JP4037622B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置に関し、特にスジが現れた画像データに対して補正処理を実施して対処している場合に、スジ発生の根本原因が完全に除去されていないことを、メンテナンス担当の専門エンジニア等に伝えるようにした画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
イメージスキャナー,ファクシミリ,複写機等の画像処理装置では、原稿搬送をさせながら画像読み取りを行なう。
この画像読み取りの際に、読み取った画像データ中に白スジ或いは黒スジ等の不用な画像(不具合)が現れる場合がある。これらの不具合は、読み取り時にシェーディング補正用の白基準板にごみが付着している場合や、読み取り位置にごみが付着している場合等が主原因と考えられる。
これらの不具合を解決するために、スジが現れた画像データに対して、補正処理を実施することにより、不具合部を取り除くことが考えられる(例えば、特開平8−237478号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の補正処理を施す手段では、スジ画像発生の根本原因を完全に除去したことにはならず、逆に、実際に出力(プリントアウト)してみないとスジ画像が除去されたか否か判明しない、或いは白基準が不安定になるおそれがある等の、副作用の影響が懸念される。
【0004】
一方、画像処理装置は、当然のことながらオフィス等の職員(操作者)が使用し、或いは良好な性能を維持するために定期的にメンテナンスの専門エンジニアが、メンテナンス作業を実施するのが一般的である。従って、これらの操作者や専門エンジニアに、スジ画像発生の根本原因が除去されていないことを知らせることができれば、根本原因を除去する手段を講じることができるので、良好な画像を得るために非常に好ましい。
【0005】
そこで本発明の課題は、スジが現れた画像データに対して補正処理を実施して対処している場合に、スジ発生の根本原因が完全に除去されていないことを、メンテナンス担当の専門エンジニア等に伝えるようにした画像処理装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1の発明は、1次元配列された複数の光電変換素子を有するラインセンサを用いて、原稿を搬送させながら画像読取りを行なう読取部を有する画像処理装置において、出力する画像データに現れる原稿搬送方向に発生する不用画像を補正処理により取り除く不用画像補正除去手段と、該不用画像補正除去手段により前記不用画像を除去した旨を記録する補正除去情報記憶手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
このようにすれば、不用画像補正除去手段は不用画像(スジ画像)を補正処理により除去し、補正除去情報記憶手段は不用画像を補正処理により除去したことを記録している。従って、不用画像の根本原因が除去されていない場合に、補正除去情報記憶手段に記録された情報を、活用することができる。
【0008】
また、請求項2では、請求項1記載の画像処理装置において、前記補正除去情報記録部に記憶した不用画像の補正除去情報を、保守担当の専門エンジニアに伝える手段を備えたことを特徴とする。
このようにすれば、専門エンジニアだけが確認する場所(例えば、コピー枚数のトータルカウンタ)の近傍に、スジ画像の根本原因が除去されていない旨を知らせる手段(例えば、記録をジャーナルプリンタで出力)を備えておけば、専門エンジニアは定期保守等の場合に、根本原因が未除去であることを認識することができる。
【0009】
また、請求項3では、請求項1または請求項2記載の画像処理装置において、前記補正除去情報記録部に記憶した不用画像の補正除去情報を、当該画像処理装置の操作者に表示する手段を備えたことを特徴とする。
このようにすれば、一般の画像処理装置の操作者が使用する操作パネル等に、スジ画像の根本原因が除去されていない旨を表示しておけば、操作者は、定期保守等の場合に専門エンジニアに、根本原因が未除去である旨を伝えることができる。
【0010】
また、請求項4では、請求項2または請求項3記載の画像処理装置において、
前記補正除去情報記録部に記憶した不用画像の補正除去情報に基づきメンテナンスをした場合に、該メンテナンスにより前記不用画像発生の根本原因の除去が実施されたことを示す手段を備えたことを特徴とする。
このようにすれば、不用画像発生の根本原因除去を実施済みであることを専門エンジニアに伝えることができるので、無駄な確認作業や二度手間を避けることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1〜図5で本発明を適用したイメージスキャナを例に、以下に説明する各実施の形態に共通した基本構成例および基本動作例を説明する。
【0012】
[I] イメージスキャナの基本構成および基本動作
まず、イメージスキャナについて図1を用いて説明する。
図1に示すように、装置本体1の右側上部に自動給紙装置2(ADF)が設けられ、本体上面には原稿読み取り台3が設けられており、これによりイメージスキャナ全体を構成している。この場合、装置本体1の内部には、光源4aとミラー4bとを備えた第1の走行体4と、ミラー5a,5bを備えた第2の走行体5と、レンズ6と1次元の光電変換素子(本例ではCCDを使用とする)7と、前記走行体4,5を駆動するステッピングモータ8とからなる露光走査光学系9が設けられている。
なお、この露光走査光学系9の下段の構成については、ここでの説明は省略する。
【0013】
また、自動給紙装置2には、ADFユニット10と、原稿台11とが設けられている。ADFユニット10内にはステッピングモータ12が備えられている。更に、原稿読み取り台3の上部に原稿押さえ板14が回動自在に取りつけられており、原稿13はその原稿押さえ板14の下にセットされる。原稿読み取り台3の端部には、シェーディング補正用の白基準部位15が配置されている。
このようなイメージスキャナにおいて、図2は、露光走査光学系9により読み取られた画像データの処理を行なうための制御回路の構成を示すものである。
【0014】
また、原稿読み取りモードとしては、図3に示すような原稿読み取り台3を用いて画像データの読み取りを行なうブックモードと、図4に示すような自動給紙装置2を用いて画像データの読み取りを行なうADFモードとがある。
【0015】
そこで、まず、図3に示すようなブックモードにおける画像データ読み取りの基本動作について述べる。
原稿13を原稿押さえ板14下の原稿読み取り台3上にセットした後、CPU16は光源ドライバ17を動作させて光源4aをオンにする。次に、CCD駆動部18により駆動されるCCD7で、原稿を載置(静止状態)した際の白基準部位15を読み取り、画像処理部19内のA/Dコンバータ(図示せず)でアナログディジタル変換を行ない、画像データのシェーディング補正用の基準データとして画像処理部19内のラインバッファ35に記憶する。CPU16は、モータドライバ20(駆動装置)をドライブしてステッピングモータ8を動作させ、これにより走行体4は原稿13のある方向へ移動する。走行体4が原稿面を一定速度で走査する事により、その原稿13の画像データがCCD7により光電変換される。
【0016】
図5は、最も基本的な画像処理部19の内部の構成を示すものであり、ここで光電変換されたアナログビデオ信号aは、アナログビデオ処理部21でディジタル変換の処理まで行なわれた後、シェーディング補正処理部22、画像データ処理部23により、それぞれシェーディング補正、各種の画像データ処理を行なった後、2値化処理部24により、所望とする2値化処理された2値化データbを作成する。なお、ここでは2値化処理部24とした例を示しているが、多値処理でも同様である。
その後、その2値化データbをスキャンバッファ25(図2参照)に順次記憶していく。I/Fコントローラ26は、スキャンバッファ25内のデータを外部のホストコンピュータ(図示せず)等の装置に出力する制御を行なう。バッファコントローラ27は、スキャンバッファ25への画像データの入出力管理を行なう。
【0017】
次に、図4に示すようなADFモードにおける画像データ読み取りの基本動作について述べる。
この場合には所定の読み取り位置で走行体4を静止させ、まず、原稿搬送時の白基準部位31が読み込まれた後、ステッピングモータ12をCPU16がモータドライバ28(駆動装置)でドライブする事により、原稿台11にセットされた原稿13を分離ローラ29,搬送ローラ30で搬送していき、走行体4の所定の読み取り位置まで搬送される。白基準部位31をここでは板のように図示しているが、白基準用のローラの場合も有り、どちらに対しても有効とする。
【0018】
この時、原稿13は一定速度で搬送されていき、走行体4は停止したままで原稿面の画像データをCCD7で読み取る。以下、ブックモードと同様の処理を行ない、2値化された画像データ、或いは多値画像データはスキャンバッファ25に記憶され、I/Fコントローラ26を介してホストコンピュータ(図示せず)等に送られる。
【0019】
図6は、図5中の本発明に関わる部分を細分化、且つ抜粋したものである。
図中の各部の説明をすると、光源4aよりコンタクトガラス上にある原稿13を照らし、反射光を、シェーディング調整板36を通してレンズ6によって集光し、ラインセンサ(CCD)7にて結像する構成とする。なお、図6では、説明簡単化のために反射光を折り返すためのミラーは省略している。シェーディング調整板36は、ラインセンサ中央部と端部での反射光量の差を無くすための光量調整の役割を果たす。これはシェーディング演算処理において、ラインセンサ中央部と端部で反射光量の差が有り過ぎると、多分に歪を含んだ演算結果しか得られないために、予め、反射光量の差を無くした後に、シェーディング演算処理を行なうためのものである。
【0020】
シェーディング調整板36の働き例を示す。図7(a)の例が、シェーディング調整板36が無い場合の白基準部位31のビデオデータを読み込んだ際の再現レベル分布である。この様に中央部のレベルが高く、端部でレベルが落ちる。
図7(b)がシェーディング調整板36を用いた際のレベル分布例である。ラインセンサ(CCD)7で光電変換をした後に、プリアンプ回路37,可変増幅回路38によりアナログビデオデータとしてレベル調整し、A/Dコンバータ39にて、ディジタル変換を行なう。
【0021】
ディジタル化したビデオデータは、黒側のオフセット分となる部分を黒補正演算回路40の演算処理にて取り除き、シェーディング補正演算回路41に送る。特に詳しくは書かないが、この際の黒側のオフセット分には、ラインセンサ7からの出力が2チャンネル構成の場合、チャンネル間の差分を含んでいる。ここでの演算処理は、特にはチャンネル間の誤差成分を除くのが大きな目的である。シェーディング補正演算のためには白基準部位31を読み取った基準データから、各種演算処理を行なって白基準データを生成する。ここでは白基準データの生成演算の方法としては平均化,加重平均化,最大値による白基準データ生成等が有る。
【0022】
実際の原稿読取りの際には、ここで生成した白基準データと原稿読取りデータ間でシェーディング演算処理を行ない、画像データとして次段処理部に出力するものである。
【0023】
[II]各実施の形態
(1)第1の実施の形態
図8に、図5の画像データ処理部23で示した画像処理ブロックの詳細ブロック図を示す。
画像データ処理部23では前段ブロックより入力してきた画像データを受け取り、「不用画像補正除去手段」であるスジ画像補正ブロック51によりスジ画像補正処理を行なう。ここでは具体的な処理方法については記載しないが、スジ画像は読み取りを繰り返してもスジの発生位置がずれない事から、発生部位を特定させ、そこに出現するスジを取り除くアルゴリズムにより取り除く。
【0024】
代表的な処理例しては画像データを一旦、ビットマップメモリに記憶させ、そこからスジ画像に対して、スジ画像検出用のパターンマッチングを行ない、スジを特定させることにより取り除く方法がある。
取り除いた情報は直ちに「補正除去情報記憶手段」であるスジ画像補正検出記憶ブロック52に格納される。記憶した情報は、CPUにより読み出し可能な構成とする。この構成によりスジ画像の補正処理情報を記憶させることが出来る。
【0025】
(2)第2の実施の形態
第1の実施の形態の装置で検出したスジ画像補正検出記憶情報を以下の方法により、定期的にメンテナンスを行なう専門のエンジニアに伝える。
伝達手段の例として図9を用いて説明する。
図9は、スジ画像補正検出記憶ブロック52に格納されていたスジ画像補正処理情報をログデータとして、専門エンジニアが定期的なメンテナンス時に出力した場合の出力例である。
この情報によれば、黒スジ補正を行ない始めたのが2001年の2月2日からと、白スジ補正を始めたのが2001年2月15日からである。これらの情報により、定期的にメンテナンスに訪れた専門エンジニアに、スジ画像の補正処理が行なわれたことを正しく伝える。
【0026】
(3)第3の実施の形態
第1および第2の実施の形態の装置を用いて、検出したスジ画像補正検出記憶情報を表示画面に伝える場合の処理について説明する。
表示画面に示す例として図10を用いて説明する。
図10は、スジ画像補正検出記憶ブロック52に格納されていたスジ画像補正処理情報から、表示画面上に補正処理をしたことを示した例である。読み取った画像データにおいて補正処理が働いた場合に“スジ補正しました“の部分が反転若しくは発光することにより、補正処理が行なわれたことを操作者に伝える。
この表示画面での伝達手段により、操作者に補正手段が働いたことを知ることが出来る。この表示により、操作者は自分でメンテナンスするか、或いは専門エンジニアにメンテナンスを依頼する等の処理を行なうことが出来る。
【0027】
(4)第4の実施の形態
第1〜第3の実施の形態の装置において、スジ画像を除去する働きにより画像データに補正処理が施されたが、更に真の原因を除去するためにメンテナンスを行ない、そのメンテナンス処理が正しく行なわれたかどうかを確認する処理について説明する。
【0028】
図を用いて説明する。
図11は、メンテナンス処理を実行した後に画像データの出力処理を行ない、スジ画像が無くなった場合のログ情報を示すものである。この情報によるとメンテナンスが正しく実行され、スジ画像が発生しなかったことを示している。
次にメンテナンスを実行したが、スジを除くことが出来なかった場合について説明する。その際にはスジが依然としてあるので、補正処理が働くことになる。よってログ情報を表示させると図9のままになる。その場合には再度メンテナンス処理を実施し、スジの原因となる不具合を取り除く。本処理を繰り返すことにより、スジの原因となる不具合を取り除くことが出来る。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下の効果を発揮することができる。
(1)請求項1に対する作用効果
スジ画像が発生してそのスジ画像に対して補正処理を行なったことを記憶することが出来る。
(2)請求項2に対する作用効果
スジ画像に対して補正処理を行なったことを専門エンジニアに定期点検時等の機会に知らせ、そのスジになった根本原因を取り除いて貰うことが出来る。
【0030】
(3)請求項3に対する作用効果
スジ画像に対して補正処理を行なったことを操作者に知らせ、そのスジになった根本原因を取り除いて貰うことが出来る。
(4)請求項4に対する作用効果
スジ画像の根本原因を取り除くことが出来たことを確認することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するイメージスキャナの機械的構成を示す側面図である。
【図2】同イメージスキャナの制御部のブロック図である。
【図3】同イメージスキャナをブックモードにした場合の画像データ読み取りの基本動作を示す側面図である。
【図4】同イメージスキャナをADFモードにした場合の画像データ読み取りの基本動作を示す図である。
【図5】図2における画像処理部の内部構成を示すブロック図である。
【図6】図5における本発明に関わる部分を細分化、且つ抜粋したフローチャートである。
【図7】図6におけるシェーディング調整板の働き例を示す図であって、(a)は、シェーディング調整板が無い場合の白基準部位のビデオデータを読み込んだ際の再現レベル分布を示す図、(b)はシェーディング調整板を用いた際の再現レベル分布を示す図である。
【図8】図5における画像データ処理部の画像処理ブロックの詳細ブロック図である。
【図9】図8において格納されていたスジ画像補正処理情報をログデータとして、専門エンジニアが定期的なメンテナンス時に出力した場合の出力例を示す図である。
【図10】図8において格納されていたスジ画像補正処理情報に基づき、補正処理をしたことを示す表示例を示す図である。
【図11】メンテナンス処理を実行した後に画像データの出力処理を行ない、スジ画像が無くなった場合のログ情報を示す図である。
【符号の説明】
1…装置本体
2…自動給紙装置(ADF)
3…原稿読み取り台
4…第1の走行体
4a…光源
4b…ミラー
5…第2の走行体
5a,5b…ミラー
6…レンズ6
7…1次元の光電変換素子(CCD)
8…ステッピングモータ
9…露光走査光学系
10…ADFユニット
11…原稿台
12…ステッピングモータ
13…原稿
14…原稿押さえ板
15…原稿載置時の白基準部位
16…CPU
17…光源ドライバ
18…CCD駆動部
19…画像処理部
21…アナログビデオ処理部
22…シェーディング補正処理部
23…画像データ処理部
24…2値化処理部
25…スキャンバッファ
26…I/Fコントローラ
27…バッファコントローラ
28…モータドライバ
29…分離ローラ
30…搬送ローラ
31…原稿搬送時の白基準部位
35…ラインバッファ
36…シェーディング調整板
37…プリアンプ回路
38…可変増幅回路
39…A/Dコンバータ
40…黒補正演算回路
41…シェーディング補正演算回路
51…スジ画像補正ブロック
52…スジ画像補正検出記憶ブロック

Claims (4)

  1. 1次元配列された複数の光電変換素子を有するラインセンサを用いて、原稿を搬送させながら画像読取りを行なう読取部を有する画像処理装置において、
    出力する画像データに現れる原稿搬送方向に発生する不用画像を補正処理により取り除く不用画像補正除去手段と、
    該不用画像補正除去手段により前記不用画像を除去した旨を記録する補正除去情報記憶手段と
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1記載の画像処理装置において、
    前記補正除去情報記録部に記憶した不用画像の補正除去情報を、保守担当の専門エンジニアに伝える手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の画像処理装置において、
    前記補正除去情報記録部に記憶した不用画像の補正除去情報を、当該画像処理装置の操作者に表示する手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項2または請求項3記載の画像処理装置において、
    前記補正除去情報記録部に記憶した不用画像の補正除去情報に基づきメンテナンスをした場合に、該メンテナンスにより前記不用画像発生の根本原因の除去が実施されたことを示す手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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