JP2007256688A - 導電性ロールおよび導電性ロールの製造方法 - Google Patents

導電性ロールおよび導電性ロールの製造方法 Download PDF

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秀一 江川
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Abstract

【課題】セット画像が良好な導電性ロール、このロールを簡易に得ることが可能な製造方法を提供すること。
【解決手段】b=CIT/ηIT×Δで求められるロール表面のb値が0.6度以下である導電性ロールとする。但し、CIT[%]:ISO14577−1に準拠し、微小硬度計にて測定したロール表面の押込みクリープ、ηIT[%]:ISO14577−1に準拠し、微小硬度計にて測定したロール表面のWelast/Wtotalの比(Welastは、くぼみ弾性戻り変形仕事量[N・m]、Wtotalは、くぼみの全機械的仕事量[N・m])、Δ[度]:ロール表面のアスカーC硬度[度]と、ロール表面のMD−1硬度[度]との差の絶対値である。また、形成された導電性ロールのb値を算出し、b値が0.6度以下の導電性ロールを検査合格とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性ロールおよび導電性ロールの製造方法に関するものである。
近年、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器が広く使用されている。通常、これら電子写真機器の内部には、感光ドラムが組み込まれている。そして、感光ドラムの周囲には、帯電ロール、現像ロール、トナー供給ロール、転写ロールなど、各種の導電性ロールが配設されている。
最近、この種の電子写真機器では、例えば、帯電ロールのロール表面を感光ドラム表面に直接接触させることにより、感光ドラム表面を帯電させる接触帯電方式が採用されている。
また、例えば、感光ドラム表面にトナー像を形成する方法としては、接触現像方式が採用されている。すなわち、この現像方式では、現像ロールのロール表面に押し当てたブレードによりトナー層が形成される。そして、このトナー層を有するロール表面を感光ドラム表面に直接接触させることにより、感光ドラム表面にトナー像が形成される。
このように、導電性ロール、とりわけ、上記帯電ロールや現像ロールは、ロール表面に他部材が圧接されて使用されることが多い。この場合、ロール表面の圧接部に局所変形が生じるが、この局所変形に対する回復性が悪いと、圧接痕に対応する画像不具合が発生することがある(以下、これを「セット画像不良」ということがある。)。
上記セット画像不良は、特に、静止した導電性ロールの表面に他部材が長期間圧接されている場合などに顕著に発生しやすい。
例えば、特許文献1には、上記セット画像不良について言及されている。そして、この文献には、Z=We/(We+Wr)(但し、Weはロール表面のユニバーサル硬度を測定する際に、ロール表面の変形回復挙動から求められる表面の変形に関するエネルギーのうちの弾性エネルギーを表し、Wrはその塑性エネルギーを表す)の値が0.70以上である現像ロールが開示されている。
また、例えば、特許文献2には、上記圧接部における変形について言及されている。そして、この文献には、ロール表面のユニバーサル硬度を測定するに際し、100mN/mm定荷重測定条件でのロール表面の変形回復挙動から得られる60秒クリープ値が10.0μm以下である現像ロールが開示されている。
特開2002−40800号公報 特開2002−40801号公報
従来、上記セット画像の評価は、実際に、各種導電性ロールのロール表面に長期間荷重を加えた後、画像出しを行い、その画像を評価することにより行ってきた。
しかしながら、セット画像の評価を正確に行うためには、通常1ヶ月以上必要であるため、評価に時間がかかっていた。また、このような評価を、生産時にその都度行っていては、導電性ロールの生産性も低下してしまう。
そのため、できるだけ短時間で測定することが可能な、導電性ロールの物性値に基づき、セット画像の良否を判別したいという要望があった。
これに関して、従来知られるように、ロール表面の変形回復挙動から求められるZ値またはクリープ値によりセット画像の良否を判別することも考えられるが、これだけでは、実際のセット画像との相関が十分ではなく、セット画像に優れた導電性ロールを得ることができないといった問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、セット画像が良好な導電性ロールを提供することにある。また、他の課題は、上記導電性ロールを簡易に得ることが可能な製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る導電性ロールは、以下の式(1)で求められるロール表面のb値が0.6度以下であることを要旨とする。
b=CIT/ηIT×Δ・・・式(1)
但し、
IT[%]:ISO14577−1に準拠し、微小硬度計にて測定したロール表面の押込みクリープ
ηIT[%]:ISO14577−1に準拠し、微小硬度計にて測定したロール表面のWelast/Wtotalの比(Welastは、くぼみの弾性戻り変形仕事量[N・m]、Wtotalは、くぼみの全機械的仕事量[N・m])
Δ[度]:ロール表面のアスカーC硬度[度]と、ロール表面のMD−1硬度[度]との差の絶対値
一方、本発明に係る導電性ロールの製造方法は、形成された導電性ロールにつき、上記と同じ式(1)で求められるロール表面のb値を算出し、このb値が0.6度以下である導電性ロールを検査合格とする工程を有することを要旨とする。
本発明に係る導電性ロールは、上記(1)式で規定されるb値が0.6度以下である。上記b値は、比較的短時間で測定可能なロール表面の物性値により規定されており、セット画像との相関も高い。そして、そのb値が0.6度以下であるときには、セット画像が良好である。そのため、本発明に係る導電性ロールは、ロール表面に他部材が長期間圧接される環境下で使用されても、画像不具合が生じにくい。
一方、本発明に係る導電性ロールの製造方法は、形成された導電性ロールにつき、上記(1)式で求められるロール表面のb値を算出し、このb値が0.6度以下である導電性ロールを検査合格とする工程を有している。
そのため、本発明に係る導電性ロールの製造方法によれば、従来のように、長期間かけてセット画像の評価を行わなくても、形成された導電性ロールのうち、セット画像が良好なものを簡易に選別することができる。また、上記b値は、比較的短期間で求めることができるので、その分、生産性も向上する。
以下、本実施形態に係る導電性ロール(以下、「本ロール」ということがある。)、本実施形態に係る導電性ロールの製造方法(以下、「本製造方法」ということがある。)について詳細に説明する。
1.本ロール
本ロールは、ロール表面のb値が0.6度以下である。
本ロールにおいて、上記ロール表面とは、本ロールの最表面のことである。
本ロールのロール構成は、特に限定されるわけではないが、具体的には、例えば、導電性シャフトの外周に1層または2層以上の導電性弾性層を有する構成や、さらに、この導電性弾性層の外周に、1層または2層以上の被覆層(例えば、被膜状など)を有する構成などを例示することができる。
したがって、例えば、本ロールが前者のロール構成を有する場合、ロール最外周に位置する導電性弾性層の表面が、本ロールのロール表面に該当することになる。また、本ロールが後者のロール構成を有する場合、ロール最外周に位置する被覆層の表面が、本ロールのロール表面に該当することになる。
ここで、上記b値は、以下の式(1)より算出される値である。
b=CIT/ηIT×Δ・・・(1)
上記式(1)中、CIT[%]は、ISO14577−1に準拠し、微小硬度計にて測定したロール表面の押込みクリープのことである。また、ηIT[%]は、ISO14577−1に準拠し、微小硬度計にて測定したロール表面のWelast/Wtotalの比のことである。以下、これらCIT、ηITつき、詳細に説明する。
これらCIT、ηITを測定するにあたり、用いる微小硬度計としては、具体的には、例えば、フィッシャー社製微小硬度計HS100などを例示することができる。
上記微小硬度計は、通常、四角錘または三角錐形状の圧子を、試験荷重を増加させながら被測定物の極表面に押し込み、規定の荷重に達した後の荷重・くぼみ深さから硬度を測定するものである。
この微小硬度計による硬度測定時には、荷重と圧子のくぼみ深さを連続的に監視することにより、被測定物極表面の硬度以外にも、他の材料パラメータをいくつか得ることができる。本願では、これら材料パラメータのうち、CIT、ηITを採用しているのである。
先ず、CITについて説明する。微小硬度計を用いて、試験荷重を一定にして、ロール表面に圧子を押し込み、くぼみ深さを測定すると、次の式より、くぼみ深さの相対的変化を求めることができる。これが、ロール表面の押し込みクリープCITである。
IT[%]=(h2−h1)/h1×100
但し、h1:設定試験荷重に達した時(t1)のくぼみ深さ
h2:設定試験荷重を保持している時(t2)のくぼみ深さ
次に、ηITについて説明する。微小硬度計を用いて、試験荷重を一定にして、ロール表面に圧子を押し込むと、押し込み仕事中に示されるくぼみの全機械的仕事量Wtotalは、くぼみの塑性変形仕事量Wplastとしてごく一部だけ消費される。試験荷重の除荷時に、残りの部分は、くぼみの弾性戻り変形仕事Welastとして開放される。この機械的仕事をW=∫Fdhと定義とすると、その関係は以下の通りである。
ηIT[%]=Welast/Wtotal
但し、Wtotal=Welast+Wplast
本ロールのCIT、ηITを求めるには、微小硬度計による押し込み荷重を設定する必要がある。具体的には、微小硬度計による押し込み荷重は、微小硬度計の圧子によるくぼみ深さが本ロールに圧接される圧接部材(感光ドラム、トナー層形成ブレードなど)による押し込み深さの最大値以上となる荷重に設定することになる。
より具体的には、例えば、本ロールに圧接される感光ドラムによる押し込み深さの最大値が40μmであれば、微小硬度計の最大押し込み荷重は、圧子によるくぼみ深さが40μm以上となる荷重に設定すれば良い。
上記CIT、ηITの測定条件としては、具体的には、例えば、下記の測定条件を例示することができる。なお、これらCIT、ηITは、本ロールのロール面長の中央において、周方向に等間隔で3箇所につき測定した値の平均値を採用する。また、測定温度は、25℃である。
<測定条件例>
圧子:対面角度136°の四角錘型ダイヤモンド圧子
初期荷重:0mN
押込み最大荷重:1〜40mN(定荷重)
最大荷重到達時間:0.25〜10sec
最大荷重保持時間:30sec
抜重時間:0.25〜10sec
また、上記式(1)中、Δ[度]は、本ロールのロール表面におけるアスカーC硬度[度]と、MD−1硬度[度]との差の絶対値である。
ここで、アスカーC硬度は、SRIS(日本ゴム協会標準規格)0101に規定されたアスカーC型硬度計にて測定することができる。このようなアスカーC硬度計は、具体的には、例えば、高分子計器(株)製のものを例示することができる。一方、MD−1硬度は、高分子計器(株)製のマイクロゴム硬度計MD−1型にて測定することができる。
なお、これらアスカーC硬度、MD−1硬度も、上記CIT、ηITと同様に、本ロールのロール面長の中央において、周方向に等間隔で3箇所につき測定した値の平均値を採用する。また、測定温度は、25℃である。
本ロールは、上記のようにして算出されるロール表面のb値が0.6度以下となっておれば、基本的には、上記ロール構成、各ロール材料、各層の厚みなどについては、特に限定されるものではない。
上記導電性シャフトとしては、具体的には、例えば、金属製の中実体よりなる芯金、内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体、これらにめっきが施されたものなどを例示することができる。
また、上記導電性弾性層の形成材料としては、具体的には、例えば、下記の主材料に、導電剤(電子導電剤および/またはイオン導電剤)を含有するものなどを例示することができる。
すなわち、その主材料としては、具体的には、例えば、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、天然ゴム(NR)などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。とりわけ、低硬度で耐へたり性が良好であるなどの観点から、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリルゴム、ウレタンゴムなどを好適なものとして例示することができる。
上記導電剤の含有量は、通常、上記導電性弾性層の体積抵抗率が、好ましくは1×10〜1×10Ω・cm、より好ましくは1×10〜1×10Ω・cmの範囲内となるように適宜調整すれば良い。
上記導電性弾性層の形成材料は、導電剤以外にも、必要に応じて、充填剤、補強剤、加硫剤、加硫促進剤、シリコーンオイル、滑剤、助剤などの各種添加剤を1種または2種以上適宜含有していても良い。
上記導電性弾性層の厚みとしては、通常、好ましくは1〜5mm、より好ましくは2〜4mmの範囲内となるように適宜調整すれば良い。
また、上記被覆層の形成材料としては、具体的には、例えば、下記の主材料に、導電剤(電子導電剤および/またはイオン導電剤)を含有するものなどを例示することができる。
すなわち、その主材料としては、具体的には、例えば、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ブチラール樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素ゴム、フッ素樹脂、フッ素ゴムとフッ素樹脂との混合物、シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、ニトリルゴム、ウレタンゴム、これらを架橋した樹脂などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。とりわけ、耐摩耗性に優れるなどの観点から、架橋ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂などを好適に用いることができる。
上記導電剤の含有量は、通常、上記被覆層の体積抵抗率が、好ましくは1×10〜1×10Ω・cm、より好ましくは1×10〜1×10Ω・cmの範囲内となるように適宜調整すれば良い。
上記被覆層の形成材料は、導電剤以外にも、必要に応じて、粗さ形成剤、可塑剤、レベリング剤などの各種添加剤を1種または2種以上適宜含有していても良い。
上記被覆層の厚みとしては、通常、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜50μmの範囲内となるように適宜調整すれば良い。
本ロールは、具体的には、例えば、帯電ロール、現像ロール、トナー供給ロール、転写ロールなどの用途に用いることができる。好ましくは、ロール表面に他部材が圧接されて使用される機会の多い、現像ロール、帯電ロールなどとして好適に用いることができる。
2.本製造方法
本製造方法は、形成された導電性ロールにつき、そのロール表面のb値を算出し、このb値が0.6度以下である導電性ロールを検査合格とする工程を有している。
本製造方法において、導電性ロールの形成方法としては、次のような形成方法を例示することができる。
例えば、導電性シャフトの外周に1層または2層以上の導電性弾性層を有する導電性ロールを形成する場合、接着剤、プライマーなどを任意に塗布した導電性シャフトの表面に、上記導電性弾性層材料を押出成形する方法、同導電性シャフトをロール成形金型の中空部に同軸的に設置し、上記導電性弾性層材料を注入して、加熱・硬化させた後、脱型する方法などを例示することができる。なお、導電性弾性層を2層以上形成する場合には、上記方法に準じた操作を繰り返し行えば良い。
また、例えば、導電性弾性層の外周に、さらに、1層または2層以上の被覆層を有する導電性ロールを形成する場合、上記方法にて導電性弾性層を形成した後、導電性弾性層の外周に、上記被覆層形成材料を有機溶剤(MEK:メチルエチルケトン、MIBK:メチルイソブチルケトンなど)により適当な濃度に希釈した塗液を、ロールコーティング法、ディッピング法、スプレーコート法などにより塗工し、乾燥(硬化)させて被覆層を形成する方法などを例示することができる。なお、被覆層を2層以上形成する場合には、上記方法に準じた操作を繰り返し行えば良い。
本製造方法では、上記のようにして得られた導電性ロールにつき、ロール表面のb値を算出する。なお、ロール表面のb値を算出する方法は、「1.本ロール」の項にて詳述しているので、説明は割愛する。
本製造方法では、上記b値が0.6度以下である導電性ロールを検査合格とする。すなわち、b値が0.6度以下である導電性ロールと、b値が0.6度を越える導電性ロールとを選別し、前者を検査合格とする。これにより、本ロールを得ることができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
1.実施例および比較例に係る現像ロールの作製
(実施例1)
下記に示すように、導電性シャフト、導電性弾性層材料、被覆層材料を準備した。そしてこれらを用い、導電性シャフトの外周に導電性弾性層を1層、塗膜よりなる被覆層を1層、この順に積層した現像ロールを作製した。
<導電性シャフト>
外径6mm、長さ250mmの鉄製で、表面にNiめっきが施されている中実円柱状の導電性シャフトを準備した。
<導電性弾性層材料>
導電性シリコーンゴム(信越化学工業(株)製、「X34−270A/B」)をスタティックミキサにて混合し、導電性弾性層材料を調製した。
<被覆層材料>
架橋系ウレタン樹脂1(三菱化学(株)製、「PTMG1000」を100重量部、日本ポリウレタン(株)製、「ミリオネートMT」を50重量部)と、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS−100」)20重量部とを、ボールミルにより混練した後、MEK400重量部を加えて混合、攪拌することにより、被覆層材料を調製した。
<現像ロールの作製>
その内部に導電性シャフトを同軸にセットした円筒状金型内に、上記導電性弾性層材料を注入し、190℃で30分間加熱した後、冷却、脱型した。これにより、導電性シャフトの外周に導電性弾性層(厚み3mm、ロール面長240mm)を1層有するロール体を作製した。
次いで、このロール体の外周に、上記被覆層材料を、ロールコーティング法により塗工した後、乾燥(硬化)させ、被覆層(厚み15μm)を1層形成した。
以上のようにして、実施例1に係る現像ロールを作製した。
(実施例2)
上記実施例1に係る現像ロールの作製において、被覆層材料を調製する際に、上記架橋系ウレタン樹脂1に代えて、架橋系ウレタン樹脂2(三菱化学(株)製、「PTMG3000」を100重量部、日本ポリウレタン(株)製、「ミリオネートMT」を35重量部)を用いた点以外は同様にして、実施例2に係る現像ロールを作製した。
(比較例1)
上記実施例1に係る現像ロールの作製において、被覆層材料を調製する際に、上記架橋系ウレタン樹脂1に代えて、ウレタン樹脂1(日本ポリウレタン(株)製、「ニッポラン5199」)100重量部を用いた点、上記カーボンブラックの配合量を30重量部とした点以外は同様にして、比較例1に係る現像ロールを作製した。
(比較例2)
上記実施例1に係る現像ロールの作製において、被覆層材料を調製する際に、上記架橋系ウレタン樹脂1に代えて、上記ウレタン樹脂1を100重量部用いた点、上記カーボンブラックの配合量を5重量部とした点以外は同様にして、比較例2に係る現像ロールを作製した。
(比較例3)
上記実施例1に係る現像ロールの作製において、導電性弾性層材料を調製する際に、上記導電性シリコーンゴムに代えて、EPDM(住友化学(株)製、「エスプレン601」)100重量部とカーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS−100」)20重量部とをニーダーにて混練したものを用いた点、これを導電性シャフト表面に押出成形した点、被覆層材料を調製する際に、上記架橋系ウレタン樹脂1に代えて上記ウレタン樹脂1を100重量部用いた点以外は同様にして、比較例3に係る現像ロールを作製した。
(比較例4)
上記実施例1に係る現像ロールの作製において、導電性弾性層材料を調製する際に、上記導電性シリコーンゴム代えて、上記EPDMを用いた点、被覆層材料を調製する際に、上記架橋系ウレタン樹脂1に代えて上記架橋系ウレタン樹脂2を135重量部用いた点以外は同様にして、比較例4に係る現像ロールを作製した。
2.各現像ロールのロール表面の物性値測定
次に、作製した各現像ロールにつき、ロール表面の物性値として、CIT、ηIT、アスカーC硬度、MD−1硬度を以下の手順により測定した。
なお、これらCIT、ηIT、アスカーC硬度およびMD−1硬度は、それぞれ、ロール面長の中央において、周方向に等間隔で3箇所につき測定した値の平均値である。また、測定温度は、何れも25℃である。
2.1 CITおよびηITの測定
ISO14577−1に準拠し、微小硬度計(Fischer社製、「マイクロスコープHS100」)を用いて、下記の測定条件にて、各現像ロールのロール表面の押込みクリープCIT[%]およびηIT[%]を測定した。なお、下記押し込み最大荷重は、圧子によるくぼみ深さが、後述するカートリッジに各現像ロールを組み込んだときにおける感光ドラム、ブレードそれぞれの押込み深さの最大値となるときの荷重に設定した。
<測定条件>
圧子:対面角度136°の四角垂型ダイヤモンド圧子
初期荷重:0mN
押込み最大荷重:20mN(定荷重)
最大荷重到達時間:5sec
最大荷重保持時間:30sec
抜重時間:5sec
2.2 アスカーC硬度の測定
SRIS(日本ゴム協会標準規格)0101に準拠し、アスカーC型硬度計(高分子計器(株)製)を用いて、各現像ロールのロール表面のアスカーC硬度を測定した。なお、アスカーC硬度の測定は、ロール表面にアスカーC硬度計の押針を当接し、定圧荷重(9.8N)を負荷することにより行った。
2.3 MD−1硬度の測定
MD−1硬度計(高分子計器(株)製、「マイクロゴム硬度計MD−1型」)を用いて、各現像ロールのロール表面のMD−1硬度を測定した。なお、MD−1硬度の測定は、次のようにして行った。
すなわち、MD−1硬度計は、原理的には、JIS K6253に記載のタイプAデュロメータに準じたものであり、押針をスプリングの力で試料の表面に押しつけて変形を与え、試料の抵抗力とスプリングの力とがバランスした状態での押針の押し込み深さを基にして測定することができるものである。
より詳細には、上記押針の径は0.16mmであり、非測定時、つまり、押針の変位が0mmの状態での加圧面からの突き出し量を0.5mmとし、押針はスプリングにより22mNの力で押されている。このときのMD−1硬度を0度とする。そして、押針の押し込み深さが0mm(変位0.5mm)のとき、スプリングにより押針は330mNの力で押されている。この時のMD−1硬度を100度としてこの間を等間隔で目盛り、MD−1硬度の測定スケールとする。加圧面は外径4mmで、中心に押針を通す直径1.5mmの孔が設けてある。
以上のような硬度計により、ロール表面に押針を押し当て、上記バランスした状態での値を読み取り、MD−1硬度とした。なお、MD−1硬度d(度)と押針先端荷重F(mN)との関係は、F=22+3.1dである。
3.b値の算出
2.にて測定した各現像ロールのロール表面の物性値から、b値(CIT/ηIT×Δ)を算出した。
4.セット画像評価
上記各現像ロールにつき、実際に、従来行ってきたセット画像評価を行った。なお、このセット画像評価は、上記b値との相関を確認するために行ったものである。
すなわち、各現像ロールをそれぞれ、カートリッジに組み込んだ。これにより、各現像ロールは、感光ドラムと、トナー層形成用のブレードとに圧接される。その後、この状態のまま、室温にて30日間放置した。
上記放置後、各カートリッジを市販のカラーレーザープリンター(キャノン(株)製、「レーザーショット LBP−2510」)に組み込み、20℃×50%RHの環境下で、黒べたおよびハーフトーン(濃度違いで2種)の計3種類の画像出しを連続で2回行った。
次いで、各現像ロールによる3種類の画像につき、圧接部位(感光ドラム、ブレード)毎に、以下の評価基準に基いて、セット画像評価を行った。
<評価基準>
・明確で白抜けしたスジが現像ロール周期で確認できる(5)
・明確なスジが現像ロール周期で確認できる(4)
・現像ロール周期でスジが確認できるが明確でない(3)
・不明確で周期的ではないが、部分的にスジがある(2)
・不明確で周期的でなく、部分的にスジが確認できるが、2回目の画像にはスジが確認できない(1)
・スジは確認できない(0)
なお、( )内は、上記評価を数値化したものである。
次いで、各現像ロールによる3種類の画像の評価数値の平均値を求め、これをセット画像評価の評価ポイントとして採用した。なお、このセット画像評価ポイントは、その値が小さいほど、セット画像が良好であることを示している。
表1に、各現像ロールのロール表面の物性値、b値、セット画像評価の結果をまとめて示す。また、図1に、b値とセット画像評価ポイントとの関係を示す。
Figure 2007256688
表1、図1から、次のことが分かる。すなわち、b値と、実際のセット画像評価(ポイント)とは、良好な相関(1次近似)を有していることが分かる(図1参照)。そして、そのb値が0.6度以下である実施例に係る現像ロールは、セット画像が良好であることが分かる。そのため、実施例に係る現像ロールによれば、ロール表面に他部材が長期間圧接される環境下で使用されても、画像不具合が生じにくいと言える。
また、上記b値は、比較的短時間で測定可能なロール表面の物性値により求めることができる。したがって、従来のように、長期間かけてセット画像の評価を行わなくても、形成された導電性ロールのうち、セット画像が良好なものを簡易に選別できることが分かる。また、それにより生産性も向上させることが可能になる。
以上、本発明の実施形態、実施例について説明したが、本発明は上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
b値とセット画像評価ポイントとの関係を示した図である。

Claims (2)

  1. 以下の式(1)で求められるロール表面のb値が0.6度以下であることを特徴とする導電性ロール。
    b=CIT/ηIT×Δ・・・式(1)
    但し、
    IT[%]:ISO14577−1に準拠し、微小硬度計にて測定したロール表面の押込みクリープ
    ηIT[%]:ISO14577−1に準拠し、微小硬度計にて測定したロール表面のWelast/Wtotalの比(Welastは、くぼみの弾性戻り変形仕事量[N・m]、Wtotalは、くぼみの全機械的仕事量[N・m])
    Δ[度]:ロール表面のアスカーC硬度[度]と、ロール表面のMD−1硬度[度]との差の絶対値
  2. 形成された導電性ロールにつき、以下の式(1)で求められるロール表面のb値を算出し、前記b値が0.6度以下である導電性ロールを検査合格とする工程を有することを特徴とする導電性ロールの製造方法。
    b=CIT/ηIT×Δ・・・式(1)
    但し、
    IT[%]:ISO14577−1に準拠し、微小硬度計にて測定したロール表面の押込みクリープ
    ηIT[%]:ISO14577−1に準拠し、微小硬度計にて測定したロール表面のWelast/Wtotalの比(Welastは、くぼみの弾性戻り変形仕事量[N・m]、Wtotalは、くぼみの全機械的仕事量[N・m])
    Δ[度]:ロール表面のアスカーC硬度[度]と、ロール表面のMD−1硬度[度]との差の絶対値
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