JP4030395B2 - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェットプリンタ用の記録材料に関し、グリコール系インクの記録特性に優れるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクジェット記録用インクとしては、水と低級アルコールを溶媒とするいわゆる水性インクが主流をなしていた。このため、記録材料としては水溶性樹脂を主体とするインク受容層を有するものが数多く開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
しかし、水性インクは耐水性に劣るとともに、インクの乾燥速度が遅いという問題があった。そこで、近年、印字速度を向上させるために界面張力の低いパラフィン系インクや揮発性の高いシンナー系などの溶剤系インクを用いた機種が出始めてきており、当該インクに対応した記録材料が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
【0004】
しかしながら、この様なパラフィン系インクは界面張力が低い為、記録材料への浸透速度が速い一方、揮発性が低く、記録材料や保護フィルムを侵しやすいという欠点があり、もう一方のシンナー系のインクは臭気がきつく、環境に与える影響が大きく、さらに危険性があるため取扱い時に有機溶剤作業主任者が必要となってしまうという問題があった。
【0005】
そこで、グリコールエーテル及びアルキレングリコールを主成分とするグリコール系インクが開発されている。このインクは新しく開発された溶剤系インクであり、耐水性、インク乾燥性に優れるとともに、上記した従来の溶剤系インクの欠点を解消したものである。しかし、グリコール系インクに適した記録材料は未だ提案されていない。
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−188181号公報
【特許文献2】
特開平3−281384号公報
【特許文献3】
特開平11−99742号公報
【特許文献4】
特開平11−165460号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、グリコール系インクに対して好適に用いられるインクジェット記録材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のインクジェット記録材料は、インク受容層を有するものであって、前記インク受容層が、グリコールエーテル及び/又はアルキレングリコールに膨潤又は溶解可能な樹脂を含有し、かつ前記樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体およびゴム系樹脂を用い、かつインク受容層を構成する樹脂中の前記ゴム系樹脂の割合が5〜30重量%であることを特徴とするものである。
【0009】
好ましくは、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が、その他の重合成分として、ビニルアルコール及び/又はマレイン酸を含むことを特徴とするものである。
【0010】
好ましくは、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中における塩化ビニルの組成率が、58〜98重量%であることを特徴とするものである。
【0011】
好ましくは、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中における酢酸ビニルの組成率が、1〜40重量%であることを特徴とするものである。
【0012】
好ましくは、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中における前記その他の重合成分の組成率が、0.3〜20重量%であることを特徴とするものである。
【0013】
好ましくは、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中における塩化ビニル、酢酸ビニル、前記その他の重合成分の組成率が、それぞれ58〜98重量%、1〜40重量%、0.3〜20重量%であることを特徴とするものである。
【0015】
好ましくは、前記ゴム系樹脂がエピクロルヒドリンゴムであることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット記録材料は、インク受容層を有するものであって、前記インク受容層が、グリコールエーテル及び/又はアルキレングリコールに膨潤又は溶解可能な樹脂を含有し、かつ前記樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いることを特徴とするものである。以下、各構成要素の実施の形態について説明する。
【0017】
インク受容層は、インク受容性を有する樹脂をフィルム化したもののようにインク受容層単独で取り扱うことができるものと、インク受容層単独では取り扱いが困難なものに分けられる。インク受容層単独での取り扱いが困難な場合、インク受容層は支持体上に形成される。支持体は、紙、繊維布帛など特に制限されることなく使用することができるが、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのプラスチックフィルムが好適に使用される。支持体の厚みは特に限定されるものではないが、搬送の関係上、5μm以上にすることが望ましい。
【0018】
インク受容層は、主として、グリコールエーテル及び/又はアルキレングリコールに膨潤又は溶解可能な樹脂を含有し、本発明においては、かかる樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使用する。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使用することにより、インクの発色、インク乾燥性を良好なものとすることができる。かかる効果を発揮するため、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、インク受容層を構成する樹脂の50〜100重量%含まれることが好ましい。
【0019】
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、その他の重合成分として、ビニルアルコール及び/又はマレイン酸を含むものであることが好ましい。重合成分が塩化ビニル及び酢酸ビニルのみからなる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使用すると、インクジェット記録材料全体が変色したり、記録の際に滲みが発生する場合がある。本発明者は鋭意研究したところ、インク受容層形成後に樹脂の硬化を促進させるキュアリング過程において、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が熱分解していることに原因があると推察した。そこでさらに研究を進めた結果、その他の重合成分としてビニルアルコール及び/又はマレイン酸を含ませることにより、インクの発色、インク乾燥性という性能を殆ど損なうことなく、熱分解を抑制できることを見出した。
【0020】
その他の重合成分は、ビニルアルコールのみ、マレイン酸のみ、あるいはビニルアルコール及びマレイン酸の両方でもよいが、インクの発色の観点から、ビニルアルコール単独であることが好ましい。
【0021】
なお、後述する安定剤や安定化助剤によっても、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の熱分解をある程度抑制することはできるが、完全に熱分解を抑制することはできず、また、安定剤等を多量に添加するとインクの発色が低下してしまう。
【0022】
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中における塩化ビニルの組成率は、好ましくは58〜98重量%、さらに好ましくは68〜98重量%であることが望ましい。このような範囲とすることにより、インクの発色を良好にすることができるとともに、インク乾燥性を良好なものにすることができる。
【0023】
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中における酢酸ビニルの組成率は、好ましくは1〜40重量%、さらに好ましくは1〜30重量%であることが望ましい。このような範囲とすることにより、インク受容層に可撓性を付与するとともに、インク乾燥性を良好なものにすることができる。
【0024】
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中におけるその他の重合成分の組成率は、0.3〜20重量%であることが好ましい。このような範囲とすることにより、上述した諸性能を殆ど損なうことなく、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の熱分解を防止することができる。
【0025】
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中における塩化ビニル、酢酸ビニル、上記その他の重合成分の組成率は、それぞれ58〜98重量%、1〜40重量%、0.3〜20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは、それぞれ68〜98重量%、1〜30重量%、0.3〜20重量%であることが望ましい。このような範囲とすることにより、インクの発色、インク乾燥性を良好にするとともに、熱分解の発生を防止することができる。
【0026】
なお、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中には、上述した性能を害しない範囲で、上記例示した成分以外の重合成分を含むものであってもよい。
【0027】
インク受容層中には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体以外のグリコールエーテル及び/又はアルキレングリコールに膨潤又は溶解可能な樹脂を含ませてもよい。このような樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリエステル、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合体、塩素化ポリオレフィンなどがあげられるが、ゴム系樹脂を使用することが好ましい。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のみでも、通常のインク量であればインクの滲みは発生しないが、ゴム系樹脂を使用することにより、インクの量を増やして出力した際にも、インクの滲みを防止することができる。
【0028】
ゴム系樹脂としては、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴムなどがあげられるが、インクの発色、インク乾燥性を殆ど損なうことのないエピクロルヒドリンゴムが好適に使用される。
【0029】
エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体などがあげられるが、その中でもエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体が特に好適に使用される。
【0030】
ゴム系樹脂は、インク受容層を構成する樹脂の5重量%以上、好ましくは5〜30重量%含まれることが好ましい。5重量%以上とすることにより、インクの滲みを防止することができ、30重量%以下とすることにより、インクの発色やインク乾燥性の低下を防止することができる。
【0031】
インク受容層中には、上述した性能を害しない範囲内で、ウレタン樹脂、アルキド樹脂などの上述した樹脂以外の樹脂を含有させることは何ら差し支えない。
【0032】
インク受容層中には、インク吸収性を向上させたり、ブロッキングを防止するために顔料を含有させてもよい。顔料としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、合成ゼオライト、アルミナ、スメクタイトなどの無機顔料の他、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などからなる樹脂ビーズ、若しくはこれらを原料とする中空樹脂ビーズなどの有機顔料があげられ、これらを単独であるいは2種以上混合して使用することができる。
【0033】
インク受容層中には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の熱分解をさらに抑制するため、安定剤や安定化助剤を含有させてもよい。安定剤としては、金属石けん、有機スズなどが、安定化助剤としては、ホスファイト、エポキシ化合物、ハイドロタルサイト、ゼオライトなどがあげられる。インク受容層中における安定剤および安定化剤の合計添加量は、インク受容層を構成する樹脂100重量部に対し、1〜10重量部であることが好ましい。
【0034】
また、インク受容層中には、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤などの添加剤を添加してもよい。
【0035】
インク受容層の厚みは、支持体上にインク受容層を設ける場合、5〜70μmであることが好ましい。5μm以上とすることによりインク吸収性を良好にすることができ、70μm以下とすることによりカールの発生を防止することができる。支持体がなくインク受容層単独で取り扱う場合、カールの問題が無い為、これに制限されるものではないが、搬送の関係上、5μm以上にすることが望ましい。
【0036】
インク受容層を形成する方法としては、インク受容層の構成成分を適当な溶媒に溶解又は分散させて塗布液を調製し、当該塗布液をロールコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法などの公知の方法により支持体上に塗布・乾燥させる方法があげられる。
【0037】
なお、インク受容層の接着性を調節するため、インク受容層と支持体との間にアンカーコート層を設けたり、カールの発生を防止するため、支持体のインク受容層とは反対側の面にバックコート層を設けたり、帯電を防止するため、インク受容層上や支持体のインク受容層とは反対側の面に帯電防止層を設けることは何ら差し支えない。
【0038】
また、インク乾燥性を向上させるため、上述したインク受容層上、あるいは上述したインク受容層と支持体との間に別のインク受容層を有していてもよい。
【0039】
以上のように、本発明のインクジェット記録材料は、インク受容層がグリコールエーテル及び/又はアルキレングリコールに膨潤又は溶解可能な樹脂を含有し、かつ当該樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いるものであるから、インクの発色、インク乾燥性に優れるものである。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準とする。
【0041】
[実施例1]
厚み80μmの塩化ビニルフィルム(LAGマウントP-246RW:リンテック社)上に、下記の組成からなるインク受容層塗布液を乾燥後の厚みが20μmとなるようにバーコーティング法により塗布し、100℃で3分間乾燥してインク受容層を形成し、インクジェット記録材料を得た。
【0042】
<インク受容層塗布液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(デンカビニール1000GK:電気化学工業社、塩化ビニル
:酢酸ビニル:ビニルアルコール=90:3:7、固形
分100%)
・エピクロルヒドリン− 4部
エチレンオキサイド共重合体
(Gechron2000:日本ゼオン社、固形分100%)
・有機スズ 1部
(TVS NK-220B:日東化成社)
・メチルエチルケトン 10部
・トルエン 10部
【0043】
参考例1
実施例1のインク受容層塗布液のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体の添加量を1部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録材料を得た。
【0044】
[実施例3]
実施例1のインク受容層塗布液のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体の添加量を10部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録材料を得た。
【0045】
[実施例4]
実施例1のインク受容層塗布液の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(デンカビニール1000CK:電気化学工業社、塩化ビニル:酢酸ビニル:マレイン酸=85:14:1、固形分100%)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録材料を得た。
【0046】
参考例2
実施例1のインク受容層塗布液からエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体を除き、かつ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(デンカビニール1000L:電気化学工業社、塩化ビニル:酢酸ビニル=85:15、固形分100%)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録材料を得た。
【0047】
参考例3
実施例1のインク受容層塗布液からエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体を除き、かつ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を、塩化ビニル:酢酸ビニル=65:35の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(固形分100%)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録材料を得た。
【0048】
参考例4
実施例1のインク受容層塗布液からエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体を除き、かつ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を、塩化ビニル:酢酸ビニル=55:45の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(固形分100%)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録材料を得た。
【0049】
[比較例1]
インク受容層塗布液を下記の組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録材料を得た。
【0050】
<インク受容層塗布液>
・ポリビニルブチラール(固形分100%) 10部
(エスレックBL2:積水化学工業社)
・メチルエチルケトン 45部
・トルエン 45部
【0051】
[比較例2]
インク受容層塗布液を下記の組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録材料を得た。
【0052】
<インク受容層塗布液>
・ヒドロキシメチルセルロース 10部
(SP200:ダイセル化学工業社、固形分100%)
・純水 90部
【0053】
実施例1、3、4、参考例1から4及び比較例1、2で得られたインクジェット記録材料をキュアリング処理(100℃で10分間加熱)し、グリコール系インクを用いてインクジェットプリンタ(SOLJET:ローランド社)で記録を行い、以下の項目について評価を行った。単色ベタ印字を100%として、インクの発色、インク乾燥性については単色印字100%、インクの滲みについては単色印字100%および2色を重ね合わせた印字200%で記録を行った際の評価である。結果を表2に示す。
【0054】
(1)インクの発色
マクベス濃度計TR927(Macbeth社)にてRedフィルターを用い、シアンの反射濃度を測定した。反射濃度の数値が大きいほど発色が良好なことを示す。
【0055】
(2)インク乾燥性
記録後のインクジェット記録材料のインク受容層側に、一定時間経過後に紙を重ね、インクが転写するか否かを観察した。その結果、記録後5分以内に転写しなくなったものを「◎」、5〜30分以内に転写しなくなったものを「○」、30分以上経過しても転写したものを「×」とした。
【0056】
(3)滲み(単色印字100%および2色重ね印字200%で評価)
記録後のインクジェット記録材料の滲みを目視で観察した。その結果、滲みが全くないものを「◎」、滲みが目立たないものを「○」、若干滲んでいるものを「△」、滲んで画像にならないものを「×」とした。
【0057】
【表1】
Figure 0004030395
【0058】
実施例1、3、4及び参考例1から4のものは、インク受容層中にグリコールエーテル及び/又はアルキレングリコールに膨潤又は溶解可能な樹脂を含有し、かつ当該樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含ませたものである。したがって、表1の結果からも分かるように、実施例1、3、4及び参考例1から4のものは、インクの発色、インク乾燥性において、比較例のものより優れた性能を有するものであった。
【0059】
実施例1、3、4及び参考例1のものは、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中に、その他の重合成分として、ビニルアルコール又はマレイン酸を含み、かつ、共重合体中における塩化ビニル、酢酸ビニル、その他の重合成分の組成率が、それぞれ58〜98重量%、1〜40重量%、0.3〜20重量%の範囲内のものである。したがって、キュアリング処理した後においても滲み(100%)を殆ど生じることなく、かつインクの発色、インク乾燥性にも優れるものであった。特に、実施例1、3及び参考例1のものは、その他の重合成分がビニルアルコールであることから、インクの発色を殆ど損なうこともなかった。
【0060】
また、実施例1、3、4のものは、インク受容層中にゴム系樹脂を5重量%以上含有するものである。したがって、印字200%においても滲みを生じないものであった。特に、実施例1、4のものは、ゴム系樹脂の含有量が5重量%以上であって30重量%以下であることから、インク乾燥性が低下することもなかった。
【0061】
また、参考例4のものは、実施例1、3、4及び参考例1から3のものに比べ、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中における塩化ビニルの組成率が低いものである。したがって、キュアリング処理により熱分解が生じても、滲みの原因となると思われる塩化水素の発生が少なく、滲みが目立たないものであったが、実施例1、3、4及び参考例1から3のものに比べ、インクの発色、インク乾燥性が十分なものではなかった。
【0062】
なお、表中には記載していないが、キュアリング処理を行わなかったインクジェット記録材料で記録を行った場合、参考例2〜4のインクジェット記録材料は、何れも印字100%で滲みを全く生じることなく、印字200%で滲みが目立たないものであった。
【0063】
一方、比較例1のものは、インク受容層中にグリコールエーテル及び/又はアルキレングリコールに膨潤又は溶解可能な樹脂を含有するものの、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いていないものである。したがって、インクの発色、インク乾燥性に劣り、使用に耐えないものであった。
【0064】
また、比較例2のものは、インク受容層中にグリコールエーテル及び/又はアルキレングリコールに膨潤又は溶解可能な樹脂を含有しないものである。したがって、インクの発色、インク乾燥性に劣り、使用に耐えないものであった。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、本発明のインクジェット記録材料は、インク受容層がグリコールエーテル及び/又はアルキレングリコールに膨潤又は溶解可能な樹脂を含有し、かつ当該樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いるものであるから、インクの発色、インク乾燥性に優れるものである。

Claims (8)

  1. インク受容層を有するインクジェット記録材料において、前記インク受容層が、グリコールエーテル及び/又はアルキレングリコールに膨潤又は溶解可能な樹脂を含有し、かつ前記樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体およびゴム系樹脂を用い、かつインク受容層を構成する樹脂中の前記ゴム系樹脂の割合が5〜30重量%であることを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が、その他の重合成分として、ビニルアルコール及び/又はマレイン酸を含むことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録材料。
  3. 前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中における塩化ビニルの組成率が、58〜98重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録材料。
  4. 前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中における酢酸ビニルの組成率が、1〜40重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録材料。
  5. 前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中における前記その他の重合成分の組成率が、0.3〜20重量%であることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録材料。
  6. 前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中における塩化ビニル、酢酸ビニル、前記その他の重合成分の組成率が、それぞれ58〜98重量%、1〜40重量%、0.3〜20重量%であることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録材料。
  7. 前記インク受容層を構成する樹脂中の前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の割合が50重量%以上であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録材料。
  8. 前記ゴム系樹脂がエピクロルヒドリンゴムであることを特徴とする請求項記載のインクジェット記録材料。
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