JP4031583B2 - 歩行補助車用の制動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、制動力のコントロールが容易にできる歩行補助車用の制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歩行補助車の制動装置で移動時の制動については、回転する車輪の外周部を外から棒材又は平板材などで押さえることで所要の制動作用を行い、また、該歩行補助車の停止状態を維持させる制動については、ホイールに設けられるスポーク状の間隙や穴などに棒材などを側方から挿入することで車輪を停止状態にする制動方法などが一般的で多く実用に供されている。
【0003】
しかし、移動時の制動方法で、回転する車輪の外周部で行う制動は、(停止又は停止状態を維持させる場合は別として)例えば車輪回転の減速コントロール操作などの場合においてはその機能構成上から、スムーズな減速効果が期待できず、さらには該車輪外周部が削られるなどで、車輪回転に不具合が生ずる恐れもあった。
そして、歩行補助という本来の支援目的からも、移動過程における減速制動コントロール操作には不向きな方法であることから制動装置としての利便性やその安全性及び耐久性、信頼性に問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、歩行補助車において、車輪の外周部を押さえる不安定な制動方法とは異なるものであって、車輪回転諸条件において車輪の走行機能を損なうことなく、所望の減速コントロールが随意自在で容易にできるという利便性及び安定性と耐久性及び信頼性に優れた制動装置がない点である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、歩行補助車の制動装置に利便性及び安定性と耐久性及び信頼性に優れた制動機構をを付加するために、固定シャフトに回転自在構造の車輪ホイールをディスク・ホイール構造とし、固定シャフトを中心軸としてディスク・ホイール側にブレーキ・パッドを備える固定ブレーキ円板を該固定シャフト先端部に固定装着しておき、固定シャフトに設ける鍔部と固定ブレーキ円板のブレーキ・パッド面との間でディスク・ホイールを回転自在にしおく。
固定シャフトを中心軸としてディスク・ホイールのもう一方側に作用するブレーキ・パッドを備えるブレーキ円板を軸方向に移動自在であるが回転阻止構造で設け、ブレーキ円板のブレーキ・パッド面とディスク・ホイール面との若干間隔を保持してディスク・ホイールの回転に支障がないようにし、また、制動作用解除時に速やかに復元するため、該ブレーキ円板中央部に鍔部を出入自在とするホール部分を構成し、ホール内に鍔部と作用する復元用のスプリングを設けておく。
制動作用を行うために、固定シャフトと直角方向でフレーム・パイプに固定される固定支持アームに設ける支点柱の先端を支点とし、一方にブレーキ円板に作用するシフト・フォーク部を構成し、もう一方側の端部にワイヤ・ケーブルのインナ・ワイヤ端部を連結するフォークを備え、フォークのてこ作用によりブレーキ円板をディスク・ホイール押しつけ、固定ブレーキ円板と両側で挟み圧着させることを最も主要な特徴とする。
これにより、制動力コントロールを可能とし、随意所望の車輪回転減速度を安全かつ容易に得るという目的を、車輪自体の走行機能を損なうことなく実現した。
【0006】
【実施例1】
歩行補助車用の制動装置において、左右いずれか一方側のディスク・ホイールにおける制動操作で、左右二つのディスク・ホイールを同時に制動させるためのリレー・ロッドを用いた本発明の一実施例で、図1、2は主要部の構成と作動を示す断面図、図3は、ブレーキ円板とフォークの説明図、図4は左右のフォーク間を連結するリレー・ロッドの構成を示す説明図である。
【0007】
なお、本発明の主体は、車輪装置に設定する制動装置のブレーキ本体など機構系の実装方法にあるので、使用者の行う手動操作のブレーキ・レバー等の構造及び機構系については省略し、また、該歩行補助車において、左右車輪装置とも同様構造であることから、もう一方側の車輪制動装置構造についての説明は省略する。
以下図面に基づき、本発明の一実施例について詳細に説明する。
【0008】
歩行補助車のフレーム・パイプ12に固定される固定シャフト1の先端部に、固定シャフト1を中心軸とし、内側面にブレーキ・パッド4’を取り付ける固定ブレーキ円板4が回転阻止構造で取り付けられ、ナット2で脱落することなく固定装着されている。
外周にタイヤ部3’を備えるディスク・ホイール3は、固定シャフト1に設ける鍔部1’と固定ブレーキ円板4に備えられるブレーキ・パッド4’面との間で固定シャフト1を中心軸とし若干の間隙を有して回転自在であるようになされている。
【0009】
ブレーキ円板5は、固定シャフト1を中心軸としてディスク・ホイール3と対面側にブレーキ・パッド4’を取り付け、ブレーキ・パッド4’が取り付けられる反対側に固定シャフト1を中心軸とする若干長さのパイプ部5’を一体構成し、固定シャフト1に形成する平面部分と組み合う平面部分をパイプ部5’内に構成することで固定シャフト1の軸方向に移動自在であるが回転を阻止することで、一体構成のブレーキ円板5が回転することなく固定シャフト1の軸方向で安定した往復動作ができるようになされている。
そして、ブレーキ・パッド4’側に、固定シャフト1に設ける鍔部1’を出入自在とする若干深さのホール部分を設け、鍔部1’とホール内底面との間に所定のばね力を構成するスプリング6を設け、ディスク・ホイール3とブレーキ・パッド4’との間にディスク・ホイール3の回転を妨げることなく所要の隙間を保つことができるようにすることで、ディスク・ホイール3の回転に支障がないようになされている。
なお、スプリング6は、ブレーキ円板5がディスク・ホイール3側に押されるブレーキ作動時から解除される際に、直ちに作動前の位置に復元できるようにされるものである。
【0010】
制動操作機構において、フォーク7は一方の端部に構成するシフト・フォーク部7’部分が、ブレーキ円板5のパイプ部5’部分を挟むことでブレーキ円板5基部周囲の平面部分に接しており、もう一方の端部にはワイヤ・ケーブル10のインナ・ワイヤ10’の先端部が取り付けられるようになされている。
フォーク7の支点を支えるための支点柱8を設ける固定支持アーム11を、固定シャフト1と直角方向でフレーム・パイプ12に固定取り付けし、その先端部寄りにワイヤ・ケーブル10を取り付けることで、フォーク7の端部に連結するインナ・ワイヤ10’の作動を可能にしている。なお、インナ・ワイヤ10’が取り付けられるフォーク7端部面とワイヤ・ケーブル10を取り付ける固定支持アーム11の間に、所定のばね力を構成する復元用のスプリング9が設けられている。
【0011】
リレー・ロッド13は、制動操作されるディスク・ホイール3側のフォーク7のシフト・フォーク部7’の先端部分に一体構成される連結部7”と、もう一方側のフォーク7でシフト・フォーク部7’とは反対の先端部分に一体構成する連結部14との間を、所定長さを有して自在連結している。そして、一方側のフォーク7が行うディスク・ホイール3の制動操作力が、リレー・ロッド13を介してもう一方側のフォーク7に同時に同作用し、左右のディスク・ホイール3に同効果の制動力が得られるようになされている。その際、制動作用力が伝えられる側のフォーク7のシフト・フォーク部7’と固定支持アーム11の間に、所定のばね力を構成する復元用のスプリング15が設けられている。なお、リレー・ロッド13には、長さ調節用の調節部13’が設けられている。
【0012】
このようになっていると、使用者が行うブレーキ操作で作動するフォーク7は、支点柱8によるてこ作用でブレーキ円板5をブレーキ作用を行う軸方向に移動させ、スプリング6を圧縮してブレーキ円板5のブレーキ・パッド4’面をディスク・ホイール3に押し付け、更に固定ブレーキ円板4のブレーキ・パッド4’との両面でディスク・ホイール3を挟み圧着することで所望の制動を行うことができる。
その際。操作されるフォーク7は、リレー・ロッド13を介しもう一方側のフォーク7を同時に同作用させることで、左右のディスク・ホイール3が共に同効果の制動を行い、そして、ブレーキ操作の解除で直ちに左右のフォーク7が共に戻ることで、同時にそれぞれのスプリング6が復元作用し左右のブレーキ円板5が戻ることで左右のディスク・ホイール3の制動が同時に解放される。
【0013】
【発明の効果】
以上説明した本発明の歩行補助車用の制動装置について、次に記載する効果を奏する。
【0014】
請求項1の歩行補助車用の制動装置は、回転自在構造のディスク・ホイールを両側から挟むブレーキ・パッド付きのブレーキ円板の一方側を固定シャフトに固定し、もう一方側のブレーキ・パッド付きのブレーキ円板をディスク・ホイールの回転自在機能を妨げることなく固定シャフトの軸方向で移動自在であるが回転阻止構造を有してディスク・ホイール側に往復動作ができるようにしたことは、制動コントロールを容易にしかつ安定性及び信頼性が高く利便性に優れている。
【0015】
請求項2の固定シャフトの所定位置に設ける鍔部とブレーキ円板の間に復元用のスプリングを設けたことは、制動非作動時における状態保持及び制動解除時の速やかな解放などの機能構成に大いに役立つ。
【0016】
請求項3の左右車輪の制動操作機構の所定端部間を自在連結するリレー・ロッドを設けたことは、左右いずれか一方側の制動操作における制動作用を、もう一方側の制動操作機構に伝える同時同効果の制動を得るために大いに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における、主要部分の構成を示す断面図である。
【図2】 図1作動を示す断面図である。
【図3】 本発明の一実施例におけるブレーキ円板5とフォーク7などの構成を示す説明図である。
【図4】 本発明の一実施例で、左右車輪におけるフォーク7の間を連結するリレー・ロッド13などの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 固定シャフト
1’鍔部
2 ナット
3 ディスク・ホイール
3’タイヤ部
4 固定ブレーキ円板
4’ブレーキ・パッド
5 ブレーキ円板
5’パイプ部
6、9、15 スプリング
7 フォーク
7’シフト・フォーク部
7”、14 連結部
8 支点柱
10 ワイヤ・ケーブル
10’インナ・ワイヤ
11 固定支持アーム
12 フレーム・パイプ
13 リレー・ロッド
13’調節部

Claims (3)

  1. 回動自在構造のディスク・ホイールを両側からブレーキ・パッドで挟み圧着することで制動を行う制動手段において、固定シャフトに回転自在のディスク・ホイールの片側面が押しつけられるブレーキ・パッドを備えて固定シャフトを中心軸とし固定シャフト先端部側に固定取り付けされる固定ブレーキ円板と、固定シャフトを中心軸として軸方向に移動自在であるが回転阻止構造を有してディスク・ホイール側にブレーキ・パッドを備え、ディスク・ホイール側に往復動作を可能とするブレーキ円板と、から成ることを特徴とする歩行補助車用の制動装置。
  2. ブレーキ円板が、制動非作動時の状態保持又は制動動作の解放における復元作用のため、固定シャフトの所定位置に設ける鍔部を出入自在とするホールを設けてホール内に鍔部と組み合う所定のばね力を構成する復元用のスプリングを備えたことを特徴とする請求項1記載の歩行補助車用の制動装置。
  3. 左右いずれか一方側の制動操作における制動作用を、もう一方側の制動機構に伝えるため、左右制動操作機構における所定の端部間を自在連結するリレーロッドを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の歩行補助車用の装置。
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