JP4031663B2 - シャワー装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室や洗面室等で使用されるシャワー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、浴室や洗面室等には、水や湯を取り出す水栓の他に、シャワー装置が設けられて、体や髪を洗うことができる。このようなシャワー装置の中に、特開平11−324046号公報に開示されたものがある。このシャワー装置は、屈曲部を中心として屈曲可能になったアームを備えており、このアームでシャワーヘッドを支持することによりシャワーヘッドを移動可能にしている。したがって、使用者は、シャワーヘッドを手で持ちながらシャワー装置を使用する必要はなく、アームを屈曲させることによりシャワーヘッドを任意の位置に移動させ、その位置に静止させた状態でシャワー装置を使用することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のシャワー装置では、アームが壁面から手前側に突出して伸びるように設けられているため、シャワー装置の近傍に設けられた棚に収容した入浴用具等を取る場合や、壁面の正面に設置した鏡を見る場合などにはアームやシャワーヘッドが邪魔になるという問題がある。また、シャワー装置の構造が複雑になり高価につくという問題も有している。
【0004】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、使用時における各動作の邪魔にならず、かつ構造が簡単で安価なシャワー装置を提供することである。
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明にかかるシャワー装置の構成上の特徴は、吐出孔を有するシャワーヘッドと、シャワーヘッドに湯水を送るためのシャワーホースを備えたシャワー本体におけるシャワーヘッド側部分を、壁面に取り付けられたシャワー保持具に着脱可能に保持させるシャワー装置において、シャワーヘッドとシャワーホースの間に設けられ、屈曲可能であるとともにシャワーヘッドを起立姿勢に維持できる姿勢維持ホース部と、姿勢維持ホース部とシャワーホースの連結部に設けられシャワー保持具に係合可能な係合部と、シャワーヘッドと姿勢維持ホース部の連結部に設けられシャワー保持具に係合可能な第2の係合部とを備えたことにある。
【0006】
前記のように構成した本発明のシャワー装置では、姿勢維持ホース部とシャワーホースの連結部に設けられた係合部が壁面に取り付けられたシャワー保持具に着脱自在になっている。そして、シャワーヘッドとシャワーホースの間に設けられた姿勢維持ホース部は、屈曲可能であるとともに、シャワーヘッドを起立姿勢に維持できるように構成されている。この場合の姿勢維持ホース部は、湯や水を使用する際に、シャワーヘッドや姿勢維持ホース部の内部の水圧が高くなっても、シャワーヘッドの位置を維持できる強度を備えるように構成する。また、この場合の起立姿勢とは、直立姿勢だけでなく屈曲した状態も含み、傾倒しない状態であることをいう。
【0007】
したがって、係合部をシャワー保持具に係合させた状態では、シャワーヘッドは姿勢維持ホース部の長さ分だけシャワー保持具から離れた任意の位置に移動可能になるとともにその位置に静止できる。このため、使用者は、手でシャワーヘッドを持ったままでなく、シャワーヘッドを使い易い位置に静止させてシャワー装置を使用することができる。
【0008】
また、本発明にかかるシャワー装置では、シャワーヘッドと姿勢維持ホース部の連結部にシャワー保持具に係合可能な第2の係合部が設けられている。これによると、シャワー装置を使用しないときには、第2の係合部をシャワー保持具に係合させることによって、シャワーヘッドを安定した状態で保持することができる。
【0009】
また、本発明にかかるシャワー装置の他の構成上の特徴は、係合部および前記第2の係合部が、同一形状かつ同じ大きさに形成されたことにある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、浴室10を示しており、この浴室10には、後述する本発明にかかるシャワー装置30が設けられている。この浴室10は、出入り口(図示せず)の正面に位置する壁面11の一方側には縦長の鏡12が取り付けられている。この鏡12は、上端縁部および下端縁部の両側部分をそれぞれ壁面11に固定された取り付け金具13(上端縁部の取り付け金具13は図示せず)に支持させて壁面11に取り付けられている。
【0013】
そして、壁面11における鏡12の下方には、シャワー装置30が取り付けられる水栓カバー14が設けられている。水栓カバー14は、上面が平面に形成されてシャンプー等の小物をおくことができ、下面の略中央に水や湯を取り出すための水栓15が設けられている。また、水栓カバー14の前部には、シャワー装置30と水栓15との吐出口を切り換えるとともに、シャワー装置30と水栓15の開閉操作を行うための操作レバー16と、シャワー装置30や水栓15から取り出す湯の温度を調節するための温度調節レバー17が設けられている。そして、水栓カバー14の下面における他方側にはシャワー装置30を連結するための連結部18が取り付けられている。
【0014】
また、水栓カバー14の下方には、洗面器載置部を備えたカウンター19が設けられている。このカウンター19は、床部20から所定の高さに設けられている。この床部20からの高さは、床部20の他方側に設置された浴槽21の上端縁部21aと略等しい高さであり、入浴者が床部20に洗い椅子(図示せず)を置きその洗い椅子に座った際の膝の高さ程度になっている。また、壁面11における鏡12の一方の側部側には、洗面用具22を置くための棚23と、入浴用具24を置くための棚25が上下に所定間隔を保って設けられている。そして、壁面11と直交する隣の壁面26の略中央部には、手摺27が設けられている。
【0015】
シャワー装置30は、図1および図2に示すように、連結部18を介して水栓カバー14に連結されたシャワーホース31と、複数の吐出孔を有する吐出部32を備えたシャワーヘッド33と、シャワーホース31とシャワーヘッド33の間に設けられた屈曲可能な姿勢維持ホース部34とからなるシャワー本体を備えている。そして、シャワーヘッド33と姿勢維持ホース部34の連結部には、本発明の係合部である上部係合部35が設けられ、姿勢維持ホース部34とシャワーホース31の連結部には、本発明の第2の係合部である下部係合部36が設けられている。
【0016】
シャワーホース31は、樹脂製のフレキシブルホースからなり、連結部18側の後端部に対してシャワーヘッド33側の先端部を任意の位置に移動可能になっている。また、姿勢維持ホース部34は蛇腹構造の金属製ホースからなっており、曲げることにより自在の角度に屈曲可能であるとともに、その状態を維持できる。また、この姿勢維持ホース部34は、長さが略30cmに設定され、屈曲させるために要する曲げ固定力が略3kg重に設定され、屈曲させた際の最小曲げ半径が10cm以下になるよう設定されている。上部係合部35および下部係合部36は、同一形状かつ同じ大きさに形成された長さの短いパイプ状金属で構成され、その外径は上部側が大きく下部側が小さく設定されている。
【0017】
そして、壁面11における鏡12の他方の側部側には、上下に所定間隔を保って同一形状かつ同じ大きさのシャワー保持具37,38が取り付けられている。このシャワー保持具37,38は、それぞれ表面側に上下に延びる係合溝37a,38aが形成されており、この係合溝37a,38aの上方側から係合溝37a,38a内にシャワー装置30の上部係合部35または下部係合部36を入れることにより、上部係合部35または下部係合部36をシャワー保持具37,38に係合させることができる。
【0018】
この構成において、シャワー装置30を使用しない場合は、図2に示したようにシャワー保持具37か、またはシャワー保持具38のどちらかに、シャワー装置30の上部係合部35を係合させておく。これによって、シャワーヘッド33や姿勢維持ホース部34が邪魔になることなく、かつ、シャワーヘッド33を安定した状態で保持しておくことができる。
【0019】
そして、入浴者がシャワー装置30を使用する際には、図3に示したように、シャワー保持具38に、シャワー装置30の下部係合部36を係合させて、床部20におけるカウンター19の手前に浴用椅子を置いて腰掛ける。ついで、温度調節レバー17を操作して湯の温度を適当な温度に設定する。そして、操作レバー16を操作して、吐出口をシャワー装置30側に切り換えるとともに、シャワーヘッド33の吐出部32から湯を吐出させ、その湯を使用する。
【0020】
この場合、入浴者が髪を洗うときには、シャワー装置30の姿勢維持ホース部34を曲げてシャワーヘッド33の吐出部32を頭に向ける。これによって、入浴者は、シャワーヘッド33を手で持つことなく、髪を洗うことができる。また、吐出部32から飛散する湯の方向を変える場合には、手で図3の矢印aのようにシャワーヘッド33を移動させることにより簡単にその方向変換が行え、手を離すと、シャワーヘッド33はその位置に静止する。
【0021】
髪を洗うときには、入浴者は通常は目を閉じた状態であるため、シャワーヘッド33をシャワー保持具38に保持させたり手で持ったりする操作がし難いが、このシャワー装置30では、シャワー保持具38に、シャワー装置30の下部係合部36を係合させることにより、シャワーヘッド33を手で持つ必要がなくなる。したがって、使い勝手が極めてよくなる。また、使用時にシャワーヘッド33や姿勢維持ホース部34が鏡12を遮ることを防止することができる。さらに、このシャワー装置30は、従来のシャワー装置が備えるシャワーヘッド等からなるシャワー本体に、姿勢維持ホース部34と下部係合部36を設けるだけですむため製造が簡単で安価につく。
【0022】
なお、入浴者が起立した姿勢でシャワー装置30を使用する場合には、壁面11の上部側に取り付けられたシャワー保持具37に、シャワー装置30の下部係合部36を係合させる。
【0023】
図4は、本発明の他の実施形態によるシャワー装置30Aを示している。このシャワー装置30Aにおいては、姿勢維持ホース部41が、図5に示したように、樹脂製のフレキシブルホース41aと、姿勢維持部材であるコイル状塑性体41bからなっており、フレキシブルホース41aの内部にコイル状塑性体41bを円周に沿って埋め込んで、フレキシブルホース41aとコイル状塑性体41bを一体的に形成したホースで構成されている。なお、コイル状塑性体41bは、鉄線で構成されている。このため、姿勢維持ホース部41は、コイル状塑性体41bによって傾倒を防止され、起立または屈曲した姿勢を維持することができる。
【0024】
この姿勢維持ホース部41の長さ、最小曲げ半径等の各特性は、姿勢維持ホース部34の各特性と略同一に設定されている。また、シャワー装置30Aにおける姿勢維持ホース部41以外の部分の構成については、図2および図3に示したシャワー装置30と同一である。したがって、図4の同一部分に同一符号を記して説明を省略する。
【0025】
このシャワー装置30Aによれば、姿勢維持ホース部41の外周面がフレキシブルホース41aで構成されて、シャワーホース31の外周面と同様になるため外観上の統一が図れる。また、姿勢維持ホース部41の外周面に凹凸がないため、汚れ等が付着し難くなるとともに清掃作業が容易になる。さらに、コイル状塑性体41bは、フレキシブルホース41aの内部に埋め込まれて、湯水と接触することがないため、錆による劣化を考慮する必要がない。このため、安価な材料を用いることができる。それ以外の作用効果については、シャワー装置30と同様である。
【0026】
図6は、本発明のさらに他の実施形態によるシャワー装置30Bを示している。このシャワー装置30Bにおいては、姿勢維持ホース部42が、図7に示したように、樹脂製のフレキシブルホース42aの外周面に、コイル状塑性体42bとカバー部42cからなる姿勢維持部材を巻きつけて構成されており、フレキシブルホース42aの外周面に、コイル状塑性体42bを巻きつけて、さらにその外周面をカバー部42cで被覆している。
【0027】
この姿勢維持ホース部42のコイル状塑性体42bとしてはシャワー装置30Aのコイル状塑性体41bよりもやや直径の大きなコイル状塑性体を用い、カバー部42cとしては、コイル状塑性体42bの外周面側を被覆できる直径の大きなフレキシブルホースを用いる。この姿勢維持ホース部42も自在に屈曲できるとともに、起立または屈曲した姿勢を維持することができる。
【0028】
姿勢維持ホース部42の長さ、最小曲げ半径等の各特性は、姿勢維持ホース部34の各特性と略同一に設定されている。また、シャワー装置30Bにおける姿勢維持ホース部42以外の部分の構成については、シャワー装置30と同一である。したがって、図6の同一部分に同一符号を記している。
【0029】
このシャワー装置30Bによれば、姿勢維持ホース部42が、フレキシブルホース42aの外周面にコイル状塑性体42bを巻きつけて、その外周面をカバー部42cで被覆して構成されるため、コイル状塑性体42bとカバー部42cからなる姿勢維持部材の取り付けや、コイル状塑性体42bやカバー部42cが破損した際の交換作業が容易になる。また、姿勢維持ホース部42の外周面がカバー部42cであるため、姿勢維持ホース部42を手で持ってもコイル状塑性体42bの凹凸を感じなくなり持った際の感触がよくなる。それ以外の作用効果については、シャワー装置30Aと同様である。なお、このシャワー装置30Bでは、姿勢維持ホース部42のカバー部42cは省略することもできる。
【0030】
図8は、本発明のさらに他の実施形態によるシャワー装置30Cを示している。このシャワー装置30Cにおいては、姿勢維持ホース部43が、図9に示したように、樹脂製のフレキシブルホース43aの内周面側に、姿勢維持部材としてのコイル状塑性体43bを挿入して構成されている。この姿勢維持ホース部43のコイル状塑性体43bとしては、水や湯にたいする耐食性のよい金属材料や樹脂材料等を用い、その直径は、フレキシブルホース43aに挿入できる大きさに設定しておく。この姿勢維持ホース部43も自在に屈曲できるとともに、起立または屈曲した姿勢を維持することができる。
【0031】
この姿勢維持ホース部43の長さ、最小曲げ半径等の各特性は、姿勢維持ホース部34の各特性と略同一に設定されている。また、シャワー装置30Cにおける姿勢維持ホース部43以外の部分の構成については、シャワー装置30と同一である。したがって、図8の同一部分に同一符号を記している。
【0032】
このシャワー装置30Cによれば、姿勢維持ホース部43が、フレキシブルホース43aの内周面側にコイル状塑性体43bを挿入して構成されるため、コイル状塑性体43bからなる姿勢維持部材の取り付けや、コイル状塑性体43bが破損した際の交換作業が容易になる。また、コイル状塑性体43bとして、水や湯に対する耐食性のよい材料を用いているため、姿勢維持ホース部43内で錆が発生することがない。それ以外の作用効果については、シャワー装置30Aと同様である。
【0033】
前述した各実施形態では、姿勢維持ホース部34,41,42,43を、長さが略30cm、曲げ固定力が略3kg重、屈曲させた際の最小曲げ半径が10cm以下になるように設定しているが、本発明の姿勢維持ホース部34,41,42,43の特性は、これに限るものでなく変更実施が可能である。例えば、姿勢維持ホース部34,41,42,43の長さは、3〜60cmの間に設定することが好ましく、より好ましくは、20〜40cmの間に設定することである。
【0034】
また、姿勢維持ホース部34,41,42,43の曲げ固定力は、0.1〜10kg重の間に設定することが好ましく、より好ましくは、1〜5kg重に設定することであり、最小曲げ半径は、50cm以下に設定することが好ましく、より好ましくは、20cm以下に設定することである。また、姿勢維持部材として使用する部材もコイル状塑性体に限らず、四角や円形を連ねた形状からなる網状のものを略円筒形に形成したものや、屈曲可能な1本または複数本の棒状体等、種々のものを使用することができる。
【0035】
また、その材質も金属、樹脂等、特に限定されるものでなく、コイルばねのような弾性体であっても、フレキシブルホースと組み合わせたときに姿勢維持ができるものであれば使用が可能である。さらに、フレキシブルホースとしては、樹脂材料の外、ゴムの使用等も可能である。また、シャワー装置30Cのコイル状塑性体43bとして、鉄線等の耐食性に劣る材料を用いても、表面に耐食加工を施したり、取替え等のメンテナンスを適宜行ったりすることにより適正な使用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるシャワー装置を備えた浴室を示す斜視図である。
【図2】 図1に示したシャワー装置の不使用時の状態を示す斜視図である。
【図3】 図1に示したシャワー装置の使用時の状態を示す斜視図である。
【図4】 本発明の他の実施形態によるシャワー装置の斜視図である。
【図5】 図4の姿勢維持ホース部の横断面図である。
【図6】 本発明のさらに他の実施形態によるシャワー装置の斜視図である。
【図7】 図6の姿勢維持ホース部の横断面図である。
【図8】 本発明のさらに他の実施形態によるシャワー装置の斜視図である。
【図9】 図8の姿勢維持ホース部の横断面図である。
【符号の説明】
10…浴室、11…壁面、30,30A,30B,30C…シャワー装置、31…シャワーホース、32…吐出部、33…シャワーヘッド、34,41,42,43…姿勢維持ホース部、35…上部係合部、36…下部係合部、37,38…シャワー保持具。
Claims (2)
- 吐出孔を有するシャワーヘッドと、前記シャワーヘッドに湯水を送るためのシャワーホースを備えたシャワー本体における前記シャワーヘッド側部分を、壁面に取り付けられたシャワー保持具に着脱可能に保持させるシャワー装置において、前記シャワーヘッドと前記シャワーホースの間に設けられ、屈曲可能であるとともに前記シャワーヘッドを起立姿勢に維持できる姿勢維持ホース部と、前記姿勢維持ホース部と前記シャワーホースの連結部に設けられ前記シャワー保持具に係合可能な係合部と、前記シャワーヘッドと前記姿勢維持ホース部の連結部に設けられ前記シャワー保持具に係合可能な第2の係合部とを備えたことを特徴とするシャワー装置。
- 前記係合部および前記第2の係合部は、同一形状かつ同じ大きさに形成された請求項1に記載のシャワー装置。
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