JP4036417B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線を用いた表示装置などの画像形成装置に係わり、特に、外囲器内部にスペーサを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子放出素子を利用した画像形成装置として、冷陰極素子を多数、用いた電子源基板(リアプレートに設けられる)と、アノード電極および蛍光体を具備した陽極基板(フェースプレートに設けられる)とを、空隙を介して、互いに平行に対向させ、前記空隙を支持枠で囲った状態で、外囲器を構成し、その内部を真空に排気した、所謂、平面型の電子線表示パネルが知られている。
【0003】
このような画像形成装置において、その冷陰極素子として、表面伝導型放出素子を用いたものは、例えば、米国特許第5,066,883号明細書などに開示されている。このような、表面伝導型放出素子を用いた平面型の電子線表示パネルは、現在広く用いられているCRTに比べて、軽量化、大画面化を図ることができ、また、液晶を利用した平面型表示パネルやプラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセントディスプレイなどの他の平面型表示パネルに比べて、より高輝度、高品質な画像を提供することができる。
【0004】
図16には、その電子放出素子を利用した画像形成装置の一例として、従来の平面型電子線表示パネルが、その一部を切り欠いた斜視図の形で示されている。なお、図中、符号1015はリアプレート、1017はフェースプレート、1016は側壁(支持枠)であり、これらにより、真空外囲器を構成している。また、1011は電子源基板、1012は電子放出素子であり、この事例では、電子源基板上の1つの電子放出素子に、フェースプレート1017にある1つの蛍光体(後述)が対応している。
【0005】
また、符号1013は行方向配線、1014は列方向配線であり、それぞれ、電子放出素子1012に接続されている。更に、1019はメタルバック、1018は蛍光体である。また、1020はスペーサであって、電子源基板1011(換言すれば、リアプレート1015)とフェースプレート1017とが、互いに所定間隔を保持するように、大気圧に耐える支持部材として、真空外囲器内部に配置されている。
【0006】
このような画像形成装置においては、例えば、画像形成部材(領域)に入射した電子線の一部が散乱されて、スペーサ表面に衝突し、二次電子を放出させることで、その部分の電位を上昇させるようにチャージアップする場合がある。これにより、真空外囲器内部の電位分布が歪み、電子線の軌道が不安定になるばかりでなく、内部で放電を生じ、これにより、装置が劣化したり、破壊される畏れがある。
【0007】
即ち、チャージアップした部分は、電位が高くなるために、電子を引き付けるので、そのチャージアップが更に進み、スペーサに沿って、放電が発生するのである。このような放電の原因となるスペーサのチャージアップを防止する方法としては、スペーサに適当なインピーダンスを有する帯電防止膜を形成し、上述のようにして発生したチャージを除去する方法が適用できる。この方法として、既に、特開昭57-118355号公報や特開昭61-124031号公報に所載のものが提案されている。
【0008】
ところで、図16に示された従来例のように、矩形平板状のスペーサ1020を、行方向配線1013上に、しかも、画像形成領域内に配置する場合には、前記スペーサを固定するための接着剤(図示せず)から発生するガスにより、近傍の表面伝導型放出素子を劣化させ、電子放出効率が低下する問題があり、また、スペーサの帯電防止膜を変質させて、局所的な抵抗値変化をもたらし、これにより、特異な電界を形成し、画像を歪める問題がある。
【0009】
このため、画像形成領域の少なくとも1辺よりも長い、矩形平板状のスペーサ(以下、長尺スペーサ)を用いて、前記画像形成領域を跨ぎ、その延出端を領域外において、固定部材により固定する方法が考えられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、固定部材を用いて、長尺スペーサをリアプレートおよびフェースプレートに固定するように構成した画像表示装置においては、スペーサの画像形成領域外が、フェースプレートあるいはリアプレートと接触せずに、微少ギャップ(ボイド)を持つ場合があり、その微小ギャップが引き金になって、放電し易い状況となるといった問題があった。
【0011】
本発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、その主たる目的は、電子源基板を用いた真空外囲域内において、放電が発生し難く、しかも、画像の高輝度表示が可能な画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明では、電子源が配置された電子源基板を有するリアプレートと、前記電子源から放出された電子が照射されることで画像を形成する画像形成領域を有するフェースプレートと、前記リアプレートと前記フェースプレートとを固定するための支持枠と、前記リアプレートと前記フェースプレートの間に耐大気圧構造のために配置された導電性のスペーサとを具備し、前記リアプレート、フェースプレート、支持枠および導電性のスペーサにて、真空を維持する方形の外囲器を構成している画像形成装置において、前記導電性のスペーサは、前記外囲器内において、前記画像形成領域を跨いで、その端部を前記画像形成領域外に延出している細長い平板であり、前記導電性のスペーサの起立幅は、前記画像形成領域内よりも前記画像形成領域外の方で小さく、前記画像形成領域外で、前記スペーサと前記フェースプレートとの間又は前記スペーサと前記リアプレートとの間にギャップを有し、前記導電性のスペーサの端部が、前記画像形成領域外にある固定部材により固定されていることを特徴とする。
【0013】
このような構成では、スペーサとフェースプレートとの微少ギャップまたはスペーサとリアプレートとの微小ギャップによる放電がなくなり、放電し難く、画像の高輝度表示が可能な画像形成装置を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好ましい実施の形態について、具体的に説明する。図1、図3ないし図6には、本発明の各実施の形態に係わる要部の断面が示されている。また、図7にはこれらに共通する外囲器筐体の横断平面が示され、図8にはその一部としての固定部材の平面が示されている。また、図9は、第1の実施の形態で代表される外囲器筐体の一部破断した斜視図である。
【0015】
図中、符号1015はリアプレート、1016は側壁(支持枠)、1017はフェースプレートであり、これら部材1015〜1017により、表示パネルの内部を真空に維持するための気密容器(真空外囲器)を構成している。
【0016】
この気密容器を組み立てるに際しては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保持させるために、封止手段が用いられるが、この封止には、例えば、フリットガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中で、温度が摂氏400〜500度で、10分以上の焼成をする方法が採用できる。
【0017】
なお、気密容器内部を真空に排気する方法については後述する。また、前記気密容器の内部は、10-6[Torr]程度の真空に保持されるので、大気圧や不意の衝撃などによる気密容器の破壊を防止する目的で、耐大気圧構造体として、容器内部にスペーサ1020が設けられている。
【0018】
次に、本発明の画像形成装置に用いることができる電子放出素子基板(電源基板)について説明する。この基板は、容器を構成するリアプレート1015の内側面に設けられ、基板上1011に複数の冷陰極素子を配列することで、構成される。
【0019】
冷陰極素子の配列の方式には、冷陰極素子を並列に配置し、個々の素子の両端を配線で接続する、所謂、はしご型配置(以下、はしご型配置電子源基板と称する)や、冷陰極素子の、一対の素子電極の、それぞれ、X方向配線およびY方向配線を接続した、単純マトリクス配置(以下、マトリクス型配置電子源基板と称する)が挙げられる。
【0020】
なお、はしご型配置電子源基板を有する画像形成装置には、電子放出素子からの電子の飛翔を制御する電極である制御電極(グリッド電極)が必要である。ここでは、基板1011上に冷陰極素子1012がN×M個、形成されている。なお、N、Mは、2以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて、適宜に設定される。
【0021】
例えば、高品位テレビジョンの表示を目的とした画像形成装置においては、N=3000、M=1000以上の数を設定することが望ましい。前記N×M個の冷陰極素子は、M本の行方向配線1013と、N本の列方向配線1014とにより、単純マトリクス配線がされている。そして、前記の部材1011〜1014によって構成される部分を、マルチ電子ビーム源と呼ぶ。
【0022】
本発明の画像表示装置に用いるマルチ電子ビーム源は、それが冷陰極素子を単純マトリクス配線、もしくは、はしご型配置とした電子源であれば、冷陰極素子の材料や形状、あるいは、その製法に如何なる制限もない。従って、例えば、表面伝導型放出素子やFE型、あるいは、MIM型などの冷陰極素子を用いることができる。
【0023】
次に,冷陰極素子として表面伝導型放出素子を基板上に配列して単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム源の構造について述べる。
【0024】
図12に示すのは、図9の表示パネルに用いたマルチ電子ビーム源の平面図である。ここでは、基板1011上に表面伝導型放出素子が配列されていて、これらの素子は、行方向配線1013と列方向配線1014により、単純マトリクス状に配線されている。また、行方向配線1013と列方向配線1014との交差する部分には、電極間に絶縁層(図示せず)が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0025】
図12のB−B’に沿った断面が図13に示されている。なお、このような構造のマルチ電子源は、予め、基板上に行方向配線1013、列方向配線1014、電極間絶縁層(図示せず)、および、表面伝導型放出素子の素子電極と導電性薄膜を、それぞれ、形成した後で、行方向配線1013および列方向配線1014を介して、各素子に給電して、通電フォーミング処理と通電活性化処理とを行うことで製造される。
【0026】
本実施の形態においては、気密容器のリアプレート1015に、マルチ電子ビーム源の基板1011を固定する構成としたが、該基板1011が十分な強度を有するものである場合には、気密容器のリアプレートとして、マルチ電子ビーム源の基板1011自体を用いてもよい。
【0027】
また、フェースプレート1017の下面には、蛍光膜1018が形成されている。ここでは、表示装置が、カラーであるため、蛍光膜1018の部分には、通常、CRTの分野で用いられる赤、緑、青の3原色の蛍光体が、塗り分けられている。そして、各色の蛍光体は、例えば、図10の(a)に示すように、ストライプ状に塗り分けられる。また、蛍光体のストライプの間には、それぞれ、黒色の導電体1010が設けられている。
【0028】
ここで、黒色の導電体1010を設ける目的は、電子ビームの照射位置に多少のずれがあっても、表示色にずれが生じないようにすること、外光の反射を防止して表示コントラストの低下を防ぐこと、電子ビームによる蛍光膜のチャージアップを防止することなどにある。なお、黒色の導電体1010には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の目的に適するものであれば、これ以外の材料を用いても良い。
【0029】
また、3原色の蛍光体の塗り分け方は、図10の(a)に示したストライプ状の配列に限られるものではなく、例えば、同じく、図10の(b)に示すようなデルタ状配列や、それ以外の配列(例えば、図11を参照)であってもよい。
【0030】
なお、モノクロームの表示パネルを作成する場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1018に用いればよく、また、必ずしも、黒色導電材料を用いなくともよいことは勿論である。
【0031】
また、蛍光膜1018の、リアプレート側の面(即ち、気密容器内面)には、通常、CRTの分野では公知のメタルバック1019が設けてある。このメタルバック1019を設けた目的は、蛍光膜1018が発する光の一部を鏡面反射して、光利用率を向上させること、負イオンの衝突から蛍光膜1018を保護すること、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させること、蛍光膜1018を励起した電子の導電路として作用させることなどである。
【0032】
メタルバック1019は、蛍光膜1018をフェースプレート基板1017上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化処理し、その上に、Alを真空蒸着する方法により、形成される。なお、蛍光膜1018に低電圧用の蛍光体材料を用いた場合には、メタルバック1019は用いない。
【0033】
また、本実施の形態では用いなかったが、加速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フェースプレート基板1017と蛍光膜1018との間に、例えば、ITOを材料とする透明電極を設けてもよい。
【0034】
図14は、図9のA−A’の断面の模式図であり、各部の番号は、図9において使用したものに対応している。ここで、スペーサ1020は、絶縁牲部材1の表面に、帯電防止を目的とした高抵抗膜11を成膜したもので、更に、このスペーサは、フェースプレート1017の内側(メタルバック1019など)に面して、基板1011の表面(行方向配線1013または列方向配線1014)に対向して当接面3を有し、その高抵抗膜11の側面部5に、低抵抗膜21を成膜している。ここでは、このスペーサ1020は、耐大気圧構造を維持するための部材としての目的を達成するのに必要な数だけ、所要の間隔をおいて、気密容器内に配置される。
【0035】
特に、この実施の形態では、スペーサ1020は、フェースプレートの内側および基板1011の表面に対して、接合材(図示せず)により固定される。また、高抵抗膜は、絶縁性部材1の表面の内、少なくとも気密容器内で、その真空中に露出している面に成膜されており、スペーサ1020上の低抵抗膜21および接合材を介して、フェースプレート1017の内側(メタルバック1019など)および基板1011の表面(行方向配線1013または列方向配線1014)に電気的に接続される。
【0036】
ここで説明される実施の形態においては、スペーサ1020の形状が薄板状であって、行方向配線1013に平行に配置され、行方向配線1013に電気的に接続されている。特に、本発明に係わる画像形成装置におけるスペーサ1020としては、基板1011上の行方向配線1013および列方向配線1014とフェースプレート1017内面のメタルバック1019との間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、かつ、スペーサ1020の表面への帯電を防止する程度の導電性を有する必要がある。
【0037】
このための構成が、後述する各実施の形態において説明されることになる。なお、スペーサ1020の絶縁性部材1としては、例えば、石英ガラス、Naなどの不純物含有量を減少したガラス、ソーダライムガラス、アルミナなどのセラミックス部材が挙げられる。なお、絶縁性部材1は、その熱膨張率が気密容器および基板1011を成す部材に近いものが好ましい。
【0038】
また、スペーサ1020を構成する高抵抗膜11には、高電位側のフェースプレート1017(メタルバック1019など)に印加される加速電圧Vaを、帯電防止膜である高抵抗膜11の抵抗値Rsで除した値の電流が流される。
【0039】
そこで、スペーサの抵抗値Rsは、帯電防止および消費電力から、その望ましい範囲に設定される。また、帯電防止の観点から表面抵抗は1014Ω□以下であることが好ましく、更に十分な帯電防止効果を得るためには1011Ω□以下が好ましい。ここでの表面抵抗の下限は、スペーサ形状とスペーサ間に印加される電圧により左右されるが、107Ω□以上であることが好ましい。
【0040】
絶縁材料上に形成された帯電防止膜の厚みtは、10nm〜1μmの範囲が望ましい。これは、材料の表面エネルギー、基板との密着性、基板温度によっても異なるが、一般的に、10nm以下の薄膜では島状に形成されて、抵抗が不安定で再現性に乏しく、一方、膜厚tが1μm以上では、膜応力が大きくなって、膜はがれの危険性が高まり、成膜時間が長くなるために生産性が悪い点を考慮してのことである。
【0041】
従って、より好ましくは、膜厚を50〜500nmにすることである。ここで、表面抵抗:R/□はρ/tであり、以上に述べたR/□とtの好ましい範囲から、帯電防止膜の比抵抗ρは0.1〜108Ωcmが好ましく、更に表面抵抗と膜厚の、より好ましい範囲を実現するには、ρが102〜106Ωcmであるのがよい。
【0042】
スペーサは、上述したように、その上に形成した帯電防止膜に電流が流れることにより、あるいは、ディスプレイ全体が動作中に発熱することにより、その温度が上昇する。そして、帯電防止膜の抵抗温度係数が大きな負の値であると、温度が上昇した時に抵抗値が減少し、スペーサに流れる電流が増加し、更に温度上昇をもたらす。その結果、電流は電源の限界を越えるまで増加しつづける。このような電流の暴走が発生する抵抗温度係数の値は、経験的に負の値で、絶対値が1%以上である。即ち、帯電防止膜の抵抗温度係数は−1%より大であることが望ましい。
【0043】
帯電防止特性を有する高抵抗膜11の材料としては、例えば、金属酸化物を用いることができる。特に、金属酸化物の中でも、クロム、ニッケル、銅の酸化物が好ましい材料である。その理由は、これらの酸化物の二次電子放出効率が比較的小さく、冷陰極素子1012から放出された電子がスペーサ1020に当たった場合においても、帯電し難いためと考えられる。
【0044】
この他に、金属酸化物以外にも、例えば、炭素は二次電子放出効率が小さく、好ましい材料である。特に、非晶質カーボンは高抵抗であるため、スペーサ抵抗を所望の値に制御しやすい。
【0045】
帯電防止特性を有する高抵抗膜11の他の材料として、アルミニウムと遷移金属合金の窒化物は、その遷移金属の組成を調整することにより、良伝導体から絶縁体までの広い範囲において、抵抗値を制御できるので、好適な材料である。これは、後述する表示装置の作製工程において、抵抗値の変化が少なく、安定な材料でもあり、その抵抗温度係数が−1%より大であり、実用的に使いやすい材料である。なお、遷移金属元素としては、Ti、Cr、Taなどがあげられる。
【0046】
合金窒化膜は、スパッタ、窒素ガス雰囲気中での反応性スパッタ、電子ビーム蒸着、イオンプレーティング、イオンアシスト蒸着法などの薄膜形成手段によって、絶縁性部材上に形成される。金属酸化膜も、同様の薄膜形成法で作製することができるが、この場合、窒素ガスに代えて酸素ガスを使用する。その他、CVD法、アルコキシド塗布法でも金属酸化膜を形成できる。
【0047】
カーボン膜は、蒸着法、スパッタ法、CVD法、プラズマCVD法で作製することができ、特に、非晶質カーボンを作製する場合には、成膜中の雰囲気に水素が含まれるようにするか、成膜ガスに炭化水素ガスを使用する。
【0048】
スペーサ1020を構成する低抵抗膜21は、高抵抗膜11を高電位側のフェースプレート1017(メタルバック1019など)および低電位側の基板1011(配線1013、1014など)に電気的に接続するために設けられたものであり、以下の記述では、中間電極層と呼称する。この中間電極層は、以下に列挙する複数の機能を有することができる。
▲1▼ 高抵抗膜11をフェースプレート1017および基板1011に対して電気的に接続する。
【0049】
既に記載したように、高抵抗膜11はスペーサ1020表面での帯電を防止する目的で設けられたものであるが、高抵抗膜11をフェースプレート1017(メタルバック1019など)および基板1011(配線1013、1014など)に直接、あるいは、当接材1041を介して、接続した場合に、接続部界面に大きな接触抵抗が発生し、スペーサ表面に発生した電荷を速やかに除去できなくなる可能性がある。これを避けるために、フェースプレート1017、基板1011および当接材1041と接触するスペーサ1020の当接面3あるいは側面部5に、低抵抗の中間電極層を設けるのである。
▲2▼ 高抵抗膜11の電位分布を均一化する。
【0050】
冷陰極素子1012より放出された電子は、フェースプレート1017と基板1011の間に形成された電位分布に従って、電子軌道を成す。スペーサ1020の近傍で電子軌道に乱れが生じないようにするためには、高抵抗膜11の電位分布を、その全域にわたって制御する必要がある。高抵抗膜11をフェースプレート1017(メタルバック1019など)および基板1011(配線1013、1014など)に直接、あるいは、当接材1041を介して、接続した場合、接続部界面の接触抵抗のために、接続状態のむらが発生し、高抵抗膜11の電位分布が所望の値からずれてしまう可能性がある。これを避けるために、スペーサ1020がフェースプレート1017および基板1011に当接するスペーサ端部(当接面3あるいは側面部5)の全長域に、低抵抗の中間電極層を設け、この中間電極層の個所に所望の電位を印加することによって、高抵抗膜11全体の電位を制御可能としている。
▲3▼ 放出電子の軌道を制御する。
【0051】
冷陰極素子1012より放出された電子は、フェースプレート1017と基板1011との間に形成された電位分布に従って電子軌道を成す。スペーサ近傍の冷陰極素子から放出された電子に関しては、スペーサを設置することに伴う制約(配線、素子位置の変更など)が生じる場合がある。このような場合、歪みやむらの無い画像を形成するために、放出された電子の軌道を制御して、フェースプレート1017上の所望の位置に電子を照射する必要がある。フェースプレート1017および基板1011に当接する面(側面部5)に、低抵抗の中間電極層を設けることにより、スペーサ1020近傍の電位分布に、所望の特性を持たせて、放出された電子の軌道を制御することができる。
【0052】
なお、低抵抗膜21には、高抵抗膜11に比べて、十分に低い抵抗値を有する材料を選択すればよく,Ni、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pdなどの、金属あるいはその合金、および、Pd、Ag、Au、RuO2、Pd−Agなどの、金属や金属酸化物とガラスなどから構成される印刷導体、あるいは、In2O3−SnO2などの、透明導体およびポリシリコンなどの半導体材料より、適宜、選択することができる。
【0053】
また、接合材1041には、スペーサ1020が行方向配線1013およびメタルバック1019に電気的に接続されるように、導電性をもたせる必要があるので、導電性接着材や金属粒子や導電性フィラーを添加したフリットガラスが好適である。
【0054】
なお、符号Dx1〜DxmおよびDy1〜Dyn、および、Hvは、当該表示パネルと電気回路(図示せず)とを電気的に接続するために、側壁(支持枠)1016を貫通して、構成された気密構造の電気接続用端子である。端子Dx1〜Dxmは、マルチ電子ビーム源の行方向配線1013と、端子Dy1〜Dynは、マルチ電子ビーム源の列方向配線1014と、端子Hvは、フェースプレートのメタルバック1019と、それぞれ電気的に接続している。
【0055】
また,気密容器内部を真空にするには、気密容器を組み立てた後、排気管と真空ポンプ(いずれも図示せず)を接続し、気密容器内を10-7[Torr]程度の真空度まで排気する。その後、排気管を封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、封止の直前あるいは封止後に、気密容器内の所定の位置にゲッター膜(図示せず)を形成する。ゲッター膜とは、例えば、Baを主成分とするゲッター材料を、ヒーターもしくは高周波加熱により加熱し、蒸着して、形成した膜であり、該ゲッター膜の吸着作用により、気密容器内は10-5ないしは10-7[Torr]の真空度に維持される。
【0056】
以上、説明した表示パネルを用いた画像表示装置では、容器外端子Dx1ないしDxm、および、Dy1ないしDynを通じて、各冷陰極素子1012に電圧を印加すると、各冷陰極素子1012から電子が放出される。それと同時に、メタルバック1019に、容器外端子Hvを通じて、数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上述の放出電子を加速し、フェースプレート1017の内面に衝突させる。これにより、蛍光膜1018をなす各色の蛍光体が励起されて、発光し、画像を表示する。
【0057】
なお、通常、冷陰極素子である、本発明の表面伝導型放出素子1012への印加電圧は、12〜16[V]程度であり、メタルバック1019と冷陰極素子1012との距離:dは、0.1[mm]から8[mm]程度、メタルバック1019と冷陰極素子1012との間の電圧は、0.1[kV]から10[kV]程度である。
【0058】
以上、本発明に係わる実施の形態における、表示パネルの基本構成とその製法、および、画像表示装置の概要を説明した。次に、本発明の主要な特徴部分について説明する。
【0059】
本発明では、上述のような、電子源が配置された電子源基板1011を有するリアプレート1015と、前記電子源から放出された電子が照射されることで画像を形成する画像形成領域を有するフェースプレート1017と、前記リアプレートと前記フェースプレートとを固定するための支持枠1016と、前記リアプレートと前記フェースプレートの間に耐大気圧構造のために配置されたスペーサ1020とを具備し、前記リアプレート、フェースプレート、支持枠およびスペーサにて、真空を維持する方形の外囲器を構成している。
【0060】
そして、この外囲器を用いた画像形成装置において、スペーサ1020が、前記外囲器内において、前記画像形成領域を跨いで、その端部を前記画像形成領域外に延出している細長い平板(延出長さ=a)であり、前記リアプレートおよびフェースプレートの各面に対して起立するスペーサ1020の面に関して、その起立幅が、前記画像形成領域内では前記フェースプレートとリアプレートとの間の距離:dにほぼ等しく、また、前記画像形成領域外ではその距離:dより小さくなっている形状であって、その延出端部が、前記フェースプレートまたはリアプレートに対して、前記画像形成領域外にある固定部材50により、固定されているのである。
【0061】
(第1の実施の形態)
以下に、電流場で電界が決まる場合の説明をする。ここで、符号1015は電子源基板を含むリアプレート、1016は側壁(支持枠)、1017はフェースプレート、1018は蛍光体、1019はメタルバック、1020はスペーサ、50は固定部材である。
【0062】
フェースプレート1017およびリアプレートは、ソーダライムガラスによって、また、側壁1016は無アルカリガラスによって構成されている。スペーサ1020表面には高抵抗膜を施してあり、導電性を有している。また、スペーサ1020は、リアプレート1015上で、その行方向配線(図示せず)の上に設置され、画像表示領域の全域に渡っているので、隙間は無い。さらに、スペーサ1020の延出端部は、画像形成領域の外側では、リアプレート側に向けて、直線的に傾斜しており、スペーサ全体として、台形平板の構成になっている。
【0063】
このような場合、側壁1016の無アルカリガラスに対して、フェースプレートのソーダライムガラスは低抵抗であり、アノード電極が無いにも拘わらず、フェースプレートの画像形成領域外にも、ほぼアノード電圧と等しい電圧が掛ることになる、しかしながら、この実施の形態では、スペーサ1020は、図中の等電位線が示すように、電界を乱さずに、微小ギャップにおいて、高電位差が発生するようなことはない。
【0064】
よって、図1に示すように、スペーサ1020の延出端部(画像形成領域外)を斜めに形成し、スペーサ全体を台形平板とすることは、従来のもの(図2を参照)に比較して、放電抑制の点で有効である。因みに、従来のものは、微小ギャップが電界を乱してしまい、画像形成領域外の部分(延出端部)が長くなる程、特に、スペーサの延出端部の上側エッジ部にて、微小ギャップに高電位差が発生する。
【0065】
(第2の実施の形態)
また、図3に示すように、スペーサ1020の画像形成領域外の部分(延出端部)が、斜めの縁部分と垂直の縁部分(長さ=b)との組み合わせ形状、即ち、スペーサ全体が6角形の平板であってもよい。この場合には、図中の等電位線が示すように、第1の実施の形態における場合より、若干、電界の乱れがあるが、それでも、従来例のように、微小ギャップに高電位差を生じるようなことはない。
【0066】
(第3の実施の形態)
また、図4に示すように、スペーサ1020の画像形成領域外の部分(延出端部)が、弧状に傾斜していても、図中の等電位線が示すように、第1の実施の形態における場合より、若干、電界の乱れがあるが、それでも、従来例のように、微小ギャップに高電位差を生じるようなことはない。
【0067】
(第4の実施の形態)
次に、静電場で電界が決まる場合について説明する。図5に示すように、ここで、符号1015は電子源基板を含むリアプレート、1016は側壁(支持枠)、1017はフェースプレート、1018は蛍光体、1019はメタルバック、1020はスペーサ、50は固定部材である。ここで、フェースプレート1017およびリアプレートはソーダライムガラスで構成され、側壁1016およびスペーサ1020は無アルカリガラスで構成されており、高抵抗膜は無い。また、スペーサ1020は、リアプレート1015上の行方向配線(図示せず)に設置され、画像形成領域の全域に渡っているので隙間はない。また、スペーサ1020の延出端部(長さ=a)は、画像形成領域の端から、矩形の切り込み(起立幅=d0のギャップ)が入った、段差(延出端部の起立幅=d1)を持っており、スペーサ全体として、凸型平板となっている。
【0068】
この実施の形態に対する比較例として、従来例を図15に示す。この従来例によると、真空中の誘電率をε0、スペーサ部材の比誘電率をε1、微小ギャップの電界をE0、スペーサ部材に掛る電界をE1とすると、電束密度一定により、ε00=ε1ε01からE0=ε11となり、微小ギャップ(d0)には、スペーサ上下間に掛る電界のε1倍の電界が掛る。スペーサがガラスで構成された場合は、更に数倍の電界が掛かることになる。
【0069】
これに比べて、この実施の形態では、ギャップ(d0)が広がっているため、電界集中が軽減できる。好ましくは、図5中の距離d0とd1の関係をd0=ε11に近づければ、ギャップ間とスペーサ上下間の電界が安定する。
【0070】
(第5の実施の形態)
更に、本発明の実施の形態として、図6に示すように、画像形成領域外のスペーサの延出端部に、リアプレート側でも、画像形成領域の端から、矩形の切り込み(起立幅=d2のギャップ)が入った、段差(延出端部の起立幅=d1)を持っているスペーサを用いても良い。この場合は、行方向配線(図示せず)が、画像形成領域内外にわたって、直線的でない場合に有効に適応できる。また、画像形成領域内での、スペーサ1020の部分に、高抵抗膜が施してあると、電子放出による帯電が緩和されて、なお良いことになる。
【0071】
【実施例】
(実施例1)
この実施例1を、図1、7および8を用いて、具体的に説明する。まず、図7にて設計寸法を示す。画像形成領域53のX方向の長さAを200mm、画像形成領域53から固定部材50までのスペーサの延出端部の長さBを10mm、固定部材50と支持枠1016との間の長さCを10mmとした。
【0072】
また、画像形成領域53のY方向の長さDを150mm、画像形成領域53と支持枠1016との間の長さEを20mmとした。また、この寸法仕様は、全て、図面にて、上下・左右対称とした。固定部材50の配置間隔は、リアプレートの行方向配線1013、および、フェースプレートのブラックストライプ1010の間隔である0.65mmの整数倍、例えば、15.6mmとしており、スペーサは、行方向配線上に配置する。なお、行方向配線1013の幅は0.3mm、スペーサの厚さは0.2mmとした。
【0073】
次に、図8を用いて、固定部材50の寸法を説明する。その固定部材の厚み(図示せず)は0.5mm、外形辺Fは6mm、Gは5mm、接着部の孔の直径Jは3mm、孔の位置を表すIは3mm、スペーサの挟まる溝部の幅Hは0.25mmとした。また、この時のスペーサの長さを230mmにした。
【0074】
スペーサの延出端部は、図1に示すように、アノード電極の端の部分から、リアプレート側に向けて、斜めに形成してある。斜め部分のサイズは、図中のa=15mmである。
【0075】
なお、この実施例で用いたスペーサには、下記の処理が施してある。まず、フェースプレートおよびリアプレートに電気的に接続を取るための中間電極層を、スパッタにより、気相形成した。中間電極層は10nm厚のTi膜と200nm厚のPt膜の2層構造であって、Ti膜はPt膜の膜密着性を補強する下地層として必要であった。この時の中間電極層の膜厚は210nmであり、表面抵抗は10Ω/□であった。この後、基板表面に、帯電防止膜として、CrおよびAlのターゲットを、高周波電源で同時スパッタすることにより、Cr-Al合金窒化膜を、膜厚200nmで形成した。この際のスパッタガスは、Ar:N2が1:2の混合ガスで、全圧力は1mTorrである。上記条件で、同時成膜した膜の面抵抗は2×1010Ω/□であった。ただし、中間電極層および膜は、アノード電極と接する領域にしか成膜していない。
【0076】
上記スペーサを用いた場合、従来のような矩形平板を用いた場合に比べて、アノード電極と接しない部分(延出端部)のギャップが広がり、実質的に放電し難くなった。具体的には、従来例では、微小ギャップのところで放電することがあり、画像形成領域内での放電を誘発し、画像を安定的に表示させるのが困難であったが、本実施例では、Va=6kVにおいては、アノード電極に接しない部分での放電が発生しないので、安定的に高輝度な画像を表示させることができた。
【0077】
(実施例2)
本実施例が実施例1と異なるのは、図3に示すように、スペーサの画像形成領域外(延出端部)が、斜めの縁部分と垂直の縁部分を組み合わせた形状、即ち、スペーサ全体が6角形の平板であることである。ここで、図中、符号aおよびbは、それぞれ、15mm、1mmとした。
【0078】
本実施例においても,実施例1と同様の効果が得られ、Va= 6kVにて、画像形成領域外(延出端部)での放電がなく、安定的に画像を表示させることができた。また、実施例1に比べて、スペーサの先端部に尖鋭部(エッジ)がなく、固定する際に作業がし易い点で、工程時間を短くできる。
【0079】
(実施例3)
本実施例が実施例1と異なるのは、図4に示すように、スペーサのフェースプレート側のアノード電極と接触する場所から固定部材との間の部分(延出端部)が丸みを帯びた形状になっていることである。
【0080】
本実施例においても、実施例1と同様の効果が得られ、Va=6kVにて、画像形成領域外での放電がなく、安定的に画像を表示させることができた。また、実施例1および2よりも、スペーサの先端部に尖鋭部(エッジ)がなく、固定する際に作業がし易い点で、工程時間を短くできる。
【0081】
(実施例4)
本実施例では、スペーサが無アルカリガラスで構成されており、図5に示すように、スペーサの起立面に関して(表面積が最大の面から見て)、画像形成領域外の部分(延出端部)は、画像形成領域の端から、矩形の切り込みが入った段差のある形状をしており、スペーサ全体として凸型平板とした。ここで、符号1015は電子源基板を含むリアプレート、1016は側壁(支持枠)、1017はフェースプレート、1018は蛍光体、1019はメタルバック、1020はスペーサ、50は固定部材である。ここで、フェースプレート1017およびリアプレートはソーダライムガラス、側壁1016およびスペーサ1020は無アルカリガラスで構成されている。また、スペーサ1020はリアプレート1015上の行方向配線(図示せず)に設置され、画像形成領域の全域にわたっているので、隙間がない。また、図中、aの長さは15mmとした。
【0082】
この時、無アルカリガラスはソーダライムに比べて高抵抗であるから、ギャップの電場は誘電率によって決まる。画像形成領域外のスペーサの起立幅(高さ)d1=1mmと、スペーサーフェースプレート間のギャップd0は、およそ0.8mmとなり、狭いd0の方の高さにd1に掛る電界の数倍の電界が掛るが、従来の微小ギャップに比べれば、電界強度は数十倍、弱まり、放電し難くなった。
【0083】
(実施例5)
本実施例が実施例4と異なるのは、スペーサの画像形成領域内には、高抵抗膜が施してあることである。この場合にも、画像形成領域外(スペーサの延出端部がある領域)での放電はなく、安定的に画像を表示させることができた。また、スペーサには、画像形成領域内において、高抵抗膜が施してあるから、このことによって、電子放出によるスペーサ表面の帯電が緩和されて、画像歪みが改善された。
【0084】
(実施例6)
本実施例では、スペーサは無アルカリガラスで構成され、図6に示すように、スペーサの起立面に関して(表面積が最大の面から見て)、画像形成領域外の部分(延出端部)は、画像形成領域の端から、フェースプレート側およびリアプレート側について、矩形の切り込みが入った段差のある形状をしている。ここで、符号1015は電子源基板を含むリアプレート、1016は側壁(支持枠)、1017はフェースプレート、1018は蛍光体、1019はメタルバック、1020はスペーサ、50は固定部材である。ここで、フェースプレート1017およびリアプレートはソーダライムガラスで構成され、側壁1016およびスペーサ1020は無アルカリガラスで構成されている。
【0085】
また、本実施例では、行方向配線(図示せず)は、画像形成領域内では直線であるが、画像形成領域外では、非直線的に接続されている。従って、スペーサ1020は、リアプレート1015上において、画像形成領域内では、行方向配線上に設置されているので、隙間はない。しかも、本実施例では、固定部材50の高さを1mmとし、図中、d1の高さを0.4mm、d2の高さを0.7mmとした。
【0086】
この時、画像形成領域外での、スペーサ(延出端部)〜フェースプレート間のギャップd0は、およそ0.7mmとなり、電界強度はd1に比べd0、 d2のほうが強いが、特に、リアプレート側で、行方向配線と接触しない場所での、微小ギャップをなくすことができるから、従来の微小ギャップに比べれば、電界強度は数十倍弱まり、放電し難くなった。
【0087】
なお、本発明に係わるスペーサの延出端部の形状は、上述の実施の形態、実施例において示されるものに限定されることなく、微小ギャップを無くすような形状であれば、如何なる形状でも良いことは、勿論である。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、放電耐圧の高い画像形成装置を提供することができる。さらに、本発明では、画像表示領域外の省スペース化を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第1の実施の形態におけるスペーサ固定部の構成図である。
【図2】本発明との対比で示す従来例のスペーサ固定部の構成図である。
【図3】本発明に係わる第2の実施の形態におけるスペーサ固定部の構成図である。
【図4】本発明に係わる第3の実施の形態におけるスペーサ固定部の構成図である。
【図5】本発明に係わる第4の実施の形態におけるスペーサ固定部の構成図である。
【図6】本発明に係わる第5の実施の形態におけるスペーサ固定部の構成図である。
【図7】本発明の実施の形態における画像形成装置の平面視での構成図である。
【図8】本発明の実施の形態における固定部材の平面視での構成図である。
【図9】本発明の実施の形態における表示パネルの一部を切欠いた斜視図である。
【図10】表示パネルのフェースプレートの蛍光体配列を例示した平面図である。
【図11】同じく、カラー配列を例示した平面図である。
【図12】マルチ電子ビーム源の基板の平面図である。
【図13】マルチ電子ビーム源の基板の一部断面図ある。
【図14】表示パネルのA−A'断面図である。
【図15】従来例でのギャップについて説明するためのスペーサ固定部の構成図である。
【図16】従来例の表示パネルの一部を切り欠いて示した斜視図である。
【符号の説明】
1 スペーサ基板
3 電子源基板に面したスペーサの当接面
5 電子源基板に接するスペーサの側面
11 高抵抗膜
21 低抵抗膜
31a 蛍光体
31b 黒色導電体
40 層間絶縁層
50 固定部材
1011 電源基板
1012 冷陰極素子
1013 行方向配線
1014 列方向配線
1015 リアプレート
1016 側壁(支持枠)
1017 フェースプレート
1018 蛍光体
1019 メタルバック
1020 スペーサ
1102、1103 素子電極
1104 導電性薄膜
1105 電子放出部
1113 薄膜
1010 黒色導電材
1041 接合材

Claims (7)

  1. 電子源が配置された電子源基板を有するリアプレートと、前記電子源から放出された電子が照射されることで画像を形成する画像形成領域を有するフェースプレートと、前記リアプレートと前記フェースプレートとを固定するための支持枠と、前記リアプレートと前記フェースプレートの間に耐大気圧構造のために配置された導電性のスペーサとを具備し、前記リアプレート、フェースプレート、支持枠および導電性のスペーサにて、真空を維持する方形の外囲器を構成している画像形成装置において、
    前記導電性のスペーサは、前記外囲器内において、前記画像形成領域を跨いで、その端部を前記画像形成領域外に延出している細長い平板であり、前記導電性のスペーサの起立幅は、前記画像形成領域内よりも前記画像形成領域外の方で小さく、前記画像形成領域外で、前記スペーサと前記フェースプレートとの間又は前記スペーサと前記リアプレートとの間にギャップを有し、前記導電性のスペーサの端部、前記画像形成領域外にある固定部材により固定されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記導電性のスペーサが前記リアプレートに固定され、その延出端部が、前記画像形成領域外で前記リアプレート側に直線的に傾斜していることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記導電性のスペーサが前記リアプレートに固定され、その延出端部が、前記画像形成領域外で前記リアプレート側に弧を描きながら傾斜していることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記導電性のスペーサが前記リアプレートに固定され、前記画像形成領域外で、その延出端部の起立幅が、前記領域内の起立幅よりも小さくなるように、その延出端部が、前記フェースプレート側に段差を持って、形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記導電性のスペーサが前記リアプレートに固定され、前記画像形成領域外で、その延出端部の起立幅が、前記領域内の起立幅よりも小さくなるように、その延出端部が、前記フェースプレート側およびリアプレート側に段差を持って、形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記導電性のスペーサは、その表面に高抵抗膜が成膜してあることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記高抵抗膜として、表面抵抗が10 7 〜1014Ω/□であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
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