JP4033813B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関するものであり、特に、電子写真プロセスにおける接触帯電方式の電子写真感光体を用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真用感光体を搭載する画像形成装置は、複写機だけでなく、近年需要の伸びの著しいコンピュータ等の出力手段としてのプリンターを加え、広く利用されている。
例えば、図1に示す一般的な画像形成装置はデジタル複写機30であり、デジタル複写機30本体は大きく分けてスキャナ部31と、レーザー記録部32から構成されている。スキャナ部31は透明ガラスからなる原稿載置台35、原稿載置台35上へ自動的に原稿を供給搬送するための両面対応自動原稿送り装置(RADF)36、及びスキャナユニット40から構成されている。
スキャナ部31にて読み取られた原稿画像は、画像データとして画像データ入力部へと送られ、画像データに対して所定の画像処理が施される。
【0003】
上記RADF36には、備えられた図示しない原稿トレイ上に複数枚の原稿を一度にセットしておき、セットされた原稿を1枚ずつ自動的にスキャナユニットの原稿載置台上へ給送する装置である。またRADF36は、オペレーターの選択に応じて原稿の片面または両面をスキャナユニットに読み取らせるように、片面原稿のための搬送経路、両面原稿のための搬送経路、搬送経路切り換え手段、各部を通過する原稿の状態を把握し管理するセンサー群、および制御部などから構成されている。
【0004】
原稿載置台35上の原稿の画像を読み取るためのスキャナ部31を構成するスキャナユニット40は、原稿面上を露光するランプリフレクターアセンブリ41と、原稿からの反射光像を光電変換素子(CCD)に導くための原稿からの反射光を反射する第1の反射ミラー42aを搭載してなる第1の走査ユニット40a、また第1の反射ミラーユニット40aからの反射光像を光電変換素子(CCD)に導くための第2、第3反射ミラー42b、42cを搭載してなる第2の走査ユニット40b、原稿からの反射光像を上述した各反射ミラーを介して電気的画像信号に変換する素子(CCD)上に結像させるための光学レンズ43、および原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換するCCD素子44から構成される。
【0005】
スキャナ部31は、RADF36とスキャナユニット40の関連した動作により、原稿載置台35上に読み取るべき原稿を順次載置させながら、原稿載置台35の下面に沿ってスキャナユニット40を移動させて原稿画像を読み取るように構成されている。第1走査ユニット40aは、原稿載置台に沿って左から右へと一定速度Vで走行され、また第2走査ユニット40bは、その速度Vに対してV/2の速度で同一方向に平行に走査制御される。これにより、原稿載置台35上に載置された原稿の画像を1ライン毎に順次CCD素子44へと結像させて画像を読み取る。
【0006】
原稿画像をスキャナユニット40にて読み取ることにより得られた画像データは、画像処理部へ送られ、各種処理が施された後、画像処理部のメモリーに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリー内の画像を読み出してレーザープリンター部32に転送して記録シート上に画像を形成させる。
レーザープリンター部32は画像を形成させるための記録材であるシートの搬送系、レーザー書き込みユニット46、および画像を形成するための電子写真プロセス部を備えている。レーザー書き込みユニット46は、上述したスキャナユニット40にて読み取った後のメモリーから読み出した画像データ、または外部の装置から転送されてきた画像データに応じてレーザー光を出射する半導体レーザー光源、レーザー光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度で偏向されたレーザー光が電子写真プロセス部を構成する感光体上で等角速度で偏向されるように補正するf−θレンズなどを有している。
【0007】
一方、シートの搬送系は、画像形成を行う電子写真プロセス部の特に転写器が配置された転写位置へとシートPを搬送する搬送部、該搬送部33へとシートPを送り込むためのカセット給紙装置51、52、53または、必要なサイズのシートを適宜給紙するための手差し給紙装置54、転写後のシートPに形成された画像、特にトナー像を定着するための定着器49、定着後のシートPの裏面に再度画像を形成するためにシートPを再供給するための再供給経路55とを備えている。
【0008】
また、定着器49の下流側には、画像が記録されたシートPを受け取り、このシートPに対して所定の処理を施す後処理装置が配置される。
レーザー書き込みユニット46及び電子写真プロセス部において、画像メモリーから読み出された画像データは、レーザー書き込みユニット46によってレーザー光線を走査させることにより感光体48の表面上に静電潜像として形成され、トナーにより可視像化されたトナー像は多段給紙ユニットのいずれかの給紙部から搬送された用紙の面上に静電転写され定着される。
このようにして画像が形成された用紙は定着器49から排紙ローラ57を経由して後処理装置34内へと搬送される。
【0009】
電子写真用感光体(感光体)は、帯電、露光、現像、転写、クリーニング及び除電等の手段が繰り返し適用される。帯電及び露光により形成された静電潜像はトナーといわれる微粒子状の現像剤によりトナー画像となる。更にこのトナー画像は転写手段により紙等の転写材に転写される。
帯電方式としては、ワイヤに高電圧をかけてコロナ放電を生じさせるコロナ帯電器が広く利用されてきたが、近年は接触帯電方式、特に導電ローラを用いたローラ帯電方式が安定した帯電方式として用いられるようになってきた。コロナ帯電方式は、その帯電機構の中でコロナ放電を生じさせる為、オゾンやNOx等の活性物質が発生し、これが電子写真感光体表面を汚染するという欠点があった。一方、接触帯電方式は、コロナ放電を必要としない帯電方式であるので、オゾンの発生も無く、またコロナ放電させるための高電圧も必要ないので、省エネルギーの観点からにおいても接触帯電方式はコロナ帯電方式に比べ優れている。
【0010】
接触帯電は、ローラ型、ブレード型、ロッド型、ブラシ型などの帯電部材を回転感光ドラムに当接させて帯電を行うもので、コロナ帯電に比べオゾン発生や、コロナ放電ムラに起因する帯電ムラが生じることがないなどの利点を有する。特に、ローラ型の帯電部材(以下、帯電ローラと記す)とする場合は、芯金の上にEPDM等の104〜105Ωcmの導電ゴム層を設け、その外側にヒドリンゴム等からなる107〜109Ωcm程度の中抵抗層を設け、その外側に、N−メトキシメチル化ナイロンのナイロン系物質からなる107〜1010Ωcmのブロッキング層を表層として設ける。
また、他の代表的な帯電器として磁気ブラシが挙げられる。磁気ブラシはマグネットロールで1×104〜1×108Ωcmの抵抗値をもったフェライト等の中抵抗の磁性粒子(以下キャリヤとも称す)を磁気拘束する磁気ブラシ状の帯電部材の構成をとる。
【0011】
しかし、帯電ローラや磁気ブラシによる接触帯電方式は、帯電器が常に電子写真感光体と接触、摺動している為、電子写真感光体に傷が発生しやすく、また電子写真感光体の寿命が短いという欠点がある。
帯電、露光、現像、転写の工程を経た後、電子写真感光体上には、転写されなかったトナーが残っていることがある。また、繰り返し使用により、紙粉等が電子写真感光体上に残ることがある。これらの残留トナーや紙粉等をクリーニングブレードのような弾性を持つ部材を電子写真感光体に当接させ、機械的にかきとるクリーニング工程が入る。
近年ではクリーナーレス化技術が発展し、独立したクリーニング手段を有さずに、現像手段によってトナーを回収する、所謂現像兼クリーニングシステム等で残留トナーを回収し、再度現像材として用い、廃トナーが出ないプロセスが提案されている。
クリーナーレスプロセスは、廃トナーが出ないという点から、環境に配慮した方式である。しかしながら、トナーの転写効率が向上しても、すべてのトナーが転写されるわけではなく、一部が感光体上に残留する。また、転写紙の紙粉の残留もしばしばおこる。これらの残留トナーや紙粉は帯電器を汚染し、帯電器の帯電性能を低下させてしまう。
【0012】
ところで、材料の機械的強度を評価する指標として硬度がある。この定義は、圧子のおしこみに対する材料からの応力としてみなされている。そこでこの硬度を表面膜強度を知る物理的なパラメータとして用いて、機械的強度を数値化して定量化する試みがなされている。その例としては、従来から多く用いられている引っ掻き強度試験、鉛筆硬度試験やビッカース硬度試験等が広く知られている。しかし、いずれの測定手段においても、有機物の様に、塑性、弾性(遅延成分を含む)、クリープ性といった複雑な挙動を有する膜の強度を測定するには問題点があった。例えば、ビッカース硬度測定は膜についた圧痕の長さを測定して硬度としており、これは、膜の塑性を反映したものであり、有機物のような弾性変形等をするものには情報が欠如していることになる。したがって、有機物の膜強度の評価には、このような多様な性質に配慮しなければならない。
最近では、ユニバーサル硬さ試験(DIN50359−1)による硬度評価が、感光体の膜強度の評価に種々用いられている。中でも、この試験方法にそって膜の弾性成分を規定し、感光体の耐磨耗性の向上を図っているものが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。しかし、この特許における弾性の規定範囲は、現状、一般的に用いられる高分子結着樹脂を用いた電荷輸送層を有する感光体においては、ほぼすべてがこの範囲に入るものであり、実質状特許としての新規性に欠けると考えられる。他にも、接触帯電プロセスをもちいる画像形成方法においては、硬さ以外の因子としてヤング率を規定し、その感光体の耐キズ性の改良について言及している例もある(例えば、特許文献2を参照)。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−10320号公報
【特許文献2】
特開2001−125298号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題点に鑑み、感光体皮膜の特性を規定、制御することにより、長期使用においても表面のキズ、濃度ムラがなく、耐磨耗性に優れた電子写真感光体を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、感光体に対する接触帯電、及び露光からなる潜像形成工程、トナー像を形成する工程、及びトナー像を転写材に転写する工程等からなる電子写真プロセスにより、繰り返し画像形成が可能な、画像形成装置に使用する電子写真用感光体において、電子写真感光体の膜の硬度とクリープ性に着目し、ビッカース硬さ(HV)とクリープ値(CIT)の値がある範囲内にある場合に、感光体としての耐久性を上げることが可能であること、即ち、感光体表面の一定環境(25℃/50%RH)における表面皮膜物性試験によるクリープ値(CIT)が、2.9%以上、3.1%以下であり、かつ、ビッカース硬度(HV)の値が、29以上、32.4以下であると、その感光体は長期使用においても表面のキズ、濃度ムラがなく、耐磨耗性に優れていることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明に係る電子写真用感光体を用いた画像形成装置は、以下の構成或いは手段からなることを特徴とし、前記課題を解決するものである。
【0016】
(1)電子写真プロセスがクリーナーレスプロセスである、接触帯電方式の電子写真感光体を具備した画像形成装置において、電子写真感光体は、表面皮膜硬度試験(25℃/25%)における押し込み最大荷重30mNの試験条件下で、クリープ(CIT)の値が2.9%以上、3.1%以下で、かつ、ビッカース硬度(HV)の値が29以上、32.4以下である表面を有することを特徴とする画像形成装置。
【0017】
(2)前記電子写真感光体の導電性支持体がアルマイト処理されていることを特徴とする上記(1)記載の画像形成装置
【0018】
)前記電子写真感光体は電荷発生層と電荷輸送層とが積層され、該電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質が下記一般式(1)で示される化合物であることを特徴とする上記(1)又は(2)のいずれかに記載の画像形成装置
【化1】
Figure 0004033813
(式中、Ar1は置換基を含んでもよいアリール基、置換基を含んでもよい複素環基を示し、R1は置換基を含んでも良い炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜5のチオアルコキシ基を示し、nは、2〜4の整数を示す。)
【0019】
(4)前記電子写真感光体は電荷発生層と電荷輸送層とが積層され、前記電荷輸送層が結着樹脂を含み、該結着樹脂に対してポリジメチルシロキサンを0.025〜1.5質量%含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載の画像形成装置。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置の好ましい実施の形態を詳述する。尚、本発明に係る電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置は以下の実施形態に限るものではない。
図1は、本発明に係る電子写真感光体が使用される一般的な電子写真プロセスをデジタル複写機を例として示した模式的断面図である。
図2は、本発明に係る電子写真感光体に使用する表面皮膜物性試験の説明図である。
図3は、本発明に係る電子写真感光体の一実施形態に従う積層機能分離型感光体の概要を示した部分断面図である。
図4は、本発明に係る電子写真感光体の一実施形態に従う単層型感光体の概要を示した部分断面図である。
図5は、ビッカース硬さHVと塑性変形硬さHupとの関係を示す図である。
【0021】
本発明に係る電子写真感光体は、例えば、図1に示すような一般的なデジタル複写機などに使用されるものであり、電子写真プロセスにおける接触帯電方式の電子写真感光体48である。感光体48には接触帯電部材11、必要によりクリーニング部材12が配される。尚、本実施の形態における電子写真感光体の画像形成装置50に用いる位置、及び類似の部材については従来のと同様な構成となっているので、その詳しい説明を省略する。
【0022】
接触帯電部11は、ローラ型、ブレード型、ロッド型、ブラシ型などの帯電部材等を感光体48に当接させて帯電を行うものであるが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
通常、ローラ型の帯電ローラが使用され、帯電ローラは、芯金の上にEPDM等の104〜105Ωcmの導電ゴム層を設け、その外側にヒドリンゴム等からなる107〜109Ωcm程度の中抵抗層を設け、その外側に、N−メトキシメチル化ナイロンのナイロン系物質からなる107〜1010Ωcmのブロッキング層を表層として設けてなることが良い。また、他の代表的な帯電部として磁気ブラシがある。磁気ブラシはマグネットロールで1×104〜1×108Ωcmの抵抗値をもったフェライト等の中抵抗の磁性粒子を磁気拘束する磁気ブラシ状の帯電部材の構成をとる。
【0023】
電子写真プロセスでは、帯電、露光、現像、転写の工程を経た後、電子写真感光体48上には、転写されなかったトナーが残る場合、図1に示すようにクリーニング部材12を設けても良い。クリーニング部材12はブレードのような弾性を持つ部材等からなり、トナー及び紙粉等が電子写真感光体48上に残る場合、電子写真感光体12に当接させ、機械的にかきとるものである。
尚、本発明に係る電子写真感光体48にあっては、その電子写真プロセスにおいてクリーニング部材12を有しないクリーナーレスとしても良い。近年ではクリーナーレス化技術が発展し、独立したクリーニング手段を有さずに、現像手段によってトナーを回収する、所謂現像兼クリーニングシステム等で残留トナーを回収し、再度現像材として用い廃トナーが出ないプロセスとしても良い。
このようなクリーナーレスプロセスは、感光体48の寿命を長くする点で好ましい。
【0024】
本発明に係る電子写真感光体48は、表面皮膜硬度試験(25℃/25%)における押し込み最大荷重30mNの試験条件下で、クリープ(CIT)の値が2.9%以上で、かつ、ビッカース硬度(HV)の値が29以上である表面を有することを特徴とする。
【0025】
表面皮膜物性試験とは、マイクロビッカーズ法のように、圧子を試料表面に押し込み、荷重除去後の残留くぼみを顕微鏡で測定し硬さを求める方法ではなく、圧子に連続的に荷重下での押し込み深さを直読し、皮膜の物性を求める方法である。また、一般的に固体材料は、比較的低荷重のときであっても、負荷荷重の保持時間の経過に伴って、徐々に連続的な変形現象いわゆるクリープを発現し、特に有機高分子材料ではクリープが顕著に現れる。クリープは、大別すると遅延弾性変形成分と塑性変形成分とを含み、材料の柔軟性を表す指標として用いられている。図2は、感光体のクリープ値CITおよびビッカース硬さHVを求めるための関係図である。本発明におけるクリープ値CITは、圧子を介して感光体の表面に予め定める荷重を一定時間負荷した状態での圧子の押込み量の変化量、すなわち押込み荷重に対する感光体表面皮膜の緩和の程度を評価するパラメータである。
【0026】
図2に示すヒステリシスライン8は、感光体の表面に押込み荷重負荷を開始して予め定める押込み最大荷重Fmaxに達するまでの押込み過程(A→B)、押込み最大荷重Fmaxで一定時間t保持する負荷荷重保持過程(B→C)、除荷を開始して荷重零(0)に達して除荷を完了するまでの除荷過程(C→D)の変形(押込み深さ変化)履歴を示し、クリープ値CITは、負荷荷重保持過程(B→C)における押込み量の変化量で与えられる。
本実施の形態では、クリープ値CITは、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、圧子に四角錘のダイヤモンド圧子(Vickers圧子)を用い、押込み最大荷重Fmax=30mNで、一定時間t=5秒負荷保持する条件にて測定された。クリープ値CITは、具体的に式(1)によって与えられる。
IT=100×(h2−h1)/h1 …(1)
ここで、h1:最大荷重30mNに達した時点(B)における押込み深さ
h2:最大荷重30mNで時間t保持した時点(C)における押込み深さ
このようなクリープ値CITは、たとえばフィッシャースコープH100V(株式会社フィッシャー・インストルメント製)によって求める。
【0027】
次に、ビッカース硬さHVについて説明する。ビッカース硬さ(HV)は、材料の塑性の指標であり、日本工業規格(JIS)Z2244に準じて求められる。本実施の形態におけるビッカース硬さ(HV)は、まず先のクリープ値CITを求める際のヒステリシスライン8のうち、除荷過程(C→D)において得られる除荷曲線のC点に対する接線が、押込み深さ軸と交差する切片hrと、押込み最大荷重:Fmaxとから塑性変形硬さ:Huplast(以下、Hupという。)を求め、この塑性変形硬さHupに対応する値として求められる。具体的に塑性変形硬さHupは、式(2)によって得られる。
Hup=Fmax/A(hr) …(2)
ここで、A(hr)は、反発押込み深さと呼ぶ先の切片hrにおける圧痕表面積であり、A(hr)=26.43*hr2で与えられる。
図5に示すように、ビッカース硬さHVと塑性変形硬さHupとの間には、極めて高い相関があるので、塑性変形硬さHupに対応するビッカース硬さHVを求める、換言すれば換算することができる。塑性変形硬さHupからビッカース硬さHVへの換算も含めて、このようなビッカース硬さHVは、先のクリープ値と同様に、たとえばフィッシャースコープH100Vによって求めることができる。
【0028】
ところで有機化合物を主成分とする電子写真感光体においては、従来技術で述べたとおり、より長寿命の画像形成装置を実現するために、膜表面の機械的耐久性、すなわち膜削れが少なくキズ等の発生しにくくすることが求められている。これを実現するためには、膜の性状として、剛直であるが脆かったり、あるいは、柔軟性がありすぎたりしても、使いこなしに難点がある。より具体的には、感光体として用いられる材料の選定、すなわち、後述する電荷輸送物質、結着樹脂の種類、感光体の積層構造の変更、あるいは感光体塗布後の熱処理条件の変更等が、感光体の膜の性質を左右する。
【0029】
我々は、鋭意検討の結果、電子写真感光体の膜の硬度とクリープ性に着目し、ビッカース硬さ(HV)とクリープ値(CIT)の値がある範囲内にある場合に、感光体としての耐久性を上げることが可能であることを見出した。そのメカニズムは未だ明確にはわからないが、クリープ値が2.9%未満である場合は、感光体膜の柔軟性が不足し、感光体膜が脆くなると推察される。すなわち、感光体上に異物、例えば残留トナーや紙粉などが存在すると、帯電ローラと圧接により感光体表面にひび割れや深い傷が発生しやすい。逆にクリープ値が2.9%以上である場合は、異物による感光体膜の変形による内部エネルギーが緩和(分散)され、傷の発生、進行を抑制することができると推察される。また、ビッカース硬さ(HV)が29未満の場合、現状の接触帯電方式の電子写真プロセスでの機械的強度として不足しており、耐久性が悪化する結果となる。
【0030】
上述したようにクリーナー部材12を有するプロセスでは、弾性を持つブレードを電子写真感光体に当接させて未転写のまま感光体上に残っているトナーや紙粉を掻き取る。弾性ブレードの感光体への当接が弱いと、クリーニング不良が発生し、画像上にスジとなって現れる。クリーニング不良を防ぐ為に弾性ブレードは相当高い圧力をもって、電子写真感光体に当接するように設計されている。その為、このようなプロセスにおいては、電子写真感光体の膜べりや、耐刷時に生じるキズのほとんどは、接触帯電部材11によるものではない。長寿命の電子写真感光体を達成するには、まずクリープ値が大きいことが必要となる。これは前述したようにクリープ値が大きいと感光体膜の変形による内部エネルギーの緩和が起こり易く、キズが発生しにくい。
【0031】
次に膜の硬度には適切な範囲があると推察される。何故ならば、膜の硬度が高ければ高いほど膜の強度は増すが、過度の剛直さは、弾性ブレードと感光体の間に異物等が存在する場合、膜のキズが発生し易くなる。
また、上述のクリーナーレスプロセスにおいては、電子写真感光体に直接接するものは帯電部材11のみである。
ここで、長寿命の電子写真感光体を達成する為には、クリーナーを有するプロセスと同様の理由で、クリープ値が大きいことが必要となる。しかし、帯電器の電子写真への当接は、弾性ブレードのそれに比べて弱い為、膜の硬度が高くても、クリーナーを有するプロセスに比べ、キズは発生しにくいと予想される。膜の硬度が高いほど、膜べり性は向上するので、クリーナーレスプロセスにおいては、膜の硬度は高ければ高いほど、長寿命の電子写真感光体を提供することが可能となるので、範囲の上限を必ずしも設ける必要はない。
【0032】
次に、本発明に係る電子写真感光体に係る感光層等の構造を、図3及び図4に従って簡単に説明する。
図3は、本発明の実施の一形態による積層型感光体を示す断面図である。導電性支持体1の上に下引き層6、および、電荷発生物質2を主体として含有する電荷発生層3と、電荷輸送物質4である化合物を含有する電荷輸送層5との積層からなる感光層21が設けられた積層型感光体である。該積層型感光体では、感光層21は電荷発生層3と電荷輸送層5とを積層して形成される。このような感光層21を備えた感光体表面をチャージャなどで負に帯電し、電荷発生層3に吸収波長を有する光を照射すると、電荷発生層3中に電子および正孔の電荷が発生する。正孔は、電荷輸送層5に含まれる電荷輸送物質4によって感光体表面に移動され、表面の負荷電を中和し、電荷発生層3中の電子は、正電荷が誘起された導電性支持体1の側に移動し、正電荷を中和することによって、積層型感光体が機能する。
【0033】
図4は、本発明の実施の他の形態による単層型感光体を示す断面図である。導電性支持体1の上に、電荷発生物質2と電荷輸送物質4とを結着樹脂7に分散した感光層20が設けられた単層型感光体である。該感光層20を備えた感光体表面を正帯電し、電荷発生物質2に吸収波長を有する光を照射すると、感光層20の表面近傍において電子および正孔の電荷が発生する。電子は、表面の正電荷を中和し、正孔は、負電荷が誘起された導電性支持体1の側に移動し、電子を中和することによって、単層型感光体が機能する。
【0034】
図3に示したような積層型感光体は、アルマイト処理を施された導電性支持体1または、導電性支持体1上に形成された下引き層6の上に、電荷発生物質2の粒子を溶剤または結着樹脂中に分散して得られた分散液を塗布し、形成された電荷発生層3上に電荷輸送物質4および結着樹脂7を溶解した溶液を塗布乾燥し、電荷輸送層5を形成することにより作製できる。図4に示したような単層型感光体は、電荷発生物質2と電荷輸送物質4とを、結着樹脂7を溶解した溶液中に分散させ、この分散液を導電性支持体1上に塗布、乾燥して感光層20を形成することにより作製できる。したがって、この感光層20の形成は、図3における電荷発生層3または電荷輸送層5の場合と、実質的に異ならない。
【0035】
導電性支持体1は、感光体の電極としての役目を果たすとともに他の各層の支持体でもあり、その形状は、円筒状、板状、フイルム状およびベルト状のいずれでもよい。導電性支持体1の材質としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅およびニッケルなどの金属物質、表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化錫および酸化インジウムなどの導電性層を設けたポリエステルフィルム、フェノール樹脂パイプおよび紙管などの絶縁性物質が挙げられる。体積抵抗が1010Ω・cm以下の導電性を示すものが好ましい。体積抵抗を調整する目的で表面にアルマイト処理を施したり、下引き層を設けてもよい。
【0036】
下引き層6は、たとえば、ポリアミド、ポリウレタン、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アルミニウム陽極酸化被膜、ゼラチン、でんぷん、カゼインおよびN−メトキシメチル化ナイロンなどから形成される。これらには、酸化チタン、酸化錫または酸化アルミニウムの粒子を分散させてもよい。下引き層6の膜厚は、約0.1〜10μmである。このような下引き層6は、導電性支持体1と感光層21との接着層としての役割を果たし、加えて、導電性支持体1から電荷が感光層21へ流れ込むのを抑制するバリア層としても作用する。このようにして下引き層6は感光体の帯電特性を維持するので、感光体自身の寿命を延ばすことができる。
【0037】
アルマイト処理とは、アルミニウムやアルミニウム合金を硫酸もしくは、シュウ酸などにより陽極酸化し、多孔質なアルマイト皮膜にしてから、沸騰水封孔処理を95℃以上で行うことにより膜厚の厚いアルミニウムヒドロキシオキサイド皮膜を形成することである。
接触帯電方式では、電子写真感光体に帯電部材が直接接する為、高い耐圧性が求められるので、耐圧性に優れるアルマイト処理のほうが下引き層より望ましい。
【0038】
電荷発生層3は、従来公知の電荷発生物質2を含んで構成される。電荷発生物質2としては、可視光を吸収してフリー電荷を発生するものであれば、無機顔料、有機顔料および有機染料のいずれをも用いることができる。
無機顔料としては、セレンおよびその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、ならびにその他の無機光導電体が挙げられる。
有機顔料としては、フタロシアニン系化合物、アゾ系化合物、キナクリドン系化合物、多環キノン系化合物およびペリレン系化合物などが挙げられる。有機染料としては、チアピリリウム塩およびスクアリリウム塩などが挙げられる。中でもフタロシアニン系化合物が好適であり、特にチタニルフタロシアニン化合物を用いることが最適である。後述する式(5)で表されるブタジエン系化合物と組合せることで、特に良好な感度特性、帯電特性および繰返し特性が得られる。電荷発生物質2として、好ましくは、有機顔料および有機染料など、前記有機光導電性化合物を用いる。
【0039】
電荷発生層3には、化学増感剤または光学増感剤を添加してもよい。
化学増感剤として、電子受容性物質、たとえば、テトラシアノエチレン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンなどのシアノ化合物、アントラキノン、p−ベンゾキノンなどのキノン類、ならびに、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどのニトロ化合物が挙げられる。光学増感剤として、キサンテン系色素、チアジン色素およびトリフェニルメタン系色素などの色素が挙げられる。
【0040】
電荷発生層3は、前述の電荷発生物質2を結着樹脂とともに、適当な溶媒中に分散させ、導電性支持体1または下引き層6の上に塗布し、乾燥または硬化させて成膜し、形成する。
結着樹脂としては、具体的に、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーンおよびポリアクリレートなどが用いられる。
使用する溶媒としては、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロルベンゼンおよびエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。これら以外の溶媒でもよく、アルコール系、ケトン系、アミド系、エステル系、エーテル系、炭化水素系、塩素化炭化水素系および芳香族系のいずれの溶媒系を、単独で、または混合して用いてもよい。ただし、電荷発生物質2の粉砕およびミリング時の結晶転移に基づく感度低下、ならびにポットライフによる特性低下を考慮した場合、両顔料において結晶転移を起こしにくいシクロヘキサノン、1,2−ジメトキシエタン、メチルエチルケトンおよびテトラヒドロキノンのいずれかを用いることが好ましい。
【0041】
電荷発生層3の形成方法としては、一般に真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法などの気相堆積法、および塗布方法などを適用する。塗布方法は、電荷発生物質2をボールミル、サンドグラインダ、ペイントシェイカおよび超音波分散機などによって粉砕して溶剤に分散し、必要に応じてバインダ樹脂を加えた塗布液を公知の方法により導電性支持体1上に塗布する。たとえば、導電性支持体1がシートの場合にはベーカアプリケータ、バーコータ、キャスティングおよびスピンコートなど、導電性支持体1がドラムの場合にはスプレイ法、垂直型リング法および浸漬塗布法などにより塗布する。電荷発生層3の膜厚は、0.05〜5μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
【0042】
電荷輸送層5を形成するための塗布液は、電荷輸送物質(以下、CTMという。)4を単独で、または結着樹脂とともに溶剤に溶解させて作られる。
CTMとしては、例えばカルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾ−ル誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラリゾン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾ−ル誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルビレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられるが、これらに限定される物ではない。また、これらを単独でも2種以上混合して用いてもよい。
これらのうちで、エナミン系化合物、特に下記一般式(1)で示した化合物を用いることが好ましい。
【0043】
【化3】
Figure 0004033813
【0044】
この電荷輸送物質4を用いると、高感度の上に電荷輸送層5の膜強度が向上する。その理由は定かではないが、電荷輸送物質4は結着樹脂との相互作用により、膜強度が高くなると推察される。
上記一般式(1)中、Ar1は置換基を含んでもよいアリール基、置換基を含んでもよい複素環基を示し、R1は置換基を含んでも良い炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜5のチオアルコキシ基を示し、nは、2〜4の整数を示す。
上記一般式(1)中の具体的なAr1の例としては、フェニル、m−トリル、2,4−キシリル、3,4−キシリル、メトキシフェニル、ナフチル、ピレニル、ビフェニル等のアリール基、ベンゾフリル、ベンチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、N−エチルカルバゾリル等の複素環基、メチルベンジル、メトキシベンジル、2−チエニルメチル等のアラルキル基があげられる。
具体的なR1の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ等のアルコキシ基、チオメトキシ、チオエトキシ、チオ−n−プロポキシ、チオ−iso−プロポキシ等のチオアルコキシ基、等があげられる。一般的に電子供与性の置換基であるのが好ましい。一般式(1)で示した化合物の具体例を下記表1及び表2に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0004033813
【0046】
【表2】
Figure 0004033813
【0047】
電荷輸送層5或いは感光層20を構成する結着樹脂としては、電荷輸送物質2と相溶性を有するものであればよく、たとえば、ポリカーボネートおよび共重合ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリケトン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂およびポリスルホン樹脂、ならびにそれらの共重合樹脂などが挙げられる。これらの樹脂を単独または2種以上混合して用いてもよい。中でもポリスチレン、ポリカーボネートおよび共重合ポリカーボネート、ポリアリレート、ならびにポリエステルなどの樹脂は、体積抵抗率が1013Ωcm以上あり、成膜性および電位特性などに優れる。
【0048】
またこれらの材料を溶解させる溶剤は、メタノールおよびエタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびジオキソランなどのエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタンおよびジクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、クロロベンゼンおよびトルエンなどの芳香族類などを用いることができる。
電荷輸送層の膜厚は、10〜50μmが好ましく、より好ましくは15〜40μmである。
【0049】
感光層21には、1種以上の電子受容物質や色素を含有させることによって、感度の向上を図り繰返し使用時の残留電位の上昇や疲労などを抑えるようにしてもよい。電子受容物質としては、たとえば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸および4−クロルナフタル酸無水物などの酸無水物、テトラシアノエチレンおよびテレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アントラキノンおよび1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類、ならびに2,4,7−トリニトロフルオレノンおよび2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの多環または複素環ニトロ化合物が挙げられ、これらを化学増感剤として用いることができる。
色素としては、たとえば、キサンテン系色素、チアジン色素、トリフェニルメタン色素、キノリン系顔料および銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物が挙げられ、これらを光学増感剤として用いることができる。
【0050】
さらに、感光層21には、周知の可塑剤を含有させることによって、成形性、可撓性および機械的強度を向上させるようにしてもよい。可塑剤としては、二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などが挙げられる。また、感光層には、必要に応じてポリシロキサンなどのゆず肌防止のためのレベリング剤、耐久性向上のためフェノール系化合物、ハイドロキノン系化合物、トコフェロール系化合物およびアミン系化合物などの酸化防止剤、ならびに紫外線吸収剤などを含有してもよい。
これらのうちで、特にポリジメチルシロキサンを含有させることによって、ポリジメチルシロキサンの一部が電荷輸送層に相溶し、電荷輸送層の表面近傍の摩擦抵抗が低下し、紙粉や、未転写トナーなどが電子写真感光体と接触帯電部材によって挟まれた場合においても摺擦されにくくなる。その含有量は結着樹脂に対して0.025質量部%〜1.5質量部%が望ましい。含有量がその範囲よりすくないと、その効果が十分に発揮されず、また、その含有量が1.5重量部%を越えると、耐刷試験における電気特性、特に黒ベタ電位が上昇する傾向があり、画像濃度が低下する。
【0051】
単層型感光層20の場合、積層型感光層21の場合と同様の材料を用い、前述の結着樹脂中に前述の電荷発生物質を分散したり、前述の電荷輸送物質を含む感光層中に電化発生物質を顔料粒子の形で分散させたりして調製した感光層用塗布液によって、単層の感光層が形成される。単層型感光体は、オゾン発生が少ない正帯電型画像形成装置用の感光体になる利点があり、また塗布されるべき感光層が一層のみであるため、製造原価および歩留まりが積層型に比べてよい点も挙げられる。
【0052】
本実施の形態で所望のクリープ値あるいは、ビッカース硬さを得るめのための手段としては、主に電荷輸送層に用いる電荷輸送剤および結着樹脂の選択、それらの配合比率の選択、また、感光体塗布後の乾燥温度等条件の選択、また、場合によっては、電荷輸送層上部に表面保護層を設けることによっても、感光体の上記物性値を制御することが可能となる。
また、このような電子写真感光体を用いることにより、本発明に係る優れた画像形成装置を提供することができる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本発明について具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アルマイト処理を施した直径30mm、長さ346mmのアルミニウム製円筒状支持体上に、ブチラール樹脂(S−LEC BL−2:積水化学社製 商標)の10重量部、1,3−ジオキソランの1400重量部、下記一般式(2)に示すチタニルフタロシアニンの15重量部をボールミルにより72時間分散し電荷発生層用塗工液を用いて、円筒状支持体上に浸漬塗工法により膜厚が0.2μmとなるように電荷発生層を成膜した。
【0054】
【化4】
Figure 0004033813
【0055】
次に、下記式(3)の電荷輸送物質(化合物3)を100重量部、ポリカーボネート樹脂M300(出光興産社製)を180重量部、さらに、住友化学社製スミライザーBHTを5重量部、ポリジメチルシロキサンを1.8重量部を添加し、THF980重量部に溶解し電荷輸送層用塗工液を作製した。前記の電荷発生層上に膜厚が28μmとなるように浸漬塗工法にて成膜、130℃で1時間乾燥を行い、感光体を作製した。
【0056】
【化5】
Figure 0004033813
【0057】
(実施例2)
電荷発生層を作製した後、上記表1中の例示化合物No.1(式4)の電荷輸送物質(化合物4)を100重量部、ポリカーボネート樹脂M300(出光興産社製)を180重量部、さらに、住友化学社製スミライザーBHTを5重量部、ポリジメチルシロキサンを1.8重量部を添加し、THFの980重量部に溶解し電荷輸送層用塗工液を作製した。前記の電荷発生層上に膜厚が28μmとなるように浸漬塗工法にて成膜、130℃で1時間乾燥を行い、感光体を作製した。
【0058】
(比較例1)
電荷発生層を作製した後、下記式(5)のブタジエン系化合物の電荷輸送物質(化合物5)を100重量部、ポリカーボネート樹脂M300(出光興産社製)と160重量部、さらに、住友化学社製スミライザーBHTを5重量部、ポリジメチルシロキサンを1.6重量部を添加し、THFの980重量部に溶解し電荷輸送層用塗工液を作製した。前記の電荷発生層上に膜厚が28μmとなるように浸漬塗工法にて成膜、130℃で1時間乾燥を行い、感光体を作製した。
【0059】
【化6】
Figure 0004033813
【0060】
(比較例2)
電荷発生層を作製した後、表1中の例示化合物No.1(式4)の電荷輸送物質(化合物4)を100重量部、ポリカーボネート樹脂G400、(出光興産社製)と同じくポリカーボネート樹脂TS2020(帝人化成社製)をそれぞれ88重量部、72重量部、さらに、住友化学社製スミライザーBHTを5重量部、ポリジメチルシロキサンを1.6重量部を添加し、THFの980重量部に溶解し電荷輸送層用塗工液を作製した。前記の電荷発生層上に膜厚が28μmとなるように浸漬塗工法にて成膜、130℃で1時間乾燥を行い、感光体を作製した。
【0061】
(比較例3)
電荷発生層を作製した後、前記式(5)のブタジエン系化合物の電荷輸送物質(化合物5)を100重量部、ポリカーボネート樹脂G400(出光興産社製)と同じくポリカーボネート樹脂TS2020(帝人化成社製)をそれぞれ88重量部、72重量部、さらに、住友化学社製スミライザーBHTを5重量部、ポリジメチルシロキサンを1.6重量部を添加し、THFの980重量部に溶解し電荷輸送層用塗工液を作製した。前記の電荷発生層上に膜厚が28μmとなるように浸漬塗工法にて成膜、130℃で1時間乾燥を行い、感光体を作製した。
【0062】
(参考例1)
酸化チタン(Al23、ZrO2表面処理樹枝状ルチル型 チタン成分85%:TTO−M−1石原産業製:商標)の3重量部、アルコール可溶性ナイロン樹脂(CM−8000東レ社製:商標)の3重量部、メタノールの60重量部、1,3−ジオキソランの40重量部とをペイントシェイカにて10時間分散処理し、下引き層用塗布液を調製した。調整した下引き層用塗布液を、直径30mm、長さ346mmのアルマイト未処理のアルミニウム製円筒状支持体上に膜厚0.9μmとなるように浸漬塗布法によって成膜し、下引き層を形成した。それ以外は実施例1と同様にして感光体を得た。
【0063】
(参考例2)
電荷発生層を作製した後、上記式(3)の電荷輸送物質(化合物3)を100重量部、ポリカーボネート樹脂M300(出光興産社製)を180重量部、さらに、住友化学社製スミライザーBHTを5重量部、を添加し、THFの980重量部に溶解し電荷輸送層用塗工液を作製した。前記の電荷発生層上に膜厚が28μmとなるように浸漬塗工法にて成膜、130℃で1時間乾燥を行い、感光体を作製した。
【0064】
(参考例3)
電荷発生層を作製した後、上記式(3)の電荷輸送物質(化合物3)を100重量部、ポリカーボネート樹脂M300(出光興産社製)を180重量部、さらに、住友化学社製スミライザーBHTを5重量部、ポリジメチルシロキサンを3.6重量部を添加し、THF980重量部に溶解し電荷輸送層用塗工液を作製した。前記の電荷発生層上に膜厚が28μmとなるように浸漬塗工法にて成膜、130℃で1時間乾燥を行い、感光体を作製した。
【0065】
作製した感光体について、以下の項目について評価を行った。
<膜物性測定>
表面皮膜物性試験をフィッシャー・インストルメンツ社製のフィッシャースコープH−100を用いておこない、クリープ値(CIT)ならびにビッカース硬さを求めた。この時の測定条件は、25℃、50%の環境下のもとで、最大押し込み荷重30mN/10秒、荷重保持時間:5秒、除荷時間:10秒とした。
【0066】
<実写耐刷試験>
感光体の耐久性能については、シャープ社製文字テストチャートを使用し各サンプルについて10万枚づつの耐刷試験を行い(N/N(25℃、50%RH))、評価機には、シャープ社製AR−450を接触帯電機を有し、クリーニングブレードを持たないプロセスに改造したものを使用した。また、トナーは、AR−450用純正トナーを使用した。耐久初期と10万枚耐刷後の膜厚を光干渉法による瞬間マルチ測光システムMCPD−1100(大塚電子社製)を用いて測定し、感光体の回転時間あたりの膜べり量を算出し評価した。耐刷試験後の感光体の画質の低下レベルを調査するため、ハーフトーン画像における濃度ムラ、初期画像と耐刷終了時の画像濃度の変化、その他画像欠陥について評価した。
評価結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
Figure 0004033813
【0068】
本実施例の感光体、すなわちCITの値が、2.9(%)以上であり、かつビッカース硬さが29以上の範囲に含まれる膜物性値を示す感光体においては、膜べり量が非常に少なく10万枚耐刷試験後のハーフトーン画像においても顕著な濃度ムラ等は観測されなかった。特に、上記表1中例示化合物No.1(式4)を電荷輸送物質(化合物4)として用いた実施例2においては、HV値が大きくなり、膜べり量が非常に少ないことがわかった。他方、比較例1においては、HVが大きいので優れた膜べり性を示したが、CIT値が2.9(%)以下である為、帯電器と感光体膜の間にかみ込んだ異物に起因すると思われる画像上の濃度ムラが観測された。
【0069】
比較例2に示す感光体においては、HVが小さく、膜強度が不足した為、膜べり量が大きい結果となった。
比較例3では、HV、CIT値ともに請求範囲外の値を示す感光体であったため、膜強度不足により膜減り量も大きく、また帯電器と感光体膜の間にかみ込んだ異物に起因すると思われる画像上の濃度ムラが観測された。
【0070】
参考例1では、膜べり、濃度ムラともに問題ない結果が得られた。しかしながら、長時間使用においては、アルマイト処理を施した導電性支持体の代わりに、通常の下引き層を設けた為、耐圧電性が低下し、耐刷試験終了時に感光膜の絶縁破壊による黒斑が見られた。
【0071】
参考例2では、ポリジメチルシロキサンを含有していない為、電子写真感光体表面のすべり性が悪く、膜べり、濃度ムラを改善を十分にできない場合がある。
【0072】
参考例3は膜べり、濃度ムラともに問題ない結果であった。但し、繰り返し使用によって黒ベタ電位の上昇するものが見られた。その結果満足な画像濃度を得られないものがあり若干不安定であった。
【0073】
(参考例4)
実施例1の感光体を用いて、クリーナーを有するプロセスで耐刷試験を行い、同様の画像評価を行った。その結果、長期間の使用において、クリーナー部材12の圧接に対する影響が出てくるのが見られた。
【0074】
以上、本発明によれば、電子写真用感光体のクリープ値(CIT)およびビッカース硬さ(HV)を制御し作成することによって、接触帯電式の電子写真プロセスにおける感光体のくり返し使用に対する膜べり量を軽減し、長期使用においても、画像上のキズあるいは濃度ムラのない画像形成方法あるいは装置を提供する事ができる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る電子写真プロセスにおける接触帯電方式の電子写真感光体では、表面皮膜硬度試験(25℃/25%)における押し込み最大荷重30mNの試験条件下で、クリープ(CIT)の値が2.9%以上で、かつ、ビッカース硬度(HV)の値が29以上である表面を有するので、感光体皮膜の特性を規定、制御することにより、長期使用においても表面のキズ、濃度ムラがなく、耐磨耗性に優れており、このような電子写真感光体を用いた画像形成装置は優れた耐久性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に従うデジタル複写機の例を示す模式的断面図である。
【図2】本発明で用いる表面皮膜物性試験の説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に従う積層機能分離型感光体の例を示す模式的断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に従う単層型感光体の例を示す模式的断面図である。
【図5】図5は、ビッカース硬さHVと塑性変形硬さHupとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体
2 電荷発生物質
3 電荷発生層
4 電荷輸送物質
5 電荷輸送層
6 アルマイト層
7 結着樹脂
11 帯電部材
12 クリーニング部材
20、21 感光層
30 デジタル複写機本体
31 スキャナ部
32 レーザー記録部
35 原稿載置台
36 自動原稿送り装置
40 スキャナユニット
40a 第1走査ユニット
40b 第2走査ユニット
41 ランプリフレクターアセンブリ
42a 第1反射ミラー
42b 第2反射ミラー
42c 第3反射ミラー
44 CCD素子
46 レーザー書きこみユニット
49 定着器
51、52、53 カセット給紙装置
54 手差し給紙装置
57 排紙ローラ

Claims (4)

  1. 電子写真プロセスがクリーナーレスプロセスである、接触帯電方式の電子写真感光体を具備した画像形成装置において、電子写真感光体は、表面皮膜硬度試験(25℃/25%)における押し込み最大荷重30mNの試験条件下で、クリープ(CIT)の値が2.9%以上、3.1%以下で、かつ、ビッカース硬度(HV)の値が29以上、32.4以下である表面を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記電子写真感光体の導電性支持体がアルマイト処理されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記電子写真感光体は電荷発生層と電荷輸送層とが積層され、該電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質が下記一般式(1)で示される化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
    Figure 0004033813
    (式中、Arは置換基を含んでもよいアリール基、置換基を含んでもよい複素環基を示し、Rは置換基を含んでも良い炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜5のチオアルコキシ基を示し、nは、2〜4の整数を示す。)
  4. 前記電子写真感光体は電荷発生層と電荷輸送層とが積層され、前記電荷輸送層が結着樹脂を含み、該結着樹脂に対してポリジメチルシロキサンを0.025〜1.5質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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