JPH10278418A - 水性インク用記録材 - Google Patents

水性インク用記録材

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JPH10278418A
JPH10278418A JP9102546A JP10254697A JPH10278418A JP H10278418 A JPH10278418 A JP H10278418A JP 9102546 A JP9102546 A JP 9102546A JP 10254697 A JP10254697 A JP 10254697A JP H10278418 A JPH10278418 A JP H10278418A
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JP
Japan
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ink
layer
recording material
water
outermost layer
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Application number
JP9102546A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotaka Mochizuki
博孝 望月
Kiyofumi Nagai
希世文 永井
Masato Igarashi
正人 五十嵐
Akiko Konishi
昭子 小西
Masayuki Koyano
正行 小谷野
Takanori Tsuyuki
孝範 露木
Ikuko Tanaka
郁子 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性が良好であり、さらにインクの吸収速
度が速く、ベタ印字や二色印字の際にも濃度ムラが発生
することのない良好な印字画像が得られる水性インク用
記録材を提供する。また、透明性にも優れており、オー
バーヘッドプロジェクターなどに用いるのに好適な水性
インク用記録材を提供する。 【解決手段】 支持体の少なくとも片面にインク受容層
を2層以上積層してなる水性インク用記録材において、
インク受容層の最外層がポリビニルアセタールまたはそ
の誘導体に対し10乃至50重量%のアルミナ水和物微
粒子またはシリカ微粒子を分散させた層であり、下側層
が水溶性高分子化合物からなる層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性インク用記録材
に関し、特にインクジェット記録に用いるのに好適な水
性インク用記録材に関するものである。また、オーバー
ヘッドプロジェクターなどに用いるのに好適な水性イン
ク用記録材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式による記録は騒音が
少なく、高速記録が可能で、またカラー化が容易である
などの理由で近年急速に普及している。記録に用いるイ
ンクとしては、安全性や記録適性の面から水性インクが
使用されている。また水性インク用記録材としては普通
紙の他、インクの吸収性を改良した記録材が使用されて
いる。インクの吸収性、定着性などを改善した水性イン
ク用記録材としては、紙、プラスチックフィルム、ガラ
ス板などの支持体の上に、ポリビニルアルコールやポリ
ビニルピロリドンなどの水溶性樹脂からなるインク受容
層を設けた記録材が知られている。また、オーバーヘッ
ドプロジェクターなどに用いられる水性インク用記録材
としては、プラスチックフィルムなどの透明な支持体上
に水溶性樹脂からなる透明なインク受容層を設けた記録
材が知られている。これらの記録材は水性インクの吸収
性、定着性などは良好であるが、耐水性に劣る不具合が
あった。そこで水性インクの吸収性、定着性及び耐水性
が良好で且つ透明なインク受容層を有する記録材とし
て、ポリビニルフェニルアセタール等の耐水性のポリビ
ニルアセタール樹脂を用いたインク受容層を有する記録
材が特開昭63−221077号公報に開示されてい
る。
【0003】しかしながら、ポリエステルフィルムのよ
うな水性インクを吸収しにくい支持体上に耐水性のポリ
ビニルアセタール樹脂からなるインク受容層を設けた記
録材では、単位面積当たりのインク付着量が少ないとき
は良好な性能を発揮するが、多数のインクドットが重な
り合う場合、すなわち単位面積当たりのインク付着量が
多いときにはインク受容層がインクを吸収しきれないと
いう難点がある。また、シリカ微粒子やアルミナ水和物
をポリビニルアルコール中に分散したインク受容層を透
明な支持体上に設けた記録材が特開平6−199034
号公報に開示されており、この記録材はインクの吸収速
度は速いがインク受容層の透明性に劣り若干曇った記録
材となるという不具合がある。また、特開昭57−10
2391号公報には、耐水性を改善するためにインク受
容層にポリビニルピロリドンのような水溶性樹脂とポリ
ビニルブチラールのような耐水性の被膜を形成する樹脂
との混合物を用いることが開示されているが、それら樹
脂の相溶性が悪くインク受容層の透明性が劣るという難
点がある。さらに、特開平5−262028号公報に
は、インク受容層を2層にして最外層に耐水性の樹脂を
用い、下層にインクの吸収性の良い樹脂を用いることが
開示されているが、耐水性の樹脂を最外層に用いると水
性インクとの濡れ性が悪くなり、ベタ印字や二色印字の
際に濃度ムラが発生するという不具合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、耐水性が良好であり、さら
にインクの吸収速度が速く、ベタ印字や二色印字の際に
も濃度ムラが発生することのない良好な印字画像が得ら
れる水性インク用記録材を提供することにある。また、
本発明の課題は透明性にも優れており、オーバーヘッド
プロジェクターなどに用いるのに好適な水性インク用記
録材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、支
持体の少なくとも片面にインク受容層を2層以上積層し
てなる水性インク用記録材において、インク受容層の最
外層がポリビニルアセタールまたはその誘導体に対し1
0乃至50重量%のアルミナ水和物微粒子またはシリカ
微粒子を分散させた層であり、下側層が水溶性高分子化
合物からなる層であることを特徴とする水性インク用記
録材によって達成される。本発明の水性インク用記録材
によれば、耐水性が良好であり、さらにインクの吸収速
度が速く、ベタ印字や二色印字の際にも濃度ムラが発生
することのない良好な印字画像が得られる。また、本発
明によれば、透明な支持体を用いることにより透明性に
優れオーバーヘッドプロジェクターなどに用いるのに好
適な水性インク用記録材を得ることができる。
【0006】インク受容層の最外層に用いられるポリビ
ニルアセタールまたはその誘導体は、アルミナ水和物微
粒子やシリカ微粒子の結着剤として好適であり、耐水性
に優れ、さらに透明性も良好である。ポリビニルアセタ
ールまたはその誘導体としては、特にポリビニルブチラ
ール、または芳香族系ポリビニルアセタール及びその誘
導体、特にポリビニルフェニルアセトアセタールが好ま
しい。
【0007】ポリビニルアセタールはポリビニルアルコ
ールにアルデヒドを反応させて、アセタール化すること
により得られる。出発原料としてポリ酢酸ビニルを用
い、鹸化とアセタール化を併合してもよい。アセタール
化の方法としては、溶解法、沈殿法、均一系法などの方
法がある。使用されるポリビニルアルコールは何ら限定
されるものではないが、一般に重合度が300〜450
0、特に400〜4500のものが好ましく、重合度が
高い方が耐水性、インクの定着性が良好になる傾向にあ
る。またポリビニルアルコールの鹸化度についても、限
定されるものではないが、通常80〜99.5モル%で
あり、鹸化度の低い方がインクの定着性が良好になる傾
向にある。
【0008】本発明に用いられるポリビニルアセタール
またはその誘導体は、アセタール化度が低い場合には耐
水性が悪くなり、またアセタール化度が高すぎる場合に
は耐水性は良好であるがアルミナ水和物微粒子やシリカ
微粒子との相溶性が悪くなる。このことから、ポリビニ
ルブチラールのアセタール化度(ブチラール化度)は3
0〜85モル%が好ましく、特に40〜80モル%の範
囲が好ましい。またポリビニルフェニルアセトアセター
ルのアセタール化度(フェニルアセトアセタール化度)
は3〜30モル%が好ましく、特に5〜20モル%の範
囲が好ましい。
【0009】さらに、ポリビニルアセタールまたはその
誘導体にアルミナ水和物微粒子またはシリカ微粒子を分
散させることにより、これらの無機充填剤の空隙を通し
てインクがすばやく浸透し、透明性を損なうことなく、
耐水性が良好であり且つインク浸透速度の速い最外層が
得られる。そして、最外層を通して浸透したインクは最
外層の内側にある水溶性高分子化合物からなる下側層に
よって素早く吸収されるので、ベタ印字や二色印字の際
にも、最外層上に濃度ムラのない良好な印字画像を得る
ことができる。
【0010】最外層におけるアルミナ水和物微粒子また
はシリカ微粒子の分散状態としては、これら微粒子が最
外層表面においてランダムに存在し微粒子が互いに凝集
せず分離した状態、もしくはこれら微粒子が集合した1
00μm以下の島状部分が表面にランダムに存在してい
る状態が好ましい。このような分散状態とすることによ
って、最外層におけるインクの浸透をより速くすること
ができると共に透明性を損なうことのない最外層を得る
ことができる。微粒子が集合した100μm以上の島状
部分が部分的に存在している場合には最外層の透明度が
低下し、また最外層表面の光沢が著しく低下する。ま
た、アルミナ水和物微粒子はその粒子の1次粒子径が1
μm以下のもの、特に0.3μm以下のものが好まし
く、このような微粒子を用いることにより透明性に優れ
た最外層が得られる。
【0011】アルミナ水和物微粒子またはシリカ微粒子
の最外層への添加量は、ポリビニルアセタールまたはそ
の誘導体に対し10〜50重量%が好ましく、特に15
〜40重量%が好ましい。添加量が50重量%を越える
場合には、最外層の透明性が著しく低下し、また10重
量%を下回る場合にはインクを浸透させる効果が不十分
となる。
【0012】インク受容層の下側層ににおける水溶性高
分子化合物としては、公知の水溶性高分子化合物を用い
ることができるが、特にポリビニルアルコールまたはそ
の誘導体、ポリビニルピロリドンまたはその誘導体が好
ましい。これらの水溶性高分子化合物を用いることによ
り、最外層を通して浸透してきた水性インクを即座に吸
収することができる。
【0013】ポリビニルアルコール誘導体としては−C
OOM、−SO3M、−OSO3M、−PO(OM)
2(但し、Mは水素、リチウム、ナトリウム、カリウム
を示す。)、3級アミン、4級アンモニウム塩、ベタイ
ンからなる群より選ばれる少なくとも一つ親水基用のユ
ニットを有する変成ポリビニルアルコールなどが挙げら
れる。水性インクの成分としてカチオン系もしくはアニ
オン系の顔料または染科を用いる場合が多く、例えばカ
チオン系の顔料または染料を含む水性インクはアニオン
系の変成ポリビニルアルコールと強く結びつき、またア
ニオン系の顔料または染料を含む水性インクはカチオン
系の変成ポリビニルアルコールと強く結びつくため、上
記のようなポリビニルアルコール誘導体を用いることに
よりインクの吸収性と共にインクの吸着性を向上させる
こともできる。
【0014】またポリビニルピロリドン及びその誘導体
はインクの吸収性に特に優れている。ポリビニルピロリ
ドンとしては、分子量が10000〜400000のも
のが好ましい。また、ポリビニルピロリドンの誘導体と
しては、ポリビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合
体が好ましく、この共重合体におけるビニルピロリドン
と酢酸ビニルとの比(ビニルピロリドン/酢酸ビニル)
は7/3〜3/7が適当である。
【0015】本発明の水性インク用記録材における支持
体としてはポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメチル
メタクリレート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ
カーボネートなどのプラスチックフィルムもしくはシー
ト、紙、ガラス板などを用いることができ、用途により
適当なものを選定すればよく、オーバーヘッドプロジェ
クターなどに用いる場合にはプラスチックフィルムもし
くはシートなどの透明な支持体を選定すればよい。
【0016】本発明の水性インク用記録材を製造するに
は、例えば、水溶性高分子化合物の溶液を支持体上に塗
布し乾燥させて下側層を形成し、ついでポリビニルアセ
タールまたはその誘導体に対し10乃至50重量%のア
ルミナ水和物微粒子またはシリカ微粒子を分散させた塗
液を下側層上に塗布し乾燥させて最外層を形成し、支持
体上に下側層および最外層からなるインク受容層を設け
ればよい。また、支持体と下側層との間に接着層などの
層を設けてもよい。塗布方法としてはロールコータ法、
フレードコータ法などの公知の方法を用いることができ
る。
【0017】下側層の塗工量としては乾燥重量で0.6
〜14g/m2程度が好ましい。塗工量が0.6g/m2
未満ではインクの吸収が不十分となり、14g/m2
り多い場合には透明度が落ち、さらに単位面積当たりの
インクの付着量が多いときと少ないときに印字画像に濃
度ムラが生じるようになる。最外層の塗工量としては乾
燥重量で0.6〜14g/m2程度が好ましく、0.6
g/m2未満では耐水性の効果が不十分となり、14g
/m2より多い場合にはインクが下側層まで到達しなく
なり印字画像に濃度ムラが生じるようになる。
【0018】なお、最外層及び下側層には、本発明の水
性インク用記録材における効果を妨げない程度に公知の
各種の添加剤を配合させることができる。このような添
加剤としては、インクの吸収性能を改善させるためのグ
リセリン、エチレングリコールまたはポリエチレングリ
コール、或いは紫外線吸収剤、顔料分散剤、消泡剤、防
腐剤、pH調整剤、またはタルク、クレー等の充填剤な
どが挙げられる。グリセリン、エチレングリコールまた
はポリエチレングリコールなどは最外層に0.6〜15
重量%の割合、好ましくは1〜10重量%の割合で添加
することができる。添加した場合には、塗液を塗布し乾
燥させる際にそれらが蒸発しない温度で乾燥させること
が必要である。また、本発明の水性インク用記録材に
は、従来公知の水性インクを用いて記録することがで
き、水性インクとしては、例えば水溶性染料、湿潤剤、
界面活性剤、水、そのほかの水混和性有機溶剤、防腐剤
等からなる水性インクを例示することができる。
【0019】本発明の水性インク用記録材を図面により
説明する。図1は本発明の水性インク用記録材の一例を
模式的に示す断面図であり、支持体1の上に水溶性高分
子化合物からなる下側層2、およびポリビニルアセター
ルまたはその誘導体に対し10乃至50重量%のアルミ
ナ水和物微粒子またはシリカ微粒子を分散させた最外層
3が積層されている。
【0020】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説
明する。
【0021】実施例1 ポリビニルブチラール(アセタール化度70モル%、積
水化学社製)をエチルアルコールに溶解させポリビニル
ブチラールの20重量%溶液を調整し、この溶液100
gに6gのシリカ微粒子を加えて攪拌し均一に分散さ
せ、ポリビニルブチラールに対し30重量%のシリカ微
粒子を分散させた最外層用塗液を調整した。また、ポリ
ビニルアルコール(クラレ社製)を水に溶解させポリビ
ニルアルコールの10重量%水溶液を調整した。次に、
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルムの片面にコロナ放電処理した後、そのPETフ
ィルムのコロナ放電処理した面上に上記ポリビニルアル
コール水溶液を乾燥重量で10g/m2になるように塗
布し、乾燥させて下側層を形成した。ついで、下側層上
に上記最外層用塗液を乾燥重量で10g/m2になるよ
うに塗布し乾燥させて最外層を形成し、下側層および最
外層からなるインク受容層を有する水性インク用記録材
を得た。
【0022】実施例2 ポリビニルアルコール(ケン化度88モル%、クラレ社
製)350gを水3000gに溶かし、それに35重量
%の塩酸170g、フェニルアセトアルデヒド77gを
加え10℃で5時間保ち反応させスポンジ状の沈殿物を
得た。ついでその沈殿物を水洗中和し、触媒や未反応の
アルデヒドを除去した後、乾燥させポリビニルフェニル
アセトアセタール(アセタール化度14モル%)を得
た。ポリビニルフェニルアセトアセタールをエチルアル
コールに溶かしポリビニルフェニルアセトアセタールの
20重量%溶液を調整し、この溶液100gに4gのア
ルミナ水和物微粒子を加えて攪拌し均一に分散させ、ポ
リビニルフェニルアセトアセタールに対し20重量%の
アルミナ水和物微粒子を分散させた最外層用塗液を調整
した。また、ポリビニルピロリドン(ISP社製)を水
に溶解させポリビニルピロリドンの10重量%水溶液を
調整した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルムの片面にコロナ放電処理した
後、そのPETフィルムのコロナ放電処理した面上に上
記ポリビニルピロリドン水溶液を乾燥重量で10g/m
2になるように塗布し、乾燥させて下側層を形成した。
ついで、下側層上に上記最外層用塗液を乾燥重量で1
0.7g/m2になるように塗布し乾燥させて最外層を
形成し、下側層および最外層からなるインク受容層を有
する水性インク用記録材を得た。
【0023】実施例3 実施例1において、ポリビニルアルコールの10重量%
水溶液の代わりに実施例2のポリビニルピロリドンの1
0重量%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして水
性インク用記録材を得た。
【0024】実施例4 実施例2において、ポリビニルピロリドンの10重量%
水溶液の代わりに実施例1のポリビニルアルコールの1
0重量%水溶液を用いた以外は実施例2と同様にして水
性インク用記録材を得た。
【0025】実施例5 ポリビニルブチラール(アセタール化度70モル%、積
水化学社製)をエチルアルコールに溶解させポリビニル
ブチラールの20重量%溶液を調整し、この溶液100
gに4gのアルミナ水和物微粒子を加えて攪拌し均一に
分散させ、ポリビニルブチラールに対し20重量%のア
ルミナ水和物微粒子を分散させた最外層用塗液を調整し
た。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムの片面にコロナ放電処理した後、そ
のPETフィルムのコロナ放電処理した面上に実施例2
におけると同じポリビニルピロリドン水溶液を乾燥重量
で10g/m2になるように塗布し、乾燥させて下側層
を形成した。ついで、下側層上に上記最外層用塗液を乾
燥重量で10.7g/m2になるように塗布し乾燥させ
て最外層を形成し水性インク用記録材を得た。
【0026】比較例1 実施例1において、最外層用塗液としてポリビニルブチ
ラール(アセタール化度70モル%、積水化学社製)を
エチルアルコールに溶解させポリビニルブチラールの2
0重量%溶液を用いた以外は実施例1と同様にして水性
インク用記録材を得た。
【0027】比較例2 実施例1において、最外層用塗液に添加するシリカ微粒
子の量を13gとし、ポリビニルブチラールに対し65
重量%のシリカ微粒子を分散させた最外層用塗を用い
た以外は実施例1と同様にして水性インク用記録材を得
た。
【0028】比較例3 実施例1において、最外層用塗液に添加するシリカ微粒
子の量を1gとし、ポリビニルブチラールに対し5重量
%のシリカ微粒子を分散させた最外層用塗液を用いた以
外は実施例1と同様にして水性インク用記録材を得た。
【0029】比較例4 実施例2において、最外層用塗液として、ポリビニルア
ルコールを水に溶解させたポリビニルアルコールの20
重量%水溶液100gに4gのアルミナ水和物微粒子を
加えて攪拌し均一に分散させ、ポリビニルアルコールに
対し20重量%のアルミナ水和物微粒子を分散させた最
外層用塗液を用いた以外は実施例2と同様にして水性イ
ンク用記録材を得た。
【0030】比較例5 実施例1において、最外層用塗液として、ポリビニルピ
ロリドンを水に溶解させたポリビニルピロリドンの20
重量%水溶液100gに3gのシリカ微粒子を加えて攪
拌し均一に分散させ、ポリビニルピロリドンに対し15
重量%のシリカ微粒子を分散させた最外層用塗液を用い
た以外は実施例1と同様にして水性インク用記録材を得
た。
【0031】比較例6 実施例2において、ポリビニルピロリドンの10重量%
水溶液の代わりにポリビニルブチラール(アセタール化
度70モル%、積水化学社製)をエチルアルコールに溶
解させポリビニルブチラールの10重量%溶液を用いて
下側層を形成した以外は実施例2と同様にして水性イン
ク用記録材を得た。
【0032】比較例7 ポリビニルアルコールを水に溶解させポリビニルアルコ
ールの20重量%溶液を調整し、この溶液100gに4
gのアルミナ水和物微粒子を加えて攪拌し均一に分散さ
せ、ポリビニルアルコールに対し20重量%のアルミナ
水和物微粒子を分散させた最外層用塗液を調整した。次
に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムの片面にコロナ放電処理した後、そのPE
Tフィルムのコロナ放電処理した面上に、ポリビニルブ
チラール(アセタール化度70モル%)をエチルアルコ
ールに溶解させたポリビニルブチラールの10重量%溶
液を乾燥重量で10g/m2になるように塗布し、乾燥
させて下側層を形成した。ついで、下側層上に上記最外
層用塗液を乾燥重量で10g/m2になるように塗布し
乾燥させ最外層を形成して水性インク用記録材を得た。
【0033】このようにして得られた実施例及び比較例
の水性インク用記録材について、下記の方法により耐水
性試験および印字画像の濃度ムラの評価を行った。その
結果を表1に示す。 (1)耐水性試験 サーマルインクジェット方式、ピエゾインクジェット方
式のインクジェットプリン夕を用いて、マゼンタ、イエ
ロー、シアンの各色水性インクにより実施例及び比較例
の水性インク用記録材に5×5mmの範囲でレッド、ブ
ルー、グリーンのべタ印字(二色印字)を行い、印字3
0分後に20μlの純水を印字面に滴下し、30秒後に
濾紙を印字面に接触させ、インクが濾紙に転写される度
合いによって耐水性を評価した。インクが濾紙にほとん
ど転写されない場合を耐水性良好(表1に○印で示
す)、それ以外を耐水性不良(表1に×印で示す)とし
て評価した。
【0034】(2)印字画像の濃度ムラの評価 上記1)におけると同様にマゼンタ、イエロー、シアン
の各色水性インクにより実施例及び比較例の水性インク
用記録材に5×5mmの範囲でべタ印字(二色印字)
し、印字された水性インク用記録材をオーバーヘッドプ
ロジェクターにより投影し、投影画像を目視により観察
して濃度ムラがほとんどないもを○印で、それ以外を×
印で表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、本発明の水性イ
ンク用記録材によれば、耐水性が良好であり、ベタ印字
や二色印字の際にも濃度ムラが発生することのない良好
な印字画像が得られた。
【0037】
【発明の効果】本発明の水性インク用記録材によれば、
耐水性が良好であり、さらにインクの吸収速度が速く、
ベタ印字や二色印字の際にも濃度ムラが発生することの
ない良好な印字画像が得られる。また、本発明によれ
ば、透明性に優れており、オーバーヘッドプロジェクタ
ーなどに用いるのに好適な水性インク用記録材を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水性インク用記録材の一例を模式的に
示す断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 下側層 3 最外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 昭子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小谷野 正行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 露木 孝範 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田中 郁子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面にインク受容層
    を2層以上積層してなる水性インク用記録材において、
    インク受容層の最外層がポリビニルアセタールまたはそ
    の誘導体に対し10乃至50重量%のアルミナ水和物微
    粒子またはシリカ微粒子を分散させた層であり、下側層
    が水溶性高分子化合物からなる層であることを特徴とす
    る水性インク用記録材。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアセタール誘導体が芳香族系
    ポリビニルアセタールであることを特徴とする請求項1
    記載の水性インク用記録材。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアセタールがポリビニルブチ
    ラールであることを特徴とする請求項1記載の水性イン
    ク用記録材。
  4. 【請求項4】 ポリビニルアセタール誘導体がポリビニ
    ルフェニルアセトアセタールであることを特徴とする請
    求項1記載の水性インク用記録材。
  5. 【請求項5】 水溶性高分子化合物がポリビニルアルコ
    ールまたはその誘導体であることを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載の水性インク用記録材。
  6. 【請求項6】 水溶性高分子化合物がポリビニルピロリ
    ドンまたはその誘導体であることを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載の水性インク用記録材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000214622A (ja) * 1999-01-22 2000-08-04 Taiho Ind Co Ltd 静電印刷用被記録材

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