JP4034677B2 - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、寒天、ペクチン、カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー、水、油剤、乳化剤及び粉体を含有する非固形状の水中油型乳化化粧料に関するものであり、更に詳しくは、塗布時の伸び広がりが良好で、化粧膜の均一性に優れ、肌への密着性が良好で、しかも保湿感に優れる非固形状の水中油型乳化化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水中油型乳化化粧料は、みずみずしく、滑らかな使用感に優れる化粧料剤型として汎用されている。そして、その形態としては、乳液状、液状、クリーム状等が一般的であった。近年、これら形態に加えて、寒天を用いて固形状水中油型乳化化粧料を提供する技術が開発されている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
一方、水中油型乳化化粧料は、みずみずしく、滑らかな使用感に優れる反面、油中水型乳化化粧料に比べて、肌への密着性が悪く、化粧膜の均一性を高められ難い剤型でもあった。このため、水中油型乳化化粧料において、化粧膜の肌への密着性を高める技術が多数検討されている。具体的には、粉体表面に油剤を処理して用いる技術(例えば、特許文献2参照)、撥水性の皮膜形成性高分子を用いる技術(例えば、特許文献3参照)等が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】
特許第3242137号公報(第1頁−第6頁)
【特許文献2】
特開2001−64117号公報(第1頁−第10頁)
【特許文献3】
特開平10−175817号公報(第1頁−第10頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、寒天を用いた固形状水中油型乳化化粧料は、携帯性が良好で、みずみずしい使用感に優れるものであるが、塗布時の伸び広がりが悪くなる場合があった。また、粉体表面に油剤を処理して用いる水中油型乳化化粧料は、粉体を均一に分散することが難しく、結果として、肌上で形成される化粧膜の均一性が良好ではなかった。そして、撥水性の皮膜形成性高分子を用いる水中油型乳化化粧料は、肌上に撥水性の皮膜が形性されるため、肌が乾いた感じが強く、保湿感が良好とは言えなかった。
【0006】
このため、塗布時の伸び広がりが良好で、化粧膜の均一性に優れ、肌への密着性が良好で、しかも保湿感に優れる非固形状の水中油型乳化化粧料の開発が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、非固形状の水中油型乳化化粧料に、水溶性高分子として寒天とペクチンを併用することにより、均一性に優れ、且つ肌への密着性が良好となる化粧膜が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、次の成分(a)〜(g);
(a)寒天
(b)ペクチン
(c)カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー
(d)水
(e)油剤
(f)乳化剤
(g)粉体
を含有することを特徴とする非固形状の水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【0009】
また、前記成分(a)〜(c)を次の範囲;
(a)0.01〜5質量%
(b)0.01〜5質量%
(c)0.01〜1質量%
で含有することを特徴とする前記水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の水中油型乳化化粧料の形態は、乳液状、クリーム状、液状等の非固形状の水中油型乳化化粧料である。
【0011】
本発明に用いられる成分(a)の寒天は、通常は水をゲル化するために用いられるものであるが、本発明では化粧膜の肌への密着性を高めるために用いられる成分であり、通常公知の寒天を用いることができる。成分(a)に用いられる寒天は、ゼリー強度を調整するために、酸処理等を施して分子を切断させた、いわゆる低強度寒天(例えば、特開平5−317008号公報に開示)等が挙げられる。
【0012】
また、成分(a)の寒天は、1.5質量%濃度のゼリー強度が250g/cm2以下の低強度寒天が好ましく、更には80〜200g/cm2が好ましい。成分(a)として、この範囲のゼリー強度の寒天を用いると、硬い固形状になり難いので、化粧膜の均一性が特に良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。このような成分(a)の寒天は、市販品としてAX−100CS(伊那食品工業社製)等を用いることができる。
【0013】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(a)の含有量は、0.01〜5質量%(以下に、単に「%」と略す)が好ましく、更には0.1〜1%がより好ましい。成分(a)をこの範囲で含有すると、化粧膜の均一性が特に良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0014】
本発明に用いられる成分(b)のペクチンは、本発明において化粧膜の均一性と保湿感を高める成分であり、柑橘類やリンゴ等から抽出して得られる水溶性の高分子多糖類である。成分(b)のペクチンは、その構造として、部分的にメチルエステル化したポリガラクツロン酸を主体としたものであり、更には、メチルエステルの加水分解を制御することにより種々のメチルエステル化率のペクチンや、アンモニアを用いて脱メチルエステル化し、メチルエステル化を制御することにより得られるアミド化ペクチン等を用いることができる。
【0015】
また、成分(b)に用いられるのペクチンは、メチルエステル化率が5〜50%のペクチンが好ましい。(尚、ここでメチルエステル化率とはペクチンの全カルボキシル基に対するメチルエステル化率である。)
【0016】
このような成分(b)は、市販品として、ゲニュペクチン104AS(三昌社製)等を用いることができる。
【0017】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(b)の含有量は、0.01〜5%が好ましく、更には0.1〜1%がより好ましい。成分(b)をこの範囲で含有すると、肌への密着性と保湿感が特に良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0018】
本発明に用いられる成分(c)のカルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、水をゲル化し、粘性を付与することにより、化粧料の形態を調整し、粉体の沈降を防止するために用いられる水溶性高分子である。成分(c)のアルキル変性カルボキシビニルポリマーとは、アクリル酸とメタクリル酸アルキルの共重合物である。
【0019】
このような成分(c)は、市販品として、カーボポール940、カーボポール1342、ペミュレンTR−1、ペミュレンTR−2(何れも、BFグッドリッチケミカル社製)、ハイビスワコー10、ハイビスワコー104(何れも、和光純薬社製)等を用いることができる。
【0020】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(c)の含有量は、0.01〜1%が好ましく、更には0.1〜0.5%がより好ましい。成分(c)をこの範囲で含有すると、粉体の沈降防止効果、塗布時の伸び広がりが特に良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0021】
本発明に用いられる成分(d)の水は、水中油型乳化化粧料の外相を形成する成分である。
【0022】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(d)の含有量は、40〜95%が好ましく、更には50〜85%が好ましい。成分(d)をこの範囲で含有すると、みずみずしさ、塗布時の伸び広がりが特に良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0023】
本発明に用いられる成分(e)の油剤は、通常化粧料に用いられる油剤であれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、ゲイロウ等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上用いることができる。
【0024】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(e)の含有量は、1〜40%が好ましく、更には2〜20%が好ましい。成分(e)をこの範囲で含有すると、成分(b)との相乗効果により、肌への密着性が特に良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0025】
本発明に用いられる成分(f)の乳化剤は、通常水中油型乳化化粧料に用いられる乳化剤であれば特に限定されないが、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0026】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(f)の含有量は、安定に油剤を水中に乳化できる量であり、0.1〜15%が好ましく、更には0.1〜5%が好ましい。成分(f)をこの範囲で含有すると、乳化性及び経時安定性が特に良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0027】
本発明に用いられる成分(g)の粉体は、着色剤、感触調整剤、紫外線吸収剤等の目的で含有されるものであり、一般的に化粧料に用いられる粉体であれば特に限定されず、球状、板状、針状等の形状や、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、シリカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、酸化亜鉛、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、群青、コンジョウ、タール色素、天然色素、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、ナイロンパウダー、異種オルガノポリシロキサンからなる複合粉体(特願平11−157527号公報に記載の粉体)等が挙げられ、これらの一種又は二種以上用いることができる。また、これら粉体は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン化合物による処理、パーフルオロポリエーテルリン酸やパーフルオロアルキルリン酸、弗素変性シリコーン等の弗素化合物による処理、ラウリン酸亜鉛等の金属石鹸処理、N−長鎖アシルアミノ酸等のアミノ酸処理、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス等の油処理等、通常公知の方法で表面処理されているものを用いても良い。
【0028】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(g)の含有量は、0.5〜40%が好ましく、更には1〜20%が好ましい。成分(g)をこの範囲で含有すると、塗布時の伸び広がりが特に良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0029】
本発明の水中油型乳化化粧料には、上記の成分に加え、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(a)〜(c)以外の水溶性高分子、pH調整剤、水性成分、紫外線吸収剤、アクリル変性シリコーン、トリメチルシロキシケイ酸等の油溶性被膜形成剤、エタノール等の溶剤、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、ビタミン類、美容成分、保湿剤、香料、殺菌剤、酸化防止剤等の一種又は二種以上を含有することができる。
【0030】
本発明に用いられる成分(a)〜(c)以外の水溶性高分子は、安定性向上、感触改良等を目的として含有されるものである。具体的には、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体類、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、クインスシードガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム等の天然高分子類、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル,ポリビニルピロリドン等の合成高分子類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上用いることができる。
【0031】
本発明の水中油型乳化化粧料の調製方法は、特に限定されないが、例えば、以下に示す方法を用いると成分(a)〜(b)の含有量が多くなった場合でも、固形状にならないため好ましい。
A:成分(d)の一部に成分(a)及び(b)を溶解する。
B:成分(c)を成分(d)の残部に加熱溶解する。
C:Bに成分(e)及び成分(f)を添加し、乳化する。
D:Aに成分(g)を添加し、三本ローラー等により均一分散する。
E:Cに、Dを添加し、均一混合する。
F:Eを容器に充填する。
【0032】
本発明の水中油型乳化化粧料は、各種化粧料、例えば、ファンデーション、下地クリーム、アイシャドウ、頬紅、口紅、アイライナー等のメーキャップ化粧料、日焼け止め、乳液、美容液等のスキンケア化粧料として用いることができる。これらの中でも、特にメーキャプ化粧料として使用した場合、本発明の効果が顕著に発揮されるので好ましい。
【0033】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0034】
実施例1〜8及び比較例1〜3:クリーム状ファンデーション
表1及び表2に示す組成のクリーム状ファンデーションを下記製造方法により調製し、「塗布時の伸び広がり」、「化粧膜の均一性」、「肌への密着性」、「保湿感」の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1及び表2に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
(製法)
A:成分(1)〜(6)を70℃で加熱溶解する。
B:成分(7)〜(12)を70℃で加熱溶解する。
C:AにBを添加し、乳化する。
D:Cを室温まで冷却する。
E:成分(13)〜(16)を70℃で加熱溶解する。
F:Eに成分(17)〜(23)を添加し、三本ローラーにて均一分散する。
G:DにF及び成分(24)を添加し、均一分散する。
H:Gを容器に充填し、クリーム状ファンデーションを得た。
【0038】
(評価方法)
実施例1〜8及び比較例1〜3のクリーム状ファンデーションを化粧品評価専門パネル20名に2週間使用してもらい、「塗布時の伸び広がり」、「化粧膜の均一性」、「肌への密着性」、「保湿感」の各項目について、各パネルがファンデーション毎に、以下に示す1〜5点の5段階の評価基準により評点を付した。そして、ファンデーション毎に全パネルの評点の平均点を算出し、以下の4段階の判定基準により判定した。結果を併せて表1及び表2に示した。
<評価基準>
内 容 評 点(点)
非常に良好 : 5
良好 : 4
普通 : 3
やや不良 : 2
不良 : 1
【0039】
【0040】
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜8のクリーム状ファンデーションは、「塗布時の伸び広がり」、「化粧膜の均一性」、「肌への密着性」、「保湿感」の全ての項目に優れた水中油型乳化化粧料であった。一方、成分(a)を含有しない比較例1は、化粧膜の均一性と保湿感に劣っていた。また、成分(b)を含有しない比較例2は、肌への密着感と保湿感に劣っていた。そして、成分(c)を含有しない比較例3は、粘度が低く、使用性に問題があり、化粧膜の均一性、肌への密着性の何れも劣っていた。
【0041】
【0042】
(製法)
A:成分(1)〜(6)を70℃で加熱溶解する。
B:成分(7)〜(11)を70℃で加熱溶解する。
C:AにBを添加し、乳化する。
D:Cを室温まで冷却する。
E:成分(12)〜(14)を70℃で加熱溶解する。
F:Eに成分(15)〜(21)を添加し、三本ローラーにて均一分散する。
G:DにF及び成分(22)を添加し、均一分散する。
H:Gを容器に充填し、クリーム状アイシャドウを得た。
実施例9のクリーム状アイシャドウは、「塗布時の伸び広がり」、「化粧膜の均一性」、「肌への密着性」、「保湿感」の全ての項目に優れた水中油型乳化化粧料であった。
【0043】
【0044】
(製法)
A:成分(1)〜(6)を70℃で加熱溶解する。
B:成分(7)〜(11)を70℃で加熱溶解する。
C:AにBを添加し、乳化する。
D:Cを室温まで冷却する。
E:成分(12)〜(14)を70℃で加熱溶解する。
F:Eに成分(15)〜(21)を添加し、三本ローラーにて均一分散する。
G:DにF及び成分(22)を添加し、均一分散する。
H:Gを容器に充填し、乳液状頬紅を得た。
実施例10の乳液状頬紅は、「塗布時の伸び広がり」、「化粧膜の均一性」、「肌への密着性」、「保湿感」の全ての項目に優れた水中油型乳化化粧料であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の水中油型乳化化粧料は、塗布時の伸び広がりが良好で、化粧膜の均一性に優れ、肌への密着性が良好で、しかも保湿感に優れる非固形状の水中油型乳化化粧料であった。
Claims (2)
- 次の成分(a)〜(g);
(a)1.5質量%濃度のゼリー強度が250g/cm 2 以下の低強度寒天
(b)メチルエステル化率が5〜50%のペクチン
(c)カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー
(d)水
(e)油剤
(f)乳化剤
(g)粉体
を含有することを特徴とする非固形状の水中油型乳化化粧料。 - 前記成分(a)〜(c)を次の範囲;
(a)0.01〜5質量%
(b)0.01〜5質量%
(c)0.01〜1質量%
で含有することを特徴とする請求項1記載の水中油型乳化化粧料。
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