JP4033013B2 - ロケート装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの位置決めの際にワークが着座したか否かを検出する機能を備えたロケート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車体製造工程等でワークの位置決めを行うロケート装置の中には、位置決めの際にワークが着座したか否かを検出する機能を備えたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
このロケート装置は、上部にワークの着座面が形成されているとともに、この着座面から突出してワークを位置決めするロケートピンと、着座面に埋め込む等して設けられた検出器(センサ)とを備えており、着座面にワークが着座したときに検出器がワークを検出するように構成されている。
【0004】
したがって、このようなロケート装置では、ワークの種類が異なっていても着座面においてワークを検出するため、ワークに対する汎用性を高めることが可能になっている。
【0005】
また、このようなロケート装置の他に、ワークが着座したか否かを検出する機能を備えたロケート装置としては図6に示すようなロケート装置101がある。
【0006】
このロケート装置101は、ロケート装置本体102と、ロケート装置本体102に設けられてワークが着座したか否かを検出する近接センサ103と、ロケート装置本体102に上下移動可能に設けられて近接センサ103を作動させるロッド104とを備えている。
【0007】
ロケート装置本体102には上部にワークが着座する着座面121が形成されており、この着座面121には上方へ突出してワークに設けられたロケート穴に差し込んでワークを位置決めするロケートピン122が設けられている。さらに、このロケート装置本体102には、着座面121から装置本体102内にかけてロッド104を収容する収容穴123が上下に延在して設けられている。
【0008】
また、近接センサ103は磁界を検出するセンサーであって、ロッド104の下端141に設けられたマグネット131と、収容穴123の下端に近接してロケート装置本体102に埋め込まれたスイッチ132とを備えており、このスイッチ132にマグネット131が接近することによって作動するように構成されている。
【0009】
また、ロッド104は、下端141が収容穴123の下端124から離れているとともに上端142が着座面121とロケートピン122の先端との間に着座面121より突出位置した状態で収容穴123内でスプリング105を介してロケート装置本体102内に係止されており、このスプリング105が伸縮することでロッド104の上下移動が可能になっている。
【0010】
これにより、このロケート装置101は、ワーク位置決め時にロッド104の上端142にワークが当接するとワークの重みでロッド104の上端142が着座面121まで押し下げられてロッド104の下端に設けられたマグネット131が下がりスイッチ132に接近して近接センサ103が作動し、着座面121にワークが着座したのが検出されるようになっている。
【0011】
このように、ワークの着座有無によって、上下移動するロッド104とロッド104の下端に設けられたマグネット131が、近接センサ103を作動させるセンサ作動手段を形成している。
【0012】
したがって、このロケート装置101では、ワークの種類が異なっていても、ロッド104がワークにより着座面121まで押し下げられることにより着座面121でワークが検出されるため、ワークに対する汎用性を高めることが可能になっている。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−162469号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車体製造工程の特に溶接工程に設置されたロケート装置は、飛散してきた溶融状態の金属粉(スパッタ)が付着しやすく、また、着座面121は、ワークに塗布された油が付着するという環境の中に置かれているため、溶接スパッタ等塵自体のロケート装置への付着、侵入に加えて、塵と油が混じることによって、さらに付着、侵入しやすい環境の中にある。なお、スパッタは、0.2mm〜0.8mm程度の大きさである。
【0015】
そして、特許文献1で示したロケート装置においては、センサが着座面に設けられている。このため、センサの上面や周囲に塵が付着すると検出不良、検出誤差を生じる恐れが有るので清掃を頻繁に行う必要があり、メンテナンスコストが大幅に上昇する。
【0016】
また、着座面は一般的に狭いため、センサは着座面の広さに合う大きさのものしか使用できない。したがって、使用するセンサの種類が限定されてしまい、着座面の広さによっては安価なセンサを使用できない場合がある。
【0017】
さらに、着座面やロケート装置本体に、センサを取り付けたり配線するための凹部や溝等の加工が必要となり、製造コストが大幅に上昇する。
【0018】
したがって、このロケート装置においては、センサを着座面に設けることによりコストが大幅に上昇してしまう問題があった。
【0019】
一方、図6で示したロケート装置101においては、近接センサ103を着座面121から離れた位置に設けていることから、近接センサ103の上面や周囲に塵が付着してしまうことがなくなるので、清掃を頻繁に行う必要がなくメンテナンスコストの上昇は抑えられる。
【0020】
また、近接センサ103を狭い着座面121に設けないため、使用するセンサの種類が限定されてしまうことはなく、安価なセンサを使用することができる。
【0021】
しかしながら、着座面121からロケート装置本体102内にかけてロッド104の収容穴123を設けるためにロケート装置本体102の穴開け加工が必要となり製造コストが大幅に上昇する。
【0022】
さらに、ロッド104と収容穴123を狭い着座面121からロケート装置本体102内にかけて設けているため、ロッド104と収容穴123の間を極小の間隙とせざるを得ない。
【0023】
したがって、ロッド104と収容穴123の間に溶接スパッタ等の塵が入ると詰ってしまいロッド104が正常に上下移動できなくなることがある。また、収容穴123の下端124が開口されていないため、収容穴123中に入った溶接スパッタ等の塵が抜けずロッド104の下方移動を妨げられることがある。これらロッド104の動作不良に起因して近接センサ103がワークの着座を正常に検出しない恐れが生じる。
【0024】
したがって、このロケート装置101においては、近接センサ103等のセンサを着座面121から離れた位置に設けても、前述したロケート装置と同様に製造コストが大幅に上昇してしまうとともに、ワークの着座検出性能が低下してしまう問題があった。
【0025】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、ワークの着座検出性能の低下及び、製造コストの大幅な上昇を抑えることができるロケート装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1記載のロケート装置では、上部にワークの着座面が形成されているとともに、この着座面から突出して前記ワークを位置決めするロケートピンを有したロケート装置本体と、前記着座面よりも下方に設けられて前記着座面に前記ワークが着座したか否かを検出するセンサと、前記ワークが着座していないとき上端が前記着座面と前記ロケートピンの先端との間に位置して前記ロケート装置本体に上下移動可能に設けられ、前記上端がワークにより前記着座面まで押し下げられて前記センサを作動させるセンサ作動手段とを備えたロケート装置において、前記センサ作動手段を、前記ロケート装置本体の中間部を上下に貫通させる貫通部と、該貫通部と前記ロケート装置本体とを連結するとともに該貫通部が前記ロケート装置本体の前記中間部を上下移動可能に支持する連結部とから構成し、前記貫通部の少なくとも上端部が前記着座面より外側に位置し、かつ、該着座面の外周を取り巻いて配置され、該貫通部の上端がワーク当接面を形成しているとともに、該貫通部の内表面と前記ロケート装置本体の外表面との間に隙間が設けられ、該貫通部の下部に前記センサを作動させるセンサ作動部が設けられている一方、前記センサが、前記センサ作動部によって作動されるように該センサ作動部に対向して設けられているものとしている。
【0027】
かかる構成においては、センサ作動手段がロケート装置本体の外側に配されることからセンサ作動手段とロケート装置本体との間の隙間の寸法を広くすることが可能になる。このため、この隙間に塵が入っても容易に落下して、塵詰まりによるセンサ作動手段の動作不良の発生を防ぐことができる。
【0028】
また、センサやセンサ作動手段はロケート装置本体に埋め込んだりロケート装置本体内に収容されていないため、これらを設置するためにロケート装置本体に大幅な加工を行う必要がなくなる。
【0029】
また請求項2記載のロケート装置においては、前記貫通部をパイプ部材で形成し、かつ、前記センサ作動部を、該パイプ部材を外方へ屈曲して張り出させて形成したものとしている。
【0030】
かかる構成においては、センサ作動手段の構造を簡単にすることが可能になるため、センサ作動手段の製造コストの上昇を抑えることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示すロケート装置1の分解斜視図である。また、図2は、ロケート装置1の組立図を示す斜視図である。このロケート装置1は、ロケート装置本体2と、ロケート装置本体2に取り付けられてワークが着座したか否かを検出する検出器3とを備えている。
【0033】
ロケート装置本体2は、ワークを支持固定するクランプシリンダ4と、クランプシリンダ4の上端から突出して設けられ、ワークを位置決めするロケートピン5とから構成されている。
【0034】
クランプシリンダ4は、中間部41が上方へ突出した側面視凸字型に形成され、その上部は角柱形状を成しており、中間部41の左右側部42、42には側面43にボルト穴44が設けられている。そして、中間部41の上端面がワークを着座させる着座面45を形成しており、この着座面45からロケートピン5が突出して設けられている。
【0035】
また、クランプシリンダ4の基部47が図外の車体溶接治具本体に上下移動・左右移動可能に取り付けられている。そして、所定のワークが搬送されてくると、所定のロケート装置が左右移動・上方移動されてロケートピン5がワークのロケート穴に差し込まれ、ワークが着座面45に着座するとクランプアーム爪53が作動し、ワークを位置決め、支持固定するように成されている。
【0036】
なお、クランプシリンダ4の内部には、後述のクランプアーム爪53を作動させる図外のクランプ機構が設けられている。
【0037】
ロケートピン5は、上部51が上方へ向かってテーパ状に形成されており、この上部51がワークのロケート穴に差し込まれ、テーパ状の上部51にガイドされてワークが位置決めされるように構成されている。また、ロケートピン5の下部52には、着座面45に着座したワークを着座面45とで挟持するクランプアーム爪53が設けられている。
【0038】
一方、検出器3は、ロケート装置本体2の着座面45よりも下方でロケート装置本体2に取り付けられ、着座面45にワークが着座したか否かを検出する近接センサやリミットスイッチ等のセンサ6と、ロケート装置本体2に上下移動可能に設けられてセンサ6を作動させるセンサ作動手段7とから構成されている。
【0039】
このセンサ作動手段7は、ロケート装置本体2の中間部41を上下に貫通させる貫通部8と、貫通部8とロケート装置本体2とを連結するとともに貫通部8がロケート装置本体2の中間部41を上下移動可能に支持する連結部9とから構成されている。
【0040】
貫通部8は角形のアルミパイプ部材を材料として、その角形のアルミパイプ部材の中を通すようにロケート装置本体2のクランプシリンダ4の角柱形状に成された中間部41の外周を取り巻いて中間部41を上下に貫通させる貫通部本体81と、貫通部本体81の下端から側外方へ一体に屈曲して張り出された張り出し部82とから形成されている。
【0041】
貫通部本体81は、図3に示すようにワークが着座していない状態の上端83がロケート装置本体2の着座面45とロケートピン5の先端51との間、すなわち、着座面45より上方であってロケートピン5の下部52の略中間高さに位置するとともに、貫通部本体81の上端83を含む上端部81bが着座面45より外側に位置し、かつ、着座面45の外周を取り巻いて配置され、この上端83はワーク位置決め時にワーク10が当接される当接面を形成している。
【0042】
また、クランプシリンダ4の中間部41の外側に、該中間部41の外表面41aと、周囲に約1mmの間隔(隙間12)をおいて貫通部本体81の上端部81bを含む貫通部本体81の内表面81aが位置するように設けられている。
【0043】
そして、このクランプシリンダ4の中間部41の外表面41aに、貫通部本体81の内表面81aが接触することで貫通部8の上下移動時の左右前後の振れや倒れを規制して貫通部8の上下移動をガイドしており、ロケート装置本体2のクランプシリンダ4の中間部41が、貫通部8の上下移動ガイド部材として機能している。
【0044】
一方、張り出し部82は、貫通部本体81から左右外方向に張り出されて前記連結部9に支持される一対の受部84、84と、貫通部本体81から前外方向に張り出されてセンサ6を作動させるセンサ作動部85とから構成されており、両受部84、84には挿通穴86がそれぞれ設けられている。
【0045】
また、前記連結部9は、前記貫通部8と前記ロケート装置本体2とを連結するとともに、貫通部8がロケート装置本体2のクランプシリンダ4の中間部41を上下移動可能に支持するものであり、ロケート装置本体2のクランプシリンダ4の左右側部42、42に取り付けられる取付部91と、一対のガイド部材92と、一対のコイルスプリング93とから構成され、一対のコイルスプリング93は取付部91と両受部84、84との間に介在して貫通部8を常時上方へ付勢する付勢手段であり、一対のガイド部材92は、取付部91と貫通部8の両受部84、84とを連結して貫通部8の上下移動を可能に貫通部8の両受部84、84をガイドするとともに、コイルスプリング93の倒れを防止するものである。
【0046】
取付部91は、アルミ板材を屈曲加工したもので、ロケート装置本体2に取り付けられる取付部本体94と、取付部本体94に設けられたセンサ固定部95とから構成されている。
【0047】
取付部本体94は、取付中間部94aがクランプシリンダ4の中間部41の側面43に当接するように平板状に形成されているとともに、取付左右側部94bがクランプシリンダ4の左右側部42の上面46から側面43にかけて当接するように後方へ向かって逆L字型に形成されている。
【0048】
取付部本体94の取付左右側部94bには取付上壁部94cに挿通穴94dが設けられているとともに、取付側壁部94eにはクランプシリンダ4の左右側部42、42のボルト穴44に対応して取付ボルト穴94fが設けられている。そして、両ボルト穴44、94fにボルト11が挿通して締め付けられることにより取付部91がロケート装置本体2に取り付けられている。
【0049】
一方、センサ固定部95は、取付部本体94の取付中間部94aから貫通部8のセンサ作動部85の下方で対向するように前方に延出して形成されており、センサ固定部95には前記センサ6が固定されている。したがって、このセンサ6は、センサ固定部95を介してセンサ作動部85の下方で対向してロケート装置本体2に取り付けられている。
【0050】
また、前記スプリングガイド部材92は、ロッドと96と、ロッド96の上端部96aを締め付けるナット97とから構成されている。
【0051】
ロッド96は、取付部91の挿通穴94dと貫通部8の挿通穴86とに挿通されて上下に延在している。なお、挿通穴86には、図外の樹脂のリングを設けて受部84がロッド96をスムーズに移動するようにしても良い。
【0052】
ロッド96の下端部96bは取付部91の挿通穴94dよりも大きく形成されており、取付部91の取付左右側部94bとクランプシリンダ4の左右側部42の上面46とで挟持されている。またロッド96の上端部96aにはネジ溝が形成されており、このネジ溝には貫通部8の受部84の上方から前記ナット97が締め付けられている。
【0053】
したがって、貫通部8の受部84はナット97と取付部91との間でロッド96にガイドされて上下に移動するように構成されている。
【0054】
また、前記コイルスプリング93は、ロッド96に外嵌してロッド96によりコイルスプリング93の倒れを抑えられ取付部91の取付上壁部94cと貫通部8の受部84との間に介在してワークが着座していない状態の貫通部8の上端83が装置本体2の着座面45より上方であって、ロケートピン5の下部52の略中間高さ(着座面45とロケートピン5の先端51との間)に位置するように常時上方へ付勢しており、このコイルスプリング93によって貫通部8はロケート装置本体2に対して上下移動可能に支持されている。
【0055】
これによりロケート装置1は、図3から図4にかけて示すように、ワーク10のロケート穴10aにロケートピン5の上部51が差し込まれてワーク10が貫通部8の上端83に当接されると、ワーク10によって上端83がロケート装置本体2の着座面45まで押し下げられる。
【0056】
この押し下げられるとき、貫通部8は、その貫通部本体81の内表面81aがロケート装置本体2の中間部41の外表面41aによって上下移動のときの左右前後の振れや倒れを規制され、上下移動をガイドされる。
【0057】
また、このとき、貫通部8の受部84がロッド96によっても、左右前後の振れや倒れを規制され、上下移動をガイドされるが、ロッド96は貫通部8の下方部分にのみ配されていることから、貫通部8の上下移動のガイドは、ロケート装置本体2の中間部41が主に担っている。
【0058】
これにより、貫通部8のセンサ作動部85がセンサ6に接近または当接することによりセンサ6が作動して、ワーク10が着座面45に着座したのが検出されるようになっている。なお、センサとしては、金属が接近するとスイッチが入るものや、当接するとスイッチが入るマイクロスイッチを用いるもので特別のスイッチを用いる必要はない。
【0059】
かかる構成においては、図3や図4に示すように貫通部本体81の上端部81bを含む貫通部本体81の内表面81aがロケート装置本体2のクランプシリンダ4の中間部41の外側に該中間部41の外表面41aと間隔をおいて配されることから、貫通部本体81と中間部41との間の隙間12の寸法を広くすることが可能になる。
【0060】
具体的には、前述したように貫通部本体81の内表面81aがロケート装置本体2のクランプシリンダ4の中間部41の外側に該中間部41の外表面41aと、その周囲に1mmの間隔をおいて配されることから、その間隔は溶接スパッタの大きさ(0.2mm〜0.8mm程度)より大きくなっている。
【0061】
したがって、この貫通部本体81の内表面81aとクランプシリンダ4の中間部41の外表面41aとの間隔によって形成される隙間12に溶接スパッタ等の塵が入っても容易に落下するとともに、隙間12の下端すなわち、貫通部本体81の下端が開口しているので隙間12に塵が詰まってしまう恐れがなくなる。
【0062】
また、隙間12は、クランプシリンダ4の中間部41の外側の周囲に形成されているので、貫通部本体81の一内表面81aが、クランプシリンダ4の中間部41の対面する一外表面41a側に倒れた状態で上下移動することもあるため、この場合は他内表面81aと対面する他外表面41aの隙間は2mmと大きくなり、上下移動中の貫通部8の左右前後の振れにともなって、この2mmの隙間が左右前後に生じ塵が落下しやすくなる。
【0063】
さらに、貫通部本体81の内表面81aやクランプシリンダ4の中間部41の外表面41aに付着した油にスパッタ等の塵が付着し、塵が落下せず成長して隙間12に積もった場合でも、貫通部本体81の内表面81aがクランプシリンダ4の中間部41の外表面41aに沿って上下移動するため、あるいは、隙間12は、クランプシリンダ4の中間部41の外側の周囲に形成されていることで貫通部本体81の一内表面81aが、クランプシリンダ4の中間部41の対面する一外表面41a側に倒れた状態で上下移動することもあるため、積った塵はクランプシリンダ4の中間部41の外表面41a、または、貫通部本体81の内表面81aに擦られて剥がされ落下する。
【0064】
これらの作用によって、塵詰まりによる貫通部8の動作不良の発生を防ぐことができる。よって、本実施の形態のロケート装置1においては、ワーク10の着座検出性能の低下を抑えることができる。
【0065】
また、センサ6や、センサ作動手段7を構成している貫通部8及び連結部9は従来のロケート装置のようにロケート装置本体2に埋め込んだりロケート装置本体2内に収容されて設けられないため、これらを設置するためにロケート装置本体2に大幅な加工を行う必要がなくなる。よって、ロケート装置1の製造コストの大幅な上昇を抑えることができる。
【0066】
さらに、センサ作動手段7の構造は、図1、図2で示すようにセンサ作動手段7を構成する貫通部8を角形のアルミパイプを屈曲加工して形成し、連結部9をアルミ板を屈曲加工して形成し、これにロッド96とコイルスプリング93を加えた簡単な構造にすることが可能となるため、センサ作動手段7の製造コストの上昇を抑えることができる。よって、ロケート装置1の製造コストの大幅な上昇をさらに抑えることができる。
【0067】
また、角形のアルミパイプを用いた貫通部本体81の上端83をワーク10が当接される当接面としたため、この当接面がワーク10の着座面45を取り巻いており、ワーク10が着座したとき、貫通部8を確実に押し下げ、ワーク10の着座を確実に検出できる。
【0068】
また、貫通部8はロケート装置本体2を上下に貫通させていることから、ワーク10の位置決め時(ワーク着座時、ワーク脱出時)にはロケート装置本体2に沿って貫通部8が上下に移動する。このため、このロケート装置本体2を貫通部8の上下移動をガイドさせる貫通部8の上下移動ガイド部材として利用できるので、別部材の貫通部8の上下移動ガイド部材を設けずに貫通部8を円滑に上下移動させることができ、センサ6の正常動作を確実に行うことが可能になる。よって、コストを抑えつつワーク着座検出性能を高めることができる。
【0069】
また、ロッド96の上端部96aには貫通部8の受部84の上方からナット97が締め付けられていることから、ワーク10の種類に応じてナット97の締め付け強さを変えることで貫通部8の上端83の初期位置を任意に調整することが可能になる。よって、ワーク10に対する汎用性を高めることができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、貫通部8を角形のパイプ部材から形成したが、ロケート装置本体2が丸柱形状の場合、ロケート装置本体2の形状に合わせて丸形のパイプ部材から形成しても良いし、材料もアルミに限らず他の金属を用いても良い。
【0071】
図4は、本発明の第2の実施の形態を示すロケート装置200の斜視図である。以下、第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、異なる部分を中心に説明する。
【0072】
このロケート装置200は、ロケート装置本体2と、ロケート装置本体2に取り付けられてワークが着座したか否かを検出するワーク検出器201とを備えており、ワーク検出器201は、センサ6と、ロケート装置本体2に上下移動可能に設けられてセンサ6を作動させるセンサ作動手段202とから構成されている。
【0073】
このセンサ作動手段202は、ロケート装置本体2の中間部41を上下に貫通させる貫通部203と、貫通部203とロケート装置本体2とを連結するとともに貫通部203がロケート装置本体2の中間部41を上下移動可能に支持する連結部204とから構成されている。
【0074】
ロケート装置本体2の中間部41の外表面41aと、貫通部本体207の上端部207bを含む貫通部本体207の内表面207aとの隙間や、貫通部本体207の上端207cが、ワークが当接される当接面を形成していることや、該上端207cと着座面45との位置関係は、前記第1の実施の形態と同様である。
【0075】
さらに、この連結部204は、ロケート装置本体2に取り付けられる取付部91と、貫通部203の下端で貫通部本体207を側方に屈曲して一体に形成した受部84、84と、受部84、84と対向して設けられ貫通部203の上部で貫通部本体207に溶接固定した側方に屈曲延在するL字形の受部対向部208、208と、受部84、84と受部対向部208、208に挿通された一対のロッド210、210と、取付部91と両受部84、84との間に介在して貫通部203を常時上方へ付勢する一対のコイルスプリング93とから構成されている。
【0076】
前記受部84、84と受部対向部208、208とには前記ロッド210、210が挿通される挿通穴が明けられ、受部84、84の挿通穴86(図1参照)の周縁には樹脂のリング206、206が設けられ、ロッド210、210はリング206、206中を挿通されている。
【0077】
そして、本実施の形態のロケート装置200では、前記連結部204を構成しているロッド210、受部84、受部対向部208が、前記貫通部本体207が上下移動するとき、ロケート装置本体2のクランプシリンダ4の外表面41aに貫通部本体207の内表面207aが接触しないようにした貫通部203の上下移動ガイド部材205を兼ねたものである。これにより、貫通部230の上下移動時の左右前後の振れや倒れを規制して貫通部203の上下移動をガイドしている。
【0078】
また、ロッド210の下部は、前記コイルスプリング93中を通して、コイルスプリング93の倒れを抑え、かつ、ロッド210の下端部が取付部91と、ロケート装置本体2のクランプシリンダ4に形成された左右側部42の上面46とで挟持されて取付部91に固定された状態で上方に立設されている。
【0079】
さらに、ロッド210の上端部209にねじ溝が設けられ、受部対向部208の上方からロッド210の上端部209を締め付けるナット97が設けられている。
【0080】
したがって、貫通部本体207に設けられた受部84と受部対向部208はロッド210にガイドされて上下移動するとともに、受部84と受部対向部208の上下移動量が貫通部203の上下移動量(ストローク)となるもので、ナット97で受部対向部208の上方移動が止められ、コイルスプリング98の圧縮によって受部84の下方移動が止められる。
【0081】
これにより、貫通部203は、コイルスプリング98の弾発力で受部対向部208がナット97に当接する位置までが上下移動量(ストローク)となる。この上下移動量はナット97の締付け量を調節することで変えることができる。なお、受部84の挿通穴の周縁に設けたリング206中にロッド210が挿通されることでロッド210に対する受部84の上下動をスムーズにしている。
【0082】
かかる構成においては、貫通部203が左右側で上下に配された受部対向部208と受部84とを介してロッド210にガイドされて上下移動するため、第1の実施の形態のロケート装置1に比べて貫通部203全体が左右前後に振れたり、倒れたりすることが抑えられて円滑に上下移動させることができる。よって、このロケート装置200においてはワークの着座検出性能をさらに高めることができる。
【0083】
また、このロケート装置200では、貫通部本体207の側面に穴211が設けられている。そして、この穴211と穴211の間のコーナには、平面視L字形の断面をした連結柱211aが一体に形成されている。なお、この連結柱211aは、板状あるいはロッド状の別部材を取り付けることで形成しても良い。
【0084】
これにより、上方から貫通部本体207とロケート装置本体2との間の隙間212に塵が入っても落下して側方へ抜けるため、貫通部本体207の内側やロケート装置本体2の外側に塵が大量に付着するおそれがなく、清掃回数を少なくすることができる。よって、ロケート装置200のメンテナンスコストの上昇を抑えることができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1記載のロケート装置においては、センサ作動手段とロケート装置本体との間の隙間の寸法を広くすることが可能になるため、この隙間に塵が入っても容易に落下して、塵詰まりによるセンサ作動手段の動作不良の発生を防ぐことができる。よって、ワークの着座検出性能の低下を抑えることができる。
【0086】
また、センサやセンサ作動手段はロケート装置本体に埋め込んだりロケート装置本体内に収容されていないため、これらを設置するためにロケート装置本体に大幅な加工を行う必要がなくなる。よって、製造コストの大幅な上昇を抑えることができる。
【0087】
また、請求項2記載のロケート装置においては、センサ作動手段の構造を簡単にすることが可能になるため、センサ作動手段の製造コストの上昇を抑えることができる。よって、製造コストの大幅な上昇をさらに抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すロケート装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示すロケート装置の斜視図である
【図3】ワーク位置決め時の初期状態を示すロケート装置の先端部の断面図である。
【図4】ワーク位置決め時の終了状態を示すロケート装置の先端部の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示すロケート装置の斜視図である。
【図6】従来のロケート装置の半断面図ある。
【符号の説明】
1 ロケート装置
2 ロケート装置本体
5 ロケートピン
6 センサ
7 センサ作動手段
8 貫通部
9 連結部
10 ワーク
45 着座面
83 上端
85 センサ作動部
200 ロケート装置
202 センサ作動手段
203 貫通部
204 連結部
Claims (2)
- 上部にワークの着座面が形成されているとともに、この着座面から突出して前記ワークを位置決めするロケートピンを有したロケート装置本体と、前記着座面よりも下方に設けられて前記着座面に前記ワークが着座したか否かを検出するセンサと、前記ワークが着座していないとき上端が前記着座面と前記ロケートピンの先端との間に位置して前記ロケート装置本体に上下移動可能に設けられ、前記上端がワークにより前記着座面まで押し下げられて前記センサを作動させるセンサ作動手段とを備えたロケート装置において、
前記センサ作動手段を、
前記ロケート装置本体の中間部を上下に貫通させる貫通部と、
該貫通部と前記ロケート装置本体とを連結するとともに該貫通部が前記ロケート装置本体の前記中間部を上下移動可能に支持する連結部とから構成し、
前記貫通部の少なくとも上端部が前記着座面より外側に位置し、かつ、該着座面の外周を取り巻いて配置され、該貫通部の上端がワーク当接面を形成しているとともに、該貫通部の内表面と前記ロケート装置本体の外表面との間に隙間が設けられ、該貫通部の下部に前記センサを作動させるセンサ作動部が設けられている一方、
前記センサが、前記センサ作動部によって作動されるように該センサ作動部に対向して設けられていることを特徴とするロケート装置。 - 前記貫通部をパイプ部材で形成し、かつ、前記センサ作動部を、該パイプ部材を外方へ屈曲して張り出させて形成したことを特徴とする請求項1記載のロケート装置。
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