JP4038585B2 - 固体脂マイクロカプセルおよびその製造方法 - Google Patents

固体脂マイクロカプセルおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体脂を壁材とするマイクロカプセルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体マイクロカプセルの1つである W/O/W エマルションは、内水相に有用物質を封入することにより、食品、医薬、化粧品、化学等の幅広い分野において多くの製品に応用することが可能である。W/O/W エマルションの製造は、一般に、W/O エマルションをホモミキサーなどを用いて外水相に分散させる方法がとられている。しかし、この方法では機械的な煎断力が作用するため、W/O 粒子が機械的に破壊され、内水相が外水相に高い割合で漏洩する。また、得られる W/O/W エマルションは多分散となり、W/O 粒子の粒径制御が困難である。
【0003】
一方、構造的に安定な W/O/W エマルションを調製しても W/O/W エマルションの保存中に内水相に封入した有用物質が外水相へ漏洩する問題がしばしば発生し、実用上の大きな問題となっている。W/O/W エマルションに見られるこのような現象は、内水相に封入した有用物質が油相を透過して外水相に漏洩することに起因している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高い封入率で有用物質が封入され、粒径が制御されたマイクロカプセルであって、保存中に有用物質が漏洩しない安定したマイクロカプセル及びその製造方法を提供することを主な目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を行った結果、膜状多孔体を介して単分散 W/O/W エマルションを製造する膜乳化法を利用し、有用物質を含有した水溶液および固体脂をそれぞれ内水相および油相に用いて、W/O/W エマルションから、凍結乾燥、噴霧乾燥などにより外水相を脱水することにより、有用物質の封入率が高く、粒径が制御され、内封物質の漏洩が抑制された固体脂マイクロカプセルが得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は下記の固体脂マイクロカプセルおよびその製造方法に係るものである。
項1 水溶性物質を固体脂で内包した固体脂マイクロカプセルの製造方法であって、
(1)水溶性物質の水溶液を水相とし、固体脂を油相として調製したW/Oエマルションを、均一な大きさの細孔を有する親水性膜状多孔体に透過させ、外水相に分散してW/O/Wエマルションを調製する工程、及び
(2)該W/O/Wエマルションから外水相を凍結乾燥により脱水して固体脂マイクロカプセルを生成する工程
を含む製造方法。
項2 水溶性物質を固体脂で内包した固体脂マイクロカプセルの製造方法であって、
(a)内水相に水溶性物質が溶解し、固体脂を油相とするW/O/Wエマルションを、均一な大きさの細孔を有する親水性膜状多孔体であって、該W/O/WエマルションのW/O粒子の平均径が細孔の孔径の1〜100倍となるような細孔を有する膜状多孔体に透過させてW/O/Wエマルションを調製する工程、及び
(b)上記(a)工程で得られたW/O/Wエマルションから外水相を凍結乾燥により脱水して固体脂マイクロカプセルを生成する工程
を含む製造方法。
項3 項1又は2記載の製造方法により得られる、水溶性物質を固体脂で内包した単分散固体脂マイクロカプセル。
項4 平均粒径が0.1〜100μmであって、積算体積分布の10%径が50%径の1/2以上、90%径が50%径の1.5倍以下の粒径分布を有する項3記載の単分散固体脂マイクロカプセル。
項5 水溶性物質が核酸系旨味調味料である項3または4に記載の固体脂マイクロカプセル。
項6 水溶性物質が塩酸イリノテカンである項3または4に記載の固体脂マイクロカプセル。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに説明する。
【0008】
本明細書中では、特に言及されない限り、各用語を次のようにそれぞれ記す。
【0009】
「固体脂」とは、融解開始温度が20℃を越える油であって、水と相溶性のないものであれば特に限定されない。
【0010】
油中水型のエマルションを「W/Oエマルション」、これを分散相にして連続水相に分散した水中油中水型のエマルションを「W/O/Wエマルション」と表記する。W/O/Wエマルションの場合は、分散相の粒子を「W/O粒子」、その内部の水滴を「内水相」もしくは「内水相粒子」、連続水相を「外水相」と記す。また、W/O/Wエマルションを調製するために用いるW/Oエマルションにおいても、その内部の水滴を「内水相」もしくは「内水相粒子」と記す場合がある。
【0011】
「単分散」とは、積算体積分布の 10 %径が50 %径の 1/2 以上、90% 径が 50% 径の1.5倍以下の、粒子の大きさがよく揃った状態を表し、このような粒径分布をもたない不揃いな粒子の場合は「多分散」と表す。また、本明細書では、積算体積分布の 50% 径を「平均粒径」と記す。
【0012】
「膜乳化法」あるいは「膜乳化技術」とは、特許第 2106958 号および特許第 2733729 号で提案されている多孔質ガラス膜などの膜状多孔体を用いる乳化方法のことである。
【0013】
「均一な大きさの細孔を有する」とは、相対累積細孔分布曲線において、細孔(貫通孔)容積が全体の 10% を占めるときの細孔径を細孔容積が全体の 90% を占めるときの細孔経で除した値が実質的に 1 から 1.5 までの範囲内にある場合を意味する。
【0014】
「水溶性物質」とは、固体脂マイクロカプセルに封入する水溶性の物質である。水溶性物質は、化成品であっても天然物であってもかまわない。水溶性物質は、親水性が高く、水に対する油への分配率の小さいもののことである。水に対する油への分配率の小さいものとは、オクタノール/水系において水に対するオクタノールへの分配率が約0.1以下のものをいう。
【0015】
乳化剤は、水相(特に、外水相となる連続水相)に溶解して使用するものを「水性乳化剤」、油相に溶解して使用するものを「油性乳化剤」と表す。
【0016】
「HLB」は乳化剤の親水性/疎水性バランスを表す指標のことである。本明細書では、HLB値は、下記数式
HLB=Σ(親水性部の基数)+Σ(親油性部の基数)+7
(上記式において、原子団の基数は、J.T.Davies, et al., “Interfacial Phenomina”, Academic Press (1961)に記載されたものに基づく。)に従って算出た値とする。
【0017】
以下、本発明の固体脂マイクロカプセルとその製造方法についてさらに詳しく説明する。
【0018】
本発明の固体脂マイクロカプセルは、水溶性物質が固体脂の中に閉じこめられた構造を有しており、0.1μm から 100μm の範囲内に任意に平均粒径が設定され、その積算体積分布の 10% 径が 50% 径の 1/2 以上、90% 径が 50% 径の 1.5 倍以下である単分散マイクロカプセルのことである。
【0019】
本発明で用いられる固体脂は融解開始温度が20℃を越える油であって、水と相溶性のないものであれば特に限定されず、エマルション製造用に従来から用いられている天然または合成の油を用いることができる。例えば、カカオ脂、パーム油、パーム核油、牛脂、ロウ等の動植物油脂類;液体油脂を水素添加して硬化した動植物油;これらを分別精製した動植物油等が挙げられる。また、炭化水素系、シリコン系、ポリアルキレングリコール系、カルボン酸エステル系、有機珪酸エステル系等の天然または合成油も用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上の混合して用いることもできる。
【0020】
本発明で使用される水溶性物質は、何らかの機能を有する有用な物質であれば特に限定されず、天然物であっても化成品であってもかまわない。本発明では、特に、医薬品、食品、化成品、化粧品、農薬として有効な水溶性の物質が好ましい。
【0021】
天然物は、植物や動物等の生物または鉱物もしくはこれらの処理物から抽出または精製したもの、特に、医薬品、化粧品、農薬および食品として有効な水溶性の生理活性物質が好ましい。例えば、植物や動物等の生物または鉱物もしくはこれらの処理物から抽出または精製した水溶性の物質が挙げられる。抽出または精製した後に変質処理を施した水溶性の物質も利用できる。抽出方法としては、溶剤に水、アルコール、プロピレングリコール、グリセリン、液体炭酸ガス等を用い、原料と溶剤を接触させた後、溶剤を取り除く方法が一般的である。精製方法としては、吸着法、ろ過法、蒸留法などがあげられる。抽出と精製は併用しても良い。水溶性の抽出物または精製物の例としては、グアニル酸、イノシン酸、アスパラギン酸およびその塩類などの核酸系旨味調味料;アルギニン、アスパラギン、タウリンなどの調味料;各種アミノ酸;カテキン、アントシアニン、カフェイン、ステビア抽出物、甘茶抽出物、抽出タンニン、柑橘類抽出物、茶抽出物、肉エキス、魚貝エキス、酵母エキスなどが挙げられる。水溶性薬物としては、特に限定されないが、抗腫瘍(ガン)剤(例えば、塩酸イリノテカン)、抗生物質、解熱剤、鎮痛剤、消炎剤、鎮咳去たん剤、鎮静剤、筋弛緩剤、抗てんかん剤、抗潰瘍剤、抗うつ剤、抗アレルギー剤、強心剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、降圧利尿剤、糖尿病治療剤、候凝血剤、止血剤、抗結核剤、ホルモン剤、麻薬拮抗剤、生理活性を有するペプチドなどが挙げられる。また、栄養剤やサプリメントなどに用いられる機能性物質として、水溶性ビタミン類(アスコルビン酸等)や水溶性ミネラル類(クエン酸鉄アンモニウム等)などが挙げられる。
【0022】
次に、本発明における固体脂マイクロカプセルの調製方法を説明する。
【0023】
W/O/W エマルションの調製方法
まず、第1段乳化物である W/O エマルションの製造方法を記述する。
【0024】
W/O エマルションの水相は水溶性の有用物質を含む水溶液とし、油性乳化剤を溶解した固体脂を油相として調製する。
【0025】
水溶性物質及び固体脂としては、上述したような種類のものを用いることができる。
【0026】
(内)水相における水溶性物質の量は、用途に応じて適宜選択することができるが、通常、(内)水相全体積に対して、0.1〜50重量/体積%程度(例えば、(内)水相100mlに対して、0.1〜50g程度となるような量)である。
【0027】
油性乳化剤としては、公知の非イオン系の親油性乳化剤を使用することが好ましい。このような乳化剤としては、例えば、一般的に使用される、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポロオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、レシチン等が挙げられる。特にポリグリセリン脂肪酸エステルまたはショ糖脂肪酸エステルが望ましい。これら油性乳化剤のHLBは、6程度以下が好ましく、2程度以下がより好ましい。例えば、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのHLBは明らかでないが、その性質からHLBは6以下であると言われている。これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また,乳化剤の種類は室温で固体のものに限定されず、液体の乳化剤を用いることもできるが、室温で固体の乳化剤を用いるのが好ましい。
【0028】
油性乳化剤の使用量は、十分な乳化効果が得られる限り、特に限定されないが、通常、油相全体積に対して 0.1〜30 重量/体積 % 程度(例えば、油相100mlに対して、0.1〜30g程度となるような量)である。
【0029】
内水相には、有用物質に悪影響を与えたり、エマルションを壊す作用がない限り、浸透圧調整剤、防腐剤を添加してもよい。例えば、浸透圧調製剤として食塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄、リン酸カリウムなどの塩類;グルコース、ラクトース、ショ糖、デキストリンどの糖類が挙げられる。また、防腐剤としては、ソルビン酸、パラオキシベンゼン、フェノキセトール、安息香酸ナトリウム、ブチルパラベン、デヒドロ酢酸ナトリウムなどが挙げられる。さらに、内水相の pH を調整するため、pH 調整剤や緩衝液を加えても良い。pH を調整する物質として、塩酸などの無機酸、各種有機酸、水酸化ナトリウムなどの塩基類が挙げられる。また、緩衝液としては、酸系、酢酸系、フタル酸系、ホウ酸系などの各種緩衝液を用いることができる。
【0030】
また、本発明では、油相に油溶性の有用物質を適宜配合することもできる。これにより油溶性および水溶性有用物質を同時に摂取できるマイクロカプセルとすることができる。このような油溶性物質としては、例えば、ビタミンA、ビタミンE、カロチン、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)などが挙げられる。その場合の配合量は、油溶性物質の種類や、固体脂マイクロカプセルの用途に応じて適宜設定すればよい。
【0031】
第1段乳化の方法は特に限定されず、ホモミキサー、撹拌機、高圧ホモジナイザー、膜状多孔体などを用いる方法があげられる。乳化温度は固体脂が完全に液化する温度、例えば35〜90℃程度で行う。乳化条件としては、所望の粒径のW/Oエマルションを得ることができれば特に限定されるものではないが、例えば、ホジナイザーを用いて乳化する場合は、通常、5,000〜300,000rpm程度(好ましくは8,000〜240,000rpm程度)にて、0.5〜15分間程度(好ましくは1〜15分間程度)である。
【0032】
内水相粒子の粒径とその粒径分布も用途に合わせて適宜設定すれば良いが、目的とする W/O/W エマルションの W/O 粒子径よりも小さくした方が、調製中あるいは保存中に W/O 粒子が壊れて内水相が外水相へ漏洩する確率が低くなるので好ましい。例えば、内水相粒子の平均粒径は、0.1〜5μm程度とするのが好ましい。W/Oエマルションの内水相粒子は、多分散であってもよいが、単分散である方が好ましい。
【0033】
膜状多孔体を用いる乳化方法は、単分散エマルションを調製できるばかりでなく、膜状多孔体の細孔径を変えることによってエマルションの粒径を任意に変えることができるという点で優れている。本発明で用いる膜状多孔体の種類は、固体脂の融点より高い耐熱性がある膜状多孔体であれば特に限定されるものではない。例えば、膜状多孔体の細孔は円柱状であっても、角柱状であっても、あるいは他の形状であってもよい。また、細孔が膜面に対して垂直あるいは斜めに貫通したり、あるいは絡み合い構造でも粒子は生成するので、いずれの構造であってもよい。
【0034】
膜状多孔体では、細孔の水力学的直径および有効長さが均一であることが重要であり、本発明ではこのような細孔構造を有しているものを用いるのが好ましい。一般に、膜状多孔体はパイプ状あるいは平膜型など形状によって多くの種類があり、構造的にも対称膜と非対称膜あるいは均質膜と不均質膜などに分けられるが、そうした形状や構造は本質的に本発明の効果に影響を与えないので、特に制限されない。多孔体の材質も、例えば、ガラス、セラミックス、シリコン、耐熱性高分子などが挙げられ、接触角が 90°を越えて固体脂に濡れない、親水性のものであれば、特に制限されない。このような膜状多孔体としては、例えばガラスのミクロ相分離を利用して製造される多孔質ガラスが好適に使用できる。具体的には、特許第 1504002 号に開示された CaO-B2O3-SiO2-Al2O3系多孔質ガラス、特許第 1518989 号および米国特許第 4857875 号に開示されたCaO-B2O3-SiO2-Al2O3-Na2O 系多孔質ガラス、CaO-B2O3-SiO2-Al2O3-Na2O-MgO 系多孔質ガラス、特許願 2000-366670 号に記載の SiO2-ZrO-Al2O3-B2O3-Na2O-CaO 系多孔質ガラス等が挙げられる。また、これらの多孔質ガラスの中でも、特に、相対累積細孔分布曲線において、細孔容積が全体の 10% を占めるときの細孔径を細孔容積が全体の 90% を占めるときの細孔経で除した値が実質的に 1 から 1.5 までの範囲内にあるミクロ多孔膜体を用いることが望ましい。このような膜は、本発明で単分散固体脂マイクロカプセルを生成するのに適している。
【0035】
また、W/Oエマルションを調製する際に膜状多孔体を用いる場合、好ましい膜状多孔体は、細孔径の平均が0.1〜5μm程度のものである。
【0036】
膜状多孔体を用いてW/Oエマルションを製造する場合の製造方法は、特に限定されるものではなく、所望の粒径や粒径分布が得られる限り、特に限定されるものではなく、(内)水相を、膜状多孔体に透過させ、油相中に分散させればよい。透過は、圧力をかけながら行うのが好ましく(圧入透過)、例えば、圧入圧力が10kPa〜4MPa程度、温度が35〜90℃程度である。
【0037】
得られたW/Oエマルションを、常法に従って脱水して、これに内水相を加えた後、油相に分散させるという操作を繰り返すことにより、内水相の水溶性物質の濃度を高めたり、W/Oエマルションの内水相粒子の割合を高めることが可能となる。
【0038】
次いで、W/Oエマルションを分散相として第2段乳化を行い、外水相中にW/O粒子が分散したW/O/Wエマルションを調製する。
【0039】
ここで調製するW/O/WエマルションのW/O粒子は、最終的に得られる固体脂マイクロカプセルの所望の平均粒径や粒径分布に応じて適宜調製することができるが、平均粒径が0.1〜100μm程度であって、単分散であることが好ましい。
【0040】
外水相には、水性乳化剤が添加されている。外水相に添加する水性乳化剤としては、公知の親水性の乳化剤を使用することができる。このような乳化剤としては、例えば、非イオン系乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、レシチン、高分子乳化剤等が挙げられる。陰イオン系乳化剤としては、カルボン酸塩、スルフォン酸塩、硫酸エステル塩等が挙げられる。これらの水性乳化剤の HLB は 8.0 以上であることが望ましく、10.0 以上がより好ましい。これらの水性乳化剤は所望の乳化特性に応じて単独で、または2種以上混合して用いることができる。これらの水性乳化剤の添加量についても、十分な乳化効果が得られる限り、特に制限されないが、通常外水相の全体積に対して、0.1〜10 重量/体積%程度(例えば、外水相100mlに対して0.1〜10gとなるような量)である。また,乳化剤の種類は室温で固体のものに限定されず、液体の乳化剤を用いることもできるが、室温で固体の乳化剤を用いるのが好ましい。
【0041】
外水相には、水性乳化剤の他に、必要に応じて水溶性の浸透圧調整剤、防腐剤、pH 調整剤、緩衝液、乳化安定剤、分散安定剤などを添加して良く、これらの例として上記内水相に添加したものと同様のものが挙げられる。乳化安定剤、分散安定剤については、デキストリン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、シリカなどが挙げられるが、有用物質に悪影響を与えたり、エマルションを壊す作用がなければ、その種類は問わない。
【0042】
第2段乳化の方法は特に限定されず、撹拌、ホモジナイザー、ホモミキサー、2液混合器、ポンピング法などの一般的な方法を、所望の粒径などに応じて選択することができる。乳化温度は第1段乳化と同様に、固体脂が完全に液化する温度、例えば35〜90℃程度で行う。
【0043】
本発明では、これら以外の方法として、W/O エマルションを膜状多孔体に透過して外水相に分散する膜乳化法が挙げられる。膜乳化法は、W/O 粒子の粒径が制御しやすく粒子生成時の破壊が非常に少ないので好ましい。また、膜乳化法の他の態様としては、一旦、撹拌、ホモジナイザーなどにより調製した W/O/W エマルション自体を膜状多孔体に透過して目的とする粒径に W/O粒子を細分化する方法が挙げられる。この場合、予め調製するW/O/WエマルションのW/O粒子の平均粒径は、特に限定されるものではないが、通常、0.1〜1000μm程度である。
【0044】
膜状多孔体としては、W/Oエマルションの製造に関する上述したようなものを用いることができる。
【0045】
W/O/Wエマルションを調製する場合に膜状多孔体を用いる場合には、膜状多孔体の細孔径は、所望のW/O粒子の粒径に応じて適宜設定することができるが、通常、平均孔径が0.1〜30μm程度のものを用いる。また、一旦、撹拌、ホモジナイザーなどにより調製した W/O/W エマルション自体を膜状多孔体に透過して目的とする粒径に W/O粒子を細分化する場合には、W/O粒子の平均径が細孔(貫通孔)の孔径の1〜100倍となるような細孔を有する多孔体を用いるのが好ましい。例えば、予め平均粒径が0.1〜1000μm程度のW/O粒子を調製した場合には、細孔径の平均は、0.1〜10μm程度とすればよい。
【0046】
W/O/Wエマルションを製造する場合の膜乳化の条件については、所望の粒径が得られる限り特に限定されるものではないが、例えば、W/O エマルションを膜状多孔体に透過して外水相に分散する場合、乳化は圧力をかけながら行うのが好ましく、圧入の圧力が1kPa〜1MPa程度、温度35〜90℃程度にて行う。一旦調製した W/O/W エマルション自体を膜状多孔体に透過して目的とする粒径に W/O粒子を細分化する方法の場合、例えば、ホモジナイザーで5,000〜300,000rpm程度(好ましくは8,000〜240,000rpm程度)にて、0.5〜15分間程度(好ましくは1〜15分間程度)でW/O/Wエマルションを調製し、該エマルションを、膜状多孔体に、例えば上記と同様(1kPa〜1MPa程度、温度35〜90℃程度)の条件にて透過させることができる。
膜状多孔体への透過は、繰返し行ってもよく、例えば、2〜10回程度行ってもよい。
【0047】
上記 W/Oエマルション及び W/O/W エマルションにおける水相(内水相又は外水相)と油相の体積分率は特に制限されるものでなく、通常は W/O エマルションの場合、内水相と油相の体積分率が、内水相:油相=0.5:99.5〜50:50 程度であり、 W/O/W エマルションの場合はW/O粒子と外水相の体積分率が、W/O粒子:外水相=0.1:99.9〜50:50 程度である。
【0048】
乳化に際しては,内水相及び外水相の浸透圧は、水溶性物質の種類や水に対する溶解度などに応じて適宜設定することができるが、通常,外水相は,塩類や糖類を溶解してその浸透圧を内水相のそれと等しいか,もしくは高く設定するのが好ましい。外水相の浸透圧を内水相のそれより高く設定した場合は, W/O/W エマルションの調製中あるいは調製後に,内水相から外水相へ浸透圧を駆動力にして水が移動する。このため,内水相粒子はW/O エマルションを調製したときより粒径が小さくなる。この現象を利用して固体脂マイクロカプセルの壁厚を制御することができる。また,第1次乳化で調製される W/O エマルションの水相と内水相の体積分率を変えることによっても、マイクロカプセルの壁厚を制御することが可能である。
【0049】
固体脂マイクロカプセルの生成
次に、W/O/W エマルションを凍結乾燥または噴霧乾燥により外水相の脱水を行い、固体脂マイクロカプセルを調製する。 W/O/W エマルションの凍結乾燥には、通常の凍結乾燥法が使用できる。凍結温度、凍結時間、真空度および乾燥時間は使用する水溶性物質、固体脂、乳化剤の種類などに応じて適宜設定することができるが、一般には、-196〜-10℃程度(好ましくは-196〜-20℃程度)で 、10分〜2 時間程度(好ましくは10分〜1 時間程度)凍結し、0.01〜100 Pa 程度(好ましくは0.1〜10 Pa)程度で 2 〜20 時間程度真空乾燥する。また、噴霧乾燥の場合も通常の噴霧乾燥法を用いることができる。噴霧乾燥の条件は、W/O/W エマルションの内水相に封入した水溶性の有用物質や固体脂が変質しないような条件が望ましく、一般には、温度が 80〜200℃程度、乾燥空気量が毎分 0.4〜0.8 m3程度、噴霧圧力が 100〜200 kPa程度の条件で行う。
【0050】
このようにして、本発明の固体脂マイクロカプセルを調製することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、固体脂のカプセルに内包した水溶性の有用物質の漏洩がほとんど無い単分散の固体脂マイクロカプセルを調製できる。このマイクロカプセルは、封入する有用物質を目的に応じて選定することで、その物質が安定に内封された様々な商品が容易な方法で製造できる。このため、医薬品、医薬部外品、機能性食品、化粧品、農薬,化成品など幅広い分野に適用できる。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0053】
実施例1
固体脂として、融点が 65℃のトリパルミチン(和光純薬工業(株)製)を用い、
水溶性の有用物質として核酸系旨味調味料を封入した固体脂マイクロカプセルを調製した。
【0054】
固体脂マイクロカプセルを調製するためのW/O/W エマルションの組成および乳化条件を表1に示し、固体脂マイクロカプセルの調製フローを図1に示す。
【0055】
【表1】
Figure 0004038585
【0056】
核酸系調味料には 5’-ヌクレオチドの 5’-イノシン酸ナトリウムおよび 5’-グアニル酸ナトリウムを等量混合したものを使用した。油相乳化剤としては、ポリグリセリン縮合リシノレート(阪本薬品工業(株)製、PGCR)を用いた。また、外水相には乳化剤としてポリオキシエチレンを 60 モル付加した硬化ヒマシ油(日本サーファクタント工業(株)製、HCO-60)を配合した。内水相と外水相の浸透圧を等しくするため、外水相に食塩を加えた。
【0057】
まず、ホモジナイザー(JANKE & KUNKEL Inc. 製、ULTRA-TURRAX)を用いてW/O エマルションを調製し、これを分散相にして膜乳化法により W/O/W エマルションを調製した。ホモジナイザーによる乳化は、トリパルミチンが完全に融解する 70℃で、240,000rpmにて1分間程度行った。膜乳化に用いた多孔質ガラス膜(SPG テクノ(株)製)の平均孔径は 5.1μm で、乳化圧力 7 kPa、 乳化温度 70℃とした。得られた W/O/W エマルションを液体窒素により -196℃で 20分凍結した。次に、これを 10 Pa で 15 時間、真空凍結乾燥し、固体脂マイクロカプセルを調製した。
【0058】
W/O/Wエマルションおよび固体脂マイクロカプセルの粒度分布は、レーザー回折/散乱式粒度分布計((株)島津製作所製、SALD2000)により測定した。また、固体脂マイクロカプセルの微細構造は、走査電子顕微鏡((株)日立製作所製、S-800M)を用いて観察した。さらに、マイクロカプセルを 25℃の純水に分散して最長7日間保持し、封入した核酸系調味料の漏洩試験を行った。漏洩率は、マイクロカプセルに封入した 5’-ヌクレオチド が分散液に漏洩した割合から求めた。具体的には、分画分子量 100000 のメンブレンフィルターを用いて分散液を毎分 3000 回転で3分間遠心ろ過した後、ろ液中に含まれる 5’-ヌクレオチドの濃度を液体クロマトグラフ(島津製作所(株)製、LC-10ADvp )により定量し、漏洩率を算出した。
【0059】
トリパルミチンを油相に用いて膜乳化法により調製した W/O/W エマルションおよびこれを用いて得た固体脂マイクロカプセルの粒度分布を図2に示す。平均粒子径(積算体積分布の 50% 径)が16.8μmの単分散 W/O/W エマルションが得られていた。
【0060】
エマルション調製直後の5’-ヌクレオチドの漏洩率は0.6重量% であり、内水相粒子に溶解した5’-ヌクレオチドの99.4重量% がW/O/W エマルションに封入されていた。W/O/W エマルションを凍結乾燥して得られた固体脂マイクロカプセルの粒度分布は、図2に示すように、W/O/Wエマルションの W/O 粒子とほぼ同じ粒度分布を示し、平均粒子径16.3μmであり、単分散であった。
【0061】
また、マイクロカプセルを 10℃の冷水で洗浄して外水相の乳化剤や溶質を除去した後、走査電子顕微鏡により観察した結果を図3に示す。マイクロカプセルの表面は壁材のトリパルミチンが結晶化するため、襞状の微細構造を有していた。マイクロカプセルを 25℃の純水に分散したとき、7日後の5’-ヌクレオチドの漏洩率は 0.8重量%で漏洩はほとんど認められなかった。
【0062】
実施例2
固体脂としてトリパルミチンを用いて、抗がん剤の塩酸イリノテカン(ヤクルト本社(株)製、CPT-11)を封入した経口 DDS 製剤用の固体脂マイクロカプセルを調製した。
【0063】
塩酸イリノテカンを封入した固体脂マイクロカプセルの調製フローを図1に示す。内水相には 10mg/cm3の塩酸イリノテカン水溶液を用い、油性乳化剤のショ糖エルカ酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、ER-290)および卵黄レシチン(和光純薬工業(株)製)をそれぞれ油相全体積に対して5.0 重量/体積%、2.0 重量/体積%溶解したトリパルミチンを油相とした。外水相は、蒸留水に水性乳化剤としてショ糖ラウリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、L-1695)を水相全体積に対して1.0重量/体積 % 熱溶解し、グルコースを加えて内水相と外水相の浸透圧を等しくした。
【0064】
90℃で、20 gの油相に内水相 1 cm3を滴下しながらホモジナイザーを用いて W/O エマルションを調製した(乳化の条件は、8,000rpmで3分間とした。)後、ロータリーエバポレーターにより90℃で、100mmHgにて30分間、窒素ガス雰囲気下で内水相を脱水した後、これに再び内水相1cm3を滴下して上記と同様にして乳化し、得られた乳化物の内水相を再度脱水した。この操作を合計2回繰り返し、1次乳化物を得た。次に、外水相(80cm3)に1次乳化物(20cm3)を加えてマグネティックスターラーにより、100rpmで1分間撹拌し、多分散W/O/Wエマルションを調製した。得られた多分散W/O/WエマルションのW/O粒子の平均粒径は、50μmであった。得られたW/O/Wエマルションを、平均孔径が 14.7μm の多孔質ガラス膜(SPG テクノ(株)製)に透過して単分散W/O/Wエマルションを調製した。さらに、これを液体窒素に浸漬し、-196℃で 20分凍結した後、10 Paで15 時間、真空凍結乾燥し、塩酸イリノテカンを封入した固体脂マイクロカプセルを調製した。
【0065】
レーザー回折/散乱式粒度分布計を用いて、膜乳化法により調製した W/O/Wエマルションおよび固体脂マイクロカプセルの粒度分布を測定した結果を図2に示す。 W/O/W エマルションおよびこれより得られた固体脂マイクロカプセルの平均粒径は、それぞれ 18.1μm、17.4μm であり、ほぼ同じ値を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の核酸系調味料を封入した固体脂マイクロカプセルの調製フローを示す。
【図2】 実施例1の、エマルションおよび固体脂マイクロカプセルの粒度分布を示す。
【図3】 実施例1の、核酸系調味料を封入した固体脂マイクロカプセルの走査電子顕微鏡写真を示す。
【図4】 実施例2の、塩酸イリノテカンを封入した固体脂マイクロカプセルの調製フローを示す。
【図5】 実施例2の、塩酸イリノテカンを封入したエマルションと固体脂マイクロカプセルの粒度分布を示す。
【符号の説明】
(1) 膜乳化法により調製したエマルションの粒度分布
(2) (1) を凍結乾燥して得られた固体脂マイクロカプセルの粒度分布

Claims (6)

  1. 水溶性物質を固体脂で内包した固体脂マイクロカプセルの製造方法であって、
    (1)水溶性物質の水溶液を水相とし、固体脂を油相として調製したW/Oエマルションを、均一な大きさの細孔を有する親水性膜状多孔体に透過させ、外水相に分散してW/O/Wエマルションを調製する工程、及び
    (2)該W/O/Wエマルションから外水相を凍結乾燥により脱水して固体脂マイクロカプセルを生成する工程
    を含む製造方法。
  2. 水溶性物質を固体脂で内包した固体脂マイクロカプセルの製造方法であって、
    (a)内水相に水溶性物質が溶解し、固体脂を油相とするW/O/Wエマルションを、均一な大きさの細孔を有する親水性膜状多孔体であって、該W/O/WエマルションのW/O粒子の平均径が細孔の孔径の1〜100倍となるような細孔を有する膜状多孔体に透過させてW/O/Wエマルションを調製する工程、及び
    (b)上記(a)工程で得られたW/O/Wエマルションから外水相を凍結乾燥により脱水して固体脂マイクロカプセルを生成する工程
    を含む製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法により得られる、水溶性物質を固体脂で内包した単分散固体脂マイクロカプセル。
  4. 平均粒径が0.1〜100μmであって、積算体積分布の10%径が50%径の1/2以上、90%径が50%径の1.5倍以下の粒径分布を有する請求項3記載の単分散固体脂マイクロカプセル。
  5. 水溶性物質が核酸系旨味調味料である請求項3または4に記載の固体脂マイクロカプセル。
  6. 水溶性物質が塩酸イリノテカンである請求項3または4に記載の固体脂マイクロカプセル。
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