JP4033907B2 - パーフルオロメチルパーフルオロビニルエーテルおよびパーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテルの同時製造 - Google Patents
パーフルオロメチルパーフルオロビニルエーテルおよびパーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテルの同時製造 Download PDFInfo
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Description
本発明は、ヘキサフルオロプロピレンエポキシド(HFPO)と、フッ化カルボニル(CF)およびパーフルオロアセチルフルオリド(PAF)の混合物、特にHEPOなどの過フッ素化エポキシド製造の副産物であるCFおよびPAFの混合物との反応によるパーフルオロメチルパーフルオロビニルエーテル(PMVE)およびパーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル(PEVE)の同時製造の方法に関する。
発明の背景
式RFOCF=CF2(RFは含フッ素有機基)のフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテルは、フッ素樹脂およびフルオロエラストマーの調製用のコモノマーとして広範囲に使用されている。フルオロアルキルパーフルオロビニルエーテルは、エチレン、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、プロペンおよびヘキサフルオロプロペン(HFP)のようなアルケン類と共重合することが知られている。特に興味のあり重要な用途は、TFEとパーフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテル類との共重合によって生成するコポリマー類である。これらのコポリマーは一般にPFA(パーフルオロアルコキシ)コポリマーと呼ばれ、高品質の電気絶縁体および成形部品を製造するのに有用である。
広く使用されているフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテル類の1つは、パーフルオロプロピルパーフルオロビニルエーテル(PPVE)である。典型的には、PPVEは、ヘキサフルオロプロピレンエポキシド(HFPO)の二量体化と、それに続く脱ハロカルボニル化反応によって商用生産されている。PPVEの製造用および他の用途向けのHFPOは、日本国特許出願JP09052886A2および米国特許第3,721,696号に記載されているように、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)と酸素との反応によって商用生産されることがある。しかしながら、このHFPO生産方法は欠点がないわけではない。使用条件にもかかわらず、CF、PAFおよびパーフルオロオキシアルキレンカルボン酸フルオリドを含めて副産物が生成されるため、HFPOのモル収率は典型的には50〜60%以下だからである。CFおよびPAFを含むこれらの副産物は、たいていの場合、不用と考えられてきており、かつ、そのまま処分された。従って、そのHFPはこの方法では効率的に利用されておらず、かなりの量の廃棄物の発生は、安全で環境的に受け入れられる処分にコストがかかるため望ましくない。
フッ化カルボニル(CF)およびヘキサフルオロプロピレンエポキシド(HFPO)からパーフルオロメチルパーフルオロビニルエーテル(PMVE)を、かつパーフルオロアセチルフルオリド(PAF)およびヘキサフルオロプロピレンエポキシド(HFPO)からパーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル(PEVE)を独立生成することは、米国特許第3,114,778号、同第3,250,808号および同第4,769,184号などの引例に開示されている。
発明の概要
本発明は、フッ化カルボニル(CF)およびパーフルオロアセチルフルオリド(PAF)の混合物から、パーフルオロメチルパーフルオロビニルエーテル(PMVE)やパーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル(PEVE)などのパーフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテル類を製造する方法を提供する。この方法は、
(a)2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)プロピオン酸フルオリド(PMPF)および2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)プロピオン酸フルオリド(PEPF)を含む混合物を生成する条件の下で、フッ化カルボニル(CF)およびパーフルオロアセチルフルオリド(PAF)を含む初期混合物をヘキサフルオロプロピレンエポキシド(HFPO)と接触させる工程と、
(b)2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)プロピオン酸フルオリド(PMPF)および2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)プロピオン酸フルオリド(PEPF)を含む、工程(a)で生成した中間混合物を脱ハロカルボニル化して、パーフルオロメチルパーフルオロビニルエーテル(PMVE)およびパーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル(PEVE)を含む生成混合物を生成させる工程とを含む。
本発明の好ましい形態では、初期混合物は、過フッ素化アルケンと酸素の反応から生成され、最も好ましくはCFおよびPAFはHFPOなどの過フッ素化エポキシド製造の副生物である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明を実施するために使用できる装置の1つの好ましい構成の概略図である。
詳細な説明
本発明で使用する初期混合物において、CFおよびPAFの百分比と相対比は、入手可能な原料および/または望ましいPMVE/PEVEの生成混合物に応じて広範囲に変更することができる。驚くべきことに、本発明は、PMVEおよびPEVEが、CF/PAFモル比が0.01から100.の範囲である初期混合物から同時に高収量で生成する生産性の高い方法を提供する。初期混合物中のCF/PAFのモル比は約0.1から約10であることが好ましく、モル比は約0.3から約3であることが最も好ましい。
本発明による方法の工程(a)のCFおよびPAFを含む初期混合物は、過フッ素化アルケンの液相または気相酸化で生成することが好ましい。好ましい過フッ素化アルケン類は式R1R2C=CR3R4を有する。ここでR1、R2、R3およびR4は同一のものまたは異なるもので、かつ、Fおよび式CXF2X+1(Xは1から6)のパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる。この方法は、HFPおよび/またはTFEと酸素との液相または気相反応から得られる初期混合物と共に使用するのが有利である。
本発明の好ましい一形態において、初期混合物は、過フッ素化アルケン類と酸素の液相反応でエポキシド類を形成する際の、最も好ましくはHFPと酸素とでHFPOを形成する際の副生物として得られる。HFPと酸素の液相反応では、HFPOを生成する他にさらに、かなりの量のCFおよびPAFが生じ、また式CF3O(CF2O)mCOFおよびCF3O(CF2O)mCF2COF(mは0から100)のパーフルオロオキシアルキレンカルボン酸フルオリド化合物もやや低い割合で生じる。CF,PAFおよびパーフルオロオキシアルキレンカルボン酸フルオリド化合物の混合物(少量のHFPOおよび未反応のHFPと酸素も含む)は、HFPOを含むプロセス流から低沸点留分として容易に分離される。CFおよびPAFを含むこの低沸点留分は一般に廃棄物と考えられてきたが、この低沸点留分を本発明の方法の初期混合物として直接使用するのが有利であることが発見された。この副生物流から初期混合物を生成するときに初期混合物から過剰の酸素を分離することが好ましい。例えば、この低沸点留分を初期混合物として使用する際、以下に示す量、即ち、CFが5〜95モル%、PAFが5から95モル%、mが0または1のパーフルオロオキシアルキレンカルボン酸フルオリドが10モル%以下、酸素が5モル%以下の量で存在するとき、この方法によって良好な結果を得ることができる。さらに、HFPが初期混合物中に存在する可能性があるが、工程(a)の条件下ではこれは非反応性なので、工程(a)のプロセスにおよぼす影響はわずかである。しかし、初期混合物中のHFP含量は約5モル%未満であることが好ましい。というのは、HFPを中間混合物流および生成混合物流から分離するのは、初期混合物から分離するよりも困難であり、しかもHFPは工程(b)のプロセスを汚損する可能性があるからである。HFPOは初期混合物中に存在してもよいが、典型的には初期混合物の約5モル%未満である。というのは、HFPを除去するのに使用される条件下で、HFPOが除去されるからである。望むならば、他の化合物の一部または全部をCFおよびPAFの混合物から標準的な分離技術で分離して、CFとPAFをより高い割合で含む初期混合物を得ることもできる。
本発明のもう1つの好ましい形態においては、初期混合物はHFPと酸素の気相酸化で形成される。このプロセスでは、HFPOと先に論じたHFPの液相酸化で生成されるのと同じカルボン酸フルオリド化合物類を含めて多くの生成物が生成されるのが普通であるが、PAFは多量のCFと共に主生成物である。CFおよびPAFを含むこの反応の生成物流を、初期混合物として直接使用することができる。この混合物から過剰の酸素を取り除くことが好ましい。例えば、この生成物流が、CFを5〜95モル%、PAFを5〜95モル%、mが0または1のパーフルオロオキシアルキレンカルボン酸フルオリドを10モル%以下、酸素を5モル%以下含む場合に、良好な結果を得ることができる。さらに、初期混合物がHFPの液相中での酸化によって生成する場合についてすでに論じたように、HFPおよびHFPOが存在していてもよい。望むならば、他の化合物の一部または全部をCFおよびPAF混合物から標準的な分離技術で分離して、CFおよびPAFをより高い割合で含む初期混合物を得ることもできる。
PMPFおよびPEPFを含む中間混合物を生成させるための工程(a)の初期混合物とHFPOとの接触は様々な条件の下で行われることができる。本発明による好ましい方法では、この反応は一般に次式によって表される。即ち、
PMPFおよびPEPFの収量がより高くなり、かつ、PMPF/HFPOおよびPEPF/HFPO付加物の量がより少なくなる条件を使用することが好ましい。[CF+PAF]/HFPOのモル比、反応温度、および好ましい方法においては、触媒の量と同様、溶媒の量および種類が、中間混合物を生成する初期混合物とHFPOとの反応のコース、スピードおよび方向に影響を与える。一般的に、[CF+PAF]/HFPOのモル比が、他の要因よりも直接的に生産混合物に影響する。好ましくは、この比は少なくとも約1、最も好ましくは少なくとも約1.5である。例えば、他の要因を好ましい値に保って、1以上の[CF+PAF]/HFPOのモル比を使用すると、PMPFおよびPEPFが豊富な中間混合物、すなわち中間混合物におけるPMPFおよびPEPFと、PMPF/HFPOおよびPEPF/HFPO付加物とのモル比が1.5より大きく、HFPOオリゴマーの生成が最小である中間混合物が得られる。一方、[CF+PAF]/HFPOのモル比0.5を使用すると、主としてPMPF/HFPOおよびPEPF/HFPO付加物から成り、HFPOオリゴマー(主にq=0〜3)を含む中間混合物が得られる。[CF+PAF]/HFPOのモル比の上限は10より大きくてもよいが、特別の利点はない。本発明の[CF+PAF]/HFPOのモル比としては、約2から約10が最も好ましい。
本発明の好ましい一形態において、方法の工程(a)で初期混合物がHEPOと接触するとき、極性の非プロトン性溶媒が存在する。極性で非プロトン性であるのに加えて、その溶媒は非反応性であり(すなわち、水酸基を含まない)、かつ、好ましくは反応物、すなわち、初期混合物中のCFおよびPAF、HFPOならびに触媒(好ましい方法で使用される)だけを溶解すべきものである。また、中間混合物のPMPFおよびPEPFが溶解しないか、またはほんの少しだけ溶解する溶媒で、PMPFおよびPEPFがHFPOとさらに反応するのを最小限に抑え、従ってPMPF/HFPOおよびPEPF/HFPO付加物の生成を避ける働きをする溶媒を使用することが好ましい。さらに、PMPFおよびPEPFの生成を促進するように溶媒の量を調製することができる。
好ましい溶媒は、アセトニトリル、プロピオニトリルおよびベンゾニトリルのような炭化水素ニトリル類と、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライムおよびテトラエチレングリコールジメチルエーテルのような式CrH2r+1(OCH2CH2)5OCrH2r+1(r=1〜3、s=1〜6)のエチレングリコールジアルキルエーテル類と、ニトロメタンおよびニトロベンゼンのようなニトロ置換基を含む溶媒とから成る群から選ばれる。工程(a)の方法で特に好ましい溶媒は、アセトニトリルおよびベンゾニトリルのようなニトリル類とそれらの混合物である。本発明の工程(a)で、初期混合物をHFPOと接触させるのに使用される溶媒の量は、溶媒とCF+PAF+HFPOの合計重量との重量比が100:1から1:100までの範囲であることが好ましい。好ましい実施形態において、溶媒はアセトニトリルであり、かつ、アセトニトリルとCF+PAF+HFPOの合計重量との重量比は3:7である。
本発明による好ましい方法では、方法の工程(a)で触媒を使用する。20℃で少なくとも0.001重量%の程度まで溶媒に溶け、かつ、反応温度でイオン化するフッ化物ならほぼどれでも、本発明の工程(a)で触媒として使用できる。John A. Dean編Lang's Handbook of Chemistry、第14版、McGraw Hill, Inc.、1992の表紙の裏側に示されているような元素の標準周期表の第I族A(例えば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム)、第II族A(例えば、フッ化ベリリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム)、第IV族B(例えば、フッ化スズ)、第I族B(例えば、フッ化銅、フッ化銀)および第II族B(例えば、フッ化水銀)の元素の群から選ばれたセットからのアルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属のフッ化物が触媒として受け入れられる。このセットから特に適当なのは、フッ化カリウムおよびフッ化セシウムである。好ましい触媒のクラスは、式N(R5R6R7R8)Xによって表される群から選ばれたテトラアルキルアンモニウムのハロゲン化物である。ここでR5、R6、R7およびR8は同じかまたは異なるものであり、線状または枝分れしたC1〜C4のアルキル基であり、かつ、Xはフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物のようなハロゲン化物である。テトラアルキルアンモニウムハロゲン化物触媒のうちで好ましいのはN(CH2CH3)4Xである。ここでXはフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物である。本発明の方法の工程(a)で使用されるテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物触媒の量は、一般に、1モルのHFPOにつき0.0001〜0.01モルの範囲であり、好ましくは1モルのHFPOにつき0.0005〜0.005モルである。好ましい実施形態において、触媒はN(CH3CH2)4Brであり、かつ、その量は1モルのHFPOにつき0.005〜0.002モルの範囲である。本発明の工程(a)で有用な他の触媒は、Martiniの米国特許第4,118,421号および米国特許第4,035,388号、Resnickの米国特許第4,081,466号、Flynnの米国特許第4,749,526号、Okabe他の日本国特許出願公開90−4,733、Fukasawaの日本国特許出願公開92−139,145および92−159,246、ならびにTakeo他の日本国特許出願公開84−261,774に記載されている。
工程(a)で初期混合物をHFPOと接触させる温度は、得られる生成混合物に対する制御効果を有する。例えば、−20℃から30℃の低温ではPMPFおよびPEPFの生成が容易になり、一方、50℃以上のより高い温度でPMPF/HFPOおよびPEPF/HFPO付加物とHFPOオリゴマーの生成が有利になる。反応温度としては−20℃から80℃の範囲が可能であるが、20℃から40℃の範囲の反応温度が好ましい。
一般的に、方法の工程(a)では、大気圧未満から大気圧以上にわたる広範囲の反応圧力が使用できる。普通の圧力が使用でき、かつ、そのような圧力は典型的には好ましい温度範囲にわたり約70kPaから約2400kPaの範囲である。圧力が高い方が、液体溶媒相に溶ける気体状反応物の量が増えて中間混合物の生成速度が増大するので、より高い圧力が好ましい。気体状反応物の供給速度を調節することによって、または反応器の上部空間をガス抜きすることによって、反応圧力を制御することができる。
本発明による方法の工程(b)では、PMPFおよびPEPFの中間混合物を脱ハロカルボニル化して、PMVEおよびPMVEから成る生成混合物を生成する。この反応は一般に次式で表される。
本発明による好ましい一方法では、工程(b)における前記脱ハロカルボニル化の前に中間混合物を、工程(a)で生成するPMPFおよびPEPFを含む混合物の他の成分から分離する。すでに論じたように、この方法の工程(a)では、典型的に、PMPFおよびPEPFの他に、HFPOオリゴマーとPMPF/HFPOおよびPEPF/HFPO付加物が生成される。それに加えて、溶媒および/または触媒を使用することが好ましい。未反応のCF、PAFおよびHFPOも存在する可能性がある。溶媒、触媒および/または未反応の出発物質を除去し、かつ。工程(a)で再利用するために、標準的な分離技術を有利に使用することができる。HFPOオリゴマーとPMPF/HFPOおよびPEPF/HFPO付加物がかなりの量存在する場合は、それらも除去すべきであり、典型的にそれらは廃棄物として処理される。
本発明の工程(b)の好ましい実施形態では、中間混合物の脱ハロカルボニル化は、その中間混合物を脱ハロカルボニル化剤と、好ましくは反応条件で熱的に安定なアルカリまたはアルカリ土類金属の酸素含有固形塩と接触させて行われる。アルカリまたはアルカリ土類金属は、元素の標準周期表の第I族Aおよび第II族Aの元素から成る。アルカリ金属の炭酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ケイ酸塩およびそれらの混合物のような、アルカリ金属リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムの含酸素塩が特に有用である。最も好ましい脱ハロカルボニル化剤はアルカリ金属の炭酸塩およびリン酸塩である。なかでも、炭酸ナトリウム(Na2CO3)が特に好ましい炭酸塩であり、リン酸三ナトリウム(Na3PO4)が特に好ましいリン酸塩である。これらの好ましい試薬の混合物も中間混合物の脱ハロカルボニル化において有用である。
湿気はハイドロフルオロアルキルエーテルのような生成物を生じる競合する副反応を促進するので、本発明の工程(b)で脱ハロカルボニル化剤として採用される含酸素アルカリ金属塩は使用前に完全に乾燥することが好ましい。脱ハロカルボニル化剤はまた、重炭酸塩(HCO3 -)、二塩基リン酸塩(HPO4 2-)および一塩基リン酸塩(H2PO4 1-)のような酸性水素含有種を含まないことが好ましい。
脱ハロカルボニル化剤を中間混合物と接触させるのに、どんな都合のよい技術を使ってもよいが、工程(b)の好ましい態様は、気体状中間混合物を、75℃から400℃の間の温度に加熱された固形脱ハロカルボニル化剤の吸着床に通すことである。この温度範囲は好ましくは約150℃から約350℃である。そうすると、生成混合物中に高い収量でPMVEおよびPEVEが得られ、望ましくない副生物の量が少なくなる。脱ハロカルボニル化剤としてアルカリ金属の炭酸および/またはリン酸塩を使用する時は、このプロセスを約200℃から約300℃の範囲の温度で実施することが最も好ましい。
工程(b)の好ましい実施形態で、脱ハロカルボニル化剤と中間混合物との接触時間は主に、脱ハロカルボニル化剤および使用する温度と、かつ中間混合物から生成混合物への所望の転化率とによって確定される。一般的に、中間混合物を脱ハロカルボニル化剤と0.01〜10分間、好ましくは1〜60秒間接触させる。気体状中間混合物および窒素や炭酸ガスなどのキャリアガスまたは希釈ガスを導入するために、適当なガス流量計測装置を用いて吸着床型反応器を使用すると、接触時間を完全に効果的に制御することができる。吸着床中の脱ハロカルボニル化剤の粒径を変化させると、接触時間を調節する更なる手段が得られる。脱ハロカルボニル化剤は反応で消費され、中間混合物との密接な接触を確実にするために微粉砕することが好ましい。脱ハロカルボニル化剤として炭酸ナトリウム(Na2CO3)および/またはリン酸三ナトリウム(Na3PO4)を使用する場合、有用な粒径は50ミクロンから1cm、好ましくは10ミクロンから5mmの範囲である。
脱ハロカルボニル化剤は、中間混合物中のPMPFおよびPEPFの1モル当たり1モルの脱ハロカルボニル化剤を必要とする脱ハロカルボニル化反応の化学量論によって工程(b)のプロセスで消費されるので、利用できる脱ハロカルボニル化剤の量は少なくとも中間混合物の化学量論量であることが好ましい。最も好ましいのは、脱ハロカルボニル化剤を過剰に使用して、中間混合物から生成混合物への転化率を最大にすることである。脱ハロカルボニル化剤は中間混合物との化学量論よりも少ない量であってもよいが、多量の未転換の中間混合物が処理されなければならないので、この操作方法は通常は利用されない。
気−固相脱ハロカルボニル化を行う反応器は、反応物および使用する条件に不活性な材料で作成することが好ましい。さらに、装置は、副生物の生成が最小になるように反応温度を規定された限界内に維持するため、適当な温度制御手段を備えるべきである。特に、脱ハロカルボニル化剤と中間混合物との接触を促進し方法温度を制御するのに適当なのは、L. DoraswamyおよびB. Kulkarni著、Chemical Reaction and Reaction Engineering、J. CarberryおよびA. Varma編、Marcel Dekker, Inc., NY, 1987年で論じられているような標準的な流動床または撹拌床技術を使用することである。微粉砕した脱ハロカルボニル化剤の流動化は、気化した中間混合物単独で、あるいは窒素または炭酸ガスなどの不活性キャリアガスとの組合せで達成できる。吸着床の撹拌は既知の方法を使って行うことができる。
本発明の工程(b)で中間混合物のPMPFおよびPEPFと脱ハロカルボニル化剤とを接触させる第二の実施形態は、極性の非プロトン性溶媒を使用するものである。この方法の顕著な特徴は、反応温度が、気体状の中間混合物を固相脱ハロカルボニル化剤と接触させる前述の方法で使用した温度から大幅低下してもよいことである。例えば、この反応を溶媒相で実施する場合、中間混合物および脱ハロカルボニル化剤から、75℃という低い反応温度で生成混合物を得ることができる。溶媒中で実施される脱ハロカルボニル化には100℃から200℃の温度範囲を使用することが好ましい。有用な溶媒は、式CrH2r+1(OCH2CH2)sOCrH2r+1、(r=1〜3、s=1〜6)のエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、炭化水素ニトリル類、N、N−ジメチルホルムアミドおよび他のN、N−ジアルキルアミド類、およびアルキルアリルケトン類などの極性非プロトン性溶媒である。この工程(b)の実施形態で溶媒として特に好ましいのは、エチレングリコールジメチルエーテル(CH3OCH2CH2OCH3)およびエチレングリコールジエチルエーテル(CH3CH2OCH2CH2OCH2CH3)である。極性非プロトン溶媒はさらに、25℃で、少なくとも0.01重量%のパーフルオロ−2−アルコキシプロピオン酸のアルカリ金属塩を溶解できる溶媒と記述することができる。
PMVEおよびPEVEを含む生成混合物を生成するための、工程(b)での中間混合物の脱ハロカルボニル化の代替方法は、1993年12月7日に発行された米国特許第5,268,511号および1995年2月21日に発行された米国特許第5,391、796号の中で、Farnhamによって開示されている。Farnhamによって開示されたその化学は、フッ素化したカルボン酸フルオリドからフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテル類を生成する2工程プロセスを含んでいる。第一の工程で酸フッ化物がシロキサンと反応し、次いで第二の工程で熱分解触媒の存在下で加熱されてフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテルを生成する。
脱ハロカルボニル化剤としてNa2CO3および/またはNa3PO4を使用する本発明の好ましい方法では、PMVEおよびPEVEが高収量で生成される。従って、使用した中間混合物が不純物を高い割合で含んでいない場合は、脱ハロカルボニル化で得られる生成混合物もまた、典型的には、ほとんど副生物や不純物を含んでいない。しかし、通常は、その混合物から炭酸ガス、および水が多量にある場合は水も除くことが望ましい。
このプロセスで得られるPMVEおよびPEVEの混合物を、フルオロポリマーの製造に使うコモノマー混合物として直接使用することができる。望むなら、蒸留でPMVEおよびPEVEを容易に分離して、ビニルエーテルを別々に回収することもできる。
本発明の実施のための装置の1つの好ましい構成を図1に略図で示す。図の装置は、酸素とHFPとの反応でHFPOを生成する液相反応から得られる副生物のようなパーフルオロオレフィンの酸化によって得られるCFとPAFとの初期混合物に有用である。
図1を参照すると、まずCFおよびPAFを含む初期混合物が蒸留塔1に供給される。酸素などの揮発性成分は、蒸留塔1のガス抜き2から、任意選択で一部のCFと共に除去される。これは、CF/PAFのモル比を一定にするのに使用することができ、また圧力を下げる働きもする。初期混合物を蒸留塔1からライン3を通って反応器4に移送する。反応器4にまずアセトニトリル溶媒とテトラエチル臭化アンモニウム触媒を充填する。必要に応じて、新しい溶媒と溶媒に混合した触媒とをライン6を通して反応器4に添加する。反応器4は、一定の反応温度を維持するため適当な熱伝達媒体を含むジャケット7で囲まれている。ライン5を通してHFPOを反応器4に添加する。反応器4はさらに、反応器内容物を混合するための機械的撹拌器8を備えている。
液体反応相は反応器4からライン9を通してデカンタ10に移送される。溶媒、溶解した触媒、初期混合物および中間混合物を含む低密度の相が遊離し、ライン11を通して反応器4に戻される。反応器4は、反応器内の少量のガス相を抜くための上部空間ポート12を備えており、それによって反応器の全圧の厳密な制御が可能になる。反応器4中の瞬間的な内容物および条件は、前述のように維持される。CF、PAF、HFPO、PMPF、PEPFおよびHFPOオリゴマーから成るより高密度のフルオロカーボン類をデカンタ10で−25℃近くの温度までさらに冷却して、溶解した溶媒をさらに分離する。そのような溶媒はライン11を通して反応器4に戻され、フルオロカーボン類はライン13を通してストリッパ塔14に供給される。ストリッパ塔14からの高沸点成分はライン15を通して酸フッ化物塔16に移送され、未反応のCF、PAFおよびHFPOを含む低沸点成分はライン17を通して反応器4に戻される。酸フッ化物塔16は、PMPFおよびPEPFを含む望ましい中間混合物を、ライン18から放出されて廃棄物として処理されるHFPOオリゴマーのような他の反応生成物から分離する。中間混合物を含む低沸物は、酸フッ化物塔16からライン19を通してデカンタ20へ取り出され、デカンタはさらに、ライン21を通して放出され、廃棄物として処理される溶媒から中間混合物を分離する働きをする。PMPFとPEPFを含む中間混合物は、方法の工程(b)で必要になるまで貯蔵するために、ライン22を通して酸フッ化物タンク23に移される。
中間混合物は、酸フッ化物貯蔵タンク23からライン24を通して吸着床反応器25に供給される。吸着床反応器25は脱ハロカルボニル化剤Na2CO3を含んでおり、気体状中間混合物が230℃でその脱ハロカルボニル化剤と接触するようにしてある。新しい脱ハロカルボニル化剤をライン26から吸着床反応器25に供給し、使用済み脱ハロカルボニル化剤をライン27から除去して、吸着床の連続操作ができるようにする。PMVEおよびPEVE、そしてその他に生成混合物1モル当たり2モルのCO2を含む生成混合物は、吸着床反応器からライン28を通して取り出され、スクラバ29に供給される。スクラバ29には苛性水溶液が含まれており、生成混合物からCO2を除去する働きをする。新しい苛性溶液をライン30を通して添加し、かつ使用済み苛性溶液をライン31を通して除去する。生成混合物はライン32を通してスクラバ29から乾燥機33に移送される。乾燥機33には、生成混合物から水を除去する働きをするモレキュラーシーブなど水に親和性の高い一般的な固形吸収剤が含まれている。生成混合物はライン34を通して乾燥機33から圧縮機35に移送される。圧縮機35は生成混合物を、ライン36を通して生成混合物貯蔵タンク37に移送して貯蔵するために、気体状態から液体状態に圧縮する働きをする。
PMVE/PEVEの生成混合物を、混合物として使用するために貯蔵タンク37からライン42で排出してもよいし、あるいはライン38を通して蒸留塔39へ移送し、個々の成分に分離して、PMVEをライン40から排出しPEVEをライン41から排出してもよい。
実施例
本発明をさらに説明するために以下の実施例を提供する。
以下の実施例で参照するフッ素核磁気共鳴分光法(フッ素NMR)はフッ素化合物の標準的な分析技術である。この技術は、M. HudlickyおよびA. Pavlath編、Chemistry of Organic Fluorine Compounds II-A Critical Review, American Chemical Society, Washington, DC, 1995年発行、第7章「Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy of Organofluorine Compounds」の第3節、1037〜1086頁にT. S. Everettによって記述されている。
実施例1−HFPOと、CFおよびPAFを含む初期混合物とからPMPFおよびPEPFを含む中間混合物の生成
乾燥した360ccのHASTELLOY(登録商標)C振とう管に0.4g(2×10-3モル)のN(CH2CH3)Brおよび80mlの無水アセトニトリルを充填する。その振とう管を密封して−78℃に冷却し、真空排気/窒素パージを2回行う。−78℃に冷却している間に、21g(0.32モル)のCF、25g(0.22モル)のPAFおよび70g(0.42モル)のHFPOを振とう管に減圧移送で充填する。それから振とう管を35℃に暖めて、激しく振とうしながら8時間維持する。その後、振とう管を−20℃に冷却して、その内容物を過剰の冷却されたメタノールに加える。
カルボン酸フルオリドおよびHFPOはメタノールと定量的に反応してメチルエステルを生成することが、当業者にはよく知られている。本実施例の場合、反応混合物中のカルボン酸フルオリドのメチルエステル類と未反応のHFPOは、沸点が高いので取り扱いや分析が容易である。カルボン酸フルオリドとメタノールの反応混合物のフッ素NMRによる分析の結果、4つの主要生成物が明らかになった。
(a)−CF3OCF(CF3)CO2CH3 PMPF/メタノール付加物
(b)−CF3CF2OCF(CF3)CO2CH3 PEPF/メタノール付加物
(c)−CF3CF2CF2OCF(CF3)CO2CH3 HFPO二量体/メタノール付加物
(d)−CF3CF(OCH3)CO2CH3 HEPO/メタノール付加物
PMPFおよびPEPFとHFPOとの反応から生じる対応するPMPF/HFPOおよびPEPF/HFPO付加物のエステルは確認されていない。記録されたフッ素NMR信号のピーク面積を比較した結果、生成エステルの相対モル比は6.7(a):2.3(b):1.0(c)であった。これは2.9(PMPF):1(PEPF)に等しい。最初に装入したCF/PAFは1.5:1(66.7モル%過剰のCF対PAF)なので、CFがHFPOと反応する割合とPAFがHFPOと反応する割合の相対比は1.9(CF):1(PAF)である。
実施例2−PMPFおよびPEPFを含む混合物を225℃でNa 2 CO 3 の撹拌吸着床と接触させることによるPMVEおよびPEVEを含む生成混合物の生成
円筒状炭素鋼製の撹拌器付き反応器に平均粒径が0.1mmのNa2CO3を詰める。撹拌を開始してから、装入したNa2CO3を乾燥窒素を流しながら290℃で5時間加熱して、系から微量の水分を除去する。次いで吸着床の温度を225℃にし、かつ乾燥窒素の流れをCO2の流れに置き換える。その後、PMPFおよびPEPFを、純度が99%、PMPF:PEPFのモル比が7:3の混合物として反応器に供給する。パーフルオロ有機物とNa2CO3吸着床の平均接触時間は1分である。Na2CO3装入物とPMPF+PEPF装入物とのモル比は1.3:1である。反応器から出る流出ガスを苛性水溶液に通して洗浄し、モレキュラーシーブで乾燥して凝縮する。こうして得られた生成混合物は、純度99%、PMVE:PEVEのモル比が2.3:1の混合物である。この混合物中のPMVE(PMPFに基づく)およびPEVE(PEPFに基づく)のモル収率はそれぞれ90%および89%である。生成混合物はまた微量(1モル%未満)のCF3CF2CF2OCF=CF2を含んでいた。
Claims (17)
- パーフルオロメチルパーフルオロビニルエーテル(PMVE)およびパーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル(PEVE)を生成する方法であって、
(a)フッ化カルボニル(CF)およびパーフルオロアセチルフルオリド(PAF)を含む初期混合物を、2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)プロピオン酸フルオリド(PMPF)および2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)プロピオン酸フルオリド(PEPF)を含む混合物を生成するために−20℃から80℃で、ヘキサフルオロプロピレンエポキシド(HFPO)と接触させる工程であって、フッ化カルボニル(CF)およびパーフルオロアセチルフルオリド(PAF)の合計モル数がヘキサフルオロプロピレンエポキシド(HFPO)のモル数に対して少なくとも1である工程と;
(b)工程(a)で生成した2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)プロピオン酸フルオリド(PMPF)および2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)プロピオン酸フルオリド(PEPF)を含む中間混合物を脱ハロカルボニル化して、パーフルオロメチルパーフルオロビニルエーテル(PMVE)およびパーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル(PEVE)を含む生成混合物を生成させる工程とを含むことを特徴とする方法。 - 前記初期混合物が過フッ素化アルケンと酸素との反応で生成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記初期混合物がヘキサフルオロプロピレン(HFP)と酸素との反応で生成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記初期混合物とヘキサフルオロプロピレンエポキシド(HFPO)との前記接触時の温度が20℃から40℃であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記初期混合物とヘキサフルオロプロピレンエポキシド(HFPO)との前記接触が極性非プロトン性溶媒の存在下で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリル、ベンゾニトリルおよびその混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 前記初期混合物とヘキサフルオロプロピレンエポキシド(HFPO)との前記接触が触媒の存在下で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記触媒が、式N(R5R6R7R8)X(式中、R5、R6、R7およびR8は同一または異なるものであり、線状または枝分れしたC1〜C4のアルキル基であり、かつ、Xはフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物である)で表されるテトラアルキルアンモニウムのハロゲン化物であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 前記触媒がN(CH2CH3)4Brであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 前記工程(a)におけるフッ化カルボニル(CF)およびパーフルオロアセチルフルオリド(PAF)の合計モル数がヘキサフルオロプロピレンエポキシド(HFPO)のモル数に対して少なくとも1.5であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記工程(a)におけるフッ化カルボニル(CF)およびパーフルオロアセチルフルオリド(PAF)の合計モル数がヘキサフルオロプロピレンエポキシド(HFPO)のモル数に対して2から10であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記工程(a)におけるフッ化カルボニル(CF)のモル数がパーフルオロアセチルフルオリド(PAF)モル数に対して0.1から10であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記工程(a)におけるフッ化カルボニル(CF)のモル数がパーフルオロアセチルフルオリド(PAF)のモル数に対して0.3から3であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記工程(b)での前記脱ハロカルボニル化の前に、前記中間混合物を、工程(a)で生成した前記混合物の他の成分から分離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記工程(b)での前記脱ハロカルボニル化が、前記中間混合物をアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩およびそれらの混合物からなる群から選ばれた脱ハロカルボニル化剤と接触させて行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記脱ハロカルボニル化剤がNa2CO3、Na3PO4およびそれらの混合物から成る群から選ばれることを特徴とする請求項15に記載の方法。
- 前記工程(b)での前記反応温度が200℃と300℃の間であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
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