JP2021037083A - カット手法を分析する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、分析対象者のヘアスタイルの正面写真、側面写真および背面写真を分析し、当該分析対象者に使用されているカット手法を分析する方法を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明は、分析対象者の写真、画像、イラスト、デッサンから、正面、側面および背面から観た自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定するステップ、次いで、分析対象セクションを複数のセクションの中から選択するステップ、次いで、前記選択したセクションに対して、前記推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルに基づき、セクションに適した少なくとも1つの分析項目の分析を行うステップ、次いで、前記分析項目の分析結果とカット手法に関する情報と紐づけすることで、前記選択されたセクションに対して採用されているカット手法を分析する方法とすることで課題を解決した。【選択図】 図1

Description

本発明は、分析対象者のヘアスタイルで採用されているカット手法を分析する方法に関する。
美容学校では、学生に複数の代表的なヘアスタイルにするのに使われるカット手法を教えている。しかしながら、無数にあるヘアスタイルの一部を教えているにすぎない。卒業後は、美容室に勤めながら先輩美容師から、様々なヘアスタイルにするためのカット手法を学びながら応用ができるようにスキルアップを図っている。
美容室では、顧客から「このようなヘアスタイルにして欲しい」と写真を渡されることがあるが、経験の浅い美容師にとってどのようなカット手法を施せばそのヘアスタイルにすることができるのかわからないことが多い。
ヘアスタイルをバング、トップセクションなどのセクションに分け、各々のセクションに対してどのようなカット手法を用いるかにより、ヘアスタイルは2億通りを超え、経験の浅い美容師や学生が写真通りのヘアスタイルにすることは簡単なことではない。
また、ヘアスタイルデザインロジックに基づいた体系的な学習法や分析方法はこれまで存在せず、美容師育成に時間がかかっていた。
特許文献1のように、展開図を用いて数値や符号でヘアデザインを設計する方法が提案されているが、顧客が持参する写真から展開図を作り上げる手法については何ら開示していない。また、カッティングについて特許文献1に記載はあるが、実際にどのようなヘアスタイルに対してどのようなカッティング手法を用いるのかについては全く記載がなく、作成された展開図どおりのヘアスタイルに仕上げることができるというだけのものであった。
また、写真から自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定して、分析を試みることも行われてこなかった。
ベテランの美容師は、過去に学んだ様々なヘアスタイルから経験的にカット手法を導き出しているだけであり、経験の浅い美容師にとってカット手法を写真から導き出すことは容易なことではなかった。
特開2004−209284号公報
本発明は、分析対象者のヘアスタイルの正面写真、側面写真および背面写真を分析し、当該分析対象者に使用されているカット手法分析方法を提供することを目的とする。
分析対象者の写真、画像、イラストまたはデッサンから、正面、側面および背面から観た自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定して分析を行うこと自体、これまで行われたことはなかった。
そこで、本発明は、分析対象者の写真、画像、イラストまたはデッサンから、正面、側面および背面から観た自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定する第1のステップ、次いで、分析対象セクションを複数のセクションの中から選択する第2のステップ、次いで、前記選択したセクションに対して、前記推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルに基づき
A アウトラインの形状または表情分析
B カットライン分析
C ボリューム位置またはボリュームライン分析
D シルエット形状または表情分析
E パート(分け目)の位置または有無分析
F セクションの幅または形状分析
G フェイスラインとセクション間の継がり方またはセクション間の継がり方分析
の中から、前記選択されたセクションに適した少なくとも1つの分析項目の分析を行い、分析結果を得る第3のステップ、次いで、前記分析結果から、カット手法に関する情報を導出する第4のステップによる、前記選択されたセクションに対して採用されているカット手法分析方法とすることで、課題を解決した。
本発明により、分析対象者の写真、イラストまたはデッサンから採用されているカット手法分析ができるようになった。
また、前記カット手法分析は体系化されているため、学生や経験の浅い美容師であっても容易にカット手法を分析できるようになった。
実施例1の正面写真を用いた予備分析方法で処理した分析対象者の正面写真 実施例1の側面写真を用いた予備分析方法で処理した分析対象者の側面写真 実施例1の背面写真を用いた予備分析方法で処理した分析対象者の背面写真 アウトライン分析における、耳上以下のバックサイドセクションおよびバックセンターセクションに対する説明図(A)背面から観た下側アウトラインの形状の説明図(B)バックのセクションの分け方の例およびセンターラインの位置の説明図(C)下側アウトライン外形の分類説明図 耳上からモミアゲにかけての下側アウトラインの形状分析の説明図 フェイスライン周りの下側アウトラインの形状分析の説明図 アウトライン分析における、コンケーブの開始位置分析及びコンケーブのカットライン分析の説明図 コンケーブのカット開始位置分析結果に基づく、パネルの取り出し開始位置の説明図 三分割した際のサイドミドルセクションの位置を示す説明図 二分割した際のサイドアンダーセクションの位置を示す説明図 前シルエット分析におけるカットライン分析および前シルエット分析における上下ステムの分析を示す説明図 トップセクションの分析における、トップセクションの領域を示す説明図 バックミドルセクションの分析における、上下ステム分析の説明図 側面写真を利用したバックミドルセクションの分析における、前後ステム分析の説明図 背面写真を利用した利用したバックミドルセクションの分析における、前後ステム分析の説明図 バックオーバーセクションの分析における、前後ステム分析の説明図 バックオーバーセクションの分析の上下ステム分析の分析結果から得られたステムの方向を説明する説明図 バックアンダーセクションの分析におけるカットライン分析の結果得られた、カットラインの方向を示す説明図 バックアンダーセクションの分析における前後ステム分析の説明図 バックアンダーサイドセクションの分析における下側アウトライン分析 バングセクションの分析におけるバング幅分析 バングセクションとサイドサクションの継がり分析の説明図(A)セクション図(B)推定された乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルにおける、バングセクションとサイドサクションの継がり部を表す図
<定義>
以下の定義は、明細書の理解を深めるために述べるものであって、一般的な美容用語の定義から外れるものではない。
(シルエット線)シルエット線とアウトラインは共にヘアスタイルの輪郭を意味し、同義である。本発明では、予備分析に際して写真にシルエット線を描くことから、外界または顔とヘアスタイル輪郭の境界となる輸郭線について強調したい場合はシルエット線という。
美容用語では、単にシルエット、シルエットラインなどともいう。
(アウトライン)シルエット線のようにヘアスタイル輪郭と外界との境界が明確な線もあるが、ヘアスタイルの輪郭は3次元であり、図2のイヤートゥ線やボリュームラインのように、ヘアスタイルの輪郭を構成するが2次元の写真からは外界との境界としては写っていない輪郭線もある。また、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルの裾など毛先がばらついて、明確なラインが取れない輪郭線もある。そのような輪郭線であることを強調したい場合はアウトラインという。ヘアスタイルの下側のライン(輪郭線)、ヘアスタイルの裾のアウトラインなどのように使う。
いずれにせよ、美容用語では、アウトラインとシルエット線は同義であり、本明細書でも、アウトラインとシルエット線を読み替えても記載内容が変わることはない。本明細書においては、説明を分かりやすくするために、ヘアスタイル輪郭と外界との境界を強調したい場合に、シルエット線という用語を使用する。
(パネル)パネルとはカットするための毛髪の束であり、板状に取り出されることからパネルと呼ばれる。
(スライス)カットするために、パネルを分けとること。床に対して垂直にパネルを取る縦スライス、床に対して水平にパネルを取る横スライス、斜めにスライスをとる斜めスライスなどがある。
(カットライン)カットして出来たパネルの切り口をカットラインという。レイヤー、グラデーション、ワンレングス、セイムなど、カットラインの角度によりヘアスタイルは様々に変わる。
(セクション)毛髪の生えた頭部をカットするために一定の範囲に分けた領域をいう。二つのセクションに分けて切る場合はツーセクションカット、三つ以上はスリーセクションカット、さらに細かく分ける場合はマルチセクションカットなどと呼ばれる。美容用語では、各セクションには、サイドクション、トップセクション、オーバーセクションミドルセクション、アンダーセクションなどと命名がなされており、各セクションは所定のカット手法を行うための単位領域となる。
本明細書では、下記「(本分析)」の「2 分析対象を前シルエットとするカット手法分析」のように、2分割にする場合と3分割にする場合に分けて分析を行う例示もある。このように、セクションをどの程度分割するかは、推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルから適宜決めることができるものであって、以下の実施例のセクション分けは、一例を示すに過ぎない。
(イヤートゥ線)イヤートゥイヤー線とも呼ばれ、本発明においては左右の耳5の先端と頭頂点aを通過する線をいう。
(ステム)ステムとは、パネルを取り出すときの角度を言いう。
頭皮に対して垂直に取り出すことをオンベースといい、基本となるパネルの取り出し方である。
上下ステムとは、パネルを上に持ち上げてパネルを取り出すことや、下に下げてパネルを取り出すことをいう。アップステムとは、パネルを頭皮に対して垂直な状態より上(天井側)に向けて取り出すことをいう。ダウンステムとは、パネルを頭皮に対して垂直な状態より下(床側)に向けて取り出すことをいう。
前後ステムの内、ステムを前に引くとは、頭皮に対して垂直な状態より前(顔側)に向けてパネルを取り出すことをいい、ステムを後ろに引くとは、頭皮に対して垂直な状態より後ろ(後頭部側)に向けてパネルを取り出すことをいう。
また、所定の領域、例えばサイドミドルセクションからパネルを取り出すとき、所定の厚さの複数のパネル(複数の板状の毛束)を取り出しカットすることになる。パネルをオンベースで複数取り出すと、パネルは頭皮の丸みに従い方向を次第に変えてゆく。例えば、縦スライス(床と垂直)にパネルを頭の外周に沿って1周取り出した時は、取り出された複数のパネルは頭を中心に放射状になる。一面でパネルを取り出すとは、パネル面の角度を決め、頭皮の丸みとは無関係にその角度のままパネルを取り出すことを言い、頭皮に沿って複数取り出されたパネルは、すべて同じ方向、すなわち、互いに平行に取り出される。
(分割面)分けられた個々のセクション面であって、各セクションを平面とした面をいう。例えば、バングセクションは、オデコより上の頭皮に沿って湾曲したセクションであるが、バングセクションの分割面というときは、バングセクションの境界を各々の辺とする平面をいう。
バングセクションにオンベースにパネルを水平方向に取った場合、パネルはバングセクションの頭皮に対して垂直にパネルが取られることになるから、やや扇形に開いたパネルになる。しかし、バングセクションの分割面に垂直にパネルを水平方向に取る場合は、平面としたバングセクション(分割面)から垂直にパネルが取られる。バングセクションの両端部も中央部も同じ方向に毛髪が取られるので、水平方向に方形の板状パネルとなる。
誤解のないように説明するが、パネルを垂直方向に取り、バングセクションの分割面に垂直にパネルを取るというときは、パネルは方形(分割面の両端すなわちパネルの両端が直角)の板状パネルとなる。
(頭頂点)頭蓋骨骨格の一番高い点、すなわち、正面から分析対象者を観たとき最も高い正中線上の点をいう。分析対象者が顔を傾けて撮影した正面写真などにおいては、頭蓋骨骨格の一番高い点と写真に写った分析対象者の頭の一番高い点は、ずれることがある。そのような正面写真においては、写真から頭蓋骨骨格の一番高い点を推定することになる。
(分析項目)本明細書でいう「分析項目」とは、分析する対象をいい、例えば、シルエット線の形状からカットラインが分析結果として得られる場合、分析項目は「シルエット形状または表情分析」となる。
本発明で行われる分析項目は
A アウトラインの形状または表情分析
B カットライン分析
C ボリューム位置またはボリュームライン分析
D シルエット形状または表情分析
E パート(分け目)の位置または有無分析
F セクションの幅または形状分析
G フェイスラインとセクション間の継がり方またはセクション間の継がり方分析
の7つの分析項目のいずれかである。
(カット手法)一般的なカットは、頭皮から毛髪を特定のスライスでパネルにして取り出し、特定の角度(ステム)で引いて、特定のカットライン(レイヤー、グラデーション、コンケーブ等)でカットするという、一連の動作を含む。
また、パート(分け目)もヘアスタイルの印象に大きな影響を与え、分け目を考慮してカットが行われる。
さらに、頭を複数のセクション(トップセクション、バックアンダーセクションなどの領域)に分け、それぞれのセクションから取り出したパネルに対して異なるカット手法を採用することで、多様なヘアスタイルが生まれる。
本発明でカット手法として導き出される
(A)スライス
(B)ステム
(C)グラデーション、セイム、レイヤー、スクエア、コンケーブ等のカットライン
(D)パート(分け目)
(E)セクションの分け方と幅
は、ヘアスタイルの外形、表情に大きな影響を与える要素である。
この他にも、カット手法には毛先のカット手法(セニング、シャギーなど)などもあり、上記(A)〜(E)のカット手法に加え、更なるカット手法と紐づけすることを妨げるものではない。
(ディスプレイ装置などの教示媒体)本発明でいう「教示媒体」とは、タブレット端末、スマートフォン、パソコンなどのディスプレイ装置などに加えて、紙媒体であってもよい。
<実施例>
アウトライン、前シルエット、後シルエットおよび内側シルエットを分析対象とする分析(以下、「本分析」という。)を開始する前に、分析対象者の正面写真、側面写真および背面写真について、予備分析をする。
パーマネントがかかっている写真においては、撮影された髪型そのものを分析するのではなく、パーマネントが解けて自然乾燥状態のナチュラルストレートとなったヘアスタイルを分析者が推定して、分析を開始する。
美容に携わる者であれば、パーマネントがかかっている写真からでも自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルとなったときのシルエット線のおおよその位置を容易に推定できる。
なお、実施例の以下の分析は、特に断りがなくとも、分析者により推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートとなったヘアスタイルを用いて行われる。
(予備分析)
1 正面写真を用いた予備分析方法
図1を参照されたい。
分析対象者の正面写真を用意し、耳5が毛髪で隠れている場合は、耳5を描く。耳5を描くことは必須ではないが、耳5の位置は前シルエット線3等を描く際に目安となるため、耳5を描くことが好ましい。
分析対象者の正面写真から、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定し、前記正面写真に次のように処理を行う。
ア 前シルエット線3を描く。前シルエット線3を描くに当たり、前シルエット線3が通過すると推定される耳5の横の位置に、耳横印bを描くと、前シルエット線3が正確に描ける。前シルエット線3は、耳の横を必ず通過するからである。顧客がカットの参考のために持ち込むモデル等の正面写真の中には、やや顔を傾けた正面写真であることがあり、前シルエット線3を正確に描くために、補助的に耳横印bを描いた方が正確に前シルエット線3を描ける。
なお、当然のことであるが、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルとなったときの前シルエット線3の推定するに当たり、頭蓋骨の内側に前シルエット線3が来ることはない。頭蓋骨を基準として自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルとなった時の毛の厚みが加えられた位置が前シルエット線3の位置となる。
イ 正中線1を描く。
正中線1は、顎の頂点、鼻の頂点、頭頂点aを通り後頭部に至る頭部を二分する顔の中心線である。頭頂点aは、正中線1上に存在するため、特に印をつける必要はないが、前述したように顧客がカットの参考のために持ち込む正面写真の中には、やや顔を傾けたものがある。頭頂点aに印を描いた方が、正中線1を正確に描け、分析が楽に進む。
ウ サイドの下側アウトラインの傾きにより、(ア)または(イ)の場合に分けて、レングス補助線2を描く。サイドの下側アウトラインの傾きが正面写真から明瞭に分からない場合は、側面写真を参照して、サイドの下側アウトラインの傾きを調べてもよい。
(ア) サイドの下側アウトラインが真っ直ぐまたは前上がりの場合は、目尻から正中線1と平行にレングス補助線2を描く。
図2に示す実施例1の分析対象者においては、サイドの下側アウトラインは、前上がりであり、レングス補助線2は、図1のようの目尻から描かれる。
(イ) サイドの下側アウトラインが前下がりの場合、頬骨外から正中線1と平行にレングス補助線2を描く。
エ 前記レングス補助線2と前記前シルエット線3の一番幅のある前記前シルエット線3上の位置を、前ボリューム位置Bとし、印を描く。
オ 前記前ボリューム位置Bを超えて髪の流れが内側に入り出し方向が安定したら、その方向のまま前記レングス補助線2を交わるまで直線を引き、その交点をイヤートゥレングス点Aとして印を描く。
以上の点や線は、後述する本分析に使用される。
2 側面写真を用いた予備分析方法
分析対象者の側面写真から、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定し、前記側面写真に次のような処理を行う。
ア 横シルエット線4を描く。
側面写真の顔が傾いており、正確な側面写真となっていないときには、補助的に頭頂点aに印をつけて、横シルエット線4を描く助けとしてもよい。
イ イヤートゥ線7を描く。
イヤートゥ線7は、上記定義でも述べたように、左右の耳5の先端と頭頂点aを通過する線をいう。耳5が毛に隠れているときは耳5を描く。また、頭頂点aを補助的に描くと、イヤートゥ線7を描くときの参考になる。
ウ 後ボリューム位置Cを描く
エ ボリュームライン9を描く。
当然のことながら、ボリュームライン9は、前ボリューム位置Bと後ボリューム位置Cを必ず通過する。ボリュームライン9の位置が分かりにくいときは、前シルエット予備分析方法で得た前ボリューム位置Bを参考にして、側面写真の相当位置に前ボリューム位置Bを付すとボリュームライン9を引きやすくなる。
なお、分析対象者のヘアスタイルによって、推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルにおけるボリューム位置(B、C)やボリュームライン9は大きく変わる。
3 背面写真を用いた後シルエット予備分析
分析対象者の背面写真から、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを想定し、前記背面写真に次のような処理を行う。
ア 後シルエット線8を描く。
正面写真や側面写真の予備分析方法と同様、背面写真の分析対象者が傾いて撮影されている等の場合には、頭頂点aを描くなどして、後シルエット線8を描く助けとしてもよい。
イ 後ボリューム位置Cを描く
後ろボリューム位置Cが分かりにくいときは、前記側面写真を用いた予備分析方法で得た後ボリューム位置Cを参考に描いてもよい。
ウ ボリュームライン9を描く
ボリュームライン9の位置が分かりにくいときは、前記正面写真を用いた予備分析方法で得た前ボリューム位置Bや前記側面写真を用いた予備分析方法で得た後ボリューム位置Cを参考に描いてもよい。
予備分析方法に使用する写真は、好ましくは分析対象者の正面写真、側面写真、背面写真のすべてがあるのが望ましいが、すべての方向の写真がない場合は、一部写真から分析を行うことも可能である。その場合、以下の本分析の一部の分析項目だけを分析する。
また、例えば正面写真しかない場合、正面写真から把握されるヘアスタイルに似合う、側面写真と背面写真に代わるイラストを描いて、以下の本分析のすべての分析項目を分析することも可能であり、これも本発明に含まれる。
さらに、写真を用いず、すべてイラストやデッサンであっても、本発明に含まれる。
写真、イラストまたはデッサンは紙媒体として存在する必要はなく、タブレット端末のようにディスプレイに表示された画像であってもよい。
(本分析)
(i)レイヤー、グラデーション、スクエア、セイムなどのカットライン
(ii)スライス
(iii)パネルを取り出す角度(ステム)
(iv)コンケーブなどの特殊なカット
(v)セクションの分け方
などの複数のカット手法に関する情報が組み合わされてカット手法が定まり、カットがなされる。
カット手法は、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルの形状に影響を与えるため、写真から推定されたナチュラルストレートのヘアスタイルを分析することで、どのようなカット手法が採用されているのか知ることが可能となる。
以上の予備分析が終了した後、本分析に移る。
本分析は、大きく分けて、アウトライン、前シルエット、後シルエットおよび内側シルエットを分析対象として、分析対象者の写真を分析する。
本分析は、分析対象者の写真から、如何なるカット手法が採用されているのかを導き出す分析手法である。導き出されたカット手法を用いれば、分析対象者のヘアスタイルを再現できる。
以下、分析対象であるアウトライン、前シルエット、後シルエットおよび内側シルエットについて、順に説明する。
以下の分析はすべて、分析対象者の写真から自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定して分析するものである。
1 分析対象をアウトラインとするカット手法分析
アウトラインの分析は、ヘアスタイルを次の(1)〜(4)のセクションに分けて分析を行う。
分析対象者のヘアスタイルの複雑さにより、セクションをさらに細かく分けてもよいし、ヘアスタイルが単純であればより大雑把にセクション分けすることも可能である。
(1)耳上以下のバックサイドセクションおよびバックセンターセクションに対するアウトライン分析
ア バックの下側アウトラインの形状、表情分析
図4(A)背面から観た下側アウトラインの形状の説明図である。
分析領域は、網掛で示した耳上以下のバックサイドおよびバックセンターであり、この領域から取り出したパネルに対してなされたカット手法を分析するものである。
分析対象は、背面写真から推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイル下側アウトラインの外形である。この分析項目は、本発明の「A アウトラインの形状または表情分析」に相当する分析項目である。なお、図4(A)のシルエット線は、説明のために簡略化したものである。
図4(C)に示すように、下側アウトラインの表情を分類する。
a)下側アウトライン外形がきれいに出ている
b)下側アウトライン外形がぼやけてラフに出ている
c)下側アウトラインに重み(インレイヤー)がある
という3つに分類する。
次いで、背面から観た下側アウトラインの形状を図4(A)の1)〜4)で示したように
1)ラウンド
2)前上がり
3)真っ直ぐ
4)前下がり
の4つに分類する。
この分析結果から、次のようなステムの角度に関するカット手法の情報を導出できる。
パネルを取るスライスは水平とし、
分析結果[1]:a)であって1)ラウンドまたは2)前上がりの場合、パネルを下に傾けて自然に落ちる位置でカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:a)であって3)真っ直ぐまたは4)前下がりの場合、パネルを下に傾けて一面でカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:b)であって3)真っ直ぐの場合、自然に落ちる位置から上にパネルを少し持ち上げてカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[4]:b)であって1)ラウンドまたは2)前上がりの場合、ステムを前に引いてカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[5]:b)であって4)前下がりの場合、ステムを後ろに引いてカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[6]:c)であって3)真っ直ぐの場合、ステムをはえ癖方向に引いてカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[7]:c)であって1)ラウンドまたは2)前上がりの場合、ステムをバックのセンターライン(図4参照)より後ろにオーバーダイレクションしてカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[8]:c)であって4)前下がりの場合、ステムをバックのセンターライン(図4参照)より前にオーバーダイレクションしてカットする手法が採用されていると分析される。
(2) サイドのアウトラインのカット手法分析(耳上、モミアゲからコメカミにかけて)
ア サイドの下側アウトラインの形状分析
図5は、耳上からモミアゲにかけての下側アウトライン分析の説明図である。
分析領域は、図5に示した網掛で示した領域であり、この領域から取り出したパネルに対するカット手法を分析する。分析対象は推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルにおいて、前記領域から生える毛髪の下端のアウトラインの形状である。
具体的には、図5に図示した分析対象アウトラインの外形について、図5において1)〜4)で示したように次の4つに分類する。
1)ラウンド
2)前上がり
3)真っ直ぐ
4)前下がり
次いで、網掛けで図示された分析領域について次の3つに分類する。
a)ラインがきれいに出ている
b)バックサイドとの継がり部10から生える毛髪にコンケーブの凹みがある
c)ラインがぼけていて、段差がある
この分析結果から、次のようなステムに関するカット手法の情報を導出できる。
分析結果[1]:a)の場合、パネルが自然に落ちる位置で、1)〜4)の下側アウトラインの形状分析結果の形状に合わせてカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:b)の場合、パネルが自然に落ちる位置から前に引いて、1)〜4)の下側アウトラインの形状分析結果の形状に合わせてカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:c)の場合、自然に落ちる位置から少し上に前後ステムを持ち上げて、1)〜4)の下側アウトラインの形状分析結果の形状に合わせてカットする手法が採用されていると分析される。
(3) フェイスラインのカット手法分析その1(モミアゲからコメカミまでのフロントコーナーにかけて)
ア フェイスライン周りの下側アウトラインの形状分析
フェイスラインとは、顔周りの髪の生え際をいう。
フェイスライン周りから生える毛髪が下に流れてできた下側アウトラインの横からの表情を分析対象とし、分析結果から次のようなステムに関するカット手法が導出される。この分析項目は、本発明の「A アウトラインの形状または表情分析」に相当する分析項目である。分析結果から、ステムに関するカット手法の情報が導出できる。
分析結果[1]:モミアゲからコメカミまでのフロントコーナーにかけて、フェイスライン周りから生える毛髪の下側アウトラインが真っ直ぐの場合(図6参照)、自然に落ちる位置でカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:モミアゲからコメカミまでのフロントコーナーにかけて、フェイスライン周りから生える毛髪の下側アウトラインに丸み、マイナスカーブ(中央部が上に盛り上がったカーブ)がある場合(図6の点線参照)、自然に落ちる位置から上にステムを少し持ち上げて(図6の一点鎖線参照)カットする手法が採用されていると分析される。
図6では、カット時にステムを少し持ち上げて図示された直線的なカットラインでカットし、毛髪を自然に落ちる位置に戻すと、マイナスカーブ(中央部が上に盛り上がったカーブ)になることが図示されている。
(4) フェイスラインのカット手法分析その2(イヤートゥ線からみつ襟にかけて)
以下の、3つの分析で構成される。
ア コンケーブの有無分析
分析対象は、イヤートゥ線からみつ襟にかけて、前から観た前ボリューム位置B下の下側アウトラインに凹みが有るか無である。コンケーブはカットラインの一種であり、この分析項目は、本発明の「B カットライン分析」に相当する分析項目である。図示はしないが、分析結果から、カットライン(コンケーブ)に関するカット手法の情報が得られる。
分析結果[1]:イヤートゥ線からみつ襟にかけての下側アウトラインにコンケーブがある場合、ステムを前に引き出してコンケーブを付けるカット手法が採用されていると分析される。コンケーブ(凹み)があることにより、前から観たとき、後ろの毛髪が見える度合いが増え、バックの毛髪の長さが強調されると共に、アウトラインやフェイスラインの毛先の軽さも強調されるようになる。
分析結果[2]:コンケーブがない場合、コンケーブを付けないでカットするカット手法が採用されていると分析される。
イ コンケーブのカット開始位置分析
分析領域は、図7に図示した網掛部になる。分析対象は、背面から観た下側アウトライン(バックアウトライン)になる。また、バックアウトラインの自然な流れの幅が狭いか広いかを分析対象とするが、その程度によりコンケーブのカット開始位置が決まることとなる。この分析項目は、本発明の「A アウトラインの形状または表情分析」に相当する分析項目である。分析結果からカットライン(コンケーブ)の開始位置に関係する、パネルの取り出し位置(スライス位置)に関するカット手法の情報が得られる。
バックアウトラインにコンケーブが付けられると、バックアウトラインにくびれができ、バックアウトラインの自然な流れが途絶することとなり、コンケーブの開始位置が特定できる。
分析結果[1]:バックアウトラインの自然な流れの幅が狭い場合、すなわち、図7のa)で示されているような幅の場合、パネルの引き出し開始位置をみつ襟位置14から引き出すものとし、ステムを前に引き出してカットするカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:バックアウトラインの自然な流れの幅が広い場合、すなわち、図7のb)で示されているような幅の場合、パネルの取り出し開始位置を耳の下から2/3位置15から取り出すものとし、ステムを前に引き出してカットするカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[1]と分析結果[2]は二者択一ではない。また、分析対象者における推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルによっては、分析結果幅[2]よりさらに幅が広いと分析される場合がある。そのような場合、パネルの取り出し開始位置をイヤートゥ線7から取り出すこともあり得る。バックアウトラインの自然な流れの幅が、狭いa)場合と幅が広い場合b)の中間の場合、その程度応じてパネルの取り出し開始位置をみつ襟位置14からイヤートゥ線7の間に決め、ステムを前に引き出してカットする。
図8を参照されたい。バックアウトラインの自然な流れの幅が狭い場合は、コメカミを起点してみつ襟までパネルを引き出す。バックアウトラインの自然な流れの幅が広がるにつれ、コメカミを起点として、耳下位置、耳2/3位置、耳1/2位置、耳2/3位置、頭頂点aを通るイヤートゥ線7位置まで次第にパネルの幅を狭める。
どのようにパネルを取り出すにせよ、カット時には前にステムを引き出してカットされる。
ウ コンケーブのカットライン分析
イヤートゥ線からみつ襟にかけてのバックアウトラインの傾斜角度を分析対象とする。この分析項目は、本発明の「A アウトラインの形状または表情分析」に相当する分析項目である。
図7には、幅が狭いa)の場合と幅が広いb)の双方について、傾斜角度が小さい場合を1)で示している。傾斜角度が小さい場合は1)として図示している。また、傾斜角度が大きい場合は2)として図示している。
分析結果から、次のようなカットラインに関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[3]:図7の1)のように傾斜角度が小さい場合、グラデーションにしたカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[4]:図7の2)のように傾斜角度が大きい場合、レイヤーにしたカット手法が採用されていると分析される。
なお、角度の程度により、グラデーションからレイヤーに徐々に変化させるようにする。
以上のように、カット開始位置に関する分析結果[1]または分析結果[2]とカットラインに関する分析結果[3]または分析結果[4]の組み合わせによりカット手法が決定される。
2 分析対象を前シルエットとするカット手法分析
まず、(1)セクショニング分析を行い前から観た全体のシルエット線の形状から図10のように「2分割」としてパネルを取り出しカットすべきか、図9のように「3分割」としてパネルを取り出しカットすべきかを分析する。この分析項目は、本発明の「F セクションの幅または形状分析」に相当する分析項目である。
3分割としてカットすべきと分析された場合は、(2)サイドミドルセクションの分析を行い、サイドミドルセクションの幅を決定する。
その後(3)サイドアンダーセクションの分析、(4)トップセクションの分析を行う。
(1)セクショニング分析
前から観た全体の前シルエット線3を分析対象とし、セクションを2分割して分析するか、セクションを3分割かを決定する。この分析項目は、本発明の「D シルエット形状または表情分析」に相当する分析項目である。そして、分析の結果、セクションの分け方と幅に関するカット手法の情報が得られる。
分析結果[1]:前ボリューム位置Bに幅があり(レングス補助線2から距離がある)、前シルエット線3のカーブがきつく、または、前シルエット線3に丸み、膨らみがあるときは2分割と決定し、2分割のセクショニングでパネルを引き出しカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:前ボリューム位置Bの幅が狭く(レングス補助線2から距離が少ない)、前シルエット線3のカーブが緩く、または、シルエット線に丸み、膨らみが少ないときは3分割と決定し、3分割のセクショニングでパネルを引き出しカットする手法が採用されていると分析される。
ただし、上記分析手法が、髪の厚みが薄かったり、髪が寝ていたり、髪が細かったりすると分析が難しくなる。
そのような場合には、代替え分析手段として、前ボリューム位置Bの直上の重さ軽さを分析する。
分析結果[3]:前ボリューム位置Bの直上に重みがあるときは、2分割のセクショニングでパネルを引き出しカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[4]:前リューム位置Bの直上に軽さがあるときは、3分割のセクショニングでパネルを引き出しカットする手法が採用されていると分析される。
(2)サイドミドルセクションの分析(3分割のみ)
3分割した際には、サイドミドルセクションの幅を決定するためにサイドミドルセクションの分析を行う。前ボリューム位置Bから上の前シルエット線3を2等分し、上1/2の前シルエット線3を分析対象とする。この分析項目は、本発明の「D シルエット形状または表情分析」に相当する分析項目である。分析結果から、セクションの幅に関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:前ボリューム位置Bから上1/2の前シルエット線3に丸みがある場合、サイドミドルセクションの幅を狭くして、サイドミドルセクションからパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
なお、この領域に丸みがあるとは、結局、前ボリューム位置Bに幅(レングス補助線2から距離)があることで前シルエット線3のカーブがきつくなり、前シルエットに膨らみがもたらされることを意味する。
分析結果[2]:前ボリューム位置Bから上1/2の前シルエット線3に丸みがない場合、サイドミドルセクションの幅を広くして、サイドミドルセクションからパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
なお、この領域に丸みがないとは、結局、前ボリューム位置Bの幅(レングス補助線2から距離)がなく薄いため、前シルエット線3のカーブは緩く、膨らみが少ないことを意味する。
(3) サイドアンダーセクションの分析
サイドアンダーセクションの分析は、分析対象者の写真から推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルの前ボリューム位置Bを中心に分析を行う。図10の網掛をした領域から生えた毛髪に対して、採用されているカット手法を分析するものである。
ア カットライン分析
図11は、前シルエット分析におけるカットライン分析を示す説明図である。前ボリューム位置Bを分類することから分析は始まるが、ワンレングスの場合、そのカットラインの特性上、前ボリューム位置Bは下側アウトライン付近になり位置が明確でなくなる。また、他のカット手法においては、ヘアスタイル(シルエット線)の一番膨らんだ位置が前ボリューム位置Bとなる。イヤートゥレングス点Aも、ヘアスタイルが異なれば様々に変わる。しかしながら、説明のためイヤートゥレングス点Aの位置は、図11では、すべて髪の最下点としている。
分析対象は前から観た前ボリューム位置B(図中〇印で示されている)、前から観たヘアスタイルの最高点12およびイヤートゥレングス点Aの位置関係である。
前記最高点12の高さ位置とイヤートゥレングス点Aの高さ位置を結んだ垂直線に対して前ボリューム位置Bがどこにあるかを分析する。
分析結果から、カットラインに関するカット手法の情報が導出できる。
前ボリューム位置Bについて、次のように分析できる。この分析項目は、本発明の「C ボリューム位置またはボリュームライン分析」に相当する分析項目である。
分析結果[1]:前ボリューム位置Bが、イヤートゥレングス点A付近にあり、つまり前から観たヘアスタイルの下側アウトライン付近にある場合、1)ワンレングスのカット手法が採用されていると分析される。(図11の「1)」で示したライン参照)
分析結果[2]:前ボリューム位置Bが、イヤートゥレングス点Aより上にあるが、垂直線の中央位置13により下にある場合、2)グラデーションのカット手法が採用されていると分析される。(図11の「2)」で示したライン参照)
分析結果[3]:前ボリューム位置Bが、垂直線の中央位置13に前ボリューム位置Bがあるとき、3)セイムのカット手法が採用されていると分析される。(図11の「3)」で示したライン参照)
分析結果[4]:前ボリューム位置Bが、垂直線の中央位置13より実寸(写真ではなく実際の分析対象者)で数センチ上にある場合(髪が長くなるほど長くなる。例えば、髪が非常に長いときは3センチ程度になることがある。ヘアスタイルがショートヘアのときは、1センチ程度になる。)、4)スクエア−のカット手法が採用されていると分析される。(図11の「4)」で示したライン参照)
分析結果[5]:前ボリューム位置Bが、分析結果4よりさらに上にある場合、5)レイヤーのカット手法が採用されていると分析される。(図11の「5)」で示したライン参照)
なお、分析結果3と分析結果4の区別は数センチを判別するので判断が難しいことがある。なぜならば、分析対象となる写真は小さいし、場合によっては分析対象者が顔を傾けていることもあるから、中央位置13と実寸で数センチの違いを判断することが難しいからである。
分析手法として、判断の参考として次の事項を加えて判断を下してもよい。
分析結果[3]の判断の参考として、前ボリューム位置B下付近の前シルエット線3に丸みがある場合は、分析結果[3]である可能性が高い。
分析結果[4]の判断の参考として、前ボリューム位置B下付近の前シルエット線3が直線的である場合は、分析結果[4]である可能性が高い。
イ 上下ステム分析
図11の、前ボリューム位置B下の前シルエット線3を分析対象とする。この分析により、パネルをどの角度で頭皮から取り出しているのか、すなわち上下ステムに関するカット手法の情報を導出できる。この分析項目は、本発明の「D シルエット形状または表情分析」に相当する分析項目である。
なお、パネルをとるスライスは、下記の「エ スライス分析」で決定される。
分析結果[1]:前ボリューム位置B下の前シルエット線3に、丸みがなく直線的シルエット線となっている場合、床に平行にパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:前ボリューム位置B下の前シルエット線3に、丸みがあり、前ボリューム位置Bが中央寄りにある場合、頭皮に対して垂直にパネルを取り出す(オンベース)カット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:前ボリューム位置B下の前シルエット線3に、丸みがあり、前ボリューム位置Bが下側アウトラインよりにある場合、頭皮に対して60°〜0°のダウンステムでパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
ウ 前後ステム分析
図2を参照されたい。分析対象者の写真から推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルにおいて、サイドの下側アウトラインを分析対象とする。
この分析により、ステムの前後方向の傾き、すなわち、パネルを前(顔側)に傾けて取り出しているのか、あるいは、後ろ(後頭部側)に傾けて取り出しているのか等の前後ステムに関するカット手法の情報が導出される。この分析項目は、「A アウトラインの形状または表情分析」に相当する分析項目である。
具体的には、図2のような側面写真を用いて、サイド下側アウトラインの方向を以下のように分析できる。
なお、パネルをとるスライスは、下記の「エ スライス分析」で決定される。
分析結果[1]:サイドの下側アウトラインが真っ直ぐまたはラウンドの場合、オンベース(頭皮に対して垂直に)でパネルを取り出しカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:サイドの下側アウトラインが前上がりの場合、パネルを前に引いてカットする手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:サイドの下側アウトラインが前下がりの場合、パネルを後ろに引いてカットする手法が採用されていると分析される。
また、サイドの下側アウトライン上に段がある場合、上記分析結果カット手法に加えて、段と下側アウトラインが平行になるようにカットするのが一般的であり、好ましい。
エ スライス分析
裾とは、前シルエット線3の下部をいい、図11に示す領域のシルエット線である。
図11を参照されたい。スライスの分析対象は裾の前シルエット線3であり、次のように分析できる。この分析項目は、本発明の「D シルエット形状または表情分析」に相当する分析項目である。分析結果から、パネルを取り出すスライスの方向に関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:裾の前シルエット線3がシャープ(直線的)な場合、縦スライスでパネルを取り出しているカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:裾の前シルエット線3が滑らかな場合、斜めスライスでパネルを取り出しているカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:裾の前シルエット線3に丸みがある場合、横スライスでパネルを取り出しているカット手法が採用されていると分析される。
(4)トップセクションの分析
図12を参照されたい。トップセクションの分析は、分析対象者の写真から推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルの前から観たトップセクションの前シルエット線3を中心に分析を行う。図12の網掛をした領域から生えた毛髪に対して、採用されているカット手法を分析するものである。
ア カットライン分析
トップセクションの前シルエット線3を分析対象とし、次のように分析する。この分析項目は、本発明の「D シルエット形状または表情分析」に相当する分析項目である。分析結果から、カットラインに関するカット手法の情報が導出される。
図11を参照されたい。
分析結果[1]:前ボリューム位置Bから垂直に前シルエット線3が伸び、トップセクションに向かって丸みがある場合、カットラインとしてグラデーション又はセイムが採用されていると分析される。
分析結果[2]:前ボリューム位置Bから直線的に内側に入り、トップセクションに向かって急激に曲がって丸みなく頭頂点に至る(前ボリューム位置上が台形のような形状)場合、カットラインとしてスクエアが採用されていると分析される。
分析結果[3]:前ボリューム位置Bから直線的に内側に入り、トップセクションにおいては、丸みがあるシルエット線3の場合、カットラインとしてレイヤーが採用されていると分析される。
イ 前後ステム
推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルにおいて、バングセクションから生えた毛髪と左右のバングサイドの継がり部を分析対象とする。この分析は「G フェイスラインとセクション間の継がり方またはセクション間の継がり方分析」に相当する分析項目である。
継がり部は、目尻上中央部の表情、質感に影響を及ぼす。次のように分析される。分析結果から、前後ステムに関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:トップからバングに向けて、継がり部の形が顔側に向けて狭くなっていない場合、一面(床と垂直)またはステムを後ろに引くカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:トップからバングに向けて、継がり部の形が顔側に向けて狭くなっている場合、ステムをオンベースまたは前に引くカット手法が採用されていると分析される。
なお、スライスは「(3) サイドアンダーセクションの分析」「エ スライス分析」の結果に合わせる。
3 分析対象を側面写真または背面写真とするカット手法分析
分析に使用する写真は側面写真または背面写真である。
(1)バックミドルセクションの分析
バックミドルセクションは、図13の網掛け部分に相当する。バックミドルセクションからパネルを取り出した際に、どのようなカット手法が採用されているかを分析する。
ア カットライン分析
バックミドルセクションは、サイドセクションと継がっているため、前記「2 分析対象を前シルエットとするカット手法分析」「(3) サイドアンダーセクションの分析」「ア カットライン分析」で分析したカットラインを、そのままバックミドルセクションのカットラインの分析結果をして採用する。なお、イヤートゥ線(サイドセクションとの境界)において段差等ができないようにするため、カットラインが連続するようにカットラインを決める。この分析項目は、本発明の「G フェイスラインとセクション間の継がり方またはセクション間の継がり方分析」に相当する分析項目である。分析結果から、隣接するセクション間の継がり部に施されたカットラインに関するカット手法の情報が導出される。
イ 上下ステム分析
側面写真を使って分析を行う。後ボリューム位置Cは、ヘアスタイルによって、様々な位置になる。分析対象は、図13に示したような後ボリューム位置C下付近の横シルエット線4であり、次のように分析される。この分析項目は、「D シルエット形状または表情分析」に相当する分析項目である。
分析結果[1]:後ボリューム位置C下の横シルエット線4に丸みがある場合(図13の一点鎖線参照)である場合、ステムの角度を床と平行としてパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
図13で示された「→」が、床に平行にパネルの取り出している状態を示す。
分析結果[2]:後ボリューム位置C下の横シルエット線4が後ボリューム位置C上の横シルエット線4と滑らかに継がる(図13の点線参照)場合、ステムの角度を頭皮に対して垂直(オンベース)とし、パネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
図13で示された点線の矢印が、頭皮に対して垂直にパネルを取り出している状態を示す。
分析結果[3]:後ボリューム位置C下の横シルエット線4が直線的(図13の直線参照)である場合、頭皮に対して60°〜0°のステム角度(ダウンステム)で、パネルを取り出していると分析される。
図13の一点鎖線の矢印が、60°〜0°のステム角度でパネルの取り出している状態を示す。ちなみに、頭皮に対して0°とは、頭皮の法線方向である。
ウ 前後ステム分析
前後ステムは、以下の(ア)前ボリューム位置Bと後ボリューム位置Cを結ぶボリュームライン分析および(イ)バックミドルセンター分析という2つの分析を行なって分析結果を得る。それと同時に、前記(ア)の分析からはボリュームライン値、前記(イ)の分析からはバックミドルセンターの前後ステム値(BMC前後ステム値)という2種類の数値を得る。そして、それらの結果を総合し計算して分析結果を出すのが以下の(ウ)バックミドルサイドセクションの分析である。
加えて、「(エ)スライス分析」を行う。
(ア)前ボリューム位置と後ボリューム位置を結ぶボリュームライン分析
分析対象は、前ボリューム位置Bと後ボリューム位置Cを結ぶボリュームラインであり、本発明の「C ボリューム位置またはボリュームライン分析」に相当する。
図14は、側面写真を利用した前ボリューム位置Bと後ボリューム位置Cを結ぶボリュームライン分析の説明図であり、次のように分類する。
なお、図14においてボリュームライン9は、説明のため直線的に描いている。
a)ボリュームライン9が上がっているaの場合、ボリュームライン値として−2の数値を与える。
b)ボリュームライン9が平行なbの場合、ボリュームライン値として−1の数値を与える。
c)ボリュームライン9が頭なりになっている(頭の曲率に沿っている)cの場合、ウエイト値として0の数値を与える。
d)ボリュームライン9が下がっているdの場合、ボリュームライン値として+1の数値を与える。
(イ)バックミドルセンターセクションの分析
図15は、背面写真を利用した前ボリューム位置Bと後ボリューム位置Cを結ぶボリュームライン分析の説明図である。
分析対象は、側面写真から観察できる図15に示したような後ボリューム位置C辺りのボリュームライン9の形状を分析対象とする。この分析項目は、本発明の「C ボリューム位置またはボリュームライン分析」に相当する分析である。分析結果からステムに関するカット手法の情報が導出される。図15の符号a〜dを参照されたい。当該ボリュームライン9を次のように分類する。
分析結果[1]:後ボリューム位置C辺りのボリュームライン9が前上がりの強い丸みがある(図15のdのライン)場合、ステムを前に引いてパネルを引き出したと分析される。
そして、バックミドルセンターの前後ステム値(BMC前後ステム値)として+1の数値を与える。
分析結果[2]:後ボリューム位置C辺りのボリュームライン9に前下がりの丸みがあり、丸みの程度が小さい(図15のcのライン)場合は、ステムを頭皮に対して垂直(オンベース)にパネルを引き出したと分析される
そして、バックミドルセンターの前後ステム値(BMC前後ステム値)として0の数値を与える。
分析結果[3]:後ボリューム位置C辺りのボリュームライン9がラウンドの(図15のaのライン)形状である場合、バックミドルセンターからパネル引き出すステムを、後に引きだすカット手法が採用されていると分析される。
そして、バックミドルセンターの前後ステム値(BMC前後ステム値)として−2の数値を与える。
分析結果[4]:後ボリューム位置C辺りのボリュームライン9が、真っ直ぐな(図15のbのライン)場合、バックミドルセンターからパネル引き出すステムを、一面に引きだすカット手法が採用されていると分析される。
そして、バックミドルセンターの前後ステム値(BMC前後ステム値)として−1の数値を与える。
(ウ)バックミドルサイドセクションの分析
上記「ウ 前後ステム」の上記「(ア)前ボリューム位置と後ボリューム位置を結ぶボリュームライン分析」で与えられたボリュームライン値、および、上記「(イ)バックミドルセンターセクションの分析」で与えられたバックミドルセンターの前後ステム値(BMC前後ステム値)をもとに次の計算を行い、バックミドルサイドセクションの前後ステム値(BMS前後ステム値)を得る。

ボリュームライン値−BMC前後ステム値=BMS前後ステム値

この分析項目は、本発明の「C ボリューム位置またはボリュームライン分析」に相当し、分析結果からステムに関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:BMS前後ステム値が−2の場合、バックミドルサイドセクションのボリュームライン9が後ろに向かって上がっていることを意味し、前後ステムを一面としてパネルを引き出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:BMS前後ステム値が−1の場合、バックミドルサイドセクションのボリュームライン9が真っ直ぐであることを意味し、前後ステムを後ろに引いてパネルを引き出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:BMS前後ステム値が0の場合、バックミドルサイドセクションのボリュームライン9が後ろに頭なりに下がっていることを意味し、前後ステムを頭皮に対して垂直(オンベース)に引いてパネルを引き出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[4]:BMS前後ステム値が+1の場合、バックミドルサイドセクションのボリュームライン9が後ろに向かって下がっていることを意味し、前後ステムを前に引いてパネルを引き出すカット手法が採用されていると分析される。
(エ) スライス分析
バックミドルセクションは、サイドセクションと継がっているため、前記「2 分析対象を前シルエットとするカット手法分析」「(3) サイドアンダーセクションの分析」の「エ スライス分析」の結果を、そのままバックミドルセクションの分析結果として採用する。この分析項目は、本発明の「G フェイスラインとセクション間の継がり方またはセクション間の継がり方分析」に相当する分析項目である。分析結果から、パネルを取り出すスライスの方向に関するカット手法の情報が導出される。
(2)バックオーバーセクションの分析
図16の網掛で示すバックオーバーセクションから生えた毛髪に対して、採用されているカット手法を分析するものである。
ア カットライン分析
バックオーバーセクションは、サイドセクションと一部分で継がっているため、前記「2 分析対象を前シルエットとするカット手法分析 (3) サイドアンダーセクションの分析 ア カットライン分析」で分析したカットラインを、そのままバックオーバーセクションのカットラインの分析結果として採用する。なお、イヤートゥ線(サイドセクションとの境界)において段差等ができないようにするため、カットラインが連続するようにカットラインを決める。この分析項目は、本発明の「B カットライン分析」に相当する分析項目である。分析結果から、カットラインに関するカット手法の情報が導出される。
イ 前後ステム分析
分析対象者の背面写真および側面写真の2方面の写真を分析することが好ましいが、いずれか一方の写真のみでも分析できる。これらの写真から、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルとしたときの状態を推定する。
そして、そのヘアスタイルの頭頂部から裾までの長さを三等分した上1/3が、分析対象領域となる。図16には、それを示す三等分線が示されている。そして、分析対象領域の表面の表情(輪郭)に、丸みがある、真っ直ぐ、前下がりかを分類する。この分析項目は、本発明の「A アウトラインの形状または表情分析」に相当する分析項目である。分析結果から、ステムに関するカット手法の情報が導出される。
ただし、例外的にミドルセクション及びオバーセクションに段差が少ないときは、上1/2が分析対象となる。
分析結果[1]:分析対象領域の表面の表情(輪郭)に丸み(図16参照)があるアウトラインの場合、パネルを前に出すか、頭皮と垂直(オンベース)にパネルを引き出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:分析対象領域の表面の表情(輪郭)が真っ直ぐ(図16参照)なアウトラインの場合、バックオーバーセクションのサイド寄りの領域については、パネルを頭皮と垂直(オンベース)に引き出し、また、センター寄りの領域については、一面でパネルを引き出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:分析対象領域の表面の表情(輪郭)が前下がりのアウトラインの場合(図16参照)、パネルを後ろに引いて引き出すカット手法が採用されていると分析される。
ウ 上下ステム
分析は、側面写真および背面写真を用いて行う。図17に示されているように、上下ステム分析の分析対象となるバックオーバーセクション下の分析対象領域41および上下ステム分析の分析対象となる後ボリューム位置C下の分析対象領域42を分析する。
分析は、推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルのバックオーバーセクション表面の質感(毛先の重さや量感)を含む表情について行われる。この分析項目は、本発明の「A アウトラインの形状または表情分析」に相当する分析項目である。
分析結果から、ステムに関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:バックオーバーセクション下の分析対象領域41の毛先に、重さや量感がない場合、頭皮に対して垂直より上(アップステム)にパネルを引き出す(図17の直線参照)カット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:バックオーバーセクション下の分析対象領域41表面の毛先に、重さや質感があり、後ボリューム位置C下の分析領域42表面に重さや質感がない場合、頭皮に対して垂直(オンベース)にパネルを引き出す(図17の点線参照)カット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:バックオーバーセクション下の分析対象領域41表面の毛先に、重さや質感があり、後ボリューム位置C下の分析対象領域42表面に重さや質感がある場合、頭皮に対して60°〜0°でパネルを引き出す(図17の一点鎖線参照)カット手法が採用されていると分析される。
なお、図17の一点鎖線は、頭皮に対して60°でパネルを引き出した状態を示している。
(3)バックアンダーセクションの分析
バックアンダーセクションは、図18の網掛の領域をいう。バックアンダーセクションからパネルを取り出した際に、どのようなカット手法が採用されているかを分析する。
ア カットライン分析
分析対象は裾のハネである。裾のハネとは、ヘアスタイルの最下端の毛先が外に向かって曲がり、シルエット線が裾(最下端)で広がっていることをいう。
この分析項目は、本発明の「B カットライン分析」に相当する分析項目である。分析結果から、カットラインに関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:裾のハネがない場合、バックアンダーセクションのカットラインは、グラデーションaまたはセイムbとするカット手法が採用されていると分析される。(図18参照)
分析結果[2]:裾のハネがある場合、バックアンダーセクションのカットラインは、レイヤーcまたはセイムdとするカット手法が採用されていると分析される。(図18参照)
イ 上下ステム分析
分析対象は、後ボリューム位置C下のシルエット線の形状であり、側面写真を用いて、推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルの横シルエット線4から、図19に示すように分析される。この分析項目は、本発明の「D シルエット形状または表情分析」に相当する分析項目であり、分析結果から、ステムに関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:後ボリューム位置C下の横シルエット線4が、図19に示すように直線的a’である場合、図19においてaで示すようにパネルを床に平行に取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:後ボリューム位置Cが中央よりにあり、後ボリューム位置C下のシルエット線が、図19に示すように丸みb’がある場合、図19でbで示すようにパネルを頭皮に対して垂直(オンベース)に取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:ボリューム位置が下側アウトライン寄りにあり、後ボリューム位置C下のシルエット線が、図19に示すように丸みc’がある場合、図19でcで示すようにパネルを頭皮に対して60°〜0°で取り出すカット手法が採用されていると分析される。
なお、図19のcで示すパネルの方向は60°の場合を示している。
ウ 前後ステム分析
(ア) バックアンダーセンターセクションの分析
分析対象は下側アウトラインであり、側面写真(図2)を使用して次のように分析される。この分析項目は、本発明の「A アウトラインの形状または表情分析」に相当する分析項目である。分析結果から、ステムに関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:下側アウトラインが真っ直の場合、
床に水平となるよう一面でパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:下側アウトラインがラウンドの場合、頭皮に対して垂直(オンベース)でパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:下側アウトラインが前上がりの場合、前後ステムを前に引いてパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[4]:下側アウトラインが前下がりの場合、前後ステムを後ろに引いてパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
なお、バックアンダーセンターセクションに段(軽く見えるライン)がある時は、上記分析結果に従ってカットする際に、下側アウトラインと段のラインが平行になるようにカットするのが一般的である。推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルにおいて、アウトラインの表情から下側アウトラインと段のラインが平行とならないような特殊なカット手法が採用されていると分析されるときは、下側アウトラインと段のラインが平行になるようにカットしないことは言うまでもない。
(イ) バックアンダーサイドセクションの分析
バックアンダーサイドセクションは、図20の網掛の領域である。分析の詳細は図20に図示されている。分析対象は下側アウトラインであり、次のように分析される。この分析項目は、本発明の「A アウトラインの形状または表情分析」に相当する分析項目である。分析結果から、ステムに関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:下側アウトラインが、前上がりからラウンドaの場合、前後ステムを後ろに引いてパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:下側アウトラインが、平行または一面bの場合、前後ステムを一面として取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:下側アウトラインが、ラウンドであってその程度が浅いcの場合、前後ステムを、頭皮に対して垂直(オンベース)にしてパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[4]:下側アウトラインが、ラウンドであってその程度が深いdの場合、前後ステムを、前に引いてパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
ただし、耳5とみつ襟との間の生え際について、生え際を切らないように前後ステムの角度の程度に注意する。
(ウ)スライス分析
分析対象は、バックアンダーサイドセクションの裾のアウトラインであり、背面写真から次のように分析される。この分析項目は、本発明の「A アウトラインの形状または表情分析」に相当する分析項目である。分析結果からスライスに関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:シャープ(直線的)な裾のアウトラインの場合、縦スライスで、バックアンダーサイドセクションのパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:滑らかな裾のアウトラインの場合、斜めスライスでバックアンダーサイドセクションのパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:丸みのある裾のアウトラインの場合、横スライスでバックアンダーサイドセクションのパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
4 分析対象を内側シルエットとするカット手法分析
正面写真を用い、主に、バングセクションとフェイススラインを分析する。
(1) バングセクションの分析
バングセクションは前髪を構成するセクションである。図21の網掛のセクションがバングセクションに相当する。
ア パート(分け目)分析
正面写真からパートを次のように分析する。この分析項目は、本発明の「E パート(分け目)の位置または有無分析」に相当する分析項目であり、分析結果からパート(分け目)に関する情報が導出される。
分析結果[1]:センターパート。
分析結果[2]:サイドパート。サイドパートの場合は、7:3、6:4のように更に細かくパートを分析する。
分析結果[3]:ノーパート。
イ バングセクションの詳細分析
(ア) バング幅分析
図21に示すように、バングセクション幅を分析する。この分析項目は、本発明の「F セクションの幅または形状分析」に相当する分析項目である。分析結果から、セクションの幅に関するカット手法の情報が導出される。図21にバングセクションの幅がa〜dとして示されている。図21で図示されている網掛け部分は、バングセクションの幅がcのときのバングセクションの領域を示す。
分析結果[1]:バングセクションなしaの場合、バングセクションがないため、バングセクションに対するカットもなされないカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:バングセクションの端部が両目尻内bにある狭い幅の場合、当該幅でカットするカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:バングセクションの端部が両目尻内cにある広い幅の場合、当該幅でカットするカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[4]:バングセクションの端部が両目尻の外方dにある非常に広い幅の場合、当該幅でカットするカット手法が採用されていると分析される。
(イ) バングセクション下のシルエット線形状分析
バングのシルエット線形状を次のように分析する。この分析項目は、本発明の「D シルエット形状または表情分析」に相当する分析項目である。分析結果から、カットラインに関するカット手法に関する情報が導出される。
分析結果[1]:真っ直ぐの場合、真っ直ぐにカットするカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:インラウンド(中間部が上に盛り上がった曲線)の場合、インラウンドでカットするカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:アウトラウンド(中間部が下に下がった曲線)の場合、アウトラウンドでカットするカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[4]:V字の場合、V字にカットするカット手法が採用されていると分析される。
(ウ) バングセクション下のシルエット線表情分析
バングセクションのヘアスタイルに段(軽さライン)が形成されてない場合にこの分析を行う。パネルは水平に取り出す。
図示はしないが、バングセクション下のシルエット線の表情を次のように分析する。この分析項目は、本発明の「D シルエット形状または表情分析」に相当する分析項目である。分析結果から、ステムに関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:シルエット線がきれいに出ている場合、上記「(ア) バング幅分析」および「(イ) バングセクション下のシルエット線形状分析」の分析結果の通りの幅およびラインで自然に落ちる位置でカットするカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:バングセクション下のシルエット線がぼかされている場合、上記「(ア) バング幅分析」および「(イ) バングセクション下のシルエット線形状分析」の分析結果の通りの幅およびラインで自然に落ちる位置から上にステムを少し上げてカットするカット手法が採用されていると分析される。
(エ) 上下ステム分析
バングセクションのヘアスタイルに段(軽さライン)が形成されていない場合にこの分析を行う。スライスは横方向であり、パネルは水平方向に取り出される。
図示はしないが、バングの横から観たシルエット線を分析対象とする。この分析項目は、本発明の「D シルエット形状または表情分析」に相当する分析項目である。分析結果から、ステム、すなわち、パネルの引き出し角度に関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:バングを横から観たシルエット線に丸みがない場合、パネルを真下に沿って引き出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:バングを横から観たシルエット線に丸みがあり、軽さのあるシルエット線の場合、バングセクションの分割面に対して0°よりも持ち上げパネルを引き出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:バングを横から観たシルエット線に丸みがあり、重さのあるシルエット線の場合、正中線を中心に左右に広げて(イングラデーション)でパネルを引き出すカット手法が採用されていると分析される。
(オ) 前後ステム分析
バングセクションのヘアスタイルに段(軽さライン)が形成されている場合に、この分析を行う。カットラインおよび段(軽さライン)を分析対象とする。スライスは縦方向でパネルを取り出す。この分析項目は、本発明の「B カットライン分析」に相当する分析項目である。分析結果から、ステムに関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:前から観たバングのカットラインおよび軽さラインが真っ直ぐの場合、はえ癖を考慮して、パート(分け目)があるときは分け目を中心に、パート(分け目)がないときは正中線を中心に、前後ステムを外に行くに従い少し内寄せしてパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:前から観たバングのカットラインおよび軽さラインがラウンドインの場合、パート(分け目)があるときは分け目を中心に、パート(分け目)がないときは正中線を中心に、外に行くに従い内寄せしてパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:前から観たバングのカットラインおよび軽さラインがラウンドアウトの場合、パート(分け目)があるときは分け目を中心に、パート(分け目)がないときは正中線を中心に、外に行くに従い少し外寄せしてパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[4]:前から観たバングのカットラインおよび軽さラインがV字の場合、パート(分け目)があるときは分け目を中心に、パート(分け目)がないときは正中線を中心に外に行くに従い外寄せしてパネルを取り出すカット手法が採用されていると分析される。
ウ バングセクションとサイドセクションの継がり分析
図22(A)の網掛け部は、バング幅cのときの、分析対象となるバングセクション外側とサイドセクションの継がり部を示している。バングセクション外側の毛髪は、もっぱらサイドセクション側へ流れる。バングセクション外側の毛髪は、サイドセクションから生える毛髪と滑らかに継ぐ必要がある。図22(B)は、バングセクション外側の毛髪とサイドセクションから生える毛髪との継がりを示し、推定された自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルで、バングが自然に落ちている様子を示す。
この分析項目は、本発明の「G フェイスラインとセクション間の継がり方またはセクション間の継がり方分析」に相当する分析項目である。分析結果から、図22(A)に示したバングの幅a〜dの位置を考慮してパネルが取り出され、ステムに関するカット手法の情報が導出される。
分析結果[1]:バングセクションとサイドセクションに継がりがない場合、サイドおよびトップを一緒にしたままとするカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[2]:バングセクションとサイドセクションに継がりがあり、バングが自然に落ちており、しっかりしたラインの場合、自然に落ちる位置でサイドとつなげるカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[3]:バングセクションとサイドセクションに継がりがあり、バングが自然に落ちており、サイドに向かって重くなるラインの場合、内寄せ(内引き)に持ち上げてサイドとつなげるカット手法が採用されていると分析される。
分析結果[4]:バングセクションとサイドセクションに継がりがあり、バングが自然に落ちており、サイドに向かって軽くなるラインの場合、外寄せ(外引き)に持ち上げてサイドとつなげるカット手法が採用されていると分析される。
(実施例1の変形例)
実施例1の分析項目の「B カットライン分析」にコンベックスの有無など様々な分析項目を加えてもよい。
また、「A アウトラインの形状または表情分析」から、シャギーの有無などを分析結果として得てもよい。
(実施例1の他の変形例)
実施例1の具体例は、一般的な女性を分析対象者に採用されている一般的なカット手法を分析する具体例であって、今後流行する新たなヘアスタイルに、一部の分析が適用できない場合もあり得る。
しかし、分析対象者に施されたカット手法は、特定のヘアスタイル(形)を作り上げるためであるから、必ず外見に影響を与える。すなわち、自然乾燥状態のナチュラルストレートヘアのヘアスタイルとカット手法は対応する関係にある。
したがって、新たなヘアスタイルで、実施例1で示した具体的な分析が適用できないものがあったとしても、必ず、
A アウトラインの形状または表情
B カットライン
C ボリューム位置またはボリュームライン
D シルエット形状または表情
E パート(分け目)の位置または有無
F セクションの幅または形状
G フェイスラインとセクション間の継がり方またはセクション間の継がり方
のいずれかに影響を与えることとなる。
そして、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定し、必要に応じ新たなヘアスタイルに適したセクション分けを行い、前記A〜Gのいずれかを分析することで、当該セクションに採用されているカット手法を知ることができる。上記「(実施例1の変形例)」は、実施例1で適用できない例の一例である。
(実施例2)
実施例2は、実施例1のカット手法分析方法を教えるため、または、マニュアルとなる教示媒体や教示システムに関する発明である。
ヘアスタイルは、ボブなどのショートのヘアスタイルから、ロングのヘアスタイルなど多様性に富む上に、パーマネントがかかることにより、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定することは、美容に精通した当業者にとっては容易なことでも、美容学校の学生などには困難なことが多い。
また、分析項目の分析方法についても学生などにとって、理解が困難なことが多い。
分析対象者の正面、側面および背面の写真から自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定する推定手法や、前記推定手法により得られた自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルに基づき、分析対象セクションごとに採用されているカット手法分析方法を表しているディスプレイなどの教示媒体を用意して、学生などに教えることになる。
しかし、ヘアスタイルは多種多様であり、すべての実例写真を掲載することは困難であるし、多くの実例写真を掲載すればするほど膨大な情報量の教示媒体なり、かえって、教えるべき内容の理解を損ねることになりかねない。教示媒体には、せいぜい、典型例となる実例写真だけが表示されるものとなる。
また、美容室に来店する顧客が写真を持ち込み、「この写真のようなヘアスタイルにして欲しい」と要望されることもある。持ち込まれたヘアスタイルが、典型例から外れたものであると、経験の浅い美容師にとって分析が困難となることがある。
そこで、実施例2の教示システムには、実例写真や実例動画を多数記憶させたサーバー等の記憶媒体が用意されている。
実例写真は、分析対象者の正面、側面および背面の写真から自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定した実例写真や実例動画でもよいし、実施例1で示したカット手法を分析する際に使用した実例写真や実例動画でもよい。
そして、教示媒体には、実施例1で示した分析のぞれぞれの説明箇所に近接して、ハイパーリンクや、実例写真にアクセスするための二次元バーコードなどのリンクを張る。
例えば、学生などが、スマートフォンなどで二次元バーコードを読み込みサーバー(記憶媒体)に蓄積された実例写真にアクセスすることで、学習のスピードが向上する。
また、教示媒体がタブレット端末等の端末である場合には、実施例1で示した分析のぞれぞれの説明箇所に近接して、ソフトキーなどの実例写真にアクセスするためリンクを張ることで、サーバーなどの記憶媒体に蓄積された前記説明箇所と対応した多数の実例写真にアクセスできるようになっている。
上記例では、記憶媒体をネットワーク上に配置したが、記憶容量が大きい場合は、タブレット端末等の端末自体の記憶媒体に実例写真を蓄積してもよい。
教示媒体に接した美容師等が、自身が作成した実例写真を記憶媒体に次々を追加して、オリジナルの実例集を作成することもできるし、ネットと接続しサーバーに追加された実例写真を管理者が選んで公開できるようにすることで、実例写真のバリエーションを豊かにできる。
さらに、追加された実例写真を管理者が分析し、次々と開発される新たなヘアスタイルに対応した新たな分析項目や分析手法を開発することも可能となる。
また、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定したシルエット線が加えられた複数の分析対象者の少なくとも正面、側面または背面からの、写真、画像、イラストまたはデッサンを記憶させたデータベースを構築してもよい。
(実施例3)
分析対象者の写真データを入力する手段を有し、前記写真データから実施例1のカット手法分析方法を自動的に行うニューラルネットワークシステムを構築する。前記ニューラルネットワークシステムに、教師ありの学習を行うことでカット手法自動分析装置を完成させる。
カット手法自動分析装置に対する学習は、分析対象者の写真から自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定する写真の予備分析方法について行ってもよく、分析対象者の写真を入力すれば、自動的に自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定する。
そして、各セクションに対して採用されているカット手法を導き出し、ディスプレイに表示する。
自動分析装置はネットワーク化されていてもよく、スマートフォンで分析対象者の写真をクラウド化されたカット手法自動分析装置に送ると、実施例1で示したカット手法分析法を自動的に行い、分析結果をスマートフォンに返信してくれるようなシステムも構築できる。
1 正中線
2 レングス補助線
3 前シルエット線
4 横シルエット線
5 耳
7 イヤートゥ線
8 後シルエット線
9 ボリュームライン
10 バックサイドとの継がり部
11 バックアンダーセクションから取り出されたパネル
12 最高点
14 みつ襟位置
15 耳の下から2/3位置
41 上下ステム分析の分析対象となるバックオーバーセクション下の分析対象領域
42 上下ステム分析の分析対象となる後ボリューム位置C下の分析対象領域

a 頭頂点
b 耳横印
A イヤートゥレングス点
B 前ボリューム位置
C 後ボリューム位置
D 横ボリューム位置
本発明は、分析対象者の正面、側面および背面の写真、画像、イラストまたはデッサンから、第1のステップ、
次いで、分析対象セクションを複数のセクションの中から選択する第2のステップ、
次いで、第2のステップで選択したセクションに対して、第1のステップで推定した自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルに基づき
A アウトラインの形状または表情分析
B カットライン分析
C ボリューム位置またはボリュームライン分析
D シルエット形状または表情分析
E パート(分け目)の位置または有無分析
F セクションの幅または形状分析
G フェイスラインとセクション間の継がり方またはセクション間の継がり方分析の中から、前記選択されたセクションに適した少なくとも1つの分析項目の分析を行い、分析結果を得る第3のステップ、
次いで、前記分析結果から、カット手法に関する情報を導出する第4のステップによる、
前記選択されたセクションに対して採用されているカット手法分析する方法とすることで、課題を解決した。


本発明は、分析対象者の正面、側面および背面の写真、画像、イラストまたはデッサンから、正面、側面および背面から観た自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定する第1のステップ、
次いで、分析対象セクションを複数のセクションの中から選択する第2のステップ、
次いで、第2のステップで選択したセクションに対して、第1のステップで推定した自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルに基づき
A アウトラインの形状または表情分析
B カットライン分析
C ボリューム位置またはボリュームライン分析
D シルエット形状または表情分析
E パート(分け目)の位置または有無分析
F セクションの幅または形状分析
G フェイスラインとセクション間の継がり方またはセクション間の継がり方分析の中から、前記選択されたセクションに適した少なくとも1つの分析項目の分析を行い、分析結果を得る第3のステップ、
次いで、前記分析結果からカット手法に関する情報を導出する第4のステップによる、
前記選択されたセクションに対して採用されているカット手法を分析する方法とすることで、課題を解決した。

Claims (9)

  1. 分析対象者の写真、画像、イラストまたはデッサンから、正面、側面および背面から観た自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定する第1のステップ、
    次いで、分析対象セクションを複数のセクションの中から選択する第2のステップ、
    次いで、第2のステップで選択したセクションに対して、第1のステップで推定した自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルに基づき
    A アウトラインの形状または表情分析
    B カットライン分析
    C ボリューム位置またはボリュームライン分析
    D シルエット形状または表情分析
    E パート(分け目)の位置または有無分析
    F セクションの幅または形状分析
    G フェイスラインとセクション間の継がり方またはセクション間の継がり方分析
    の中から、前記選択されたセクションに適した少なくとも1つの分析項目の分析を行い、分析結果を得る第3のステップ、
    次いで、前記分析結果から、前記カット手法に関する情報を導出する第4のステップによる、
    前記選択されたセクションに対して採用されているカット手法分析方法。
  2. 前記カット手法に関する情報が、
    (A)スライス
    (B)ステム
    (C)グラデーション、セイム、レイヤー、スクエア、コンケーブ等のカットライン
    (D)パート(分け目)
    (E)セクションの分け方と幅
    の少なくともいずれか1つ前記カット手法に関する情報である、請求項1記載のカット手法を分析する方法。
  3. 請求項1記載のカット手法分析方法における、分析対象者の正面の写真、画像、イラストまたはデッサンを用いた予備分析方法であって、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定し、前記分析対象者の正面の写真、画像、イラストまたはデッサンに、前記推定した自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルの
    ア 前シルエット線を描く
    イ 正中線を描く
    ウ サイドの下側アウトラインの傾きにより、(ア)または(イ)の場合に分けて、レングス補助線を描く
    (ア)サイドの下側アウトラインが真っ直ぐまたは前上がりの場合は、目じりから前記正中線に平行にレングス補助線を描く
    (イ)サイドの下側アウトラインが前下がりの場合は、頬骨外からレングス補助線を描く
    エ 前記レングス補助線と前記前シルエット線の一番幅のある前記前シルエット線上の位置を前ボリューム位置とし、印を描く
    オ 前記前ボリューム位置から髪が内側に入り出し方向が安定したら、その方向のまま前記前ボリューム位置と前記レングス補助線を交わるまで直線を引き、その交点をイヤートゥレングス点として印を描く、
    ことを特徴とする、分析対象者正面の写真、画像、イラストまたはデッサン予備分析方法。
  4. 請求項1記載のカット手法分析方法における、分析対象者の側面の写真、画像、イラストまたはデッサンの予備分析方法であって、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定し、前記分析対象者の側面の写真、画像、イラストまたはデッサンに、前記推定した自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルの
    ア 横シルエット線を描く
    イ イヤートゥ線を描く
    ウ 後ボリューム位置を描く
    ウ ボリュームラインを描く
    ことを特徴とする、分析対象者側面の写真、画像、イラストまたはデッサン予備分析方法。
  5. 請求項1記載のカット手法分析方法における、分析対象者の背面の前記写真、画像、イラストまたはデッサンの予備分析方法であって、自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定し、前記分析対象者の背面の写真、画像、イラストまたはデッサンに、前記推定した自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルの
    ア 後シルエット線を描く
    イ 後ボリューム位置を描く
    ウ ボリュームラインを描く
    ことを特徴とする、分析対象者背面の写真、画像、イラストまたはデッサンの予備分析方法。
  6. 請求項1のカット手法分析方法を表しているディスプレイ等の教示媒体。
  7. 教示媒体と記憶媒体を含む請求項1のカット手法分析方法の教示システムであって、
    前記記憶媒体には、少なくとも、第1のステップで推定された前記ナチュラルストレートのヘアスタイルの推定実例写真または動画、第2のステップで選択された前記セクションの実例写真または動画、第3のステップの前記分析結果の実例写真または動画、第4のステップの前記カット手法に関する情報の実例写真または動画のいずれかの実例写真または動画を蓄積され、
    前記教示媒体は、少なくとも第1のステップないし第4のステップの一つの説明が記載または表示されるように構成され、前記説明に近接して、前記説明に対応する前記記憶媒体に記憶された実例写真または動画にアクセスするリンクが張られた
    教示システム。
  8. 分析対象者の写真データを入力する手段を有し、前記写真データから請求項1記載のカット手法分析方法に基づく分析を自動的に行うカット手法自動分析装置。
  9. 自然乾燥状態のナチュラルストレートのヘアスタイルを推定したシルエット線が加えられた複数の分析対象者の少なくとも正面、側面または背面からの、写真、画像、イラストまたはデッサンを記憶させたデータベース。
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