JP2002367540A - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

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JP2002367540A
JP2002367540A JP2001169738A JP2001169738A JP2002367540A JP 2002367540 A JP2002367540 A JP 2002367540A JP 2001169738 A JP2001169738 A JP 2001169738A JP 2001169738 A JP2001169738 A JP 2001169738A JP 2002367540 A JP2002367540 A JP 2002367540A
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JP2001169738A
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Tomoya Onishi
智也 大西
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Canon Inc
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2329/00Electron emission display panels, e.g. field emission display panels
    • H01J2329/86Vessels
    • H01J2329/8625Spacing members
    • H01J2329/863Spacing members characterised by the form or structure
    • H01J2329/8635Spacing members characterised by the form or structure having a corrugated lateral surface

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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子ビーム源を収容する気密容器のフェイス
プレートおよびリアプレートを支持するように気密容器
内に大気圧支持部材が配置された画像表示装置で、大気
圧支持部材の表面の電位分布をフェイスプレートおよび
リアプレートの平行な方向から乱すような要因が存在し
ても、大気圧支持部材の表面において、電子ビームの軌
道を曲げないような電位分布とし、また電界集中しない
ような電位分布とすることによって放電を抑制する。 【解決手段】 フェイスプレート1007およびリアプ
レート1005を支持するスペーサ1201を、画像表
示領域Dに対応するA領域1205、電位規定電極11
06に対応するC領域1207、A領域1205とC領
域1207の間のB領域1206に分け、B領域120
6の表面抵抗値を、A領域1205およびB領域120
6のそれぞれの表面抵抗値よりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィールドエミッ
ションディスプレイ(FED)など、電子線を利用した
画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管(CRT)をはじめとする画
像表示装置は、より一層の大判化が求められ、研究が盛
んに行なわれている。また、画像表示装置の大判化に伴
い、その装置の薄型化、軽量化、および低コスト化が重
要な課題となっている。しかしながらCRTは、高電圧
で加速した電子を偏向電極で偏向し、フェイスプレート
上の蛍光体を励起するため、装置の大判化を行うと原理
的に奥行きが必要となり、薄型で軽量のものを提供する
ことが困難である。本発明者はこのような問題を解決し
得る画像表示装置として、表面伝導型電子放出素子、お
よびこの表面伝導型電子放出素子を用いた画像表示装置
について研究を行ってきた。
【0003】具体的には、本発明者は、例えば図14に
示すように電気的な配線によるマルチ電子ビーム源の応
用を試みてきた。図14は、表面伝導型の電子放出素子
をマトリクス配線して構成されたマルチ電子ビーム源を
示す図である。図14に示されるマルチ電子ビーム源3
032は、表面伝導型の電子放出素子3002を2次元
的に多数配列し、これらの電子放出素子3002を行方
向配線3003および列方向配線3004によって単純
マトリクス状に配線して構成されている。図14では、
電子放出素子3002が模式的に示されており、行方向
に隣り合う2つの電子放出素子3002が配線抵抗30
03aを介して電気的に接続され、列方向に隣り合う2
つの電子放出素子3002が配線抵抗3004aを介し
て電気的に接続されている。おな、図14では、図示の
便宜上、6×6のマトリクスでマルチ電子ビーム源30
32を示しているが、マトリクスの規模はもちろんこれ
に限定されず、所望の画像表示を行うのに足りるだけの
電子放出素子3002が配列され、配線される。
【0004】図15は、電子線装置を適用した従来の平
面型の画像表示装置における表示パネル部の一例を示す
斜視図であり、表示パネル部の内部構造を示すためにそ
のパネルの一部を破断して示している。この画像表示装
置は、マルチ電子ビーム源を用いた陰極線管の構造を有
している。
【0005】従来の平面型の画像表示装置における表示
パネル部では、図15に示されるようにリアプレート4
005の表面に基板4001が取り付けられている。リ
アプレート4005の表面の縁部には、その縁部に沿っ
て側壁4006が接合されている。側壁4006の、リ
アプレート4005側と反対側の面には、リアプレート
4005と互いに対向するフェイスプレート4007が
接合されている。フェイスプレート4007、側壁40
06、およびリアプレート4005から、表示パネルの
内部を真空に維持するために密閉された、表示パネルの
気密容器(外囲器)4031が構成されており、フェイ
スプレート4007、側壁4006およびリアプレート
4005がそれぞれ、気密容器4031の壁部となって
いる。
【0006】リアプレート4005に固定された基板4
001上には、冷陰極素子4002がマトリクス状にN
×M個形成されている。NおよびMは2以上の正の整数
であり、NおよびMの値は、目的とする表示画素数に応
じて適宜設定される。また、N×M個の冷陰極素子40
02は、図15に示されるとおり、M本の行方向配線4
003とN本の列方向配線4004により配線されてい
る。これら基板4001、冷陰極素子4002、行方向
配線4003および列方向配線4004によってマルチ
電子ビーム源4032が構成されている。行方向配線4
003および列方向配線4004の、少なくとも互いの
交差する部分には、配線同士の間に絶縁層(不図示)が
形成されており、その交差する部分では、行方向配線4
003と列方向配線4004とが電気的に絶縁された状
態が保たれている。
【0007】フェイスプレート4007のリアプレート
4005側の下面には、蛍光体からなる蛍光膜4103
が形成されており、その蛍光膜4103は、赤(R)、
緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体(不図示)がそれ
ぞれ塗り分けられて構成されたものとなっている。ま
た、蛍光膜4103を構成する上記の各色蛍光体の間に
は黒色体(不図示)が形成され、蛍光膜4103のリア
プレート4005側の面には、Alなどからなるメタル
バック4102が形成されている。このメタルバック4
102は、冷陰極素子4002から放出された電子を制
御する制御電極として用いられており、メタルバック4
102によって、冷陰極素子4002から放出された電
子を加速させるために電子に作用させる加速電圧がその
電子に印加される。
【0008】側壁4006には、表示パネルの行方向配
線4003、列方向配線4004およびメタルバック4
102を表示パネル外部の不図示の電気回路と電気的に
接続するための、気密構造の電気接続用の端子Dx1〜D
xm,Dy1〜Dynおよび高圧端子Hvが取り付けられてい
る。これらの端子は、側壁4006から気密容器403
1の外部に突出している。端子Dx1〜Dxmはそれぞれ、
端子Dx1〜Dxmのそれぞれに対応する行方向配線400
3と電気的に接続され、端子Dy1〜Dynはそれぞれ、端
子Dy1〜Dynのそれぞれに対応する列方向配線4004
と電気的に接続され、高圧端子Hvはメタルバック41
02と電気的に接続されている。また、高圧端子Hvは
高圧電源4401と電気的に接続されており、蛍光膜4
103およびメタルバック4102には高圧電源440
1からの高電圧が高圧端子Hvを通して印加されてい
る。メタルバック4102が、気密容器4031内でア
ノード電極を構成している。
【0009】上記のように表面伝導型放出素子としての
冷陰極素子4002を単純マトリクス配線したマルチ電
子ビーム源4032においては、所望の電子ビームを出
力させるため、行方向配線4003および列方向配線4
004に適宜の電気信号を印加する。例えば、冷陰極素
子4002のマトリクス中、任意の1行の冷陰極素子4
002を駆動するには、選択する行の行方向配線400
3には選択電圧Vsを印加し、それと同時に非選択の行
の行方向配線4003には非選択電圧Vnsを印加する。
これと同期して列方向配線4004に電子ビームを出力
するための駆動電圧Veを印加する。この方法によれ
ば、選択する行の冷陰極素子4002には、Ve−Vsの
電圧が印加され、また非選択行の冷陰極素子4002に
はVe−Vnsの電圧が印加される。Ve,Vs,Vnsを適
宜の大きさの電圧にすれば、選択する行の冷陰極素子4
002だけから所望の強度の電子ビームが出力され、ま
た列方向配線4003の各々に異なる駆動電圧Veを印
加すれば、選択する行の冷陰極素子4002の各々か
ら、異なる強度の電子ビームが出力される。また、冷陰
極素子4002の応答速度は高速であるため、駆動電圧
Veを印加する時間の長さを変えれば、電子ビームが出
力される時間の長さも変えることができる。
【0010】上記のような電圧の印加によりマルチ電子
ビーム源4032から出力された電子ビームは、高圧電
源4401から高電圧Vaが加速電圧として印加されて
いるメタルバック4102に照射され、蛍光膜4103
の、ターゲットである蛍光体を励起して発光させる。し
たがって、例えば画像情報に応じた電圧信号を適宜印加
すれば、図15に示した電子線装置が画像表示装置とな
る。
【0011】また、この画像表示装置では、メタルバッ
ク4102に高電圧(この高電圧を加速電圧もしくはア
ノード電圧とも表記する)を印加することによってリア
プレート4005とフェイスプレート4007の間に電
界が生じる。そして、その電界によって、電子ビーム源
から放出された電子が加速され、加速された電子がメタ
ルバック4102に照射される。これにより、上述した
ように蛍光膜4103の蛍光体が励起されて発光し、表
示パネルの表示面に画像が形成される。ここで、画像表
示装置の輝度は、メタルバック4102に印加される加
速電圧に大きく依存するため、表示画像の高輝度化を図
るためにはその加速電圧を高くする必要がある。また、
画像表示装置の薄型化を実現するためには、画像表示パ
ネルの厚さを薄くしなければならず、そのためリアプレ
ート4005とフェイスプレート4007の距離を小さ
くしなければならない。このことより、薄型の画像表示
装置ではリアプレート4005とフェイスプレート40
07の間にかなり高い電界が生じることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した画像表示パネ
ルでは、気密容器4031内を1×10-4[Pa]程度
の高真空に保持しなければならないので、フェイスプレ
ート4007およびリアプレート4005には大気圧が
かかることになる。ここで、薄型で大判の画像表示装置
を得るためには、気密容器4031内に大気圧支持部材
をスペーサとして設け、画像表示パネルに大気圧支持構
造を持たせることがある。そのような大気圧支持部材と
しては、円柱状や薄い板状のものが用いられる。
【0013】ここで、スペーサには次のような問題点が
挙げられる。まず第1に、スペーサの近傍から放出され
た電子の一部がスペーサに当たることにより、あるいは
放出電子の作用でイオン化したイオンがスペーサに付着
することにより、スペーサの帯電を引き起こす可能性が
ある。このスペーサの帯電によって、冷陰極素子から放
出された電子はその軌道を曲げられ、蛍光体上の正規な
位置とは異なる場所に到達し、スペーサの近傍で表示画
像が歪んで表示される。
【0014】第2に、冷陰極素子からの放出電子を加速
するためにマルチ電子ビーム源とフェイスプレートとの
間には数百V以上の高電圧(すなわち1kV/mm以上
の高電界)が印加されるため、スペーサの表面での沿面
放電が懸念される。特に、上記のようにスペーサが帯電
している場合には、放電が誘発される可能性がある。
【0015】この問題点を解決するために、スペーサに
微小電流が流れるようにして帯電を除去する提案がなさ
れている(特開昭57−118355号公報、特開昭6
1−124031号公報)。そこでは、絶縁性のスペー
サの表面に高抵抗薄膜を形成することにより、スペーサ
の表面に微小電流が流れるようにしている。このように
微小電流が流れることにより、高抵抗膜の表面抵抗値で
電圧が降下し、電位が規定される。
【0016】ここで、気密容器内に配置されるスペーサ
において、電子ビームの軌道が曲げられないためには、
フェイスプレートとリアプレートの間に生じる電界をひ
ずませない(乱さない)こと、ならびに電子ビーム源の
近傍の電界はいずれも均一であることが必要となる。こ
の時、フェイスプレートとリアプレートの間で生じる電
界は、フェイスプレートならびにリアプレートに略平行
な分布となる。
【0017】図16は、上述した画像表示装置において
スペーサの表面に流れる微小電流による電位規定を示す
模式図である。図16では、気密容器を構成しているフ
ェイスプレート5007およびリアプレート5005を
支持する板状のスペーサ5201がそれらのプレートの
間に挟み込まれている。スペーサ5201の表面抵抗値
が均質かつ等方的であり、スペーサ5201の、フェイ
スプレート5007およびリアプレート5005に当接
する部分の電位が、それらのプレートの電位と等しいな
らば、図16に示されるようにスペーサ5201の表面
にはフェイスプレート5007およびリアプレート50
05に対して略垂直な方向(フェイスプレート5007
およびリアプレート5005の法線方向)に電流Aが流
れ、そのため電位分布Eはフェイスプレート5007お
よびリアプレート5005と略平行となる。しかしなが
ら、スペーサ5201にかかる電位を上記のような電位
分布から乱すような要因が存在すると、電位分布の乱れ
により電子ビームの軌道を曲げる、放電を誘発するとい
うことが問題となる。
【0018】図17は、スペーサ5201の表面がフェ
イスプレート5007の電極に接触することにより生じ
た電位分布の歪みを示す模式図である。
【0019】上記のような要因としては、例えば図17
に示すようにスペーサ5201が、フェイスプレート5
007上に形成されたアノード電極5104からはみ出
しており、アノード電位とは異なる電位が規定されてい
る電極5106に接触しているような構成においては、
スペーサ5201の表面においてアノード電極5104
の周辺領域の電位分布はフェイスプレート5007およ
びリアプレート5005に平行な電位分布(等電位線
E)から乱れ、図17に示すように電界が集中する放電
誘発に作用する乱れCや、画像表示領域B内の電子ビー
ムの曲げに作用する乱れDを形成してしまう。
【0020】さらに、スペーサの帯電による電子ビーム
の軌道に対する影響を小さくするために、スペーサの表
面に微小な凹凸やストライプ状の凹凸を設けることがあ
るが、スペーサにこのような構造を設けると、その表面
に高抵抗膜を設けた際に抵抗値の異方性が生じる場合が
ある。スペーサの高抵抗膜は、例えば気相法のスパッタ
ー、真空蒸着や液相法のディップ法・スプレー法などに
より形成されるが、スペーサの表面形状が均一でない
と、作製される高抵抗膜の膜厚や膜質も均一にならない
ことが多い。そのため、スペーサの表面抵抗値に異方性
が生じることがある。ここで、表面抵抗値の異方性と
は、図18に示すようにスペーサ5201においてフェ
イスプレート5007およびリアプレート5005と平
行な矢印W方向(以下ではスペーサ5201の長辺方向
ともいう)と、フェイスプレート5007およびリアプ
レート5005に対して垂直な矢印H方向すなわちそれ
らのプレートの法線方向(以下ではスペーサ5201の
短辺方向ともいう)のそれぞれで測定した際に得られる
表面抵抗値が異なることを指す。
【0021】このようにスペーサが表面抵抗値の異方性
を有している一例について図19を参照して説明する。
図19に示される例では、スペーサ5201が表面抵抗
値の異方性を有している。図19に示すように、アノー
ド電位と異なる電位が規定されている電極5106に接
触している領域内のスペーサ5201の高抵抗膜に表面
抵抗値の異方性が存在すると、電位分布に新たな乱れが
生じると共に、やはり電界が集中する放電誘発に作用す
る乱れC’や、画像表示領域内の電子ビームの曲げに作
用する乱れD’を形成してしまう。これは、スペーサ5
201の表面を流れる微小電流が、主に表面抵抗値の低
い方向に集中して流れた後に高抵抗な部分を流れるが、
低抵抗な方向には微小電流による電圧降下が小さくなる
ために電位勾配が小さく、高抵抗な方向に電位勾配が大
きくなるためと考えられる。
【0022】図20は、スペーサ5201の表面に設け
られた電極による電位分布の歪みを示す模式図である。
例えば図20に示すように、スペーサ5201の電位分
布を制御し、それにより電子ビームの軌道を制御するこ
とを目的として、スペーサ5201の表面に形成された
電極5203を用いる際に、その電極5203の電位規
定を行うための引き出し電極5204は、その近傍の電
位分布を乱してしまう(図20における電位分布の歪み
F)。
【0023】上述したような要因により、スペーサの表
面の電位分布がフェイスプレートならびにリアプレート
と略平行でなくなると、まず第1に、電子ビームの軌道
を曲げることが問題となり、第2に、電界集中する部分
が生じると放電しやすくなることが問題となる。
【0024】そこで、本発明の目的は、スペーサの表面
の電位分布をフェイスプレートおよびリアプレートの平
行な方向から乱すような要因が存在しても、スペーサの
表面において、電子ビームの軌道を曲げないような電位
分布とし、また電界集中しないような電位分布とするこ
とによって放電を抑制することで、品質および信頼性が
向上した画像表示装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、電子ビーム源が設けられたリアプレート
と、前記電子ビーム源からの電子ビームの照射により発
光する発光部材、および該発光部材を前記電子ビーム源
よりも高い電位に規定するアノード電極が形成されたフ
ェイスプレートと、前記電子ビーム源を収容する気密容
器を前記リアプレートおよびフェイスプレートと共に構
成するように、間隔をおいて互いに対向する前記リアプ
レートとフェイスプレートの縁部同士を接合する側壁
と、前記電子ビーム源および前記アノード電極の各々に
電気的に接続されるように前記気密容器内に配置されて
前記リアプレートおよびフェイスプレートを支持し、少
なくとも表面が導電性を有する大気圧支持部材とを有
し、前記発光部材が設けられた領域によって画像表示領
域が規定されている画像表示装置において、前記気密容
器内の前記画像表示領域以外の領域に設けられて前記大
気圧支持部材に電気的に接続され、前記アノードと前記
電子ビーム源の間に形成される、前記フェイスプレート
およびリアプレートに平行な電位分布を乱す電位に規定
された電位規定部材を有し、前記大気圧支持部材におけ
る前記電位規定部材と前記画像表示領域の間の部分での
表面抵抗値が、前記大気圧支持部材において前記画像表
示領域に対応する部分での表面抵抗値よりも大きいこと
を特徴とする。
【0026】上記の発明では、電位分布を乱す電位規定
部材を有する画像表示装置で、大気圧支持部材における
電位規定部材と画像表示領域の間の部分での表面抵抗値
が、大気圧支持部材において画像表示領域に対応する部
分の表面抵抗値よりも大きくなっていることによって、
高抵抗な領域に電位を歪ませる要因が生じても、流れる
電流は画像表示領域内の低抵抗な領域に流れる電流に対
して小さくなるために、低抵抗な領域ではその影響が小
さくなる。したがって、電子ビーム源に影響を及ぼす領
域では電子ビームの軌道が歪まず、また放電に至るよう
な電界集中が起こらない、好適な電位分布を得ることが
できる。ここで、電位分布を乱す電位規定部材と画像表
示領域との間における大気圧支持部材の高抵抗な領域の
大きさは、大気圧支持部材の表面での電位分布の概容に
影響を及ぼすことのできる大きさとし、その高抵抗な領
域の概ね1辺を大気圧支持部材の高さ(フェイスプレー
トとリアプレートの距離)の1/10以上とする。
【0027】また、前記大気圧支持部材は、高抵抗膜を
有することで表面に導電性を有していることが好まし
い。この場合、前記大気圧支持部材の高抵抗膜の表面抵
抗値は、1014[Ω/□]以下であることが好ましい。
【0028】上記のように、大気圧支持部材に設けられ
た高抵抗膜の表面抵抗値が1014[Ω/□]以下であるこ
とにより、大気圧支持部材の表面が帯電することを防ぐ
ことができる。
【0029】さらに、前記電位規定部材が前記大気圧支
持部材上に設けられた電極であり、該電極における前記
フェイスプレートおよびリアプレートの法線方向の長さ
をLy、前記電極における前記フェイスプレートおよび
リアプレートと平行な方向の長さをLxとしたときに、
前記電極が、 Ly > Lx となる部分を有していることが好ましい。
【0030】上記のように、大気圧支持部材上に電位規
定部材として設けられた電極の、フェイスプレートおよ
びリアプレートの法線方向および平行な方向の長さL
y,Lxについて、その電極がLy>Lxとなる部分を有し
ていることにより、大気圧支持部材での高さ方向(短辺
方向)の所望の位置にその電極を介して所望の電位を印
加することができる。それにより所望の電位分布とする
ことができるため、電子ビームの軌道をずらさないこと
や、電界集中しないようにして、放電する確率を減じる
ことが容易となる。また、そのような電位規定部材を設
けた際も、上述したような大気圧支持部材の表面抵抗値
を規定する構成にすることにより、電位規定部材により
影響が及ぼされる領域を限定することができる。
【0031】さらに、前記電位規定部材の表面抵抗値が
106[Ω/□]以下であることが好ましく、このように
電位規定部材の表面抵抗値を設定することにより、電位
規定部材に所望の電位を与えることができる。
【0032】さらに、前記電位規定部材は、前記大気圧
支持部材を前記リアプレートまたはフェイスプレートに
固定する導電性部材、あるいは前記大気圧支持部材を前
記リアプレートまたはフェイスプレートに接着して固定
する導電性接着剤であってもよい。
【0033】さらに、前記大気圧支持部材は前記フェイ
スプレートまたはリアプレートと平行な方向と前記フェ
イスプレートまたはリアプレートの法線方向で表面抵抗
値に異方性が存在する領域を有していてもよい。この場
合、前記大気圧支持部材は、微小な凹凸が存在する領域
を表面に有し、該領域の表面抵抗値には前記フェイスプ
レートおよびリアプレートと平行な方向と前記フェイス
プレートおよびリアプレートの法線方向で異方性が存在
することが好ましい。あるいは、前記大気圧支持部材
は、前記フェイスプレートまたはリアプレートと平行な
方向に延びるストライプ状の凹部と凸部を表面に有し、
該凹部および凸部の表面抵抗値には前記フェイスプレー
トおよびリアプレートと平行な方向と前記フェイスプレ
ートおよびリアプレートの法線方向で異方性が存在する
ことが好ましい。
【0034】さらに、前記大気圧支持部材における前記
画像表示領域に対応する部分で前記フェイスプレートお
よびリアプレートと平行な方向に測定した表面抵抗値を
Rx1[Ω/□]、前記大気圧支持部材における前記電位規
定部材と前記画像表示領域の間の部分で前記フェイスプ
レートおよびリアプレートと平行な方向に測定した表面
抵抗値をRx2[Ω/□]、前記大気圧支持部材における前
記電位規定部材と前記画像表示領域の間の部分で前記フ
ェイスプレートおよびリアプレートの法線方向に測定し
た表面抵抗値をRy2[Ω/□]としたときに、 Rx2/Rx1 > 0.1×Ry2/Rx2 の関係を満たしていることが好ましい。
【0035】上記のように大気圧支持部材の表面抵抗値
Rx1[Ω/□],Ry1[Ω/□],Rx2[Ω/□]に関して、
Rx1/Rx2>0.1×Ry1/Rx1の関係を満たしている
ことにより、大気圧支持部材において画像表示領域に対
応する部分、すなわち表面抵抗値が低い部分から、電位
分布を乱す電位規定部材に向かって高抵抗な領域を越え
て流れる電流の量を、大気圧支持部材において表面抵抗
値が低い画像表示領域の電位分布に影響を及ぼさない程
度にすることができ、良好な電位分布を得ることができ
る。
【0036】さらに前記大気圧支持部材は、前記気密容
器内において前記アノード電極によって高圧の電位が印
加されているアノード領域からその外の領域にまで延び
ていることが好ましい。
【0037】さらに具体的には、前記電子ビーム源が、
前記リアプレート上にマトリクス状に配置された複数の
冷陰極素子を有しており、この場合、前記電子ビーム源
の冷陰極素子として電界放出素子または表面伝導型電子
放出素子を用いることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0039】以下に図面を参照して、本発明の好適な実
施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実
施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、
その相対的な配置などは、特に特定的な記載がない場合
は、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のもので
はない。
【0040】(第1の実施の形態)図1は、本発明が適
用される第1の実施形態の画像表示装置の表示パネルを
示す斜視図である。本実施形態の画像表示装置は、電子
放出素子を有する電子線装置を適用して構成されたもの
であり、図1では、表示パネル部の内部構造を示すため
にその表示パネルの一部を破断して示している。以下
に、本発明が適用される画像表示装置の表示パネルの構
成と製造法について、具体的な例を示して説明する。
【0041】図1に示される画像表示装置の表示パネル
では、リアプレート1005の表面の縁部には、その縁
部に沿って側壁(枠)1006が接合されている。側壁
1006の、リアプレート1005側と反対側の面に
は、リアプレート1005と互いに対向するフェイスプ
レート1007が接合されている。したがって、間隔を
おいて互いに対向するリアプレート1005とフェイス
プレート1007の縁部同士が側壁1006を介して接
合されている。フェイスプレート1007、側壁100
6およびリアプレート1005から、表示パネルの内部
を真空に維持するために密閉された、表示パネルの気密
容器(外囲器)1031が構成されており、フェイスプ
レート1007、側壁1006およびリアプレート10
05のそれぞれが、気密容器1031の壁部となってい
る。
【0042】気密容器1031を組み立てる際には、各
部材の接合部に十分な強度と気密性を保持させるために
各部材を封着する必要がある。例えば、リアプレート1
005と側壁1006との接合部、および側壁1006
とフェイスプレート1007との接合部にフリットガラ
スを塗布し、大気中あるいはAr、窒素などの不活性ガ
ス中で、摂氏400度〜500度で10分以上焼成する
ことにより、それぞれの構成部品が互いに接着され、こ
れにより、気密容器1031の内部が封止されている。
気密容器1031内を真空に排気する方法については後
述する。
【0043】気密容器1031の内部は10-4[Pa]程
度の真空に保持されるので、画像表示装置の表示面積が
大きくなるにしたがい、気密容器1031の内部と外部
の気圧差によるリアプレート1005およびフェイスプ
レート1007の変形あるいは破壊を防止する手段が必
要となる。リアプレート1005およびフェイスプレー
ト1007の変形あるいは破壊を防止するためにそれら
のプレートを厚くする方法は、画像表示装置の重量を増
加させるのみならず、表示面を斜め方向から見たときに
画像のゆがみや視差を生ずる。これに対して本実施形態
では、比較的薄いガラス板からなるスペーサ(リブとも
呼ばれる)1201が、リアプレート1005およびフ
ェイスプレート1007を支えるためにそれらのプレー
トの間に大気圧支持部材として設けられている。これに
より、後述のようにマルチ電子ビーム源1032が形成
されたリアプレート1005と、蛍光膜1101などが
後述のように形成されたフェイスプレート1007との
間は、通常、サブミリ〜数ミリに保たれ、前述したよう
に気密容器1031内が高真空に保持された状態で、大
気圧や不意の衝撃などによるリアプレート1005およ
びフェイスプレート1007の変形あるいは破壊が防止
されている。
【0044】リアプレート1005上には、冷陰極素子
1002がマトリクス状にN×M個形成されている。N
およびMは2以上の正の整数であり、NおよびMの値
は、表示パネルに必要とされる表示画素数に応じて適宜
設定される。本実施形態においては、N=1440,M
=480とした。これらのN×M個の冷陰極素子100
2は、M本の行方向配線1003とN本の列方向配線1
004により単純マトリクス配線されている。これら冷
陰極素子1002、行方向配線1003、および列方向
配線1004によってマルチ電子ビーム源1032が構
成されており、マルチ電子ビーム源1032が気密容器
1031内に収容されている。
【0045】また、図1に示すようにフェイスプレート
1007のリアプレート1005側の下面には、電子線
被照射部として蛍光膜1101が形成されている。本実
施形態の画像表示装置はカラー表示装置であるため、蛍
光膜1101の部分は、ブラウン管(CRT)の分野で
用いられる赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍
光体が発光部材として塗り分けられて構成されたもので
ある。蛍光膜1101の蛍光体は、マルチ電子ビーム源
1032から放出された電子ビームの照射により発光す
る。
【0046】蛍光膜1101のリアプレート1005側
の面には、CRTの分野では公知の、Alからなるメタ
ルバックとしてアノード電極1104が形成されてい
る。アノード電極1104を設けた目的は、蛍光膜11
01が発する光の一部を鏡面反射して光利用率を向上さ
せることや、負イオンの衝突から蛍光膜1101を保護
することや、電子ビームを加速させる電圧を印加するた
めの電極として作用させることや、蛍光膜1101を、
励起した電子の導電路として作用させることなどがあ
る。従って、アノード電極1104は、蛍光膜1101
をマルチ電子ビーム源1032よりも高い電位に規定し
ている。また、アノード電極1104は、冷陰極素子1
002から放出された電子を制御する制御電極としても
用いられており、アノード電極1104によって、冷陰
極素子1002から放出された電子を加速させるために
電子に作用させる加速電圧がその電子に印加される。
【0047】側壁1006には、表示パネルの行方向配
線1003、列方向配線1004およびメタルバック1
009を表示パネル外部の不図示の電気回路と電気的に
接続するための、気密構造の電気接続用の端子Dx1〜D
xm,Dy1〜Dynおよび高圧端子Hvが取り付けられてい
る。これらの端子は、側壁1006から気密容器103
1の外部に突出している。端子Dx1〜Dxmはそれぞれ、
端子Dx1〜Dxmのそれぞれに対応する行方向配線100
3と電気的に接続され、端子Dy1〜Dynはそれぞれ、端
子Dy1〜Dynのそれぞれに対応する列方向配線1004
と電気的に接続され、端子Hvはアノード電極1104
と電気的に接続されている。
【0048】気密容器1031内を空気を排気して気密
容器1031内を真空状態するには、気密容器1031
を組み立てた後に、気密容器1031に備えられた不図
示の排気管と真空ポンプとを接続し、その真空ポンプを
駆動して気密容器1031内の空気を10-5[Pa]程度
の真空度まで排気する。その後、気密容器1031の排
気管を封止するが、気密容器1031内の真空度を維持
するために、封止する直前あるいは封止後に気密容器1
31内の所定の位置にゲッター膜(不図示)を形成す
る。ゲッター膜は、例えばBaを主成分とするゲッター
材料をヒーターもしくは高周波加熱により加熱し蒸着し
て形成された膜であり、そのゲッター膜の吸着作用によ
り気密容器131内の圧力は1×10-3〜1×10
-5[Pa]の真空度に維持される。
【0049】次に、表示パネルで用いたマルチ電子ビー
ム源1032について説明する。
【0050】マルチ電子ビーム源1032は、複数の冷
陰極素子を単純マトリクス配列もしくははしご型配置し
た電子源であればよく、冷陰極素子の材料や形状あるい
は製法に特に制限はない。したがって、冷陰極素子10
02として、例えば表面伝導型放出素子や、電界放出型
素子(以下では、FE型素子とも称する)、あるいは金
属/絶縁層/金属型放出素子(以下では、MIM型素子
とも称する)などを用いることができる。本実施形態で
は、製造の容易性から表面電導型放出素子を用いた。
【0051】ただし、表示画面が大きくてしかも安価な
表示装置が求められる状況のもとでは、これらの冷陰極
素子の中でも、表面伝導型放出素子が特に好ましい。す
なわち、FE型素子ではエミッタコーンとゲート電極の
相対位置や形状が電子放出特性を大きく左右するため、
極めて高精度の製造技術を必要とするが、これは表示画
面の大面積化や製造コストの低減を達成するには不利な
要因となる。また、MIM型素子では、絶縁層と上電極
の膜厚を薄くして、しかも均一にする必要があるが、こ
れも表示画面の大面積化や製造コストの低減を達成する
には不利な要因となる。その点、表面伝導型放出素子
は、製造方法が比較的単純なため、表示画面の大面積化
や製造コストの低減が容易である。また、本発明者は、
表面伝導型放出素子の中でも、電子放出部もしくはその
周辺部を微粒子膜によって形成したものがとりわけ電子
放出特性に優れ、しかも製造を容易に行えることを見い
だしている。したがって、高輝度で大画面の画像表示装
置のマルチ電子ビーム源で用いるには、表面伝導型放出
素子が最も好適であると言える。そこで、本実施形態の
表示パネルにおいては、電子放出部もしくはその周辺部
を微粒子膜によって形成した表面伝導型放出素子を冷陰
極素子1002として用いた。なお、マルチ電子ビーム
源の作製方法については省略した。
【0052】図2は、図1に示した画像表示装置をスペ
ーサ1201近傍の部分で図1のB−B’線に沿ってス
ペーサ1201の長辺方向に破断した模式的断面図であ
る。フェイスプレート1007には、アノード電極11
04と電位規定電極1106が設けられ、アノード電極
1104には高圧電源1401より加速電圧Vaが印加
されている。また、電位規定電極1106はGND電位
に接続されており、そのGND電位に規定されている。
よって、電位規定電極1106は、アノード電極110
4とマルチ電子ビーム源1032の間に形成される、フ
ェイスプレート1007およびリアプレート1005に
平行な電位分布を乱す電位に規定されている。図2に示
される画像形成領域Dは、画像表示装置において蛍光膜
1101が形成された領域すなわち蛍光体形成領域によ
って規定されている。
【0053】スペーサ1201はアノード電極1104
の外側まで延長されており、アノード電極1104およ
び電位規定電極1106のそれぞれに接触して電気的に
接続されている。すなわち、スペーサ1201は、気密
容器1031内においてアノード電極1104によって
高圧の電位が印加されているアノード領域からその外の
領域まで延びている。また、スペーサ1201には、後
述する高抵抗膜(帯電防止膜と表記する場合もある)が
設けられており、スペーサ1201は、A領域120
5、B領域1206、およびC領域1207を含む大き
く3つの領域に分けられている。スペーサ1201の各
領域の表面抵抗値はそれぞれ異なっており、領域の境界
部で表面抵抗値が大きく変化している。図2に示す例で
は、スペーサ1201において、表示パネルの画像表示
領域Dに対応する部分がA領域1205、電位規定電極
1106に対応する部分がC領域1207、A領域12
05とC領域1207の間の部分がB領域1206とな
っている。具体的には、それぞれの領域の表面抵抗値を
測定したところ、A領域1205は2×1011[Ω/
□]、B領域1206は5×1013[Ω/□]、C領域1
207は3×1011[Ω/□]である。
【0054】一方、電位規定電極1106の表面抵抗値
は106[Ω/□]以下であることが好ましく、このよう
に電位規定電極1106の表面抵抗値を設定することに
より、電位規定電極1106に所望の電位を与えること
ができる。
【0055】本実施形態では、スペーサ1201の表面
抵抗値は各領域において以上のようであったが、もちろ
んこれに限定されるものではなく、また、各領域の境界
部についても図2の例の構成に限定されない。より具体
的に説明すると、B領域1206の表面抵抗値がA領域
1205よりも実質的に大きく、その上さらに好ましく
はB領域1206の表面抵抗値がC領域1207の表面
抵抗値よりも大きいことによって本発明の要件が満たさ
れる。すなわち、スペーサ1201において画像表示領
域Dに対応する部分と電位規定電極1106に対応する
部分との間の部分の表面抵抗値が、スペーサ1201に
おける画像表示領域Dに対応する部分の表面抵抗値より
大きければよい。
【0056】表面抵抗値の異なるA領域1205とB領
域1206の境界は必ずしも、蛍光体形成部端部で規定
される画像表示領域Dの境界に対応している必要はな
い。スペーサ1201において電位規定電極1106と
画像表示領域Dの間に対応した領域の表面抵抗値が、ス
ペーサ1201における画像表示領域Dの表面抵抗値よ
りも大きければ十分である。よって、例えば図3(a)
に示すように、A領域1205とB領域1206の境界
についてはA領域1205が電位規定電極1106側に
向かって画像表示領域Dの外側にまで延びていてもよ
い。また、B領域1206とC領域1207の境界につ
いても同様に、図3(a)に示すようにC領域1207
が画像表示領域D側に向かって電位規定電極1106の
外側にまで延びていてもよい。
【0057】また、図3(b)に示すように、図3
(a)の場合とは逆にB領域1206の一端部が画像表
示領域D内に多少延びていてもよい。B領域1206と
C領域1207の境界についても同様に、図3(b)に
示すようにB領域1206の他端部が電位規定電極11
06の画像表示領域D側の端面よりも画像表示領域Dか
ら離れる方向へと延びていてもよい。また、本実施形態
ではスペーサ1201において長辺方向の片側の端部に
のみ、このような表面抵抗値の異なる領域を設けたが、
もちろん反対側の端部にも同様な構成を設けることが好
ましい。
【0058】このようにスペーサ1201の表面を上記
のような表面抵抗値の領域に分けることにより、スペー
サ1201がフェイスプレート1007の電位規定電極
1106に接触していても、その接触によって電位の分
布に影響を受けるのは、B領域1206およびC領域1
207であり、A領域1205の電位分布にはほとんど
影響がない。また、C領域1207はB領域1206に
よって、高圧電位のかかる部分から分断されているの
で、電位規定電極1106とほぼ等しい電位が分布する
ことになる。これらのことによって、図4に示すよう
に、冷陰極素子1002の存在するA領域1205の電
位は、等電位線Eから分かるようにアノード電極110
4およびリアプレート1005のそれぞれと平行な電位
分布となる。このようなA領域1205の電位分布は、
電子ビームの軌道を歪ませることはなく、また、電位規
定電極1106近傍などで電界集中が発生することがな
いので、画像表示パネルの耐圧を向上させることができ
る。
【0059】図2や図3に示した構成のスペーサ120
1を有する画像表示装置を加速電圧Va=10kVで駆
動したところ、放電は観測されず、電子ビームの着弾位
置のずれによる画像の劣化も見られない、良好な画像表
示装置を得ることができた。
【0060】次に、表示パネルに用いたフェイスプレー
ト1007の構成と製造方法について、具体的な例を示
して説明する。図5は、フェイスプレート1007にお
いて蛍光体の配列を模式的に示した平面図である。
【0061】フェイスプレート1007用の基板として
は、例えばソーダライムガラス、Naなどの不純物の含
有量を減じたガラス、アルカリ土類金属を成分に含んで
電気絶縁性を高めたガラス(例えば旭硝子株式会社製の
PD200)などのガラスを用いることができるが、本
実施形態では旭硝子株式会社製のPD200を用いた。
そのPD200の基板を洗浄してから乾燥させた後に、
ガラスペーストおよび黒色顔料および銀粒子を含有した
ペーストを用い、表示パネルの画像表示領域に対応する
領域内に、図5(a)のようにマトリクス状のブラック
マトリクス1103aをスクリーン印刷法で形成した。
また、それと同時に電位規定電極1106をブラックマ
トリクスの1103aの外側に、断面図が図2および図
3になるように形成した。ブラックマトリクス1103
aは、蛍光体の混色防止や、電子ビームが多少ずれても
色ずれを起こさないようにするためや、外光を吸収して
画像のコントラストを向上させるためなどの理由で設け
られる。
【0062】本実施形態ではスクリーン印刷法によりブ
ラックマトリクス1103aを形成したが、もちろんこ
れに限定されるものではなく、例えばフォトリソグラフ
ィー法を用いて形成してもよい。また、ブラックマトリ
クス1103aの材料として、ガラスペーストと黒色顔
料および銀粒子を含んだペーストを用いたが、もちろん
これに限定されるものではなく、例えばカーボンブラッ
クなどを用いてもよい。また、図5(a)に示される例
ではブラックマトリクス1103aがマトリクス状に形
成されているが、もちろんこれに限定される訳ではな
く、図5(b)のようなデルタ状配列のブラックマトリ
クス1103bや、不図示のストライプ状配列の黒色
体、あるいはそれら以外の配列の黒色体がフェイスプレ
ート1007上に形成されていてもよい。
【0063】次に、図5(a)に示すようにブラックマ
トリクス1103aの開口部に、赤色、青色、緑色の蛍
光体ペーストを用いてスクリーン印刷法によって3色の
蛍光体を1色づつ3回に分けて形成した。本実施形態で
はスクリーン印刷法を用いて蛍光膜1101を形成した
が、もちろんこれに限定される訳ではなく、例えばフォ
トリソグラフィー法などにより形成してもよい。また、
蛍光体としては、CRTの分野で用いられているP22の
蛍光体を用い、赤色(P22-RE3; Y22S:E
3+)、青色(P22-B2; ZnS:Ag,Al)、緑色
(P22-GN4; ZnS:Cu,Al)のものを用いた
が、もちろんこれに限定される訳ではなく、その他の蛍
光体を用いてもよい。
【0064】次に、ブラウン管の分野では公知であるフ
ィルミング工程により、フェイスプレート1007上の
蛍光体の表面やブラックマトリクスの表面に樹脂中間膜
を作製し、その後、樹脂中間膜の表面に金属蒸着膜を作
製する。最後に樹脂中間層を熱分解して除去することに
よって厚さ1000Åのアノード電極1104をメタル
バックとしてフェイスプレート1007上に作製した。
【0065】このようにして作製したフェイスプレート
1007のアノード電極1104を高圧電源1401に
接続した。また、電位規定電極1106をGND電位に
接続した。
【0066】次に、表示パネルで用いたスペーサ120
1の構成と製造方法について、具体的な例を示して説明
する。
【0067】図6は図1のA−A’線断面図である。図
6に示すようにスペーサ1201は、帯板状の絶縁性部
材1212の表面全体に、帯電防止を目的とした高抵抗
膜1208を成膜し、絶縁性部材1212の短辺方向の
一端部で高抵抗膜1208の表面に電極1210を、ま
た絶縁性部材1212の短辺方向の他端部で高抵抗膜1
208の表面に電極1209をそれぞれ、低抵抗膜を成
膜することにより形成してなるものである。スペーサ1
201は、その表層に高抵抗膜1208を有することで
表面に導電性を有している。電極1210がフェイスプ
レート1007の内側のアノード電極1104に接着さ
れ、電極1209が、リアプレート1005上に絶縁層
1303を介して形成された行方向配線1003に接着
されている。したがって、電極1210が、絶縁性部材
1212上の高抵抗膜1208においてアノード電極1
104に面する端面、およびその端面周囲の側面に形成
され、また電極1209が、高抵抗膜1208において
リアプレート1005の表面(行方向配線1003また
は列方向配線1004)に面する端面、およびその端面
周囲の側面に形成されている。
【0068】このスペーサ1201は、上述したような
その目的を達成するのに必要な数だけ、かつ必要な間隔
をおいて気密容器1031内に配置されており、各スペ
ーサ1201は、フェイスプレート1007およびリア
プレート1005のそれぞれの内側面に固定されてい
る。図6に示される例では、高抵抗膜1208が、絶縁
性部材1212の表面全体に形成されているが、必ずし
も絶縁性部材1212の表面全体に形成されていなくと
もよい。絶縁性部材1212の表面が気密容器1031
内の真空中で露出しないように高抵抗膜1208が電極
1209および1210とは異なる位置に形成されてい
ればよい。この高抵抗膜1208は、電極1210を介
してフェイスプレート1007の内側(アノード電極1
014など)と電気的に接続され、また、電極1209
を介してリアプレート1005の表面(行方向配線10
03または列方向配線1004)と電気的に接続され
る。ここで説明する形態においては、スペーサ1201
は、その形状を薄板状とし、行方向配線1003に平行
に配置されるとともに、行方向配線1003と電気的に
接続されている。
【0069】スペーサ1201は、リアプレート100
5上の行方向配線1003および列方向配線1004
と、フェイスプレート1007内面のアノード電極11
04との間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を
有し、かつスペーサ1201の表面への帯電を防止する
程度の導電性を有する必要がある。
【0070】スペーサ1201の絶縁性部材1212の
材料としては、例えば石英ガラス、Naなどの不純物含
有量を減少させたガラス、アルカリ土類金属を成分に含
んで電気絶縁性を高めたガラス(旭硝子株式会社製のP
D200など)、ソーダライムガラス、アルミナなどの
セラミックス部材などが挙げられる。なお、絶縁性部材
1212は、その熱膨張率が気密容器1031を成す部
材と近いものであることが好ましく、本実施形態では旭
硝子株式会社製のPD200を用いた。
【0071】スペーサ1201を構成する高抵抗膜12
08には、高電位側のフェイスプレート1007(アノ
ード電極1014など)に印加される加速電圧Vaに対
しての帯電防止膜となる高抵抗膜1208の抵抗値Rs
で除した電流が流される。そこで、その抵抗値Rsすな
わちスペーサの抵抗値Rsは帯電防止および消費電力か
らその望ましい範囲に設定される。帯電防止の観点から
は、高抵抗膜1208の表面抵抗値R[Ω/□]は10
14Ω/□以下であることが好ましい。高抵抗膜1208
の表面抵抗値R[Ω/□]が1014Ω/□よりも大きく
なると、スペーサ1201の表面の帯電を防ぐことが困
難になる。十分な帯電防止効果を得るためには1013Ω
/□以下であることがさらに好ましい。高抵抗膜120
8の表面抵抗値の下限は、スペーサ1201の形状と、
スペーサ1201の短辺方向両端の間に印加される電圧
により左右されるが、107Ω/□以上であることが好
ましい。
【0072】絶縁性部材1212上に形成された帯電防
止膜としての高抵抗膜1208の厚みtは10nm〜1
μmの範囲内にあることが望ましい。材料の表面エネル
ギーや、基板との密着性、絶縁性部材1212の温度に
よっても異なるが、一般的に10nm以下の薄膜は島状
に形成され、抵抗値が不安定で再現性に乏しい。一方、
膜厚tが1μm以上では、膜応力が大きくなって膜はが
れの危険性が高まり、かつ成膜時間が長くなるため生産
性が悪い。従って、高抵抗膜1208の膜厚は50〜5
00nmであることが望ましい。高抵抗膜1208の比
抵抗をσとし、高抵抗膜1208の膜厚をtとすると、
高抵抗膜1208の表面抵抗値R[Ω/□]はσ/tで
あり、以上で述べたRとtの好ましい範囲から、高抵抗
膜1208の比抵抗σは10[Ωcm]〜1010[Ωc
m]であることが好ましい。さらに、高抵抗膜1208
の表面抵抗値と膜厚のより好ましい範囲を実現するため
には、比抵抗σは104〜108Ωcmとするのがよい。
【0073】帯電防止特性を有する高抵抗膜1208の
材料としては、例えば金属酸化物を用いることができ
る。金属酸化物の中でも、クロム、ニッケル、銅の酸化
物が好ましい材料である。その理由としては、これらの
酸化物は二次電子放出効率が比較的小さく、冷陰極素子
1002から放出された電子がスペーサ1201に当た
った場合においてもスペーサ1201が帯電しにくため
と考えられる。金属酸化物以外にも炭素は二次電子放出
効率が小さく、高抵抗膜1208の材料として好まし
い。特に、非晶質カーボンは高抵抗であるため、非晶質
カーボンを高抵抗膜1208の材料として用いることで
スペーサ1201の抵抗値を所望の値に制御しやすい。
【0074】帯電防止特性を有する高抵抗膜1208の
他の材料としては、ゲルマニウムと遷移金属合金の窒化
物は、遷移金属の組成を調整することによって良伝導体
から絶縁体まで広い範囲に抵抗値を制御できるので好適
な材料である。さらには、この、ゲルマニウムと遷移金
属合金の窒化物は、画像表示装置の作製工程において抵
抗値の変化が少なく安定な材料である。遷移金属元素と
してはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,C
u,Zr,Nb,Mo,Hf,Wなどが挙げられる。
【0075】高抵抗膜1208として形成する合金窒化
膜は、スパッタ、窒素ガス雰囲気中での反応性スパッ
タ、電子ビーム蒸着、イオンプレーティング、イオンア
シスト蒸着法などの薄膜形成方法により絶縁性部材12
12上に形成される。金属酸化膜も同様の薄膜形成法で
作製することができるが、この場合、窒素ガスに代えて
酸素ガスを使用する。その他、CVD法、アルコキシド
塗布法でも金属酸化膜を形成できる。高抵抗膜1208
としてカーボン膜を作製する際には、蒸着法、スパッタ
法、CVD法、プラズマCVD法を用いることができ、
特に非晶質カーボンを作製する場合には、成膜中の雰囲
気に水素が含まれるようにするか、成膜ガスに炭化水素
ガスを使用する。
【0076】本実施形態では、これらのうち高抵抗膜1
208の材料として、スパッタ法により作製したゲルマ
ニウムとタングステンの合金窒化物を用いた。また、A
領域1205、B領域1206、C領域1207の各高
抵抗膜は3回に分けて成膜を行い、各領域の表面抵抗値
をそれぞれ制御した。A領域1205内の高抵抗膜12
08の成膜条件は全圧1.5Pa、Arの流量を50s
ccm、N2の流量を5sccm、Wターゲットに対す
る投入高周波電力を180W、Geターゲットに対する
投入高周波電力を600Wとした。B領域1206内の
高抵抗膜1208の成膜条件は、上記のA領域1205
の条件のうちWの投入高周波電力を160Wとし、その
他の条件はA領域1205と同等とした。また、C領域
1207の成膜は、A領域1205と同等の条件で行っ
た。
【0077】本実施形態では上記3つの領域に対してそ
れぞれ成膜を行うことで高抵抗膜1208を形成した
が、もちろんそれに限定される訳ではなく、例えば全て
の領域に抵抗値の比較的高い膜を成膜し、その後、A領
域1205およびC領域1207のみに、抵抗値の比較
的低い膜を成膜することにより、両隣よりも抵抗値の高
いB領域1206を形成することができる。また、上述
のとおり、高抵抗膜1208において表面抵抗値の異な
る各領域の境界部は必ずしも画像表示領域D、電位規定
電極1106の端面と一致している必要はない。つま
り、A,B,Cの各領域で高抵抗膜1208の表面抵抗
値を異ならせることは、電位規定電極1106と画像表
示領域Dの間でのスペーサ1201の表面抵抗値を画像
表示領域D内の表面抵抗値よりも大きくする1手段であ
って、B領域1206によって電位規定電極1106と
画像表示領域Dとの間の領域が定義される訳ではない。
【0078】また、スペーサ1201を構成する電極1
210,1209は、スペーサ1201を高電位側のフ
ェイスプレート1007(アノード電極1014など)
および低電位側のリアプレート1005(配線100
3,1004など)に電気的に接続するために設けられ
たものである。よって、電極1210,1209の材料
としては、高抵抗膜1208に比べて十分に低い抵抗値
を有するものを選択すればよく、Ni,Cr,Au,M
o,W,Pt,Ti,Al,Cu,Pbなどの金属また
は合金、あるいはPb,Ag,Au,RuO2,Pb−
Agなどの金属や金属酸化物とガラスなどから構成され
る印刷導体、さらにはIn23−SnO2などの透明導
体およびポリシリコンなどの半導体材料などより適宜選
択される。本実施形態では、スパッタ法によって、Ti
膜(下引き層;200オングストローム)およびPt膜
(800オングストローム)からなる低抵抗膜を成膜す
ることで、電極1209,1210を作製した。
【0079】以上で説明したように本実施形態では、電
位分布を乱す電位規定電極1106を有する画像表示装
置で、スペーサ1201における電位規定電極1106
と画像表示領域Dの間の部分での表面抵抗値が、スペー
サ1201において画像表示領域Dに対応する部分の表
面抵抗値よりも大きくなっている。これにより、高抵抗
な領域に電位を歪ませる要因が生じても、流れる電流は
画像表示領域D内の低抵抗な領域に流れる電流に対して
小さくなるために、低抵抗な領域ではその影響が小さく
なる。したがって、電子ビーム源に影響を及ぼす領域で
は電子ビームの軌道が歪まず、また放電に至るような電
界集中が起こらない、好適な電位分布を得ることができ
る。ここで、電位分布を乱す電位規定電極1106と画
像表示領域Dとの間におけるスペーサ1201の高抵抗
な領域の大きさは、スペーサ1201の表面での電位分
布の概容に影響を及ぼすことのできる大きさとし、その
高抵抗な領域の概ね1辺をスペーサ1201の高さ(フ
ェイスプレート1007とリアプレート1005の距
離)の1/10以上とする。
【0080】したがって、フェイスプレート1007お
よびリアプレート1005を支持するスペーサ1201
に、電位分布を乱すような電位規定部材との接触、ある
いは電極や構造物が存在しても、電子ビーム源近傍の電
位分布が乱れることがなく、電子ビームの着弾位置のず
れによる画像の劣化が見られない。また、スペーサ12
01に電位規定部材との接触、あるいは電極や構造物な
どが存在しても、スペーサ1201におけるそれらの部
材の近傍での電位分布を所定のものにすることができ、
電界集中が生じないため、放電しにくく、耐久性および
信頼性の向上した画像表示装置を得ることができる。
【0081】(第2の実施の形態)図7は、本発明の第
2の実施形態にかかる画像表示装置の表示パネルを示す
模式的断面図である。本実施形態の画像表示装置では第
1の実施形態のものと比較して、大気圧支持部材である
スペーサの構成が主に異なっており、その他の構成部品
は第1の実施形態と同様のものが用いられている。本実
施形態では第1の実施形態と同一の構成部品に同一の符
号を付してあり、図7では、第1の実施形態の図2と同
様に、画像表示装置をスペーサ近傍の部分でスペーサの
長辺方向に破断した断面が模式的に示されている。以下
では、第1の実施形態と異なる点、すなわち本実施形態
において特徴的な部分を主に説明する。
【0082】本実施形態の画像表示装置の表示パネルで
は、図7に示すように気密容器1031内に大気圧支持
部材としてスペーサ1201aが配置されている。スペ
ーサ1201aは、外形形状が第1の実施形態のスペー
サ1201と同様に薄い帯板状であり、第1の実施形態
と同様にアノード電極1104とリアプレート1005
に挟まれる領域に設けられている。スペーサ1201a
の側面(最大面積面)には、電子ビームの軌道を補正す
るための電極1203と、その電極に接続された電位規
定部材である引き出し電極1204が形成され、電極1
203には引き出し電極1204を介してリアプレート
1005から所定の電位が与えられている。これらの電
極1203,1204は、第1の実施形態の電極120
9,1210と同様に低抵抗膜を成膜することによって
形成されている。本実施形態では、スペーサ1201a
の電極1203および引き出し電極1204の電位はリ
アプレート1005から給電されているが、もちろんこ
れに限定される訳ではなく、例えばフェイスプレート1
007から給電されていてもよい。
【0083】また、スペーサ1201aには高抵抗膜が
設けられており、その高抵抗膜は、図7に示すようにA
領域1305およびB領域1306の、大きく2つの領
域に分けられている。A領域1305およびB領域13
06の表面抵抗値は異なっており、それらの領域の境界
部で表面抵抗値が大きく変化している。本実施形態で
は、スペーサ1201aにおいて、表示パネルの画像表
示領域Dに対応する部分がA領域1305であり、画像
表示領域D以外の部分における引き出し電極1204の
周囲がB領域1306である。また、それぞれの領域で
は、後述する理由から表面抵抗値に異方性が存在し、ス
ペーサ1201aの長辺方向に測定した表面抵抗値と、
短辺方向に測定した表面抵抗値の値が異なっている。
【0084】具体的には、A領域1305とB領域13
06のそれぞれの表面抵抗値を測定したところ、A領域
1305ではスペーサ1201aの長辺方向(フェイス
プレート1007およびリアプレート1005と平行な
方向)に測定した表面抵抗値Rx1=5×109[Ω/
□]、短辺方向(フェイスプレート1007およびリア
プレート1005の法線方向)に測定した表面抵抗値R
y1=2×1011[Ω/□]である。B領域1306では、
スペーサ1201aの長辺方向に測定した表面抵抗値R
x2=2×1011[Ω/□]、短辺方向に測定した表面抵抗
値Ry2=1×1013[Ω/□]である。
【0085】スペーサ1201aの表面抵抗値の測定方
法を図8にて説明する。まず、スペーサ1201aの長
辺方向の表面抵抗値を測定する際には、図8(a)のよ
うにスペーサ1201aに長辺方向に垂直な2つの電極
101a,101bをスペーサ1201aの一面にその
長辺方向に間隔をおいて並べ、それらの電極間の抵抗値
を測定器102によって測定する。次に、スペーサ12
01aの短辺方向の表面抵抗値を測定する際には、図8
(b)のようにスペーサ1201aの短辺方向に垂直な
2つ電極101c,101dをスペーサ1201aの一
面にその短辺方向に間隔をおいて並べ、それらの電極間
の抵抗値を測定器102によって測定する。それぞれの
方向での測定値に、電極の幅を電極間の距離で除した値
をかけるとスペーサ1201aの長辺方向および短辺方
向の各表面抵抗値を求めることができる。上記の測定法
は、表面抵抗値の測定方法としては一般的な測定方法で
はないが、比較的粗い形状が異方性の要因となるので、
上記の方法により表面抵抗値の測定を行った。
【0086】スペーサ1201aでは、A領域1305
における表面抵抗値Rx1[Ω/□]や、B領域1306に
おける表面抵抗値Rx2,Ry2[Ω/□]に関して、Rx2/
Rx1 > 0.1×Ry2/Rx2 (数式1)の関係
を満足していることが好ましい。上述した表面抵抗値の
場合でも上記の数式1の関係を満たしており、これによ
り、スペーサ1201aにおいて画像表示領域Dに対応
する部分、すなわち表面抵抗値が低い部分から、電位分
布を乱す引き出し電極1204に向かって高抵抗な領域
を越えて流れる電流の量を、スペーサ1201aにおい
て表面抵抗値が低い画像表示領域Dの電位分布に影響を
及ぼさない程度にすることができ、良好な電位分布を得
ることができる。
【0087】一方、電極1203および引き出し電極1
204の表面抵抗値は106[Ω/□]以下であることが
好ましく、このようにこれらの電極の表面抵抗値を設定
することにより、電極1203および引き出し電極12
04に所望の電位を与えることができる。
【0088】図7に示される例では、複数の引き出し電
極1204のうちの1つで、引き出し電極1204にお
けるスペーサ1201aの短辺方向の長さLyと、引き
出し電極1204におけるスペーサ1201aの長辺方
向の長さLxとの関係が、Ly>Lxとなっている。この
ように引き出し電極1204がそれらの寸法に関してL
y>Lxとなる部分を有していることにより、スペーサ1
201aでの高さ方向(短辺方向)の所望の位置に引き
出し電極1204を介して所望の電位を印加することが
できる。それにより所望の電位分布とすることができる
ため、電子ビームの軌道をずらさないことや、電界集中
しないようにして、放電する確率を減じることが容易と
なる。また、そのような引き出し電極1204を設けた
際も、上述したようにスペーサ1201aにおいてA領
域1305およびB領域1306のように各領域で表面
抵抗値を規定する構成にすることにより、引き出し電極
1204により影響が及ぼされる領域を限定することが
できる。
【0089】次に、スペーサ1201aの構成について
図9を参照して説明する。図9は、図7の断面に対して
垂直な方向に沿った表示パネルの模式的断面図である。
本実施形態のスペーサ1201aにおいて第1の実施形
態のスペーサ1201と異なる点は、スペーサ1201
aを構成している絶縁性部材1212の両面に微細(微
小)な凹凸が設けられており、その凹凸に対応して高抵
抗膜1208も同様に凹凸形状を有している。絶縁性部
材1212は、その材料を研磨することにより作製さ
れ、その製造工程の研磨方向によって、方向性がある凹
凸が表面に形成されたものである。よって、その凹凸が
原因で、絶縁性部材1212上の膜で膜厚分布に方向性
が生じ、高抵抗膜1208の表面抵抗値に異方性が生じ
てしまうことがある。このような製法にかかわらず、表
面抵抗値の異方性が生じる場合には、例えば平滑な絶縁
性部材1212にディップ法で高抵抗膜1208を作製
した際にスジ状の低抵抗部分が生じるような場合にも本
発明は適用できる。
【0090】本実施形態では、高抵抗膜1208を作製
する際に第1の実施形態と同様な方法を用いた。すなわ
ち、A領域1305、B領域1306の高抵抗膜120
8は2回に分けて成膜を行い、それぞれの領域の表面抵
抗値を制御した。A領域1305の成膜条件はWターゲ
ットに対する投入高周波電力を190Wとし、B領域1
306はWターゲットに対する投入高周波電力を170
Wとし、その他の条件は第1の実施形態と同等の条件で
成膜を行った。
【0091】このように、スペーサ1201aの表面抵
抗値に異方性がある場合でもスペーサ1201aの表面
を上記のような表面抵抗値を持つ領域に分けることによ
り、スペーサ1201aに引き出し電極1204が設け
られていても、A領域1305のうち冷陰極素子100
2に近い領域では、もともとアノード電極1104およ
びリアプレート1005で形成されるそれらに平行な電
位分布が乱されることはなく、電子ビームの軌道を歪ま
せることはない。また、その平行な電位分布を歪ませる
電位規定部材である引き出し電極1204を含むB領域
1306においても、表面抵抗値の低いA領域1305
の影響を受けて電界集中が起こりにくくなるので、画像
表示パネルの耐圧を向上させることができる。
【0092】このような構成の画像表示装置を加速電圧
Va=10kVで駆動したところ、放電は観測されず、
電子ビームの着弾位置のずれによる画像の劣化も見られ
ない、良好な画像表示装置を得ることができた。
【0093】(第3の実施の形態)図10は、本発明の
第3の実施形態にかかる画像表示装置の表示パネルを示
す模式的断面図である。本実施形態の画像表示装置は、
第1の実施形態のものと比較して、スペーサを支持する
支持部材を有している点が主に異なっており、その他の
構成部品は第1の実施形態と同様のものが用いられてい
る。本実施形態では第1の実施形態と同一の構成部品に
同一の符号を付してあり、図10では、第1の実施形態
の図2と同様に、画像表示装置をスペーサ近傍の部分で
スペーサの長辺方向に破断した断面が模式的に示されて
いる。以下では、第1の実施形態と異なる点、すなわち
本実施形態において特徴的な部分を主に説明する。
【0094】本実施形態の画像表示装置の表示パネルで
は、スペーサ1201は第1の実施形態と同様にアノー
ド電極1104の外側まで延長されており、図10に示
すようにスペーサ1201はアノード電極1104の外
側で、電位規定部材である導電性の支持部材1202を
用いてリアプレート1005に固定されている。このよ
うな構成によりスペーサ1201をリアプレート100
5に容易に固定することができ、画像表示パネルの製造
工程が簡略化される。支持部材1202は金属でできて
おり、支持部材1202の成形が容易にできると共に支
持部材1202に導電性が生じ、支持部材1202は、
スペーサ1201の支持部材1202との接触部分の電
位を規定している。このようにスペーサ1201の接触
部分の電位を規定する理由としては、スペーサ1201
の長辺方向側端部でリアプレート1005側に電位を規
定する電極を形成しにくい場合で、スペーサ1201と
リアプレート1005との接触が不安定な場合には、電
界集中を起こす部分が生じ、スペーサ1201の端部で
放電が起こる可能性があることなどが挙げられる。本実
施形態では、支持部材1202はリアプレート1005
に固定されているが、もちろんこれに限定される訳では
なく、例えばフェイスプレート1007に固定してもよ
い。
【0095】スペーサ1201には、第1の実施形態と
同様に高抵抗膜が設けられ、その高抵抗膜は大きく3つ
の領域に分けられており、領域の境界部で表面抵抗値が
大きく変化している。A領域(画像表示領域D)120
5、B領域(電位規定電極1106と画像表示領域Dの
間の領域)1206、C領域1207(電位規定電極1
106に対応する領域)の表面抵抗値は第1の実施形態
と同様の値であり、高抵抗膜の作製方法も同等とした。
一方、支持部材1202の表面抵抗値は106[Ω/□]
以下であることが好ましく、これにより支持部材120
2に所望の電位を与えることができる。
【0096】このようにスペーサ1201の表面を上記
のような表面抵抗値の領域に分けることにより、スペー
サ1201が支持部材1202により電位規定されてい
ても、それによる電位の分布に影響を受けるのは、B領
域1206およびC領域1207であり、A領域120
5にはほとんど影響しない。また、C領域1207はB
領域1206によって、高圧電位のかかる部分から分断
されているので、支持部材1202とほぼ等しい電位が
分布することになる。したがって、冷陰極素子1002
の存在するA領域1205の電位は、アノード電極10
04とリアプレート1005と平行な電位分布となり、
電子ビームの軌道を歪ませることはなく、また電位規定
電極1106近傍などで電界集中することがないので、
画像表示パネルの耐圧を向上させることができる。
【0097】このような構成の画像表示装置を加速電圧
Va=10kVで駆動したところ、放電は観測されず、
電子ビームの着弾位置のずれによる画像の劣化も見られ
ない、良好な画像表示装置を得ることができた。
【0098】(第4の実施の形態)図11は、本発明の
第4の実施形態にかかる画像表示装置の表示パネルを示
す模式的断面図である。本実施形態の画像表示装置は、
第1の実施形態のものと比較して、スペーサを支持する
支持部材を有している点と、フェイスプレート1007
には電位規定電極が設けられていない点と、スペーサの
表面抵抗値の分布が主に異なっており、その他の構成部
品は第1の実施形態と同様のものが用いられている。本
実施形態では第1の実施形態と同一の構成部品に同一の
符号を付してあり、図11では、第1の実施形態の図2
と同様に、画像表示装置をスペーサ近傍の部分でスペー
サの長辺方向に破断した断面が模式的に示されている。
以下では、第1の実施形態と異なる点、すなわち本実施
形態において特徴的な部分を主に説明する。
【0099】本実施形態の画像表示装置の表示パネルで
は、第1の実施形態と同様にスペーサ1201はアノー
ド電極1104の外側まで延長されており、図11に示
すようにスペーサ1201はアノード電極1104の外
側で、電位規定部材である導電性接着剤1213を用い
てリアプレート1005に固定されている。導電性接着
剤1213としては、珪酸カリウムなどの水ガラスに、
アルミナなどの粉末および銀などの導電性粉末を混ぜ合
わせたものを用いた。このように導電性接着剤1213
を用いることにより、スペーサ1201に所定の電位を
与えることができ、スペーサ1201の電位分布を所定
のものにすることができる。本実施形態では、スペーサ
1201を導電性接着剤1213によりリアプレート1
005に固定しているが、もちろんこれに限定される訳
ではなく、例えばフェイスプレート1007に固定して
もよい。
【0100】スペーサ1201には、高抵抗膜が設けら
れており、その高抵抗膜は大きく2つの領域に分けら
れ、領域の境界部で表面抵抗値が大きく変化している。
本実施形態では、スペーサ1201において画像表示領
域Dの部分がA領域1205であり、画像表示領域Dと
導電性接着剤1213との間の部分、すなわち画像表示
領域Dを除く部分がB領域1206となっている。A領
域1205、B領域1206の表面抵抗値は、第1の実
施形態におけるA領域およびB領域のそれぞれとと同様
の値であり、高抵抗膜の作製方法も同等とした。
【0101】一方、導電性接着剤1213の表面抵抗値
は106[Ω/□]以下であることが好ましく、これによ
り導電性接着剤1213に所望の電位を与えることがで
きる。
【0102】このようにスペーサ1201の表面を上記
のような表面抵抗値の領域に分けることにより、スペー
サ1201が導電性接着剤1213により電位規定され
ていても、A領域1205はほとんどその影響を受けな
い。したがって、冷陰極素子1002の存在するA領域
1205の電位は、アノード電極1004とリアプレー
ト1005と平行な電位分布となり、電子ビームの軌道
を歪ませることがない。
【0103】このような構成の画像表示装置を加速電圧
Va=10kVで駆動したところ、放電は観測されず、
電子ビームの着弾位置のずれによる画像の劣化も見られ
ない、良好な画像表示装置を得ることができた。
【0104】(第5の実施の形態)図12は、本発明の
第5の実施形態にかかる画像表示装置の表示パネルを示
す模式的断面図である。本実施形態の画像表示装置は、
第1の実施形態のものと比較して、スペーサを支持する
支持部材を有している点と、スペーサの表面抵抗値の分
布が主に異なっている。本実施形態では第1の実施形態
と同一の構成部品に同一の符号を付してあり、図12で
は、第1の実施形態の図2と同様に、画像表示装置をス
ペーサ近傍の部分でスペーサの長辺方向に破断した断面
が模式的に示されている。以下では、第1の実施形態と
異なる点、すなわち本実施形態において特徴的な部分を
主に説明する。
【0105】本実施形態の画像表示装置の表示パネルで
は、図12に示すように気密容器1031内に大気圧支
持部材としてスペーサ1201bが配置されている。ス
ペーサ1201bは、外形形状が第1の実施形態のスペ
ーサ1201と同様に薄い帯板状であり、第1の実施形
態と同様にアノード電極1104とリアプレート100
5に挟まれる領域に設けられている。スペーサ1201
bはアノード電極1104の外側まで延長されており、
フェイスプレート1007のアノード電極1104およ
び電位規定電極1106のそれぞれに接触している。ス
ペーサ1201bは、アノード電極1104の電位規定
電極1106側の端部より外側で支持部材1202を介
してリアプレート1005に固定されている。また、ス
ペーサ1201bの支持部材1202側の端部、すなわ
ちスペーサ1201bの長辺方向の端部には、電位規定
電極1106と同じ電位をスペーサ1201bの長辺方
向の端部に分布させるための電極1211が設けられて
いる。本実施形態では、スペーサ1201bは支持部材
1202を介してリアプレート1005に固定されてい
るが、もちろんこれに限定される訳ではなく、例えばフ
ェイスプレート1007に固定してもよい。
【0106】スペーサ1201bには高抵抗膜が設けら
れ、その高抵抗膜は大きく3つの領域に分けられてお
り、領域の境界部で表面抵抗値が大きく変化している。
それぞれの領域では、後述する理由から表面抵抗値に異
方性が存在し、スペーサ1201bの長辺方向に測定し
た表面抵抗値と、短辺方向に測定した表面抵抗値が異な
っている。具体的には本実施形態では、スペーサ120
1bにおいて、画像表示領域Dを含む、アノード電極1
104に対応する部分がA領域1405、アノード電極
1104と電位規定電極1106の間の領域に対応する
部分がB領域1406、B領域1406と電極1211
の間の部分がC領域1407となっている。それぞれの
領域の表面抵抗値を測定したところ、A領域1405で
は長辺方向に測定した表面抵抗値Rx1=5×108[Ω/
□]、短辺方向に測定した表面抵抗値Ry1=1×10
11[Ω/□]であり、B領域1406では長辺方向に測定
した表面抵抗値Rx2=1×1011[Ω/□]、短辺方向に
測定した表面抵抗値Ry2=2×1013[Ω/□]であり、
C領域1407では長辺方向に測定した表面抵抗値Rx3
=5×108[Ω/□]、短辺方向に測定した表面抵抗値
Ry3=1×1011[Ω/□]であった。本実施形態では、
スペーサ1201bの表面抵抗値は以上のようであった
が、もちろんこれに限定されるものではなく、B領域1
406の表面抵抗値がA領域1405およびC領域14
07よりも実質的に大きければ、本発明の要件は満たさ
れる。また、本実施形態では、スペーサ1201bの長
辺方向片側の端部にのみ、このような表面抵抗値の異な
る領域を設けたが、もちろん反対側の端部にも同様な構
成を設けることが好ましい。
【0107】次に、スペーサ1201bの構成について
図13を参照して説明する。図13は、図12の断面に
対して垂直な方向に沿った表示パネルの模式的断面図で
ある。本実施形態のスペーサ1201bにおいて第1の
実施形態のスペーサ1201と異なる点は、図13に示
すように、スペーサ1201bを構成している絶縁性部
材1212の両面に、長辺方向に延びるストライプ状の
凹部および凸部が設けられており、その凹凸に対応して
高抵抗膜1208も同様に凹凸形状を有している。絶縁
性部材1212は、ストライプ状の凹凸形状が予め形成
された母材ガラスを加熱して延伸することにより作製さ
れ、作製された絶縁性部材1212の断面形状が母材ガ
ラスの凹凸と相似形の形状を有している。このような絶
縁性部材1212の表面に高抵抗膜1208を設ける
と、絶縁性部材1212の凹凸形状により高抵抗膜12
08の膜厚、組成、および結晶性などに方向性が生じ、
高抵抗膜1208の表面抵抗値に異方性が生じてしまう
ことがある。
【0108】本実施形態では、A領域1405、B領域
1406、C領域1407の高抵抗膜1201bは2回
に分けて成膜を行い、1回目の成膜で全ての領域に高抵
抗膜を形成した後、A領域1405およびC領域140
7のみ2回目の成膜で高抵抗膜を重ねて形成した。それ
ぞれの成膜条件は1回目がWターゲットに対する投入高
周波電力を200Wとし、B領域1406はWターゲッ
トに対する投入高周波電力を180Wとし、その他の条
件は第1の実施形態と同等の条件で成膜を行った。
【0109】上記のようにスペーサ1201bの表面抵
抗値に異方性がある場合でも、スペーサ1201bの表
面を上記のような表面抵抗値を持つ領域に分けることに
より、スペーサ1201bに電位規定電極1106と同
電位の電極1211を有していても、それによる電位の
分布に影響を受けるのはB領域1406およびC領域1
407であり、A領域1405にはほとんど影響しな
い。また、C領域1407は、B領域1406によっ
て、高圧電位のかかる部分から分断されているので、電
位規定電極1106および電極1211とほぼ等しい電
位が分布することになる。したがって、冷陰極素子10
02の存在するA領域1405の電位は、アノード電極
1004とリアプレート1005と平行な電位分布とな
り、電子ビームの軌道を歪ませることはなく、また電位
規定電極1106やスペーサ1201bの支持部材12
02の近傍などで電界集中することがないので、画像表
示パネルの耐圧を向上させることができる。
【0110】このような構成の画像表示装置を加速電圧
Va=10kVで駆動したところ、放電は観測されず、
電子ビームの着弾位置のずれによる画像の劣化も見られ
ない、良好な画像表示装置を得ることができた。
【0111】なお、上記の第1〜第5の実施形態におい
ては、製造の容易性から表面電導型放出素子を用いた表
示装置について説明したが、FE型素子、MIM型素子
を用いた表示装置においても同様の効果を確認してお
り、本発明は電子放出素子の構造に依存しないものであ
る。
【0112】
【発明の効果】以上で説明したように本発明によれば、
画像表示装置のフェイスプレートおよびリアプレートを
支持する大気圧支持部材に、電位分布を乱すような電位
規定部材との接触、あるいは電極や構造物が存在して
も、電子ビーム源近傍の電位分布が乱れることがなく、
電子ビームの着弾位置のずれによる画像の劣化が見られ
ない。また、大気圧支持部材に電位規定部材との接触、
あるいは電極や構造物などが存在しても、大気圧支持部
材におけるそれらの部材の近傍での電位分布を所定のも
のにすることができ、電界集中が生じないため、放電し
にくく、耐久性および信頼性の向上した画像表示装置を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される第1の実施形態の画像表示
装置の表示パネルを示す斜視図である。
【図2】図1に示した画像表示装置をスペーサ近傍の部
分で図1のB−B’線に沿ってスペーサの長辺方向に破
断した模式的断面図である。
【図3】画像表示装置の変形例を示す模式的断面図であ
る。
【図4】画像表示装置の表示パネル内での電位分布を示
す模式的断面図である。
【図5】図1に示される表示パネルのフェイスプレート
において蛍光体の配列を模式的に示した平面図である。
【図6】図1のA−A’線断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態にかかる画像表示装置
の表示パネルを示す模式的断面図である。
【図8】スペーサの表面抵抗値の測定方法を示す模式図
である。
【図9】図7の断面に対して垂直な方向に沿った表示パ
ネルの模式的断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態にかかる画像表示装
置の表示パネルを示す模式的断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態にかかる画像表示装
置の表示パネルを示す模式的断面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態にかかる画像表示装
置の表示パネルを示す模式的断面図である。
【図13】図12の断面に対して垂直な方向に沿った表
示パネルの模式的断面図である。
【図14】表面伝導型の電子放出素子をマトリクス配線
して構成されたマルチ電子ビーム源を示す図である。
【図15】従来の画像表示装置の表示パネルの一部を切
り欠いて示した斜視図である。
【図16】画像表示装置においてスペーサの表面に流れ
る微小電流による電位規定を示す模式図である。
【図17】スペーサの表面がフェイスプレートの電極に
接触することにより生じた電位分布の歪みを示す模式図
である。
【図18】スペーサの表面抵抗値の異方性について説明
するための模式図である。
【図19】抵抗値の異方性が生じた際に電界集中するこ
とを示す等価回路図である。
【図20】スペーサ表面に設けられた電極による電位分
布の歪みを示す模式図である。
【符号の説明】
101a〜101d 電極 102 測定器 1002 冷陰極素子 1003 行方向配線 1004 列方向配線 1005 リアプレート 1006 側壁(枠) 1007 フェイスプレート 1031 気密容器 1032 マルチ電子ビーム源 1101 蛍光体膜 1103a,1103b ブラックマトリクス 1104 アノード電極 1106 電位規定電極 1201,1201a,1201b スペーサ(大気
圧支持部材) 1202 支持部材 1203 電極 1204 引き出し電極 1205,1305,1405 A領域 1206,1306,1406 B領域 1207,1407 C領域 1208 高抵抗膜 1209,1210,1211 電極 1212 絶縁性部材 1213 導電性接着剤 1303 絶縁層 1401 高圧電源

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビーム源が設けられたリアプレート
    と、 前記電子ビーム源からの電子ビームの照射により発光す
    る発光部材、および該発光部材を前記電子ビーム源より
    も高い電位に規定するアノード電極が形成されたフェイ
    スプレートと、 前記電子ビーム源を収容する気密容器を前記リアプレー
    トおよびフェイスプレートと共に構成するように、間隔
    をおいて互いに対向する前記リアプレートとフェイスプ
    レートの縁部同士を接合する側壁と、 前記電子ビーム源および前記アノード電極の各々に電気
    的に接続されるように前記気密容器内に配置されて前記
    リアプレートおよびフェイスプレートを支持し、少なく
    とも表面が導電性を有する大気圧支持部材とを有し、 前記発光部材が設けられた領域によって画像表示領域が
    規定されている画像表示装置において、 前記気密容器内の前記画像表示領域以外の領域に設けら
    れて前記大気圧支持部材に電気的に接続され、前記アノ
    ードと前記電子ビーム源の間に形成される、前記フェイ
    スプレートおよびリアプレートに平行な電位分布を乱す
    電位に規定された電位規定部材を有し、前記大気圧支持
    部材における前記電位規定部材と前記画像表示領域の間
    の部分での表面抵抗値が、前記大気圧支持部材において
    前記画像表示領域に対応する部分での表面抵抗値よりも
    大きいことを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記大気圧支持部材は、高抵抗膜を有す
    ることで表面に導電性を有している請求項1に記載の画
    像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記大気圧支持部材の高抵抗膜の表面抵
    抗値は、1014[Ω/□]以下である請求項2に記載の画
    像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記電位規定部材が前記大気圧支持部材
    上に設けられた電極であり、該電極における前記フェイ
    スプレートおよびリアプレートの法線方向の長さをL
    y、前記電極における前記フェイスプレートおよびリア
    プレートと平行な方向の長さをLxとしたときに、前記
    電極が、 Ly > Lx となる部分を有している請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の画像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記電位規定部材の表面抵抗値が10
    6[Ω/□]以下である請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の画像表示装置。
  6. 【請求項6】 前記電位規定部材は、前記大気圧支持部
    材を前記リアプレートまたはフェイスプレートに固定す
    る導電性部材である請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記電位規定部材は、前記大気圧支持部
    材を前記リアプレートまたはフェイスプレートに接着し
    て固定する導電性接着剤である請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の画像表示装置。
  8. 【請求項8】 前記大気圧支持部材は前記フェイスプレ
    ートまたはリアプレートと平行な方向と前記フェイスプ
    レートまたはリアプレートの法線方向で表面抵抗値に異
    方性が存在する領域を有する請求項1〜7のいずれか1
    項に記載の画像表示装置。
  9. 【請求項9】 前記大気圧支持部材は、微小な凹凸が存
    在する領域を表面に有し、該領域の表面抵抗値には前記
    フェイスプレートおよびリアプレートと平行な方向と前
    記フェイスプレートおよびリアプレートの法線方向で異
    方性が存在する請求項8に記載の画像表示装置。
  10. 【請求項10】 前記大気圧支持部材は、前記フェイス
    プレートまたはリアプレートと平行な方向に延びるスト
    ライプ状の凹部と凸部を表面に有し、該凹部および凸部
    の表面抵抗値には前記フェイスプレートおよびリアプレ
    ートと平行な方向と前記フェイスプレートおよびリアプ
    レートの法線方向で異方性が存在する請求項8に記載の
    画像表示装置。
  11. 【請求項11】 前記大気圧支持部材における前記画像
    表示領域に対応する部分で前記フェイスプレートおよび
    リアプレートと平行な方向に測定した表面抵抗値をRx1
    [Ω/□]、前記大気圧支持部材における前記電位規定部
    材と前記画像表示領域の間の部分で前記フェイスプレー
    トおよびリアプレートと平行な方向に測定した表面抵抗
    値をRx2[Ω/□]、前記大気圧支持部材における前記電
    位規定部材と前記画像表示領域の間の部分で前記フェイ
    スプレートおよびリアプレートの法線方向に測定した表
    面抵抗値をRy2[Ω/□]としたときに、 Rx2/Rx1 > 0.1×Ry2/Rx2 の関係を満たしている請求項1〜10のいずれか1項に
    記載の画像表示装置。
  12. 【請求項12】 前記大気圧支持部材は、前記気密容器
    内において前記アノード電極によって高圧の電位が印加
    されているアノード領域からその外の領域にまで延びて
    いる請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像表示装
    置。
  13. 【請求項13】 前記電子ビーム源が、前記リアプレー
    ト上にマトリクス状に配置された複数の冷陰極素子を有
    している請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像表
    示装置。
  14. 【請求項14】 前記電子ビーム源の冷陰極素子が電界
    放出素子である請求項13に記載の画像表示装置。
  15. 【請求項15】 前記電子ビーム源の冷陰極素子が表面
    伝導型電子素子である請求項13に記載の画像表示装
    置。
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