シアン(C)、マ
ゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐
出するインクジェットヘッドからなるヘッド124を複
数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列
し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。ま
たキャリッジ123にはヘッド124に各色のインクを
供給するための各インクカートリッジ125を交換可能
に装着している。
【0074】インクカートリッジ125は上方に大気と
連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへイン
クを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多
孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジ
ェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持
している。
連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへイン
クを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多
孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジ
ェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持
している。
【0075】また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘ
ッド124を用いているが、各色のインク滴を吐出する
ノズルを有する1個のヘッドでもよい。
ッド124を用いているが、各色のインク滴を吐出する
ノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0076】ここで、キャリッジ123は後方側(用紙
搬送方向下流側)を主ガイドロッド121に摺動自在に
嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッ
ド122に摺動自在に載置している。そして、このキャ
リッジ123を主走査方向に移動走査するため、主走査
モータ127で回転駆動される駆動プーリ128と従動
プーリ129との間にタイミングベルト130を張装
し、このタイミングベルト130をキャリッジ123に
固定しており、主走査モーター127の正逆回転により
キャリッジ123が往復駆動される。
搬送方向下流側)を主ガイドロッド121に摺動自在に
嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッ
ド122に摺動自在に載置している。そして、このキャ
リッジ123を主走査方向に移動走査するため、主走査
モータ127で回転駆動される駆動プーリ128と従動
プーリ129との間にタイミングベルト130を張装
し、このタイミングベルト130をキャリッジ123に
固定しており、主走査モーター127の正逆回転により
キャリッジ123が往復駆動される。
【0077】一方、給紙カセット114にセットした用
紙113をヘッド124の下方側に搬送するために、給
紙カセット114から用紙113を分離給装する給紙ロ
ーラ131及びフリクションパッド132と、用紙11
3を案内するガイド部材133と、給紙された用紙11
3を反転させて搬送する搬送ローラ134と、この搬送
ローラ134の周面に押し付けられる搬送コロ135及
び搬送ローラ134からの用紙113の送り出し角度を
規定する先端コロ136とを設けている。搬送ローラ1
34は副走査モータ137によってギヤ列を介して回転
駆動される。
紙113をヘッド124の下方側に搬送するために、給
紙カセット114から用紙113を分離給装する給紙ロ
ーラ131及びフリクションパッド132と、用紙11
3を案内するガイド部材133と、給紙された用紙11
3を反転させて搬送する搬送ローラ134と、この搬送
ローラ134の周面に押し付けられる搬送コロ135及
び搬送ローラ134からの用紙113の送り出し角度を
規定する先端コロ136とを設けている。搬送ローラ1
34は副走査モータ137によってギヤ列を介して回転
駆動される。
【0078】そして、キャリッジ123の主走査方向の
移動範囲に対応して搬送ローラ134から送り出された
用紙113を記録ヘッド124の下方側で案内する用紙
ガイド部材である印写受け部材139を設けている。こ
の印写受け部材139の用紙搬送方向下流側には、用紙
113を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送
コロ141、拍車142を設け、さらに用紙113を排
紙トレイ116に送り出す排紙ローラ143及び拍車1
44と、排紙経路を形成するガイド部材145,146
とを配設している。
移動範囲に対応して搬送ローラ134から送り出された
用紙113を記録ヘッド124の下方側で案内する用紙
ガイド部材である印写受け部材139を設けている。こ
の印写受け部材139の用紙搬送方向下流側には、用紙
113を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送
コロ141、拍車142を設け、さらに用紙113を排
紙トレイ116に送り出す排紙ローラ143及び拍車1
44と、排紙経路を形成するガイド部材145,146
とを配設している。
【0079】記録時には、キャリッジ123を移動させ
ながら画像信号に応じて記録ヘッド124を駆動するこ
とにより、停止している用紙113にインクを吐出して
1行分を記録し、用紙113を所定量搬送後次の行の記
録を行う。記録終了信号または、用紙113の後端が記
録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を
終了させ用紙113を排紙する。
ながら画像信号に応じて記録ヘッド124を駆動するこ
とにより、停止している用紙113にインクを吐出して
1行分を記録し、用紙113を所定量搬送後次の行の記
録を行う。記録終了信号または、用紙113の後端が記
録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を
終了させ用紙113を排紙する。
【0080】また、キャリッジ123の移動方向右端側
の記録領域を外れた位置には、ヘッド124の吐出不良
を回復するための回復装置147を配置している。回復
装置147はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手
段を有している。キャリッジ123は印字待機中にはこ
の回復装置147側に移動されてキャッピング手段でヘ
ッド124をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に
保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出す
ることにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、
安定した吐出性能を維持する。
の記録領域を外れた位置には、ヘッド124の吐出不良
を回復するための回復装置147を配置している。回復
装置147はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手
段を有している。キャリッジ123は印字待機中にはこ
の回復装置147側に移動されてキャッピング手段でヘ
ッド124をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に
保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出す
ることにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、
安定した吐出性能を維持する。
【0081】吐出不良が発生した場合等には、キャッピ
ング手段でヘッド124の吐出口を密封し、チューブを
通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸
い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニ
ング手段により除去され吐出不良が回復される。また、
吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜
(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体
に吸収保持される。
ング手段でヘッド124の吐出口を密封し、チューブを
通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸
い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニ
ング手段により除去され吐出不良が回復される。また、
吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜
(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体
に吸収保持される。
【0082】このようにこのインクジェット記録装置で
は低温で信頼性の高い接合を行ったインクジェットヘッ
ドを記録ヘッドに搭載しているので、安定した信頼性の
高い記録を行うことができるようになる。
は低温で信頼性の高い接合を行ったインクジェットヘッ
ドを記録ヘッドに搭載しているので、安定した信頼性の
高い記録を行うことができるようになる。
【0083】なお、上記各実施形態においては、本発明
を適用した液滴吐出ヘッドをインクジェットヘッドに適
用した例で説明したが、これに限るものではなく、例え
ば、インク以外の液滴、例えば、液体レジストを液滴と
して吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴とし
て吐出する液滴吐出ヘッドなどにも適用することができ
る。
を適用した液滴吐出ヘッドをインクジェットヘッドに適
用した例で説明したが、これに限るものではなく、例え
ば、インク以外の液滴、例えば、液体レジストを液滴と
して吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴とし
て吐出する液滴吐出ヘッドなどにも適用することができ
る。
【0084】また、可動部分とこれに対向する電極とを
備えた静電型アクチュエータにおいて、可動部分を形成
する第1基板と電極を設ける第2基板とを接合して構成
する場合にも本発明を適用することができる。このよう
な静電型アクチュエータは、例えば、液滴吐出ヘッド以
外にも、マイクロモータ、マイクロポンプ、マイクロリ
レーなどに適用される。
備えた静電型アクチュエータにおいて、可動部分を形成
する第1基板と電極を設ける第2基板とを接合して構成
する場合にも本発明を適用することができる。このよう
な静電型アクチュエータは、例えば、液滴吐出ヘッド以
外にも、マイクロモータ、マイクロポンプ、マイクロリ
レーなどに適用される。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液滴
吐出ヘッドの製造方法によれば、第1基板及び第2基板
の少なくともいずれかの接合面に燐及び/又はホウ素を
含むシリコン酸化膜を形成し、第1基板と第2基板とを
不活性ガス雰囲気で重ね合わせた後、或いは、摂氏12
0℃以上で重ね合わせた後、若しくは不活性ガス雰囲気
で且つ摂氏120℃以上で重ねあわせた後に、熱処理を
施して第1基板と第2基板とを接合するので、シリコン
酸化膜表面に燐及び/又はホウ素の析出物が発生するこ
とを防止しつつ低温接合を行なうことができる。この場
合、熱処理は不活性ガス雰囲気で行うことで、接合後の
析出物の発生防止に対する信頼度が向上する。
吐出ヘッドの製造方法によれば、第1基板及び第2基板
の少なくともいずれかの接合面に燐及び/又はホウ素を
含むシリコン酸化膜を形成し、第1基板と第2基板とを
不活性ガス雰囲気で重ね合わせた後、或いは、摂氏12
0℃以上で重ね合わせた後、若しくは不活性ガス雰囲気
で且つ摂氏120℃以上で重ねあわせた後に、熱処理を
施して第1基板と第2基板とを接合するので、シリコン
酸化膜表面に燐及び/又はホウ素の析出物が発生するこ
とを防止しつつ低温接合を行なうことができる。この場
合、熱処理は不活性ガス雰囲気で行うことで、接合後の
析出物の発生防止に対する信頼度が向上する。
【0086】また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造
方法によれば、第1基板及び第2基板の少なくともいず
れかの接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化
膜を形成し、第1基板と第2基板とを酸素雰囲気で重ね
合わせた後、或いは、酸素雰囲気で且つ摂氏120℃以
上で重ね合わせた後、熱処理を施して第1基板と第2基
板とを接合するので、シリコン酸化膜表面に燐及び/又
はホウ素の析出物が発生することを防止しつつ低温接合
を行なうことができる。この場合、熱処理は酸素雰囲気
で行うことで、接合後の析出物の発生防止に対する信頼
度が向上する。
方法によれば、第1基板及び第2基板の少なくともいず
れかの接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化
膜を形成し、第1基板と第2基板とを酸素雰囲気で重ね
合わせた後、或いは、酸素雰囲気で且つ摂氏120℃以
上で重ね合わせた後、熱処理を施して第1基板と第2基
板とを接合するので、シリコン酸化膜表面に燐及び/又
はホウ素の析出物が発生することを防止しつつ低温接合
を行なうことができる。この場合、熱処理は酸素雰囲気
で行うことで、接合後の析出物の発生防止に対する信頼
度が向上する。
【0087】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法に
よれば、第1基板及び第2基板の少なくともいずれかの
接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化膜を形
成し、このシリコン酸化膜表面を疎水処理した後、第1
基板と第2基板とを重ね合わせ、更に熱処理を施して第
1基板と第2基板とを接合するので、シリコン酸化膜表
面に燐及び/又はホウ素の析出物が発生することを防止
しつつ低温接合を行なうことができる。
よれば、第1基板及び第2基板の少なくともいずれかの
接合面に燐及び/又はホウ素を含むシリコン酸化膜を形
成し、このシリコン酸化膜表面を疎水処理した後、第1
基板と第2基板とを重ね合わせ、更に熱処理を施して第
1基板と第2基板とを接合するので、シリコン酸化膜表
面に燐及び/又はホウ素の析出物が発生することを防止
しつつ低温接合を行なうことができる。
【0088】そして、本発明に係るいずれかの液滴吐出
ヘッドの製造方法においては、熱処理は900℃以下の
温度で行うことで、接合後の析出物の発生防止に対する
信頼度が向上する。
ヘッドの製造方法においては、熱処理は900℃以下の
温度で行うことで、接合後の析出物の発生防止に対する
信頼度が向上する。
【図1】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法で製造
したインクジェットヘッドの分解斜視説明図
したインクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図2】同ヘッドのノズル板を除いた上面説明図
【図3】同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図4】同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明
図
図
【図5】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第1
実施形態の説明に供する断面説明図
実施形態の説明に供する断面説明図
【図6】図5に続く工程を説明する断面説明図
【図7】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第4
実施形態の説明に供する断面説明図
実施形態の説明に供する断面説明図
【図8】本発明を適用したインクジェットヘッドを搭載
したインクジェット記録装置の一例を説明する斜視説明
図
したインクジェット記録装置の一例を説明する斜視説明
図
【図9】同記録装置の機構部の説明図
1…流路基板、2…電極基板、3…ノズル板、4…ノズ
ル、6…吐出室、7…流体抵抗部、8…共通液室、10
…振動板、12…酸化膜、14…凹部、15…電極、1
6…ギャップ、25…燐及び/又はホウ素を含むシリコ
ン酸化膜。
ル、6…吐出室、7…流体抵抗部、8…共通液室、10
…振動板、12…酸化膜、14…凹部、15…電極、1
6…ギャップ、25…燐及び/又はホウ素を含むシリコ
ン酸化膜。
Claims (9)
- 【請求項1】 液滴を吐出するノズルと、ノズルが連通
する吐出室と、吐出室の壁面を形成する振動板と、この
振動板に対向する電極とを有し、前記振動板を静電力で
変形させて液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法
において、前記振動板を設ける第1基板と前記電極を設
ける第2基板がいずれもシリコン基板からなり、少なく
ともいずれかの基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含
むシリコン酸化膜を形成し、前記第1基板と第2基板と
を不活性ガス雰囲気で重ね合わせた後、熱処理を施して
前記第1基板と第2基板とを接合することを特徴とする
液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 【請求項2】 液滴を吐出するノズルと、ノズルが連通
する吐出室と、吐出室の壁面を形成する振動板と、この
振動板に対向する電極とを有し、前記振動板を静電力で
変形させて液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法
において、前記振動板を設ける第1基板と前記電極を設
ける第2基板がいずれもシリコン基板からなり、少なく
ともいずれかの基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含
むシリコン酸化膜を形成し、前記第1基板と第2基板と
を摂氏120℃以上で重ね合わせた後、熱処理を施して
前記第1基板と第2基板とを接合することを特徴とする
液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 【請求項3】 液滴を吐出するノズルと、ノズルが連通
する吐出室と、吐出室の壁面を形成する振動板と、この
振動板に対向する電極とを有し、前記振動板を静電力で
変形させて液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法
において、前記振動板を設ける第1基板と前記電極を設
ける第2基板がいずれもシリコン基板からなり、少なく
ともいずれかの基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含
むシリコン酸化膜を形成し、前記第1基板と第2基板と
を不活性ガス雰囲気で且つ摂氏120℃以上で重ね合わ
せた後、熱処理を施して前記第1基板と第2基板とを接
合することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴
吐出ヘッドの製造方法において、前記熱処理は不活性ガ
ス雰囲気で行うことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造
方法。 - 【請求項5】 液滴を吐出するノズルと、ノズルが連通
する吐出室と、吐出室の壁面を形成する振動板と、この
振動板に対向する電極とを有し、前記振動板を静電力で
変形させて液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法
において、前記振動板を設ける第1基板と前記電極を設
ける第2基板がいずれもシリコン基板からなり、少なく
ともいずれかの基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含
むシリコン酸化膜を形成し、前記第1基板と第2基板と
を酸素雰囲気で重ね合わせた後、熱処理を施して前記第
1基板と第2基板とを接合することを特徴とする液滴吐
出ヘッドの製造方法。 - 【請求項6】 液滴を吐出するノズルと、ノズルが連通
する吐出室と、吐出室の壁面を形成する振動板と、この
振動板に対向する電極とを有し、前記振動板を静電力で
変形させて液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法
において、前記振動板を設ける第1基板と前記電極を設
ける第2基板がいずれもシリコン基板からなり、少なく
ともいずれかの基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含
むシリコン酸化膜を形成し、前記第1基板と第2基板と
を酸素雰囲気で且つ摂氏120℃以上で重ね合わせた
後、熱処理を施して前記第1基板と第2基板とを接合す
ることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 【請求項7】 請求項5又は6に記載の液滴吐出ヘッド
の製造方法において、前記熱処理は酸素雰囲気で行うこ
とを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 【請求項8】 液滴を吐出するノズルと、ノズルが連通
する吐出室と、吐出室の壁面を形成する振動板と、この
振動板に対向する電極とを有し、前記振動板を静電力で
変形させて液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法
において、前記振動板を設ける第1基板と前記電極を設
ける第2基板がいずれもシリコン基板からなり、少なく
ともいずれかの基板の接合面に燐及び/又はホウ素を含
むシリコン酸化膜を形成し、このシリコン酸化膜表面を
疎水処理した後、前記第1基板と第2基板とを重ね合わ
せ、更に熱処理を施して前記第1基板と第2基板とを接
合することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の液滴
吐出ヘッドの製造方法において、前記熱処理は900℃
以下の温度で行うことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001287987A JP2003094667A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 液滴吐出ヘッドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001287987A JP2003094667A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 液滴吐出ヘッドの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011156873A (ja) * | 2004-08-05 | 2011-08-18 | Fujifilm Dimatix Inc | プリントヘッドのノズル形成 |
-
2001
- 2001-09-21 JP JP2001287987A patent/JP2003094667A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011156873A (ja) * | 2004-08-05 | 2011-08-18 | Fujifilm Dimatix Inc | プリントヘッドのノズル形成 |
US8377319B2 (en) | 2004-08-05 | 2013-02-19 | Fujifilm Dimatix, Inc. | Print head nozzle formation |
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