JP4037773B2 - ドロップインコンロ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーナ用開口を備える天板がシステムキッチンのワークトップの上面に露出し、ワークトップに設けた開口に本体を吊持してシステムキッチンに一体的に設置するドロップインコンロに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種のドロップインコンロにおいては、天板が比較的薄板状の金属により形成されたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。この種の天板は、外周縁部やバーナ用開口の周縁部等が他部より隆起する形状に形成されているために、比較的平坦に形成されているワークトップとの一体感が望めず、美観が得られない不都合があった。また、天板の起伏が多いために、煮こぼれ等の汚れが付着した際に掃除が煩わしい不都合があった。
【０００３】
また、近年では、ガラス製の面板と、該面板の周囲を囲う枠体とにより構成される天板を備えるドロップインコンロが提案されている（例えば、特許文献２参照）。この種の天板によれば、バーナ用開口を備える面板については略平坦に形成することができるので、外観を高めることができる。
【０００４】
しかし、枠体を組み立てる作業や面板を枠体に組み付ける作業が必要であるために天板の組み立てに工数がかかる不都合がある。
【０００５】
更にまた、一般に、天板の周縁部にはシール部材が設けられ、該シール部材によって天板とワークトップとの隙間を封止する（例えば、特許文献３参照）。しかし、天板の周縁部の形状によってはシール部材の形状が複雑となり、組み付け作業が煩雑になるだけでなく、製造コストが高くなる不都合があった。
【０００６】
【特許文献１】
特開２００２−２５７３５８号公報（図１及び図６）
【特許文献２】
特開２００２−１３７３９号公報（図１及び図３）
【特許文献３】
実開昭６３−１１０８１６号公報（第２図）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
かかる不都合を解消して、本発明は、美観を得ることができると共に掃除が容易に行なえ、しかも、各部のシール部材を確実に保持できる製造容易な天板を備えるドロップインコンロを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、該天板の周縁部が、天板載置用シール部材を介して前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、該天板の下面側には、前記天板載置用シール部材の上部を挿入する溝部が形成されていることを特徴とする。
【０００９】
本発明によれば、前記天板の上面が平坦に形成されているので、平坦なワークトップとの一体感が得られ、美観を向上させることができる。しかも、天板の上面が平坦なので、汚れ等が付着しても拭き取りやすく掃除が容易となる。また、前記天板が金属製厚板により形成されていることによって、視覚的な重厚感が得られて美観を向上することができる。更に、前記天板を単一の金属製厚板により形成することで一切曲げ加工を施す必要がないので、バーナ用開口等の位置精度の高い天板を容易に製造することができる。そして、天板が単一の金属製厚板のみで形成することにより枠体を用いることなく設置でき、従来のように天板を面板と枠体とによって組み立てる作業が不要であるので、製造容易な天板を提供することができる。
【００１０】
また、本発明によれば、天板載置用シール部材を介して前記天板を前記ワークトップ上に載置するので、煮汁等の液状汚れがコンロ本体内部に流れ込むことが防止される。このとき、前記天板が金属製厚板であることで重量が比較的重く、その重量によって天板載置用シール部材をワークトップ上に圧接することができるので、高いシール性を得ることができる。
【００１１】
更に、本発明によれば、前記天板が、金属製厚板により形成されていることにより、前記溝部を、例えば切削加工等によって容易に形成することができる。そして、該溝部に前記天板載置用シール部材の上部を挿入するので、天板載置用シール部材が天板から外れることが防止できる。また、天板載置用シール部材の高さ（厚み）寸法が比較的大であっても、天板載置用シール部材の上部が前記溝部に収容されるので、露出する天板載置用シール部材の高さ（厚み）寸法を小とすることができ、シール性を保持しながら天板載置用シール部材を天板の外方から見え難くすることができる。これによって、天板の外観を低下させることなく天板載置用シール部材を設けることができる。
【００１２】
また、本発明は、内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、該天板の周縁部が前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、該天板のバーナ用開口の周縁部に汁受け部材又は五徳の基枠が載置され、該バーナ用開口の周縁部と前記汁受け部材又は前記五徳の基枠との間の全周に開口用シール部材が設けられ、該バーナ用開口の周縁部の上面側全周に段差部が設けられ、該段差部には、前記汁受け部材の上面又は五徳の基枠の上面を天板の上面と同一平面上に位置させて汁受け部材又は五徳の基枠と前記開口用シール部材とが共に収容されており、前記天板のバーナ用開口の周縁部の下面側には、上方に向って凹入された凹部が形成されており、前記開口用シール部材には、前記バーナ用開口の内周側面に沿った端縁被覆部と、該端縁被覆部の下端から天板の下面に沿って水平に延出する延出部と、該延出部に形成されて前記凹部に嵌合する嵌合部とが設けられていることを特徴とする。
【００１３】
前記天板においては、バーナ用開口の外周上面側に汁受け部材又は五徳の基枠を載置することが行なわれる。本発明によれば、前記天板が金属製厚板により形成されていることにより、前記段差部を、例えば切削加工等によって容易に形成することができる。そして、該段差部に開口用シール部材と汁受け部材又は五徳の基枠とを収容することで、汁受け部材の上面又は五徳の基枠の上面を天板の上面と同一平面上に位置させる。これによって、汁受け部材又は五徳の基枠が天板の上面から突出することがなく、天板の上面を平坦に維持して天板の外観の低下を防止することができる。
【００１４】
このとき更に、天板のバーナ用開口の周縁部の下面側に、例えば切削加工等により前記凹部を設けることにより、前記開口用シール部材に形成された前記嵌合部を前記凹部に嵌合して、開口用シール部材の不用意な外れを確実に防止することができる。
【００１５】
また、本発明は、内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、該天板の周縁部が前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、該天板のバーナ用開口の周縁部に汁受け部材又は五徳の基枠が載置され、該バーナ用開口の近傍の天板の上下面のそれぞれに凹部が形成され、バーナ用開口の周縁部と前記汁受け部材又は前記五徳の基枠との間の全周に開口用シール部材が設けられ、該開口用シール部材は、バーナ用開口の内周側面に沿った端縁被覆部と、該端縁被覆部の上下縁から天板の上下面に沿って延出された上下一対の延出部と、各延出部に形成されて前記各凹部に嵌合する嵌合部とを備えることを特徴とする。
【００１６】
本発明によれば、天板のバーナ用開口の周縁部の上下面側の両方に前記凹部を、例えば切削加工等により形成する。一方、前記開口用シール部材には、上下一対の延出部のそれぞれに嵌合部を設ける。これにより、前記開口用シール部材の各嵌合部をそれぞれ上下の凹部に嵌合して、開口用シール部材の不用意な外れを確実に防止することができる。
【００１７】
また、本発明は、内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、該天板の周縁部が前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、該天板には、前記コンロ本体から上方に突出して設けられた操作つまみに対応するつまみ用開口が形成され、該つまみ用開口の近傍の天板の上下面のそれぞれに凹部が形成され、該つまみ用開口の内周縁部には、該内周縁部を覆うカバー部材が設けられ、該カバー部材は、つまみ用開口の内周側面に沿った端縁被覆部と、該端縁被覆部の上下縁から天板の上下面に沿って延出された上下一対の延出部と、各延出部に形成されて前記各凹部に嵌合する嵌合部とを備えることを特徴とする。
【００１８】
本発明によれば、天板のつまみ用開口の周縁部の上下面側の両方に、前記凹部を、例えば切削加工等により形成する。そして、前記カバー部材には、上下一対の延出部のそれぞれに嵌合部を設けておく。これにより、前記カバー部材の各嵌合部をそれぞれ上下の凹部に嵌合して、カバー部材の不用意な外れを確実に防止することができる。
【００１９】
また、本発明は、内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、該天板の周縁部が前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、該天板の後縁部に他部より肉薄に形成された肉薄部を設け、該肉薄部は、天板の上面を平坦として下面側から削り取った形状とされて、前記コンロ本体の後部との間に該コンロ本体内部への吸気用の間隙を形成することを特徴とする。
【００２０】
前記肉薄部は、その下面側を例えば切削加工等により削り取ることで、天板の上面を平坦として外観を低下させることなくその後部にコンロ本体内部への吸気用の間隙を形成することができる。そして、天板の後縁部に肉薄部による吸気用の間隙が形成されるので、コンロ本体内部に燃焼空気を円滑に導入することができる。
【００２４】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１は本実施形態のドロップインコンロにおける天板を示す説明的斜視図、図２は天板載置用シール部材を示す説明的断面図、図３乃至図５は天板載置用シール部材の他の態様を示す説明的断面図、図６はバーナ用開口の開口用シール部材を示す説明的断面図、図７乃至図１１は開口用シール部材の他の態様を示す説明的断面図、図１２はつまみ用開口のカバー部材を示す説明的断面図、図１３は天板の下面側形状を示す説明図、図１４は天板の下面側形状の他の例を示す説明図、図１５は天板の肉薄部を示す説明的断面図、図１６はネームプレート用凹部の説明的断面図、図１７は天板の一部を拡大してフッ素樹脂による被覆状態を示す説明的断面図、図１８及び図１９は天板の周縁形状の他の態様を示す説明図である。
【００２５】
本実施形態のドロップインコンロ１は、図１に示すように、システムキッチンのワークトップ２に設けられる。図２に一部を示すように、ドロップインコンロ１のコンロ本体３は上部が開口され、その周縁に形成されたフランジ４を、ワークトップ２に形成されたコンロ設置用開口５の周縁に掛止することによりコンロ設置用開口５に設置される。ドロップインコンロ１の天板６は、図１に示すように、ワークトップ２上に露出する。該天板６は単一の金属製厚板により形成されており、その上面は平坦に形成されている。本実施形態における天板６の材料は、厚さ８mmのアルミニウム板が採用されている。天板６の材料として用いるアルミニウム板の板厚寸法は、４〜８mmであることが好ましい。４mmより薄いアルミニウム板は厚板とはいい難く、天板６として採用した場合には十分な重厚感が得られない場合がある。一方、８mmより厚いアルミニウム板を天板６として採用した場合には十分な重厚感が得られる反面、天板６が過剰に重くなり、設置作業時等の取扱いが困難となるおそれがある。本実施形態においては、天板６を厚さ８mmのアルミニウム板により形成したことにより、視覚的な重厚感を得ることができ、美観を向上させることができる。なお、天板６の金属材料としては、ステンレス鋼、スチール鋼、黄銅、銅等が挙げられるが、これらの金属に比してアルミニウムは比重が小であると共に加工容易性も高いので有利である。
【００２６】
天板６は、図２に示すように、コンロ本体３のフランジ４の外周において天板載置用シール部材７を介してワークトップ２上に載置されている。更に、天板６の下面側には溝部８が形成されており、該溝部８に天板載置用シール部材７の上部が挿入されている。天板６は金属製（アルミニウム製）であることにより切削加工等により溝部８を容易に形成することができる。しかも、天板６は、十分な厚み（８mm）があるので溝部８の深さを比較的大とすることができる（本実施形態では溝部８の深さを３mmとした）。これによって、図２に示すように、天板載置用シール部材７の形状（高さ寸法等）を比較的大として十分なシール性を得ながらも、天板載置用シール部材７の上部を天板６に挿入させて、天板６の外側から天板載置用シール部材７を見え難くすることができ、天板６の外観低下を防止することができる。
【００２７】
なお、本発明における天板載置用シール部材７は上記の形態に限るものではなく、図３に示すように、天板６の溝部８を逆三角形状に形成して天板載置用シール部材７を嵌合させてもよい。これにより、天板６の溝部８からの天板載置用シール部材７の外れが防止でき、シール性を向上させることができる。また、天板６に溝部８を設けなくてもよく、図４に示すように、天板６をワークトップ２上の天板載置用シール部材７に載置しても、天板６が金属製厚板により形成されていることによって天板６の荷重により天板載置用シール部材７がワークトップ２に圧接されるので、十分なシール性を得ることができる。また、図５に示すように、天板載置用シール部材７をコンロ本体３のフランジ４の周縁に装着して設け、該天板載置用シール部材として機能するフランジ用シール部材９上に天板６を載置してもよい。
【００２８】
また、天板６には、図１に示すように、バーナ１０に対応してバーナ用開口１１が形成されている。該バーナ用開口１１には、図６に示すように、開口用シール部材１２を介して環状の汁受け部材１３が載置される。開口用シール部材１２は、その内周側面全周を覆う端縁被覆部１２ａと、該端縁被覆部１２ａの上縁から天板６上に水平に延びる上部延出部１２ｂと、前記端縁被覆部１２ａの下縁から天板６の下面に沿って水平に延びる下部延出部１２ｃとを備えている。
【００２９】
そして、天板６のバーナ用開口１１の周縁部の上面側全周には、段差部１６が設けられている。該段差部１６は、天板６が金属製であることによって、切削加工等によって容易に形成することができる。該段差部１６は、汁受け部材１３の上面が天板６の上面と同一平面上に位置するように、開口用シール部材１２の上部延出部１２ｂと汁受け部材１３の外周部とを収容する。これによって天板６上に汁受け部材１３が突出することなく、外観の低下を防止することができる。
【００３０】
また、バーナ用開口１１の周縁部の下面側には、上方に向って凹入された下面凹部１７が形成されている。該下面凹部１７は、天板６が金属製であることによって、切削加工等によって容易に形成することができる。一方、開口用シール部材１２の下部延出部１２ｃには上方に向かって突出して下面凹部１７に嵌合する下部嵌合部１２ｄが形成されている。該下部嵌合部１２ｄが下面凹部１７に嵌合することにより、バーナ用開口１１からの開口用シール部材１２の不用意な外れを防止することができる。
【００３１】
なお、図６においては、汁受け部材１３上に五徳１４が載置される形態を示したが、それ以外に、図７に示すように、五徳１４の基枠１５を開口用シール部材１２の上部延出部１２ｂ上に載置することもできる。これによっても、前記段差部１６を、五徳１４の基枠１５の上面が天板６の上面と同一平面上に位置するように形成することで、天板６上に五徳１４の基枠１５が突出することなく、外観の低下を防止することができる。
【００３２】
また、図６及び図７に示す開口用シール部材１２は端縁被覆部１２ａと下部延出部１２ｃとを備えるが、それ以外に、図８及び図９に示すように、板状に（形状としては上部延出部１２ｂのみで）形成された開口用シール部材１２を採用した場合であっても、前記段差部１６を設けたことによって、汁受け部材１３又は五徳１４の基枠１５を天板６上から突出しないようにすることができる。
【００３３】
更に、開口用シール部材１２における他の態様を示せば、図１０及び図１１に示すように、開口用シール部材１２の上部延出部１２ｂには下方に向かって突出する上部嵌合部１２ｅが形成されており、下部延出部１２ｃには上方に向かって突出する下部嵌合部１２ｄが形成されている。一方、バーナ用開口１１の近傍の天板６の上下面のそれぞれに上面凹部１８と下面凹部１７が形成されている。そして、天板６の上面凹部１８には開口用シール部材１２の上部嵌合部１２ｅが嵌合され、天板６の下面凹部１７には開口用シール部材１２の下部嵌合部１２ｄが嵌合されている。これによっても、開口用シール部材１２の不用意な外れを防止することができる。このとき、図１０に示すように、開口用シール部材１２の上部に汁受け部材１３が載置されてもよく、図１１に示すように、開口用シール部材１２の上部に五徳１４の基枠１５が載置されてもよい。
【００３４】
また、図１に示すように、天板６には、操作つまみ１９が露出される。図１２に示すように、天板６には操作つまみ１９のシャフト２０が貫通するつまみ用開口２１が形成されている。該つまみ用開口２１にはカバー部材２２が設けられている。該カバー部材２２は、つまみ用開口２１の内側端面を覆う端縁被覆部２２ａと、端縁被覆部２２ａの上縁から天板６の上面に沿って水平に延出する上部延出部２２ｂと、端縁被覆部２２ａの下縁から天板６の下面に沿って水平に延出する下部延出部２２ｃとを備えている。更にカバー部材２２は、端縁被覆部２２ａの上縁から上方に延びて、煮汁等の液状の汚れがコンロ本体３内部に侵入しないように突設された突出縁２２ｆを備えている。更に、上部延出部２２ｂには下方に突出する上部嵌合部２２ｅが形成され、下部延出部２２ｃには上方に突出する下部嵌合部２２ｄが形成されている。一方、天板６には、つまみ用開口２１近傍の上下面のそれぞれに上面側凹部２３と下面側凹部２４とが形成されている。天板６が金属製であることにより、上面側凹部２３と下面側凹部２４とは切削加工等により容易に形成することができる。そして、天板６の上面側凹部２３にはカバー部材２２の上部嵌合部２２ｅが嵌合され、天板６の下面側凹部２４にはカバー部材２２の下部嵌合部２２ｄが嵌合されている。これによって、カバー部材２２の天板６からの不用意な外れを防止することができる。
【００３５】
また、本実施形態のドロップインコンロ１において、コンロ本体３内部への燃焼空気の取り入れが必要な場合には、図１３に示すように天板６の後部の一部、または、図１４に示すように天板６の後部の全幅にわたって肉薄部２５を形成する。該肉薄部２５は、天板６が金属製厚板であることにより該天板６の下面側を切削加工等により削り取ることで容易に形成することができる。該天板６の下面側を削り取ることによって、図１５に示すように、天板６の上面側を平坦としたまま該肉薄部２５を形成することができ、天板６の外観を低下させることなく肉薄部２５を設けることができる。そして、該肉薄部２５を設けることにより、コンロ本体３の後部上方に吸気用の間隙２６を形成することができる。
【００３６】
また、図１に示すように、天板６には、ネームプレート２７が貼着されている。天板６は、図１６に示すように、ネームプレート２７の形状に対応するネームプレート用凹部２８が形成されており、ネームプレート用凹部２８にネームプレート２７を収容することにより、ネームプレート２７が天板６の上面から突出することなく、また、ネームプレート２７の不用意な剥離を防止することができる。
【００３７】
また、天板６は、図１７に一部を断面視して示すように、フッ素樹脂層２９が設けられている。更に、該天板６の表面３０には、粗面加工が施されている。天板６は金属製であることによってショットブラスト等によって容易に粗面加工を施すことができる。そして、粗面加工が施された表面３０にフッ素樹脂層２９が設けられていることにより、フッ素樹脂層２９の剥離が防止でき、天板６の耐久性を向上させて外観の経年低下を抑えることができる。
【００３８】
また、図１８に示すように、天板６の前縁に傾斜面３１を形成してもよい。これによって、ワークトップ２上に天板６の厚み分突出していても、該傾斜面３１によって、天板６の突出感を小とすることができ、美観を向上させることができる。なお、前記傾斜面３１は、例えば図１９に示すように、天板６の前縁だけでなく両側縁に設けてもよい。また、前述した肉薄部２５（図１３及び図１４参照）が設けられていない場合には、図示しないが、天板６の全周縁に沿って傾斜面３１を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態のドロップインコンロにおける天板を示す説明的斜視図。
【図２】天板載置用シール部材を示す説明的断面図。
【図３】天板載置用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図４】天板載置用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図５】天板載置用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図６】バーナ用開口の開口用シール部材を示す説明的断面図。
【図７】開口用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図８】開口用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図９】開口用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図１０】開口用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図１１】開口用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図１２】つまみ用開口のカバー部材を示す説明的断面図。
【図１３】天板の下面側形状を示す説明図。
【図１４】天板の下面側形状の他の例を示す説明図。
【図１５】天板の肉薄部を示す説明的断面図。
【図１６】ネームプレート用凹部の説明的断面図。
【図１７】天板の一部を拡大してフッ素樹脂による被覆状態を示す説明的断面図。
【図１８】天板の周縁形状の他の態様を示す説明図。
【図１９】天板の周縁形状の他の態様を示す説明図。
【符号の説明】
１…ドロップインコンロ、２…ワークトップ、３…コンロ本体、４…フランジ、５…コンロ設置用開口、６…天板、７…天板載置用シール部材、８…溝部、１０…ガスバーナ、１１…バーナ用開口、１２…開口用シール部材、１２ａ…端縁被覆部、１２ｂ…上部延出部（延出部）、１２ｃ…下部延出部（延出部）、１２ｄ…下部嵌合部（嵌合部）、１２ｅ…上部嵌合部（嵌合部）、１３…汁受け部材、１４…五徳、１５…基枠、１６…段差部、１７…下面側凹部（凹部）、１８…上面側凹部（凹部）、１９…操作つまみ、２１…つまみ用開口、２２…カバー部材、２２ａ…端縁被覆部、２２ｂ…上部延出部（延出部）、２２ｃ…下部延出部（延出部）、２２ｄ…下部嵌合部（嵌合部）、２２ｅ…上部嵌合部（嵌合部）、２３…上面側凹部（凹部）、２４…下面側凹部（凹部）、２５…肉薄部、２６…吸気用の間隙、２７…ネームプレート、２８…ネームプレート用凹部、２９…フッ素樹脂層（フッ素樹脂）、３０…表面（粗面加工部）、３１…傾斜面。
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーナ用開口を備える天板がシステムキッチンのワークトップの上面に露出し、ワークトップに設けた開口に本体を吊持してシステムキッチンに一体的に設置するドロップインコンロに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種のドロップインコンロにおいては、天板が比較的薄板状の金属により形成されたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。この種の天板は、外周縁部やバーナ用開口の周縁部等が他部より隆起する形状に形成されているために、比較的平坦に形成されているワークトップとの一体感が望めず、美観が得られない不都合があった。また、天板の起伏が多いために、煮こぼれ等の汚れが付着した際に掃除が煩わしい不都合があった。
【０００３】
また、近年では、ガラス製の面板と、該面板の周囲を囲う枠体とにより構成される天板を備えるドロップインコンロが提案されている（例えば、特許文献２参照）。この種の天板によれば、バーナ用開口を備える面板については略平坦に形成することができるので、外観を高めることができる。
【０００４】
しかし、枠体を組み立てる作業や面板を枠体に組み付ける作業が必要であるために天板の組み立てに工数がかかる不都合がある。
【０００５】
更にまた、一般に、天板の周縁部にはシール部材が設けられ、該シール部材によって天板とワークトップとの隙間を封止する（例えば、特許文献３参照）。しかし、天板の周縁部の形状によってはシール部材の形状が複雑となり、組み付け作業が煩雑になるだけでなく、製造コストが高くなる不都合があった。
【０００６】
【特許文献１】
特開２００２−２５７３５８号公報（図１及び図６）
【特許文献２】
特開２００２−１３７３９号公報（図１及び図３）
【特許文献３】
実開昭６３−１１０８１６号公報（第２図）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
かかる不都合を解消して、本発明は、美観を得ることができると共に掃除が容易に行なえ、しかも、各部のシール部材を確実に保持できる製造容易な天板を備えるドロップインコンロを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、該天板の周縁部が、天板載置用シール部材を介して前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、該天板の下面側には、前記天板載置用シール部材の上部を挿入する溝部が形成されていることを特徴とする。
【０００９】
本発明によれば、前記天板の上面が平坦に形成されているので、平坦なワークトップとの一体感が得られ、美観を向上させることができる。しかも、天板の上面が平坦なので、汚れ等が付着しても拭き取りやすく掃除が容易となる。また、前記天板が金属製厚板により形成されていることによって、視覚的な重厚感が得られて美観を向上することができる。更に、前記天板を単一の金属製厚板により形成することで一切曲げ加工を施す必要がないので、バーナ用開口等の位置精度の高い天板を容易に製造することができる。そして、天板が単一の金属製厚板のみで形成することにより枠体を用いることなく設置でき、従来のように天板を面板と枠体とによって組み立てる作業が不要であるので、製造容易な天板を提供することができる。
【００１０】
また、本発明によれば、天板載置用シール部材を介して前記天板を前記ワークトップ上に載置するので、煮汁等の液状汚れがコンロ本体内部に流れ込むことが防止される。このとき、前記天板が金属製厚板であることで重量が比較的重く、その重量によって天板載置用シール部材をワークトップ上に圧接することができるので、高いシール性を得ることができる。
【００１１】
更に、本発明によれば、前記天板が、金属製厚板により形成されていることにより、前記溝部を、例えば切削加工等によって容易に形成することができる。そして、該溝部に前記天板載置用シール部材の上部を挿入するので、天板載置用シール部材が天板から外れることが防止できる。また、天板載置用シール部材の高さ（厚み）寸法が比較的大であっても、天板載置用シール部材の上部が前記溝部に収容されるので、露出する天板載置用シール部材の高さ（厚み）寸法を小とすることができ、シール性を保持しながら天板載置用シール部材を天板の外方から見え難くすることができる。これによって、天板の外観を低下させることなく天板載置用シール部材を設けることができる。
【００１２】
また、本発明は、内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、該天板の周縁部が前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、該天板のバーナ用開口の周縁部に汁受け部材又は五徳の基枠が載置され、該バーナ用開口の周縁部と前記汁受け部材又は前記五徳の基枠との間の全周に開口用シール部材が設けられ、該バーナ用開口の周縁部の上面側全周に段差部が設けられ、該段差部には、前記汁受け部材の上面又は五徳の基枠の上面を天板の上面と同一平面上に位置させて汁受け部材又は五徳の基枠と前記開口用シール部材とが共に収容されており、前記天板のバーナ用開口の周縁部の下面側には、上方に向って凹入された凹部が形成されており、前記開口用シール部材には、前記バーナ用開口の内周側面に沿った端縁被覆部と、該端縁被覆部の下端から天板の下面に沿って水平に延出する延出部と、該延出部に形成されて前記凹部に嵌合する嵌合部とが設けられていることを特徴とする。
【００１３】
前記天板においては、バーナ用開口の外周上面側に汁受け部材又は五徳の基枠を載置することが行なわれる。本発明によれば、前記天板が金属製厚板により形成されていることにより、前記段差部を、例えば切削加工等によって容易に形成することができる。そして、該段差部に開口用シール部材と汁受け部材又は五徳の基枠とを収容することで、汁受け部材の上面又は五徳の基枠の上面を天板の上面と同一平面上に位置させる。これによって、汁受け部材又は五徳の基枠が天板の上面から突出することがなく、天板の上面を平坦に維持して天板の外観の低下を防止することができる。
【００１４】
このとき更に、天板のバーナ用開口の周縁部の下面側に、例えば切削加工等により前記凹部を設けることにより、前記開口用シール部材に形成された前記嵌合部を前記凹部に嵌合して、開口用シール部材の不用意な外れを確実に防止することができる。
【００１５】
また、本発明は、内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、該天板の周縁部が前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、該天板のバーナ用開口の周縁部に汁受け部材又は五徳の基枠が載置され、該バーナ用開口の近傍の天板の上下面のそれぞれに凹部が形成され、バーナ用開口の周縁部と前記汁受け部材又は前記五徳の基枠との間の全周に開口用シール部材が設けられ、該開口用シール部材は、バーナ用開口の内周側面に沿った端縁被覆部と、該端縁被覆部の上下縁から天板の上下面に沿って延出された上下一対の延出部と、各延出部に形成されて前記各凹部に嵌合する嵌合部とを備えることを特徴とする。
【００１６】
本発明によれば、天板のバーナ用開口の周縁部の上下面側の両方に前記凹部を、例えば切削加工等により形成する。一方、前記開口用シール部材には、上下一対の延出部のそれぞれに嵌合部を設ける。これにより、前記開口用シール部材の各嵌合部をそれぞれ上下の凹部に嵌合して、開口用シール部材の不用意な外れを確実に防止することができる。
【００１７】
また、本発明は、内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、該天板の周縁部が前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、該天板には、前記コンロ本体から上方に突出して設けられた操作つまみに対応するつまみ用開口が形成され、該つまみ用開口の近傍の天板の上下面のそれぞれに凹部が形成され、該つまみ用開口の内周縁部には、該内周縁部を覆うカバー部材が設けられ、該カバー部材は、つまみ用開口の内周側面に沿った端縁被覆部と、該端縁被覆部の上下縁から天板の上下面に沿って延出された上下一対の延出部と、各延出部に形成されて前記各凹部に嵌合する嵌合部とを備えることを特徴とする。
【００１８】
本発明によれば、天板のつまみ用開口の周縁部の上下面側の両方に、前記凹部を、例えば切削加工等により形成する。そして、前記カバー部材には、上下一対の延出部のそれぞれに嵌合部を設けておく。これにより、前記カバー部材の各嵌合部をそれぞれ上下の凹部に嵌合して、カバー部材の不用意な外れを確実に防止することができる。
【００１９】
また、本発明は、内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、該天板の周縁部が前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、該天板の後縁部に他部より肉薄に形成された肉薄部を設け、該肉薄部は、天板の上面を平坦として下面側から削り取った形状とされて、前記コンロ本体の後部との間に該コンロ本体内部への吸気用の間隙を形成することを特徴とする。
【００２０】
前記肉薄部は、その下面側を例えば切削加工等により削り取ることで、天板の上面を平坦として外観を低下させることなくその後部にコンロ本体内部への吸気用の間隙を形成することができる。そして、天板の後縁部に肉薄部による吸気用の間隙が形成されるので、コンロ本体内部に燃焼空気を円滑に導入することができる。
【００２４】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１は本実施形態のドロップインコンロにおける天板を示す説明的斜視図、図２は天板載置用シール部材を示す説明的断面図、図３乃至図５は天板載置用シール部材の他の態様を示す説明的断面図、図６はバーナ用開口の開口用シール部材を示す説明的断面図、図７乃至図１１は開口用シール部材の他の態様を示す説明的断面図、図１２はつまみ用開口のカバー部材を示す説明的断面図、図１３は天板の下面側形状を示す説明図、図１４は天板の下面側形状の他の例を示す説明図、図１５は天板の肉薄部を示す説明的断面図、図１６はネームプレート用凹部の説明的断面図、図１７は天板の一部を拡大してフッ素樹脂による被覆状態を示す説明的断面図、図１８及び図１９は天板の周縁形状の他の態様を示す説明図である。
【００２５】
本実施形態のドロップインコンロ１は、図１に示すように、システムキッチンのワークトップ２に設けられる。図２に一部を示すように、ドロップインコンロ１のコンロ本体３は上部が開口され、その周縁に形成されたフランジ４を、ワークトップ２に形成されたコンロ設置用開口５の周縁に掛止することによりコンロ設置用開口５に設置される。ドロップインコンロ１の天板６は、図１に示すように、ワークトップ２上に露出する。該天板６は単一の金属製厚板により形成されており、その上面は平坦に形成されている。本実施形態における天板６の材料は、厚さ８mmのアルミニウム板が採用されている。天板６の材料として用いるアルミニウム板の板厚寸法は、４〜８mmであることが好ましい。４mmより薄いアルミニウム板は厚板とはいい難く、天板６として採用した場合には十分な重厚感が得られない場合がある。一方、８mmより厚いアルミニウム板を天板６として採用した場合には十分な重厚感が得られる反面、天板６が過剰に重くなり、設置作業時等の取扱いが困難となるおそれがある。本実施形態においては、天板６を厚さ８mmのアルミニウム板により形成したことにより、視覚的な重厚感を得ることができ、美観を向上させることができる。なお、天板６の金属材料としては、ステンレス鋼、スチール鋼、黄銅、銅等が挙げられるが、これらの金属に比してアルミニウムは比重が小であると共に加工容易性も高いので有利である。
【００２６】
天板６は、図２に示すように、コンロ本体３のフランジ４の外周において天板載置用シール部材７を介してワークトップ２上に載置されている。更に、天板６の下面側には溝部８が形成されており、該溝部８に天板載置用シール部材７の上部が挿入されている。天板６は金属製（アルミニウム製）であることにより切削加工等により溝部８を容易に形成することができる。しかも、天板６は、十分な厚み（８mm）があるので溝部８の深さを比較的大とすることができる（本実施形態では溝部８の深さを３mmとした）。これによって、図２に示すように、天板載置用シール部材７の形状（高さ寸法等）を比較的大として十分なシール性を得ながらも、天板載置用シール部材７の上部を天板６に挿入させて、天板６の外側から天板載置用シール部材７を見え難くすることができ、天板６の外観低下を防止することができる。
【００２７】
なお、本発明における天板載置用シール部材７は上記の形態に限るものではなく、図３に示すように、天板６の溝部８を逆三角形状に形成して天板載置用シール部材７を嵌合させてもよい。これにより、天板６の溝部８からの天板載置用シール部材７の外れが防止でき、シール性を向上させることができる。また、天板６に溝部８を設けなくてもよく、図４に示すように、天板６をワークトップ２上の天板載置用シール部材７に載置しても、天板６が金属製厚板により形成されていることによって天板６の荷重により天板載置用シール部材７がワークトップ２に圧接されるので、十分なシール性を得ることができる。また、図５に示すように、天板載置用シール部材７をコンロ本体３のフランジ４の周縁に装着して設け、該天板載置用シール部材として機能するフランジ用シール部材９上に天板６を載置してもよい。
【００２８】
また、天板６には、図１に示すように、バーナ１０に対応してバーナ用開口１１が形成されている。該バーナ用開口１１には、図６に示すように、開口用シール部材１２を介して環状の汁受け部材１３が載置される。開口用シール部材１２は、その内周側面全周を覆う端縁被覆部１２ａと、該端縁被覆部１２ａの上縁から天板６上に水平に延びる上部延出部１２ｂと、前記端縁被覆部１２ａの下縁から天板６の下面に沿って水平に延びる下部延出部１２ｃとを備えている。
【００２９】
そして、天板６のバーナ用開口１１の周縁部の上面側全周には、段差部１６が設けられている。該段差部１６は、天板６が金属製であることによって、切削加工等によって容易に形成することができる。該段差部１６は、汁受け部材１３の上面が天板６の上面と同一平面上に位置するように、開口用シール部材１２の上部延出部１２ｂと汁受け部材１３の外周部とを収容する。これによって天板６上に汁受け部材１３が突出することなく、外観の低下を防止することができる。
【００３０】
また、バーナ用開口１１の周縁部の下面側には、上方に向って凹入された下面凹部１７が形成されている。該下面凹部１７は、天板６が金属製であることによって、切削加工等によって容易に形成することができる。一方、開口用シール部材１２の下部延出部１２ｃには上方に向かって突出して下面凹部１７に嵌合する下部嵌合部１２ｄが形成されている。該下部嵌合部１２ｄが下面凹部１７に嵌合することにより、バーナ用開口１１からの開口用シール部材１２の不用意な外れを防止することができる。
【００３１】
なお、図６においては、汁受け部材１３上に五徳１４が載置される形態を示したが、それ以外に、図７に示すように、五徳１４の基枠１５を開口用シール部材１２の上部延出部１２ｂ上に載置することもできる。これによっても、前記段差部１６を、五徳１４の基枠１５の上面が天板６の上面と同一平面上に位置するように形成することで、天板６上に五徳１４の基枠１５が突出することなく、外観の低下を防止することができる。
【００３２】
また、図６及び図７に示す開口用シール部材１２は端縁被覆部１２ａと下部延出部１２ｃとを備えるが、それ以外に、図８及び図９に示すように、板状に（形状としては上部延出部１２ｂのみで）形成された開口用シール部材１２を採用した場合であっても、前記段差部１６を設けたことによって、汁受け部材１３又は五徳１４の基枠１５を天板６上から突出しないようにすることができる。
【００３３】
更に、開口用シール部材１２における他の態様を示せば、図１０及び図１１に示すように、開口用シール部材１２の上部延出部１２ｂには下方に向かって突出する上部嵌合部１２ｅが形成されており、下部延出部１２ｃには上方に向かって突出する下部嵌合部１２ｄが形成されている。一方、バーナ用開口１１の近傍の天板６の上下面のそれぞれに上面凹部１８と下面凹部１７が形成されている。そして、天板６の上面凹部１８には開口用シール部材１２の上部嵌合部１２ｅが嵌合され、天板６の下面凹部１７には開口用シール部材１２の下部嵌合部１２ｄが嵌合されている。これによっても、開口用シール部材１２の不用意な外れを防止することができる。このとき、図１０に示すように、開口用シール部材１２の上部に汁受け部材１３が載置されてもよく、図１１に示すように、開口用シール部材１２の上部に五徳１４の基枠１５が載置されてもよい。
【００３４】
また、図１に示すように、天板６には、操作つまみ１９が露出される。図１２に示すように、天板６には操作つまみ１９のシャフト２０が貫通するつまみ用開口２１が形成されている。該つまみ用開口２１にはカバー部材２２が設けられている。該カバー部材２２は、つまみ用開口２１の内側端面を覆う端縁被覆部２２ａと、端縁被覆部２２ａの上縁から天板６の上面に沿って水平に延出する上部延出部２２ｂと、端縁被覆部２２ａの下縁から天板６の下面に沿って水平に延出する下部延出部２２ｃとを備えている。更にカバー部材２２は、端縁被覆部２２ａの上縁から上方に延びて、煮汁等の液状の汚れがコンロ本体３内部に侵入しないように突設された突出縁２２ｆを備えている。更に、上部延出部２２ｂには下方に突出する上部嵌合部２２ｅが形成され、下部延出部２２ｃには上方に突出する下部嵌合部２２ｄが形成されている。一方、天板６には、つまみ用開口２１近傍の上下面のそれぞれに上面側凹部２３と下面側凹部２４とが形成されている。天板６が金属製であることにより、上面側凹部２３と下面側凹部２４とは切削加工等により容易に形成することができる。そして、天板６の上面側凹部２３にはカバー部材２２の上部嵌合部２２ｅが嵌合され、天板６の下面側凹部２４にはカバー部材２２の下部嵌合部２２ｄが嵌合されている。これによって、カバー部材２２の天板６からの不用意な外れを防止することができる。
【００３５】
また、本実施形態のドロップインコンロ１において、コンロ本体３内部への燃焼空気の取り入れが必要な場合には、図１３に示すように天板６の後部の一部、または、図１４に示すように天板６の後部の全幅にわたって肉薄部２５を形成する。該肉薄部２５は、天板６が金属製厚板であることにより該天板６の下面側を切削加工等により削り取ることで容易に形成することができる。該天板６の下面側を削り取ることによって、図１５に示すように、天板６の上面側を平坦としたまま該肉薄部２５を形成することができ、天板６の外観を低下させることなく肉薄部２５を設けることができる。そして、該肉薄部２５を設けることにより、コンロ本体３の後部上方に吸気用の間隙２６を形成することができる。
【００３６】
また、図１に示すように、天板６には、ネームプレート２７が貼着されている。天板６は、図１６に示すように、ネームプレート２７の形状に対応するネームプレート用凹部２８が形成されており、ネームプレート用凹部２８にネームプレート２７を収容することにより、ネームプレート２７が天板６の上面から突出することなく、また、ネームプレート２７の不用意な剥離を防止することができる。
【００３７】
また、天板６は、図１７に一部を断面視して示すように、フッ素樹脂層２９が設けられている。更に、該天板６の表面３０には、粗面加工が施されている。天板６は金属製であることによってショットブラスト等によって容易に粗面加工を施すことができる。そして、粗面加工が施された表面３０にフッ素樹脂層２９が設けられていることにより、フッ素樹脂層２９の剥離が防止でき、天板６の耐久性を向上させて外観の経年低下を抑えることができる。
【００３８】
また、図１８に示すように、天板６の前縁に傾斜面３１を形成してもよい。これによって、ワークトップ２上に天板６の厚み分突出していても、該傾斜面３１によって、天板６の突出感を小とすることができ、美観を向上させることができる。なお、前記傾斜面３１は、例えば図１９に示すように、天板６の前縁だけでなく両側縁に設けてもよい。また、前述した肉薄部２５（図１３及び図１４参照）が設けられていない場合には、図示しないが、天板６の全周縁に沿って傾斜面３１を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態のドロップインコンロにおける天板を示す説明的斜視図。
【図２】天板載置用シール部材を示す説明的断面図。
【図３】天板載置用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図４】天板載置用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図５】天板載置用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図６】バーナ用開口の開口用シール部材を示す説明的断面図。
【図７】開口用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図８】開口用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図９】開口用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図１０】開口用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図１１】開口用シール部材の他の態様を示す説明的断面図。
【図１２】つまみ用開口のカバー部材を示す説明的断面図。
【図１３】天板の下面側形状を示す説明図。
【図１４】天板の下面側形状の他の例を示す説明図。
【図１５】天板の肉薄部を示す説明的断面図。
【図１６】ネームプレート用凹部の説明的断面図。
【図１７】天板の一部を拡大してフッ素樹脂による被覆状態を示す説明的断面図。
【図１８】天板の周縁形状の他の態様を示す説明図。
【図１９】天板の周縁形状の他の態様を示す説明図。
【符号の説明】
１…ドロップインコンロ、２…ワークトップ、３…コンロ本体、４…フランジ、５…コンロ設置用開口、６…天板、７…天板載置用シール部材、８…溝部、１０…ガスバーナ、１１…バーナ用開口、１２…開口用シール部材、１２ａ…端縁被覆部、１２ｂ…上部延出部（延出部）、１２ｃ…下部延出部（延出部）、１２ｄ…下部嵌合部（嵌合部）、１２ｅ…上部嵌合部（嵌合部）、１３…汁受け部材、１４…五徳、１５…基枠、１６…段差部、１７…下面側凹部（凹部）、１８…上面側凹部（凹部）、１９…操作つまみ、２１…つまみ用開口、２２…カバー部材、２２ａ…端縁被覆部、２２ｂ…上部延出部（延出部）、２２ｃ…下部延出部（延出部）、２２ｄ…下部嵌合部（嵌合部）、２２ｅ…上部嵌合部（嵌合部）、２３…上面側凹部（凹部）、２４…下面側凹部（凹部）、２５…肉薄部、２６…吸気用の間隙、２７…ネームプレート、２８…ネームプレート用凹部、２９…フッ素樹脂層（フッ素樹脂）、３０…表面（粗面加工部）、３１…傾斜面。
Claims (6)
- 内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、
前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、
該天板の周縁部が、天板載置用シール部材を介して前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、
該天板の下面側には、前記天板載置用シール部材の上部を挿入する溝部が形成されていることを特徴とするドロップインコンロ。 - 内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、
前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、
該天板の周縁部が前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、
該天板のバーナ用開口の周縁部に汁受け部材又は五徳の基枠が載置され、
該バーナ用開口の周縁部と前記汁受け部材又は前記五徳の基枠との間の全周に開口用シール部材が設けられ、
該バーナ用開口の周縁部の上面側全周に段差部が設けられ、
該段差部には、前記汁受け部材の上面又は五徳の基枠の上面を天板の上面と同一平面上に位置させて汁受け部材又は五徳の基枠と前記開口用シール部材とが共に収容されており、
前記天板のバーナ用開口の周縁部の下面側には、上方に向って凹入された凹部が形成されており、
前記開口用シール部材には、前記バーナ用開口の内周側面に沿った端縁被覆部と、該端縁被覆部の下端から天板の下面に沿って水平に延出する延出部と、該延出部に形成されて前記凹部に嵌合する嵌合部とが設けられていることを特徴とするドロップインコンロ。 - 内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、
前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、
該天板の周縁部が前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、
該天板のバーナ用開口の周縁部に汁受け部材又は五徳の基枠が載置され、
該バーナ用開口の近傍の天板の上下面のそれぞれに凹部が形成され、
バーナ用開口の周縁部と前記汁受け部材又は前記五徳の基枠との間の全周に開口用シール部材が設けられ、
該開口用シール部材は、バーナ用開口の内周側面に沿った端縁被覆部と、該端縁被覆部の上下縁から天板の上下面に沿って延出された上下一対の延出部と、各延出部に形成されて前記各凹部に嵌合する嵌合部とを備えることを特徴とするドロップインコンロ。 - 内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、
前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、
該天板の周縁部が前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、
該天板には、前記コンロ本体から上方に突出して設けられた操作つまみに対応するつまみ用開口が形成され、
該つまみ用開口の近傍の天板の上下面のそれぞれに凹部が形成され、
該つまみ用開口の内周縁部には、該内周縁部を覆うカバー部材が設けられ、
該カバー部材は、つまみ用開口の内周側面に沿った端縁被覆部と、該端縁被覆部の上下縁から天板の上下面に沿って延出された上下一対の延出部と、各延出部に形成されて前記各凹部に嵌合する嵌合部とを備えることを特徴とするドロップインコンロ。 - 内部にガスバーナを収容して上部が開放されたコンロ本体と、該ガスバーナに対応するバーナ用開口を備えると共に該コンロ本体の開放された上部を覆う天板とからなり、該コンロ本体の上縁に備えるフランジをワークトップに形成されたコンロ設置用開口縁部に掛止して該コンロ本体を前記ワークトップのコンロ設置用開口に吊持させるドロップインコンロにおいて、
前記天板は、単一の金属製厚板により少なくとも上面が平坦に形成されており、
該天板の周縁部が前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿ったワークトップ上に載置され、
該天板の後縁部に他部より肉薄に形成された肉薄部を設け、該肉薄部は、天板の上面を平坦として下面側から削り取った形状とされて、前記コンロ本体の後部との間に該コンロ本体内部への吸気用の間隙を形成することを特徴とするドロップインコンロ。 - 前記天板は、天板載置用シール部材を介して前記コンロ本体のフランジ又は該フランジの外周に沿った前記ワークトップ上に載置され、
前記天板の下面側には、前記天板載置用シール部材の上部を挿入する溝部が形成されていることを特徴とする請求項２乃至５の何れか１項記載のドロップインコンロ。
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