JP5474708B2 - 電子写真機器用現像ロール - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真機器用現像ロールに関するものである。
近年、電子写真方式を採用する複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真機器が広く使用されている。これら電子写真機器では、一般に、感光ドラム等の潜像担持体に潜像を形成し、この潜像にトナーを付着させて現像してトナー像として可視化する。そして、このトナー像を用紙等の記録媒体に転写することで画像が形成される。
このような電子写真機器において、潜像を現像する現像部材としては、従来、現像ロールが広く用いられている。現像ロールを用いた代表的な現像方法としては、例えば、以下の方法が公知である。すなわち、現像ロール表面にトナー層形成用ブレードを押しつけ、ロール表面との摩擦によりトナーを帯電させる。帯電されたトナーは、現像ロールの回転によって潜像担持体の表面に対向する位置まで搬送され、潜像担持体上の潜像を現像する。現像方式は、一般に、潜像担持体と現像ロールとが接触する接触型と、潜像担持体と現像ロールとが接触しない非接触型とに大別される。
上記現像ロールの構成としては、軸体の外周面にゴム等からなる弾性層、弾性層の外周面に表面層が形成されたものが知られている。例えば、特許文献1には、トナーを担持させる表面層を備えた現像ロールにおいて、表面層に、ガラス転移温度が15℃以下のアクリル樹脂が含有されてなる現像ロールが開示されている。
また、特許文献2には、芯軸の周囲に弾性層、弾性層の外周に表面層を有する現像ロールにおいて、表面層を、ガラス転移温度が40℃以上のポリエステル樹脂、ガラス転移温度が10℃以下のポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物より形成する技術が開示されている。
特開2002−296899号公報 特開2001−109254号公報
上述した現像ロールは、使用環境においてその性能を十分に発揮できることが重要である。しかしながら、従来、低温低湿(例えば10℃で相対湿度10%等)から高温高湿(例えば32.5℃で相対湿度85%等)までの使用環境に亘って性能を十分に発揮させることは難易度が高かった。そのため、低温低湿または高温高湿のいずれか一方の環境を優先し、現像ロールの荷電量をチューニングせざるを得なかった。その結果、以下のような問題が発生していた。
すなわち、低温低湿側での性能を優先し、画像ボソツキ抑制のために荷電量を落としたチューニングを施すと、高温高湿側で荷電量が不足し、ベタカスレ等の画像不具合が発生しやすくなるといった問題があった。
一方、高温高湿側での性能を優先し、ベタかすれ等の画像不具合を回避するために荷電量を上げたチューニングを施すと、低温低湿側で過帯電による画像ボソツキ等の画像不具合が発生しやすくなるといった問題があった。
このように、従来の現像ロールは、両使用環境において性能を満足させることが難しく、どちらかの環境を割り切ってチューニングを施し、使用せざるを得なかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、低温低湿から高温高湿までの使用環境に亘って、トナー荷電性能の変動を抑制することが可能な電子写真機器用現像ロールを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る電子写真機器用現像ロールは、ロール最外周に樹脂組成物より形成された表面層を有し、上記樹脂組成物は、ガラス転移温度Tgが−20℃以下の熱可塑性ウレタン系樹脂と、ガラス転移温度Tgが60℃以上の熱可塑性ウレタン系樹脂とを含有し、上記樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’は、以下の(1)および(2)の条件を満たすことを要旨とする。
(1)5.0×10(Pa)≦10℃における引張貯蔵弾性率E’(10)≦1.0×10(Pa)
(2)5.0×10(Pa)≦50℃における引張貯蔵弾性率E’(50)≦1.0×10(Pa)
上記電子写真機器用現像ロールは、さらに、以下の(3)の条件を満たすことが好ましい。
(3)│logE’(10)−logE’(50)│≦0.5
本発明に係る電子写真機器用現像ロールは、ロール最外周に樹脂組成物より形成された表面層を有し、上記樹脂組成物が、ガラス転移温度Tgが−20℃以下の熱可塑性ウレタン系樹脂と、ガラス転移温度Tgが60℃以上の熱可塑性ウレタン系樹脂とを含有し、上記樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’は、(1)5.0×10(Pa)≦10℃における引張貯蔵弾性率E’(10)≦1.0×10(Pa)、(2)5.0×10(Pa)≦50℃における引張貯蔵弾性率E’(50)≦1.0×10(Pa)を満たす。
そのため、低温低湿から高温高湿までの使用環境に亘って、トナー荷電性能の変動を抑制することができる。それ故、両使用環境において優れた画像形成を行うことができる。トナー荷電性能の変動を抑制することができるのは以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、電子写真機器に現像ロールが組み込まれた場合に想定される低温(冬場の冷えた室内に機器を設置することを想定した温度10℃)よりも低いガラス転移温度を有する熱可塑性ウレタン系樹脂と、電子写真機器に現像ロールが組み込まれた場合に想定される高温(夏場の使用時における機器内部の温度50℃)よりも高いガラス転移温度を有する熱可塑性ウレタン系樹脂とを併用して表面層を形成するための樹脂組成物を構成したことにより、低温低湿から高温高湿までの使用環境において、樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’の変動が抑制されるとともに、樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’を特定の範囲に設定したことも相俟って、表面層の環境依存性が低減され、低温低湿から高温高湿までの使用環境に亘ってトナー荷電性能の変動を抑制することが可能になったものと考えられる。
ここで、表面層を形成する樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’が(3)│logE’(10)−logE’(50)│≦0.5の条件を満たす場合には、使用環境における樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’の変動をより一層抑えることが可能となり、トナー荷電性能の変動を一層抑制しやすくなる。また、長期に亘ってその性能を維持しやすく、耐久性も向上する。
本実施形態に係る現像ロールの一例を模式的に示した周方向断面図である。 表面層を形成する樹脂組成物に含まれるガラス転移温度Tgが−20℃以下の熱可塑性ウレタン系樹脂A、ガラス転移温度Tgが60℃以上の熱可塑性ウレタン系樹脂Bの温度T(℃)と引張貯蔵弾性率E’(Pa)との関係を模式的に示した図である。 表面層を形成する樹脂組成物Cの温度T(℃)と引張貯蔵弾性率E’(Pa)との関係を模式的に示した図である。 実施例1および比較例1に係る現像ロールの各表面層を形成する各樹脂組成物の温度と引張貯蔵弾性率E’の関係を示したものである。
以下、本実施形態に係る電子写真機器用現像ロール(以下、「本現像ロール」ということがある。)について説明する。
本現像ロールは、ロール最外周に表面層を有している。本現像ロールのロール構成としては、具体的には、軸体の外周に内層、表面層がこの順に積層された積層構造を例示することができる。内層は、1層から形成されていても良いし、2層以上から形成されていても良い。以下、図面を用いてより具体的に説明する。
図1は、本現像ロールの一例を模式的に示した周方向断面図である。図1に示す現像ロール10は、軸体12の外周に内層として弾性層14が形成され、この弾性層14の表面に接して表面層16が形成されている。図示はしないが、他にも、図1の弾性層14と表面層16との間に抵抗調整層等の中間層を内層として有していても良い。
ここで、上記表面層は、樹脂組成物より形成されている。この樹脂組成物は、ガラス転移温度Tgが−20℃以下の熱可塑性ウレタン系樹脂(以下、「Tg≦−20℃のウレタン系樹脂」という。)と、ガラス転移温度Tgが60℃以上の熱可塑性ウレタン系樹脂(以下、「Tg≧60℃のウレタン系樹脂」という。)とを含有している。
上記樹脂組成物は、Tg≦−20℃のウレタン系樹脂を1種または2種以上含有していても良い。また、Tg≧60℃のウレタン系樹脂を1種または2種以上含有していても良い。好ましくは、混合性の良さ、コスト等の観点から、Tg≦−20℃のウレタン系樹脂を1種、Tg≧60℃のウレタン系樹脂を1種含有していると良い。
なお、ガラス転移温度Tgは、JIS K7121「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠して測定される値である。
また、上記樹脂組成物は、その引張貯蔵弾性率E’が、以下の(1)および(2)の条件を満たしている。
(1)5.0×10(Pa)≦10℃における引張貯蔵弾性率E’(10)≦1.0×10(Pa)
(2)5.0×10(Pa)≦50℃における引張貯蔵弾性率E’(50)≦1.0×10(Pa)
なお、上記樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’は、JIS K7244−4「プラスチック―動的機械特性の試験方法―第4部:引張振動―非共振法」に準拠して測定される値である。
上記樹脂組成物のE’(0)、E’(50)は、Tg≦−20℃のウレタン系樹脂とTg≧60℃のウレタン系樹脂の混合割合を変化させることにより所定範囲内に調整することができる。
上記樹脂組成物において、10℃における引張貯蔵弾性率E’を規定したのは、冬場の冷えた室内に電子写真機器を設置することを想定したときに想定される低温約10℃を考慮したためである。一方、50℃における引張貯蔵弾性率E’を規定したのは、夏場の使用時における電子写真機器内部の高温約50℃を考慮したためである。つまり、本現像ロールは、10℃〜50℃の温度範囲内で、表面層を形成する樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’の温度依存性をできる限り小さくする設計を行ったものである。そして樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’の温度依存性を小さくするために、樹脂組成物を構成する樹脂として、Tg≦−20℃のウレタン系樹脂、Tg≧60℃のウレタン系樹脂を選択している。
図2は、Tg≦−20℃のウレタン系樹脂A、Tg≧60℃のウレタン系樹脂Bの温度T(℃)と引張貯蔵弾性率E’(Pa)との関係を模式的に示した図である。図2に示すように、Tg≦−20℃のウレタン系樹脂Aは、10℃〜50℃の温度領域において、引張貯蔵弾性率E’が右下がりの傾向を示す。一方、Tg≧60℃のウレタン系樹脂Bは、10℃〜50℃の温度領域において、引張貯蔵弾性率E’がウレタン系樹脂Aの引張貯蔵弾性率E’よりも大きく、かつ、右下がりの傾向を示す。したがって、Tg≦−20℃のウレタン系樹脂とTg≧60℃のウレタン系樹脂との混合割合を適宜調整することにより、図3に示すように、樹脂組成物Cの引張貯蔵弾性率E’の傾きをフラットに近づけることが可能となり、これにより温度依存性が小さくなる。なお、図3中、Dは、例えば、1種類の熱可塑性ウレタン系樹脂により樹脂組成物を構成した場合の樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’の傾きを比較のために例示したものである。
本発明において、Tg≦−20℃としたのは、このようなTgを有するウレタン系樹脂Aを選択することにより、温度範囲10℃〜50℃における引張貯蔵弾性率E’の傾きおよび値が、樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’の調整に適するからである。同様に、Tg≧60℃としたのは、このようなTgを有するウレタン系樹脂Bを選択することにより、温度範囲10℃〜50℃における引張貯蔵弾性率E’の傾きおよび値が、樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’の調整に適するからである。
また、本現像ロールにおいて、樹脂組成物Cの引張貯蔵弾性率E’の値のうち、E’(10)、E’(50)の値が上述した(1)、(2)の条件を満たしていることが重要である。E’(10)、E’(50)の値が上述した条件(1)、(2)の条件の範囲外になると、ベタかすれや画像ボソツキ(ハーフトーンモヤ)といった画像不具合が発生しやすくなるからである。
上記E’(10)は、画像ボソツキの抑制効果がさらに向上する等の観点から、好ましくは、5.0×10〜5.0×10(Pa)の範囲内にあると良い。一方、上記E’(50)は、ベタかすれの抑制効果がさらに向上する等の観点から、好ましくは、1.0×10〜1.0×10(Pa)の範囲内にあると良い。
また、上記樹脂組成物は、さらに、以下の(3)の条件を満たしていることが好ましい。
(3)│logE’(10)−logE’(50)│≦0.5
温度範囲10℃〜50℃における樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’の変動をより一層抑えることが可能となり、トナー荷電性能の変動を一層抑制しやすくなるし、また、長期に亘ってその性能を維持しやすく、耐久性も向上するからである。
上記│logE’(10)−logE’(50)│は、好ましくは、0.4以下、より好ましくは、0.3以下であると良い。
以下、本現像ロールの具体的な構成材料等について詳細に説明する。
本現像ロールにおいて、軸体は、導電性を有するものであれば、何れのものでも使用し得る。具体的には、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の中実体、中空体からなる芯金などを例示することができる。また、必要に応じて、軸体の表面には、接着剤、プライマーなどを塗布してもよい。上記接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行っても良い。
本現像ロールにおいて、弾性層を形成する主材料としては、ゴム弾性材料を好適に用いることができる。ゴム弾性材料としては、具体的には、例えば、ポリウレタン系エラストマー、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
上記ゴム弾性材料としては、低硬度で、へたりが少ないなどの観点から、シリコーンゴムなどが好ましい。
上記弾性層を形成する主材料には、必要に応じて、導電剤(カーボンブラックなどの電子導電剤、第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤)、発泡剤、軟化剤(オイル)、充填剤、加硫促進剤、活剤、助剤などの各種添加物が1種または2種以上添加されていても良い。
弾性層の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは、0.1〜10mm、より好ましくは、0.5〜5mmの範囲内から選択することができる。
弾性層の体積抵抗率は、好ましくは、10〜1010Ω・cm、より好ましくは、10〜10Ω・cm、さらにより好ましくは、10〜10Ω・cmの範囲内から選択することができる。
本現像ロールにおいて、中間層を形成する場合、中間層を形成する主材料としては、具体的には、例えば、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化ニトリルゴム:H−NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム:NBR)、ポリウレタン系エラストマー、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム(ACM)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ヒドリンゴム(ECO、CO)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ポリエステル樹脂、シリコーンアクリルエラストマー、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
上記中間層を形成する主材料としては、塗工液の安定性などの観点から、水素化ニトリルゴム、ポリウレタン系エラストマーなどが好ましい。
上記中間層を形成する主材料には、必要に応じて、導電剤(カーボンブラックなどの電子導電剤、第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤)、架橋剤(TDI、MDI)、架橋助剤、充填剤などの各種添加物が1種または2種以上添加されていても良い。
中間層の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは、1〜100μm、より好ましくは、3〜50μmの範囲内から選択することができる。
中間層の体積抵抗率は、好ましくは、10〜1010Ω・cm、より好ましくは、10〜10Ω・cm、さらにより好ましくは、10〜10Ω・cmの範囲内から選択することができる。
本現像ロールにおいて、表面層を形成する樹脂組成物に含有される熱可塑性ウレタン系樹脂としては、エステル系、エーテル系等の熱可塑性ウレタン系樹脂を好適に用いることができる。
また、上記樹脂組成物は、その引張貯蔵弾性率E’が本願の条件を満たす範囲内であれば、必要に応じて、熱可塑性ウレタン系樹脂以外の樹脂、例えば、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ブチラール樹脂(PVB)、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素ゴム、フッ素樹脂、フッ素ゴムとフッ素樹脂の混合物、シリコーン樹脂、シリコーングラフトアクリルポリマー、アクリルグラフトシリコーンポリマー、ニトリルゴム、ウレタンゴムなどが1種または2種以上混合されていても良い。
また、他にも必要に応じて、導電剤(カーボンブラックなどの電子導電剤、第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤)、粗さ形成用粒子(ウレタン系粒子、(メタ)アクリル系粒子、尿素樹脂粒子、アミド系粒子などの各種樹脂粒子、ゴム粒子、シリカ粒子、シリコーン粒子など)、架橋剤(TDI、MDI)、架橋助剤、充填剤などの各種添加物が1種または2種以上添加されていても良い。
なお、弾性層や中間層は、型による転写等によってその表面に凹凸が付与されていても良い。この場合、上記樹脂組成物中には、粗さ形成用粒子を特に添加しなくても良い。
表面層の厚みは、耐摩耗性、表面硬度(トナーストレス)等の観点から、好ましくは、1〜15μm、より好ましくは、3〜12μmの範囲内から選択することができる。
上述した図1の本現像ロールは、例えば、次のようにして製造することができる。すなわち、ロール成形用金型の中空部に、必要に応じて接着剤を塗布した軸体を同軸にセットする。次いで、中空部の内周面と軸体との間の成形空間に弾性層形成材料を注入して、金型に蓋をし、これを弾性層形成材料に最適な条件で加熱した後、冷却、脱型する。これにより、軸体の外周面に沿って、弾性層を形成することができる。
次に、この弾性層の表面に、ロールコート法、スプレー法、ディッピング法等の各種の塗工法を用いて、表面層形成材料を塗工し、表面層形成材料に最適な条件で熱処理して表面層を形成する。基本的には、このようにして本現像ロールを製造することができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。なお、以下では、軸体の外周に、弾性層、表面層がこの順に積層された2層構造の電子写真機器用現像ロールを作製した。
1.実施例および比較例に係る現像ロールの作製
(軸体)
外径6mm、長さ300mmの鉄製の中実円柱状の軸体を準備した。なお、軸体は、各実施例、比較例において共通である。
(弾性層形成用組成物の調製)
導電性液状シリコーンゴム(信越化学工業(株)製、「X34−264A/B」)をスタティックミキサにて混合することにより、弾性層形成用組成物を調製した。なお、この組成物は、各実施例、比較例において共通である。
(表面層形成用樹脂組成物の調製)
表1に示したガラス転移温度Tgを有する熱可塑性ウレタン系樹脂Xおよび熱可塑性ウレタン系樹脂Y(いずれも東洋紡績(株)製、「バイロンURシリーズ」を使用、ガラス転移温度Tgは表1に記載)を、表1に示したX/Y混合比(質量比)となるように配合するとともに、さらに電子導電剤(電気化学工業製、「デンカブラック」)20質量部およびイオン導電剤(4級アンモニウム塩)1質量部を加えてボールミルにより混練した。次いで、この混練物にMEK400質量部を加えて混合、攪拌することにより、各表面層形成用樹脂組成物を調製した。
(ロール成形金型の準備)
硫酸ニッケル6水和物を20g/リットル、次亜リン酸ナトリウム1水和物(還元剤)を25g/リットル、乳酸(錯化剤)を27g/リットル、プロピオン酸(錯化剤)を2.5g/リットル、PTFE粒子(平均粒径0.2μm)を5g/リットル、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン系界面活性剤)を0.1g/リットルを配合して、pH4.8の各めっき浴を調製した。
次いで、上記各めっき浴に、内径12mmの円柱状中空部を有するロール成形金型を浸漬することにより、円柱状中空部の内周面に無電解共析めっきを施し、無電解共析めっき層(厚み22μm)を型面に有するロール成形金型を作製した。この際、めっき条件は、めっき浴の温度を90℃、めっき時間を120分間とした。得られたロール成形金型の断面を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、無電解共析めっき層の表面に多数のピットが均一に分散形成されていることが確認された。
(現像ロールの作製)
作製した円筒状のロール成形金型内に軸体を同軸にセットし、調製した弾性層形成用組成物を注入し、150℃で30分間加熱した後、冷却、脱型した。これにより、軸体の外周に厚さ3mmの弾性層を有するロール体を作製した。形成した弾性層の外周面には、ロール成形金型の内面に形成された多数のピットに対応する多数の凸部が型転写により形成された。次いで、ロール体の表面に調製した各表面層形成用樹脂組成物をロールコート法によりコーティングした後、170℃で60分熱処理して厚さ9μmの表面層を形成した。以上のようにして、各実施例および比較例に係る現像ロールを作製した。
2.評価
(表面層形成用樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’の測定)
表面層形成用樹脂組成物の温度と引張貯蔵弾性率E’との関係を測定した。すなわち、調製した表面層形成用樹脂組成物を基材上に厚み約40μmとなるようにバーコートし、このバーコートフィルムを長さ30mm、幅3mmに打ち抜き成形した。次いで、この成形体を、動的粘弾性測定装置(株式会社ユービーエム製、「REOGEL−E4000」)にセットし、温度と引張貯蔵弾性率E’との関係を求めた。なお、この際の測定条件は、チャック間距離:20mm、変位:0.1μm、周波数:10Hz、最低静荷重:1g、歪を上昇させる力:0.1g、測定温度範囲:−30℃〜60℃(場合によって80℃)、昇温速度:3℃/分、測定:2℃毎とした。測定結果の代表例として、図4に実施例1および比較例1に係る現像ロールの各表面層を形成する各樹脂組成物の温度と引張貯蔵弾性率E’の関係を示す。
(トナー荷電性(Q/M)の測定)
各現像ロールをLL環境(10℃×10%RH)で3日間養生し、ファラデーゲージにて所定量のトナー帯電量を測定した。また、各現像ロールをHH環境(32.5℃×85%RH)で3日間養生し、ファラデーゲージにて所定量のトナー帯電量を測定した。
具体的には、上記養生後、各現像ロールを市販のカラーレーザープリンター(キヤノン(株)製、「LBP−2510」)に組み込み、そのままそれぞれの環境下でベタ黒画像出し中にプリンターを停止した。次いで、吸引式静電電荷量測定装置の吸引口を現像ロールに押し当てながら、現像前の現像ロール上にあるトナーを吸引し、当該装置の内筒内のフィルタにトナーを回収した。内筒は、外部から静電的にシールドされている。接続されたエレクトロメータ(KEITHLEY社製、「6517A」)にて、フィルタに蓄積されたトナー帯電量を測定し、トナーを吸引したロール表面の面積から、面積当たりのトナー帯電量(−μC/cm)を求めた。また、トナーの吸い取りをしたロール表面の面積と吸い取った量(フィルタの重量増加分)よりトナー搬送量M(g/cm)を算出した。これらの値を基に、Q/M=トナー帯電量/トナー搬送量(−μC/g)を算出した。
(画像評価)
各現像ロールを市販のカラーレーザープリンター(キヤノン(株)製、LBP−2510)のカートリッジに組み込み、ベタ、ハーフトーンの画像出しをL/L環境(10℃×10%RH)、H/H環境(32.5℃×85%RH)で行なった。出力画像にベタカスレ、ハーフトーンモヤがなかった場合を「○」、極めて良好な画質が得られた場合を「◎」とし、出力画像にベタカスレ、ハーフトーンモヤが生じた場合を画像不良と判断した。また、各環境にて10000枚の間欠画像出し(耐久試験)を実施後、同様にベタ、ハーフトーンの画像出しを実施し、出力画像を同様に判断した。
なお、参考値として、各現像ロールの体積抵抗、表面層粗さRa、表面硬度(MD−1)も併せて測定した。
表1に、樹脂組成物の構成、評価結果等をまとめて示す。
Figure 0005474708
表1を相対比較すると以下のことが分かる。すなわち、比較例1に係る現像ロールは、表面層を形成する樹脂組成物がTg≦−20℃のウレタン系樹脂を含んでいない。そのため、耐久後のH/H環境でベタカスレが発生した。
比較例2に係る現像ロールは、表面層を形成する樹脂組成物がTg≧60℃のウレタン系樹脂を含んでいるものの、Tg≦−20℃のウレタン系樹脂を含んでいない。そのため、初期、耐久後のL/L環境でハーフトーンモヤが発生した。
比較例3に係る現像ロールは、表面層を形成する樹脂組成物がTg≧60℃のウレタン系樹脂、Tg≦−20℃のウレタン系樹脂を含んでいない。そのため、初期、耐久後のL/L環境でハーフトーンモヤが発生するとともに、H/H環境でベタカスレが発生した。
比較例4に係る現像ロールは、表面層を形成する樹脂組成物がTg≦−20℃のウレタン系樹脂を含んでいるものの、Tg≧60℃のウレタン系樹脂を含んでいない。そのため、初期のH/H環境、耐久後のL/L環境、H/H環境でベタカスレが発生した。
比較例に係る現像ロールが上記のような結果になったのは、L/L環境、H/H環境においてトナー荷電性能の変動が大きかったためである。
これらに対し、実施例に係る現像ロールはいずれも、L/L環境からH/H環境までに亘って表面層を構成する樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’の傾きが比較的平坦であり(図4参照)、トナー荷電性能の変動が小さいことが分かる。それ故、実施例に係る現像ロールによれば、両環境において優れた画像形成を行うことができることが確認できた。
特に、表面層を形成する樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’が│logE’(10)−logE’(50)│≦0.5の条件を満たす場合には、樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’の変動をより一層抑えることが可能となり、トナー荷電性能の変動を一層抑制しやすくなると言える。それ故、長期に亘ってその性能を維持しやすく、耐久性も向上することが確認できた。
以上、本発明の実施形態、実施例について説明したが、本発明は上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能なものである。

Claims (2)

  1. ロール最外周に樹脂組成物より形成された表面層を有する電子写真機器用現像ロールであって、
    前記樹脂組成物は、ガラス転移温度Tgが−20℃以下の熱可塑性ウレタン系樹脂と、ガラス転移温度Tgが60℃以上の熱可塑性ウレタン系樹脂とを含有し、
    前記樹脂組成物の引張貯蔵弾性率E’は、以下の(1)および(2)の条件を満たすことを特徴とする電子写真機器用現像ロール。
    (1)5.0×10(Pa)≦10℃における引張貯蔵弾性率E’(10)≦1.0×10(Pa)
    (2)5.0×10(Pa)≦50℃における引張貯蔵弾性率E’(50)≦1.0×10(Pa)
  2. さらに、以下の(3)の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用現像ロール。
    (3)│logE’(10)−logE’(50)│≦0.5
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