JP2002075254A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002075254A
JP2002075254A JP2000256355A JP2000256355A JP2002075254A JP 2002075254 A JP2002075254 A JP 2002075254A JP 2000256355 A JP2000256355 A JP 2000256355A JP 2000256355 A JP2000256355 A JP 2000256355A JP 2002075254 A JP2002075254 A JP 2002075254A
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Koji Yamazaki
康二 山▲崎▼
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子源を用いた画像形成装置内において、高
輝度化かつ小型化を図る上で、放電が発生しにくく、か
つ画像歪みの小さい画像形成装置を提供する。 【解決手段】 電子源基板を有するリアプレートと、電
子を受けて画像を形成する画像形成領域を有するフェー
スプレートと、これらを所要間隔に保持して周囲を囲堯
するための支持枠と、これらの間に配置された耐大気圧
構造のためのスペーサとを有し、これらで構成された外
囲器を形成している画像形成装置において、前記支持枠
は、前記フェースプレートと接触する当接面にアノード
電位と同電位にするための、および前記リアプレートと
接触する当接面に前記リアプレートとの設置部位と同電
位にするための電極を設けると共に、前記当接面に接す
る側壁側面に高抵抗膜を施していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線を用いた画
像表示装置などの画像形成装置に係わり、特に、真空外
囲器内部にスペーサを備えた画像形成装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子を利用した画像形成
装置として、冷陰極素子を多数形成した電子源基板(リ
アプレート)と、アノード電極及び蛍光体を具備した陽
極基板(フェースプレート)とを、所要間隔で、平行に
対向させて、周囲を支持枠で囲い、これらで仕切られた
外囲器の内部を真空に排気した、所謂、平面型の電子線
表示パネルが知られている。
【0003】このような画像形成装置において、表面伝
導型放出素子を用いたものは、例えば、USP5,066,883
などに開示されている。表面伝導型放出素子を用いた平
面型の電子線表示パネルは、現在広く用いられているCR
Tに比べ、軽量化、大画面化を図ることができ、また、
液晶を利用した平面型表示パネルやプラズマディスプレ
イ、エレクトロルミネッセントディスプレイなどの他の
平面型表示パネルに比べて、より高輝度、高品質な画像
を提供することができる。
【0004】電子放出素子を用いた平面型の画像形成装
置においては、例えば、支持枠の内壁とリアプレートの
接合部(3重点)からの電子放出により、真空外囲器の
内壁がチャージアップされる場合がある。これにより、
内部で放電を生じ、装置が劣化したり、破壊される畏れ
がある。
【0005】即ち、チャージアップした部分は電位が高
くなるため、電子を引き付けることになり、チャージア
ップが更に進み、真空外囲器の内壁に沿って、放電を発
生させるのである。このような放電の原因となる、真空
外囲器の内壁のチャージアップを防止する方法として
は、前記内壁に適当なインピーダンスを有する帯電防止
膜を形成し、上述のようにして、発生したチャージを除
去する方法が適用できる。このような方法を適用した例
とし、本出願人の特開平8-180821号公報において、画像
形成装置のガラス容器の内壁側面に、高インピーダンス
の導電性部材よりなる導電層を設けた構成が、既に開示
されている。
【0006】なお、真空外囲器の内壁の帯電問題と同様
に、平面型の電子線表示パネルの大型化に伴い、必要と
される真空外囲器の内部の真空と、外部の大気圧差によ
る真空容器の変形または破壊を抑えるためのスペーサに
も、電子の衝突に起因する帯電問題があることが知られ
ている。これを防ぐための方法として、前述の特開平8-
180821号公報には、スペーサに帯電防止膜を施し、除電
する方法が、既に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高輝度
かつ画像領域外の小型化を目指す場合には、以下の問題
があった。即ち、装置を小型化のためには、外囲器を構
成する部材の内、支持枠がフェースプレートの画像形成
領域に近づくことになり、画像形成部材に入射した電子
線の一部が、散乱され、真空外囲器の内壁に衝突し、二
次電子を放出させて、更にチャージアップさせる場合が
ある。これは、放電が多発するだけでなく、真空外囲器
の内部の電位分布が歪み、電子線の軌道が不安定になる
という問題を含んでいる。
【0008】本発明は、上述の事情に基づいてなされた
ものであって、本発明の主たる目的は、電子源を用いた
画像形成装置内において、高輝度化かつ小型化を図る上
で、放電が発生しにくく、かつ画像歪みの小さい画像形
成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
先述したスペーサの材質および表面の処理法を、真空外
囲器の一部を構成する支持枠の内壁に応用して、上述の
問題を解決した画像形成装置を構成する。
【0010】即ち、本発明では、電子源の配置された電
子源基板を有するリアプレートと、前記電子源から放出
された電子を受けて画像を形成する画像形成領域を有す
るフェースプレートと、前記リアプレートと前記フェー
スプレートとを所要間隔に保持して周囲を囲堯するため
の支持枠と、前記リアプレートと前記フェースプレート
との間に配置された耐大気圧構造のためのスペーサとを
有し、前記リアプレート、フェースプレート、支持枠お
よびスペーサにて、真空を維持する外囲器を形成してい
る画像形成装置において、前記支持枠は、前記フェース
プレートと接触する当接面にアノード電位と同電位にす
るための電極を、および前記リアプレート側と当接する
面に前記リアプレートとの設置部位と同電位にするため
の電極を、それぞれ設けると共に、前記当接面に接する
内壁側面に高抵抗膜を施していることを特徴とする。
【0011】また、本発明では、電子源の配置された電
子源基板を有するリアプレートと、前記電子源から放出
された電子を受けて画像を形成する画像形成領域を有す
るフェースプレートと、前記リアプレートと前記フェー
スプレートとを所要間隔に保持して周囲を囲堯するため
の支持枠と、前記リアプレートと前記フェースプレート
との間に配置された耐大気圧構造のためのスペーサとを
有し、前記リアプレート、フェースプレート、支持枠お
よびスペーサにて、真空を維持する外囲器を形成してい
る画像形成装置において、前記スペーサは、前記フェー
スプレートと接触する当接面に前記フェースプレートの
アノード電位と同電位にするための電極を、および前記
リアプレートに接触する当接面に前記リアプレートとの
設置部位と同電位にするための電極を、それぞれ設ける
と共に、前記当接面に接する側面に高抵抗膜を施してお
り、前記スペーサの側面が前記支持枠の内壁に接する個
所では、導電性接着剤を介して、前記スペーサが前記枠
の内壁に接着されていることを特徴とする。
【0012】このような構成によって、本発明では、電
子放出量が多くなった場合や、画像表示領域の限りなく
近くに、真空外囲器の支持枠内壁が配置されるような場
合でも、放電し難い画像形成装置を提供できる。さら
に、画像表示領域の限りなく近くに、真空外囲器の支持
枠内壁を配置しても、画像歪みを抑えることができるた
め、画像表示パネル(画像形成装置)の画像表示領域外
の大きさを小さくすることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい実施の
形態を、図面を参照して、具体的に説明する。
【0014】(1)画像表示装置の概要 この実施の形態での画像表示装置(表示パネル)の構成
と製造法について、具体的な例が図13に示されてい
る。ここで、符号1015はリアプレート、1016は
側壁(支持枠)、1017はフェースプレートであり、
これらによって、表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器(真空外囲器)を形成している。この気密
容器を組み立てるに際しては、各部材の接合部に十分な
強度と気密性を保持させるための封着が必要であるが、
これには、例えば、フリットガラスを接合部に塗布し、
大気中あるいは窒素雰囲気中で、摂氏400〜500度
で10分以上焼成する方法が採用される。また、気密容
器の内部は、10のマイナス6乗[Torr]程度の真
空に保持される必要から、大気圧や不意の衝撃などによ
る気密容器の破壊を防止する目的で、耐大気圧構造体と
して、複数のスペーサ1020が、リアプレート101
5とフェースプレート1017との間に設けられてい
る。
【0015】この実施の形態における画像形成装置に
は、前述のリアプレート1015側の構成部材として、
電子源基板(電子放出素子基板)がある。これは、複数
の冷陰極素子を基板上に配列したものであって、その冷
陰極素子の配列の方式には、冷陰極素子を並列に配置
し、個々の素子の両端を配線で接続する、はしご型配置
(以下、はしご型配置電子源基板と称する)や、冷陰極
素子の、一対の素子電極をそれぞれX方向配線、Y方向
配線に接続した、単純マトリクス配置(以下、マトリク
ス型配置電子源基板と称する)が挙げられる。
【0016】なお、はしご型配置の電子源基板を有する
画像形成装置には、電子放出素子からの電子の飛翔を制
御する電極である制御電極(グリッド電極)が必要であ
る。
【0017】リアプレート1015には、電子源基板1
011が固定されており、該基板上には冷陰極素子10
12がN×M個形成されている(N、Mは2以上の正の
整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定さ
れる。例えば、高品位テレビジョンの表示を目的とした
装置においては、N=3000、M=1000以上の数
を設定することが望ましい)。また、N×M個の冷陰極
素子は、M本の行方向配線1013とN本の列方向配線
1014により単純マトリクス配線されている。そし
て、これらの部材1011〜1014によって、マルチ
電子ビーム源が構成される。
【0018】なお、本発明の画像表示装置に用いるマル
チ電子ビーム源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線、
もしくは、はしご型配置した電子源であれば、冷陰極素
子の材料や形状あるいは製法に制限はない。従って、例
えば、表面伝導型放出素子やFE型あるいはMIM型な
どの冷陰極素子を用いることができる。
【0019】次に、冷陰極素子(表面伝導型放出素子)
を電子源基板上に配列して、単純マトリクス配線したマ
ルチ電子ビーム源の構造について述べる。図15に示す
のは、図13の表示パネルに用いたマルチ電子ビーム源
の平面図である。ここでは電子源基板1011上に、表
面伝導型放出素子が配列され、これらの素子が行方向配
線1013と列方向配線1014とにより単純マトリク
ス状に配線されている。なお、行方向配線1013と列
方向配線1014の交差する部分には、電極間に絶縁層
(図示せず)が形成されており、電気的な絶縁が保たれ
ている。
【0020】図15のB−B’に沿った断面を示す図1
6において明らかなように、このような構造のマルチ電
子源は、予め、電子源基板上に行方向配線1013、列
方向配線1014、電極間絶縁層(図示せず)、およ
び、表面伝導型放出素子の素子電極1103と導電性薄
膜1104を形成した後、行方向配線1013および列
方向配線1014を介して、各素子に給電して、通電フ
ォーミング処理と通電活性化処理を行うことにより、導
電性薄膜上で、薄膜1113間に電子放出部1105を
備えた構造として、製造される。
【0021】なお、この実施の形態においては、リアプ
レート1015にマルチ電子ビーム源の基板1011を
固定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板10
11が十分な強度を有するものである場合には、リアプ
レートとして、マルチ電子ビーム源の基板1011自体
を用いてもよい。
【0022】また、フェースプレート1017の下面に
は、蛍光膜1018が形成されている。この実施の形態
では、その表示パネルがカラー表示装置であるため、蛍
光膜1018の部分に、CRTの分野で用いられる赤、
緑、青、の3原色の蛍光体が塗り分けられている。各色
の蛍光体は、例えば、図11の(a)に示すように、ス
トライプ状に塗り分けられ、蛍光体のストライプの間に
は黒色の導電体1010が設けてある。黒色の導電体1
010を設ける目的は、電子ビームの照射位置に多少の
ずれがあっても、表示色にずれが生じないようにするこ
とや、外光の反射を防止して表示コントラストの低下を
防ぐこと、電子ビームによる蛍光膜のチャージアップを
防止することなどである。なお、黒色の導電体1010
には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の目的に適す
るものであれば、これ以外の材料を用いても良い。
【0023】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は、図
11の(a)に示したストライプ状の配列に限られるも
のではなく、例えば、図11の(b)に示すようなデル
タ状配列や、それ以外の配列(例えば、図12)であっ
てもよい。
【0024】なお、モノクロームの表示パネルを作成す
る場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1018に用い
ればよく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくともよ
い。なお、蛍光膜1018のリアプレート側の面には、
CRTの分野では公知のメタルバック1019を設けて
ある。このようにメタルバック1019を設けた目的
は、蛍光膜1018が発する光の一部を鏡面反射して、
光利用率を向上させることや、負イオンの衝突から蛍光
膜1018を保護することや、電子ビーム加速電圧を印
加するための電極として作用させることや、蛍光膜10
18を励起した電子の導電路として作用させることなど
である。
【0025】メタルバック1019は、蛍光膜1018
をフェースプレート基板1017上に形成した後、蛍光
膜表面を平滑化処理し、その上にAlを真空蒸着する方
法により形成している。なお、蛍光膜1018に低電圧
用の蛍光体材料を用いた場合には、メタルバック101
9は用いない。
【0026】また、この実施の形態では用いなかった
が、加速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的とし
て、フェースプレート基板1017と蛍光膜1018と
の間に、例えば、ITOを材料とする透明電極を設けて
もよい。
【0027】図14は図13のA−A’の断面模式図で
あり、各部の番号は図13に対応している。ここでは、
スペーサ1020は、絶縁牲部材1の表面に、帯電防止
を目的とした高抵抗膜11を成膜し、かつ、フェースプ
レート1017の内側(メタルバック1019など)お
よび基板1011の表面(行方向配線1013または列
方向配線1014)に面したスペーサの当接面3および
これに連続する側面部5に低抵抗膜21を成膜したもの
で、上記目的を達成するのに必要な数だけ、所要の間隔
をおいて配置された状態で、フェースプレートの内側お
よび基板1011の表面に接合材1041により固定さ
れている。
【0028】また、高抵抗膜は、絶縁性部材1の表面の
うち、少なくとも真空外囲器(気密容器)内に露出して
いる面に成膜されており、スペーサ1020上の低抵抗
膜21および接合材1041を介して、フェースプレー
ト1017の内側(メタルバック1019など)および
基板1011の表面(行方向配線1013または列方向
配線1014)に電気的に接続されている。
【0029】ここで説明される態様において、スペーサ
1020は薄板形状であり、行方向配線1013に平行
に配置され、行方向配線1013に電気的に接続されて
いる。スペーサ1020は、基板1011上の行方向配
線1013および列方向配線1014とフェースプレー
ト1017内面のメタルバック1019との間に印加さ
れる高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、かつスペーサ
1020の表面への帯電を防止する程度の導電性を有す
ることが必要である。
【0030】そこで、スペーサ1020の絶縁性部材1
としては、例えば、石英ガラス、Naなどの、不純物含
有量を減少したガラス、ソーダライムガラス、アルミナ
などのセラミックス部材等が挙げられる。なお、絶縁性
部材1は、その熱膨張率が、気密容器の構成部材、およ
び、基板1011の材料の熱膨張率に近いものが好まし
い。
【0031】スペーサ1020の側壁面を構成する高抵
抗膜11には、高電位側のフェースプレート1017
(メタルバック1019など)に印加される加速電圧V
aを、帯電防止膜である高抵抗膜11の抵抗値Rsで除
した電流が流される。そこで、スペーサの抵抗値Rs
は、帯電防止および消費電力を配慮して、その望ましい
範囲に設定される。帯電防止の観点から表面抵抗R/□
は、1014Ω以下であることが好ましく、また、十分な帯
電防止効果を得るためには、1011Ω以下がより好まし
い。なお、この表面抵抗の下限は、スペーサ形状とスペ
ーサ間に印加される電圧により左右されるが、107Ω以
上であることが好ましい。
【0032】絶縁材料上に形成された帯電防止膜の厚み
tは10nm〜1μmの範囲が望ましい。なお、材料の表
面エネルギーおよび基板との密着性や基板温度によって
も異なるが、一般的に10nm以下の薄膜は、島状に形成
され、その抵抗が不安定で、再現性に乏しい。一方、膜
厚tが1μm以上では、膜応力が大きくなって、膜はが
れの危険性が高まり、また、成膜時間が長くなるために
生産性が悪い。従って、膜厚tは50〜500nmであるこ
とが望ましい。表面抵抗R/□はρ/tであり、以上に
述べたR□とtの好ましい範囲からは、好ましい帯電防
止膜の比抵抗:ρ=0.1〜108Ωcmである。さらに、
表面抵抗と膜厚のより好ましい範囲を実現するために
は、ρ=102〜106Ωcmとするのが良い。
【0033】スペーサは、上述したように、その上に形
成した帯電防止膜を電流が流れることにより、あるい
は、ディスプレイ全体が動作中に発熱することにより、
その温度が上昇する。帯電防止膜の抵抗温度係数が大き
な負の値であると、温度が上昇した時に抵抗値が減少
し、スペーサに流れる電流が増加し、さらに、温度上昇
をもたらす。そして、この電流は、電源の限界を越える
まで増加しつづける。このような電流の暴走が発生する
抵抗温度係数の値は、経験的に負の値であり、絶対値が
1%以上であることが知られている。換言すれば、スペ
ーサにおける帯電防止膜の抵抗温度係数は、−1%以上
であることが望ましい。
【0034】帯電防止特性を有する高抵抗膜11の材料
には、例えば、金属酸化物を用いることができる。金属
酸化物の中でも、クロム、ニッケル、銅の酸化物が好ま
しい材料である。その理由は、これらの酸化物の二次電
子放出効率が比較的小さく、冷陰極素子1012から放
出された電子がスペーサ1020に当たった場合におい
ても帯電し難いためと考えられる。なお、金属酸化物以
外にも、炭素は、その二次電子放出効率が小さく、好ま
しい材料である。特に、非晶質カーボンは、高抵抗であ
るため、スペーサ抵抗を所望の値に制御しやすい。
【0035】帯電防止特性を有する高抵抗膜11の他の
材料として、アルミの遷移金属合金の窒化物が挙げられ
る。これは、遷移金属の組成を調整することにより、良
伝導体から絶縁体まで、広い範囲に抵抗値を制御できる
ので、好適な材料であり、また、後述する表示装置の作
製工程において、抵抗値の変化が少なく、安定な材料で
ある。また、これは、その抵抗温度係数が−1%未満で
あり、実用的に使い易い材料といえる。なお、その他の
遷移金属元素として、Ti、Cr、Taなどがあげられ
る。
【0036】合金窒化膜は、スパッタ、窒素ガス雰囲気
中での反応性スパッタ、電子ビーム蒸着、イオンプレー
ティング、イオンアシスト蒸着法などの薄膜形成手段に
より、絶縁性部材上に形成される。金属酸化膜も、同様
の薄膜形成手段で作製することができるが、この場合、
窒素ガスに代えて、酸素ガスを使用する。その他、CV
D法、アルコキシド塗布法でも、金属酸化膜を形成でき
る。カーボン膜は蒸着法、スパッタ法、CVD法、プラ
ズマCVD法で作製され、特に非晶質カーボンを作製す
る場合には、成膜中の雰囲気に水素が含まれるようにす
るか、成膜ガスに炭化水素ガスを使用する。
【0037】スペーサ1020を構成する低抵抗膜21
は、高抵抗膜11を高電位側のフェースプレート101
7(メタルバック1019など)および低電位側の基板
1011(配線1013、1014など)と電気的に接
続するために設けられたものであり、以下では、中間電
極層と称する。この中間電極層は、以下に列挙する複数
の機能を有することができる。
【0038】高抵抗膜11をフェースプレート101
7および基板1011に対して電気的に接続する。
【0039】既に記載したように、高抵抗膜11は、ス
ペーサ1020表面での帯電を防止する目的で設けられ
たものであるが、高抵抗膜11をフェースプレート10
17(メタルバック1019など)および基板1011
(配線1013、1014など)と、直接あるいは当接
材1041を介して、接続した場合、接続部界面に大き
な接触抵抗が発生し、スペーサ表面に発生した電荷を速
やかに除去できなくなる可能性がある。これを避けるた
めに、フェースプレート1017、基板1011および
当接材1041と接触するスペーサ1020の当接面3
あるいは側面部5に低抵抗の中間層を設けた。
【0040】高抵抗膜11の電位分布を均一化する。
【0041】冷陰極素子1012より放出された電子
は、フェースプレート1017と基板1011の間に形
成された電位分布に従って電子軌道を成す。そこで、ス
ペーサ1020の近傍で電子軌道に乱れが生じないよう
にするためには、高抵抗膜11の電位分布を全域にわた
って制御する必要がある。高抵抗膜11をフェースプレ
ート1017(メタルバック1019など)および基板
1011(配線1013、1014など)と、直接ある
いは当接材1041を介して、接続した場合、接続部界
面の接触抵抗のために、接続状態のむらが発生し、高抵
抗膜11の電位分布が所望の値からずれてしまう可能性
がある。これを避けるために、スペーサ1020には、
フェースプレート1017および基板1011と当接す
る端部(当接面3あるいは側面部5)の全長域に、低抵
抗の中間層を設けており、この中間層部に所望の電位を
印加することによって、高抵抗膜11全体の電位を制御
可能とした。
【0042】放出電子の軌道を制御する。
【0043】冷陰極素子1012より放出された電子
は、フェースプレート1017と基板1011の間に形
成された電位分布に従って、電子軌道を成す。スペーサ
近傍の冷陰極素子から放出された電子に関しては、スペ
ーサを設置することに伴う制約(配線、素子位置の変更
など)が生じる場合がある。このような場合、歪みやむ
らのない画像を形成するために、放出された電子の軌道
を制御して、フェースプレート1017上の所望の位置
に電子を照射する必要がある。フェースプレート101
7および基板1011と当接する面、即ち、側面部5に
低抵抗の中間層を設けることにより、スペーサ1020
近傍の電位分布に所望の特性を持たせ、放出された電子
の軌道を制御することができる。
【0044】低抵抗膜21は、高抵抗膜11に比べ十分
に低い抵抗値を有する材料を選択すればよく、Ni、Cr、
Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pdなどの金属あるいは合
金、および、Pd、Ag、Au、RuO2、Pd−Agなどの金属や金
属酸化物と、ガラスなどから構成される印刷導体、ある
いは、In2O3−SnO2などの透明導体及びポリシリコンな
どの半導体材料より適宜選択される。
【0045】接合材1041は、スペーサ1020が行
方向配線1013およびメタルバック1019と電気的
に接続するように、導電性をもたせる必要がある。すな
わち、これには、導電性接着材や金属粒子や導電性フィ
ラーを添加したフリットガラスが好適である。
【0046】また、Dx1〜DxmおよびDy1〜Dy
nおよびHvは、当該表示パネルと電気回路(図示せ
ず)とを電気的に接続するために設けた気密構造の電気
接続用端子である。そして、Dx1〜Dxmはマルチ電
子ビーム源の行方向配線1013と、Dy1〜Dynは
マルチ電子ビーム源の列方向配線1014と、Hvはフ
ェースプレートのメタルバック1019と電気的に接続
している。
【0047】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、排気管と真空ポンプ(図
示せず)とを接続し、気密容器内を10-7[Torr]程
度の真空度まで排気する。その後、排気管を封止する
が、気密容器内の真空度を維持するために、封止の直前
あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲッター膜
(図示せず)を形成する。ゲッター膜とは、例えば、B
aを主成分とするゲッター材料を、ヒーターもしくは高
周波加熱により加熱し、蒸着して得た膜であり、該ゲッ
ター膜の吸着作用により、気密容器内は10-5ないしは10
-7[Torr]の真空度に維持される。
【0048】以上説明した表示パネルを用いた画像表示
装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないし
Dynを通じて、各冷陰極素子1012に電圧を印加す
ることで、各冷陰極素子1012から電子を放出させ
る。それと同時に、メタルバック1019に、容器外端
子Hvを通じて、数百[V]ないし数[kV]の高圧を
印加して、上記放出された電子を加速し、フェースプレ
ート1017の内面に衝突させる。これにより、蛍光膜
1018をなす各色の蛍光体が励起されて発光し、画像
が表示される。
【0049】通常、冷陰極素子である本発明の表面伝導
型放出素子1012への印加電圧は12〜16[V]程
度、メタルバック1019と冷陰極素子1012との距
離dは0.1[mm]から8[mm]程度、メタルバッ
ク1019と冷陰極素子1012間の電圧0.1[k
V]から10[kV]程度である。
【0050】以上、本発明に係わる実施の形態での表示
パネルの基本構成と製法、および画像表示装置の概要を
説明した。
【0051】(2)本発明の特徴部分 本発明の実施の形態における、その特徴部分は、要する
に、真空外囲器(気密容器)内壁に、前記スペーサと同
様の機能を持たせることである。図1の(a)、(b)
に概略的に示すように、51は支持枠、11は高抵抗
膜、21は低抵抗膜であって、図1の(a)は支持枠の
斜視図とその内面の拡大正面図、図1の(b)はスペー
サの斜視図を示す。
【0052】上述の機能を得る第一の方法は、支持枠5
1の内面をスペーサ表面と同様の構造とすることであ
る。つまり、図1の(a)のように、支持枠内面に図1
の(b)に示す、スペーサと同様に高抵抗膜及び中間電
極層(低抵抗膜)を成膜することである。
【0053】これには、まず、図2の(a)、(b)に
開示するような治具による、中間電極層の成膜方法が用
いられる。なお、図2の(a)は上面図、図2の(b)
は、図2の(a)のA−A'線に沿う断面図である。こ
こで、50はスパッタ装置挿入用のプレート、51は真
空容器の支持枠、52は支持枠固定用治具、53は中間
電極層の高さ規定用板、54は中間電極層高さ規定用板
押え治具、55はカバー用治具である。
【0054】ここでは、固定治具により、プレートの指
定位置に支持枠を固定し、支持枠51の内側に、高さ規
定用板53を配置する。次に、押え治具54を用いて、
適度な力で、板を支持枠51の内側へ押し付ける。さら
に、支持枠51の外側および支持枠51の上面(一部除
く)がスパッタされないように、カバー治具55にて覆
う。なお、上述の支持枠51の、上面の一部とは、支持
枠51の内側に接するところで、適度な幅を持てばよ
い。この状態で、スパッタ装置へ挿入し、低抵抗膜をス
パッタする。この工程を上下反転して再度行う。この
時、高さ規定用板53は、スペーサ1020の中間電極
層の構成に合わせて、適宜選択される。上下の中間電極
層の成膜が終った後で、高さ規定用の板および板押え治
具を外し、支持枠上面の全てを覆うカバー治具に取り替
える。この状態で高抵抗膜成膜用スパッタに挿入して、
支持枠内側にのみ、高抵抗膜を成膜するのである。
【0055】また、第二の方法は、スペーサを支持部材
の内壁に貼り付けることである。これを、図3を参照し
て具体的に説明する。ここで、60は焼成用プレート、
62は固定治具、64はスペーサ押し当て用治具であ
る。まず、支持枠内側にフリットガラス(図示せず)を
塗布し、焼成用プレートに固定治具にて固定する。次
に、スペーサ1020を、支持枠とスペーサ押え治具と
の間に配置し、押え治具にて軽く抑える。その後、フリ
ットを溶かすために、温度を約430℃まで加熱する。そ
の間、スペーサが支持枠に貼り付きやすくするため、押
え治具にて加重する。フリットが十分溶けた後に加熱を
止め、自然冷却して、スペーサ付き支持枠を得る。
【0056】ここで、スペーサの接着は、フリットに限
らず、無機接着剤でも良い。この場合は、加熱しなくて
も良い場合がある。また、前記スペーサは、真空容器内
面に接する面のみが成膜されていてもよい。
【0057】スペーサは、特に、フリットで接着する場
合、熱工程が1回増えることになるが、前記高抵抗膜お
よび前記低抵抗膜には問題とならないものが用意されて
いる。
【0058】このようにして、第一または第二の方法で
得られた支持枠を、図9に示すように、一方の中間電極
層がフェースプレートの画像表示領域と電気的に接続さ
れ(具体的にはメタルバックと)、他方の中間電極層が
リアプレートの電子源基板(具体的には行方向配線と)
と電気的に接続されるように組み立てる。
【0059】その結果、得られた画像形成装置は、支持
枠内面がスペーサと同様の機能を有することによって、
チャージアップを抑えることができ、放電耐圧が向上す
る。また、上述した電子ビーム軌道の制御できるため、
支持枠を画像表示領域に近づけても、表示画像歪がない
ため、画像表示領域外の省スペースが可能となる。
【0060】特に、画像表示領域と支持枠との距離Wが
W≦2αHとなる構成にて有効である。この点を、図1
0を参照して説明する。図10において、1017はフ
ェースプレート、1015はリアプレート、1142は
ITO膜、1019はメタルバック、1018は蛍光体
である。ここでは、最外周縁部の電子放出素子1012
から放出された一次電子が入射方向からθの角度で、後
方散乱され、後方散乱電子が、平行電界により、再加速
されている様子を、模式的に表している。Hはフェース
プレートとリアプレートの間隔であり、実質的に陽極・
陰極間の距離に等しい。一次電子が入射するメタルバッ
ク上の点を原点にとり、x軸、y軸を、図面通りに考え
ると、後方散乱角θで、後方散乱した電子の軌道は x=Vo・t・sinθ y=e・Ey/2m×t2−Vo・t・cosθ となる。
【0061】ここで、Voは後方散乱電子の後方散乱直
後の絶対値、e、mはそれぞれ、電子の電荷、質量、E
y、tはそれぞれ、y方向電界強度と時間である。な
お、ここでは、平行電場を仮定しており、x方向の電界
強度Ex=0としている。
【0062】次に、電子が電界に再加速されて、着地
(y=0)するまでの距離x(θ)を求める。そのため
に、次の関係を用いて、上式に代入すると、 Vo=√((2α・e・Va)/m) Ey=Va/d x(θ)=2α・H・sin2θ となる。
【0063】ここで、α、Vaはそれぞれ、一次電子と
後方散乱電子のエネルギー比、フェースプレートに印加
された一次電子の加速電圧である。なお、αは一次電子
が入射する部材の材質、形状、構成などに大きく依存
し、一般に0.6〜1である。また、x(θ)はθ=π/
4で、最大値2αHをとり、周縁部で生じた後方散乱電
子は、周縁部から最大2αHの距離に再着地する。従っ
て、この考えに基づき、W≦2αHの時に本発明の実施
の形態が有効であると結論されるのである。
【0064】さらに、本出願人が特願平11-051547号公
報に開示しているような、粗面化処理が前記スペーサか
つ支持枠内面に施されていると、除電能力が向上するの
で、好ましい。粗面としては、二次電子放出の抑制、ス
ペーサ表面や支持枠内面での膜の連続性、および、凸部
の電界集中の観点から、平均粗さが0.1μm以上100μm
以下が望ましい。なお、支持枠に関しては、その内面以
外において、上記範囲で粗面化されても、真空容器とし
て、別に問題ない。なお、粗面に限定することなく、帯
電し難い表面形状なら、同様の効果が得られることは言
うまでもない。
【0065】
【実施例】以下に述べる各実施例においては、マルチ電
子ビーム源として、N×M個(N=3072、M=10
24)の表面伝導型放出素子を、M本の行方向配線とN
本の列方向配線とによりマトリクス配線した電子ビーム
源を用いた。
【0066】(実施例1)スペーサ基板として、図1の
(b)に示すような、厚さ:0.2mm、高さ:1.8mm、長
さ:40mmの矩形平板ガラスを用い、フェースプレートの
画像表示領域およびリアプレートの電子源基板に電気的
接続をとるための中間電極層を、下記の方法により、形
成した。即ち、フェースプレート側には0.75mmの帯状
に、リアプレート側には0.2mmの帯状に、10nm厚のTi膜
と、200nm厚のPt膜とを、どちらもスパッタにより気相
形成した。この際、Ti膜は、Pt膜の膜密着性を補強する
下地層として必要であった。こうして、中間電極層付の
スペーサ基板を得た。この時の中間電極層の膜厚は210n
mであり、表面抵抗は10Ω/□であった。
【0067】この後、基板表面に、帯電防止膜として、
CrおよびAlのターゲットを高周波電源で、同時スパッタ
することにより、Cr-Al合金窒化膜を、膜厚:200nmに形
成した。スパッタガスは、Ar:N2が1:2の混合ガスであ
り、全圧力は1mTorrである。上記条件で、同時成膜した
膜の面抵抗は2×1010Ω/□であった。
【0068】次に、支持枠内部の処理法を図2、図4を
用いて説明する。図4に支持枠の断面形状を示す。支持
枠はガラスで構成され、図中、aの領域は厚さ:1.3mm
と薄くしてあり、真空容器を保つために十分な量のフリ
ットガラスによって、フェースプレートおよびリアプレ
ートと、接着されるようにしてある。一方、図中、bの
領域はスペーサ高と同じ、厚さ:1.8mmにしてある。
【0069】この支持枠を、支持枠固定用治具52、カ
バー用治具55にて、図2の(a)のスパッタ装置挿入
用プレート50に固定する。次に、支持枠内側に中間電
極層の高さ規定用板53を配置し、押え治具54によっ
て、適度な力にて、板を支持枠内側へ押し付ける。な
お、カバー用治具55は、支持枠全てを覆うことなく、
上記支持枠上面の一部とは、支持枠内側に接するところ
で、適度な幅を持つようにする。
【0070】この状態でスパッタ装置へ挿入し、スペー
サと同じ方法で、中間電極層を形成する。この工程を上
下反転して再度行う。この時、高さ規定用板53はスペ
ーサの中間電極層構成に合わせて、適宜選択される。上
下の中間電極層の成膜が終った後で、高さ規定用板53
および板押え治具54を外し、カバー治具55を、支持
枠上面全てを覆うものに取り替える。そして、この状態
で高抵抗膜成膜用スパッタに挿入して、支持枠内側にの
み、スペーサと同じ高抵抗膜を成膜する。その結果、得
られた支持枠は、図7(断面図)に示されている。
【0071】このようにして作製した支持枠およびスペ
ーサを、フェースプレートとリアプレートの間に配置
し、フリットガラスを用いて封着する。この時、フェー
スプレートに接する側の支持枠当接面およびスペーサ当
接面は、フェースプレートの画像表示領域と同電位にな
るように、導電性のフリットガラスにより接着する。
【0072】また、リアプレートに接する側の支持枠当
接面およびスペーサ当接面は、リアプレートの電子源基
板と同電位になるように、導電性のフリットガラスによ
り接着する。具体的には、図9に示すように、フェース
プレート側の電極21はメタルバック1019と、リア
プレート側の電極21は行方向配線1013または列方
向配線(図示せず)と電気的に接続される。さらに、支
持枠のaの領域は、真空容器を頑丈に形成するために、
多量のフリットガラスにより、フェースプレートおよび
リアプレートに接着される。
【0073】この時、支持枠の行方向配線に平行な辺
を、前記スペーサと隣接する素子のなす間隔と同じ距離
の関係となるように、画像表示領域に近づけて配置し
た。この上面を図5に示す。具体的には、支持枠内壁と
隣接した素子との距離、およびスペーサと隣接する素子
の距離が、ともに250μmである。また、70は画像表示
領域、71はゲッター領域、51は支持枠であり、画像
形成装置裏側には、画像表示領域外に、真空容器内を真
空引きする配管が配置されている(図示せず)。ここ
で、図中、X軸と平行な支持枠の、図面上の上下の辺
は、画像表示領域の、図面上の上下端に位置する電子放
出素子列に隣接するように、配置した。
【0074】この結果、支持枠と画像表示領域とが十分
に離れた場合(具体的には10mm)の画像形成装置と同条
件にて駆動しても、放電しなかった。具体的には、加速
電圧6kVにて、10時間印加したところ放電しなかった。
なお、本実施例では支持枠内壁が未成膜の場合に比べ
て、画像形成領域の支持枠内壁に近い所の画像歪みが抑
制され、画質が向上した。
【0075】(実施例2)本実施例が実施例1と異なる
のは、支持枠内部にスペーサを貼り付けたことである。
実施例1と同様の支持枠部材を用意し、その内側に実施
例1と同じスペーサを、無機接着剤により、貼り付け
た。この時、接着面に隙間ができないようにした。この
支持枠を用いて、実施例1と同様に、画像形成装置を形
成した。この時、支持枠に貼り付いたスペーサとフェー
スプレートの画像表示領域およびリアプレートの電子源
基板が電気的に接続されるように、導電性のフリットガ
ラスにより接着した。
【0076】このように形成した画像形成装置において
も、実施例1と同様の耐圧および画質が認められた。
【0077】(実施例3)ここで用いたスペーサは、そ
のサイズが実施例1と同様のもので、成膜前に表面を#
4000のサンドペーパーにより粗面化したものである。表
面の平均粗さは100オングストロームであった。この時
の模式的な断面形状を図6に示す。このスペーサ基板
に、200μmの帯状に中間電極層およびCr-Al合金窒化膜
を形成した。この時の表面抵抗は2×1010Ω/□であっ
た。このスペーサを、実施例3と同様に、支持枠へ貼り
付け、画像形成装置を形成した。
【0078】この結果、実施例1、2よりも放電耐圧が
上がり、高輝度表示が可能であった。なお、画像歪みは
なく、画質も良好であった。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
放電耐圧の高い画像形成装置を提供することができる。
さらに、本発明は画像表示領域外の省スペース化をも可
能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で用いたスペーサと支持枠
部材の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に用いた支持枠部材の成膜
方法の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に用いた支持枠部材の加工
方法を説明するための上面図である。
【図4】本発明の実施の形態に用いた支持枠部材の断面
図である。
【図5】本発明の実施の形態での画像形成装置の概略上
面図である。
【図6】本発明でのスペーサの表面の断面形状を示した
図である。
【図7】本発明での支持枠の断面図である。
【図8】本発明での支持枠の断面図である。
【図9】本発明での画像形成装置の一部の断面図であ
る。
【図10】本発明での陽極側概略断面図である。
【図11】表示パネルのフェースプレートの蛍光体配列
を例示した平面図である。
【図12】別の蛍光体配列を示す平面図である。
【図13】表示パネルの一部を切り欠いて示した斜視図
である。
【図14】表示パネルのA−A'に沿う断面図である。
【図15】マルチ電子ビーム源の基板の平面図である。
【図16】マルチ電子ビーム源の基板の一部断面図であ
る。
【符号の説明】
1 スペーサ基板 3 電子源基板に面したスペーサの当接面 5 電子源基板に接するスペーサの側面 11 高抵抗膜 21 低抵抗膜 31a 蛍光体 31b 黒色導電体 40 層間絶縁層 50 スパッタ装置挿入用プレート 51 支持枠 52 支持枠固定治具 53 高さ規定用板 54 板押え治具 55 支持枠カバー治具 60 焼成用プレート 62 支持枠固定治具 64 スペーサ押し当て治具 1011 基板 1012 陰極素子 1013 行方向配線 1014 列方向配線 1015 リアプレート 1016 側壁(支持枠) 1017 フェースプレート 1018 蛍光体 1019 メタルバック 1020 スペーサ 1102、1103 素子電極 1104 導電性薄膜 1105 電子放出部 1113 薄膜 1010 黒色導電材 1041 接合材 1142 ITO膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 29/88 H01J 29/88 Fターム(参考) 5C032 AA01 BB16 CC10 CD04 CD05 DD10 DE02 DG02 5C036 EE09 EF01 EF06 EF09 EG01 EH08 EH21 5C094 AA04 AA15 AA31 AA43 AA47 AA48 AA53 AA55 BA12 BA32 BA34 CA19 CA24 DA07 DA12 DA13 DB01 DB04 DB05 EA04 EA05 EB02 EC02 EC03 FA01 FA02 FB12 FB14 FB15 GB10 JA01 JA05 JA20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子源の配置された電子源基板を有する
    リアプレートと、前記電子源から放出された電子を受け
    て画像を形成する画像形成領域を有するフェースプレー
    トと、前記リアプレートと前記フェースプレートとを所
    要間隔に保持して周囲を囲堯するための支持枠と、前記
    リアプレートと前記フェースプレートとの間に配置され
    た耐大気圧構造のためのスペーサとを有し、前記リアプ
    レート、フェースプレート、支持枠およびスペーサに
    て、真空を維持する外囲器を形成している画像形成装置
    において、 前記支持枠は、前記フェースプレートと接触する当接面
    にアノード電位と同電位にするための電極を、および前
    記リアプレート側と当接する面に前記リアプレートとの
    設置部位と同電位にするための電極を、それぞれ設ける
    と共に、前記当接面に接する内壁側面に高抵抗膜を施し
    ていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 電子源の配置された電子源基板を有する
    リアプレートと、前記電子源から放出された電子を受け
    て画像を形成する画像形成領域を有するフェースプレー
    トと、前記リアプレートと前記フェースプレートとを所
    要間隔に保持して周囲を囲堯するための支持枠と、前記
    リアプレートと前記フェースプレートとの間に配置され
    た耐大気圧構造のためのスペーサとを有し、前記リアプ
    レート、フェースプレート、支持枠およびスペーサに
    て、真空を維持する外囲器を形成している画像形成装置
    において、 前記スペーサは、前記フェースプレートと接触する当接
    面にアノード電位と同電位にするための電極を、および
    前記リアプレートと接触する当接面に前記リアプレート
    との設置部位と同電位にするための電極を、それぞれ設
    けると共に、前記当接面に接する側面に高抵抗膜を施し
    ており、前記スペーサの側面が前記支持枠の内壁に接す
    る個所では、導電性接着剤を介して、前記スペーサが前
    記枠の内壁に接着されていることを特徴とする画像形成
    装置。
  3. 【請求項3】 前記支持枠と画像形成領域との距離Wが
    2αH(Hは前記リアプレート−フェースプレート間の
    距離、αはフェースプレート上の被照射部材の構成に依
    存するパラメータであり、α=0.6〜1.0)よりも小さ
    い場合には、前記支持枠の内壁の、W≦2αHとなる全
    ての面に電極および高抵抗膜が施してあることを特徴と
    する請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記支持枠と画像形成領域との距離Wが
    2αH(Hは前記リアプレート−フェースプレート間の
    距離、αはフェースプレート上の被照射部材の構成に依
    存するパラメータであり、α=0.6〜1.0)よりも小さ
    い場合には、前記支持枠内壁のW≦2αHとなる全ての
    面に、前記スペーサの側面が接着されていることを特徴
    とする請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記支持枠の断面が、前記フェースプレ
    ートおよびリアプレートに対向する面について、外囲器
    の内側の領域で厚くかつ外側の領域で薄くなるような、
    段差のある2段形状であることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記支持枠の内壁および前記スペーサ
    は、前記電子源基板および前記フェースプレートの画像
    形成領域と電気的に接続されていることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記スペーサは、矩形平板状であること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成
    装置。
  8. 【請求項8】 前記スペーサの表面および/または前記
    支持枠の内壁が、平滑であることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記スペーサの表面および/または前記
    支持枠の内壁が、凹凸形状であることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記高抵抗膜は、その表面抵抗が107
    〜1014Ω/□であることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2006066279A (ja) * 2004-08-27 2006-03-09 Hitachi Displays Ltd 自発光平面表示装置

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