JP4039704B2 - アルカリ可溶性シロキサン重合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ可溶性シロキサン重合体に関する。この重合体は、レジスト材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の高集積化に伴い、配線の微細化および多層化が進行している。例えば、64Mbit D-RAMでは、配線の最小線幅は 0.3μm程度であり、基板表面には1μm以上の段差が生じ、従来の単層レジスト法では微細パターンを高精度で形成することは困難となっている。
【0003】
これらの課題に対し、2層レジスト法等のサーフェイスイメージング技術が提案されている。2層レジスト法は、単層レジスト法に比べて高段差を有する基板上の微細パターンの形成に有効であると考えられる。2層レジスト法は、有機樹脂を、例えば2μmの膜厚で塗布して下層レジスト層(平坦化層)を形成し、その上に 0.1〜 0.2μm程度の薄膜の上層レジスト層を形成し、露光し、現像して、上層をパターニングする。そして、得られたこの上層パターンをマスクとして下層をエッチングし、高アスペクトのパターンを形成するものである。2層レジスト法では、下層レジスト層により基板段差の影響や基板表面からの反射を防止でき、また上層レジスト層の膜厚が薄いことから、単層レジスト法に比べて解像性を向上できるという利点が得られる。
【0004】
これまで、感度、解像性およびエッチング耐性に優れたシリコーン系レジスト材料として、ポリメチルシルセスキオキサン(PMSS)が知られている(特開昭61−108628)。PMSSは、Si含有量が高く、エッチング耐性に富むことから、微細加工に適したレジスト材料である。しかし、有機溶剤を用いる現像によってパターンの膨潤が発現し、またネガ型のためポジ化への応用ができないという問題がある。これに対し、解像性に優れ、かつ、ネガ型およびポジ型の両方への応用が可能なレジスト材料としては、アルカリ可溶性ポリマを基材樹脂として含むアルカリ現像型レジストが挙げられる。しかし、これまで知られているアルカリ可溶性ポリマは、合成が複雑で分子量の制御が困難なものであったり、高解像性と高エッチング耐性とが両立しないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の如き従来技術の問題点を解決し、合成や分子量制御が容易であり、かつ、レジスト材料として好適な、高解像性で、高エッチング耐性を有する、アルカリ可溶性のSi含有ポリマを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、下記一般式(A)で表されるアルカリ可溶性シロキサン重合体を提供する。
【0007】
【化3】
【0008】
〔上式中、Rは下記一般式(B)で表される四官能シロキサンポリマの残基、下記一般式(C)で表される三官能シロキサンポリマの残基、下記一般式(D)で表される二官能シロキサンポリマの残基および下記一般式(E)で表されるシロキサンポリマの残基から選ばれるシロキサンポリマ残基を表し、R1およびR2はそれぞれ独立に−Hまたは一価の有機基を表し、R3およびR4はそれぞれ独立に−H,−Clまたは一価の有機基を表し、R5はそれぞれ独立に−Hまたは一価の有機基を表し(ただし、基R5の50%以上が−Hであるものとする)、mは1〜3の整数であり、nは1または2であり、aおよびbは1以上の整数である〕
( SiO 4/2 ) p (O 1/2 R 6 ) q (B)
( R 7 SiO 3/2 ) p (O 1/2 R 6 ) q (C)
( R 8 R 8' SiO 2/2 ) p (O 1/2 R 6 ) q (D)
( O 3/2 Si-R 9 -SiO 3/2 ) p (O 1/2 R 6 ) q (E)
〔上式中、R 6 は−Hまたはトリオルガノシリル基を表し、R 7 は一価の有機基を表し、R 8 およびR 8 ’ は同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ一価の有機基を表し、R 9 は二価の有機基を表し、pは1以上の整数であり、qは0または1以上の整数である〕
すなわち、本発明は、アルカリ可溶性の官能基を有するシリル化剤を用いてシリル化したSi含有ポリマにより、上記課題を解決するものである。シリル化は、極めて簡単な方法であり、さまざまなSi含有ポリマへの応用が可能である。このようなシリル化により得られる上記アルカリ可溶性シロキサン重合体をレジストの基材樹脂として用いることにより、エッチング耐性を損なうことなく、高い解像性を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の態様】
【0010】
上記した一価の有機基の例としては、炭素数1〜5のアルキル基、ビニル基およびアリル基並びにそれらの置換体を挙げることができる。また、二価の有機基の例としては、アルキレン基およびアリーレン基を挙げることができる。
R1 およびR2 は、好ましくは−CH3 ,−C2H5または−C3H7である。R3 およびR4 は、好ましくは−Hである。また、R9 はフェニレンであるのが特に好ましい。
【0011】
本発明のアルカリ可溶性シロキサン重合体は、下記の方法により得ることができる。すなわち、下記一般式(H)
【0012】
【化4】
【0013】
で表されるジハロゲノジアルキルシランと下記一般式(I)
【0014】
【化5】
【0015】
で表されるグリニャール試薬とを反応させて、下記一般式(J)
【0016】
【化6】
【0017】
〔上記式(H)、(I)および(J)において、Xは塩素、臭素等のハロゲンを表し、R12は一価の有機基を表し、R1 、R2 、R3 、R4 、mおよびnは前記規定に同一である〕
で表されるモノハロゲノジアルキルシランを合成する。次いで、このモノハロゲノジアルキルシランをシリル化剤として用いて式(A)のRに対応するシロキサンポリマをシリル化することにより、下記一般式(K)
【0018】
【化7】
【0019】
で表されるシロキサン重合体を得、この重合体の−OR12の50%以上を−OHに変換することにより、式(A)のシロキサン重合体を得るのである。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 ジメチルクロロ−p−メトキシベンジルシランの合成
【0021】
【化8】
【0022】
攪拌機、還流管、滴下ロートおよび温度計を備えた300ml の四口フラスコに、マグネシウム6.99g(0.3mol)、ジメチルジクロロシラン24.8g(0.192mol)およびテトラヒドロフラン(THF)60mlを入れた。ヨウ素およびジブロモエタン0.15mlでマグネシウムを活性化した後、混合物を攪拌し、氷浴によりフラスコを−10℃に冷却した。滴下ロートからp−メトキシベンジルクロライド14.6g(0.0957mol)とTHF 150ml の混合物を4時間かけて滴下した後、氷浴をはずし、室温で1時間反応させた。過剰のマグネシウムと生成した塩化マグネシウムをセライトを充填した桐山ロートを用い、吸引濾過により除去した。この濾液を濃縮し、溶媒をヘキサンに替えて不溶物を除去し、減圧蒸留して、目的物 10.91g(0.051mol)を得た(収率53%)。
【0023】
目的物の沸点は、75〜76℃(0.45Torr)であった。
実施例2 シロキサンポリマのシリル化
実施例1で合成したジメチルクロロ−p−メトキシベンジルシランをシリル化剤として用い、次の操作により、下記式で示される末端構造を有するシロキサンポリマのシリル化を行った。
【0024】
【化9】
【0025】
攪拌機、還流管、滴下ロートおよび温度計を備えた200ml の四口フラスコに、上記のシロキサンポリマ 4.5g(重量平均分子量5000)をメチルイソブチルケトン(MIBK)80mlに溶解して攪拌し、油浴により70℃に加熱した。滴下ロートからジメチルクロロ−p−メトキシベンジルシラン4.29g(0.02mol)とこれと等モルのピリジンを30分かけて滴下した後、3時間攪拌を続け、反応を行った。フラスコを油浴から外して放冷後、1Lの分液ロートに移し、溶液が中性になるまで水洗し、ピリジン塩酸塩を十分に除去した。メタノールで未反応のモノマや他の不純物を除去し、下記式で示される末端構造を有する、目的のポリマ 6.8gを得た。
【0026】
【化10】
【0027】
目的物の分子量は、ポリスチレン換算で約6000であった。
実施例3 フェノール性水酸基への交換
実施例2で合成したシリル化シロキサンポリマの入ったフラスコに、還流管を取り付け、フラスコ内にアセトニトリル30mlを入れて完全に溶解した。このフラスコにトリメチルクロロシランとナトリウムヨードを加え、室温で3時間攪拌した。その後、メタノール20mlを加え、さらに2時間攪拌した。反応の終了後、室温において、減圧下で低沸点物を除去し、 THFおよびジエチルエーテルで抽出した。この抽出液を亜硫酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、溶媒を加熱減圧下で除去して、目的物を得た。
【0028】
実施例4 溶解性
実施例3で合成したシリル化シロキサンポリマの各溶剤に対する溶解性を調べた。その結果、メタノール、エタノール、 THF、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテートおよびジメチルスルホキシドに溶解した。これに対し、ヘキサン、トルエンおよび四塩化炭素には不溶であった。また、レジストのアルカリ現像液であるテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液にも溶解した。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る新規なアルカリ可溶性シロキサンポリマは、その溶解性からo−キノンジアジド類と組み合わせてアルカリ現像ポジ型レジスト、またはビスアジド類と組み合わせてアルカリ現像ネガ型レジストとして使用できる。
Claims (3)
- 下記一般式(A)
(SiO4/2)p(O1/2R6)q (B)
(R7SiO3/2)p(O1/2R6)q (C)
(O3/2Si-R9-SiO3/2)p(O1/2R6)q (E)
〔上式中、R6は−Hまたはトリオルガノシリル基を表し、R7は一価の有機基を表し、R 9は二価の有機基を表し、pは1以上の整数であり、qは1以上の整数であり、これらのシロキサンポリマの残基中に存在するR 6 のうちの少なくとも1つは−Hである〕
で表されるアルカリ可溶性シロキサン重合体であって、前記シロキサンポリマを予め合成し、このシロキサンポリマを下記一般式(J)
で表されるモノハロゲノジアルキルシランによりシリル化して、下記一般式(K)
で表されるシロキサン重合体を得、この重合体の−OR 12 の 50 %以上を−OHに変換することにより得られたものであるアルカリ可溶性シロキサン重合体。 - R9がフェニレンである、請求項1記載のシロキサン重合体。
- 請求項1または2に記載したアルカリ可溶性シロキサン重合体からなるレジスト。
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