JP4038212B2 - ヘアカット用補助具及びこれを用いたヘアカット方法並びにヘアスタイルのデータ化方法 - Google Patents

ヘアカット用補助具及びこれを用いたヘアカット方法並びにヘアスタイルのデータ化方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヘアカットのときにカット対象者の頭部に装着させるヘアカット用補助具と、これを用いたヘアカット方法及びヘアスタイルのデータ化方法に関するものである。
ヘアカットは、カット対象者の毛髪の生え方や流れ、毛髪の量、髪質、骨格などを考慮した上で、それぞれのカット対象者に適したカット方法によって目標のスタイルへと仕上げていくものであり、最終的なヘアスタイルが同じであっても、ヘアカット方法やカットする位置や毛髪の量などはカット対象者によってそれぞれ異なるものである。そもそもヘアスタイルは、複数の毛束の重なりからなっており、ヘアスタイルを創り上げるうえで最も重要になってくるのが、頭皮を覆っている毛束によって形成されるアウトラインであり、この部分の毛束の長さや量によってヘアスタイル全体の印象が決まってくる。
理美容学校などで各ヘアスタイルの基本的なカット方法を学習しても、雑誌の切抜きやヘアカタログなどに掲載された通りに仕上げるために、カット対象者の頭部をどのように分割し、どの位置の毛髪を、どの程度の量、どの程度の長さにカットすればよいかを見極めて、イメージした通りに毛髪をカットして目標のヘアスタイルに仕上げることは容易なことではない。
実際、カット対象者が希望するヘアスタイルに仕上げることができるだけのヘアカット技術を習得するには、多数のヘアカット経験と自己修練の積み重ねが必要であり、美容院や理髪店などにおいてヘアカットを任されるまでには、理美容学校を卒業してから数年の歳月を要するのが通例である。
このように、ヘアカット技術の習得に時間がかかる原因の一つとして、ヘアカット方法は各美容師の感性や感覚による職人技であって、各個人が経験を重ねる中で自ら体得していくものであり、マニュアル化して簡単に他人に教授することができるものではないという認識がある。確かに、他に例のない斬新で独創性の高いヘアスタイルを完成する技術は職人技と称するに相応しいものであるが、既に、ごく一般化されたヘアスタイルのカット方法をマニュアル化することは難しいことではない。
実際、理美容学校などにおいては、人の頭部モデルや頭部図面の毛髪の生えた頭皮部分を直線や曲線によって複数のブロックに分割することによって、目標のヘアスタイルにするために、毛髪をどのように分割して、毛束をどの程度の量、どの程度の長さにカットすればよいかマニュアル化して生徒に教授している。また、初級者の自己修練用の教習用具として、上記頭部モデルにブロック毎に色の異なる毛髪を装着させて実際にカット練習を行うこともある。
特開2003−302895号公報 特開2003−164330号公報
しかしながら、上記頭部モデルや頭部図面はヘアカット方法を説明するための教習用具や、ヘアカット技術を磨くための自己修練用の練習用具であり、実際にカット対象者のヘアカットのときには頭部モデルをイメージしながら、手先で毛髪をブロックに分割しながらカットしなければならない。このとき、ヘアクリップなどで毛髪をブロック単位の毛束に分割して毛束毎にカットする方法も用いられているが、髪質や量によっては前記ヘアクリップによる分割が困難であったり、この方法によれば、下側の毛髪(首側)から上側(頭頂部)に向かって順にカットしていくことになるため、ヘアカット中にヘアスタイル全体を把握することが難しく、イメージ通りにヘアスタイルを創り上げにくいという問題がある。
上記教習用具及び練習用具により、ヘアカット技術の習得に要する時間を短縮することはできるかもしれないが、上級者と同じようにヘアスタイルを創り上げることができるようになるまでには、数々の経験と自己修練の積み重ねが必要であることには変わりない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ヘアカット技術の入門者や初級者にも容易に上級者と同じヘアスタイルを創り上げることができるようにすることを第1の課題とする。
また、ヘアスタイルを数値データ化することにより、雑誌やヘアカタログなどに掲載されたヘアスタイルの数値データを元にして誰にでも簡単に目標のヘアスタイルを創り上げることができるようにすることを第2の課題とする。
)請求項に係る発明のヘアカット用補助具は、『ヘアカットのときにカット対象者の頭部に装着させるヘアカット用補助具であって、
前記頭部の側頭部の前方から後頭部にかけて毛髪の生え際に沿うように形成される左右一対のサイドフレームと、前記一対のサイドフレームの前端部相互を伸縮自在に連結するフロントフレームと、前記サイドフレームの後端部から前記後頭部を左右に二等分するように頭頂部近傍まで延設されるバックフレームとからなるフレーム本体と、
前記頭部を左右から挟持する態様で前記フレーム本体に装着されるU字状の可動フレームとから構成されており、
前記サイドフレーム及びフロントフレームは、前記フレーム本体を前記頭部に装着させたときに、前記生え際よりも頭頂部側に位置するように設定されており、
前記可動フレームは、上下方向の高さ位置及び前後方向の傾斜角度を自由に調節し得るように前記フレーム本体に装着される』ことを特徴とするものである。
前記サイドフレームとフロントフレームは、生え際から1〜4cm程度頭頂部側に位置するように設定されるものであり、好ましくは生え際から2〜3cm程度とするのが最も適している。
これによれば、ヘアカットのときにカット対象者の頭部に本発明のヘアカット用補助具を装着させることにより、各フレームにより頭部の毛髪が物理的に複数のブロックに分割されるから、ヘアクリップなどで毛髪を分割する手間をかけることなく、容易にブロック単位でヘアカットを行うことができる。また、可動フレームを装着させる高さ位置や傾斜角度を変化させることにより、各ブロックの位置や大きさを自由に変更させてカットする毛髪の位置や量などを調整することができるから、シャギーカットのような微妙なアウトラインにも対応することができる。
また、前記サイドフレームが生え際より頭頂部側に位置することより、生え際付近の毛髪を短く切り過ぎることが防止されるから、生え際の毛髪が頭皮と略垂直に立ち上がってヘアスタイルのまとまり感が損なわれることがない。
)請求項に係る発明のヘアカット用補助具は、『前記サイドフレームは、前記側頭部の前方から耳部までの生え際に沿う前方部と、前記耳部の生え際の上昇に合わせて山型に形成される中間部と、前記耳部から後頭部までの生え際に沿う後方部とからなり、
前記前方部には、前端部から下方に前記可動フレームを支持するための支持部が延設されており、
前記中間部は、前記耳部の生え際の形状よりも大きく前記頭頂部側に突出する山型に形成されている』ことを特徴とする。
これによれば、前記支持部により前記可動フレームのフレーム本体への装着可能な範囲が広がるから、頭部をより様々な態様にブロック分けすることができると共に、前記可動フレームの装着状態が安定する。
また、耳部に位置する前記中間部が、他の部分よりも生え際より頭頂部側に位置していることにより、耳部に毛先がかかって左右前後に跳ねやすい前記耳部上方の毛髪の切り過ぎを防止できるから、前記耳部上方の毛髪が跳ねたり、アウトラインが乱れたりすることがなく、自然にまとまり感のあるヘアスタイルに仕上げることができる。
)請求項に係る発明のヘアカット用補助具は、『前記バックフレームには、前記サイドフレームから首部に沿って形成される延長フレームが伸縮自在に取付けられており、
前記延長フレームには、前記可動フレームを傾斜角度調節自在に保持する保持部が設けられている』ことを特徴とする。
これによれば、前記延長フレームに取付けた前記可動フレームに沿って毛先をカットすることにより、容易に左右の毛髪を同じ長さに切り揃えることができる。
また、前記可動フレームの前後方向の傾斜角度を調節し、前記可動フレームに沿って毛先をカットすることにより、所定の角度に傾斜したボブカットの毛先のラインを容易に創り上げることができる。
)請求項に係る発明のヘアカット用補助具は、『前記サイドフレームには、前記可動フレームを保持するスライド自在な保持具と、前記保持具の位置を示すための目盛りが設けられている』ことを特徴とする。
これによれば、前記保持具により前記可動フレームがしっかりと保持されるから、前記可動フレームを自身の弾性によって前記フレーム本体に外嵌させる構成のもののように、ヘアカット中に前記可動フレームにハサミや指先が当たることで前記可動フレームの装着位置がズレることを防止することができる。
また、前記可動フレームの装着位置が、前記サイドフレームに設けられた目盛りと保持具のスライド位置との関係により数値化できるから、前記可動フレームの装着位置を明確に表現することができる。このように前記可動フレームの装着位置を数値データ化すことによって、前記数値データを元に同じヘアスタイルを容易に再現することができる。また、ヘアスタイルの数値データ化することにより、ヘアカット方法を曖昧な表現を用いることなく明確に他人に教授することができる。
)請求項に係る発明のヘアカット方法は、『前記可動フレームの装着する位置を変化させて、前記フレーム本体と可動フレームによって分割されるブロックの位置や形状などを調整しながら、ブロック毎に頭皮に生えている毛髪を前記ヘアカット用補助具の外側に引出してカットする』ことを特徴とする。
これによれば、前記ヘアカット用補助具によって分割されたブロックから毛髪を前記ヘアカット用補助具の外側に引出すことにより、前記ヘアカット用補助具の各フレームによって毛髪がブロック分けされ、毛髪を指先やヘアクリップで分割状態に保持する必要がないから、ヘアカット中にカット道具や櫛などを把持した状態で毛髪を保持する必要がない。
また、カット対象となっている一つのブロックのみの毛髪を引出してカットする場合には、カット対象のブロック以外の毛髪は前記ヘアカット用補助具の内側において頭皮に密着した状態に維持される。そのため、カット対象以外のブロックの毛髪を間違ってカットしてしまうことが防止される。
また、毛髪を頭頂部側から首部側に順番にカットすることができるから、ヘアカット中にヘアスタイルの仕上がり具合を確認できるから、イメージ通りのヘアスタイルに仕上げることができる。
)請求項に係る発明のヘアカット方法は、『前記可動フレームを前記延長フレームに装着させ、前後方向の傾斜角度を調整し、前記可動フレームに沿って毛髪の先端部をカットする』ことを特徴とする。
これによれば、前記可動フレームに沿ってカットすることにより、容易に左右の毛髪の長さを揃えることができる。また、傾斜した毛先のラインが特徴的なボブカットを容易に且つ美しく創り上げることができる。
)請求項に係る発明のヘアカット方法は、『前記取出された毛髪を1つ又は複数の毛束にまとめ、前記毛束を各ブロックの頭皮に対して略垂直となる姿勢に伸張し、所定の長さ位置において前記頭皮と略平行にカットする』ことを特徴とする。
これによれば、取出した毛束を前記頭皮に対して略垂直に伸張してカットすることにより、各毛束を同じの長さにカットすることができるから、毛束が頭部に沿ってきれいに重なり合うまとまり感のあるヘアスタイルに仕上げることができる。
)請求項に係る発明のヘアスタイルのデータ化方法は、『前記ヘアカット用補助具を頭部に装着させ、前記可動フレームの装着位置を変化させながら各装着位置における前記可動フレームの上下方向の高さ位置及び前後方向の傾斜角度を前記保持具が位置する目盛りによって数値化し、
前記可動フレームの各装着位置において分割されるブロックにそれぞれ番号又は記号を付し、各ブロックに生えている毛髪を前記ヘアカット用補助具の外側に引出し、前記毛髪を頭皮に対して略垂直に保持させた状態における前記頭皮からの毛髪の先端までの距離によって各ブロックの毛髪の長さを数値化する』ことを特徴とする。
これによれば、従来、曖昧な表現で説明されていたヘアスタイルを数値データにより明確に表現することできる。これにより、ヘアスタイルの数値データとヘアカット用補助具とを用いることにより、目標のヘアスタイルを誰にでも容易に再現することができる。また、ヘアスタイルのカット方法を容易に他人に教授することができる。
請求項に係る発明によれば、本発明のヘアカット用補助具をカット対象者の頭部に装着させることにより、頭部の毛髪を物理的に複数のブロックに分割させてブロック単位で毛髪をカットすることができると共に、前記可動フレームの装着位置を変化させ、目標のヘアスタイルに合わせて各ブロックを調整することができるから、ヘアスタイルに合わせて適切に頭部の毛髪をブロックに分割したり、前記ブロックを調整する技術を有しない入門者や初級者であっても、容易に目標のヘアスタイルに仕上げることができる。
前記サイドフレームを生え際より頭頂部側に位置させることにより、生え際のラインを見極めることができない入門者や初級者が誤って生え際の毛髪を切り過ぎることが防止されるから、生え際のラインに特に注意を払わなくても、自然にまとまり感のあるヘアスタイルに仕上げることができる。
これより、ヘアカット用補助具を用いることで、ヘアカット技術の入門者や初級者も、上級者と同じように美しいヘアスタイルを容易に創り上げることができる。例えば、美容師の入門者や初級者あるいは素人等のように熟練した美容師でなくても、ボブやレイヤー等の所望のヘアスタイルを容易に創り上げることができる。
また、前記フレーム本体は、ヘアカット開始時に装着させると終了時まで取り外す必要がなく、ヘアカット中は前記カット対象者の頭皮に直に接触しない前記可動フレームの装着位置を変化させるだけであるから、カット対象者に負担を与えたり、不快な思いをさせることなくヘアカットを行うことができる。
請求項に係る発明によれば、サイドフレームの前方部に支持部を延設したことにより、頭部をより様々な態様にブロック分けできるから、より多くのヘアスタイルを創り上げることができる。また、可動フレームの装着状態が安定するからヘアカット中に装着位置がズレにくい。
サイドフレームの中間部を大きく前記頭頂部側に突出する形状にしたことにより、ヘアカット経験や技術の少ない入門者や初級者がカットする場合にも、耳部上方の毛髪が跳ねたり、アウトラインが乱れたりすることがなく、自然にまとまり感のある美しいヘアスタイルに仕上げることができる。
請求項に係る発明によれば、バックフレームに伸縮自在な延長フレームを取付けたことにより、可動フレームに沿ってカットするだけで容易に左右の毛髪を同じ長さに揃えることができるから、目測によって長さを合わせる場合よりも簡単であり且つ確実である。
また、前記可動フレームの傾斜角度を調節してカットするだけで、所定の角度に傾斜したボブカットの毛先のラインを容易に創り上げることができるから、入門者や初級者にもどのような傾斜を有するボブカットでも自在に創り出すことができる。
請求項に係る発明によれば、サイドフレームにスライド自在な保持具と目盛りを設けたことにより、ヘアカット中に可動フレームの装着位置がズレることを防止できるから、安定してヘアカットを行うことができる。
前記可動フレームの装着位置を保持具と目盛りによって数値化できることにより、数値データを元にしてヘアスタイルを容易に再現できるから、ヘアカット技術の入門者や初級者だけでなく、素人にもヘアスタイルを創り上げることが可能である。また、ヘアスタイルの数値データによってヘアカット方法を明確に表現できるから、頭部モデルやカットモデルを用いて実際にカットしながら教授しなくても、テキストや写真などによって容易に且つ確実にヘアスタイルのカット方法を教授することができる。
請求項に係る発明によれば、請求項1〜4のいずれかに記載のヘアカット用補助具を用いることにより、上述の請求項1〜4で説明したように、ヘアカット技術が未熟な入門者や初級者にも容易に目標のヘアスタイルを創り上げることができる。
ヘアカット中にカット道具や櫛などを把持した状態で毛髪を保持する必要がないため、指先に複数の道具や毛髪を把持することに慣れていない入門者や初級者にも容易にブロック単位のカットを行うことができる。
また、1ブロックずつ毛髪を引出してカットすることにより、カット対象以外のブロックの毛髪を間違ってカットすることが防止されるから、ハサミや剃刀の取扱いに慣れていない入門者や初級者にも失敗なくヘアカットを行うことができる。
毛髪を頭頂部側から首部側に順番にカットすることにより、ヘアスタイルがイメージ通りに仕上がっているかどうかを確認しながら毛髪をカットできるから、経験の少ない入門者や初級者が仕上がりに不安を感じることなくヘアカットを行うことができる。
請求項に係る発明によれば、延長フレームに装着させた可動フレームに沿って毛髪の先端部をカットすることにより、左右の毛髪の長さの目測によって見極める技術を有しない入門者や初級者であっても、容易に左右の毛髪の長さを揃えることができる。また、同様にして、毛先のラインの傾斜が最大ポイントであり且つ高度な技術を要するボブカットも容易に且つ美しく創り上げることができる。
請求項に係る発明によれば、毛束を頭皮に対して略垂直に伸張して前記頭皮と略平行にカットすることにより、各毛束が同じの長さに均一にカットされ、まとまり感のあるヘアスタイルに仕上げることができるから、毛束の重なり具合を見極めながらカット量や長さを調節できる技術を有しない入門者や初級者であっても、上級者と同じように美しいヘアスタイルを創り上げることができる。
請求項に係る発明によれば、ヘアカット用補助具によってヘアスタイルを数値データ化することにより、ヘアスタイルの数値データとヘアカット用補助具とを用いて誰にでも容易に目標のヘアスタイルを再現できるから、雑誌やヘアカタログにヘアスタイルと共にその数値データを掲載することにより、ヘアカット技術を有するものだけでなく素人にも容易に目標のヘアスタイルを創り上げることができる。また、同様にして、ヘアスタイルのカット方法の他人への教授も容易である。


<ヘアカット方法の基本>
最初に、本発明によるヘアカット方法の基本を、図1〜図4に基づいて説明する。
まず、図1(a)〜(c)に示すように、頭部Hにおける毛髪の裾の生え際に沿った生え際ゾーンA10よりも上の部分を、9箇所の面割ブロックA1〜A9に分割する。すなわち、頭部Hを、天辺の中心極点Pから放射状に伸ばした5本の縦ラインL(1)〜L(5)により面割して前頭部ブロックA1、左右の側頭部ブロック(A2及びA6、A3及びA7)および左右に略2等分した左右の後頭部ブロック(A4及びA8、A5及びA9)に分割すると共に、そのうち、左右の側頭部ブロック(A2及びA6、A3及びA7)および左右の後頭部ブロック(A4及びA8、A5及びA9)を横ラインL(6)によりさらに面割して上下に略2等分に分割し、計9箇所の面割ブロックA1〜A9を形成する。このようにして、頭部Hを、前頭部ブロックA1、左上側頭部ブロックA2、右上側頭部ブロックA3、左上後頭部ブロックA4、右上後頭部ブロックA5、左下側頭部ブロックA6、右下側頭部ブロックA7、左下後頭部ブロックA8および右下後頭部ブロックA9の面割ブロックと、生え際ゾーンA10との10箇所に分割する。
次に、図2(a)(b)に示すように、上記9箇所の各面割ブロックA1〜A9においては、毛髪の根元付近をクリップY1で左右から挟んで固定して縦長に偏平させた毛束HRを形成する。さらに、各毛束HRには、そのカットラインCL近傍の内側にクリップY2を留めて固定する。ここで、上記カットラインCLは、毛束HRの所定長さ位置においてその毛束HRの面割ブロックA1〜A9における上下方向の頭皮ラインHLと略平行なラインである。
また、図3(a)(b)に示すように、上記生え際ゾーンA10においては、その毛髪を幾つかの束に分けて、それぞれの根元付近をクリップY1で上下から挟んで固定して、横長に偏平させた毛束HR(F),HR(S)を複数形成する。例えば、前頭部、側頭部、後頭部の各部分毎に1又は複数のクリップを留めて複数の毛束とする。なお、図3に示すものでは、前頭部の3箇所、側頭部の2箇所、後頭部の1箇所の部分毎にクリップを留めて複数の毛束HR(F),HR(S)を形成している。さらに、これらの各毛束HR(F),HR(S)にも、所定長さ位置での所望のスタイリングカットラインSCL近傍の内側にクリップY2を留めて固定する。このスタイリングカットラインSCLとは、所望のヘアスタイルイメージに合致した毛髪のアウトラインである。
次に、上記9箇所の各面割ブロックA1〜A9においては、各毛束HRを所定長さ位置でその面割ブロックA1〜A9における上下方向の頭皮ラインHLに略平行に沿ってカットする。一方、上記生え際ゾーンA10においては、各毛束HR(F),HR(S)を所定長さ位置で所望のヘアスタイルイメージに応じたスタイリングカットラインSCLに沿ってカットする。このとき、毛束をカットする道具としては、一般的な散髪用ハサミを使用してもよいし、実用新案登録第3098134号の「ヘアカッター」を使用してもよいし、また、カミソリやバリカン等を使用してもよく、その他毛髪をカット可能な種々の道具を使用してもよい。
このようにして、面割ブロックA1〜A9と生え際ゾーンA10のすべての毛束HR,HR(F),HR(S)をカットすれば、毛髪のカットが完了する。
以上のように、上記ヘアカット方法によれば、頭部Hを上記9箇所の面割ブロックA1〜A9に分割し、各面割ブロックA1〜A9単位でヘアカットを行うので、カットする毛髪の位置が簡単に把握できる。また、カットする毛束HRの根元付近をクリップY1で固定することで、各面割ブロックA1〜A9の毛束HRを予定のカットラインCL通りに容易にカットすることができる。しかも、面割ブロックA1〜A9毎に毛束HRを上下方向の頭皮ラインHLに略平行に沿ってカットするので、毛束HRが頭部Hに沿ってきれいに重なり合ってまとまり感のあるヘアスタイルに仕上げることができる。また、各毛束HRの毛先側には、カットラインCL近傍の内側にクリップY2を留めているので、このクリップY2により、カットラインCLが明確になり、しかもカットする際に毛束HRの毛髪がバラけることなく保持させることができから、円滑にカットすることができる。従って、美容師の入門者や初級者あるいは素人等のように熟練した美容師でなくても、簡単にまとまり感のあるヘアスタイルに仕上げることができる。
一方、生え際に沿った毛髪の毛先ラインが毛髪全体のアウトラインを構成するので、この生え際の毛髪のアウトラインがヘアスタイルイメージを決定することとなる。従って、毛髪の裾の生え際に沿った生え際ゾーンA10の毛髪におけるカットライン(スタイリングカットラインSCL)によってヘアスタイルを決めることができる。このことから、上記生え際ゾーンA10における毛束を所望のヘアスタイルイメージに応じたスタイリングカットラインSCLに沿ってカットすることで、イメージ通りのヘアスタイルに簡単に仕上げることができる。また、この生え際ゾーンA10においてカットする毛束HR(F),HR(S)の根元付近をクリップY1で固定することで、生え際ゾーンA10の毛髪を予定通りのスタイリングカットラインSCLに容易にカットすることができる。また、各毛束HR(F),HR(S)の毛先側には、スタイリングカットラインSCL近傍の内側にクリップY2を留めているので、このクリップY2により、スタイリングカットラインSCLが明確になり、しかもカットする際に毛束HR(F),HR(S)の毛髪がバラけることなく保持させることができから、円滑にカットすることができる。従って、美容師の入門者や初級者あるいは素人等のように熟練した美容師でなくても、ボブやレイヤー等の所望のヘアスタイルを容易に創り上げることができる。
なお、上記9箇所の各面割ブロックA1〜A9において毛束HRをとる際、図4(a)〜(c)に示すように、面割ブロックA1〜A9内を図示の点線の如く複数に分けて、1つの面割ブロックにおいて毛束を複数形成するようにしてもよい。この場合、1つの毛束の毛髪量が少なくなるので、カットを楽に行うことができ、カットラインCLに沿って失敗なくカットし易くなり、また、カミソリなどでも予定通りのカットラインCLに容易にカットすることができる。
また、上記生え際ゾーンA10において毛束HRをとる際、図4(c)に示す複数の三角ベースA10’毎に、毛髪の根元付近をクリップで左右から挟んで固定して、縦方向に向けた毛束を複数形成するようにしてもよい。この場合も、1つの毛束の毛髪量が少なくなるので、カットを楽に行うことができ、スタイリングカットラインSCLに沿って失敗なくカットし易くなる。
以下、本発明におけるヘアカット用補助具、このヘアカット用補助具を用いたヘアカット方法、このヘアカット用補助具を用いたヘアスタイルのデータ化方法について、説明する。
以下に、本発明実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
<ヘアカット用補助具>
本発明実施の形態の一例であるヘアカット用補助具1のフレーム本体10を図5に、可動フレーム5を図8に示している。
このものは、図5及び図6に示されるように、カット対象者の頭部Hの側頭部の前方から後頭部の生え際Lに沿って形成される左右一対の略M字状のサイドフレーム2と、前記サイドフレーム2の前端部相互を伸縮自在に連結するフロントフレーム4と、前記後頭部を左右に二等分するように前記サイドフレーム2の後端部から頭頂部近傍まで延設される帯状のバックフレーム3とからなるフレーム本体10と、前記頭部Hを左右から挟持する態様で前記フレーム本体10の前方又は後方から装着されるU字状の可動フレーム5とから構成されている。前記フレーム本体10及び可動フレーム5は、いずれも弾性を有する金属製の線材及び板材から形成されている。
前記サイドフレーム2は、前記側頭部の前方から耳部までの生え際Lに沿って後下がりに傾斜する前方部21と、緩やかに上昇する耳部の生え際Lよりも大きく頭頂部側に鋭角的に突出する山型に形成された中間部22と、前記耳部から後頭部までの生え際Lに沿って後下がりに傾斜する後方部23と、前記前方部21の前端から下方向に延設された直線状の支持部20とから構成されている。この例のものは、前記一対のサイドフレーム2は後端部において連続する一本の線材から形成されている。また、前記前方部21と後方部23は、ヘアカット用補助具1の装着時に毛髪の生え際Lから2〜3cmほど頭頂部側に位置するように設定されている。
前記中間部22の前側と前記支持部20には、図5及び図6に示されるように、所定の間隔で目盛り24が設けられていると共に、前記可動フレーム5を下方から保持するU字状の鉤部60を備えた保持具6,61がスライド自在に取付けられている。前記保持具6,61は、前記保持具6,61とサイドフレーム2との間に生じる摩擦によって停止状態に維持されており、前記可動フレーム5を保持させても前記保持具6,61は停止状態に維持される。また、ここでは図示しないが、前記支持部20及び中間部22は、数目盛り毎に異なる地色を有するように着色されている。
前記フロントフレーム4は、図5に示されるように、左側サイドフレーム2の前端部に連結される外筒部40と、右側サイドフレームの前端部に連結されると共に前記外筒部40に挿入自在な挿入部41と、前記外筒部40に設けられるネジ式の固定具42とから構成されている。前記フロントフレーム4は、カット対象者の頭部Hに前記保フレーム本体10を装着させるときに、前記固定具42を緩めて前記外筒部40から前記挿入部41を最大限に引出して前記サイドフレーム2相互の距離を最大にする。そして、前記サイドフレーム2が左右に開いたフレーム本体10を前記頭部Hに装着させて、前記外筒部40内に挿入部41を徐々に挿入していき、前記左右のサイドフレーム2が共に前記頭部Hの側頭部に接触する位置で前記固定具42のネジを締めることで、前記フロントフレーム4の長さを固定する。
前記バックフレーム3は、後頭部を左右に二等分するように前記サイドフレーム2の後端部から頭頂部まで前記頭部Hの形状に沿って円弧状に湾曲されている。また、前記バックフレーム3の下方には、首部Nに沿って形成された帯状の延長フレーム30をバックフレーム3に沿って伸縮自在に保持するスライド部材31が取付けらており、前記延長フレーム30の背面には、前記可動フレーム5を傾斜角度調節自在に保持する複数の略U字状の保持部62が前記延長フレーム30の伸縮方向に沿って所定の間隔を空けて設けられている。
前記可動フレーム5は、図8に示されるように、U字状に湾曲された金属製の線材であり、外力などによって容易に弾性変形されて自由端部相互の距離が変化されるようになっている。前記可動フレーム5は、創り上げるヘアスタイルに合わせて高さ位置や傾斜角度を変えて前記フレーム本体10に装着させるものであり、この例のものでは、前記可動フレーム5の装着位置は、前記サイドフレーム2にスライド自在に取付けられた4つの補助具6,61のスライド位置を調節することにより決定されている。
前記可動フレーム5を前記フレーム本体10に装着させることにより、図9〜図13に例示されるように、頭部Hを覆っている毛髪は物理的に複数のブロックに分割される。
<上記ヘアカット用補助具を用いたヘアカット方法>
次に、上記ヘアカット用補助具を用いて実際にヘアカットを行う方法について説明する。
前述した方法により櫛でよく梳かしたカット対象者の頭部Hに前記フレーム本体10を装着させた後、前記可動フレーム5の装着位置を創り上げようとするヘアスタイルに合わせて変化させながら、各装着位置において形成されるブロック毎に毛髪をカットする。
以下に、セミロングのシャギーカットを創り上げる場合の前記可動フレーム5の装着位置をいくつか例示をしながら、具体的なヘアカット方法について詳述する。
フロント及びサイドの毛髪をカットする場合には、前記可動フレーム5を装着しない状態若しくは、図9(a)(b)に示されるように前記可動フレーム5がサイドフレーム2の前方部21及び中間部22、後方部23と交差しないように装着させた状態で、前記フロントフレーム4と支持部20とによって囲まれるブロックFの範囲内に生えている毛髪を、図10に示されるように、ヘアカット用補助具1の外側に引出し、引出した毛髪を2〜3の毛束に分割して、各毛束が前記ブロックFの頭皮に略垂直となるように伸張させ、図10中破線で示すように、前記頭皮と略平行にカットする。ここで、図9に示されるように、前髪のラインに合わせて装着された前記可動フレーム5に沿ってカットすることにより、後下がりのラインを描くように前髪を仕上げることができる。
また、図9(b)において、前記サイドフレーム2の前方部21と中間部22によって囲まれるSL,SRについても、図11に示されるように、前記ヘアカット用補助具1の外側に毛髪を引出してカットする。
バックの毛髪をカットする場合には、図12(a)に示されるように、前記可動フレーム5を略水平に装着させた状態で、前記バックフレーム3と可動フレーム5とによって囲まれるブロックBL,BRの範囲内の毛髪を引出して、図12(c)に示されるように、前記頭皮に略平行にカットする。このとき、前記可動フレーム5に沿って毛髪を引出すことにより、自然に図12(b)中の破線で示される前記サイドフレーム2の延長線の後側に位置する毛髪を取出すことができる。
前記頭部Hの後頭部を上下方向に分割する前記可動フレーム5のループ部が、図14に示されるように、前記頭部Hの曲面に沿って回動するように前記保持具6,61の位置を徐々に移動させながら、図13(a)に示されるように、前記可動フレーム5の各装着位置において形成されるブロックBL',BR'の範囲内の毛髪を引出して、図13(c)に示されるように、前記頭皮と略平行にカットする。このとき、図12(c)において先にカットした毛髪も合わせて前記ヘアカット用補助具1の外側に引出されるが、前段階において既に所定の長さにカットされているから、図13(c)においてカットするときに再びカットされることはない。
この例のものでは、前記可動フレーム5の装着位置を4段階に変化させることにより、前記頭部Hを、図14に示されるように、頭頂部から前記サイドフレーム2の後端部までを5つのブロックB1〜B5に、前記サイドフレーム2から生え際Lを1つのブロックB6にそれぞれ分割して、ブロック単位で毛髪をカットしている。
上記カット方法によって前記頭部Hを覆う毛髪のアウトラインを完成させた後は、前記ヘアカット用補助具1を取り外して、前記首部Nにかかる毛先部分の長さを揃えたり、毛先部分に動きを付けるなどのカットを行うことによりシャギーカットを仕上げる。
上記のような構成であるから、この例のヘアカット用補助具1をカット対象者の頭部Hに装着させることにより、毛髪を複数のブロックF,SL,SR,BL,BRに分割できると共に、前記サイドフレーム2に取付けられた補助具6,61をスライドさせることにより、前記可動フレーム5の装着位置を自在に変化させて、様々なヘアスタイルに合わせて各ブロックF,SL,SR,BL,BRを調整することができるから、ヘアスタイルに合わせて頭部Hの毛髪を適切なブロックF,SL,SR,BL,BRに分割する技術を有しない入門者や初級者であっても、容易にヘアスタイルに仕上げることができる。
前記サイドフレーム2の前方部21及び後方部23を生え際Lより2〜3cm頭頂部側に位置させ、前記中間部22を生え際Lよりも大きく頭頂部側に突出する山型としたことにより、生え際Lを見極めることができない入門者や初級者が、誤って生え際Lや耳部上方の毛髪を切り過ぎること防止できるから、生え際Lに注意を払うことなく、自然にまとまり感のあるヘアスタイルに仕上げることができる。また、頭部Hの毛髪を頭頂部側から首部N側に順番にカットできるから、経験の少ない入門者や初級者が仕上がりに不安を感じることなくヘアカットを行うことができる。
前記サイドフレーム2に目盛り24と着色を施したことにより、前記可動フレーム5の装着位置を数値化できるから、この数値データを保存しておくことにより、同じヘアスタイルを容易に再現することができる。また、ヘアスタイルのカット方法の教授も容易である。
上記ヘアカット用補助具1を用いたヘアカット方法によれば、図9〜図13に示されるように、複数のブロックの1つから毛髪を外側に引出してカットすることにより、前記ヘアカット用補助具1の内側に位置するカット対象以外のブロックの毛髪を間違ってカットすることがないから、ハサミや剃刀の取扱いに慣れていない入門者や初級者も失敗することなく、ヘアカットを行うことができる。また、引出した毛髪を前記頭皮と略平行にカットすることにより、各毛束が同じの長さに均一にカットされるから、毛束の重なり具合を見極めながらカット量や長さを調節できる技術を有しない入門者や初級者であっても、上級者と同じように美しいヘアスタイルを創り上げることができる。
以上のことから、この例のヘアカット用補助具1を用いてヘアカットを行うことにより、ヘアカット技術の入門者や初級者も、上級者と同じように美しいヘアスタイルを容易に創り上げることができる。
図15には、この例のヘアカット用補助具1を用いてボブカットの傾斜した毛先のラインを創り上げる方法について示している。
ボブカットのサイドのラインをカットする場合には、前記バックフレーム3に伸縮自在に取付けられた前記延長フレーム30の長さを調節した後に、前記ボブカットの毛先の長さに合わせて、前記可動フレーム5を前記延長フレーム30の保持部62に保持させる。そして、前記保持部62を軸に前記可動フレーム5を回動させてボブカットの毛先のラインと同じ傾斜に調節し、前記可動フレーム5に沿って毛髪の先端部を斜めにカットする。
このカット方法によれば、前記可動フレーム5に沿ってカットするだけでよいから、左右の長さの目測によって見極める技術を有しない入門者や初級者であっても、左右の毛髪の長さを揃ったボブカットの毛先のラインを容易に且つ美しく創り上げることができる。
<上記ヘアカット用補助具を用いたヘアスタイルのデータ化方法>
次に、上記ヘアカット用補助具1を用いて完成されたヘアスタイルを数値データ化する方法について説明する。
完成されたヘアスタイルの頭部Hに前記ヘアカット用補助具1を装着させると、上述のヘアカットに用いる場合と同様に、前記フレーム本体10と前記可動フレーム5により前記頭部Hの毛髪を物理的に複数のブロックに分割することができる。また、同様に、前記可動フレーム5の装着位置を変化させることにより、各ブロックを調整することができる。
これより、前記可動フレーム5の各装着位置を前記補助具6,61のスライド位置の目盛りで数値化し、各装着位置において形成されるブロックにF,S,Bなどの記号を付け、前記ブロックF,S,Bの範囲内の毛髪を外側に引出し、前記頭皮に対して垂直となるように伸張した状態で前記頭皮から毛髪の先端までの距離を測定することで各ブロックの毛髪の長さを数値化することができる。
カット方法を示す図12を[装着状態1]として具体的に数値データを例示すると、[装着状態1] 後,補助具6:7,補助具61:1,ブロックBL,BR:8cmとなる。
これは、装着状態1は、前記可動フレーム5の装着位置は、前記補助具6を目盛り:7の位置に合わせ、前記補助具61を目盛り:1の位置とした状態で前記可動フレーム5を後方から保持させるものであり、この装着位置で後頭部に形成されるブロックBL,BRから引出した毛髪を前記頭皮から8cmの長さにカットしていることを表現している。
このようにして、この例のヘアカット用補助具を用いてヘアスタイルを数値データ化することにより、ヘアカット方法を明確に理解することができると共に、前記ヘアスタイルの数値データとヘアカット用補助具とによって、誰にでも容易にヘアスタイルを再現することができる。そのため、雑誌やヘアカタログにヘアスタイルと共にその数値データを掲載することにより、ヘアカット技術を有するものだけでなく、素人にも容易に掲載されたヘアスタイルを創り上げることができる。
また、ヘアスタイルの数値データによって頭部モデルやカットモデルを用いて実際にカットしながら教授しなくても、テキストや写真などによって容易に且つ確実にヘアスタイルのカット方法を教授することができる。
<その他>
本発明ヘアカット用補助具1及びこれを用いたヘアカット方法、並びに、ヘアスタイルのデータ化方法は、上記実施の形態に限られるものではない。
前述の例において、前記ヘアカット用補助具1のサイドフレーム2は、前記中間部22が耳部の生え際のラインLよりも上方に突出する鋭角的な山型に形成されているが、前記耳部の生え際のラインLに沿って緩やかな円弧状の山型に形成されるものであってもよい。
前述の例において、前記可動フレーム5を保持する保持具6,61は、前記支持部20と中間部22の前側のみに取付けられているが、前記前方部21やその他の部位に取付けるものであっても、前記サイドフレーム2の各部位に所定の間隔毎に予め複数の鉤部60が取付けられるものであってもよい。
また、前記保持具6,61は、前記サイドフレーム2と保持具6,61との間に生じる摩擦により前記サイドフレーム2に沿ってスライド自在に取付けられているが、前記サイドフレーム2の表面に長手方向に沿って形成される山型の係合部と、前記保持具6,61の係合部とが移動可能に噛合う構成としてもよい。このような構成としたものでは、ヘアカット中に前記可動フレーム5に力や負荷が加わる場合にも、前記保持具6,61が不用意に移動されて前記ブロックの位置や形状がズレることを防止できるから、安定してヘアカットを行うことができる。
前述の例において、前記ヘアカット用補助具1の各フレームは、いずれも金属製の線材又は板材から形成されているが、合成樹脂材から形成されるものであっても、金属と合成樹脂材との組合せによって形成するものであってもよい。また、前述の例のものでは、一本の可動フレーム5の装着位置を次々と変化させることで、頭皮を適当なブロックに分割しているが、前記フレーム本体10に複数の可動フレーム5を同時に装着させるものであってもよい。
前述の例のヘアカット方法は、前記ヘアカット用補助具1から1ブロックずつ毛髪を外側に引出してカットを行っているが、前記ヘアカット用補助具1を装着させ、はじめに分割された全てのブロックから毛髪をそれぞれ引出した後、ブロック単位で毛髪のカットを行ってもよい。
前述の例において、ヘアスタイルのデータ化方法は、完成されたヘアスタイルの頭部Hに前記ヘアカット用補助具1を装着させることにより、前記ヘアスタイルの各部の毛髪がどのようなにカットされているかを分析し、得られた数値に基づいてデータ化を図っているが、本発明のヘアカット用補助具1を装着した状態でヘアカットを行い、ヘアカットと同時進行で必要な各数値データを取ることにより、ヘアスタイルのデータ化を図ってもよい。この方法によれば、完成されたヘアスタイルを分析してデータ化する場合よりも、より確実なヘアスタイルのデータを得ることができる。
本発明の実施の形態によるヘアカット方法において、毛束をつくるため頭部の面割の仕方を示す模式図である。 頭部を面割した各面割ブロックの毛髪を毛束とした状態を示す模式図である。 頭部における毛髪の生え際ゾーンの毛髪を毛束とした状態を示す模式図である。 各面割ブロックおよび生え際ゾーンにおいて毛束をとる際の領域の他の例を示す模式図である。
本発明実施の形態にかかるヘアカット用補助具の要部を示す斜視図である。 ヘアカット用補助具の要部の頭部への装着状態を示す側面図である。 ヘアカット用補助具の要部の頭部への装着状態を示す背面図である。 ヘアカット用補助具の可動フレームを示す斜視図である。 (a)可動フレームを前方から装着させた状態を示す正面図である。(b) 可動フレームを前方から装着させた状態を示す側面図である。 図9の装着状態で前髪をカットするときの状態を示す説明図である。 図9の装着状態で側頭部の毛髪をカットするときの状態を示す説明図である。 可動フレームを後方から頭部上方に装着させた状態を示す(a)側面図、(b)背面図、(c)後頭部の毛髪をカットするときの状態を示す説明図である。 可動フレームを後方から頭部下方に装着させた状態を示す(a)側面図、(b)背面図、(c) 後頭部の毛髪をカットするときの状態を示す説明図である。 本発明のヘアカット用補助具を用いてヘアカットを行った場合のブロック単位のカット状態を示す説明図である。 可動フレームを延長フレームに装着させた状態を示す(a)側面図、(b)背面図、(c)毛髪の先端部をカットするときの状態を示す説明図である。
符号の説明
1 ヘアカット用補助具
2 サイドフレーム
3 バックフレーム
4 フロントフレーム
5 可動フレーム
6,61 保持具
10 フレーム本体
20 支持部
21 前方部
22 中間部
23 後方部
24 目盛り
30 延長フレーム
60 鉤部
62 保持部
A1〜A9 面割ブロック
A10 生え際ゾーン
CL カットライン
F,SL,SR,BL,BL',BR,BR',B1,B2,B3,B4,B5,B6 ブロック
L 生え際
L(1)〜L(5) 縦ライン
L(6) 横ライン
H 頭部
HL 頭皮ライン
HR 毛束
N 首部
P 中心極点
SCL スタイリングカットライン
Y1,Y2 クリップ


Claims (8)

  1. ヘアカットのときにカット対象者の頭部に装着させるヘアカット用補助具であって、
    前記頭部の側頭部の前方から後頭部にかけて毛髪の生え際に沿うように形成される左右一対のサイドフレームと、前記一対のサイドフレームの前端部相互を伸縮自在に連結するフロントフレームと、前記サイドフレームの後端部から前記後頭部を左右に二等分するように頭頂部近傍まで延設されるバックフレームとからなるフレーム本体と、
    前記頭部を左右から挟持する態様で前記フレーム本体に装着されるU字状の可動フレームとから構成されており、
    前記サイドフレーム及びフロントフレームは、前記フレーム本体を前記頭部に装着させたときに、前記生え際よりも頭頂部側に位置するように設定されており、
    前記可動フレームは、上下方向の高さ位置及び前後方向の傾斜角度を自由に調節し得るように前記フレーム本体に装着されることを特徴とするヘアカット用補助具。
  2. 請求項1に記載のヘアカット用補助具において、
    前記サイドフレームは、前記側頭部の前方から耳部までの生え際に沿う前方部と、前記耳部の生え際の上昇に合わせて山型に形成される中間部と、前記耳部から後頭部までの生え際に沿う後方部とからなり、
    前記前方部には、前端部から下方に前記可動フレームを支持するための支持部が延設されており、
    前記中間部は、前記耳部の生え際の形状よりも大きく前記頭頂部側に突出する山型に形成されていることを特徴とするヘアカット用補助具。
  3. 請求項1又は2に記載のヘアカット用補助具において、
    前記バックフレームには、前記サイドフレームから首部に沿って形成される延長フレームが伸縮自在に取付けられており、
    前記延長フレームには、前記可動フレームを傾斜角度調節自在に保持する保持部が設けられていることを特徴とするヘアカット用補助具。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のヘアカット用補助具において、
    前記サイドフレームには、前記可動フレームを保持するスライド自在な保持具と、前記保持具の位置を示すための目盛りが設けられていることを特徴とするヘアカット用補助具。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のヘアカット用補助具を用いたヘアカット方法であって、
    前記可動フレームの装着する位置を変化させて、前記フレーム本体と可動フレームによって分割されるブロックの位置や形状などを調整しながら、ブロック毎に頭皮に生えている毛髪を前記ヘアカット用補助具の外側に引出してカットすることを特徴とするヘアカット方法。
  6. 請求項3に記載のヘアカット用補助具を用いたヘアカット方法であって、
    前記可動フレームを前記延長フレームに装着させ、前後方向の傾斜角度を調整し、前記可動フレームに沿って毛髪の先端部をカットすることを特徴とするヘアカット方法。
  7. 請求項5に記載のヘアカット用補助具を用いたヘアカット方法であって、
    前記取出された毛髪を1つ又は複数の毛束にまとめ、前記毛束を各ブロックの頭皮に対して略垂直となる姿勢に伸張し、所定の長さ位置において前記頭皮と略平行にカットすることを特徴とするヘアカット方法。
  8. 請求項4に記載のヘアカット用補助具を用いたヘアスタイルのデータ化方法であって、
    前記ヘアカット用補助具を頭部に装着させ、前記可動フレームの装着位置を変化させながら各装着位置における前記可動フレームの上下方向の高さ位置及び前後方向の傾斜角度を前記保持具が位置する目盛りによって数値化し、
    前記可動フレームの各装着位置において分割されるブロックにそれぞれ番号又は記号を付し、各ブロックに生えている毛髪を前記ヘアカット用補助具の外側に引出し、前記毛髪を頭皮に対して略垂直に保持させた状態における前記頭皮からの毛髪の先端までの距離によって各ブロックの毛髪の長さを数値化することを特徴とするヘアスタイルのデータ化方法。
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