JP4031330B2 - ゴルフボールのカバー材用シリコーン変性熱可塑性ポリウレタンおよびゴルフボールのカバー成形用組成物 - Google Patents

ゴルフボールのカバー材用シリコーン変性熱可塑性ポリウレタンおよびゴルフボールのカバー成形用組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフボールのカバー材に用いられるシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタンは、高強度、耐摩耗性、耐屈曲性等の強靭な特性を有し、従来から耐圧ホース、パッキン、コンベアーベルトや靴底などの用途に使用されている。
一方、近年、スピン特性、飛び性能、打撃の感触、耐久性、量産性などの点から、マルチピースゴルフボールのカバー材として熱可塑性ポリウレタンが使用されるようになってきている。
しかしながら、従来の熱可塑性ポリウレタンは、常温での反発弾性率は余り大きくなく、更に、温度による変化も大きく、特に外気温が低い場合に反発弾性率が著しく低下するという欠点があり、改善が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の熱可塑性ポリウレタンの上記欠点が改良されたマルチピースゴルフボールのカバー材用の熱可塑性ポリウレタンの提供を目的とするものである。本発明者らは、上記目的を達成するため種々検討した結果、ポリウレタンをポリシロキサンで変性することにより、高反発弾性率を有し、かつ、低温度域での反発弾性率の低下の小さい、即ち、外気温の変化による反発弾性率の変化が少ない熱可塑性ポリウレタンが得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、活性水素含有ポリシロキサン、鎖伸長剤、およびポリイソシアネートを反応させて得られ、ポリウレタン中に上記ポリシロキサン成分を4〜80重量%含有することを特徴とするゴルフボールのカバー材用シリコーン変性熱可塑性ポリウレタンおよびゴルフボールのカバー成形用組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
本発明はコアとカバーとからなるマルチピースゴルフボールのカバーを形成するカバー材用シリコーン変性熱可塑性ポリウレタンに関し、ポリウレタン中にポリシロキサン成分(セグメント)を含むことが特徴である。
【0006】
マルチピースゴルフボールは、反発弾性率に優れたシス1,4−ポリブタジエン架橋物等のコアにポリウレタン等のカバー材からなるカバーを被覆してなる構造を有し、コアおよびカバーが1層のツーピースボール、コアに二重のカバーを被せたスリーピースボールなどが使用されている。本発明のシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンは、上記の如きゴルフボール(ソリッドゴルフボール)のカバーを形成するカバー材用のポリマー成分として使用される。
【0007】
ポリウレタンは、通常ポリオールなどの活性水素含有化合物と鎖伸長剤とポリイソシアネートを反応させて得られるが、本発明のシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンは活性水素含有化合物としてポリシロキサンポリオールなどの活性水素含有ポリシロキサンを、必要により通常の高分子ポリオールなどの活性水素含有化合物とともに使用して得られるものである。
【0008】
本発明で使用する活性水素含有ポリシロキサンは、活性水素含有基として、例えば、水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基やエポキシ基(水酸基を発生する)などを少なくとも2個有する公知のポリシロキサンがいずれも使用できるが、特に下記の一般式(I)、(II)または、(III) などで表される活性水素含有基として水酸基を含有するポリシロキサンが好ましい。
【0009】
Figure 0004031330
Figure 0004031330
(上記式中の、R1a〜R1hは各々独立して、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を、R2a〜R2cは各々独立して、アルキレン基あるいはエステル結合またはエーテル結合を有する二価の置換基を、nは1〜300程度の整数をそれぞれ表す。)
【0010】
上記の如き水酸基含有ポリシロキサンの具体例としては、例えば下記のポリシロキサンが挙げられる。
Figure 0004031330
【0011】
Figure 0004031330
Figure 0004031330
【0012】
水酸基含有ポリシロキサンは、これと、例えば、カプロラクトンやバレロラクトンなどのラクトンとを共重合してなる、あるいは、これとアジピン酸ポリエステルポリオール、セバシン酸ポリエステルポリオールなどを共重合してなるエステル変性ポリシロキサンポリオールとして単独で、あるいは水酸基含有ポリシロキサンとともに使用することもできる。
【0013】
本発明において活性水素含有ポリシロキサンと必要により使用される高分子ポリオールは、ポリウレタンの製造に従来から使用されている公知のものがいずれも使用できるが、数平均分子量(末端基定量法による)が1,000〜10,000のものが好ましい。また、高分子ポリオールとしては、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリラクトン系ポリオールなどが挙げられる。高分子ポリオール/活性水素含有ポリシロキサンの使用割合(重量%)は、通常0〜90/100〜10である。
【0014】
ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、二塩基酸(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸など)またはそれらの無水物の少なくとも1種とグリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール;ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどの脂環族グリコール;キシリレングリコールなどの芳香族グリコール;C1〜C18のアルキルジエタノールアミンなどのアルキルジアルカノールアミンなど)の少なくとも1種とを縮重合させて得られるもので、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペートなどの縮合系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
【0015】
ポリラクトン系ポリオールとしては、例えば、前記ジオール類などを開始剤としてラクトンを開環重合させて得られるポリラクトンジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリメチルバレロラクトンジオールなどのラクトン系ポリエステルジオールなどが挙げられる。
【0016】
ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールエーテル、ポリプロピレングリコールエーテルなどのホモポリエーテルポリオールおよび異種のアルキレンオキサイドを共重合したコポリエーテルポリオールなどが挙げられる。
ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、ポリ−1,6−ヘキサンカーボネートジオール、ポリ−1,4−ブチレンカーボネートジオールなどが挙げられる。
【0017】
高分子ポリオールの中では、特にポリエーテル系ポリオールが、それを前記のエステル変性ポリシロキサンポリオールと組合せて使用することで、あらゆる特性に優れたゴルフボールのカバー材として好適なシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンを生成するので好ましい。この場合、エステル変性ポリシロキサンポリオールは、ポリシロキサン成分の含有量が30〜80重量%のものが好ましく、更に好ましくは40〜70重量%のものである。又、ポリエーテル系ポリオールの使用割合は、エステル変性ポリシロキサンポリオール100重量部に対して30〜200重量部の割合が好ましく、更に好ましくは50〜150重量部の割合である。
【0018】
本発明で使用する鎖伸長剤は、特に限定されず、従来公知の多価アルコール類やアミン類がいずれも使用できるが、平均分子量が250以下の2価アルコールが好ましい。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール;ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどの脂環族グリコール;キシリレングリコールなどの芳香族グリコールなどが挙げられる。
【0019】
本発明で使用するポリイソシアネートとしては、従来公知のポリイソシアネートがいずれも使用でき、特に限定されない。例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,5−オクチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート;4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添トリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4′−ジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート;2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオホスフェート、トリジンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート等の芳香族イソシアネートなどが挙げられる。
【0020】
上記の各成分を反応させることによって本発明のシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンが得られるが、製造方法としては従来公知のポリウレタンの製造方法が使用でき、特に限定されない。各成分の好ましい使用割合は下記の通りである。
全活性水素含有成分および鎖伸長剤との合計とポリイソシアネートの比は、NCO/活性水素含有基(OHなど)の当量比で0.95〜1.10であることが好ましい。また、鎖伸長剤の使用量は特に限定されないが、全活性水素含有成分中5〜30重量%の範囲であることが好ましい。
【0021】
活性水素含有ポリシロキサンは、ポリウレタン中のポリシロキサン成分(セグメント)の含有量が4〜80重量%となる量で使用され、好ましくは4〜60重量%、更に好ましくは4〜50重量%となる量である。
ポリウレタン中のポリシロキサン成分の含有量が4重量%未満では反発弾性率の温度による変化が大きく、80重量%を超えると強度特性が低下する。
【0022】
本発明のシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンは、0℃および23℃での反発弾性率率が、それぞれ50〜90%であるものが好ましい。0℃での反発弾性率が50%未満では、ゴルフボールの飛びが悪く、90%を超えるものは合成が困難である。また、本発明のシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンは、反発弾性率(Rb)が、0℃での反発弾性率に対する23℃での反発弾性率の比〔Rb(23℃)/Rb(0℃)〕が1.5以下のものが望ましい。1.5を超えると、外気温が高いときと低いときで、ボールの飛距離、打球感が大きく異なってしまう。さらに、本発明のシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンのJIS K7311に従って測定した硬度は、JIS A60〜JIS D80の範囲のものが好ましい。
【0023】
本発明のシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンは、マルチピースゴルフのカバー材して使用されるが、コアと中間層とカバーからなるマルチピースゴルフボールの中間層形成用材料としても使用することができる。
本発明のシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンをカバー用材料として使用する場合には、このポリウレタンを主成分とし、必要により他のポリマー成分を併用し、カバー形成材に従来から使用される着色剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、離型剤などの添加剤を配合した成形用組成物として使用される。
【0024】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中の「部」または「%」は、特に断りのない限り重量基準である。
【0025】
実施例1
数平均分子量3200の下記構造のアルコール変性ポリシロキサンオイル(KF−6002:信越化学工業社製)とε−カプロラクトンを共重合して得られる数平均分子量5200でポリシロキサン分が60%のエステル変性ポリシロキサンポリオール(以下ではS1と称する)1000部と、数平均分子量1700のポリテトラメチレンエーテルグリコール1080部に、1,4−ブタンジオール324部及び4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート1150部を均一に撹拌し、トレー中に注入して100℃で反応させた。得られた反応生成物を粉砕後、押出機を用いて200〜230℃でペレット化し、シリコーン変性熱可塑性ポリウレタン(U1)のペレットを得た。
Figure 0004031330
【0026】
実施例2
実施例1で使用したエステル変成ポリシロキサンポリオール(S1)1000部と数平均分子量3200のアルコール変性ポリシロキサンオイル(KF−6002:信越化学工業社製)100部に、1,4−ブタンジオール181部及び4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート581部を均一に撹拌し、トレー中に注入して100℃で反応させ、実施例1と同様にしてペレット化したシリコーン変性熱可塑性ポリウレタン(U2)を得た。
【0027】
実施例3
実施例1で使用したエステル変成ポリシロキサンポリオール(S1)1000部と数平均分子量3200のアルコール変性ポリシロキサンオイル(KF−6002:信越化学工業社製)700部に、1,4−ブタンジオール280部及び4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート914部を均一に撹拌し、トレー中に注入して100℃で反応させ、実施例1と同様にしてペレット化シリコーン変性熱可塑性ポリウレタン(U3)を得た。
【0028】
実施例4
数平均分子量2000の下記構造のカルボキシル変性ポリシロキサンオイル(X−22−162A:信越化学工業社製)と1,4−ブタンジオールを脱水縮合重合して得られる数平均分子量3000でポリシロキサン分が65%のエステル変性ポリシロキサンポリオール1000部と、数平均分子量3200のヘキサメチレンアジペートポリオール1800部に、1,4−ブタンジオール436部及び4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート1620部を均一に撹拌し、トレー中に注入して100℃で反応させ、実施例1と同様にしてペレット化シリコーン変性熱可塑性ポリウレタン(U4)を得た。
Figure 0004031330
【0029】
実施例5
実施例1で使用したエステル変性ポリシロキサンポリオール(S1)1000部と、数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール720部、1,4−ブタンジオール290部および4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート1056部を100℃で反応させ、実施例1と同様にしてペレット化シリコーン変性熱可塑性ポリウレタン(U5)を得た。
【0030】
実施例6
実施例1で使用したエステル変性ポリシロキサンポリオール(S1)1000部と、数平均分子量1300のポリテトラメチレンエーテルグリコール1820部、1,4−ブタンジオール401部および4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート1557部を100℃で反応させ、実施例1と同様にしてペレット化シリコーン変性熱可塑性ポリウレタン(U6)を得た。
【0031】
比較例1
数平均分子量1700のポリテトラメチレンエーテルグリコール1000部に、1,4−ブタンジオール151部及び4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート589部を均一に撹拌し、トレー中に注入して100℃で反応させ、実施例1と同様にしてペレット化熱可塑性ポリウレタン(U7)を得た。。
【0032】
比較例2
数平均分子量3200のヘキサメチレンアジペートポリオール1000部に、1,4−ブタンジオール151部及び4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート518部を均一に撹拌し、トレー中に注入して100℃で反応させ、実施例1と同様にしてペレット化熱可塑性ポリウレタン(U8)を得た。
【0033】
〔シリコーン変性熱可塑性ポリウレタンの物性評価〕
上記の実施例1〜6及び比較例1〜2のシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンを射出成形機又は押出成形機を用いて試験片に加工し、JIS K7311に準じて機械的特性を測定した。
流動開始点及び溶融粘度は、JIS K7311に従い、高化式フローテスターにて1mm(径)×10mm(長さ)のノズル、荷重50kgf/cm2、昇温速度3℃/分の条件で測定した。
動的粘弾性は、固体粘弾性測定装置(セイコーインストルメンツ社製EXSTAR6000 DMS)を用い、0.4mm厚さのシートを、周波数30Hz、昇温速度5℃/分、振幅20μmの条件で測定した。
反発弾性率は、JIS K7311に従い、リュプケ式試験装置を用いて測定した。
以上の測定結果を表1及び2に示す。
【0034】
Figure 0004031330
【0035】
Figure 0004031330
【0036】
表1の結果から、実施例1〜6のポリシロキサン成分を最も好ましい範囲の4〜80%で含むシリコーン変性熱可塑性ポリウレタン(U1〜U6)では、反発弾性率は、0℃および23℃で50〜90%であるとともに、23℃での反発弾性率が0℃での反発弾性率の1.5倍以下であり、外気温の変化に影響されない高反発弾性値を有しており、ゴルフボールのカバー材として適切であることが分かる。
一方、比較例1及び2のポリシロキサン成分を含まない熱可塑性ポリウレタン(U7、U8)では、0℃での反発弾性率が50%以下であると共に、23℃での反発弾性率が0℃における反発弾性率の1.5倍以上であって、外気温の変化に反発弾性率が大きく影響を受け、ゴルフボールのカバー材として不適切であることが分かる。
【0037】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、ゴルフボールのカバー材に用いられる、外気温に左右されず(温度変化にもよらず)、反発弾性の高い成形材料であるシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンが提供される。

Claims (7)

  1. 活性水素含有ポリシロキサン、鎖伸長剤、およびポリイソシアネートを反応させて得られ、ポリウレタン中に上記ポリシロキサン成分を4〜80重量%含有することを特徴とするゴルフボールのカバー材用シリコーン変性熱可塑性ポリウレタン。
  2. 活性水素含有ポリシロキサンがポリシロキサンポリオールである請求項1に記載のゴルフボールのカバー材用シリコーン変性熱可塑性ポリウレタン。
  3. 更に、高分子ポリオールを反応させる請求項1または2に記載のゴルフボールのカバー材用シリコーン変性熱可塑性ポリウレタン。
  4. ポリシロキサンポリオールが、エステル変性ポリシロキサンポリオールである請求項2に記載のゴルフボールのカバー材用シリコーン変性熱可塑性ポリウレタン。
  5. 0℃および23℃での反発弾性率が、50〜90%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴルフボールのカバー材用シリコーン変性熱可塑性ポリウレタン。
  6. 23℃での反発弾性率が0℃における反発弾性率の1.5倍以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴルフボールのカバー材用シリコーン変性熱可塑性ポリウレタン。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴルフボールのカバー材用シリコーン変性熱可塑性ポリウレタンをポリマー成分として含有することを特徴とするゴルフボールのカバー成形用組成物。
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